ナマジのブログ
2024年11月30日土曜日
永遠に古くならない5000
2024年11月23日土曜日
野生馬のあらがえぬ魅力
水面派の経典「ブラックバス釣りの楽しみ方」ではお尻にブレードの付いた小型ペンシルであるフルーガー「ジャーク」が紹介されているが、あまり国内で出回っていた人気プラグという感じではない。
経典ではジャークの紹介の項でフルーガーのルアーについてもざくっと触れてはいて、引用すると「フルーガーは,(中略)アメリカでも最も古いフィッシングメーカーの一つだ。有名なグローブ,パローマイン,マスタングなど,どのプラグにも一貫した設計思想があってアメリカ人のもつ,良心を感じさせてくれる。」となっている。でも、体の前半が回転するグローブもポッパーみたいな切り込みの入った口型の金具がリップと一体になって装着されているミノーのパローマインも、そして冒頭写真のミノー「マスタング」も日本じゃ当時も今も有名ってほど知られてはないように思う。ちなみに経典の”ライブリーファミリーのプラグ達”の項の集合写真にマスタングが1つしれっと写っているけど、個別の紹介には出てこない。下の写真で指さしてるのがそれ。
むしろ日本の釣り人には、フライリールの「メダリスト」シリーズや、早くにシェイクスピアに吸収されてしまって、スピニングとかはシェイクスピアリールの色違いの場合が多かったりするけど、「パトリアーク」シリーズとか今でもフルーガーブランドで販売されているので、リールブランドとしては知ってる人は知ってるだろう。日本のバスブームの頃には、既に木製の古き良きアメリカ的なルアーは、一部の好き者以外には刺さらなかっただろうし、則さん達のような扇動者たちの”推し”ルアーにはかろうじて「ジャーク」が引っかかった程度で、その他のルアーは注目を浴びなかったのだと思う。そう考えると、則さんたち案外”新しもの好き”だったんだろうなという気もする。あるいは「ライブリーファミリーのプラグたち」で集合写真に写っていて、かつ個別紹介されているのが樹脂性で動きの良いタイガー、マーベリック、レッドフィン、スーパーシャイナーで集合写真に写ってるのに紹介されていないのがマスタングとヘドンのウッドヴァンプらしきルアーで、則さん達使ってたけど、当時国内流通もなかったであろうウッドプラグを紹介しても手に入らんし仕方ないという気遣いもあったのかも。則さんは米軍基地の米兵さんルートでルアー手に入れてたとかどっかで読んだ気がする。
で、我が国でなじみ深いアメルアーブランドとは言いがたいフルーガーのマスタングにワシがなぜ、しつこく書くけどこの円安の折、モノが仲介業者のセ○イモンに届かず取引キャンセルになっても、米国から送料も高くつくのにあきらめずしつこく確保したのかというと、以前に1回だけヤ○オクで見かけて、エラい格好いいので入札したけど、欲しい人間が2人居ると値段が跳ね上がるの法則で予算をサクッと超えてしまい芋引いてしまい、また出たら買おうと思ってたけどその後出ているのを見つけられなかったからである。ちなみに最初の1個が取引キャンセルになって次のセカイ○ンでお買いもんは石橋を叩いて2個買った。冒頭写真の下2つがそれで一番下のは塗装にひびが入ってたりはするけど比較的美品で真ん中のは塗装剥げもそこそこあるややボロ個体でチョイ修繕して使うつもりで購入。で一番上のリグもサビてボロボロの個体は何かというと、苦労して米国から取り寄せたらヤフ○クにチョイボロのウッドパイキー2本とあわせてジャンク扱いで出てきやがって、腹立って入札してパイキーもろとも押さえておいたブツである。パイキーは年代考えるとジャンク扱いがかわいそうなマシな個体だったけど、マスタングはほんとボロ個体でリグをどうにかするとかから考えなければならんけど、でもそのボロさも格好いいのでボロさを生かして実用可能な弾に持っていきたい。というわけで、デカアメミノーネタの最終回、ルアー図鑑うす塩味第76弾は、名門フルーガーブランドの「マスタング」でお送りしております。ちなみにマスタングもパローマインもどちらも6インチ15センチまでは確認できるので、ブランド最大ミノーは両者同率1位かなと思っちょります。
で、このルアーの何が格好いいかっていうと、とにかく金属のリグ・パーツが格好いいのよ。
まずはなんといっても、背中とお腹に貼り付けてある金属板。ネットの画像でこれを見た瞬間、その機能と格好良さが両立したデザインに痺れたんだけど、意外にバスマンとかだと、コレ何のためについてるのかピンとこないようで、古物のルアー好きのバスマンが手に入れたけど「何だろコレ反射板かな?」とか書いている記事とか目について、むしろそこが分からずに買う選択もあるのかと面白かった。海のルアーとかやる人間なら一目で、コレが銀鱗模様の美しいこの木製ルアーのボディーを、歯のキツい魚の牙から守るためにある。という明確な意図がみてとれるはずである。例えばマスキーやパイク、海ならバラクーダにワフー、ブルーフィッシュといった牙魚たちのその牙に対抗するための盾として、クロームメッキされた真鍮の部品を装備させたのである。ちなみにこの金属板無い版もあったようで経典の写真とかそっちのようである。
歯のキツい魚の攻撃力って相当なモノで、ロウニンアジってそれほど歯がキツい印象はないかもだけど、それでも高価なウッドルアーが何匹か釣るとボロボロに塗装剥がされて歯形だらけの迫力のある見た目になるのは避けられず、長いペンシル系とか噛み折られている写真も見たことがある。いわんや歯のキツいバラクーダやらおやというところである。
お次にリアフックをぶら下げるリグも独特で凝っている。写真左は、分かりやすいようにすこしネジを緩めて引き抜きかけた状態。そう、リアフックはヒートンでぶら下げられている普通の方式ではなく、フックをぶらさげて、かつネジの軸をクルクル回ることができる右写真の左のフックハンガーを介してぶら下げられている。フックハンガーは、後方になるフックを入れる方が細めでフックが後方には自由に動くことができるけど、前方になるボディー側は太くなっていてフックが前に振れることを妨げていて、フックがボディーを傷つけることを避けている。フックハンガー自体が軸を回転するので、細長い体で”デスロール”のような回転系の暴れ方をしがちなワニ体型の牙魚が暴れてもフックハンガーの回転で追従してバレを防ぐ仕組みになっているんだと思う。ちなみにネジ留めで、他のパーツも含めてこのルア-の分解にはマイナスネジが一本必要。
でもって、そういう暴れん坊な大物を狙うために、リップ回りもこれまた凝った頑丈なリグが奢られている。リグは共通してネジ以外は真鍮にクロームメッキなんだけど、まずは結ぶところが2つあるアイの部分が、本体前部下側に掘られた溝に填まる。そして、それを固定するのは、本体前部下面を覆うような形でリップと一体化したパーツで、ボディー先端の鼻先と、リップの根元左右の3箇所をネジで留めるという頑丈なリグになっている。そしてリップには「Pflueger Mustang made in USA」の刻印あり。渋いゼ。
なんというか、陳腐な表現かもしれんけど、さっきも書いたように”古き良きアメリカ”っていう感じの、丁寧な仕事ぶりなんである。年を経てヒビが入ってしまってるのは仕方ないとして塗装も綺麗だし、リグも凝ってて、かつ何のためにそのリグの工夫がされているのかという目的が明確で、作った人の思いが詰まってる感じがしてとても好感が持てると同時に、実釣能力もかなり高いのではないだろうか?という期待をいやが上にもしてしまうところである。
ということで、一番綺麗な個体はさっき書いたようにそのまま保管用として蔵に眠ってもらうとして、その他2個は実釣使用を想定して補修できるところは補修して準備してみたい。基本方針は、まずはリグを全部外して、錆を落とせるだけ落として、フックを適切なモノに交換。ボディーは塗装ハゲはパテで目立たないように埋めて、ウレタンでコーティングしてこれ以上は塗装の劣化が進まないように処理して防水性を上げておく。
というあたりを基本方針に、あとは現物見ながら臨機応変に仕上げていきたい。
まずは一番ボロい個体からやるか、とネジを外そうとしていきなり問題発生。ネジが錆びてるわけじゃないのに脆くなってて、ネジ回そうとしたら頭がポロッと欠けてしまう。コリャダメだ。ネジはもういじらずにリグごとウレタンコーティングしてしまうぐらいしか手がないか?フックハンガーもお尻の以外はネジ頭が飛びそうで外せないので、ハンガーにスプリットリングでフックをぶら下げるか、ダブルフックでいくか?そこはどうにでもなるけど、はたして魚が掛かった時にネジが飛んでしまわないか不安な状態である。飛ぶなら今この場で飛べと、グイグイ手で引っ張ってみたけどとりあえず大丈夫そうではある。いっそ今のネジをドリル使ってでも取っ払ってしまって、太目のネジを入手してネジ穴も拡張してという大改修をしてしまうのが安全かもだけど、とりあえずリグごとコーティングで使う前にドラグセットして引っ張って試験してから使うぐらいでいこう。強度が掛かる位置のネジはリップ回り3つ、フックハンガーが4つの7つもあるのでフックハンガーは単純に位置ずらせば良いだけだけど、リップ回りは綺麗に同じ位置に頭のとれたネジを抜いて穴を開ける必要があり、それは技術的にめんどくさく難しいのでまずは避けたい。
ということで、多少お化粧直しする程度でお茶濁す。とにかくリグが全部腐蝕で表面がボロいのでどうにかしたい。基本はお酢かなと酢を含ませたティッシュをあてがってしばしのち磨くも、その程度ではどうにもならん。そんなレベルではない。歯磨き粉で磨き始めたけど、歯磨き粉で丁寧にいってると時間がいくらあっても足りん感じなので、結局サンドペーパーでガリガリと磨いていく。本来はリグはクロームメッキ仕上げで銀色だけど、こいつは真鍮剥き出しのコパーカラーで行きます。リップの刻印もサンドペーパー掛けたらやっとでてきた。これで上からウレタンコーティングでいこう。 もういっちょの方は、リグは全部外して歯磨き粉で磨いて、本体の方の塗装が剥がれて木地が見えているところをパテで埋めて、っていう状態でウレタンコーティング。パテで白く塗装剥がれたところを埋めるだけでそこそこごまかせるというのがお分かりいただけるだろうか?上2段が左使用前右使用後みたいになってます。
あと、ウレタンコーティングは最近筆塗りでやってるんだけど、なぜドブ漬けじゃなくて筆塗りかというと、ドブ漬けできるデカい容量のウレタン樹脂液を買っても、使いきる前に瓶の中で固化してしまって無駄が多いから、少量瓶で買って筆で塗っていた。そんななか、今回瓶の中で固化するのを防止するのにかなり効果がある方法を知ったので、皆様にも知識共有しておきたい。ウレタン樹脂系の塗料は溶媒が揮発して固化するというよりは空気中の水蒸気と反応して固化するタイプがほとんどらしく、いかに空気と触れさせないかが重要とかで、過去使ったら表面に薄め液をヒタヒタと注いでおいて空気と遮断すると良いとかいうのも試したけど、あんま効果なかった。封切って使ったら一月もすれば冷凍庫保管でもゲル化してる。今回試して効果があったのは意外に単純な方法で、瓶に直接筆を突っ込まず、取り皿に使う分出してから筆塗りに使って余ったら戻さず捨てる。というもので確かに瓶に直で筆突っ込んで筆塗りしていると、空気と接触しまくった筆についたウレタン樹脂液を瓶の中に戻してしまうわけで、瓶の中で反応がすすんでしまうのもむべなるかな。残った瓶の中の空洞分の空気に含まれる水蒸気量はたいしたことないようで、筆でペタペタ塗る作業やこぼれたのを受ける皿に戻る際には空気とグチャグチャかき混ぜられているので、そこから垂れてくる分とかは反応が進む条件に合致しているので瓶に戻してはいけない。でも瓶に入れられたままで、使う分出すときに傾けられた程度の動きしかない残り分は反応進みにくいようなのである。実験も兼ねて1月くらい時間をおいて2回目の塗装をしてみたけど瓶の中で固化しておらず問題無く使えた。2回使って瓶に残った1/4ぐらいをまた冷凍庫に保管しているけど、今見たらまだ液体状を保っているので効果大だと思う。竿のガイドを留めるラッピングスレッドを固定するのに以前はそれ用の2液性エポキシを使ってたけど、これがまた使用期限が短く、竿なんてそう頻繁には組まないので、ある程度本数溜まってから作業してたけど、最近は固化開始時間がこちらで調整できて値段が安いという利点を気に入って”百均UVレジン樹脂”を使ってたけど、ウレタンここまで保存ができるならウレタンでも悪くないと思う。ウレタン塗料は昔から竿の補修等には使われていた素材でもある。
で、ダンボールに針金をWWWって感じに曲げて渡してある”塗装ブース”で乾燥させて片方にはリグを付けて、フックはとりあえずついてたので仮置き。ボロ個体はフックはダブルフックでこれまたとりあえずということで修繕完了。
ウーン格好いいじゃないの!マスタングはあっちじゃ人気あったみたいで、フルーガーがシェイクスピアに吸収しされてからも製造されてたようで、1980年代ごろまでは作られていて「香港シェイスクピア」で作ってたのかどうかは不明だけどメイドイン香港版もあるそうな。なかなかのロングセラー。 これまでワシ的に最も格好いいデカアメミノーは、ソルトウォーターグレードボーマー「ロングA17A」かギブス「ダニー」かと思ってたけど、フルーガーのマスタングも負けず劣らずの格好良さだと思う。紀伊半島が南の島化していって、川の中にシーバスじゃなくてフエダイ系とかの歯もキツくてパワーもあるような魚が上がってくるようになったら、コイツの出番じゃないかと妄想している。ということで、海水温上昇に端を発して今年の夏にあらぬ方向に突っ込んでしまっていた暴走のご報告であるデカアメミノー編は一応の最終回で、デカアメミノー好きの皆様にもそうでもない皆様にも楽しんでいただけたなら幸いです。デカいルアーってやっぱり格好いいですね。
2024年11月19日火曜日
ラララ星のかなた
実家に帰ったときに、血筋だと思うけどカーチャンが子供らが使った教科書とかを捨てられずダンボールに詰めて保管してあるのを、置いておいても仕方ないだろうとゴミの日に出せるように整理して紐で縛った。ただ国語の教科書だけは読み物としても楽しめるので捨てるのを保留してしまった。ここで捨てないからモノで溢れるんだとはうすうす感じるけどな。
国語の教科書は小説や詩などの世界に子供を誘う道しるべとして、その役割を充分以上に果たしていると感じている。コクト-や白秋の詩とか今でもそらんじられる。もちろんワシ谷川俊太郎先生もお気に入りに決まっている。いま地動説を題材にしたマンガのアニメ化が話題になっているが、地球が回っているということを鮮烈に知らしめる作品として「朝のリレー」はジュール・ベルヌの「八十日間世界一周」とともに双璧だろうと思う。素晴らしいの一言である。
現代において優れた詩人は”作詞”しているというのがワシの持論で、今時の詩人の作品にはとんと馴染みが無いが、詩が詩として楽しまれていた時代の詩人には何人かお気に入りが存在する。どっかで書いたけどあいだみつおは大嫌いだけど金子みすゞはどうしようもなく好き。仕事仕事で忙殺されて休みの日には釣り場に居て実家になど滅多によりつきもしなかった頃には室生犀星の「小景異情」の有名な一節を心の中で呟いていた。高村光太郎の「道程」は人がやってないことに手を出したがる人間の道しるべ。草野心平の自由自在さには思わず笑う。北原白秋はゴールデンカムイとかで本人ろくでなしだと知ったが、詩は贅肉がそぎ落とされてて切れ味鋭く素晴らしいと認めざるをえない。中原中也は「よごれつちまつた悲しみに」に惹かれて読んでみたけどそれ以外はピンとこなかったけどそれだけで充分な気もする。宮澤賢治は物語はキリスト教的説教臭さが鼻についてイマイチ好かんが、詩はどれも素晴らしい声に出して読みたい日本語代表という感じ。
でもって谷川俊太郎先生の代表作といえばさっき書いた「朝のリレー」と「二十億光年の孤独」なんだろうけど、訃報記事を読むと「鉄腕アトム」の主題歌の作詞もされていたようで、”現代に於いて詩人は作詞してる”説を裏付けるようで「ほらね」って感じだ。
92歳は大往生だろうと思う、それでも感じるさみしさに僕は思わずくしゃみをした
2024年11月16日土曜日
米国でもルアーのパクリ?はお約束
まあ、見たまんまのレーベルミノータイプのミノーで、そもそもビル・ノーマン氏はレーベルで働いて、暖簾分けなのか喧嘩別れなのかよく分からんけど、その後に独立した経緯もあるようでまんまそっくり。それ以外にも今回箱買いしてるのでミニカタログがついていて、レーベルの「ハンプバック」っぽい「ハーフバックミノー」やらなんかも出していて、真似しているのか対抗心があるのか、ミノーの他にもレーベルのルアーに似たようなルアーをぶつけている。ホッパーストッパーの「ヘルキャット」の方はまだレーベル得意のクロスハッチ模様とは違いウロコ模様を描いているし、2個にはリップを支えるリブがあるところなんかも独自色はある。あるけど、ラパラが北欧からやってきて、レーベルが樹脂素材でラパラっぽいスリムで軽くてよく動くミノーをって作って成功し、その後ニョキニョキと雨後の竹の子のように似たような樹脂性ミノーが各社から出てきて百科騒乱という、ルアーの世界ではありがちな展開だったことが容易に見て取れる。ルアーの世界に限らず、釣り具の世界に限らず、どんなモノでも革新的なブツが生まれると、その安直な模倣から、一手間くわえて改良されたもの、逆にダメになったモノ、安っぽい廉価版、いろんな試行錯誤の上に一段上に進んだようなモノが現れて、またそれが模倣されて、っていう流れはお約束というモノだろう。いつも書いているように、そういうぶっちゃければ”パクリ”に該当するようなルアー達も、選ぶ楽しさを与えてくれるし、そこから次の段階へと改良が進んでいくこともあるので一概に悪いとは思っていない。ただワシの好みとして、安易な”マルパク”にご大層な能書きたれて偉そうに売ってござるルアーには唾を吐きかけたくなるし、大手が小規模工房が開拓したような分野にいけシャアシャアと後出しジャンケンでデキの良いのをぶち込んできてたりするのを見ると、いい加減にしろと思う。恥ずかしくないのか?ないから節操のないことができるんだろうし、金稼ぐってのはそんなの気にしてられんことなんだろうけど、なんとも浅ましく思えてしまう。
ビルノーマンといえば、クランクベイトの名門という印象で、古典の範疇に入る「リトルN」とかは馴染みがないけど、河川のビワコオオナマズ狙いで派手な動きのディープクランクが効くということだったので、ザ派手なアメリカンディープクランクな「DD22」と「DD14」を用意していって、見事人生初”ビワダイ”はDD14を流れに流していたら、携帯に電話が掛かってきて話してたらガンッと来てしまい「来やがった、一旦切る!」とファイトしてゲットしたのを憶えている。他に、当時人気が無かったのか安く買えた「ラトルー」というクロスハッチ模様が切ってある中型ペンシルは、安いのに結構良い動きでよく釣れた。2個あったはずだけど蔵を探したら1個しか出てこなかった。その後、アイの位置が変わったりして、この先端にアイがあるタイプは結構良い値段で中古市場では売り買いされていたりする。もっと買っときゃ良かった。 とかいいつつ、むしろノーマンのルアーにお世話になってるのは今まさに現在進行形で、まあビワダイ用になんぼかストックがあったのと、派手に暴れてアピール力が強いのを知っていたので、根魚クランクを始めてチョイ深いところを攻める必要が出てきたときに、DD22とDD14は真っ先に引っ張り出している。ビワダイ用にそんなに買った憶えがなかったので、中古だと安いのでずいぶん買い増ししたけど、今回蔵をあさってたら、河川のビワダイ狙い2回ぐらいしか行ってないはずなのにやたらと在庫してあったのが出てきて、根魚クランクは基本根掛かりをさせない方法を確立しつつあるので、おそらく一生掛かっても使い切れないぐらいの備蓄はありそうで頼もしい限りである。ちなみにDD22もDD14も現役で今でも売ってます。そういえばビルノーマンもノーマンルアーズと名前を変えその後”親元”のレーベル母体のプラドコに”里帰り”していて歴史の流れを感じさせてくれる。今回の「シャイナーミノー」7インチはぶっちゃけレーベルミノーとかぶるし、箱入りで状態も良いしで、実釣用というよりは売れるものなら1個売っぱらって突っ込んだ資金をなんぼかでも回収したいところ。
左から当時モノ小、復刻版初期、復刻版後期 |
で、なんでこんなバイブレーションプラグにラトルが入る以前の古風なバイブレーションを使ってたのが残ってるかというと、若い頃職場のバス仲間と行ってた釣り場の一つに印旛沼があってワシのへルレイザーを杭に捧げたのは印旛沼につながる小河川で陸っぱりだったけど、バイブレーション使ってたのは本湖?の手こぎボートの釣りで、当時の印旛沼は往年の菱藻の沼の面影は既になく、そういった水生植物が枯れたモノが底にヘドロ状に堆積し、ボートを泊めるアンカーは鉄の棒をヘドロに突き刺すという独特なモノで、そんなヘドロ底では植物が微生物に分解されるために酸素が使われて低層は酸欠状態で、泥なんかもろ還元的な環境になってて、ワームなんか使うとくすんだ鉛色だったシンカーがピカピカになって戻ってくるという信じがたい現象が起こる有様で、底にはバスは居なかった。というわけでヘラ釣りのために沈めたオダとかの上に浮いているバスをバイブレーションで狙うのと、さすがにヘドロ底じゃない岸際の葦原をスピナベとかで狙うのがパターンで、ワームはあんまり効かなかった。その時に活躍してくれたのが魚型のバイブレーションの元祖ザウルス「バイブラザルス(ずっとバイブラザウルスだと思ってた)」とダイワ「TDバイブレーション」でTDバイブレーションにはノンラトルタイプがあって、バイブレーションにはラトルがあった方が良いだろうと漠然と思ってたのに、なしでも釣れるやんけってなって、なら古いノンラトルだった時代のバイブレーションでもいけるやろ?と代々木の中古屋で買ったのがスイミンミノーだったんだと思う。今考えると当然なんだけどラトルなしでも釣れるときは釣れる。ない方が良いときもあるような、あった方が良いときもあるような、そのへんは違いはあるようには思うけどな。あと印旛沼のボート屋のババアが因業ババアで1人乗りで借りようとしたら「休みの日に1人で乗られると儲けが少なくなって・・・」とかぶつくさ文句言いやがって貸し渋りやがって、腹立ったので2人分の料金たたきつけるように払って「文句ねぇだろ」と啖呵切ってやった。思い出したら腹立ってきた。とバイウーブギからだいぶ脱線したけど、脱線ついでにもういっちょ小ネタで、GT用のルアーに「梅雨ブギィ」という名前のがあって、作ってる人そのあたりのルアー好きだったんだろうなと想像している。
で、今回買った「ストライパーへルキャット」、細身の13.5センチは正直あんま大きくない。もっとデカいのがあるのか?国内にも入ってはきてたようだけど中古もあんま見かけないのでマイナーな存在かと。米本国ではどんな感じだろうとストラーパーソンズあたりを覗いてみたら、お好きな人は居るようでボーマーやレーベルを試してダメなときにへルキャットが効いたことがあるとかなんとか、まあどこの世界でもマイナールアーを手持ち札にしてる釣り人はいるってことでしょう。というわけで、悪くもなさげなのでまとめて安く買えたし実釣想定してフック付けて試し投げしてみました。まああれです、軽くて投げにくいぶん動きは良いタイプのミノーです。使いどころはあるかと。あと面白いのが2個がリップの後ろに支えるリブがあるんだけど他のには無くて、黒い1個はリップがもげたらしく自作の「HELLCAT」の銘無しのリップが填めてある。そういう事例が苦情としてあがってきてメーカー側でリブ付けて改良したんだろうなと思うとまた趣深い。 昔「へルレイザー」を”地獄光線”って中二な名前だなと言ったら「アレは扇動者」って意味があるらしいよと言われたけど、へルレイザー、ヘルベンダー、へルキャットとへル軍団を構成しているところをみると、地獄の意味もあるダブルミーニング的な名前なのかなと思ったり思わなかったり。ちなみにへルキャットは「性悪女」的なスラングだそうで、なるほどなという感じ。戦闘機にもなかったっけ?ちなみにヘルベンダーはそのまんまでアメリカオオサンショウウオのことでもあります。地獄の配送業者的な意味もあるのかもだけどボーマーの「ウォータードック」が釣りの餌にも使うような普通サイズのサンショウウオの呼称なので対抗意識で名付けたんでしょうな。てな感じで、どこまでが許せる模倣で、どこからが許しがたいゴミくずパチものなのか?そんなのは人によって気分によって違うって話なんだけど、ほんとに古今東西ルアーの世界はパクリとは切っても切れない関係なんだなとあきれつつも感慨深かったりする、ルアー図鑑うすしお味第75弾はメリケンデカミノー6回目、ビルノーマンとホッパーストッパーのレーベルミノーっぽいそれでいってみました。
次回でメリケンデカミノー関連とりあえず最終回の予定です。引き続きお楽しみに。
2024年11月9日土曜日
デカアメミノー実戦投入部隊?
ではマンズ最大のミノーは何か?ってなると、大きく外れてはいなくて、同じストレッチシリーズ最大の「ストレッチ30+」がそれで、ボディーだけで20センチ越えの30フィートダイバーのトローリング用ミノーでおそらく海でラパラ「CDマグ22」とかと同様に引っ張ってワフーだのツナだのを狙う代物だろう。でもってそれを買うかと考えたときに、一つには国内ネット中古市場でもちょくちょく出てくるので購入自体は可能だけど、5千円からしていて”クソ高い”。絶対欲しいというようなモノならそのぐらい払えば良いと思っているけど、正直ブログネタのためだけにそんな酔狂な買い物してていいほどナマジ家家計は余裕があるのかと考えたとき、いやあるまいって。物価高騰のおり財政厳しいけど、それでも趣味に使う金も重要とは思うにしても、あまりにも”無駄遣い”が過ぎる。ということで、一つ小さいモデルの「ストレッチ25+j」はちょっとボロ目なおかげでお安かったし、かつボディー約15cmリップ入れると約20cm、潜行能力は25フィートってのはトローリングでだろうにしても、かなり潜りそうではあり根魚底物狙いで対大物用として投げても良いだろうということで、予算を付けて購入してみた。
ストーム「ビックマック」も、元来トローリング用のはずでリップ含めると18センチあるけど、海の、大きさの限界がイマイチ見えてこない根魚、底物用であれば特段大きすぎると言うこともないだろう。いわんや本体13.5センチの「トップ20ログ」おや、という感じで、この3つは主軸を張ることはないかもしれないけど、根魚底物狙いで対象が大型化し大型ルアーのアピール力が欲しくなったときに切る札として”お楽しみルアー”的な起用は充分想定できる。使いもせん無駄なルアーばっかり買ってたわけじゃないと、そう自分を納得させたい。
マンズは、B級ルアー好きには特に人気のルアーを作ってきたメーカーであり、Dab氏の”b列伝”でその人気に火がついた感がある。我が家にも”行きつ戻りつ”な、ポッパーとバズペラスイッシャーの融合により、どこまでルアーは既成概念から遠くにたどり着けるのかを問うたかのような「トゥーファー」、柔らかく良い匂いつきという革新的な、ソフトプラスチックのワームの原点の1つである「ジェリーワーム」を作っておきながら、ハードな樹脂素材でトップからディープダイバーまで、システムクランクに先駆けて同一形状ボディーのルアーを展開して世に問うたのは革新的だったとは思うけど、なぜその形状が堅いのにミミズである必要があったのか?「ハードワーム」。このあたりのどっかおかしい開発能力はワシも大好きであるとともに困惑させられてきた。 ところが、そういうB級なちょっとアレな路線もあるけど、実力派のルアーも多数生んできたブランドであり、「フロッグマン」が見た目の奇妙さからB列伝入りしているのはワシャ解せぬ。背びれつきのペンシルベイト「マンダンサー」も格好良くて人気あるのでワシには買えん値段になってる。っていうなかで、特にマンズが実釣能力ありの方面で得意なのは、プラグ以外では、ジェリーワームに代表される柔らか系で特にその名もずばりな「ザ・フロッグ」にはライギョ釣りでお世話になった。テールスピンジグの元祖「リトルジョージ」も今でも充分通用する単純明快な実釣派ルアーでカヤックでのナブラ撃ちで多用してたので在庫しまくっている。ボディーがザリガニのクロージョージも同系統だけど、なぜかその金物系のはずのリトルジョージを大型化して樹脂ボディーにした「スーパージョージ」を作ってしまうのはB級ルアーの大御所マンズの面目躍如というところか。そしてプラグ方面でマンズが伝統的に得意なのは、クランクベイト方面で、米南部アラバマでのマッディーウォーターで激しく動いてアピール力が強いクランクの需要に対応し、レザーバックシリーズとか昔から定番化していて、「ワンマイナス」では水面直下ブリブリ系のクランクという新ジャンルが生じたほどの影響をルアーの歴史に与えた。そして、今現在のレーザーバックとかの”豚系”から発展した、よく潜りよく暴れる「デプスプラス」シリーズにそれらの伝統は引き継がれ、ワシも根魚クランクに「+15」を投入している。デプスプラス系には基本潜行深度フィート数が名前について、例外は潜らない「1-」とか。 この、クランクのデプスプラスシリーズから派生して、潜行深度によってシステム化されたミノーシリーズが「ストレッチ」シリーズで、まさにクランクをミョーンと引き延ばしたような太くて暴れん坊なボディーに、ディープダイバーにはクランク譲りの先がヘラ状に曲がったリップがついている。「ストレッチ+25ジョイント」はトローリングでだと思うけど、潜行深度25フィートということは7.5mまで潜るとされているわけで、キャスティングでもそこそこの深度に達するのではないかと期待している。5m潜ってくれれば6m底とかの底からチョイ上の棚を引けて、デカさのアピール力とあわせてヒラメとかの底物をとらえうる弾になるかもと期待している。 ストームの「ビックマック」もデカいリップがボディーと一体化するように突き出てて18センチの巨体を形作っている、トローリングでは相当の深度を引っ張れるモノだと思うので、まあマンズモノとあわせて実弾として使用可能か試していきたいところ。ストーム独特の銀ウロコ模様の味わい深さは我らオッサン世代じゃないと分からんだろうけど実にいいんだよね。 ストームというと、ラパラ傘下の新生ストームブランドには結構お世話になっている。今でもメッキ釣りチヌ釣りに愛用している「フラッタースティック4」は安くてよく釣れるシンペンだし、これの7センチはダイキリさんによく釣れると教えてもらって東京湾流入河川のバチ抜けで愛用していて良い仕事してくれた。「チャグバグ」も現行の縦浮きラトル有りは、今時のソルト用ポッパーとして必要十分な感じの優秀さを備えていて、ガサッと在庫してある。これ買った頃は円安じゃなくて、実弾補充に海外通販でまとめ買いはお約束だった。まあ円安でも海外からお買いもんしてるから、こんなネタで書きまくってるわけで、円安もワシの病気を止めることはできんのじゃ。アタイ病気が憎いッ! でも「チャグバグ」といえば昔のラトルなしの水平浮きのが想い出深い。ストーム独特の銀ウロコ模様のは大人になって買ったけど、少年時代はブルフロッグ柄のチャグバグを右に左に首降らせてバスを釣っていた。懐かしい想い出。そして、しっぽのワームをフラスカートに換装した「リルタビー」が学生時代得意にしていたクランクベイトで、最近になって「DDT」「タイニータビー」「リルタビー」のタビーズ3兄弟を揃えてしまった。タビーズだけストーム独特の立体目ではないのはこいつらだけ別会社で作ってたのを金型ごと買い取ったから、と聞いてたんだけど、どうも真相はストームの別ブランドで作ってたタビーズを後に昇格させてストームブランド扱いにしたってのが正しいようだ。まあでもタビーズはマイナーでストームブランドのクランクと言ったら、「ホットN」「ウイグルワート」「ファッツO」系列で、ホットNに関してはシーバス用に導入決定して仕入れまくって、結果がちょっと出たあたりでご近所のシーバスが絶不調期に入ってしまい、実力発揮ささられていないのがもどかしい。軽くて投げにくい分動きは最高なのよ。そんなストームのミノーとしては、我が国ではペラッペラの「スーパーシャイナー」がオッサンなら思い浮かぶけど、あっちじゃ「サンダースティック」はそれなりに人気があるらしく、ストーム最大ミノーの候補には「シャローサンダー」15センチと「シャローマック」15センチもあったけど、鼻差というか突き出たリップの差で「ビックマック」がストーム最大ミノーの栄冠に輝いた。
で最後にスミスウィック「トップ20ログ」、これは常識的な大きさの長いリップを持ったミノーって感じで、普通に使えるだろう。スミスウィックのログシリーズの大きいやつでデカログとか呼ばれる「パーフェクト10ログ」のロングビル版ということで、13.5cmの本体。スミスウィックのログってワシの感覚だと、あるときいきなり出てきて、米国ではロングAに匹敵するジャークベイトとして人気とか紹介しだされて、スミスウィックってダブルスイッシャーの「デビルズホース」とかの木製ルアーのメーカーという印象だったので、なんじゃそりゃ?な感じだった。ログ自体は古くからあるルアーのようだけど、日本に紹介されたのはトーナメントが流行りだしたあたりの、わりと遅くだったように思う。他にスミスウィックといえば、尻小玉がついている系のペンシル「ツースピック」、クランクの「ボージャック」ぐらいで地味な印象のメーカーで、ログは実はこれまで使ったことがなかった。ログはジャークベイトの名作って刷り込まれているけど、ミノーをジャークして使うこと自体少ない上にロングAはしこたま在庫しているし、アメミノーならレーベルミノーもあって間に合ってる感から購入に至ってなかった。そういうわけで苦手意識もあったけど、これを機会に馴染んでしまうのも一興かもしれない。数字の20は20フィート潜ることを表しているようなのでそれが本当なら6mダイバーである。そこまで潜らなくても出番は作れそうに思う。
ということで、今回のルアー図鑑うすしお味第74弾、デカアメミノーネタも終盤戦の5回目はマンズ、ストーム、スミスウィックの深く潜って底物を誘ってくれそうなデカミノー達でいってみました。次は渋いというか地味というか、これまた実用性はありそうなところをいってみますので、お好きな人は引き続きお楽しみに。写真の「レロイブラウン」は、そういえばドピンクの派手さにやられて中古屋で手が出てしまったのがあったのを思い出して蔵から発掘、最後のおまけだよ。2024年11月2日土曜日
メリケンバスルアー代表といったらこのあたりのブランド
アーボガストは個人的にほぼジッターバグ・ジッタースティックの印象である。あと使ったことがあるのはフラポッパーとスパターバグぐらいだけど、ジッターバグとその一族の威力だけでメリケンバスルアーの代表たり得ると思っている。
これら2つのルアーブランドの最大のミノーは何か?アーボガストはそもそもミノーをあまり作ってこなかったので、冒頭写真の下の「アービー」の15センチ?サイズでたぶん問題ないだろう、ところがヘドンの最大のミノーはなにか?というのは歴史が長いブランドだけあってミノーも種々作っていて、なかなかコレっていうのを特定するのは難しかった。冒頭写真の上のミノーがその最大ミノー候補の1つなんだけど、コレ見て一発で何か分かる人は相当なマニアで、普通のバスマンとかだど「何コレ?」って感じかもしれない。このミノーは何者なのか、てなあたりに迫りつつルアー図鑑うすしお味第73弾、今回もハリキッていってみよう。
ヘドンについて今更ワシがゴチャゴチャ書くのもはばかられるっていうぐらい、我が国にも熱烈なファンが多くて、下手なことを書くとつるし上げ食らいかねない。古典的で代表的なルアーを書くだけで「オリジナルザラスプーク」「クレイジークロウラー」「ラッキー13」「チャガースプーク」「マグナムトービート」「ダイイングフラッター」「ウンデッドスプーク」「タイガー」「タドポリー」「メドウマウス」「ビックバド」と馬鹿馬鹿しいぐらいに強力な打線となる。たぶん今あげたルアー達って全部ミリオンセラーだろうと思うってぐらい、古くからあるし今でも売ってる。釣れなきゃそうはならんでしょ?って話で、ともかく大正義アメルアブランドなのである。今更ヘドンのルアーについて書くのは勇気がいるぐらい、あちこちで書かれているし語られてきたルアー達である。上から、ビックタイガー、プロウラー、タイガー |
それはまぎれもなくヤツさ~♪ コーブラー♪♪
ラパラF9、コブラ10、キングコブラ、マグナムタイガー |
なんで言及が避けられていると感じるぐらいにマイナーなのか?それはひとえにヘドンなのにデキがアレだからである。ヘドン「コブラ」について言及されるとき、だいたい「ラパラに対する回答的な実験的ミノー」って感じで説明されがちなんだけど、北欧からのラパラの来襲は米国では第一次ラパラショックを引き起こしたのは有名な話で、それまでのウッドで重たくノタノタ泳いでいた猿顔のミノー達と全く異なる、細身で軽やかにキビキビと泳ぎ魚を誘いまくるラパラを目の当たりにして、レーベルはプラでその動きを再現しようとし、バグリーはバルサでラパラとはまた違う個性を持った「バングオー」ミノーを作り出した。そしてヘドンはバルサにホイルフィニッシュというラパラの手法で「コブラ」を作り出したんだけど、これが何というかデキがあれなんである。ぶっちゃけ素人ビルダーがラパラのまねしてホイルフィニッシュのミノーをこさえてみたレベルに毛が生えたような雑い作り込みで、それでも動きが良くて釣れれば売れるんだろうけど、たぶんその方向性ではラパラには勝てんかったんだろう。というわけで独自性を持ってラパラを進化させたようなレーベルミノーやバンゴーは今でも生産されているぐらいの名作となったけど、ヘドンの「コブラ」ミノーはヘドンファンは見なかったことにしているような鬼子となっているのだとワシャ感じている。
コレ日本だけじゃなくて米本国でも同じような感じらしく、ウッドヴァンプの8インチなんてとても手の出る価格ではないぐらいの高値がついてるけど、「キングコブラ」8インチは送料抜けば2千円も出せば買えた。国内では滅多に出てこないけど、ネットオークションの過去事例調べたら送料含まず千円台とこれまたクソ安かった。普通サイズも試しに買ってみたけど、塗装はげがあるのもあって千円ぐらいで買えた。まあ手にしてみて、使うかっていえばコレ使うならラパラ投げとくよねって古今東西のルアーマンが抱いたであろう感想をワシも抱かざるを得なかった。ので動きとか見ていない。でもまあ、こういうニッチなルアーこそ我がブロクで紹介するにふさわしいと思うわけですよ。当時のヘドンのルアー設計陣がラパラショックを目のあたりにして「うちもあんなの作って、ラパラを超えてやるぞ」と作ってみたけど、ラパラの頂は想像以上に高く、「同じ方向から攻めたらあかん!」と方向転換して、名作「タイガー」シリーズを生み出したのはさすがというところか。何でも最初っから上手くいくわけなくて、模倣から始まって、試行錯誤のうえ独自性が生まれるっていうことなんだろう。凡百のルアーメーカーが模倣で目先のオゼゼ稼ぐための四苦八苦に終始して終わるのに対し、そこはさすがヘドンの開発力というところか。 というような大正義ヘドンルアー達なんだけど、ワシいうほど使い込めていない。自信があるのはシーバスで投げ倒した「ザラパピー」とチビバス必釣の「タイニーラッキー13」ぐらい、クレイジークローラーも愛用してたのはタイニーの方だしで、オリザラで釣ってないし、ラッキー13でも5/8クレイジークロウラーでも釣ってない。良い魚釣った記憶があるのでオリジナルサイズのものは「ビックバド」ぐらいかもしれない。あとは、藻面をウェイキングと水面ちょんちょんでせめてライギョ釣った「マグナムタイガー」と、ナマズ釣りで良い仕事してくれた「ダイイングフラッター」ぐらいというていたらく。バス釣り少年の頃は高価なルアーをおいそれとは失したくないので舶来モノのルアーは投げづらく、そもそも野池の小バスには5/8オンスのルアーとかデカくて釣れると信じられんかった。それなりにバイト代とかで手元も暖まった青年の頃には、日本製のピカピカのルアー達に心とらわれてアメルアはちょっと野暮ったく見えてしまっていた。オリザラでは釣らなかったバスをレッドペッパーでは釣ってた。それでも、ヘドンのルアー達には、中坊の頃からタックルボックスに入っているだけで、たまに泳がせて悦に入るだけで心地よい気分にさせられてきた。ヘドンは今でもプラドコ傘下でブランド残っていて、新製品ブイブイ出してくるのについていけてはいないけど、手に入りやすいこともあって、とりあえずどんなモノか買ってるだけで、わりと蔵のスペースを圧迫している。今時のヘドンブランドルアーの進化具合とかもちょっと気になるし、復刻版とかもなぜか1個ぐらい欲しくなる。てな感じで、マイナー好きなワシとしては得意なブランドってわけでも無いんだけど、気づけば蔵にごろごろと転がっている。まあ、バスやったことあるルアーマンなら無視できないブランドであることは間違いないんだろう。 フレッドアーボガストに関しては、さっきも書いたように、ひたすらナマズ狙いのジッターバグ、ジッタースティックの印象である。バスも夜釣りでなんぼか釣った。我が家の”釣りの上手い人”もジッターバグのナマズ釣りにはハマって、「ピポパポピポパポ、バフッ!・・・バフッ!!」というジタバグの口真似が持ちネタになっていた。シーバスもつれるだろうと今年導入してみたけど、いかんせん魚少なく投げる機会がなかなかつくれていない。フラポッパーはこれまたライギョ釣りで小さい方のを使って、野池の葦に引っかけてフラスカートをゆらゆらとかでバイト取ってた。最近一番小さい3gぐらいのをメッキ、チヌ狙いに、フライロッドサイズのをシーバス用に使い始めている。あと、スパターバグはバスもなんぼか釣ってると思うけど、これもシーバス用に運用始めたところである。 アーボガストがアメリカ代表バスルアーブランドだという印象が強いのは、「トムとジェリー」でトムさんが用意したタックルボックスにジタバグとハワイアンウィッグラーらしきモノが入っていたから、ってのもあると思う。そのぐらい米国ではありふれて一般的なルアーブランドなんだろう。アーボガストは他に蔵には獅子っ鼻クランク「パグノーズ」やスカート付き(腐って既に失われてるけど)クランク「パグアイ」、イラストチックなお魚型バイブレーション「トゥルーシャッド」、迷走してた時期にでてた木製ルアー「ジャンピングスヌーカー」、海用の「スカッダー」と「ダッシャー」あたりが転がっている。今回フレッドアーボガスト最大ミノーと推定した「アービー」6インチ(約15cm)の他に候補としては、ミノーっぽいのは「フラダイバー」の大きい「フラパイク」が5インチで、「スヌーカーミノー」はデカいのはないし、への字の「ドラド」がミノーだとしても大型のはなさげ、ということでアービーの線で堅いのかなと思っちょります。上の写真の淡水用のルアー達と並べるとアービー6インチはでかく見えるけど、下の海用のダッシャー、スカッダーと並べると大きくもないという。淡水用と海用のルアーの大きさの違いがイメージつかめるだろうか?海用のはデカいんです。ということで、ヘドンとフレッドアーボガストという押しも押されぬ大人気アメルアブランドの紹介にもかかわらず、主役が「キングコブラ」と「アービー」というなんとも渋めというか人気薄の線になるのが”ナマジのブログ”品質。
次回も人気バスルアーブランドが続きますので、お好きな人は引き続きお楽しみに。
2024年10月26日土曜日
蔵に転がってたデカミノー
ミローのトローリング用ミノー「108MR」「107MR」はなぜかネットフリマで見つけたときにマウスが滑った。
グデブロッド「スーパーマーベリック」においては、どこでどうやって入手したのか記憶にございません。
というわけで、ルアー図鑑うすしお味第72弾はなぜか蔵に転がってたデカアメミノーでいってみましょう。
クリークチャブっていったら、なんといっても世界記録を釣ったとされてたりされてなかったりする「ウイグルフィッシュ」が有名かもだけど、我が家の蔵にはそんな高価な代物は転がってない。でも「パイキー」は結構転がってて古いジャンクの再塗装とかも過去にやっている。で、写真一番上のデカブツなんだけど30センチくらいはあって、いにしえの時代にトローリング用かなんかで存在したらしい大きさのを2000年代ぐらいに復刻したもので、お尻の針金の玉で処理してる感じとか、そのころに流行ったでっかいヘドンの「マグナムザラスプーク」とかと同じ工場で作られたんじゃないかと思う。ちなみに世界の工場中国製。とにかくデカいしリグは海で使っても問題ない貫通ワイヤー方式で丈夫だしで、ジョイントじゃない小さい方(いうても20センチぐらいあるがな)とともに、2mの巨大タイメンを狙うならこのボリューム感が必要だろう!と息巻いてロシア釣行の予定もないのにガサゴソと買ってしまった代物である。7インチ17.5センチ級のミノーは今後海水温上昇に伴う”紀伊半島南の海化”に伴い出番あると期待しているけど、さすがに30センチもあるようなミノーに今後出番あるんだろうかは疑わしい。ちなみにこのデカパイキーは国内に正規では入ってきていないのでレアものといえばレアもので、いくつかまとめ買いしてるし、お好きな人に高値で売れないかとか考えるけど、クリチャブものは国内では不当に人気ないし売れんのだろうな。マグナムザラスプークとか一時価格暴騰してて、そっちをなぜまとめ買いしておかなかったのか悔しくてならんかった。1個買ったけど使って目玉剥げてしまってて自分で使うしかない。当時はネタ扱いで普通にルアーコーナーで売っててちょっと高いけど話の種にと買いはしたけど、何が値段高くなるかなんてわからんもんである。話ずれたけどCCBC(クリークチャブベイトカンパニー)ものは日本じゃマイナーであんまり馴染みがないかもしれんくて、ワシも初めて手にしたのはシイラに使おうと思って購入した「ストライパーストライク」で釣り場で投げたらブクブク沈むシンキングポッパーで当時は使い方知らんかったので途方に暮れてその後放置したっていうぐらいのモノである。バス用としてはパイキーシリーズの他にダブルスイッシャーの「インジャードミノー」、そのものずばりな名前の「ダーター」、ポッパーの「プランカー」あたりが国内には入ってきてたようだ。個人的にはリップが掻いた水が背中の穴からクジラの潮吹きみたいに吹き出るらしい「ジガー」が面白いと思ったけど、コレクターズアイテムで手が出るような金額ではないので入手は断念している。樹脂で勝手に復刻した代物があるようだけど権利関係でどっかともめたようで、そういう品はちょっと買うのがためらわれる。という感じでよほどのマニアでないと日本じゃあんまり話題にもならないけど、パイキーは良いミノーだと思っちょります。デカブツはさすがにノタノタと鈍重な動きにしかならんのは想像どおりで求めているモノがデカさのアピール力なのでまあ良いんだけど、普通の大きさのはグワングワンに振り幅の大きいロール少なめの横振りで他にあんまり類を見ない感じ。アピール力すごくある。タイガーのロールを無くしてその分横に振らせたような感じ。ここのルアーはラージマウスバスを始め記録ハンターで、パイキーもパイクの世界記録出してたし、ストライパーストライキングもストライパーの世界記録出してたはず。日本じゃマイナーだけど本国アメリカでは深い沼に沈むマニア多数の超人気ルアーである。円も安いし海外に売れんかな?とかやくたいもないことも考えてしまう。まあ面白いブツなので蔵に転がしておけば良いか。 ミローもまた、国内じゃややマイナー味の染みた渋いメーカーで、その昔は社名も「L&S」って名で、日本で唯一人気と言って良いダブルスイッシャーの「サーフェススピナー」も「ダブルスキャット」の名前で出てました(源氏名は「5M」「コーリングアップ」「Aプロップ」とか変遷あり)。あとは「ジョイントポッパー」とか「トップドック」「トリプルアクション」なんかも水面系のバスマンなら馴染みあるかも。でも、ここの得意は本来塩水系で、地元フロリダではターポンなんかをスローシンキングのバイブレーションプラグ「TT」シリーズとかでやっつけてるし、今時だと水中ドックウォークさせて使う”トィッチングベイト”的なシンキングペンシル?も得意としている。で、写真左上の「108MR」「107MR」は見たまんまCDマグみたいなトローリング用ミノーで7インチ級。両者で何が違うのかというとリップの大きさがちょっと違う。 ここのルアーはこういう細かい違いのが多くて、極端な例になると体側の黒点のあるなしぐらいしかどうにも違いが分からんのが別の名前になってたりする。で、まともな名前が愛称的についてるのもあるけど、基本は数字とアルファベットの機械的な略称で名付けられていて独特。ミノー自体はキャスティング用の「スイマー」とか「バスマスター」とか投げて釣る用の大きさのも作られているけど、独特なのは命名方法だけでなく、以前も書いたけど樹脂本体の内側に金属膜が配置されていて、樹脂越しにヌメッと良い感じに輝きを放つのである。バイブレーションプラグはそれなりに買って東京湾とかで投げたけどイマイチ成績振るわず。今後はデカミノーとついでにデカいペンシル「101MR」で青物釣ってみたいと思ってる。青物狙いは魚回ってくるかどうかの一ッ発勝負なので、投げ続けるためにこういう”楽しめる”ルアーの存在は意外に重要だと思っている。 で、お次のグデブロッドも樹脂本体の内側に金属膜が配置されているのが特徴で、経典で則さんたちが紹介していた「マーベリック」「トラブルメーカー」は特に有名。ほかにも水面系なら「ブラバーマウス」「シナースピナー」なんかもあるし、古くは我が国第一次ルアーブームの頃、銀山湖なんかで開高先生も使ってた「バンプNグラインド」なんてのもある。あるけど、ロッドビルディングをたしなむ人間ならグデブロッドといったら、ガイドを巻き留めるためのラッピングスレッドの最大手で昔はどこの竿メーカーも使ってて趣味で巻く人も皆お世話になっていた。「あそこの竿には●△番」とか色指定が決まってて良かったんだけど、グデブロッドがスレッド作らなくなるというのを聞いたときには、そのあたりがわからんようになる云々以前に、どっか他にスレッド作ってるメーカーなんてあるのか?と界隈ザワついたものである。まあなんとかなってるんだけどワシャそれを機にラッピングスレッドは漢らしい太さもそろってる「イカリ印」の補修糸を愛用している(「漢らしい太さ」とか書くと今時、性差別とセクハラとで小突き回されるかもしれんが俺は好きに書くぜ)。でもって、スーパーマーベリック。たぶんどっか中古屋で見つけて、カラーが特徴だと書いた内側金属膜ではなくて、コットンコーデル社のルアーみたいな”練り”系の樹脂でできてて、大きさもふざけているし、マーベリックの形だけまねたパチモンだろうなと思いつつも面白がって確保したんだと思うけど、後にネットでこのルアーの記事を見つけて、ちゃんとした本家の製品だったと知って驚いたものである。見るからに浮力強くて暴れそうで期待しちゃうんだけど、1個しか持ってないしわりとレアキャラらしいので補充もできそうにないので、実戦投入なしで観賞用だな。グデブロッドの最大ミノーはこいつで間違いないと思うんだけど、グデブロッドのミノー?としてはトラブルメーカーに金属リップ付けたような「バスピリン」ってマイナーなのがあるので、その巨大版「スーパーバスピリン」とかは、ないよね、まさかね。
って感じで、デカアメミノーシリーズ的には第3弾いってみました。次あたりから沼にハマりまくってるので引き続きお楽しみに。