2023年12月16日土曜日

ハンドル長者

 積み上がった整備待ちのスピニング達を精力的に分解清掃しているところだが、ここらで一発回転数を上げて”巻き”でいかないと、今年中ははなから諦めてたにしても、この冬中も怪しくなってきた。あと27台あるけど、いやなことに多分そこそこの速度で増えるしな。

 常々感じているところだけど、過去に分解清掃したことのある機種は、バラし方も組み方のコツも憶えてるので、仕事が捗る。初めての機種でややこしい機構が入ってたりすると当然その逆で手こずる。というわけで、馴染みのある機種だけまとめてとっとと片づけてしまえば、より直近の記憶でやり方を憶えているだろうし、回転数上がるんじゃないかと、今積んであるスピニングのうち、大森外蹴りアウトスプール関連、具体的には「タックルNo.2」、「ニュータックルNo.1」×2、「タックル5No.2」、「マイクロセブンNo.1」を連続して、っていっても一日で全部できるわきゃないので一台やっては飯食って、もう一台やっては次の日にとかやってくんだけど、とにかくこの5台をやっつける。 

 やっつけるんだけど、目ざとい読者の皆様なら「ナマジまた右巻き買ってやがるけどどうすんの?」というところに引っかかるだろう。タックル5No.2は左ハンドルが付いているし、マイクロセブンNo.1はハンドルに左用のハンドルネジが収納されているので大丈夫だろうけど、その他の3台は左用のネジごと購入できたのでなければハンドル左にできないだろうと思った皆様、その通りです。なにしろ安いのが出たら条件反射的にスルリとマウスを滑らせてクリッククリックしてたので、右巻のに左用ハンドルネジが付いてくるわけはない。

 ご心配にはおよびません。ジャーン、大森No.1,no.2共通サイズ、左右両用ハンドル~。って感じでハンドルが手元にございますのよオホホホホ。金持ちケンカせず、衣食足りて礼節を知る、左右両用ハンドル備蓄充分、右巻大森機恐るるに足らず。

 我ながらアホかと思うけど、最初左の3本がイー○イに出てて、セカ○モンでお買いモンのときに、関税掛かる手前までなんか買っとくかというときに見つけて、こりゃ良い!あっても困らんだろう。と買ったすぐに、ヤ○オクでバラで2本出てきて、入札しておいたらどちらも落札という感じで、ヤフオクも1本千円ちょっとしてたし、セ○イモンも送料分足したらそのぐらいにはなるので、このハンドルが必要となるような外蹴り大森小型機って、タックルだろうがニュータックルだろうがタックル5だろうが、タックルが雑誌で取りあげられて一瞬値が上がったことがあったけど基本は3千円も出しときゃ買える。ボロ個体なら持ってけ千円台ってことが多く、そんな安リールに割高なハンドルつけてどうするよ?って気はするけど、綺麗なヤツはともかくボロ個体はワシが一旦回収して使えるように整備して、かつハンドルも左右イケるようにしてやるぐらいしないと、ゴミ箱行きが避けられないように思う。まだ使える大森スピニングをワシャ救いたい。まったくそんな必要も義理もないんだけどそう思ってしまうから仕方ない。

 ということで、5台ワシワシと分解整備していきます。

 まずは、一番酷い状態のニュータックルNo.1。とにかくボロい。ハンドルが回らんぐらいに錆がキツく、コイツは稼動状態に持って行けるか怪しいぐらい。

 でも過去同程度に酷かった「タックルオートSS」は、わりとアッサリ復活したので、何とかなるだろうとCRC666ぶっかけて、ビニールに他のジャンクリールと共に寝かせてたのを引っ張り出してきても、やっぱりハンドルはハンドル外してCRCぶち込んだのにほとんど回らん。大丈夫かコレ?ちなみにタックルとニュータックルの違いはベールアーム。金属製ならタックル、樹脂製ならニュータックル。でも箱書きにしか「ニュー」と付かないのでネットオークションとかでは「タックル」として売られていることが多い。

 いつものようにお盆を用意して分解開始するんだけど、これ思った以上に状態が悪く、過去の事例でコレより酷かったのは丸ミッチェル「314」の最初の個体ぐらいか?

 とにかく錆が酷くて、その錆が粉状に剥がれてティッシュでぬぐうとジャリジャリとした嫌な感触。

 ハンドルも回らんわけである。ハンドル外すとなんか錆なのか砂なのかわからん黒っぽい粒子がみっちりとハンドル軸と本体のハンドル根元の筒状の部分の間に詰まってる。なんじゃこりゃ?スプール外したローターにも茶色いこちらは錆っぽい粒子がジャリジャリに付着している。

 のわりには、本体蓋パカッと開けたら、ギア周りとかは普通に固まった古いグリスぐらいで、このぐらいなら珍しくもない。

 上から4枚目は、ベアリングが片面シール型なんだけど、そのシールを止めてるCクリップを針で突いて外してシールも外した状態。今回ベアリングは交換だろうと思って、苦労して固着気味のベアリングをローター軸のギアごと抜いたんだけど、ベアリングはギア周りと同様、あんまり錆びてもいなくて、シール外して古いグリスとかも落としたら普通に使える状態になった。

 外回りがやたら錆びまくってるけど、中はそれほどでもないという落差。どういう経緯でそうなったのか分からんけど、大森式で本体内にストッパーまで入れて防水防塵性をあげる設計は意外としっかり機能してる気が改めてしている。浸水したらしい丸ミッチェルはさすがに本体内も錆で酷かった。大森もハンドル軸やら主軸に鉄系の素材を使ってるので、ステンレス多用のPENNほど腐蝕には強くないけど、本体内部はある程度守られているので、致命傷にはなりにくい気がしている。

 とはいえ、外回りはあちこち錆はきていて、ベールアームのお尻のローターへの固定ネジは腐蝕して固着していて外せなかった。幸い、”ニュー”タックルはベールアームは樹脂製で錆には強いので、大森金属製ベールアームで良くあるラインローラーナット固着からの”ねじ切り”はなく、ローラーもスリーブ入りなので問題無く外せた。主軸とハンドル軸が鉄系なのでやや錆びてるけど、これは使ってれば滑らかにはなるだろう程度。ちょっと手こずったのがさっき書いたローター周りで、まずはローター自体が抜けてくれなくて、コレ抜けないと交換予定だったボールベアリングに手が出せないので、コレで壊れるなら寿命ということで部品取り個体に、という整理で「ええい、ままよ!」と木槌使ってカンカンやって外した。

 と、だいぶ苦戦したので分解に掛かった時間は約40分、単純な設計のリールのわりには時間食ったけどボロいとどうしても固着外したりとか汚れこの時点で拭けるだけティッシュで拭き取ってとかやってると時間を食うのは仕方ない。

 次にパーツクリーナーと歯ブラシで汚れをシュッシュゴシゴシと落とす作業だけど、これも錆や汚れが酷いと、時に竹串やらマイナスドライバーやら爪やらでこそげ落としつつ進めなければならず時間がかかる。

 パーツクリーナーは揮発性のある薬剤を使っているので台所の端の作業ブースや横着してコタツで作業するわけには行かず、換気しやすい玄関の三和土から階段に上がるところに小さい椅子を置いて階段に物を置いて作業している。

 ギア周りとかの内部は普通に汚れたグリスの除去という感じなんだけど、主軸の台座周りとか、本体と蓋のハンドルの穴周りとかがジャリジャリの汚れが酷くて、このジャリジャリが他に回らないように、部位ごとに分けて混ざらないように気をつけて作業する。

 小さい部品もティッシュで拭き拭きしつつ、ここでしっかり汚れを落としておかないとマズいのでかなり手間暇かかった。約50分ほど。ただココをしっかりやっておけば後の組む作業はボロかろうがそんなに手間は変わらないはず。

 とはいえ、今回はコタツに入って動画見ながらというか聞きながらではあったけど、全ての金属部品と摩擦面にはグリスをグッチャリとを基本に、主軸とラインローラー、ハンドルノブにはオイルも注すという丁寧な作業はそこそこ時間はかかった。1時間ちょっと。ということで、ハンドルも左に付けて、1台目は都合2時間半ほどのお仕事でございました。流石に新品同様の滑らかな回転とはいかず、錆びてる軸が擦れるのかコーッという感じの音がしていてやや重いけど、手に来る気持ち悪い振動が出たりとかはなくて、使ってて慣れると同時に錆びた面が滑らかに磨かれていけば特に使うのに不快なことはなくなりそうで、現時点でもワシなら気にせず使えそう。大森ハイポイドフェースギア自体は特に削れたりしてないようで滑らかなので、軸から一定して出てる小さな異音ぐらいは聞かなかったことにしておける。海なら波の音に負ける程度だろうしな。

 2台目は次にボロいタックルNo.2。これは買うときにハンドルキャップがなくて錆びてるのが見えていて、別機種と2台セットでゴミ処分価格だったんだけど、これはハンドル穴からの浸水で内部錆びてて苦戦しそうだなと思ったけど、実際にブツが来てみたら普通にハンドル回るのでわりとイケる感じ。ハンドルキャップってたまに釣り場で拾うけど(ゴミ拾ってるので地面よく見てる、エラいよねワシ)、ネジ込みとかネジ留めなら落としてもしばらく気がつかずに使い続けることはあるかもだけど、共回りのネジ付きキャップも拾ったことあって、仕舞うときに緩めすぎて落とした時かなと思わなくもないけど、ないとハンドル取れてくるので釣りにならないはずで困っただろうなと気の毒に思う。ただ、ねじ込み式とかでハンドルキャップなくしてもとりあえず巻くことはできる状態でも、そこから浸水するのは見りゃ分かるだろ?ってはなしで、部品取り寄せするなり、なんか填まりそうなモノを、それこそキャップなんで填まりゃ良いのでハメておけって、ハンドルキャップ無しで売られてるような中古を見ると思う。今回は、以前これまたハンドルキャップ無しで入手したタックルオートSSに填めてた椅子の足の樹脂製キャップを加工したものを再利用。こういうショボい部品も捨てないところがまたエラいよねワシ。で、分解はサクサクで固着もなく15分ほどで終了。部品数少ないからね。

 ただ、潮カブって白く析出したスプールの腐蝕とか、回ってなかったラインローラーの錆とか、パーツクリーナーでシュッシュ、歯ブラシでゴシゴシ程度では取れない部分もそこそこあって、マイナスドライバーやら爪やらでガリガリと削り落とす作業は地味に生じて、分解ほどサクサクとは作業進まず45分ほどかかってしまった。
 表面塗装が脚周りとか剥げてて、お色直しするべきか迷いどころだったけど、銘板も剥がしていっちょやっつけるかなと剥がそうとしたら剥げず、なぜかしっかり接着されていたので、そんならまあ見た目はこのままでいくかと流しました。

 各部品が綺麗になったら、グリス塗りつつ組んでくのはそれほど時短できる要素は無く、続けて2台目だから熟練度が上がって早くなったかというとそうでもなくて、普通に1時間ほどかかって、全行程通してでは約2時間となりました。キャップもちゃんと填まってウレタン接着剤で落とさないように接着。
 前回より時間が短縮できたのは、前回時間が掛かった固着を外す作業が無かったので分解が楽だったところに負うところが大。まあでも2時間で全バラフルメンテ完了なら悪くはないかなと。
 前回の鉄系の軸周りに錆が出てたニュータックルNo.1はさすがに巻きが多少重くなってたというのが、今回はベアリングもギアも軸周りも錆びてなくてクルックルに復活したので比較して良く分かった。なんなんだろうねこのボールベアリング1個しか使ってない大森スピニングの滑らかな回転は?ちなみにハンドル軸は両側アルミ直受けじゃなく、鋳込んであるのか填めたのか真鍮ブッシュで受けている。金属本体なのでストッパーの音もチリチリよりシャリシャリに近い涼やかで気持ち良い音。上出来だな。

 お次はニュータックルNo.1の2台目、こっちは普通に使えそうな感じだったのでサクサク行くつもり。分解はやっぱり固着が無ければ15分で終わる。サクサク。
 パーツクリーナー洗浄も35分くらいと良いペース。
 こりゃ2時間切るなと動画見ながらコタツでダラダラとグリス盛り盛りして組み立ててたら、それでもやっぱり1時間ぐらいで合計1時間50分ほど。
 仕上がり快調で、ちょい時間も短縮できたけど、正直3台目で飽きてきた。

 でも4台目は黒いタックル系から青いタックル5No.2に変わるので気分も新たに、って色が違うだけの兄弟機だからやること一緒だけどな。
 こいつはライン付きなのでライン引っぺがすところから始める。”ラインはオマケです”とか書いて出品されてるのは良くあることだけど、使用時間もわからんようなラインそのまま使うわけにもいかず、新しそうなら下巻用に使ったりするけど基本捨てる。オマケもクソも引っぺがすの面倒だしスプール腐蝕してたらバレるしで手間かけてないだけだろって感じで今回も古いナイロン糸なので容赦なく引っぺがす。小型リールだとそれほどでもないけど長尺の道糸の交換とかには専用の”ラインクリッパー”があると仕事が捗る。
 しかし今回は問題発生。
 なんか途中から赤さび色になってきて、ラインが固まっててラインクリッパーのモーターの力では引っぺがせない。なんじゃこりゃ?と思いながらドラグユルユルにしてライン手で引っ張って剥がしていくと、クソ忌々しいことにガムテープで”エコノマイザー”的に嵩上げして糸巻き量調整してやがった。そのガムテが腐って粘着部分が染み出してラインを固めている。苦労してガムテを剥がしたけどスプールの芯のところに小汚く赤茶けたカスがへばりついている。ここまで30分もかかってしまってムカつく。

 ムカついてても仕方ないので分解してパーツクリーナーをシュッシュ、歯ブラシでゴシゴシ。幸いなことにパーツクリーナーはガムテのカスにも効果大でしばらく漬けてから歯ブラシかけたら綺麗に取れて一安心。
 内部は綺麗な状態で、パーツクリーナーの廃液もガムテのカスで赤茶に濁ってるけどわりと綺麗な状態。
 いつものようにグリスグッチャリで仕上げて、こいつは見た目もそれほど腐蝕等もなく機関も快調に仕上がった。苦労した甲斐もあったというものである。
 コイツは売れるかもと一瞬思ったけど、No.2サイズはいかんせん需要が少ない。買った値段ぐらいにしかならん。でも快調な個体を使う人に届けるだけでも意味があるかなとも思うので整備待ちの渋滞が解消したら来年は本格的にリールを売ろう、などという鬼が笑うことを言うております師走の今日この頃。

 ということで、ライン引っぺがしに30分、分解15分、パーツクリーナー35分、組み上げやっぱり1時間と都合2時間20分かかってて、うちラインはぎを除くと1時間50分ぐらいで、このあたりが今のところの限界かな?雑にやっては意味がないのでこのぐらいが適正かなと思っちょります。

 やっと最後の5台目マイクロセブンNo.1まで来た。
 こいつもライン付きだったけどラインクリッパーが存分に威力を発揮してくれて、ライン引っぺがすのに所要時間2分。早い!改めてその便利さに惚れ惚れする。
 そして分解17分、内部も写真のようにそれほど汚れておらずパーツクリーナー40分、組み上げ65分、合計2時間4分ほど。
 微妙に時間がかかってるのは、真ん中写真見るとお分かりいただけると思うけど、タックル系に比べて上位機種の外蹴りマイクロセブンは、ハンドル軸ギア側にボールベアリングが一個追加され、スプールがワンタッチ式採用となってて、その分部品数が増えてちょっとずつ時間がかかっているのである。意外にワシ正確に同じように作業できてるんだなと面白かった。
 ここから時間短縮するなら、一番時間掛かってるグリス塗りながらの組み立てのところをどうにかするんだろうけど、グリス塗り多分メーカーとかの組み屋さんは、熱して液体状に溶けたグリスに部品をくぐらせて表面全体に均一に塗布してるか、液状になったグリスをスプレーしてるんだろうと思うけど、電気ポットあたりを改造してグリス溶解槽でも作るか?何台分も流れ作業でやるわけじゃないから、あんまり効率上がらないか?まあ丁寧に塗ってくのも良い気分なのでそこまでしなくても良いかなとは思う。
 あと訂正してお詫びしなければならん件に気がついた、ちょい前の大森”No.5”ネタの時に「マイクロセブンにも大型機ならではの強化が施されていて、ローターのベールが付く”腕”部分に斜めに張り出した補強部分が設けてあり、いかにも大物仕様といった雰囲気が醸し出されている。」と書いたけど、ごめんアリャ嘘だ、小型機にも同じように補強が入ってる。ワシの目は節穴である。信用しすぎないようにお願いすると共に伏してお詫び申しあげます。ゴメン!
 という感じでやや擦れ傷多めながらも、2個もボールベアリングが入ってるおかげか回転もクルックルで気持ちよく仕上がった。マイクロセブンNo.1は薄い水色も雰囲気あって綺麗で格好いいので一回魚と一緒に並べて写真撮りたいのでそのうち実戦投入したいけど、タックル系もあるので出番作ってやれるかどうか。まあいつでも出せる良い状態で保管しておけるのは悪くないさね。

 という感じで、5台無事使用可能な状態に復帰。良い塩梅に整備完了で満足。満足してるんだけど、ボロくて重いニュータックルNo.1は、回して錆落とししてやりたいので実戦投入予定だけど、せっかくなのでちょいいじくってやりたい。
 まあ来年のシーバスシーズンに間に合えばいいやということで、これもまた鬼があんまり笑わせるなよと言うような話。
 同じ系統の機種を連続してやっつけるのは、確かに手順をハッキリ憶えている間にやれて作業効率的には悪くなかったように思う。後半部品位置確認用のデジカメ写真とか省略してたぐらいである。
 同じ作業ばかりで飽きるということを除けば良い手かなと思いました土佐の一本釣り。
 ということで、次もまた同じような機種が4台ほど溜まってるのを片づけるかなと予定しております。ハンドルもまだ2本あるしな。お楽しみに。

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