2024年2月24日土曜日

PENNにあるまじき凝ったスピニング「スピンフィッシャー704」

  昨年の某中古釣り具買い取り大手による”謎のデカアメリール&マイナー大森大放出祭り!”でナブラに突っ込んでしまい、狂乱索餌状態で購入したモノの、ちょっと時間が経って冷静になると、使うあてがあるでなし、大型機は売りに出しても値がつかんしで、7392円(送料別)はやり過ぎだったなと、やや反省して後悔もしていた。

 しかし、今回分解整備してみて、まったく7392円(送料別)は安かったと心の底から思って、ちょっと興奮を抑えきれない。この手の大型インスプール機が米国の釣り人、特に東海岸のストライパー野郎どもに人気なのは知ってたし、ベールワイヤーのないマニュアルピックアップ機の706zとフルベール機の今回のブツである704の後継機704zが2020年前後とかの最近にも復刻版が出てるぐらいに支持されているのも知ってはいた。いたけど706zは持ってるので、あんな感じの単純で壊れる部品が少ないところが共通の魅力なんだろうぐらいに思ってた。しかしながら、いざ分解整備してみると意外にあれこれと凝った設計で整備には思ったより時間がかかったんだけど、その凝った設計で奢られている機能は、今日の我が国大手製スピニングがやっと取り入れて追いついたぐらいの有用な機構で逆にいらんものは付いてなくて驚くほど完成度が高いと唸らされる。704の登場は1966年となっていて60年代のスピニングでっせ。今時のエラそうなスピニングがそこから何が進化したっていうのか?いらんもんが付いて蛇足状態で退化しかしてないんじゃないの?そのあたりを、ボチボチと分解の様子を報告しつつ説明していきたい。

 分解はいつものようにスプール周りからいっておく。まああれだ、あたりまえのようにこの時代のスピニングにも3階建てのドラグが入っている。

 ドラグパッドの素材自体は、1枚がテフロンで他の2枚が赤いファイバーワッシャーに近いざらついた手触りの樹脂製で、なんだろ繊維が見えてるのでグラスファイバーのFRPかなんかだろうか?かなり摩擦が大きくてキュッと締まる感じで、締まりすぎるのを1枚滑りの良いテフロンで良い塩梅に調整しているようだ。ドラグノブにバネも入ってるので調整幅もそこそこあるし、今時のドラグがここからどれだけ進化したんだって話。

 スプールは主軸に直接ブッ刺さってるわけじゃなく、この時点ですでにスプールの乗る台座のうえにはドラグを受けて安定的に作動させるため太い軸にした真鍮の部品が主軸に刺さっていて、後のスピンフィッシャーシリーズにも踏襲されていく。スプールと同期する6角ワッシャーが1枚多いのは底が平面じゃないので底に填めているのが1枚。でアルミ製スプールなんだけど、アルミ直受けではなく真鍮スリーブが入れてあるのもスピンフィッシャーの良き伝統。ドラグ周りに関してはドラグパッドの材質やらドラググリスの最適化とか細かい改良はあったとしても、この時点ですでにほぼ完成形である。アホをカタログ上のボールベアリング数で釣るためにドラグの軸にまでボールベアリング入れたりしているのは、何度もしつこく書くけど愚の骨頂で、最近さすがにダイワさんはちょっと反省したみたいで、ネットフリマに「セル○ートフルベアリング化キット」とかいう馬鹿丸出し臭のする品が売りに出されてたので、セ○テートみたいな上位機種にいまさらボールベアリング追加する隙はないんじゃないの?っておもったけど、どの位置のか確認してみたらドラグ関連の位置で、どうやらメーカーとしてもやっぱりいらんと判断したようだ(過ちを認めるのは立派)。にもかかわらず、メーカー公式に逆らって、かつ、どう考えてもドラグの機能にボールベアリングの低摩擦性は必要ないのに、わざわざ「フルベアリング化キット」なる”ヘビの足”を安くもない金額で売りに出す者が居て、買いたがるマヌケも多いのが我が国の釣り具市場だと改めて認識させられウンザリである。

 本体に移って蓋パカッと開けていくと、まあこのあたりは714zとかでもお馴染みの単純明快なウォームギア機って感じで、ハンドル軸のギアはステンの芯で真鍮製、ローター軸のギアはステンレスと定番安心の組み合わせ。ハンドル軸は左巻き専用機なので片軸受けで軸は長い真鍮スリーブで受けられている。逆転防止のストッパーはハンドル軸のギアの下にあるラチェットに掛ける旧式のものだけど、それでなにか不便があるか?って話で、本体内にあるから防塵防錆性も良い。遊びを小さくして適正化、空いてる空間にデカいのを入れて強度を確保とかはローター軸のギア周りに持ってくる方式のほうが優れているかもだけど、諸悪の根源”瞬間的逆転防止機構”の邪魔くささに比べたら、たいして劣っている方式ではないと思う。スプール上下は単純クランク方式でウォームギア機の巻きの重さに追い打ちかける形かもだけど、スプールが直径大きいわりに幅が狭く上下幅がそれほどあるわけではないので、巻いて特段重く感じるほどのことではない。滑らかで耐久性が高いけどちょっと重い、っていうウォームギア機の”味”のうちと思っておけば良い程度だと思う。

 ここまでは、60年代にすでにスプール周りがほぼ完成されていることに驚きはしたけど、言うてPENNだし、わりとあたりまえって感じではあった、でもローター周りに手を付け始めると、次々に「オオッ!」と心の中で驚きに声を上げるような設計が見えてくる。

 まずは、ラインローラーに樹脂製スリーブが入っていることに驚く。704自体は1966年の発売となっているけど、これまでも書いたようにPENNスピンフィッシャーは細かなマイナーチェンジを繰り返して最適化していったようなシリーズである。この個体自体が60年代の製造なのか、その後のマイナーチェンジを受けた機体なのかちょっとわからない。でも新しくても黒金の「z」シリーズになる70年代中頃以前とかのはずで、PENNのこの形のラインローラーはその形状から、あるいはPENN社の得意分野がトローリングであったことからも、トローリングロッドのローラーガイドからの形状や機能の流用だろうと思っていて、ローラーガイドには最終的にはボールベアリング入りも登場しているけど、ローラーガイドに樹脂製スリーブが入っていた時代があって、そこからの流用とかだろうか?同じアメリールのシェイクスピア「2062」でも60年代E系には樹脂製スリーブが入ってなくて、70年代のD系になると樹脂製スリーブ入りになる。大森製スピニングも似たような感じで60年代の「マイクロセブンDX」では真鍮のスリーブで、70年代の機種になるとお馴染みの樹脂製スリーブ入りとなる。704zの樹脂製スリーブ入りが、60年代からのものだとしたら、樹脂製スリーブ入りラインローラーの”元祖”はPENNスピンフィッシャーシリーズだという可能性がでてきた。これまでワシ、真鍮スリーブ入れてた大森が新素材で滑りが良くて耐摩擦性に優れるポリアセタール樹脂がでてきて、こりゃ良いや!と真鍮から樹脂に素材変更っていうのが”本家”かなと思ってたけど、トローリングロッドのローラーガイド由来でPENN元祖説が新たに出てきた。いずれにせよ現在でも多くの場合過剰装備でしかないボールベアリング入りラインローラーより、単純で錆びにくく最適解に近い樹脂製スリーブ入りラインローラーがすでにPENNではこの時代に採用されていたという事実に唸らされる。ちなみに大型機以外のグリーニーな714とか712ではスリーブ入りではなかった。

 つぎに、細かい所だけどベールスプリングがベールアーム側と反対側(矢印のところに取り外したのが写ってる)の2箇所に入ってるのを見て「インスプール時代のカーディナルみたいやんけ!」と驚く。巻きの多いバネ2つ採用なら耐久性が良く、かつ片方壊れても片方で釣りが続けられるというカーディナル3とかと同様の工夫。なんかPENNらしくないというかアメリールらしくないってぐらいに丁寧に設計されている。「耐久性が必要?だったらバネをぶっとくしておいたぜ、ハッハッハー、ガシャーン(壊れそうな勢いでベールが反転する音)!」っていう印象をアメリールに持ってるのは偏見だろうか?ワシってばレイシスト(差別主義者)?

 ベールアームとベール反転機構は反対側に持ってきてあって、これは714zとかとも共通のPENNお得意の方式で、重量分散して回転バランスをとってある。あるけど、それでもちょびっとバランス取りの錘が填めてあるのが見て取れる。と同時に傘の骨かってぐらいにローターの底の梁が放射状に沢山設けられていて、そこは丈夫さには定評のあるPENN社製、頑丈に作ってまっせという感じがしていかにも頼もしいところ。

 でもってお次が今回の目玉。ローターをパカッとハズしてみたら、なんか見慣れない黒いタイヤみたいな輪っかが鎮座している。タイヤと書いたのはこれ素材がゴムみたいな弾力のある樹脂でできてるからで、最初意味が分からなかった。でどうやって分解してきゃ良いンだろうといじくってると、単純に引っぱがしたら良いだけのようで、3箇所で下の”蹴飛ばし”兼”ボールベアリング押さえ”の真鍮部品から飛び出てるキノコ型の突起に刺さってるのを剥がす。

 ここまでバラすと「アッこれアレかも?」と思い当たる。ベール反転の”蹴飛ばし”自体はベアリング押さえの真鍮リングから立ち上がっている坂状の板部分で間違いないんだとは思う。ただ、ベール開放レバーがその坂を登る前に、どうもやんわりとこのゴム状樹脂の上に当たっていて、ベールを起こした状態で回転にブレーキをかけているんではないだろうか。要するに”ローターブレーキ”なんじゃないだろうか?と思って、軽く組み直して試してみると正解!ベール起こした状態ではちょっと回転重くなってる。704zの展開図で確認しても、部品番号21B-704で「Rotor Brake」となっているのが確認できる。ローターブレーキ自体は量産型スピニングの元祖ミッチェル「300」の昔から存在していて、投げるときにローターが回ってしまい意図せずガシャンとベールが返ってしまうのを防ぐ機能として、いろんな仕組みでいろんなメーカーが作っていて、珍しくはない機構である。でも、スピンフィッシャーに搭載されているとは意外だった。なんかZシリーズの大型機には付いてるというのを目にしたような記憶もそういえばあるけど、アウトスプールの時代になると、VやⅥは知らんけど、外蹴りにはつけようがないし、内蹴りの中小型機にもローターブレーキは付いてなくて、PENNとローターブレーキというのは自分の中で結びついていなかった。なにしろストライパー野郎どもの巣窟である「ストライパーソンズ」とかのネット上の情報交換サイトとかをみても、「手に入れた710がすぐに勝手にベールが返ってしまって上手く投げられません」という相談に「ベールレス機に改造すればベール周りのトラブルとはおさらばさ!ハッハッハー」とかいう回答がごく当たり前のように上がっている状態で、東海岸系の釣り人はとにかくベールアームを引っぺがしたがる印象があり、704系のフルベールをベールレスのマニュアルピックアップ機に改造するパーツとかは、あっちのネットオークションサイトでも珍しくないのを知っているので、まさか704にローターブレーキが付いてるとは不意を突かれた。なんでローターブレーキ付いてる機種をマニュアルピックアップ化するかね?まあパーツ少なくなって面倒がなくて良いってのがストライパー野郎どもの気質なのだろう。ということにして深く考えないでおこう。何しろヤツらはベールレスにしたがる。スピンフィッシャーだとアウトスプールの4桁とかの大型機をベールレスに改造するキットも目にするし、VやⅥにいたっては公式でマニュアルピックアップ機が準備されているぐらいに根強い需要がある。ある種の様式美かなんかだろうか?そういえばPENNのスピニングの旗艦機であるトルクにも公式のマニュアルピックアップ化パーツが用意されている。

 それはともかくローターブレーキって、変なところでベールを返さず真っ直ぐ投げられてミスしなければ無くても良いと言えば良い。でも人間ミスするし真っ直ぐ以外に投げにゃならんこともあるので、付いていればありがたい機構である。ワシ、バチ抜けシーバスで愛用してた4400ssは、柵にもたれるようにして上半身捻りつつ斜め上流に投げる場面が多く、どうしても捏ねて投げてしまい、4400ssはローターブレーキなど付いてないのでガッシャーンと意図しないベール返りを起こしがちであり、チョイ前に書いたけど内蹴りの部品を取っ払って、ハンドル回転ではベールが返らないようにしてしまって、ベールは左手で返すマニュアルベールリターン機として運用するという外法で対処しておりました。良い子は真似しないように。って感じなんだけど、21世紀になってやっと国産のスピニングにもローターブレーキに相当する機構が付くようになって、50年から昔のリールにやっと追いついてやがるって話なんだけど、これがまた再度退化しやがった事例を目にして、ちょっと腹に据えかねたので書いてしまう。昨年お客さんが使ってたリールが最近の安いシマノで、安シマノには「ナビ」で良い印象があったので、どんなもんかとちょっと使わせてもらったら怒りが湧く代物だった。ローターブレーキ付いてねえんでやがる。まあ安い機種なのでそれはそれで仕方ないのかもだけど、ローターブレーキ無しで意図しないベール反転をどう防いでいるかというと、元の木阿弥日本製スピニング暗黒時代よろしく、ベール返りを重くして返りにくくしてしまっていた。とてもじゃないけどハンドル巻いてベール返せんがな。初心者がこんなリール買って正しく利き手人差し指でライン放出調整しつつ、逆の手でハンドル巻いてベールを返すってお作法が身につくわけがない。大手が初心者にちゃんとした道具でちゃんとした方法教えなくてどうするよ?経費の関係で削るんならもっと削るべきところあるだろうって話で、少なくともベールがガシャーンと返ってしまってもハンドル回して軽く返るようにはしておくべきで、それなら正しい投げ方でないと投げられないので、使いにくくても練習にはなる。もっと言うなら瞬間的逆転防止機構を削ったら、防水もしなくて良くなって安くできるしリールとしての実用性は上がるし、なぜそうしないのか?初心者がアソビが無いかあるかとか気にするかよ、値段とブランドだけ見て買ってるだろって思うけどどうなのそのへん。少なくとも高級機種ではできるちゃんとしたお作法が安いヤツではできないってのは、御社の姿勢が問われる話だって誰もいわんのか?その時ワシが使ってたリールが、これがまた韓国日吉釣具の「ゴールドスピン」っていうベールの返りも軽く、簡易ローターブレーキもちゃんと付いてる実用性抜群の良くできたリールで、お客さんに比較のために触らせたら「全然違うじゃん」って道具詳しくない人でも分かったよ。まあ、ワシ、左手でライン放出調整してそのままベール返すのもやるし、マニュアルベールリターン機にしたりの外法で対応してたりもするので、正しい方法がどうこう言える義理じゃないかもだけど、安い機種に手を抜いて、安い機種を買う層である初心者が正しい方法を学ぶのを邪魔するのは大手がやっちゃダメなことだと思い、正直頭にきたって話である。皆さんもし釣具屋で安いシマノスピニングを触る機会があったらハンドル回してベールの返りを確かめてみてください。”うへぇ”ってなること請け合い。

 まあ脱線から戻って、なんにしろこの704というリール、ローターブレーキは付いてるし、ベールスプリングは2個ついてるしで、大きさこそ違えどまるで名機「カージナル3」とかのような仕様で、PENNにはあるまじき凝った仕様のイカしたスピニングなんである。無駄なモノは付いてない、必要なモノは揃ってる。丈夫さは折り紙付き。そりゃ米本国で最近になって色違い的後継機である704zの復刻版が出るわけである。今使っても何の問題もなく使えるだろう。復刻版が出たときにアマゾンの米国でのレビューとか読んだけど、「今までも使い続けてきたけど、これでこれからもずっと使い続けられる」とか書かれていて、あっちのお好きな野郎どもに愛されまくってきたのがうかがい知れる感じだった。

 まあわが家にある洋物の釣り本でも、東海岸なシーンには704やらミッチェルの大型インスプールやらが見切れている。ついでにフロリダのコビア(スギ)釣りのシーンでも左ミッチェル右706zという感じに見切れている。チョイ古い写真ではあるけど、今でもあっちの塩水系の釣り人はけっこうインスプールスピニングは好きな印象で、海だからってエラそうな高級スピニングしか使ってない我が国の、皆と一緒じゃないと不安な腰抜けどもと違って、好きなモノは好きなフリーダム具合、それがUSA!オーイェス!!

 ということで当初は使う気はなかったんだけど、コイツでガツンと青物でもやっつけて、今時の高級スピニングがなんぼのもんじゃ!50年前に必要充分な実用性のあるスピニングぐらいもうできてたんじゃ!というのを証明したくもなってくる。そんなもんワシが証明せんでも、いやっちゅうぐらいストライパーソンズが証明してるだろうけど、「あっちは匹数制限とか規則もしっかりしてて、魚も多くて釣りやすいだろうけど、日本じゃ魚はスレてて遊んでる余裕はない」とかクソみたいなこと言い出して、そんなもんどこでも魚がスレてるのなんぞ世界共通じゃ、アマゾンの奥地に行っても原住民のガイドのカヌーに日本の釣具屋のステッカー貼ってあるぐらいで、魚スレてないところなんてそうそうあるわけねぇだろバーカ、ストライパーソンズも東海岸大都市圏のスレッスレのストライパー向こうに回して、インスプールの愛機で気合い入った塩辛い釣りしてるのぐらい想像つかんのかね?つかねぇから遊べねえし楽しめねぇんだろうな、って哀れんじゃうよワシ。

 で、使うとなるとちょっとアップデートできる部分はしておくかという気はする。PENNは第4世代までは古いシリーズの部品で使えるモノは使いつつ設計していて、逆にマイナーチェンジ後や新しい機種の改良された部品を古い機種に取り付けるのも可能だったりする。50年前のリールが完成度高いので設計イジってない部分もあって90年代の4桁とか21世紀の第4世代とかと部品共有できたりするという驚きの事実。750ss系用のとかが使えます。ドラグ周り、そのままでもイケそうだけど、信頼のカーボンシート製のドラグパッド「HT-100」に2枚か様子見て3枚交換しておくとモアベターかなと。さらにはドラグノブはワッシャーを押さえる面が樹脂製から熱に強い真鍮製になって、さらに防水パッキンが付いた第4世代のものに交換すると憂い無しだろう。陸っぱり青物ならラインローラーは樹脂製スリーブ入りで充分だろうけど、もしこの記事を読んで船で沖に出て704でマグロとかをとなったらラインローラーは部品番号35-704、スリーブ35A-704で5500ssにも引き継がれて使われている部品であり、つまり社外品の5500ss用のボールベアリング入りラインローラーも使用可能(写真下が装着例)で換装しておけばなお安心。糸巻き量的には704zが235y/20lbでだいたい6500ssの220y/20lbと同じぐらいで、PEの4号250mぐらい巻ける。100キロのクロマグロは無理でも20キロぐらいまでのキハダとかならイケるでしょ。円安のおり割高になるけど海外のネットオークションには様々な時代の色違いやらなにやら弾数豊富に出品されている人気機種なので入手は比較的容易。なーに円安だろうと今時の高級リール様ほど金食い虫じゃないって。

 ワシ的にはまずは6500ssで魚釣ってないってのを脱却させたいので、そっちを優先だけど、いつになるか分からんけどそれが終わったら、704や706zで漁港の堤防から青物やっつけるとかいうのは長期的な課題として頭に入れておこう。堤防から青物自体は簡単じゃないけど、その時の道具的にインスプールの時代のPENNが充分以上に働くだろうことは確信している。

 PENN「スピンフィッシャー704」なかなかに良い買い物だった。


<事務連絡>”勝手にチャリティーオークション”は無事終了。報告は元ネタの方でさせてもらってます。お年玉の5500ssに応募者いまだなしです。タダでっせ!誰かもらって使ってやってください!!

2024年2月17日土曜日

売るためのとってつけた機能ではなく、釣り場からの要望とかの反映

4200ss~9500ss
 薄々読者の皆様お気づきかもしれませんが、ワシ「PENN」についてはちょっとうるさいよって感じで、このところ4桁スピンフィッシャーを分解整備してたんだけど「そもそも一括りに4桁スピンフィッシャーと言うけれどもニッチャァ」って感じでネットリじっくり書くこと沢山あって、前回あれほどネチクリネチクリと書きまくっても、まだ書き足りない。っていうか書きまくってたら収拾つかなくなって分けて書き残してた分をちょいと整理したのが今回のネタでございます。れいによってこれまでも書いてきたことの繰り返しにもなるだろうし、先週書いたことさえまた書いてるかもしれない。それでも書く。なぜならワシが書きたいから書くのである。熱暴走して頭おかしくなってるのかってぐらい書く。

 

550ss,5500ss,4500ss
 前回チラッと書いたけど4桁5500ssは3桁550ssの直系じゃなくてむしろ3桁450ssの直系であるとか、久しぶりに4桁スピンフィッシャーをいじってて改めて気付いたこともあり、そのへんを整理した感じの内容になる予定で、前回のネタが「4桁スピンフィッシャーの薦め」的な一般的?なモノだったのに対し、今回のネタはPENNに興味の無い人には一切楽しめそうにない重箱の隅をつつくようなネタで、主に3桁から4桁への変遷過程を推理しつつその辺りを行ったり来たりしつつ書いていきます。PENN沼の皆様におかれましてはそこそこ楽しめる内容になると思いますので楽しんでいってくださいね。

 スピンフィッシャーの3桁と4桁の違いというと、3桁は全モデル金属本体で4桁になると5500ss以下が樹脂製本体になるという大雑把な印象が一般的だと思うけど、実は正確ではない。なぜなら3桁にも樹脂製本体のが存在するからである。

5500ss,4500ss,4400ss
 3桁シリーズのうち、最初実は440ssも450ssも左ハンドル専用の金属本体の機種だった。形式は420ssや430ssがそうであったように、インスプール時代のZシリーズをアウトスプール化したような外観。おそらくウォームギア機。しかしこのモデルは短命だったらしく「ミスティックリールパーツ」さんところの写真などで外観の写真しか見たことがなく、オークションでも出てきたのを見たことがない、内部のギア方式とかは不明。ちなみにミスティックリールパーツさんところの450ss、440ssの冒頭写真は左専用の初期型だけど、展開図やパーツリストはその次の左右両用版になっている。この左右両用版になった時点で、なぜか440ssはカーボン樹脂本体、450ssは金属本体と分岐している。この時の2機種の機構が実は4桁4400ss、4500ss、5500ssの元になっていて、ベールアーム側に反転機構を、反対側にベールスプリングを持ってくる構造はここから採用されている。なので、3桁550ssと4桁5500ssとではボディーが金属製から樹脂製に変わったということだけでなく、設計が550ssより後発で改良が加えられた450ssの後期型に寄せられていて、ベールスプリングの巻き数も増えて耐久性も増しているのである。ちなみに3桁から4桁にかけての変化として、ギア方式がスパイラルベベルギアの中心軸をズラしたようなハイポイドギアから、今のスピニングの標準的なギア方式であるハイポイドフェースギアに変わったことを把握している方も多いだろうけど、私の見てきた限り、4桁になっても初期の頃は余ってたハイポイドギアぶち込んでたのか、ハイポイドギアの4桁6500ssとかが存在するのを確認している。

ドングリノブ、樹脂ノブ金ハンドル、樹脂ノブノーマル
 ついでに、4400ss、4500ss、5500ssの初期型はドングリノブが付いてるタイプで、これらはギア比が大きいハイスピードタイプになっている。なぜなら、これら初期4桁中型機も3桁に搭載されていたハイボイドギアを突っ込んでいて、ギア比も5.1:1の3桁後期のギア比を当然ながら踏襲しているからである。その後4桁の当該3機種はドングリノブではない金ハンドルの時代になって、4桁では標準的なギア比4.6:1のハイポイドフェースギア搭載に変更されている。そして黒ハンドルT字樹脂ノブのよく見るハンドルの時代に移行していく(写真はすべて4500ss)。

 おさらいでスピンフィッシャーZシリーズから3桁そして4桁への推移を見ていくと、まず小型機の716z、714zはそのまま金属本体の左巻き専用機で、ギア方式も互換性があるぐらい同じなウォームギアを踏襲して3桁420ss、430ssに引き継がれ、4桁に移行する際に樹脂本体になるとともに内部のギア等を一新、4200ssではハイポイドフェースギア採用で”大森っぽい小型スピニング”に、4300ssはギア方式こそウォームギア方式を踏襲するも、ハンドル軸のギアは小型化され左右両用になって生まれ変わった。ただ両機ともに3桁時代とスプール互換性はあって双方持っているとスペアスプール体制が組めて便利だったりする。

 Zシリーズのその前身というか色違いの”グリーニー”な716、714から4桁まで小型2モデルはずっとワンタッチスプール採用で、惜しむらくは第4世代の”ssg”になるとワンタッチスプールが廃止で小型機についてはスプール互換性がなくなる。ギアは中型も含め4桁と同様の形式のものを踏襲している。

 同じ型番のモデルでも発売年とかで微妙にちがってて、716、714と716z、714z初期が実は単なる色違い程度の違いなんだけど、716Z、714z自体は90年代まで4桁と並行して作られていた超ロングセラー機なので、細々した違いが生じている。古いのはハンドル根元に注油穴が開いていて、本体蓋が金属製。新しいのは注油穴省略で本体蓋も樹脂製に変更されている。
 4200ss、4300ssも細々とした変更が加えられていて、後期型はハンドルが改良されて写真上の上の方の半月型にギザギザが入ったタイプに変更されている。前期型のハンドルノブは掃除がしにくくて回転が悪くなりがちなのでそのあたりの改良だと思う。あと、ワンタッチの爪が金属の三枚羽タイプから後期型は、白い樹脂製の取り替え式の爪を填める方式に変更されていて、金属の爪は折れると主軸ごと交換なので、爪だけ交換方式は経済的で良い。今時のリールでワンタッチ式スプールってほぼ絶滅(ミッチェルブランドの最近?の機種にカートリッジ式があったっけ?)してるけど、素早くスプール交換できてドラグもいじらなくて良いのは実用面で大いに利点だと思うけど、まあ実用面なんて売れるか売れないかにあんま関係ないってのがここまで証明されてしまうと、流行じゃなくて売れそうにない機構はわざわざつけんのだろうな。大型リールで付いてたのはメタロイヤルフィッシングサファリとかのリョービ勢が最後だったけど、リョービも釣り具部門売るハメになったし、ホント良いモノ作ってりゃ売れるってワケじゃない。

712,440ss,4400ss
 中型機に移ると、初期の左巻き専用440ssが712zと同サイズなのかは実物確認してないのでなんともあやしいけど、先ほど書いたように初期版の440ssはZシリーズみたいな形状の左巻き専用の本体なのでその可能性はあると思っている。コイツの中身は不明だけどおそらくウォームギア機で、次にでた後期?440ssは、設計から言ってほぼ4桁4400ss同様の仕様だったようだ。本体樹脂製で712z(写真は712)ではドラグが3階建てだったのが、440ss及び4400ssでは直径の大きな1階建て方式になっているので、おそらくアウトスプール化した初期440ssのときに変更してから踏襲しているのだろう。4400ssより大型の4桁には終盤日本仕様の”ssj”モデルがあって、コイツには元は9500ssにしかなかったラインローラーのボールベアリングが入った。4400ssは途中からギア方式がハイポイドフェースギアに変更されているが、初期のドングリノブ個体にはハイポイドギアが入っていて、440ss後期樹脂本体版と4400ss初期ハイポイドギア版は同一仕様ではなかろうか?っていう感じで意外にズルズルとちょっとずつ微修正加えながら改良されていってるというのが、このことからもうかがえる。ちなみに、3桁に金属本体じゃなく樹脂本体のがあったと書いたけど、ということで440ssの後期型?がそれ。写真ではかすれかかってるけど「GRAPHITE」の印字が読める。叩いて確かめると確かにコッコッて感じの樹脂製の音がする。
 あと細かい話だけど4400ssの時代にスプールの上部の形状が変更されている。旧型は稀にラインがドラグノブの下に巻いてしまうことがあるけど、新型はそうならないようになだらかに傾斜させてある。
 写真左が旧型スプールwith初期4400ss、右が新型スプールwith後期4400ss、440ssgドラグノブを添えて。って感じで第4世代440以上の機種はスプール3桁4桁と互換性があり、当然ドラグノブも互換性あるんだけど、後発の第4世代ssg、ssmのドラグノブは効果あるんだかないんだか防水パッキンが追加されていて、それとは別にドラグノブの止まりが良くなってて緩みにくくちゃんと進化してるので可能な範囲で換装してある。
 ついでに書くと以前書いたように、大型機とかのドラグノブは当初樹脂製だったのが4桁後半にはドラグワッシャー押さえるアタリ面が金属製にアップデートされている。も一つついでに書くなら4400ssとか中型機は逆転防止のラチェットの歯が6(4もあったかも)から8へと増やされていて、途中からドックを留めるEクリップが追加されている。ラチェットの厚みがEクリップ有り無しで違うようで互換性無いので注意が必要。(追加註:最終モデルでラチェットを爪ありドックではさむのではなくダイワっぽく針金パーツで主軸の回転を利用して消音化してる爪無しドック版も存在した様子、互換性有る無しはこの最終モデルとそれ以前かも?) 

 次に、初期450ssと710zが大きさ的に対応しているのかはこれまた怪しいところだけど、700zが550ss、704zが650ss、706zが750ssと一応糸巻き量的にはやや近いので、710の本体形状をそのまま活かして初期450ssは作られたと考えた方が自然かなと思っている。450ssの後期版は440ssとは違って金属製であり、ひょっとしたら後期版440ssと450ssを同じような設計で金属本体と樹脂本体とを作って市場に出して、故障の出方や評判を見て次のシリーズである4桁の設計に生かしたのではないかと愚考する。結果、樹脂製本体は時流でもあり、市場でのユーザーの評価も悪くなく「すぐ壊れる」なんてクレームも上がってこないので「よっしゃ中型機までは樹脂製本体でいいな」という判断になったんだろうと思う。で、設計的には似た感じの440ss並びで樹脂本体化して4500ssになったという流れか。

 でもって、550ssは登場初期から700zをアウトスプール化しただけの設計ではなく、最初から左右両用ハンドルの金属本体モデルで、かつスプールとか共通だけど意外と後継機の5500ssとは設計が違う。5500ssでも途中からギアがハイポイドギアからハイポイドフェースギアに変わってるのもあるけど、写真右が550ssだけどベール反転がベールアーム側にあって、かつベールスプリングもそっちに入ってるので、回転バランスから考えても後期440ss、450ssで始まったベールスプリングがベールアームと反対側にあってベールアーム側には写真左のようにベール反転機構が入ってる5500ssの設計の方が重量分散してて良さげだし、何よりあのウニャァっと伸びてる2回巻きのベールスプリングより、5500ssにも採用された後期450ss、440ss方式の3回巻きスプリングの方が、どのみち1.5倍ぐらいじゃ定期的な交換は避けられないにせよ長持ちはする。ということで、5500ssは550ssの直系というよりは、後期450ssの直系に近いのかなと思っている。550ssをまず発売して、その問題点や左右両用の好評さとか勘案して改良した設計が後発の後期450ssだとも考えられる。樹脂本体という点では後期440ssの設計を5500ssに反映したとも言えるけど、440ssはドラグが1階建てで、4500ss、5500ssはドラグが3階建てになる点で設計上の違いが大きい気がする。というような紆余曲折ありつつも4500ssと5500ssは樹脂製本体、ベール反転機構とスプリングが分散式、ドラグが3階建てと共通の設計思想で、糸巻き量違いの兄弟機だとワシの中では分類している。

8500s,7500ss,6500ss
 で、兄弟機という点では大型機に移って650ss、750ss、850ssは糸巻量違いの兄弟機だとこれまた思っている。アウトスプール化の時におそらく750ssの元になった757をベースに設計されたんだろうと思うけど、とにかく単純丈夫な鋳造アルミ本体の外蹴り機でぶっ壊れるところが少ない。ベールスプリングと意図しないベール返りで壊れるストッパー周りを用意しておけば、遠征先でも困ったことがない。ストッパーはよしんば壊れても予備のカチカチ鳴る方を使えば当座はしのげる。っていう感じでこの3桁3機種はこれはこれで完成形に近く、4桁6500ss、7500ss、8500ssになってもギア方式がローター軸のギアを真鍮製のかさ歯車に斜めに溝を切らにゃならんようなハイポイドギア方式(ハンドル軸は真鍮だったりアルミっぽい素材だったりなんだりかんだり)から、安価で製造しやすいローター側真鍮、ハンドル側真鍮芯亜鉛鋳造のハイポイドフェースギアに順次(最初の頃の4桁にハイポイドギアが入ってることがある。ギアはセットでなら互換性あり)換えたぐらいでほぼ一緒、最後の方でssjにはラインローラーにベアリングが入ったけど、まあこのクラスのマグロとかが掛かる可能性があるようなサイズのリールには社外品のボールベアリング入りラインローラー入れるのは普通で、ボールベアリング嫌いのワシでも念のため入れちょったぐらいであり、あんまいじる必要もないリールだったわけである。ハンドルピンが曲がるって?それはスピニングリールの使い方を分かってなくて”ゴリ巻き”して壊しているだけであって、ポンピングで竿で稼いだ分だけ巻いてりゃ純正ハンドルでも壊れないって話は証明済み。ついでに書くと7500ssと8500ss(750ssと850ssも)はスプールとそれに伴ってローター周りの大きさ変えただけっぽくて、ギアも共通で本体蓋さえ共通の仕様。っていうのに銘板ハゲ個体の7500ssj用の銘板付きの蓋探していて気がついた。

9500ss
 そして、4桁から投入の超大型機9500ssは最初っからマグロとかドラグ使って走らせまくって獲るための機種として設計されている。どっかの大手メーカーさんがさも新しい技術のように宣伝してた、スプール裏面の広い面積を使ってデッカい直系のドラグパッドを用いる方式を90年代には採用し、尋常じゃない速度で走る魚にラインをくれてやって対応するべく、糸巻き量は30lb340ヤードと新品のスプールに糸巻くとくたびれる大容量。そして最初っからラインローラーはボールベアリング入り。黎明期のジギングで数々の記録がこのリールで打ち立てられたのは必然だったのかと。そういうのを狙って設計されています。

 っていう具合で、4桁スピンフィッシャーには、インスプールの70年代から脈々と引き継がれてきて、PENN社のそしてPENN使い達の知識やら技術やら情熱やら要望やらが詰まって形作られていった究極の実用スピニングだとワシャおもっちょるのさ。

950ssm,430ssg
 第4世代と呼ばれる3桁ssg、ssmシリーズも逆転機構を一方通行のベアリング一個に任せてしまって簡略化し、ギア方式は踏襲、小型モデルを除き引き続きスプール共通な、単純設計で丈夫なスピンフィッシャー直系のシリーズだと思うけど、諸悪の根源”瞬間的逆転防止機構”はPENN社をしても完璧には設計しえず、430ssgは使いやすくて気に入ってるけど、冬の東北に持っていくとグリスの粘度が上がって逆転防止が効かなくなる。とかいうのを何とかしようとすると、結局PENN社でさえ日本の大手と一緒で、やれ防水性がとか、本来水辺で使う道具に入れちゃダメな種類の濡れるとダメな機構を入れたがために面倒くせえことになっていて、VやⅥも使ってみたいけど二の足を踏んでしまうのである。

 

 という感じで、4桁中心に細かいネタをあれこれ突っ込んでみました。この手の”何年式モデル”みたいな話は歴史の長いリールではお馴染みのネタだけど、丸ABUやらミッチェル408、308やらほど我が国では人気がないPENNスピンフィッシャーについて、誰か書いてくれると良いなと思いつつ、ワシぐらいしか書かんか?と諦めて書きました。と言いつつ年代書いてないけどミスティックさんところで調べれば分かるし細かい年数とかは興味ないので無視。ちなみに樹脂製の4桁スピンフィッシャーにはデカールの下とかどっかに製造年が刻印されてたりするけど、本体パーツを作った製造年でしかなく同じ本体で中身の仕様がヘタするとギアごと変わってたりするのは書いたとおりであり、あんまアテにならんと思ってます。でもって全体的な設計変更や新機種投入の経緯を見ていくと、タイトルに書いたとおり、往年のPENN社は売るためのギミックぶち込んで新製品をドーン!っていうのはあんまりやらなくて、故障対応なり要望なりを受けてだと思うけど、チョコチョコとしたマイナーチェンジでの対応が多くて、新製品出すときも事前に前のモデルの後期型とかで試した変更を良かったら採用とかいう感じで、いきなりわけわからん機構を実戦導入とかは避けて、仕様を一気に換えてしまうようなことが少ないのが分かる。パーツも古いのがそのまま使えるようになってたりして、その分の金型代やら開発費やらは抑えられていたハズである。機能的に変わらないところでも、新型ではデザインだけ換えて目新しく見せて売るのに全力投球な国内大手とかとは、リール作りの姿勢が全く違っていたといって良いだろう。

 でもまあ、PENNもピュアフィッシング傘下に入って、スピンフィッシャーもⅤやⅥは古い機種と部品互換性とかもあんまりなくなってしまった。でも、Ⅵとかもういじるところあんまり無いなという感じなのか、モデルチェンジしばらくしてなくて、ずいぶんなロングセラーになっている。コロコロ新製品出すのは別のシリーズに任せて、スピンフィッシャーは長く使える基本性能で売るとかなら、ピュアフィッシングさんも分かってらっしゃると評価するけど、実際のところどうなんだろ?

 714zや706zの復刻ものとかもあるので、潜ろうと思えばさらに沼の深くに潜っていくことも可能かもだけど、まあ息がそこまでつづかないので、今宵はこのへんにしとうございます。まあまあスッキリするぐらい書けたかな。

<業務連絡>17日土曜朝現在、お年玉プレゼントの5500ssに応募者無しです。このブログ読んでるような沼の住人はみんな5500ssは余らせてるのか?引き続き募集中です。勝手にチャリティーオークションの方は2台とも入札有りですがこちらも引き続き参加お待ちしてます。

2024年2月10日土曜日

古今東西史上最高の実用機はPENN社4桁スピンフィッシャー

  (当社比)。

  釣り具に求められるものは、必ずしも性能や実用性だけでないことは重々承知で、ややジャジャ馬な丸ミッチェル使いこなす楽しみなんてのも知って、そういう実用面以外も大事だと改めて思うようになったけど、今時のリールが高性能高機能を謳ってるわりには、ぜんぜん道具として実用度が高くなさそうに思うのであえて書く。実用性にこだわるなら、4桁PENNで事足りる。今時のハンドルもたためン、水辺で使うのに浸水したら不具合生じるようなクソリールよりは少なくとも実用性が高いと改めて書いておきたい。

 でもって、今6台の4桁PENNを整備しているところなんだけど、最近ワシもうちょい古い時代のインスプールの714zをシーバスでは主に使ってるし、4桁は青物とか狙うのに4500ssをたまに投入するぐらいで出番作れていないのになぜ6台も整備する必要が出てきたのか?縁というのは実に妙なるもので、当ブログの読者様から「実はペンリールを整理していた所、使わないリールなどが出てきたので是非ナマジさん引き取って頂けないでしょうか?ヤフオクなど出品も面倒でしないので受け取って頂けるとありがたいです。」とのメールがあり、まあワシも好きなほうなのでありがたく頂戴したところ、送られてきたリールたちをみて「しまった、軽くホイホイともらってしまったけど、これはモノが良すぎる!」とちょっと焦った。使い古してボロボロのを何台かもらって使えるように整備してやろうぐらいのつもりでいたけど、1台やや回転重くなってるのがある程度で、特に整備無しで実戦投入しても問題無さそうなのが、スペアスプールも豊富に6台。具体的には5500ss(j)3台、4500ssj、4400ss、440ssで、そんなに値段がつく機種ではないにしても実用機としての根強い需要はあって、1台5千円ぐらいはヤフ○クとかに流しても値が付きそう。銘板ハゲ個体すら一台しかなく状態は良好。

 さすがにこれは申し訳ないと「オクで売るので半額返させてください」等と提案してみるも「ブログ楽しませてもらってるお礼です、老後の資金の足しにでもしてください」とやんわり断られてしまった。ここでご厚意を固辞するのが不粋なのは自明なので、ありがたくいただくことにした。特に、ドングリノブとコーヒーミル型ノブの個体は、PENNのT字ノブは軸がやや太く指の腹が痛くなってくるのであまり得意でないワシには好適で、中型機のコーヒーミル型ハンドルは中古市場でも弾数少なく貴重なので実用面でありがたくもある。

 とはいえ、わしの釣り人人生はこれまでも諸先輩方や仲間にいろんなモノを有形無形問わずいただいてきてばかりである。いかがなモノかと思わなくもない。とても素敵なエピソードで何度か紹介したネタだけど、スピルバーグ監督がインタビューで「あなたは既に充分なお金も名誉も得ているのに、なぜまだ映画を撮り続けるのですか?」というクソみたいな問いに「オレはディズニーに神聖な負債があるんだ。だから映画を撮り続けなければならない」と答えていて、いたく感動した。ワシも諸先輩方や、釣りの技術や文化を創造してきた先人達にシャレにならないほどの神聖な負債がある。良くしてもらった本人に返す機会があれば返しても良いんだろうけど、彼らはワシからの見返りなど期待もしていなければ、彼らに受けた恩に報いるだけのものを返す術もぶっちゃけ持ち合わせていないし、遠い先人とかであれば返しようもない。ただ、ワシが負債を返すのを、彼らが若輩者であるワシにしてくれたように、ワシの後輩である若い釣り人やらに返すというのは、神聖な負債の返し方としては上等で真っ当なものであり、そうやって技術だ文化だ精神だというものは引き継がれていくのが正しいのだろうと思う。微力ながらワシもそう思って、釣具屋さんにあんまり騙されすぎないように、こんなブログを書いたりしているし、迷える子羊たちにヒントになるような釣りに関するアレコレを書いたりもしている。釣りの面白さ、楽しさ、苦しさ、難しさをも伝えたいと、丸ボウズくらったり手ひどい失敗したりとかもなるべく包み隠さず釣行顛末記の方には書いている。そういった聖なる負債の返済の一環として、今回、新春お年玉企画として、縁あってわが家に来た4桁PENNのうち、とりあえず確保したい3台を除いた3台を、4桁スピンフィッシャーの良さを知ってもらって、実用度の高いリールっていうのはこういうモノだよってのを実感してもらうために、きっちり整備して読者にプレゼントしてしまおう、というつもりでいたところ、お屠蘇気分を吹っ飛ばす北陸の地震で企画は一旦お蔵入りとした。

 で、まだまだ被災者はインフラの復旧もままならない中ご苦労されているとはいえ、ボランティアの募集も始まったようで、次の段階に移行しつつはあるようだ。ということで、そろそろ良い頃合いかなと蔵から企画を出してきたんだけど、ワシ良いこと思いついた。これ自主的チャリティーオークションにしてしまって、得たお金を能登半島地震関連に募金してしまえば、4桁PENNが欲しい人にリールが渡って、かつ復興の一助にもなる。ワシは整備と出品の手間ぐらいで、元の持ち主の方も悪くない使い方だと思ってくれるだろう。ということでチョイチョイとパーツを組み替えたりしつつ比較的綺麗でかつ、売りやすいラインローラーにボールベアリングが入ってる”ssj”な5500ssjと4500ssjとをヤフオクに出して売上金を全額寄付。残りの一台5500ssは銘板片ハゲ個体なので値段つきにくいし、コイツは読者への遅いお年玉ということで一名様に送料もこっちで持つのでプレゼントしてしまいたい(海外の方は送料高いので無理です)。お年玉の方は使って気に入らなければ売っぱらおうがなにしようがかまわないけど、最初から転売目的は遠慮してください。何釣りに使う予定か等を書いてサイトのホームページ下の方にあるメールアドレスまで「5500ss希望」と明記のうえ、送り先、氏名と電話番号を書いてご連絡ください。着順とメール内容を考慮して、こちらで一名様に発送させていただきます。ヤフオクの方は、商品説明の隅の方に括弧書きで(売り上げは寄付する予定だけど落札者に個別に報告とかするつもりないのでブログ読者以外は気にしないで)との旨書いて出品中です。締め切りは17日(土)の夜ですのでふるってご参加ください。売り上げ寄付した証拠の画面はプリントスクリーンででも保存して後で当ブログでご報告かなと考えております。※プレゼント終了しました。

 というわけで、久しぶりの4桁PENNの全バラしフルメンテ、改めて気がつくことなどもあったので、4桁PENNの宣伝がてら、その設計やら何やらを紹介してみたい。とりあえず4500ssと5500ssは大きさが違うだけで設計等はほぼ共通の兄弟機なので、4500ssjを例にご託を述べてみたい。

 まああれだ、リールの本質は”糸巻き”と言われるぐらいでスプール周りのデキの良さ作りの丁寧さを見てもらえれば、このリールがいかに実用度が高く、戦闘力が高いかご理解いただけるかと。

 ドラグは3階建てでカーボンシートのバッドと、別にどうということはないように見えるかもしれない、ただカーボンのドラグパッドにはインターナショナルやセネターといったトローリングというドラグが重要な釣りでPENN社が培った技術がこめられており、スピニングへの採用に関しては先駆者的な存在でもある。多少調整幅が今時のスピニングより狭い程度で、ドラグの性能自体はPENNに勝てるモノがあるとは到底思えない。トローリングの世界での圧倒的な実績を考えると昨日今日ドラグを付け始めたメーカーのドラグが魚掛けてからの性能でPENNを凌駕することなどありえんぐらいに思っている。そのぐらいPENNのカーボンドラグパッド”HT-100”は信頼性が高い。調整幅がやや狭いけど、だいたいそのリールの大きさで狙う魚に相応のドラグ値あたりにドラグノブ締めていってキュッと締まる前後で決まるようにはなっていて、気に入らなければ緩めるなら一枚テフロンパッドに締めるなら一枚赤ファイバーワッシャーにとかで調整は可能。あと、初期のドラグノブは樹脂製だったけど、途中からドラグワッシャーを押さえる部分は真鍮製になっていて、高速でスプール逆転してドラグが熱くなってドラグノブが溶けることがないように改良されている。ドラグはそのぐらい熱を持つということは知っていると、ペットボトルの水掛けて冷却したりと対策もとれる。

 でもって、ドラグがブッ刺さっている軸は真鍮で太くしてある。これ理屈は良く分からんけどドラグの作動が安定するようには感じていて、アメリールだと60年代製造のシェイクスピア「2062」も既にそうなっていて、干からびてた皮のドラグパッド換えてやったら調整幅、作動の滑らかさ共に文句なしの状態に調整できた。軸が太いのが安定性に寄与するのなら、ボールベアリング噛ませるのも軸?は太くなるわけで安定性の面では役立っているのかもしれないが、何度も書くけど負荷が掛かった”重い”状態で回転して機能するドラグにボールベアリングの軽く回る”低摩擦生”は全く必要ないだろうと思う。ポリアセタールのブッシュでもカマしとけば軽くて安くて充分だろうと思う。アホかと。あと、この真鍮製の軸、実は割れます。といっても割るのにワシぐらいのヘビーユーザーで10年ぐらいかかったけど、当時はすぐにPENNリールジャパンから部品取り寄せ可能で問題生じず、後に「ミスティックリールパーツ(当時のスコッツ)」さんで予備確保しておこうと思ったら実際に割れた5500ss用のは売り切れていて、ハードに使い倒すとやっぱり割れるようなのである。ちなみに4500ssのは在庫あったので確保してある。真鍮の部品が割れるぐらいに海のルアーとかやってると道具は酷使するわけで、ドラグなんて滅多に使わない内水面の釣り中心の場合とは道具の評価基準も自ずと違ってきてあたりまえである。

 ということで、本体は4桁になって樹脂性になってもスプールは丈夫なアルミ製。でも丈夫なアルミ製だとしても真鍮の軸が割れるぐらいにドラグを使うことを想定すると、軸をアルミで直受けすると削れる。なので、ポリアセタールかなんかの黒い樹脂製のスリーブが入れてあるって思ってたけど、今回よく見てみたらスリーブには真鍮製のものもあるようで、いずれにせよ回転部分は直受けせずにスリーブ入れるという丁寧な仕事ぶりなのである。下の写真の右が樹脂スリーブ入りで左が真鍮スリーブ入り。

 スプールエッジの形状も真っ直ぐで端だけちょっと斜めってて、今時のスピニングと機能的にあんま変わらん。この4桁PENNのスプールから、今時の高級スピニングのスプールがなにか進歩して明らかに優れている点ってあるんだろうか?ワシ思いつかないんだけど?かつ、ボールベアリングまで入れてクソ高くなってるとおいそれと替えスプール体制組めんだろって話で、新品で2千円台とかで売ってて替えスプール2個3個と用意していろんな釣りに対応できたりしてた4桁PENNのアメリールらしい質実剛健、実用的で無駄のない造りは”戦闘能力”高いなと思うのである。替えスプールは増やすと如実に効果がある買う価値のあるモノだと思うけど、今時の高級リールのユーザーってちゃんと替えスプール用意してるんだろうか?替えスプールだけで何万とかしてまっせ。

 次にパカッと本体蓋を開けていく。ギアとスプール上下機構(オシュレーション)は普通。どってことない仕様でローター軸のギアは真鍮、ハンドル軸のギアは真鍮の軸を鋳込んだ亜鉛、と真鍮と亜鉛の経済的なハイポイドフェースギア。スプール上下機構もハンドル軸から回転を持ってくる単純な減速式で、今時のみたいにカムがS字になってたりしないので巻き上がりは上下に盛り上がりができる。けどまあ気にするほどでもないかなと思ってる。端が崩れてドバッと出るライントラブルとかは糸巻き量を減らせばどうにかなるし、スプール上下幅と糸巻き幅をキッチリ合わせたければスプール下面に板でも貼って調整してやってもいい。ワシャそこまでやるのは面倒なので、スプール座面のテフロンワッシャーを薄いのに換えて前巻き気味にして使ってたりもするけど、そのままでやや糸巻き量少なめ運用が面倒が無くて良いかなと思ってる。特に尖ったところのない”普通”の安っぽくさえあるギア周りである。ハンドル軸が真鍮でネジ込みハンドルになってるのは丈夫で良いけど、こんな安デキのギアで大丈夫かと、今時の”我が社のギアは特別製で素材からして強度があって”とかやってるのを目にしていると思うかもしれない。でも大丈夫なんである。回転の軽さとか本体の軽さとか気にせず、充分な余裕を持って設計しているんだろうとおもうけど、この4桁PENNのハイポイドフェースギア、ワシいまだギアが逝くまで使い潰した個体はないっていうぐらい長持ちします。超ジュラルミン?鍛造?そんなもんどうでもいいから、充分な分厚さと接触面を確保して設計しておけって話なんだと思う。どうせ魚釣るときには魚が掛からなくってもルアーの重さとかが掛かった状態で巻くんだから、リール空回ししたときにいくら軽く回っても意味ねえっちゅうの。ギア比やらギア方式を効率よい方式に変えるのならいざしらず、空巻きした時に軽くまわる性能が魚かかったときに軽く巻けることに有利に働くとは思えない。マイナスには働かなくとも無視できる程度の差でしかないだろう。例えばシャッターの上げ下ろしの手巻きウィンチとか、ベアリングもクソもないようなキリッキリやかましい代物でも、ギア比が適正ならキリキリ巻いてるとちゃんとシャッター動いてくれる。あれにベアリング入れて空回り時クルックルに仕上げたとしても軽く回せるようになる理屈が無い。油ぎれで重くなってたらさすがにまずいだろうぐらいのことはあるにせよ普通に回ってれば充分で、空回しでクルクル軽く回ることと魚が掛かったときに力強く巻けることにはあんまり関係がない。よっぽど軽い仕掛けやルアーを使う場合は空回しと同じような巻き心地で釣りができるのかもしれないけど、そうなってくると巻きが軽すぎるときに起こりがちな”巻き感度”が悪くなるという不具合も生じてくる感じで、空巻きで軽く滑らかに回ることに実釣上の優位性などほぼ無いと思った方がいいと思う。

 本体樹脂製なんだけど、本体蓋留めているネジはタップネジを樹脂に直接ねじ込んでるんじゃなくて、金属製の雌ネジを填めてあって、分解清掃等メンテナンスを前提として設計されていて好感の持てるところ、スピンフィッシャー第4世代の430ssgは使ってるウチにネジ山潰れてきてリコイルで修復した。

 あと分解清掃で憶えておいた方がイイのがハンドル軸のギアを抜く順番で、本体蓋開けてすぐに抜こうとしても抜けない。なぜならスプール上下用の歯車が主軸と逆転防止のスイッチ用の軸に邪魔されて抜けないから。まずネジ2つでガッチリ止めてある主軸を抜いて、しかる後にハンドル軸のギアを抜くというのがお作法です。

 でお次はローター周りバラしていくんだけど、この個体はラインローラーにベアリングが入っていて、かつ規格品の小さいボールベアリングにあわせたのか、ラインローラーの填まる軸の太さがそれまでと違う新規格になっている。そして、その太さの違うベールワイヤーの軸に銅色のボールベアリング入りラインローラーが填まっているので、社外品のボールベアリング入りラインローラーを組みこんだのではなく、コイツは4500ssの終盤にでた4500ssjなんだろうと思う。ベールワイヤーごと交換してssj化するのも良くやられていたので、その可能性もあるけどとにかく仕様としては4500ssj。これが、つねづねこんな潮かぶりやすいところにボールベアリング入れたらいかん、と言っているのを裏付けるかのように錆が出ている。この位置のボールベアリングの錆を防ぐには毎回塩抜きでパーツクリーナーやCRCに漬ける必要があって、海で釣りする人には一般的な水道水でジャブジャブ洗った程度では塩残ってしまう。だったら錆びないポリアセタール樹脂入りの旧型のラインローラーの方が良いじゃないか、ということなんだけど、シーバスぐらいまでは全くそうだと思う。陸っぱりの青物でもそれで足りる。でも船でシイラカツオ釣りに行ったら、なんかエラいのが掛かってしまった、っていう状況は想定の範囲内である。具体的には10キロ越えるようなマグロ系、メーター軽く越えるようなサワラ系、あるいはカジキ系のような、ある程度重さもありつつ速い魚だと、ラインローラーにベアリングがあった方が安心なんである。ラインローラーの回転に掛かる力(摩擦力≓回転の重さ)は、ラインを引っ張る力と引っ張る早さの2乗に比例するはずで、設定してたドラグ値で速度が落ちていく程度の大きさの魚はいかに速くてもラインローラーの限界を超えることは無い。カツオとか速さは特筆モノだけど、普通2キロとかのドラグを逆転させながら加速していくほどではない、これが重さも速さもある想定外の大物だと、設定したドラグ値を屁ともせず加速していき、速さの2条に比例するが故にある程度の速度に達するとアッサリとローラーの回転を止めるほどの摩擦力が生じてしまい回転が止まり、固定式のラインガイドに成り下がりかつ90度一番角度を付けてラインを曲げている摩擦がキツい部分がローラーの部分なので「バンッ!」と破裂音を残して切れてしまう。んだと思うんだけど、まあ理屈はこれであってるのかどうか知らんけど想定外の速度で走られるとラインローラーで切れるっていうのは現象としてあると思う。なので、マグロやらがでてきそうな海域に船をだすとかの場合は、ラインローラーにベアリングが入ってるのは安全策として機能しえる。元々のラインローラーの回転にかかる力、引っ張る力がボールベアリングが入れば軽くてすむようになり、かなりの状況に対応できるようになるだろう。ということで、ワシは船で沖に出るときは念のためボールベアリングあった方が良いかな、って思って、陸っぱりなら青物狙いであってもマグロなんぞかからん!(とは限らんけどな)と割り切って手入れが面倒じゃないボールベアリング無しの樹脂製スリーブ入りを選択している。まあこの辺は、毎週、毎夜のように行くシーバス用のリールで毎回塩抜きとか面倒だけど、年に2、3回とかのシイラカツオ船ならその時ぐらいは塩抜きするかっていう感じかと。

 ローター周り続いて、ベール反転機構とベールスプリング。

 なんてことはない、3巻きになって、多少耐久性ありそうとはいえ普通のベールスプリング、そして2つのバーツでベールを反す、ベール反転機構。特に変わったものが入ってるわけじゃないけど、特徴としてはベールスプリングがベールワイヤーのお尻側に入っていて、ベール反転機構がベールアーム側に入っているということか、これ5500ssとも4400ssとも共通の設計。って書くと550ssオーナーから嘘つけ、とお叱りをいただきそうだけど、そのへんの話はまた別途まとめてみたいと思っております。5500ssと4500ssはローター周りも含めて共通の設計が多い兄弟機です。でも550ssと450ssは必ずしもそうじゃないのよね。

 で、ローターの下にはストッパー関係が鎮座している。

 ローターの下には当然雨水も入ってくれば、水没させれば塩水も入ってくる、この位置に瞬間的逆転機構を入れているスピニングをこれまで口汚く罵ってきた。アホかと。濡れたら困るんなら大森やカーディナルCとかのように本体内に入れておけよと。でもPENNのこれは何の問題もないと思っている。

 見たら分かると思うけど、真鍮ステンレスアルミと濡れて困るような素材の部品はまったく見えない。下に鎮座しているステンレスボールベアリングへの浸水が”グリスシーリング”で防ぎきれなかった場合、ベアリングが錆びて交換とかになるけど、水没したところで、この部分に塩水かぶったって当座は別にどうともならん。だから別にこのリールにご大層な防水性能なんてのは必要ではない。常々書いているように瞬間的逆転防止機構なんていう、利点がしゃくったときにガチャガチャいわないぐらいしかない、水で濡れると困る機構を水辺で使う道具であるスピニングリールに入れるからアホみたいなリールになってしまうんである。馬鹿くせぇ話である。

 上の写真の手前に見えている真鍮の部品はベール反転の蹴とばしである。樹脂でもいけるだろうけど、そこはPENNしっかり金属にしてある。ただ見ての通りローターブレーキの類いは付いていないので、キャストがぶれると意図しない反転がガッシャーンと起こるときはある。ちょっと適切な場所がないのでマジックテープ貼り付け型のローターブレーキ追加は難しく、やるなら大森式に薄い銅板でも曲げてれいの“簡易ローターブレーキ”を追加するほうが簡単かもだけど、もっと簡単で抜本的な方法として、邪道ではあるけど、ベール反転機構の部品2つを取っ払ってハンドル回ってもベールが返らないので手で返す”マニュアルベール反転機”にしてしまうという処置がある。実際ワシ4500ssはそれで運用している。ワシ、ライン放出の調整は右手人差し指で行ってハンドルでベール返すのも、ライン調整左手でしてそのまま左手でベール反転させるのもどちらもできるので使える外法。まあ、正道はぶれずに真っ直ぐ投げておけば意図しないベール反転は起きないはずで、キャストがきちんとできるように練習しておけって話なんだろう。でも人間たまにミスるもので、良いところでミスるとムカつくので、外法をもってことをしのいでおるしだいであります。

 分解進めていくときにストッパーを外すときにはお作法があって、下の写真の様にドックの金属板の爪でラチェットをはさんだまま2つの部品を一緒に抜いてやらないと外れない。填めるときも同様。で、このストッパーは真鍮でガッチリしてるのでとても丈夫。ドックの爪が経年劣化で割れることがあるので予備部品は確保してあるけど、ラチェットはなかなか壊れない部品で、結局スピニングリールで強度がいるのは、アワせ喰らわしたり、魚が突っ走るのを止めたりというときに逆回転を止めているストッパーと、高速で魚が突っ走ってるときに作動しているドラグ周りであり、それ以外の部分の強度なんてそんなにいらんと思っている。ギアなんて亜鉛と真鍮のハイポイドフェースギアで充分、ボディー剛性?樹脂で結構、剛性とか五月蝿いこと言ってハンドルもゴリ巻きで壊すヤツはスピニングの使い方が分かってないってだけでPENNなら純正品で充分。ゴリ巻きが必要ならそもそも強度が出しにくいスピニングにこだわらずベイト使えって話で、投げるのが難しいっていったって、それをどうにかするのが”釣り人の腕”ってもんだろうと思うし、今時”DC”とか最適なブレーキを制御してくれる機構とかもあるんだろ?ベイトで投げとけって。スピニングはゴリ巻きせずにポンピングで竿で稼いだだけ巻き取る。基本のキだとワシャ思うんじゃけど、磯に乗って記録魚狙うような人除いて大型魚狙いでベイトでキャスティングってなぜか流行らんのよね。

 という感じで、それほど複雑なリールじゃないのでサクサクと分解できる。難しいところも特になく整備性は極めて良いのがPENNの魅力でもある。

 今回樹脂製本体ということで、本体の汚れはCRC吹いてぬぐっておくぐらいにとどめている。パーツクリーナーはそこそこ強力なので、金属本体でも塗装剥げたりはやらかしているので、使う時は注意した方が良さげ。樹脂製本体は塩水でも錆びることがないのは大きな利点。

 ラインローラーのベアリング始め、ボールベアリングは針で突っついてCクリップ外してシーリングが外せるものについてはハズしてパーツクリーナーで洗浄してから、耐塩性重視のマキシマグリスをぶち込んでやる。これで多少は塩に耐えてくれると期待したい。でもまあラインローラーのボールベアリングはマメに塩抜きしないとダメだろうなとは思う。

 組むときは、金属パーツにはグリス盛り盛りでもってやり、ドラグにはPENN純正を盛ってやったので、ドラグもバッチリだろうと思う。

 基本的には、放置でも大丈夫なリールなので、ラインローラーのボールベアリングの塩抜きはマメにしておくべきなんだけど、その他にはドボンと水没させてプクプク内部に海水が入ったとかがなければ、これといって分解整備の必要がないぐらいで、海から帰ってきたらシャワーとかでジャバジャバ洗って乾燥、ハンドルノブの根元、スプール外して主軸の根元への注油、ラインローラーへの注油ぐらいの外回り注油だけで5年、10年と好調に使えると思います。スペアスプールも2個付いて、戦闘能力は充分。これはお買い得でっせ。ベールスプリングは交換必要になるので須山スプリングさんに作ってもらうか自作しましょう。

 5500ssjと5500ssも同様に分解整備。

 ”勝手にチャリティーオークション”用の4500ssj、5500ssj、お年玉読者プレゼント用5500ssもスペアスプールは2個付きです。ただ、プレゼントの5500ssにつけたスプールのウチ1個は純正ではない樹脂製のパッドが入ってます。調整幅は増えた感触だけど耐久性とかはどうなのか使ってないのでぶっちゃけ分からんところ。たまにPENNのドラグパッドをフエルト製に換装してあるのとか目にするけど、PENNのHT-100という信頼性の高いドラグパッドを調整幅増やすため程度の理由でわざわざ交換する意味が分からんなと思っちょりますが、何かワシの思いつかん利点あるのかも。ないのかも。


 ってことで、瞬間的逆転防止機構が搭載される前の4桁スピンフィッシャーって、使ってて問題のない機能、丈夫さ、耐腐食性、メンテナンスのしやすさ、特筆モノのドラグの良さ、モロモロ勘案すると、買ってずっと使える一番面倒のないスピニングだと思うので、まあ評価基準が違えば自ずと答はまた違うんだろうけど、海での釣りが多くて、雨や波飛沫をかぶっても釣りをして、毎回全バラするほどまめじゃないけど、道具いじるのが好きならば、4桁スピンフィッシャーはそんなあなたのためのスピニングです。お年玉希望、オークション参加お待ちしております。

※お詫び:普段からクドクドと同じことを繰り返す芸風ではありますが、今回珍しく風邪ひいて(38度以上の熱が出てたのでインフルやコロナだったかも)熱にうなされつつ書いてたせいか、さらにネチっこく妄執的な書きぶりになっておりますことを伏してお詫びします。健康って大事。


<ご報告>”勝手にチャリティーオークション”無事終了。募金しますというのがオークション参加者の財布の紐を緩める免罪符になったのか、予想より高額で落札いただきました。5500ssjが9,801円、4500ssjが11,001円とスプール2個付きとはいえ相場5~7千円のところ1万円前後まで値が上がり正直「募金するとか書かずにしれっと老後資金の足しにしときゃ良かった」と邪な思いもあったりなかったり。いずれにせよオークション参加者の皆様、落札者様ありがとうございます。2月20日に早速一番手軽なYahoo!基金の「令和5年能登半島地震 緊急支援募金」に20000円+1000円の21000円募金しておきました。売上合計20802円ですが募金が100円単位なので面倒くせえのでワシからもチョイ出してます。ついでに書くと売上金全額ワシの懐に入ってくるわけじゃなく手数料Yahoo!様にもってかれますが、それもワシからの寄付ぐらいのつもりでいかせてもらいました。プリントスクリーンで切り貼りした画像ぐらいナンボでも加工可能ないまどきではありますが、ちゃんと寄付しておりますのでそこは信用いただければと思います。被災された方々の日常が一日も早く戻り復興するようにお祈りします。

2024年2月3日土曜日

大一番

 先週末28日は大相撲の千秋楽と、ワンチャンピオンシップの日本興行と格闘技好きにはたまらん1日であった。感情移入しまくりで観るので疲れまくってしまい、急遽翌日は休漁にしたぐらいで、正直日程分けてくれと思ったぐらいだけど滅茶苦茶面白かったし、嬉しかったし悔しかったので良しとしておこう(これ書いてるのは1月29日です。)

 まずは大相撲、今場所の注目はなんと言っても先場所優勝の大関霧島の綱取りと関脇で爺ちゃん父ちゃん名力士の角界のプリンス琴ノ若の大関取りで、我らが膝痛仲間の星、横綱照ノ富士の怪我から復帰も注目されていて、その他にも若手の台頭もあり大いに盛り上がった。

 我らが横綱照ノ富士、今回の長期休場は腰の骨の故障ということで、膝に加えて腰まで壊して、横綱にはもうしわけないけどこりゃ引退も近いなとワシャ思ってしまった。場所前本人もいつ終わってもおかしくないつもりでという覚悟を語ってたので、前半戦早々に土が付き、取り口も危なっかしく必死で勝ち星を拾ってる姿に感動したけど本当に連敗したら終わってしまいそうでハラハラしていた。ところがそうやって必死で星を拾っている間になんか調子を上げてくるんである。千秋楽アベマTVの解説花田虎上氏(元横綱若乃花)は「本割りで稽古積んでる」とうまいこと言ってた。そして小兵の翔猿の張り手が目に入ったとかで珍しく土俵上で怒りをあらわにダメ押しかましたあたりで気迫も乗ってきて取り口も横綱相撲で「こりゃひょっとして優勝するんじゃないか?」って雰囲気が漂い始める。ちなみに翔猿前回対戦時も今場所でも横綱の弱点の膝を非情にも蹴手繰りで攻めてきて、前回のは多分総合格闘技とかをヒントにしたのか、ふくらはぎに近いような脛の後方側面を蹴る”カーフキック”っぽくて、相手の嫌がることをヤるという格闘技の生々しい怖さが見えて土俵に殺気が生じててゾクゾクさせてもらった。相撲ってなにげに足なら蹴っても良いし、頭突きまでOKという恐ろしいルールでやっている。

 で終盤、横綱2敗で単独トップ1敗の琴ノ若を直接対決で引きずり下ろして迎えた千秋楽、同じく2敗の霧島を本割りで一蹴して綱取り絶望に追いこんで、2敗同士で迎えた琴ノ若との優勝決定戦も横綱相撲で勝ちきって9度目の優勝おめでとうございます!優勝インタビューで腰の怪我について聞かれて「病気じゃないから、けがは痛いだけなので。」って答えてるのを聞いて、さすがにくぐってきた修羅場の数が違うなと感服した。二桁優勝が当面の目標だそうだけどそこまでは問題無くいけるんじゃないかと思わされる復活優勝だった。それでも文字通り満身創痍であり長く横綱を努めるのは望めないのかもしれない。でもいつ終わっても良いぐらいの覚悟を持って気迫こもった横綱相撲をとる照ノ富士関の相撲を最後まで応援して観戦していきたい。

 ちなみに、最近のワシの推し力士は金峰山関で、なんとカザフスタン出身。外国人力士に共通するけど遠いところから裸一貫でやってきて、文化も何もかも違う中での共同生活から始まって厳しい世界でやっていく根性に素直に尊敬の念を抱かざるを得ない。カザフスタンなんて行ったことある人間も日本じゃ少ないだろうからワシが応援したるけん頑張って相撲取りんさい。と思ってたら、首の怪我に加えて今場所で膝も痛めたようで調子崩して負けこしてしまった。膝痛仲間としても応援するけん諦めずに怪我直してまた勝てば良いきに。遠いところから来て怪我に悩まされてどん底に落ちても、それでもまた這い上がれるって、同時代にお手本となる横綱が居るんだからカザフ初の横綱めざして頑張れ金峰山。負けても良いからまた勝て金峰山。


 で大相撲が終わったら、こんどはアジア最大の格闘技団体である「ワンチャンピオンシップ」の日本興行が久しぶりに開催され、メインカードはキックボクシングルールで元K-1三階級王者の武尊選手が、なんとワンデビュー戦にしてタイトルマッチで対戦相手の王者は”キッキングマシーン”の異名をとるムエタイの猛者スーパーレック選手。5000円のペイパービュー視聴料も高くないぜアベマTVさん。

 ただ今回の興行はちょっとモヤモヤッとした流れを終始拭えなかった感じで、もともとメインカードは当初、超人気選手であるロッタン選手とやる予定だったのが怪我で対戦相手変更、加えてなんと総合格闘技ルール久しぶりでワン引退を表明している青木選手の相手は当日になって急遽変更という不可解な状況。

 というなかで、最初2試合は軽量級の総合格闘技の日本のエース格と新鋭が海外の強豪と闘ったけどどちらも判定負けとしょっぱい導入で、若松選手が久しぶりに良い勝ち方したのと、青木選手が勝ちパターンにキッチリはめて勝ったのは良かったけど、メインの武尊選手は3ラウンド目に追いこんで良い場面作ったけど判定は0-3で完敗してしまった。

 青木選手は、癖の強いキャラクターで、無礼で正直ムカつくところもあるけど、なかなか良いこと言ってたりするし、なにより世界相手に今回も見せてくれたように、勝つときは相手の打撃かいくぐって後ろとるか上とるかして関節技か絞め技でスッキリ決着させる気持ち良い勝ち方で、ずいぶん楽しませてもらった。最近打撃をかいくぐれずにボコられての負けが増えてて、去年など総合の試合が組まれなかったぐらいなので、最後良い勝ち方で終われて、お疲れ様でしたと言ってあげたい。

 武尊選手もワシ正直あんま好きな選手じゃない。ザ・マッチで那須川天心と戦ったのは2年前か?那須川選手の天才ぶりと好青年ぶりは好感持てて応援せざるを得ないけど、武尊選手の、試合中にラッシュかける時に笑うあざとさとかちょっと鼻につくとか、細かい所でワシ好みじゃない。ただ、ファンの期待とか彼が背負うモノがあまりに大きいので、今回の解説で和田選手が「ファンのためとかじゃなく武尊選手自身のためだけに闘ってもらいたいけど、難しいんでしょうね」というような感想を述べていて、全く同意する。ザ・マッチの時も武尊選手と那須川選手のどっちが好きかと聞かれれば、迷わず那須川選手なんだけど、なかなか対外試合が許されなくてやっと対戦が決まって、っていう経緯があってK-1の看板背負って重荷に潰されそうになってるのを知ってると、今回は武尊選手を応援するってなったのを憶えている。まあこの時も負けた。重圧があって追いこむから限界まで力を引き出せるってのはあるだろうし、絶大な注目を浴びて期待され応援されるから頑張れるってのはあるだろうけど、武尊選手はもうちょっと負けて注目と期待の重しを振り落としてから、肩の力抜いて闘っても良いんじゃないのって思う。素人の戯れ言だけどな。

 実は、ワンチャンピオンシップで日本人チャンピオンは何人か出てて、前述の青木選手を始め総合格闘技ではワシが知ってるだけでも朴選手やのび太選手、猿田選手もいた。残念ながら現役の日本人チャンピオンは居ない。でかつキックボクシングルールとムエタイルール、その以前のスーパーシリーズルールの”立ち技”での日本人チャンピオンは1人しかこれまで出ていない。今回の武尊選手敗戦でもイヤッちゅうほど思い知らされているけど、立ち技格闘技の世界でムエタイ選手の強さ層の厚さは尋常じゃなく、解説大沢さんをしてワンの立ち技は”鬼ヶ島”と言わしめるほどなんだけど、その鬼どもを成敗して”ワンスーパーシリーズ”バンタム級王者に輝いているのが秋元皓貴選手で、空手出身のタフさと手数で鬼ども切って落とすのは観ていて感動的だった。けど日本じゃあんま知られてないでしょ?世界3大格闘技団体の一つで、立ち技の軽量級の層の厚さではまず間違いなく世界一の団体のチャンピオンになってもYahoo!ニュースのトピックにはあがらんかった。武尊選手が負けても何本も記事が上がるってのが異常な注目度だとワシャ思うんじゃ。一部のスター選手の一挙手一投足にばかり目がいくのはどうなのよって天邪鬼は感じるのさ。

 なんにしろ、照ノ富士関優勝で上がりまくった気持ちは、武尊選手敗北でシュンとなってしまった。需要少ない格闘技ネタでスマンという感じだけど、ワシの心がジェットコースターのように上がって下がって書かずにおれんかったんじゃ。

 来週は久しぶりのPENNネタで封印していたお年玉企画もあるよ!の予定なのでスピニング熱患者の皆様お楽しみに。

 ※冒頭写真は、残念だったけど霧島関の綱取りにちなんで、「綱取あられ」なんていうしょうもないものを見つけてしまってたので、そのうち使おうと思ってた小ネタ放出です。普通この手のギザギザで捻ったあられは真ん中の「横綱あられ」って名前が一般的だと思うけど、商標権押さえられているとも思えんけど、他社に遠慮してか「綱取り」はともかく「小結」はちょっと遠慮しすぎじゃなかろうかと思ったり思わなかったりしております。

2024年1月27日土曜日

わが家では酒ではなく米が盗まれていく-ナマジのビンボ飯酒盗編-

  釣り場で仲良くなった地元の釣り人から、ワシが魚料理する人間と知ってるので「友達がカマスで塩辛作ったら旨かったって言ってたよ」と教えてもらった、塩辛って、いくつかタイプがあってカマスの内臓ってたいした量じゃないから、切り身を麹とかを使って浅く漬け込んだものを想像したけど、どうもそうじゃなくて内臓の塩辛でいわゆるカツオとかで作る”酒盗”のカマス版のようである。


 「フッ、まだそんな手が・・・ 残っていたとはな・・・」

 カマス料理は様々試してきたけど、その発想はなかった。考えてみれば、カマス1匹1匹の内臓は少なくても、まとめて干物作るときとかにはそれなりの量が出る。右の写真で15匹分ぐらいである。ワシ、浮き袋のプルプルした食感とか好きなので、出汁が出ることもあって味噌汁にぶち込んだりしてきたが、その他の多くの内臓はコマセ用として利用していて、食用には回していなかった。塩辛というのはさっきもちょっと触れたように、麹を利用して魚介の身を分解してアミノ酸とか美味しい成分を引き出して作る、イカの”白作り”のようなものもあるけど、基本的には魚介の内臓の消化酵素(+場合によっては微生物)を利用して、魚介の内臓や身を分解熟成させて作る食品である。なので作り方は簡単で、後者の場合内臓ごとぶった切った切り身などに、腐敗細菌が増殖しにくいように10%以上とかの塩をぶち込んでその名の通り塩辛く仕上げた保存食である。保存食なんだけど、タンパク質が分解されてできた濃厚な旨味が感じられ、調味料として使えるぐらいの濃い味なのでしょっぱさと相まって、飯が進む代物であり、カツオの内臓で作ったそれは酒が進むアテであり「酒盗」と名付けられている。塩辛といえば「イカの塩辛」が各種地方色もあり代表的だけど、沖縄では藻を食い始める前の腹が綺麗なアイゴの仲間の稚魚”スク”を飽和食塩水で丸ごと漬け込んだ「スクガラズ」なんてのもあるし、三陸他で食べられる日本版アンチョビー、カタクチイワシに塩ぶち込んで置いただけの「塩イワシ」なんてのもあり、洋の東西問わず保存しようとして塩ぶち込んだら、なんかしょっぱいけど良い味に熟れたモノになったという食べ方が存在するっていうのも当然の成り行きだとおもうけど面白い。マニアックなところではアユの内臓を使った「ウルカ」そのなかでも精巣だけをつかった「白ウルカ」、塩鮭作る時にハラワタを出したあと、背骨にこびり付いている背ワタ(腎臓)をスプーンでこそげ落として集めて作った塩辛「メフン」もヒンナだし、ナマコの内臓の塩辛「このわた」、シオマネキの塩辛「ガン漬け」などなど色々ある。東北在住時、スーパーとかでホヤの塩辛とかイサダアミ(ツノナシオキアミ)の塩辛とかいかにも三陸っぽい塩辛も売っていたのも思い出される。てなかんじで各地で様々な材料で作られてきたのが分かる。要するに沢山取れて塩漬けにしてみた、とか内臓が余ったので塩漬けにしてみた、とかが各地でいろんな素材でやられてきたっていうことなんだろう。懐かしのホヤの塩辛はあまり熟成をすすめさせたものではなく、浅い熟れぐあいで、プレーンのに加えシソ味、キムチ味とかあって、ホヤ自体大好物だったけど、シソ味塩辛はあれば必ず買うぐらいに良い味だったのも懐かしく思い出される。で、塩辛自体調味料としても使えるんだけど、ちょっと発展すると東南アジア圏のナンプラーやニョクマムのような魚醤に繫がる。震災で能登で作られるイカ内臓の魚醤である”いしる”の熟成タンクが倒壊して仕込みができないとか聞くと心が痛む。魚醤文化は遠くローマ時代にも見られたそうで「ガルム」とか呼ばれていたそうな。

 ということで、沢山獲れた魚が余ったら、内臓とかが加工で沢山出てきたら、内臓ならそのまま切り刻んで塩ぶち込んで熟成させてしまえばいい、切り身を使うなら内臓も混ぜるか麹の力とかを借りるかして熟成させてやればいいって話で、何を使っても悪いってことはなく、アカカマスの内臓でも作りたければ作って良いのである。

 というわけで、カマスの干物を作って出てくる内臓を使った塩辛「カマスの酒盗」を作ってみた。

 カマスの干物作るときにワシの場合背中から開いて、鰓ワタ取って、残ってる⑥生殖腺、⑤浮き袋、④腸管をとって、最後に埋まってる心臓をつまみ出してって感じなんだけど、①の鰓は硬い骨があるのでコマセ用に回して、④の細い腸管は内容物をしごきだそうとすると切れてしまうのでこれもコマセ用にまわし、他の内臓を使う。

 特に重要なのは②の幽門垂と③の胃だとおもっていて、ここに消化酵素とかが含まれていて、その分解能力で塩辛として熟成させる。特に幽門垂は硬骨魚に特有な腸と膵臓の消化液分泌能力を合わせたような器官であり肝臓じゃないけどキモだと思ってる。

 ⑦の肝臓の右下に胆嚢(苦胆)が写っているけど、肝臓ごと気にせず使っている。魚種によってはこれ潰すと苦くてどうにもならんものもあるけど、アカカマスの場合ちょっと苦みが入ってむしろ味わいが深くなるぐらいだと思っている。

 胃袋は消化液を含んでいるのに加えて、食感も良い部位なので大事だけど、中に餌が入ってる場合があるので丁寧にしごきだして洗っておく。越冬群であり多くの場合空胃だけど、餌釣りの人が使ってる去シーズンから冷凍庫に入ってたキビナゴだのが入ってることはあって、それは食いたくないので手間だけど外せない工程。

 そうやって、チマチマと原料を集めると、15匹分で3枚目写真ぐらいの量が集まる。塩辛って塩分量考えるとそんなに大量に食っていい食べ物じゃないので、このぐらいの少量生産でチョイチョイと箸でつつきながら飯を食うぐらいで良いんだと思う。適宜ぶった切って、柚子の皮なんかも刻んで香りづけに入れて、塩を15%ぐらいになるようにサバッと振りかけて混ぜる。容器は雑菌が付かないように煮沸消毒したモノが望ましいけど、プラの容器を再利用したので煮沸はダメだろってことで焼酎をちょっと入れて蓋して振って消毒して使った。塩分濃度は、ちょっと舐めてみてややしょっぱすぎるかな?ぐらいで材料から水分とかが染み出すと薄まってちょうど良くなる。塩辛い分には大根おろしに乗っけたり、大量の飯や酒で相手するなど何とでも対処できるが、塩分濃度が足りなくて腐敗した場合は目もあてられないので、塩辛は塩辛く作るべきである。干物は今時風に保存食というより食味重視で味がギュッと濃くなれば上出来程度の甘塩で一夜干し風に作って早めに食べているけど、塩辛は昔ながらにしょっぱく作ってます。そういう食い物だと思ってます。3日ぐらいたまに清潔なスプーンでかき混ぜつつ熟成させたら食べ始めて大丈夫。

 できあがりの見た目は冒頭写真の様に魚屋のゴミ桶が腐ったような感じだけど、匂いに腐敗臭は無く、良い感じに塩辛っぽい香りになってきて食欲をそそる。

 ほかほかご飯に乗っけても、見た目は汚物っぽくてまったく”バエない”けど、味はまさに酒盗という感じで、浮き袋や胃袋のプニュコリ感といい、肝臓や幽門垂のドロッと溶けて濃厚でしょっぱい旨味も実にイイ味で飯が進むのである。

 貧乏でも珍味を食って良いンです。むしろ無駄なく食材を利用するという点で、実に真っ当なビンボ飯だなと、自画自賛しております。塩辛作りは難しくはないので興味があればいろんな素材を使って楽しんでみてはいかがかとお薦めしておきます。

2024年1月20日土曜日

すぐそこにある死

  人間なんてちょっとしたことで死ぬ。交通事故で死ぬし病気でも死ぬ。そういうのに気をつけていても災害が起きたら死ぬ。準備して気をつけてたところで結局は運が良ければ助かる程度でしかないと、震災や土石流やらのたびに痛感させられる。寝てたら家ごとグシャっとやられたらどないせぇっちゅう話で死ぬしかないわな。能登半島中心とした北陸の震災ではそのことを改めて思い知らされている。

 まあでも準備して”そなえよつねに”でちょっとでも生き残る確率上げておくべきではあるんだろう。次回津波注意報とか出たら愛猫を連れて避難所まで練習のつもりで行ってみよう。わが家には神棚があるんだけど”神仏は尊んで頼らず”って昔の剣豪も言ってたのにならってワシ神には頼らんつもりなので、神棚には非常用持ち出しのリュックを載せている。神に頼るより現実的だろう。いざというとき失敗したらそれこそ命取りなので練習しておいて然るべき。

 で、冒頭写真の救命胴衣とベルトポーチタイプの救命浮輪たちだけど、もう10年から買い換えてなくてボンベ交換もしていないので、年末Y君に「古いのを膨らむか試したら膨らみませんでしたよ」と買い換えの必要性を説明してもらったので、さすがに買い替え時だなと、とりあえず救命胴衣は左端の新しいの買って、右の腰に付けてる浮き輪が出てくるポーチはお気に召す小型のがみつからなかったので炭酸ガスボンベの交換で対応することにした。

 まずは浮き輪のガスボンベの交換だけど、トリセツ読んでガックリ。

 「ガスボンベは使用しない限り期限はございません」だそうな。どうも自動膨張式のだと、濡れたらハリが紙の部品を突き破ってガスが吹き出すようになってるけど、その装置が劣化したりするようで定期的な交換が必要なようだ。もちろん雨の日に釣りに行くワシが濡れたら膨らんでしまうような自動膨張式の救命具は使わんので、ボンベ交換とか必要ないようだ。クソッはやまったか?と思ったけど意外にそうでもないことがこの後判明していく。

 とりあえず買ったし新しい方が良いだろうということで浮き輪のボンベは交換したんだけど、そうなるボンベが1つ余る。せっかくなので古い救命胴衣は一回実際に膨らましてみるかということで、試しに紐引っ張ってみた。モデル不肖ナマジ、仗助を意識してポーズとってみたけど挨拶してるようにしか見えんな。左使用前、右使用後。

 シューッという音がして、ちゃんとガス出るじゃんと思ったんだけど、最初ボンベの入ってる右側が膨らみ始めて、全体が展開していくんだろうなと思ってたら、シューゥ・・プスッて感じで終わってしまう。ありゃやっぱりガス抜けてたのか?期限無いとか嘘こきやがって、って思ったけど実際に落水した時にもこの時点で慌てる必要はないと思ってて、長時間漂流中に抜けてきた空気を入れるための吹き口があるハズでそれを咥えて膨らましゃいいだろうと吹き口の筒をボンベと反対側に収納されているはずなので探すけど無い。ナンボ安モンでもそれがないってことはないだろ?と膨らむべき部分もおっぴろげてあれこれ調べてみて驚愕の事実が判明。

 なんと吹き口の筒が根元から剥がれ落ちて無くなっている。丸い穴のところに接続されていて、その下の汚れてすすけてるところに筒が収まってたんだろうけど、どっかで落としたのかいつ落としたのか、影も形も無い。

 あっぶねぇ!これウェーダー履いて立ち込みするときに使ってた救命胴衣で、まあワシ立ち込むっていっても膝下ぐらいまでしかしないので、冷静に浅い方に移動していけば腕立て伏せして息吸えるようにはなるだろうけど、コケてウェーダーに空気が入って足が浮いて底につけられない状態で、余裕こいて紐引っ張ったらば膨らまずでパニくったら膝下水深で死んでてもおかしくない。ゾッとして背筋冷えた。死に神が鎌かまえて、はよコケないか待ってたんとちゃうか?

 ボンベが無期限で生きてても胴衣自体が経年劣化でダメになる場合があるんだと、定期的な買い換えが推奨されている理由に得心がいった。正直メーカーサイドが売りたいから言ってるだけで、買い換えんでも腐るもんじゃないし大丈夫だろうと油断しまくってた。そのへんちゃんと説明してくれよって話で超重要な話なので恥を忍んでアホ面晒して皆様に情報共有させていただくしだいである。

 こうなると、同じように長期使用の浮き輪の方も怪しい。でも試しにボンベ使うとボンベ1本2千円からするので、何度も使える手じゃないので「こういうときこそ吹き口から吹いて膨らまそう」って思いついて膨らましてみた。

 こちらは問題無く膨らんでくれて現役続行決定。ロゴが消えるぐらい使ってるけど丈夫にできてる。コイツは安モンじゃなくてパズデザインの良いヤツで、ブランドへの信頼を裏切らない上等の品質だと褒めてつかわす。口で吹いて膨らませるのは何度でもタダでできるので定期的にやっておきたい。わが家ではシーバスシーズン始めにはやるとして、他に正月恒例行事にしようかと思う。畳んで収納するのに苦労するかと思ったけど折り目付いてるしそんなに難しくなかった。空気抜くのも吹き口は逆流防止弁付いてるけど筒に棒突っ込んで突起を押してやると抜ける。

 っていうことで、救命胴衣の点検、適宜買い換えはメッチャ重要で、「ボンベが生きていてもガワが経年劣化でダメになっていく」っていうのと「点検は口で吹いて試せばボンベ消費しなくてもタダで可能」っていうのは、今回気付いた重要な事項なので皆様今日は憶えて帰ってください。安全第一で楽しい釣りを、今日も元気に無事故が土産。ってことでよろしくお願いします。

2024年1月13日土曜日

いや~ん!エッジ!!

  昨年は色々とリールを改造したわけだけど、まだ実釣で全然試験してない改造方法があって、何かと言えば大森スピニングの”なで肩”なスプール形状をFRP板とかを使って形状調整し、ピシッと下面が平らでエッジの効いたスプールにする改造である。まあ、ワシ飛距離よりトラブル防止を重視しているので、なで肩エッジで糸巻き量少なめ運用でも良いかなと思わなくもないけど、ラインがスプールエッジに当たるのが、エッジ効かせて角だけとかになると、当然発生する摩擦は少なくなり飛距離向上のほかにもラインが傷むのが遅くなる、っていうのと糸ふけが良くなるので、軽い仕掛けを落とし込むのにラインの出が良いってのが利点としてあるようで、特に後者は切り身餌にガン玉ぐらいの軽い仕掛けで落とし込んで釣る冬の良型アジ狙いや、これまたガン玉うって鳥皮で足下狙う根魚釣りとかでは、ラインが抵抗少なく出ていく利点が生きてくるのではなかろうかと思うので、実戦導入して試験してみたい。

 ということで、昨年末に年末進行でワシャワシャ分解整備していた、タックル系とタックルオート系で、まずはスプールエッジにラインが引っかかりそうな酷い腐蝕がある「タックルオートNo.2」はせざるを得ない。その他、候補としては「タックルno.2」「ニュータックルNo.1」「タックルオートNo.1」「タックルオートSS」があったけど、試験してみて”耐久性ダメでした”とかの結果になるとよろしくないので全部やっちまうわけにいかず、まあ最悪FRP板とか追加した部分を引っぺがして磨き直せば良いんだろうけど、まずはせざるを得ないタックルオートNo.2に加えて、既にタックルNo.1が改造済みでスペアスプール体制が組めるニュータックルNo.1、ついでに改造有り無しの比較もするために、この春の主力機として想定しているマニュアルピックアップ化した「タックル5No.2」と、色違い同型機の「タックルNo.2」をマニュアルピックアップ化した上でスプールエッジ形状もいじる。ということで、冒頭写真の様に3台できました。というところ。タックルオートNo.1はタックル系同様の寸法で改造可能だけど、タックルオートSSはそもそもなで肩の部分が小さく、糸巻き幅もほぼスプール上下幅なので、計測した時点であんまり改造する意味なさそうだなという感触ではあった。

 逆にタックルオートNo.2は改造の意義が大きそうで、スプール上下が12mmしかないのにちょっと少なめにライン巻いた糸巻きの幅が16mmと4mmも糸巻きの幅が広くなってる。こりゃグズグズになりそう。ちなみにタックル系、タックルオートともにNo.1サイズはスプール上下幅は13mm、糸巻き幅は11mmで実はタックル系ではNo.2サイズでも同様の幅になっている。タックル系のNo.2サイズはNo.1サイズのスプール径を大きくしたような機種でスプール大きめのスピニングは使いやすいの法則にあてはまると思ってたけど、その感覚はあっていたようだ。2号ナイロンだとNo.2サイズの方がしっくりくる。ただスプールエッジ改造すると糸巻きの径が実質大きくなるので、そうなるとNo.1サイズでも2号ナイロン快適に使えそうではある。

 でもって、基本的な改造方法は前回同様でFRPを必要な大きさの輪っかに切り出す(写真1枚目)、スプールにハメて(写真2枚目)、下に糸巻きの幅の厚紙とかの”アテ”を入れて高さを均一に斜めッたりしないようにしつつ(写真3枚目)、ティッシュでつくった紙縒りを隙間に巻き付けて瞬間接着剤を染みこませて固定、を2回ぐらいやって大まかな構造を固めて(写真4枚目で、この時点でラインをなんぼか巻いて塩梅を確かめているところ)、ロッド回しで回しつつエポキシを盛ってやり、固まったらドリルで回しつつサンドペーパーでFRPの角の面取りやら上部エポキシの形状をならすなどして(写真5枚目)、最後塗装。

 ただ、3台やったうちニュータックルNo.1はサイズも同じなのでやり方前回同様なんだけど、タックルオートNo.2とタックルNo.2は糸巻きの縮小幅が大きくてスプ-ルの芯の方までFRPが入るので、輪っかが幅広くて1箇所切り込みを入れた程度ではスプールに填められない。真っ二つに切るとどう考えても平面が保ちにくいので、1/4ぐらいをピザみたいに切り出して(写真2枚目)、切ったところから填め込んで、最後切ったピザを填める形にした。この方が格段に平面に仕上げやすいし強度的にも丈夫だと思う。ただどこまで耐久性とかが稼げているかは、1箇所切り込み方式も含め、ある程度現場で運用してみないことにはどうにも分からんので、あとは実戦導入あるのみである。

 スプール上部の色は、前回は輪っか状にもとのアルミ色を残したけど、今回はタックル系は黒でタックルオートは銀で塗りつぶした。こっちの方が表情キリッとして良い気がする。まあそのへんは趣味の問題で表面滑らかになって防水防錆性が上がってればよし。やや不安だった銀色のラッカー塗料が意外にアルミに違和感ない発色なのはちょっと儲けものかも。アルミのお色直しには使えるかも。小皿にプシューッと出して綿棒でヌリヌリしてます。

 という感じで、この冬から春にかけての体制は、カマスアジ根魚等の1号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整済みのタックルNo.1とニュータックルNo.1、シーバス用の2号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整有りのタックルNo.2と調整無しのタックル5No.2でどちらもマニュアルピックアップ仕様でラインローラーはポリアセタール樹脂製。スプールエッジ調整の有り無しで糸巻き量が直径にして44mmと41mmと差が出ておりその分の”スプール大きめ効果”的なモノは期待できるし、実際に使ってみてスプールエッジの形状をいじった効果が感じられるかどうか、ボチボチと試してみてまたご報告できたらなと考えております。

 耐久性がそこそこあって、釣ってる間にポロッと剥がれたりしないのであれば、タックルオートNo.1のボロいのもスプールエッジ形状調整してやりたい。そのうえで同型機2台あるので、ボロいほうは替えスプール要因兼部品取り兼予備機にして、セットで釣友にあげる予定。できたらスプール調整有り無し両方使い比べてみて感想聞いてみたいと思っている。そのとき、いまタックルオートNo.1とかのサイレント化部品を開発中の御仁がおられるようなので、おそらくハンドル軸に填める樹脂製の部品と、そいつが押し上げる突起が付いた逆転防止用の爪のセットだとおもうけど、それを組み込んで消音仕様にして、スプールエッジ改良までした最強魔改造仕様のタックルオートNo.1にして渡したい。くだんの釣友は”瞬間的逆転機構”がローター内に特に防水機構もなく鎮座しているスピニングをちゃぷっと海水に漬けてしまったらその後ジャリジャリし始めたそうで「これ買ったらそれでもう買い直さんでいいトラブルもないってリールはなんなの?」ってボヤいてたので、今時のフルに防水化してある、普及機レベルのある程度の値段の国産大手機種を買うか、昔の、浸水したところですぐには不具合生じないし(何なら海中で使っても大丈夫だと思う)、後々中で塩が結晶化したりしても簡単にバラせて整備すりゃ元通りの、PENNだの大森だのの瞬間的逆転防止機構が付いてない時代の実用機を、ベールスプリングだけ予備用意して使うかどっちかだと言ったら、昔ので良いというので、大森の基本的な良さが詰まったタックルオートをチョイといじったらご要望にそえるのではないかと考えているところである。「金出すよ」とは言われているけど、1500円落札と1300円落札のボロリールで友人から金せびれるかよって話で、戦闘能力というか実用性抜群に仕上げる自信があるけどロハでいい。そうやってタダであげてでも数減らさないと、スピニングが蔵に積み上がってどうしようもないの。アタイ病気が憎いっ!