2019年3月16日土曜日

翡翠の輝きも悪くない



 水辺で鳥たちを眺めるのは楽しい。

 さすがに目の前でカワウに操業されると「後から来て割り込むのは勘弁してくれよ!!」と、ここでも思ってしまうのだけど、鳥には鳥の理があり人間の理とは別のところで動いているのでしゃーねェっちゃしゃーねぇ。
 カワウが生きていけるぐらいに魚が沢山居る釣り場で釣りたいなら、カワウの襲撃ぐらい織り込み済みで釣りを組み立てるのが正しいんだと思う。ヘタクソでも釣れるように魚ジャブジャブ天然の水域に放流したりしたら、ワラワラと捕食者が寄ってくるのは当たり前。その当たり前の自然の理をねじ曲げてまで欲をかくのは不自然で歪だということに、いい加減気づけよとしつこく書いていく所存。そういうのは「箱」とかの管理できる限定された水域でやっとこうぜ。
 そういう所があっても良いけどジャブジャブ放流しなきゃ川に釣る魚が居ないっていうなら、川の環境や生態系がおかしいってことだろう。そのへんどうにかしようよ、いいかげんさ。

 カワウのような積極的に潜水して魚を追い回す鳥とは漁場が競合すると、どちらかが退散するしかないけど、同じ魚を食べる鳥でも待ち伏せ型の鳥とは隣り合った釣り座?で仲良く操業することもできる。
 都会の鳥って、人間には慣れているのでっていうか、いちいち人様にビビってちゃ商売あがったりなので、警戒してどっかいっちゃて「邪魔してゴメン」ってなることもあるけど、意外に平気で良いペースで着実に水揚げ重ねてたりする。写真撮ろうとカメラ向けると視線を感じるのか飛んでったりするけど、良い釣り座はそうそう諦められないのは彼らも同じようだ。
 ちなみに”鳥見の人”に聞いた話だけど、カメラのファインダー覗かずに済むデジカメになってモニターを横目で見ながら撮ると意外に逃げられないとかも聞いてナルホドナと思わされた。
 
 シーバス釣りのときに夜間操業するアオサギかゴイサギが釣り場にいると、確実に餌になる小魚が寄ってる証拠であり期待が高まる。特にアオサギは大きくて格好いい鳥なので自分の中では”幸運の青い鳥”(実際はその名に反して灰色だけど)的な位置づけである。
 でも一般的には、最近は都会でも珍しくないぐらいに身近になって、まさに”青い鳥”な人気者といったらカワセミで異論はないだろう。
 高度経済成長期に、魚も棲めなくなった水辺が、排水基準とかの規制が効いてきて、魚がいくらか戻ってきてという、自然環境の改善を象徴する存在であり、人もどのみち汚染された自然環境では生きにくいはずなので、まさに”幸せの青い鳥”じゃなかろうか。
 カワセミの名前の由来は”川に棲んでる背中の美しい鳥”という説があるようで、その背中は金属的な青さでキラめいている。羽は緑にお腹が橙色とじつにオシャレ。
 クチバシがアンバランスなぐらい大きくて3頭身ぐらいのゆるキャラじみた愛らしさ。
 漢字で書くと翡翠とも書く。そう宝石の翡翠(ヒスイ)と全く一緒。
 学名はAlcedo atthisで今回調べて初めて知ったんだけど、欧州産も日本のと同一種とされているようだ。まあ鳥は空飛んで海越えられるから飛べない生き物に比べると分布は世界的になっててもおかしくないので当たり前といえば当たり前か。
 でも、日本の釣り人が水辺で親しんでるカワセミと、イタリアの釣り人が同じように”アルチェード”に親しみを覚えているというのはなんとなく親近感が湧いて楽しい気分だ。

 長い枕で、読者の皆様今回スピニングネタじゃないのか?といぶかっていたかもしれないけど、もうおわかりですね。そう「アルチェード」でっせ。

 「なんだと、ナマジが好きなのはPENNだの大森だのの実用機か誰も欲しがらないようなゴミスピじゃなかったのか?アルチェードなんてイタリア製の名機じゃないか、この裏切り者!!ころびやがって!」とお怒りの皆様、イヤイヤ違うんです。弁護士はまだ呼ばんでいいけど、刑事訴訟法第203条に基づきまずは弁解の機会を与えて欲しい。
 コイツはSUZUKIさんからご厚意でいただいたモノで、スピニング熱が長びいている私を心配してさらなる重石を乗せて沈めようと、じゃなくてお見舞いとしていただいたもので、人様のご厚意をむげに断るわけには行かず仕方なく頂戴したモノなんです。
 嘘です、「ブログネタにできそうなら差し上げますよ!」というメールに、一応「そんな高価な物をいただくわけにはいきませんよ」的な心にもないことを返信に書いたけど、よだれ垂らして欲しがっとりました。
 なんと、某中古屋で350円ぐらいだったので気にしないでくださいとのことで、ありがたく頂戴することとして、さすがにもらいっぱなしというのも気が引けたので、こっちからも相応のブツを出さないとこの勝負負けるッ!と別に勝負じゃないけど思ったので、350円のアルチェードには勝てないにしても、我がごみスピえぐり歴でも会心の一撃であった500円の大森ダイヤモンド「オートベールNo.1」を持って取引の場である、とある岸壁に臨んだ。取引の様子は2月22日の釣行顛末記で確認されたい。
 この冬大森熱再燃しているらしいSUZUKIさんにも共に沼に沈んでもらわねばなるまい。自分だけ重石手放して軽くなって、足洗って堅気に戻ろうなんざぁ赦してちゃこの業界生きていけやぁしませんゼ。
 オートベールはベアリング2個も入ってる高級ダイヤモンドだし、ワンタッチスプールはタックル5やタックルオートとスプールの互換性がないので余らせ気味だったこともあり、こういう”お使い”任務にはもってこいだったので「頼んだぞ!」と行ってもらった。


 ということで我が家にやってきました”アルチェード”。ご覧のとおりギアが入って丸く飛び出しているところにカワセミのレリーフが入った銘板が付いてたのが剥がれていて、それが350円程度というゴミスピ価格の遠因だろうと思うけど、銘板なくてもスプールにも「ALCEDOーMADE IN ITALYー」と書かれていて、値段付けた店員は知識が足りないというよりは、この手の古リールでわざわざイタリアからの輸入品ならそれなりの値段かもと、検索するなりして相場を調べるという仕事の丁寧さに欠けているわけで、中古屋の店員としては程度が低いと書かざるを得ない。おかげで手に入ったんだけどさ。
 アルチェードといえばワシらオッサン世代の元バス釣り少年なら、経典である「ブラックバス釣りの楽しみ方」でオープンウォーターのためのスピニングリールとしてカーディナル、ミッチェルとともに紹介されていたのが印象深いだろう。ていうかそれ以外にほとんど見たことない。カーディナル使いはJOSさんが渓流では見事に教科書通り右手人差し指でラインの放出調整しながらバシバシとピンポイントキャスト決めて釣っていたのが印象深いし、ミッチェルはケン一が高校のときバスプロショップスで個人輸入(って当時は言ってた)してナマジ君がベール手で返して壊したっていうぐらい、釣り場やら売ってるのやら目にしたけど、アルチェードはずっと後になって中古釣具屋じゃない”オールドタックルショップ”で良い値段付いてるのをみかけたぐらいで、我々世代よりちょっと上のそれこそ則さん世代の釣り師が使ってたリールなんだろう。
 その中でも、一番人気あったであろう小型のアルチェード「ミクロン」じゃなくて、コイツはちょっと大きいアルチェード「2CS ERIE」通称「2C」と呼ばれる機種でカーディナル、ミッチェルの2大舶来インスプールに比べマイナーなアルチェードでもまた地味な機種ではある。ということでナマジが手にするのもお許し願いたい。

 ”ALCEDO”の読み方としてはアルセドとか書かれていることもあるけど、まあイタリア語の読みなんでカタカナ表記はどうでも良いかなと。ワシら元バス少年にはアルチェードがなじみ深いのでそう書くことにする。さすがイタリア語は読み方が失われているらしい”ラテン語”の正統な後継筋にあたるらしいので、カワセミの属名ラテン語表記と一緒の単語がイタリア語でもカワセミなんだな、というのも雑学的には楽しめた要素。


 ま、我が家においでいただいたからには何はともあれ歓迎の分解清掃といきたい。
 まずはスプールからとドラグノブ外してみると、確か読んだことあったけどドラグが金輪でハメ殺しになってて、油注すぐらいしか手入れのしようがないなという感じ。だけど、なんかスプール裏の座面にもワッシャーが3枚入ってて、繊維質のワッシャー二枚で金属のワッシャー1枚を挟んでて、それなりに直径も大きく多分一緒に回るので1枚のドラグパッド的に効くんじゃないだろうか?ハメ殺しの下のドラグの構造がどうなってるのかは知りようがないんだけど、案外本命のドラグパッドはコッチだったりして?いずれにせよしっかりドラグは機能してて、ドラグ性能なんてのは半世紀から前のイタリアンリールでさえ既にちゃんとしたのが搭載されてて、今頃になってそんな当たり前の機能をことさら宣伝しなきゃならんってのが、ドラグのなんたるかを知らなかった日本の釣り人相手に長くいい加減なドラグで売ってた日本製リールのそれまでのお粗末さを示しているように思える。それが今じゃ、あつものに懲りてで、実釣において不要なまでの過剰なドラグ性能を備えてたりして、まあこの国の釣り人は相変わらずドラグがなんなのかなんてほとんどの人は知らんのだろうなというのが良く分かる。なーんて本当のことを書くとシラけちゃうからあんまり書かんほうが良いのか。

 お次は蓋をパカッと開けて、ギア行ってみましょう。
 ギアはウォームギアで、ほんとにハンドル軸のギアの分本体が丸く膨らんでるってのがよく分かって笑える。ただ、ギアの軽量化で穴が空いてたり、ウォームギアといってもローター軸のギアが真っ直ぐの筒に床屋のグルグルみたいに歯を切ったものではなく、ハンドル軸のギアの円弧にあわせて微妙にカーブさせて広い範囲でギアとギアを接触させているのとか、なかなかにイタリアの職人さん良い仕事している感が漂ってるのである。
 ローター軸のギアの方、途中に油溜まりのくぼみもあったり傷が入ってる部分もあったりするんだけど、一点で接触してるんじゃなくて円弧に沿って面状に接しているからか、回転はゴロゴロしたりせず滑らかで、ギアがある程度傷ついたりしてもちゃんと機能するように、長く使うことを念頭に設計されてるんだなと感じる。
 その分巻き取りが重いのかも知れないけど、巻くのがかったるくなるほどじゃないし、どうせ釣り場じゃ抵抗のあるルアー引いてるんだから多少の巻きの軽さに何の意味があるんじゃ?50年から経ってギアに多少傷入っても使えるタフさの方がワシにはよっぽど金払う価値があるように思えるんじゃがどうじゃろ?
 ということで、実釣を想定して外してパーツクリーナーで古いグリス落としてグリスシーリングしちゃいたかったんだけど、ハンドル軸のギア外すにはハンドルの根元の金輪をマイナスドライバーで外す必要があるようなんだけど、小さい穴にドライバー突っ込まねばならないようになってて手持ちの眼鏡用の細いドライバーでは力がかけられなくて回せず、とりあえずグリス固まって動かなくなったりしてないので、追加でグリスちょっと足すのと注油で済ますことにした。
 ギアの分解清掃にこだわらなかったのにはもう一つ理由があって、コイツのベアリングはローター軸のギア直上に2つ入ってるんだけど、開放式っていうのかミッチェルと同じで分解したら玉が転がり出てきてなくしちゃいそうな形式で、ちょうど良い回り具合に締めるコツとか難しそうで、当初はそういう難しいのも練習だしやってやろうと思ってたけど、前回書いたマイコンNo.6の失敗で自分の過ちで貴重な稼動個体がゴミになってしまうのが怖くなったのもありベアリングも注油だけで現状保持を優先させた。ワシも人のことはいえず、あつものにこりてナマズを吹いているんである。

 ベールアームは180度近くすんごい角度まで開いてどの位置でベールを起こしても投げるときのフェザリングとかによるライン放出の調整を邪魔しないようになってるんだけど、そのためのベールスプリングがなんと数えたら8重にも巻いてあって、大きく開く分丈夫なバネを入れてるんだなと、ここでもイタリア職人の意外なぐらいの真面目さに、デザインと美食だけだと思ってたイタリアという国をちょっとというか大幅に見直すのであった。
 ドイツの酒場でドイツ人が日本人観光客と仲良くなったときにくり出す定番のネタに「日本人は最高だな!次やるときはイタリア抜きでやろうな!!」という、今時言ったのがバレたら社会正義の戦士(SJW)様につるし上げ食らいそうな不謹慎ネタがあるんだけど、こういうリール見るとイタリア仲間はずれにしなくても良いんじゃネ?と思う。料理は間違いなく世界有数に上手いし美味いしナ。
(こういう戦争を肯定するかのような不謹慎なネタを匿名で書くのは卑怯だ!けしからん!!とSJW様はお怒りになるだろう。私とて先の大戦で日独伊の枢軸国はもとより連合国側も酷い過ちを犯したことは明白だと思っていて、その戦争行為を肯定するつもりは毛頭ない。なくても、限られた読者しかいないネットの片隅のブログでも、それを読んで不快に思う人が居るだろうことも想定している。それでもなお、この程度の黒いネタすら書いちゃいけない”言論統制”された世の中なんてまっぴらゴメンだと思うので、不快に思われた方がおられたら素直に謝罪する用意はあるけど、吐いた唾飲み込んで書いたことを撤回するつもりはない。覚悟決めて書いてるつもりなのでご容赦を。ヒトラーが言論統制で本を焼き始めた時に「本を焼くようなヤツらはそのうち人を焼き始める」と予言した哲学者だったか文学者がいた。言論というのはおおよそ人間の本質の一つと言って良いと思う。それを規制したり無理矢理歪なものにねじ曲げたりする輩は、人間そのものを規制し無理矢理歪なものにねじ曲げようとしているのだと危機感を持って認識するべきだと思っている。)

 そして、このリールの最大の目玉だと私が思うのがラインローラーである。
 ダイヤモンドリールにはダイヤモンドが使ってあるわけじゃない。
 アルチェードにも翡翠が使われているわけじゃない。そもそもアルチェードにカワセミの意味はあってもヒスイの意味はないだろう。
 ただアルチェードのラインローラーは”瑪瑙”製!!
 メ・ノ・ウでッセ!仏教七宝の末席飾る宝石でっせ。まーイタリア人はシャレオツだこと、って話じゃなくて、実は宝石の硬くて摩擦に強く滑りが良いという特性はSICやらがない時代にはロッドのガイドとかにも使われていたりもしたんである。さすがにダイヤモンドを輪っか状のガイドに加工するとかは技術的にか経費的にかやられてなくて、ダイヤのリングは女性のあこがれだかなんだか知らんけど、リングっちゅうてもそういうう意味じゃない!
 ダイヤモンドリングガイドは見たことないけど、ある程度硬くて加工もできる”宝石”はリング状に加工されて実際に竿に取り付けられていたりするのである。
 ルビーガイドなんてのが代表で、そんなオッソロしい高級ガイドの付いた竿おいそれとは振れやん庶民的な私だけど、実は似たようなガイドにはお世話になってて、ルビーってじつは酸化アルミニウム(アルミナ)の一種なんだそうで、我々釣り人にお馴染みのハードガイドとかのお仲間だそうな。他にもサファイヤやコランダムなんて宝石も酸化アルミニウムだそうな。
 アルチェードのラインローラーはメノウという話はわりと知ってる人は知ってる有名な話で、TAKE先生が知らずに「この透明な樹脂はなんだろう?」とカッターの刃をあてる話を読んで、心の中で「先生ヤメテ~」とセクハラ教師に迫られ貞操の危機的な美少女のように叫んじゃったのアタイ。
 まあ漠然とルビーガイドとかと一緒かなと思ってたけど、今回調べてみたらちょっと違った。メノウは水晶とかのお仲間で二酸化ケイ素が主な成分だそうな。ケイ素っちゅうと炭化ケイ素である”SIC”ガイドを思い出すわけだけど、そこまで硬くないようだ。でも硬くて摩擦には強いし滑りも良さそう。
 にしてもまごうことなき宝石でっせ。ワシ宝石なんて時計に入ってる水晶ぐらいしか持ってなかったから気持ち的には初ジュエリーでんがな。ちなみに水晶の入った時計って成金趣味の宝石が文字盤にゴテゴテ付いたヤツじゃなくて、振動子として水晶使ってるいわゆる普通のクォーツ(水晶)時計のことね。わし時計も質実剛健なのが好きだからセイコーのダイバーズウォッチをもう30年近く使ってる。
 っていうメノウなんて高価な素材を使ってるのが伊達や酔狂じゃなくて、もちろん成金趣味でもないのは、緩み止めを填めた引っかかりの少ない丸い頭を持った六角ナットや、樹脂製ワッシャーで隙間なくかつちゃんと回るように調整されたラインローラー全体のきちんとした造りや、ラインが引っかからないように絞られて曲面で構成されたベールワイヤーとの接続部分とかを見れば分かる。ラインの縒れとかなくラインを痛めないように丁寧に作られている。

 そういうふうに素材も良いのを使ってて高級感あるし、造りも職人さん良い仕事してるしだけど、なんといってもこのリールを手にした釣り人は、その造形の個性的な良さに痺れて、カーディナルやミッチェルともまた違う趣のあるこのリールを持つことに喜びを感じただろうことは想像に難くない。
 ドラグノブがベンツマークみたいな三本の足でリングを支える形とか、全体ベタッと覆ってしまう丸いのより軽くしていると共に、デザイン的にはスプール上面のメイドインイタリーとかのロゴがオシャレに覗いている格好良さで個性的。
 本体のギアの部分が丸く出っ張った”お腹”の感じとかリール全体として木の枝に止まってるカワセミの可愛らしさが思い起こされる可愛いデザインだとおもうし、出っ張ったお腹の分ギアが大きくてギア比高く巻き取り速度が高速化しているという機能面に由来した造形でもあり、上手いデザインだなと改めて見惚れる。
 イタリア人のデザインってどうにもやっぱり格好いい。典型が車なんだろうけど、フェラーリはまだ正統な欧州車的格好良さだけど、ランボルギーニとかになるとちょっとぶっ飛んだ唯一無二のこれぞイタリアンデザインという格好良さになってくる。

 そう思うと、渋いカワセミのレリーフの銘板が落ちているのはちょっと惜しいなと思えてきて、カワセミをあしらったコインとか大きさ合うの見つけて貼り付けちゃおうと、ネットでカワセミコインを探してみたら、あったあったオーストラリアのワライカワセミのコインがある。属が違って学名Dacelo novaeguineaeだけどそこはカワセミ科Alcedinidaeだし目をつぶることにして、直径5センチに近いと良いなと大きさ調べてみたら残念ながらこれ何かの記念コインのようで1オンスもある銀貨でダメだこりゃ。

 ウーンどうしようか?適当にカワセミの写真加工してシールにして貼り付けるとかでお茶濁すか?とか考えていて、ふと「イタリアンリール、つまりイタリールなんだから痛リールにしてしまおう」と思いついた。
 マンガやアニメのキャラクターを車全体にあしらった「痛車」のリール版である。
 ハッキリいって半世紀を生き抜いて現存するアルチェードに対する冒涜である。でも批判を浴びてでもやる意義があるのではと思うところがあった。
 ここのところ毎日ネットオークションにかけられる沢山のスピニングリールやパーツなどを見てきた。その中でどうにも赦せない改悪を施されたリールや醜悪としかいいようのないドレスアップパーツを見るにつけ、どっかで誰かが「あーカッコ悪ぅ」と指摘してやらねばならんという気がした。
 今時のリールにゴテゴテとしたドレスアップパーツが付いていてもなんとも思わない。あんまり興味がないし今時の似たようなリールを個性的にするにはそういうのもありかなとも思う。昔遊漁船の竿立てで迷子になりそうだったPENNにカスタムパーツが豊富に作られてたのも機能面だけでなくそういう意味もあったんだろうと思っている。まあワシゃペイントマーカーで名前書いたけどな。
 ボロボロになった個体のリペイントやら部品の自作やらは私もやってるけど次善の策的にしゃーあんめぇ。そうやって大事に使っていくことには意義もあるし、独特の味わいも出てくる。
 機能面を向上させるカスタムパーツも理解できる。軽いスプールやら釣り人それぞれの手に合ったハンドルノブとか釣りを快適にしてくれるだろう。
 ただ、カーディナル3とかの名機に、本来の質実剛健な実用機のもつ美しさを損なうような悪趣味な勘違いしたドレスアップ?パーツが売られているのとかを見ると、ほとんどそれは陵辱ではないかと憤りを感じるのである。アタイがリールなら泣いて「そんな恥ずかしい格好するぐらいなら舌噛んで死ぬ!!」って言っちゃうわ。
 歴史的な名機に冒涜的な装飾を加えることがどれほど不快か、そういう勘違いを喜んでやってるヤツらに目にモノ見せてやる。というのが罪を犯す1つめの理由。
 もう一つの理由が、既にある素晴らしい造形を修復するのではなく、新たに手を加えて越えるためには、生半可なごまかし程度では全く用をなさず、一旦ブチ壊すぐらいの勢いで覚悟を持っていかないと陳腐なモノにしかならないと思ったからである。
 渋谷駅に近年メキシコだかで発見されて、岡本太郎先生の大作「明日の神話」が修復されて公開されている。この作品に3.11の後に福島の原発の爆発した様子を描いた作品を付け足した自称芸術家集団がいた。
 草葉の陰で太郎先生激怒していることだろう。ご自身の作品を汚されて怒ってるのではない。太郎先生、万博のときに「太陽の塔」に立てこもった過激派だかが現れたのを見て、自分の作品を使って自己表現をしようとする人間が居るというのも実に面白い。創って手放した作品はその後壊されようがどうしようがかまわない、そいうった新たな関係性が生まれていくことがまさに芸術だ、的なことを言って非常に喜んでおもしろがっておられた。
 「福島の原発事故に怒りを覚えて、それを私の作品を使って表現しようとしたのなら、なぜ私の作品にその剥き出しの怒りをぶつけて、作品を壊してしまわないのだ!その程度の怒りや覚悟で新しいモノなど生まれるか!!」と目を剥いて面罵するだろう。
 あとで付け足した部分をちょろっと取り外せば元通り、そんなに悪いことしてないでしょ?ボクらも太郎先生のことはリスペクトしてるからね。なんていう甘っちょろい姿勢で表現などするなと説教したい。そんなものはオママゴトでしかない。家に帰ってお母ちゃんにおチチでも飲ましてもらってろ。
 
 というわけで、元々填まってたレリーフの位置決めの出っ張りも削って平面にして、おもいっきり冒涜的にデカデカとシール貼ってエポキシかウレタンでコーティングしてしまおうと、プリントアウト用のシールも用意して、権利関係の問題がないかもお勉強した。
 そもそも”痛車”って著作権とかに抵触しないのか疑問に思ってたんだけど、調べたらやっぱり抵触するそうで”痛車”にしてくれる業者はちゃんと権利者に許可取って使用料払ってて、どの作品の許可を持ってるかなんかをリストにしていたりする。
 ただ”業”として儲ける場合は権利者の許諾が必要だけど、いわゆる”私的複製”として個人でシールつくって貼るぶんにはおとがめなしだそうである。要するに自前で痛リールにしても良いけど売っちゃダメよという線引きのようだ。かなり不可逆的に覚悟を持って”痛く”してしまうつもりなので売れるようなモノではなくなるだろうから権利関係は問題なさそう。

 さてそれではどんな作品のどの登場人物を使おうかと楽しく悩む。
 まず思いついたのが、アニメ「コードギアス」で、主人公に不思議な力を与える巫女である「C.C.(シーツー)」。リールが「2C」なので分かる人には分かるかなというネタ。
 ただ、コードギアスはメジャーすぎて”痛さ”が足りない。イマイチ冒涜感に欠ける。
 もっと痛いキャラクターでカワセミ関係とかイタリア関係、あるいはエリー関係で何かないかとウィキペディア先生におうかがいしてみる。カワセミ関係、エリー関係はピンとくるのがなかった。「御宿かわせみ」とか「八百森のエリー」じゃどうしようもない。しかし、イタリア関係は痛々しいのが揃ってる。
 例えば「ストライクウィッチーズ」のフランチェスカ・ルッキーニちゃんなんてのは、同作品最近自衛隊がポスターに使って物議を醸してたけど、パンツいっちょで空飛ぶ魔法少女とか公式がアレはズボンといったところでどうしようもなく救いようのない痛さがある。ルッキーニちゃんのおパンツは青のシマパンというのもカワセミっぽい色目で良い。
 でもこの作品を忘れてたらあかんやろというのがあった。「ガンスリンガーガール」である。イタリアを舞台にした美少女ガンアクションもので、年端もいかない少女達を政府の秘密工作機関が炭素繊維の皮膚や人造筋肉でサイボーグに仕立て上げて、テロ組織の鎮圧やら暗殺に使うという酷い設定の作品である。これが設定は痛いんだけど実に良い内容の作品で「好きでナニが悪い」とオタクなら開き直らざるを得ない傑作なんである。
 美少女も誰にしようかよりどりみどり。まあでもトリエラちゃんかな。人身売買でアフリカから売られてきて、変態相手のスナッフビデオに出演させられ、多分手足切り取られるとか酷い目にあったであろう出自が、あやしげな取引で我が家にきてこれからワシに陵辱されるリールと重なるモノがあるように思う。

 というわけで、ロングコートにウィンチェスターM1897のトリエラで決まりだなと思ってたんだけど、結局ようせんかった。
 やろうと思ってたときに先に手を入れてたマイコンNo.6で失態を演じ、モノが自分の手で壊れることの怖さを痛感してしまったのもあって、半世紀がとこを生き抜いたこのリールを覚悟を持ってブチ壊しにする腹づもりを決めきれなかった。ワシも実家に帰ってお母ちゃんのチチ飲んで出なおさなならんようですばい。この腰抜けめ!!
 いうて、ワシお気楽ブロガーとはいえ言葉についてはそれなりに覚悟して書くつもりはあるけど、造形とか視覚的な美の創造とかそっち方面はからきしで、ワシの手を出す分野じゃないとも思うのでまあしゃあないジャン。
 その分、気合い入れて今回も書きまくってみたので読者の皆様どうかお許しください。
 あと、もちろんワシゃ釣り人なので、リール使ってやることといったら本来魚釣ることなので、このリールが充分現役で実釣に耐えうるということを証明はしてみたいと思う。
 使ってぶっ壊れることに関しては、いささかのひっかかりもなく覚悟完了である。

2019年3月9日土曜日

人は過ちを犯すが、それを償うことができたりできなかったりする



 ダイヤモンドマイコンNo.6! オマエに魂があるのなら...応えろ!!


 と、某ライドン系マンガの主人公気取りで(このネタ前も使ったような気がするけどまあいいや)、中古釣具屋のワゴンに「ドラグがユルい」という札を付けられて、なんとお値段324円というバカみたいなゴミスピ価格でたたき売られていたこのリールを再生させて、次の釣り人に橋渡ししてやるのがオレの宿命か、なんておこがましくも思ってしまっていた。
 最近、スピニングリールいじりまくってて昔は手が出せなかったメイドインジャパンの瞬間的逆転防止機構も分解清掃できるようになったし、強度の必要なギアやらベールアーム周りとかは無理にしても、ドラグやら逆転防止やら程度は破損や劣化していても何とか修繕できる自信もついてきて、自分の手が”動かなくなった道具を蘇らせる力”を持った特別なものになったような、そんな”中二”な気分に干支も4回目が巡って来る歳にもなって浸っていい気になっていた。やってることはそれこそ中学生の遊び程度の内容だったにもかかわらずダ。
 入手時、ドラグがユルいとなっていたけど、そんなもんマイコンのリアドラグは一定の幅で効きを設定しておける方式で、そのことを知らない大森素人が緩めに設定してあるドラグを最後の15まで締めても全然ドラグが効かないので”ユルい”とかほざいてるだけなのは火を見るより明らかで、他にも逆転防止が死んでたしベールの返りも悪かったけど、そんなモン大森製作所のリールが簡単にぶっ壊れるわきゃないってのはいつも書いてるとおりでグリス固まってるだけだろう、と余裕の大森ダイヤモンドアナリスト(経験3ヶ月)ぶりで、さて軽く復活させてネットオークションにでも流せば多少表面に腐食も見られるけど、2千円から上にはなるだろうから安いリールまた1台買えるなと、鼻歌交じりで分解清掃作業に入った。


 しかし、結果から行くと逆転防止の消音部品を破損してしまうという、あたら自分がいじったせいで部品欠損のない完品状態の個体を一部破損有りの状態におとしめてしまうという大失敗をやらかしてしまった。
 私は、釣行記でも釣れなかった失敗やらも隠さず書いているつもりである。なぜなら成功なんて運が良かっただけのこともあったりして参考になるかどうかはあやしいもんだけど、やったらあかんことをやってしまって犯した過ちは、自分を戒めるためにも文字に起こして書き記しておきたいし、同じ過ちを犯さないように読者が他山の石としてくれたら失敗したかいもあるというものなので、いくらでも転がってるような釣果自慢よりも失敗の記録の方が実は大事なんじゃないかと思うからである。
 だから書くわ。アタイ恥ずかしいけど読んで欲しいノ。


 分解するっていってもコイツの場合デカくて一気にやると分解清掃用のお盆に収まりきらないので、とりあえずドラグはドラグだけ外して整備できるのは愛用していたマイコンTBシリーズで知ってたので後回しにして、本体からバラしていってスプール、本体、蓋はお盆の外に雑誌を置いて乗せていく。
 オオッ!スプール止めている台座が、今までいじったことあるリアドラグのスピニングは横棒状だったけど、6角形のをスプールのほうにガッチリはめ込む形になってて大物用だなとちょっと興奮。
 パカッと蓋開けるとギアはいつもの角の立った大森製ハイポイドフェースギアなんだけど、平行巻機構はさすがにスプールも大型で高さもあるので、ハンドル1回転で1往復のクランク式じゃなくて減速カム方式なんだけど、ちょっと銀ビカの亜鉛ダイキャストじゃなさそうなカムが覗いている。
 ギアを抜くと、いつもの鋼製の軸に見慣れない薄緑の樹脂製パーツが填まってて「ハハーン、これがTAKE先生が部屋燃やしかけたとかいう逆転防止機構をサイレント化する部品か~」と、その時はあんなことになるなんて知るよしもないナマジであった。
 平行巻のカムも歯車もやっぱり亜鉛ダイキャストじゃないよねという感じのピカついた素材で小型機とは素材選定からして違うなぁと思うも、カムに引っかかる歯車の出っ張りにはやっぱりカラーが填めてあって、う~ん大森製という作り。
 主軸も太いんだけどローター軸のギアがいまだかつて見たことないぐらいのゴン太で、ギア比は1:3.3と速さより力強く巻くことに重きを置いた仕様。
 ただ、巻き取りスピード自体は10号250mという大口径のスプールなのでそれ程遅くないんじゃないかと思う。
 想定していたのは、巨ゴイとか投げで狙うタマン(ハマフエフキ)とか、ドラグ緩めて尻手ロープつけておいてジーッとドラグ逆転し始めたらやおら竿を手にとってあらかじめ決めていたドラグ値まで一気に締めてアワセを入れるとかだろうか。大きさも造りも実に漢らしい。
 PEラインを使ったロウニンアジのルアーフィッシングが始まった頃、国産のスピニングはドラグはショボいしそもそも耐久性はないしでブッ壊れたりして事実上スピニングはPENNぐらいしか選択肢なかったんだけど、当時90年代後半で、80年代当初の登場ですでに一昔前のリールだったはずのコイツだったら案外いけたんじゃないかという気がする。でも、巻き取りスピードが遅いのは当時の速い動きを多用した釣り方には合わんかったかもしれんか。でも今のゆっくり誘うような釣り方なら充分いけるンじゃないだろうか。というぐらい頑丈な作り方されているのが見て取れた。

 ドラグ除けば複雑な機構は何もなく、いつもの大森方式に逆転防止機構を消音化するくだんの部品が増えてるだけで、清掃注油もつつがなく終了して元通りに組んでいく。
 これぐらい単純なリールでも、分解していくときにデジカメで写真を撮っておくのは重要で、組むときにバネとかがどの位置に掛かってたかなんてのは意外にさっきバラしたばかりでも忘れてしまうモノである。
 今回も抜かりなく写真に収めていたんだけど、それでもお初にお目にかかる逆転防止の省音部品はどう組んで良いのか分からなかった。なぜならハンドル軸のギアの下に隠れているのでハマっているところが確認しようがなかったからである。ついでに言うなら前の持ち主も組みそこなっていて、そのせいでグリスそれ程固まってなかったのに逆転防止が働いてなかったようだと今なら分かる。
 でも、それ程苦労するとも思っていなかった。写真で折れている突起部分を切り替えレバーの金具で引っかけるか外すかで消音と音有りの切り替えをするはずで、それなら金具の後ろに持ってくるか前に持ってくるかの2通り試してみたらどちらかで何とかなるハズだし、それでダメなら再度考えればいいやぐらいに考えた。
 仕組みとしてはハンドル軸が正回転しているときに樹脂製の消音部品が一緒に回って折れた小さな突起じゃない2つあるほうの出っ張りで、常時バネでギアの上の歯車状の部品に押しつけられている逆転防止の爪を押し上げてカリカリ鳴らないようにして、ハンドルが逆転すると押し上げるのと逆に回るので押上げが止まって逆転防止が掛かるということだろうというのは見りゃ理解できた。
 どっちからやったのかうろ覚えだけど、最初に試したのは折れた突起を逆転防止の爪側ににしたはず。その場合、逆転防止が全く効かず正回転も逆回転もしてしまう。多分買ったときこの状態。逆だったかと組み直してみるとカリカリと逆転防止が効いているのでコッチだったなと消音化のツマミを切り替えてみるもなぜかカリカリ音がして消音にはならない。消音化部品が軸といっしょに回ってから、ある程度の摩擦で引っかかりつつ滑り出さないと上手く逆転防止の爪を押し上げてくれないハズなので、ぶっちゃけ消音化しなくても使えるのでまあいいやと思いつつも、消音化しないってことは滑りが良すぎて爪を押し上げ切れてないのかなとグリスぬぐって再度填めてみて、状況変わらないので仕方ないかと思いつつなにげにハンドル逆回転させたらストッパー掛からず逆転してしまい、最後ガリッとモノが取り返しのつかないかたちで壊れた嫌な感触が手にあり、慌てて止めたけど覆水は盆にかえらないし、こぼれた牛乳を嘆いても元に戻らない。
 自分の手の中で何かが壊れてしまう感触って最悪で、ガキの頃にカブトムシの幼虫を育てていて、やっと蛹になったのが嬉しくて、お腹クネクネするのを見て楽しもうと角持って土の蛹室から引っ張り上げようとしたら首チョンパになったときの取り返しのつかない感じ、後悔、自責、罪悪感、その他諸々の嫌な気分を思い出してしまった。心に傷がつくぐらいの世の中で考え得る最も嫌な感触である。
 もうダメだとは分かっていたけど、何かの間違いであることを祈りつつ蓋開けてギア抜いて、ぽっきり折れた突起を平行巻のギアのグリスの中に見つけて、暗澹たる気持ちになって、その日はそれ以上いじる気にならず、ドラグは放置して消音化パーツ取り外して寝た。ちなみに消音化部品とっぱらうとカリカリ音がするけど普通に使える。

 寝て起きても、嫌な気分から逃れられない。敬意を払うべき道具を軽くあつかい慎重さに欠けたこと、使いもしない道具を興味本位で買って本来の目的である釣りに使うことを想定せずにいっぱしの玄人気取りで整備しようとしたこと、が自分を責める主な理由だろうか?
 自分に責められて、せめて修理するためにナニが必要か考えて努力ぐらいはしてバチがアタらないだろうと翌日気合いを入れ直す。
 現状でも消音が効かないだけで使えるといえば使えるので、そう断りを入れて売りに出しても良いけどそれは最後の手段で、まずは今修理する方法がないか考えて、場合によっては確保しておいて直せる時が来たら直すというのもあるかなと考えた。樹脂製パーツなので3Dプリンターとかの性能が上がれば、それ程複雑な形じゃないので金型なしで安く作ってもらえる時代がくるかも知れない。

 いずれにせよ消音部品の仕組みや役割、構造を良く把握するのが最初にやることで、そのためには実際にギアに填まって働いているところを視覚的に再現するのが私の場合必要。物事を頭の中で正確なイメージを持って考えられるタイプの人なら、それぞれの部品を頭の中で組んでハンドル回してみるなんてことができるんだろうけど、私の場合それが全くできない。おそらく短期記憶の悪さとかそういうのだと思うんだけど、イメージが頭の中ですぐに消えるので、地図を頭の中に置いて回転させたりとかいうことも実はできない。物理的に地図を持って確認しながら歩ける山歩きとかは問題なくできたけど、バイクや車では全くの方向音痴で、道を行き過ぎて一区画ぐるっと回って同じ所に戻ってくるとかいうことが簡単だと思うにもかかわらずできない。3回角を曲がったら良いだけのハズだけど、2回目あたりですでに何回曲がったのか憶えていない状態で思ったような通りに出られないことが多い。歳食ってボケたとかじゃなくて記憶力良かった若い頃でも物語やら魚の名前やらは忘れないのに道順とか人の名前とかはなかなか憶えられなかったように思う。
 なのでギアの軸だけをイメージしてちょうど良い太さの透明なパイプがあったのでそれに折れた消音部品を填めて、実際の高さに持ってきてクルクル回してどういう仕組みなのか確認してみた。
 一番上の写真のピンクの丸で囲った部分が逆転防止の爪の”お尻のトンガリ”でコレを矢印のハンドル正回転方向に押してやると逆転防止の爪がローター軸のギア直上の歯車から離れる。逆回転すると戻って爪が掛かる。一応想像していたとおりの仕組み。
 じゃあナニが悪かったのかというと、填める位置が意外とドンピシャの狭い位置を外しちゃダメで、消音部品の2つある方の出っ張りの間に”お尻のトンガリ”を入れないとちょうど良く作動しない。2枚目の写真の位置がそれである。
 その時に、手前のピンクで書いた位置にあった突起を消音切り替えレバーの爪で引っかけておけば消音部品は軸と一緒に回らず、お尻のトンガリを押せないのでカリカリと音がする、レバーを”解放”の位置に切り替えると解き放たれた省音部品が仕事をしてお尻のトンガリを押し上げてカリカリ音がしなくなる。という仕組み。
 切り替えレバーに引っかけるのも、お尻のトンガリを押し上げるのも小さな力で済むので、強度のある素材である必要はなく、むしろ組み損なったときに平行巻のギアに噛んでギアまで壊さないように、あんまり硬くない樹脂の方が適していると分かる。必要なところに必要な強度の素材を使っているというのが良く分かった。
 分かったら、切り替えレバーに引っかける突起なんてのは、引っかかりさえすれば細かい形状も関係ないし、それ程強度が必要でもないので、ちゃんと作動する様に修理することはできそうに思った。
 ちょっと考えて、単純に接着するだけではポロリもありそうなので、折れた突起の位置に熱した千枚通しで穴を開けてそこに100LBのショックリーダーを突っ込んで接着。適度な太さを持たせて接着を強固にするためにセキ糸をまいて瞬間接着剤で固める。
 コレで行けるだろうと改めてハンドル軸に填めて位置間違えないように横から覗き込みながらギア填めて、蓋してハンドル回してみたら、消音、音有りの切り替えも問題なく、逆転防止も正常に作動してくれた。
 売るときは「消音のための部品を修理してあります」と謳わにゃならんけど、一応完動品に戻すことができて胸のつかえはだいぶスッキリした。今できる範囲で次善の策はとれたと思う。大物狙いの投げ釣り師に自信を持って良いリールなので使って下さいといえると思う。

 気分も良くなって、続いてドラグの方に手を入れる。といっても特に問題もない状態だったので、ドラグパッドやワッシャーにはドラググリスを、その他の部品には防水性の高いいつもの青いグリスを塗ったくってやった。
 ドラグパットが異様に沢山あるように見えるかもだけど、実はドラグ自体は2階建てでドラグパッドはテフロンより滑らない感じの堅めの樹脂製の2枚。
 組み直して、ドラグ値思いっきり手で締めた時の位置を、一応余裕見てもっと力持ちの人ならさらに締めるだろうと、15ある目盛の13に設定して、各目盛でのドラグ値を秤で計ったところ、13で5~6キロ、12で4キロ、11で4キロ弱、10で3キロ、9で2.5キロ、8で2キロ弱、7で1.5キロ、6で1キロ、5で600グラム、4で400グラム、3で300グラム、2で250グラム、1で150グラム、0で130グラムというおおよそのドラグ値となった。
 5~6キロは私がロウニンアジ狙うときに普通設定するドラグ値で、やっぱりそのぐらいの大物狙える性能があるように思う。ネット上では”釣力”10キロとかいう話もでてて、多分最大ドラグ値に近いような数値だから、ドラグパッドの素材変えたりしてもう少しドラグきつく締められるようにしてもリール自体は持つような剛性があるんだろうと、ドラグの試験していても感じられる。大森製作所が釣力10キロとか謳ってたんなら機械的には嘘じゃないんだろうと信じられる。ドラグの滑り出しやら効き方の安定性については手で引っ張り出した程度じゃ分からんって話だけど、滑り出しが悪くて衝撃で怪我するほどにはドラグ値上げられないだろうし、手でゆっくり引っ張ってる限りではそこそこに良いドラグだと思う。特に低いドラグ値の方は滑り出しも滑らかなように感じた。ぶっ込んでユルユルドラグ状態でアタリまつなら尻手ロープいらないかも。

 大きさ的にはこんな感じて、ドラグ試験の時には写真の9500ssのラインを巻き替えたんだけど、9500ssより若干糸巻き量は少ない感じでスプールぎっちり一杯になった。ちなみに重さは800グラムちょいと900グラムオーバーの9500ssより軽く仕上がっている。まあこの大きさのリールに軽さなど求めても仕方ないのでどうでも良いけど。
 正直、手元に確保しておいて使いたくなるリールなんだけど、この大きさのリールを使う釣りの時にリールの試験をしている余裕なんてないはずで、餌なりルアーなり投げる釣りならPENN使うし、ぶっ込んでじっと待つ釣りなら両軸の方が向いてる気がする。
 手に入れて使ってみたいっていう”大森熱”の症状の重い人がおられるようなら送料持ってくれれば差し上げます。人様を沼に沈める重石としてはなかなか良い重量物だと思ったりして。多分来週ぐらいには売りに出す流れかなと思うので欲しい人は先着1名様お早めにnamajipenn-ss@yahoo.co.jpまでご連絡を(注:もう輿入れ先決まっちゃいましたのであしからず)。転売目的はダメよ。

 仕事辞めたら、ボロいリール修繕してネットオークションで売って小遣い稼いで生きてくのもありかな、なんて一瞬思ったりもしたけど、そんな技量は到底ないって今回思い知らされたというか、儲けるには楽しんでちゃダメなんだろうなと色々と先人の事例を見て思い知らされる。
 個人でリールの修理とか請け負ってる人とかやっぱりいて、中にはオークションで分解清掃の権利を売りに出している人とかもいるんだけど、面倒くせえ瞬間的逆転防止機構の搭載された今時のスピニングのオーバーホールが2500円という開始値段になっている。まあそれでも金かけてまで分解清掃しようという釣り人って多くないはずで多分値段はそれ程競り上がらなくて開始時の値段でハンマープライスだと思う。でもあんな面倒くせぇ分解清掃二度とゴメンだとシマノ2台で思ったぐらいで、私ならなんだかんだで1日仕事になる。習熟していって手早くなっても1日2台が関の山で、2500円なんて安値では一日爪の間を機械油で黒く染めて頑張っても5000円にしかならない。金稼ぐんなら日雇いのバイトにでも行った方がなんぼかマシである。
 私の手に負えるPENNやら大森やらのボロい個体を安く仕入れて、楽しく手入れして修理して売りに出したとしても、これまた5千円にもならないだろうから1日1台売っても5千円にもならない。バカくせぇ。そんなら自分で使うって。使ってくれる人にタダであげた方がマシって感じだ。
 儲けるつもりなら、手間なんてかけずに目利きだけで、安いのを中古屋で買ってネットで高く売るとかの転売を数こなすとか、売れる時の単価が高いカーディナルだのミッチェルだの大森一部機種だのの状態の悪い安い弾を確保して、とにかく見た目が上等に見えるように体裁を整えるのを重視して売りさばくとか、リール好きな人間が魂売ってやるようなことをせにゃならんだろう。仕事にして金稼ぐとなると楽じゃない。
 気になったリールがボロくて安かったら、楽しみながら直してみて使ってみる。それ以上を求める必要もないし、それ以上にはなかなか踏み込めないモノだなと思った次第。

 大森ネタはそろそろネタ切れなんだけど、他にもネタは仕入れてあるので今しばらくスピニングリールネタをお届けの予定。
 でも、魚釣れ始めた気配があるのでリールのことなんかどうでも良くなるかも。などといらんことを書くのは典型的な”ボウズフラグ”なのでフラグぶち折って今夜も良い釣りしたいものだ。 

2019年3月3日日曜日

おかわりっ!大森で



 大森製作所が世に送り出したダイヤモンドリール達のうち、どの機種が同社史上最高の傑作だったのか?”究極の一台”はどれか?なーんて書くとエラそうだし重くなるけど、そういうのをワイワイ「オレならコレだ」「いやいやアレだ」とやるのって結論あるようでなくって、言いっぱなしでも根拠もオチもなくたって楽しいジャンとおもってサクッと書き始めてみる。

 nori shioさんも書き込みしてくれていたけど、沼の底に沈んでいる濃いめの大森ファンのブログとかを読んでいると、TAKE先生も絶賛、大森最後のインスプール「コメット」が最高とされていたり、大森にしては珍しいウォームギアが滑らかに回る高級機種「プロラインNo.101」こそ大森の最高傑作と推す声もある。ワシの持ってるマイクロ二世301もそれらに並べてよい機種だとはnori shioさんの見解。
 いやいやインスプールならそうかもしれないけど、大森史上最大のヒット作っていったらマイコンシリーズなわけで、マイコン以外はあり得ないでしょと思う人もいるだろうし、アウトスプールなら小型軽量コンパクト、某”カリスマ”ルアーマンも愛用で人気の高いキャリアーSSが一番良いから一番オクで値が張るんでしょ?と思う人もいるだろう。
 以前私は、「生産性に優れて性能もよいハイポイドフェースギア方式、確実な内蹴り式のベール返し、錆びないし小型軽量な樹脂製スリーブの入ったラインローラー、3階建てのドラグ、単純で確実性の高いローター軸のギア直上のラチェットに歯をかける方式の逆転防止機構、ローター軸(と機種によってはハンドル軸)に一個のベアリング。手入れもなしに放置しても塗装が多少やられる程度の耐久性のある素材。小型リールには充分実用的な単純クランク方式の平行巻機構」を備えた、オートベールとタックルオートあたりが小型スピニングの一つの完成形じゃないかとかも書いた。じっさいこれらを大森のアウトスプールの最高到達点だと推す声も目にする。
 このあたりはまあ妥当な線だとはおもうけど、思うんだけど常々私が主張しているように、良いリールなんてのは釣り人との関係性の中からしか生じ得ないモノで、どんなに世間一般に不評だろうが、その釣り人が愛用してきて一番好きならその人の中での一番はそのリールになるんだろう。「俺が好きなんだからコイツが最高!」って意見は客観性を持った説得力はないにしても、大いに頷けるし気持ちは良く分かる。
 私がコレから安ダイヤの「アクションM」と「タックルA」を使い込んでいって、「オレのダイヤモンドはアクションM」とか言い始めても「ハイハイおジイさんそうですね」とウロ入り始めた年寄りをいたわるような目で見てあげて欲しい。


 とはいえ、一般的に大森ダイヤモンドが高く評価される点は、単純な機構に丁寧な設計と適切な素材選定で”必要充分”な、無駄なく実用的で値段も良心的なスピニングリールを世に送り出してきた点だとは言って良いかと思う。
 マイコンあたりはリアドラグにした分やや複雑な機構だけけど、それでも、その後の行き過ぎたゴテゴテしたリール達と比べれば充分単純明快なリールである。最近のリールは原点回帰で軽さとか回転性能とかが重視される傾向にあって、あんまりめんどくせぇ機構は付いてなくて逆転防止の切り替えも省略とかになってたりするけど、そのくせ部品点数としても多くて重く、繊細で扱いにくく防水性とか過剰に求められるようになる「瞬間的逆転防止機構」だけが現代のリールに存在する大きな矛盾点だと私は思っている。逆転防止なんて大森方式のローター軸の部品に歯を掛ける方式でも、それ以前のハンドル軸に設ける方式でも特殊な用途以外には困らないし、カリカリ鳴ろうがガチャガチャしようが慣れればどってことない程度の話である。
 そういう”必要充分”という視点で自分の釣りに照らし合わせて、さっきあげた小型アウトスプールの大森ダイヤモンドの美点をもう一度点検してみる。最初の前提としてアウトスプールを選んだのは、最近インスプールの扱いにも習熟しつつあるけどやっぱりアウトスプールの”ベールを手で返して良い”スピニングの方が馴染みがあるし、そういう釣り人の方が現代では多いんじゃないかと思って、インスプールはまあ語る人も多いのでそういうのは沼の深みに棲む人達にお任せして、私としては”左手でライン放出を調整してそのまま左手でベールを手で返す釣り人”代表として大森アウトスプールについて考えてみたいと思ったからである。
 点検してみると、ベアリングが1個が良いか2個が良いのかっていうのがなかなか難しい問題で、回転性能的にはそんなに差が出ないのはPENNで回らなくなったローター軸のベアリングをハンドル軸に回したら何の問題もなくて、ハンドル軸には回転性能だけ見たらベアリングなんて、少なくとも自分の釣りには必要ないと思っている。ただ、ベアリングの”摩擦が小さくできる”という特性は耐久性にも関わってくるのでベアリングなしだと軸が削れていくのでは困ってしまう。そのあたりは具体的にはベアリング1個のタックルオートと2個のオートベールのどちらを選ぶかなんてのに関わってくる。
 他はほぼ自分の釣りにも有利な美点なんだけどベアリングの他にもう一点、自分の釣りにあきらかにいらないな、というのがあって「確実な内蹴り式のベール返し」がじつはワシにはいらんのじゃないか?と思っている。
 不要なら取っ払える機能なので取っ払っても良いんだけど、重量変わると回転バランスに影響するはずなので”無し”でいくなら最初からない方が良く、部品点数減るのでその分故障箇所や経費の削減という利点が出てくる。
 右手の人差し指でラインの放出を調整して左手でハンドル回してベールを返す釣り人ならベール返しが確実で軽いことは重要でTAKE先生のリールの評価基準でも思いっきり重視している点だけど、そこは人差し指でライン放出調整できないような重いルアーとかも投げる塩分濃いめの釣り人である私には正直関係ないっちゃ関係ない。
 事実、昨年秋にインスプールのリールに慣れた手で430ssgを使って右手人差し指でライン放出止めてハンドル巻いてベールを返そうとしたら、なぜか空振りしてしまい投げ方を元に戻して左手でベール返して釣りは続行できたんだけど、部屋に帰ってから原因調べてみたら内蹴りのベール返しの組み方を間違えてて機能しなくなっていた。おそらく数年前に油ぎれ起こした一方通行のベアリングに注油がてら全分解してグリスアップしたときに組み間違えたんだと思うけど”ベール反転機構なし”の状態で気がつくまで何の問題もなく使用できていたのである。ついでに言うなら4400ssはワシの右手の人差し指じゃスプールまで届きにくいというTAKE先生的評価基準ならダメリールなんである。でも私の中での信頼感と評価は極めて高い。ってぐらい釣り人毎に最適な答って違ってくるよって話。
 実は仕様で”ベール反転機構なし”というスピニングリールなんてのもあったりする。起こすのも返すのも手でやるマニュアル方式。なぜこんな一見”欠陥品”のリールが売られているのか?重量級のルアーを投げるリールで、投げた際にハンドルが回るなどしてベールが反転してルアーが初速のエネルギーを持った状態で急ブレーキがかかりラインが切れたり逆転機構の破損やらが起こるというトラブルはありがちで、私も7500ssの逆転防止機構は2度壊している(それを想定してだと思うけどPENNには音出し式の逆転防止機構が予備に付いているので釣りは続行できた)。ベールを起こす位置を一定にして滑らかな無理ないキャストが実行できていれば起きない”過ち”なんだけどたまに過ちを犯すのが人間というモノである。くだんのリールはエイテックのテイルウォーク”クロシオ”シリーズにあるんだけど、そのあたりの人間の過ちを織り込んで割り切った、実際の釣りの現場が分かってる人が考えた賢い設計だなと感心したモノである。

 ということで、タックル”オート”、”オート”ベールの名に誇らしくその機構を謳っている大森式の”内蹴りのベール返し”なんだけど、大森さんスイマセンそれワシいらんかもしれませんわ。ということで、より単純な外蹴り式のリールが案外良いかもって考えたらどうにもたまらなくなってしまうという”急性大森熱”症状悪化で、実釣でも使用感とか試してみたいならシーバスかなということで、ネットオークションで写真上の「タックル5NO.2」と「タックルNO.2」をサクサクッと落札してしまった。他にも似たようなタイプに「マイクロ7」のアウトスプール版があるけど、これはワンタッチ着脱スプールでベアリング2個とタックルオートに対するオートベールと似たような機種のようで、ベアリング1個の「タックル5」は「マイクロ7(アウトスプール)」の普及版のような関係らしい。
 アホみたいにポンポンとリール買いやがってと自分でも思うんだけど、これがまた外蹴りアウトスプールのダイヤモンドリールって人気薄で1500円と1980円とゴミスピ価格一歩手前のお安さなんである。こりゃあ落札するしかないよね?

 まあ買っちまったモンは仕方あんめぇ。どちらもグリス固まってるのか回転も重いので早速分解清掃実施。特に黒銀の「タックル」の方は普及機だからぞんざいに扱われてたんだろうけど、スプールエッジにも結構傷が入っていたのでハンドドリルで大きな傷はえぐって引っかかりがないようにならしてサンドペーパーかけて、ラインローラーも注油なんかしてもらってなかったようで固着して糸溝できてたのでアロンアルファで溝を埋めておいた。
 パカッと蓋を開けると、オートベール、タックルオートでそろそろ見慣れたいつもの大森式の機構の数々で細かい説明省略。
 ベアリング1個なので、ハンドル軸は真鍮で受けてるけど特に鋼製の軸にも真鍮のはめ殺しのブッシュにも摩耗はないように見える。
 グリスも塗布し直して、さて、左にハンドル付けて終了。と思ったらクリクリ回しても「あれ、入らんがナ?」という感じで填まってくれない。
 愛用していたマイコンTBシリーズやら先頃購入したタックルオートもハンドルは左右兼用だったので、当然そうだと思っていたんだけど「タックル」に関しては左巻き用のネジに交換する必要があるらしい。そのために2枚目写真のようにはめ殺しじゃなくてネジが外せるようになっている。
 「あっちゃー!やってもうた~」という感じである。左用のネジなんて使わなければなくしてしまうだろう。実は紛失防止に「マイクロ7(アウトスプール)」ではハンドルの後ろを延長してハンドルネジの収納スペースを設けている。キャスト時にハンドルが回るのを防ぐ重さ調整のための設計かなと思ってたけど、それも兼ねてるかもだけど収納スペースらしい。ちょっと見た目はイマイチな気がするけどそういう機能があると知ると大森らしい実直な良さのある造形にみえてくる。
 今回落札した2台とも、困ったことに右巻き仕様になってて左巻き用のネジなど付いていなかった。どうすんのよこれ2台も?と途方にくれてしまうのだったけど、でも見たところネジの太さが右にも左にも付けられるマイコン301TBと一緒と違うか?と思ったので試してみた。あっさり装着可能で、私の場合リールを一度に2台使うことはあまりないので使おうと思えばハンドル借りてきて使えるようで一安心。
 と、思わぬ形でハンドルの互換性が判明してしまったけど、実は今回の購入で確かめたかったことに一つに、ダイヤモンドリールのパーツ共有性というのがあって、写真を見る限りスプールなんかは金型代節約のためだと思うけど形一緒で、いろんな機種で使い回せるんじゃないかという気がしていたのでその辺も確認したかった。
 一番下の写真が「タックルNo.2」に「タックル5No.5」のスプールと「マイコン301TB」のハンドルを装着した状態。何ら問題なく部品共有可能。

 ただ、「タックル」と次に分解した「タックル5」は同型機のようで、スプールどころかギアからナニからほとんど一緒。本体の表記が凸ってるのからシールに変わって色が骨董的な雰囲気の青から70年代日本リール風の黒銀に変わった他、スプールのライン止めが省略されてるとかの細かい違いだけ。ネットでカタログ登場年とか調べたところ「タックル5」は1975年からの登場らしく、「タックル」シリーズは1979年カタログには掲載されていて「タックル5」が消えているので色違いのを後継機的な扱いで「初めてのスピニングリールに」と売っていたようだ。部品共有もナニもあったモンじゃない。設計基本一緒。ただお化粧直ししてでも、一番ややこしくないことから値段も低く設定できるこの型のリールを残していたのは、入門者にも優しかっただろうし「タックル5」の愛用者にも部品供給が続けられて良心的だったんじゃないかと評価できる。
 ちなみに「タックル」のベールアームを樹脂製にした「ニュータックル」というのもあったようだ。 

 「タックル5」の方を分解していくと、思った以上に一緒で笑える。さっき見た「タックル」のギアでも平行巻機構のクランクの輪っかの端が右上の方削ってあって、多分蓋を止めるネジの場所に当たるので削ってあんのかなと思ったけど、こっちの部品も同じようになっててフフってなった。ちょっと削らんと入らんかったんだろうけど、新しく金型かなんかを作り直すのが経費かかるのでそのまんまにしてある感じが、人間の手仕事を感じさせてくれてほほ笑ましい。
 両機ともベールアームは金属製で、ラインローラーを縒りが入りにくいように水平に、とかの調整はしやすい。意外に使っていると金属の板で出来た部品は曲がるようでだいぶ曲がってしまっていた。ダイヤモンドリールのベールアームがたためる意義が小さくたたんで持ち運びしやすいという以上に持ち運びの際等にベールアームの変形を防ぐところにもあったんだなと実感できる。
 部品点数は45をちょっと越えるぐらいでとっても少ない。壊れるカ所やらお金の掛かる部品やらが少なくできている感じでとても好印象。
 このあたりから、分解清掃にパーツクリーナーを使い始めたんだけどスプレーするとグリスとか吹っ飛んでいくし、瓶に貯めて漬け置き洗いも頑固な汚れが落とせて作業が捗る。
 そうやって分解清掃してグリス、オイルを入れ直してやると「タックル」もそうだったけどコイツも問題なくクルクルと快調に回ってくれる。「タックル」のほうは全く手入れされてなかったけど、こちらはラインローラーとスプール外して主軸には注油してあって前の持ち主がだいぶ愛用していたと見えるけど、特にギアとか真鍮のブッシュとかに摩耗は見られず、やっぱりベアリングは1個で良さそうに感じる。
 
 出撃準備も整ったんだけど、ダイヤモンドリールのパーツ共有について確認してみたいという目論見は同型機だったのであんまり達成できなかった。おそらくスプールの形式から見て、アウトスプールの場合、同じサイズのワンタッチスプールの機種「プロライン(アウトスプール版)」「マイクロセブン(アウトスプール版)」「オートベール」はスプール交換可能。ワンタッチじゃない「タックル5」「タックルオート」「タックル」「ニュータックル」はこれまたスプール交換可能なんじゃなかろうか?ギアとかについてはひょっとしたら両者で共通の部分はおろか、インスプールともある程度共通しているようにも思う。
 そこまで調べる気はないにしても、スプールの互換性があるってのは蒐集していくとスペアスプールも手に入ることになって実戦投入するには極めて使える情報だと思うので調べて書いておきたい。自分の選ぶべきは普及版の方だと思うので、ワンタッチスプールじゃないほうのスプール互換性があるか調べてみたくなった。っていっても先にあげた4機種のうち「タックルオート」以外は形が一緒なので互換性あることは明らかで、「タックルオート」と他の3機種のどれかが互換性あることだけ確認すれば良い。



 No.2サイズの「タックルオート」を入手しても、逆にNo.1サイズの「タックル5」とかがあっても確認できる。
 サクッと「タックル5No.1」を某ネットフリーマーケットで3000円で購入。だんだん突っ込む金額が上がってきてヤバい感じに感覚が麻痺しつつあるけど、躊躇なく買ってしまった。
 前回の失敗の轍を踏まないようにちゃんとハンドル左に付いているのを確認して購入。上の写真の右がその個体。コレで左巻き用のネジが1本手に入ってネジだけの使い回しも可能。
 でもって、「タックルオートNo.1」とスプールとハンドル交換してみた。真ん中はタックルートの左右兼用のハンドルネジ。同一軸状に右用と左用のネジ山が交互になる感じで切ってあって、初めて見たときに機械にうとい私の場合「へーこんな方式があるんだ」くらいにしか思えなかったけど、これ機械に詳しい人が見るとびっくりするらしい。いくつかのブログで興奮気味に書いている記事があった。
 ナニが凄いのか分からん。ベイトリールの平行巻機構の細かい版みたいなもんじゃないのかと思って、むしろ平行巻機構の方がなんで端まで行ったら戻ってくるのか?同じ方向に回ってるのに途中で止めても行ったり来たりせずきちんと往復する仕組みが理解できん。
 だとしても既に設計してあって使ってるギアの軸の穴に合わせて、後付けでキッチリ左右のネジ山を切るのがそんなに簡単じゃないんだろうなというのはおぼろげに想像できる気はする。普通はPENNみたいに右と左で軸の穴の大きさを変えて、ネジの先の方半分を細くして右用、残りを太くして左用とかに切るンだと思う。いまのシマノの高級機種もそうなってたはず。そもそも高級機種じゃなければ軸の穴を四角や六角形にしてというのがもっと一般的。それを普及品の「タックル5」でも丈夫で緩まないネジ込み方式にこだわって、次には左右両用のネジまで切ってしまうあたりの大森製作所の真面目な機会屋ぶりなのである。
 ちなみに一番下の写真のようにハンドルとスプールは何の問題もなく交換可能。
 「タックルオート」がいけるんなら、ひょっとして樹脂版の「キャリアー」も行けるんじゃなかろうかと試してみたらキャリアーはダメだった。スカートの直径やら主軸の径は一緒で入ることは入るのだけど高さが合わなくて、低い方はワッシャーか何かを噛ませれば使えなくもないかも?という程度。キャリアーは逆に樹脂製どうしで「マイクロセブンC」とかとスプール互換性有るんじゃないかと思うので興味ある人は調べてみてはいかがかな?キャリアーSS2台買うのはちょっとキツい値段だけど「マイクロセブンCS」を予備機に使ってスプール共有とかできれば実戦的かもしれない。CSも充分お高いけどね。

 「タックル5No.1」も分解清掃してやろうとパカッと開けてみると、なんとグッチャリと”グリスシーリング”されていて、前の持ち主の愛用度合いが見てとれて笑みがこぼれる。正直スプール傷だらけとかのリール見ると「もうちょっと丁寧につこたれよ!」とムカつくモノである。
 2枚目は参考までにベールアームの反対側のベールワイヤー支持部の金属パーツ。重量を金属のベールアームと釣り合わせるために結構大きな金属の部品になっている。樹脂製ベールアームのニュータックルとかどうなってるんだろうか?
 笑ったのが、グリス塗り直してハンドル軸のギアを填めようとしたときになかなか填まらずに押しこんでも浮いてくることで、グリスで機密性上がると空気が抜けずに、左巻きなので後ろのキャップが填まった状態では空気圧で押し返してくるんである。精度高いうえに全然削れてないやンけ。
 くわえてこの個体は分解清掃後もハンドル回すとシャーとコーッの間のような音がしているので、最初ギアとか長い愛用の間にさすがに摩耗したのかなと思ったけど、どこが鳴ってるのか部品外しながら確認したらギア関係なしでローターで、それならベアリングかとベアリング買って交換してみたら、クルックルの滑らかな回転になってしまった。
 大森小型アウトスプールにおいてベアリングは1個あれば上等だと得心した。
 ミニチュアベアリングの世界ではトップブランドらしいミネベア社製とまでいかないけどそこそこ良い日本製の200円弱のステンレス製ベアリングで大復活である。
 大森ダイヤモンドぐらいの精度・耐久性高く作ってあるリールなら、故障するカ所も特には思い当たらないし、手元に来た使い込まれていたであろう個体達がべつにギアもブッシュも摩耗してないのとかみると、消耗品的部品であるベールスプリングとベアリング交換だけしていけば普通に100年使えそうに思う。どっかのメーカーが宣伝で言ってたことなんて大森やらPENNやらの耐久性重視した設計の実用機なら、別に今さら言うほどのことでもなくて、「モデルチェンジまで持てば良い」ってな新品で店頭にある時の性能に振りすぎた”その後”のリールの多くが、そういう代物だったってだけだろう。

 ということで、ナマジ的大森ダイヤモンドリール最高傑作は、どうも「タックル5」が”必要充分”に近い気がして、そうなんじゃないかと今のところ考えている。余計なモノはなるべく付けない方がイイ。「タックル」でも同じだけど色が懐かしい感じの「タックル5」の方が好み。
 あとは実際に使ってみて、金属のベールアームが糸がらみとかのトラブルを頻発させないかとか、ちょっとみてみたいところ。まあそんなに細糸つかわんしワシの場合大丈夫だろとは思う。
 そのあたりを確認するためには樹脂のベールアームの「ニュータックル」との比較が必要だ!とまた1台買いそうになって、なんとか寸前で踏みとどまった。樹脂のベールアームで同じスプールが付いている「タックルオート」がその辺の比較には使えるわけで、もっというなら同じような形の樹脂製ベールアームの「キャリアーNo.1」使ってたので既に使用感は”普通に使える”って知ってるだろう。全く油断も隙もありゃしない。くわばらくわばら。

 ということで、私と同じようにベールを手で起こす釣り人の皆さんには、大森の「タックル5」「タックル」といったアウトスプールで外蹴り方式の機種をお薦めしちゃいます。こいつら人気薄で安く手に入るうえに、部品数少なくて手入れも楽だしで、今時のリールに飽きたら、こういう良くできたリールを自分で分解清掃したりしながら理解して愛着持って使うなんてのはとっても楽しいですよと提案してみたい。

 さあさあ、皆さんふかーい沼に一緒に沈みましょう。ヌルヌルしてて気持ち良いですよ。
 現時点で我が家のリール数は制限である80台を3台オーバー。手放す速度より手に入れる速度が速くて困ります。全然へらんがナ。
 次回も大森ネタ「ナマジ痛恨の過ちに天を仰ぐ!」にご期待ください。

2019年2月24日日曜日

やめられないとまらないッ♪ダッイヤモンド♬


 かっぱえびせん風に始まっちょりますけど、今回もスピニングリール熱にうかされての「こんなモンを買った」的しょうもない記事でございます。お目汚しを。
 マニアックなリールネタ、ワシみたいなオタクな人間しか読まんだろうと思ってたけど、もともとこのブログの読者であること自体が相当にマニアックなせいか存外読まれているようで、それならばと遠慮なくスピニングネタ連投させていただく予定。まあ釣り具って魚釣れりゃ良いジャンとも思うけど釣り人ならこだわっちゃう部分だよネということでお楽しみいただければ幸い。写真のリールがなんなのか?は後半あたりに出てくるヨ。



 なんというか、朝起きてネットオークションサイトとかで新着のスピニングリールを確認するのは習慣になってしまっていて、12月ぐらいからかれこれ3ヶ月ぐらい見続けているので、だいぶ目が肥えてきた。
 みていると、案外人気のある機種って限られていて、なんでコレが値段付かないの?ってのが結構あったりする。
 以前書いたようにそういうのでも自分が入札参加すると値段が釣り上がって安くは落札できない。と、羨ましい落札価格を横目で睨みつつ指をくわえていたんだけど、なんか写真写りがイマイチで全然入札されないままのがたまたま目について、ものは試しと入札してみたら開始価格の1500円のまま落札できてしまった。
 人気の大森製作所ダイヤモンドリール「タックルオート」のNo.1サイズである。
 配送されてきたモノは、赤土コマセでも使ってたのか”土汚れ”が付着していたけど、分解清掃したところ機関良好で見た目もそれ程悪くない。
 以前外側ボロッちい個体を500円で落札したオートベールの普及版的なリールだけど、オートベールではワンタッチボタン付きのスプールになるのとベアリングが2個になる程度の違いで、タックルオートは大森ダイヤモンドではお馴染みのハイポイドフェースギアでローター軸のギア直上に歯を掛ける逆転防止機構、真鍮製ブッシュで受けられた硬い鋼製の軸にねじ込むハンドル、樹脂製スリーブ入りラインローラー、折りたたみ収納できるベールワイヤー。という基本機能をそろえた”マイコンシリーズ”以前のダイヤモンドリール標準機という印象のリールである。
 このタックルオートのインスプール版が超人気のコメット、樹脂版がこれも超人気のキャリアーで、タックルオートも大森が一時期値段上がってたときにはだいぶ良い値段してたようなので、今でも状態良い箱入り個体とか2万円近い開始価格のもあったりして、多少見た目アレな個体でも1500円で買えるとは意外だった。
 ハッキリ言って中古市場の値段なんて、リールそのものの価値やらなにやらとはあんまり関係なくて、単に人気があって誰かが使ってるとか、もっとぶっちゃけ値段が高くなっているからありがたがっているっていう泡のような相場で意外に良いリールでも人気なくて安いのはある。
 大森製で今でも異様な値段が付いているのは、コメットGS・G1とキャリアーの一番小さいSSサイズで、他はインスプールのマイクロセブンやウォームギア機のプロラインの小型もそこそこ、オートベールとタックルオートとマイコンのSSサイズもそこそこのお値段だけど、他は普通の多少くたびれた程度の品なら、5千円も出しときゃ買えそうだし、3千円以下の掘り出し物もけっこうある。
 コメットやキャリアーが高止まってるのは、大森が傾きかけて人気が陰りつつあった時代の機種なので弾数がかぎられているのも一因だろう。その逆でロングセラーのオートベールやらタックルオートや高い人気を誇ったマイコンは中古の弾数多いのでよく使われていたNo.1サイズとかは欲しい人間にはあらかた行き渡ってて、当時バス用には小さすぎてそれ程売れなかったと思ってるんだけどSSサイズが、今時の細糸つかったウルトラライトな各種の釣りに応じたリール需要と合致して値を上げてるんじゃないかと中古ダイヤモンドリールアナリスト(経験3ヶ月)としては分析している。
 No.1サイズ、充分小さいし下巻きぶち込めば渓流でも使える、っていうか実際キャリアーのNo.1渓流に使ってたのは以前書いたとおり。PENNで言えば4300ssサイズ、国産リールなら2500番に相当するだろうか?バス釣りにも軽めの塩水系の釣りにも使える汎用性の高い大きさでッセ。
 コメットだのキャリアーだの今更買うんなら、欲しけりゃ買えば良いけど、オートベールだののSSサイズ以外とかを安く買って楽しんだ方が、ダイヤモンドリールの単純でも手を抜いていない良さとかを知るには充分だし楽しいと思うんだけどどうだろう。シーバス用ならNo.2ぐらいが2号(約8ポンド)200mの糸巻き量でちょうど良いサイズか。

 と人様にお薦めするのは、スピニングリール熱が悪化しまくってどうにもならないので、読者の皆様を一人でも多くこの沼に引きずり込んで一緒に沈んで楽しもうという、沈みゆく人間の悪あがきなんである。
 なんせ2月は魚が釣れんかったから、道具いじくってるぐらいしか楽しみがなくって、暇さえあればスピニングリール買って分解して清掃して、クルクル回して「ハ~ッ・・・良いッ!」とかつぶやきながらニマニマしておりましたとさ。

 でもって、もう1000円縛りとかとうの昔に忘れ去って「安くて良いダイヤモンドはないかね」と南アあたりをうろつく宝石商みたいなことを考えながらネットの海をさまよって、またこれがなかなかのブツをゲットしたったですとよ。

 へっへっへ冒頭の写真のとおりリールマニア筋には人気の小型インスプールでっせ。お値段ちょっと張り込んで2200円。また例によって2000円前後の落札価格と読んで2100円まで入れてくる競合者をキッチリ100円差でかわしてハンマープライス!
 上の写真のとおり、れいによって潮カブって放置してました系の表面腐食で左サイド塩吹いてて、機関も不動のジャンク品となってたけど、何度も書くように大森のリールが潮カブって放置したぐらいで使用不能になるわきゃなくて、実に狙い目の美味しい獲物。
 見た目なんてどうでも良いじゃんと、正直思わなくもない。そう思って買ったばかりのアンバサダー5000をリール下にしてコンクリの上に置いてF師匠に「リールの扱い方がなっとらん」とお叱りを受けたりもして、リールは砂埃とか入れば故障の原因だし、そういうことを気をつけてない証拠がリールの傷や汚れなのでリールの外見もなるだけ綺麗に保たねばならんし、道具を大事に扱うのは何事においても基本だと学んでいくんだけど、自分が不注意で腐食させたスプールとかとっても恥ずかしく思うけど、他人が腐食させたり傷付けたりしたのを使う分には平気である。他人にどう見られようが、自分が犯した過ちのせいじゃないのは自分が知ってるので気にならない。オレが赦せるかどうかだけが重要だろ?てなもんである。
 見た目格好いいかどうかは趣味の道具において重要だけど、ピカピカの新品みたいなのがいつでも格好いいかといったらそうでもなくて、古いリールなんてのは経てきた年月に相応のボロさが格好良かったりもするんである。コレクションの価値としては新品箱入り娘が高いんだろうけど、実釣の相棒とすることを考えるなら、ことさらに処女性をもとめる童貞野郎のように未使用とかにこだわる必要などないと思うんだけどね。相棒にするなら相性が大事でそんなもん使ってみなけりゃ分からんって話だろと。中身が大事だろと。
 こいつの名前がまたイカしてて「マイクロ二世301」といって、マイクロセブンの後継機的な位置づけで出したけど、あまり売れなかったのか生産された期間も短そうで弾数少なく知名度も低いようであんまり人気もないようだ。
 いかにも昭和骨董的な雰囲気の大森インスプールの銘板に漢字で「二世」とあるのがなんとも趣がある。メカに漢字っていうのはアニメ「コードギアス」の「紅蓮」のオペレーティングシステムみたいでどうにもオタク心をくすぐる。
 大森製作所にはどうもアニオタいたんじゃないかと疑われる節があって、リールの命名に「タックルファイブ」とか「タックルエース」とかあるのをみると「ボルテスファイブ」とか「ダンガードエース」とか思い出してしまうのはワシだけじゃろうか?もちろん「二世」で思い出すのは「バビル二世」。マイコンは良くわからんけどコメットは「コメットさん」ってアニメじゃないか。ドルオタもいたのか?と疑問に思ってググったら驚愕の事実が発覚、「コメットさん」原作は横山光輝先生やったんや!バビル二世と原作者一緒という原作者繋がりがでてきた。大森製作所には横山ファンがいたのかもという仮説に基づいて横山光輝作品をウィキってみたら冗談のつもりがホントっぽくなってきた。「マイクロ7」の”7”はラッキナンバーでありがちな数字なので「地球ナンバーV7」と関連づけるのはこじつけかもだけど「プロラインNo.101」の”101”を「その名は101」と関係あるとみるのは、他のリールがNo.1とかとなっているのに加え、プロラインがハイポイドフェースギアの得意な大森製作所が高級機種として満を持して放った”遅れてきたウォームギア機”で意外に新しく「その名は101」が「バビル二世」の続編なのと符合しすぎるぐらい符合してくる。ってのは妄想だろうか?当時の大森関係者に誰かその辺聞いてくれないだろうか?まあそんな取材機会があったら他にも技術的なこととかいくらでも聞くことあるだろうけどさ。
 思いっきり脱線したけど分解清掃に話戻すと、左巻き専用機でパカッと蓋を開けると、ギアはいつもの大森ハイポイドフェースギアなんだけど、平行巻機構がギアのある面の空いてる隙間に突き出した出っ張りで上下させる方式。この出っ張りにも真鍮製のスリーブが被せてあって、とにかく回転して摩擦が生じるところにはスリーブかブッシュかワッシャーをというのが徹底されていて、この辺が大森製作所がファンをして”真面目な機械屋”と称され愛される理由だろう。
 もちろんラインローラーにも樹脂製スリーブ入り。
 ここまで大森ダイヤモンドリールを何台か分解清掃してきて、いつも感心させられるのは、ドラグがしっかりしていることで、フェルト製にしてもテフロン製にしても、経年変化による劣化が少なく、グリス塗り直してやれば見事に何の問題もなく使えてしまう。正直、機械部分は人様の説明読んでそうなんだ~と思うぐらいで良く分かってないんだけど、ドラグは単純な機構なのでさすがにライン巻いて引き出してみりゃある程度分かる。
 素材選定において、間違いなく何十年と使う愛用者のことを考えていたとしか思えず、今時の10年そこらで劣化する素材を使ったリールやら、今後も供給されるか定かじゃないというか供給されないだろう、わっけの分からん素材を使ったリールやら作ってる会社は、供給安定していてなんならドラグなんか自作もできるような一般的な比較的安価な素材使って実用性抜群の耐久性もあるリールに仕上げていた大森製作所のリールの、古くなった固まったグリスでも煎じて飲んでおけと説教したくなってくる。イヤーねぇ昭和のオッさっんは説教臭くて。

 ただ、真面目な機械部分については定評あれども、意外にライントラブルが多いとかTAKE先生とかの玄人衆には使用感にダメ出しされてたりもするのがダイヤモンドリールの可愛いところ。
 私などはある程度熟成された後期の製品であるマイコンTBシリーズやキャリアーを使ってたおかげか、そのへんあんまり不満はなくて”普通に使える”としか思ってなかった。
 ただ「二世」となってるぐらいで、このリールは結構そのあたりも改善されているように思う。”一世”のマイクロ7では重量分散でラインローラーと反対側に持ってきたベ-ル反転機構にラインが絡むとかは、その後のプロラインやコメットではカップが深くなって改善されたとTAKE先生解説にあるけどコイツもカップは深め、そしてベールアームのローラー固定しているナットは六角ナットから円錐を2カ所削ったナットに変更、スプールはワンタッチボタンなしのタイプとキッチリ宿題やってきた優等生になってるように見える。あとは実釣でどうなのか試してみたいけど、このリール使うような渓流の釣りに今後いつ行けるのかわからんので、実釣での報告はまたの機会にということで。
 渓流でもメインのリールはどうせPENNだと思うけど、ダイヤモンドリールの地味に良いところはベールが折りたためてコンパクトに収納できるところであり予備機として持っていって使ってやろうと思う。今回紹介した2台も機構は違えど折りたたみ式のベールを備えていて、後期のマイコンとかはベールアームの下のボタンをスライドする方式だったけど、それ以前はベールアームが返ってアタるところの出っ張りを押し込んでベールをたたむ方式になっている。

 とまあ今回、大森ネタでいってみたんだけど、スピニングリール熱こじらせて急性の”大森熱”も発症してしまっているようで、まだ紹介していないダイヤモンドリールが4台もござる。どうすんのよ?
 コレどうすれば治るのか?あるいは不治の病なのか闘病生活はまだまだ続くようなので、次回も大森ネタ連投の予定。
 「使えない大森を2台落札!そしてナマジは途方にくれる!!」にご期待下さい。 

2019年2月17日日曜日

竿林糸巻山


 PENNリールの棚卸しをしたついでに、他のリールもさらについでに竿も棚卸し作業して管理台帳を作ってしまおうという気になって、シコシコと発掘・確認作業を進めて我が家の釣り具の実態がだいぶ明らかになった。
 これまでも一太郎文書にダラッと網羅的に書き出した台帳もどきはあったんだけど、入手したら書くことにしていたけど忘れてるのもあったり、順序が秩序だってなかったりでどのメーカーのがあるいは全体で何個何本あるのかさえよく分からないので、リールはまあPENNだけで40台からあるので100台ぐらい、竿は写真のように部屋の隅に立てかけてあるだけしかないので50本ぐらいかなと漠然と思ってたけど、通し番号振ってメーカー別に強さ順等で並べて、必要度ランクを「殿堂入り」「使用中」「確保」「要検討」「不要」で付けて、主な釣果や特徴も「特記事項」に入れて、今後は入手・放出年月も入れられるように表計算ソフト使って整理した。

 結果、さすがにリール100台も持ってなかった。コレまで釣った魚種が2百数十種で100台なら1魚種釣るのに2台ぐらい使ってる計算(追加註:2魚種ぐらい釣るのに一台使ってるの間違い、バカか)になってバカかっちゅう話でそんなにはない。でも92台もあった。目くそ鼻くそである。
 竿に至っては平成31年2月17日現在121本あった。竿って細いから想像するほど場所取らないのね。

 メーカー別内訳をみていくと、リールはPENNが44台、大森製作所13台、ABU12台、ダイワ8台ほかとなっている。
 なんでPENN増えてるねんッ!!
 思いっきり”スピニングリール熱”再発中で、この2週間でPENN2台増えてまうし、大森も2台増えたうえに今2台入札中というどうしようもない悪化ぶり。
 ネット介して伝染ったんだか元から感染者だったのがぶりかえしたのか発熱した友人も現れてしまい、入札かぶってないか心配になる始末。
 ”スピニングリール熱”この冬大流行の気配で、皆さんくれぐれもお気を付けてご自愛ください。

 スピニングネタはまたおいおい書くとして、今日は台帳ネタで次に竿をみていくと、主なメーカーとしてはなんとフェンウィックがいつの間にやら1位獲得の19本、やっぱりわしダイワ好きなんやナの13本、白滝シリーズ大健闘のタカミヤ11本、スミス10本のダイコー9本でナマジ大好きアグリースティックのシェイクスピアは8本と意外と少ない。
 しかし121本てどうよ?ホモサピって手2本しかないんやで。よしんば千手観音みたいに腕ぎょうさん生えてきても、そんなに竿持ったら一人でお祭りしまくる。
 でも竿は魚種や釣り場で違ってくるので、なんぼワシが竿一本しかルアーの陸っぱりでは持ち歩かない人間でも違う調子のが必要になってくるのでしゃあなィちゃしゃあない気もする。
 リールなんてハイギアとローギアとか、一所懸命巻くかゆっくり巻くかでどうにかなると思ってる人やけど、さすがに同じシーバス狙いでも障害物際々の10mの距離を狙うのと砂浜で沖目のナブラを狙うのとでは竿とラインぐらい換える。逆に言えばラインさえ変えればリールはいけると思ってるので替えスプールが重要になるんである。

 それにして多い、どうにかならんのか?
 ということでまずはなぜそうなっているのか現状分析である。
 竿の数が増えるのは一つには同じ竿を何本も買うからである。今バチパターン用に近所ポイントで使ってるジャクソン社ブリストールBP805Lは3本あるとか、運河用に使ってたフェンウィック社製ランカーギアX65SM2ーJなんて同じブランクスのやっすい版のイーグルとかも含めると6本もある。
 さすがに6本はやり過ぎだと思うけど、竿はリールより消耗が激しいので予備竿確保しておきたいというのはコレ有りというところ。
 リールも永く使っていくと消耗していくけど、リールの場合ベールスプリングだのベアリングだの消耗品的な部品を交換してやれば復活して、なかなか心臓部であるギアやら本体フレームや主軸が消耗して使えなくなるまではホモサピごときの寿命ではいかないように思う。まあワシが使ってるPENNだの大森だのABUだのがそういうリールだということかもしれないけど。
 それが竿だと、もろに本体本元のブランクスが不可逆的に消耗していく。カーボンにせよグラスにせよブランクスの繊維が徐々に切れていくので、竿は使っているとだんだん反発力もなくなっていきダルくなっていって最後折れる。突然竿の先の方がキャストしたら飛んでいって継ぎが抜けたかと思うとポキッと折れてる。同じようにカーボンの素材のテニスラケットなんかも反発力なくなっていってある日突然折れるのでそういう素材なんだと思う。
 なかなかそこまで竿を使い切ることってなくって、いい加減ダルくなってきたら使ってて元の性能から明らかに劣化しているように感じるので買い換えることになるけど、元々ダルい竿で劣化に気づかなくてそこまで行った経験がある。まだメーカー在庫あったので取り寄せできたけど、アホみたいに釣りに行く人間の竿ならメーカー在庫あるうちに寿命がくる程度には竿って消耗品なんである。ぶっちゃけ寿命まで使い切る前にコケて折ることがありがちでとにかく予備は欲しい。
 そんなの買い換えりゃいいじゃん、と思われるかもしれないけど、ご存じのように当方の好きなダルくて厚ぼったくて丈夫な竿ってもうほとんど作られてなくて、丈夫なという条件に限定してもライギョロッドとかGTロッドみたいなドラグぎっちり締めて大アワセ食らわす竿はさすがに巻きが薄いと折れるので丈夫に作られてるけど、他の用途の竿は高感度とか高反発、軽量とかを謳った製品ばっかりである。
 それらの竿がダメってことはないんだろうと思う。けどハッキリいってお恥ずかしいことに昭和のオッサンには使いこなせない。竿の限界値が昔の十分余裕を持って丈夫に作られていた時代の竿と明確に違ってきていて、その感覚が抜けていない人間が使うと今の竿は「えっ!ここで折れるの?」っていうぐらいに簡単に折れる。はじめからそういうものだと思って使ってきた人間からしたら「何いってんだこのオッサン」だと思うけど、何十年と親しんで培った感覚ってそんな簡単に更新できないので、厚く巻いてあって丈夫な竿にはこだわるし、今後作られることも少ないだろうから確保しているのである。
 仕方ないよね。

 竿は消耗品でかつ好みの竿が今後生産されない方向にあるので予備を確保する。それはそれで仕方ないと思う(としておこう)。まあ限度はあるけど。
 でも、もうひとつ我が家の竿林を茂らせている原因として、詰めきれなくって絞れていない竿達ってのがあるようで、具体的にはアマゾン遠征用にと確保していたフェンウィックの堅めの竿4本とか大型ベイトリール用のルアーロッドとして確保したダイコーのサザンクロススティック3本とか、実際にはアマゾン遠征行かなかったし、ベイトの大物タックルも使う方向まで行けなかったので、どれが良いか自分の釣りにあっているか詰めていくつもりでちょっとずつ違うの買ってそのまんまにしてある。
 「売り払えーっ!!」っと心の中でクシャナ殿下が叫ぶのだけど、いざ売っぱらおうと手に取ってみると、これがなかなかどうして良い竿で、サザンクロススティックなんて黒くて太かった古き良き時代のダイコーの竿そのもので、中古で値段が付くような人気竿じゃないので今後必要になったら買うというのも難しそうでためらってしまう。
 せめて自分にあった竿がどれなのか絞れれば他は売って良いような気はするけど、現段階では保留とせざるを得ない。

 ということで、不要な竿とリールはこの際売るなりして処分してしまおうと思って整理を始めたんだけど、5段階評価で「不要」となったのは10もいかない有様でどうにも自分はモノを捨てたりするのが苦手である。
 数年使ってない道具は今後も使わないと考えて捨てるのが道具の整理の基本のようだけど、私のような道具を修理してでも使う人間は、直近でいえば、ベールスプリング折れたダイヤモンドリール2台がとっておいたら復活させられた、なんていう僥倖もあったりして壊れたモノすら捨てにくい。折れた竿もとっておいてあってタモの柄だとかに加工して使ったりしている。釣り道具の買い方みてもらえば分かるように私はお金に関してはあんまりなくなることに抵抗感じない。お金なんてどれも一緒で働くなりそれこそ釣り具売るなりしたら手に入る。
 でも道具は同じ製品でさえ個体ごとに、そいつと自分との関係性とかから違うってぐらいで一つ一つ違ってかけがえのないモノだと思っている。それを使い切って修復不能になってゴミにするならともかく、使えるのに捨てたり、ぞんざいな扱いを受けるだろうことが目に見えてるような他人にとっては価値のない品を売るのとかには強い抵抗感がある。

 とはいえ、このままでは将来我が家がゴミ屋敷化するのは目に見えているというかすでにそうなりつつあるので、何とかしたいので規則を設けてみる。
 ”リールは90台、竿は120本から増やさない。”
 せめて現状維持にとどめる努力をせねばヤバい数になっていると今回の整理で改めて感じた。
 リールはまあ大丈夫だと思う。ぶっちゃけ魚釣るのには今あるPENNとABUで一生間に合うだろうし、大森とかは蒐集の世界に足踏み入れて遊んでいるだけなので、なきゃないで何とでもなるので、今あるリールを手放してでも欲しければ買えばいいし、今あるリールが大事なら買わなきゃ良い。
 竿の方が難しい。何しろ消耗品なので新しく買わなきゃならん。今ちょうどアグリースティックライトの買い換えを検討していて、昨年糸溝ができたトップガイドを交換したところだけど、2番ガイドも糸溝っぽくなりかけてて、じゃあガイド交換済みの2個以外もとっかえるかと思ったら、どうせなら新シリーズのエリートあたりを新品で買って遅かれ早かれ交換になるガイド最初っから全とっかえしたほうが良くないかとも思ってて、そうすると今使ってるライトは予備竿にまわって1本竿が増える。
 日本ではピュアフィッシングジャパンが仕入れてないってぐらいの不人気を誇るアグリースティックシリーズだけど、いまでも丈夫な竿であり続けていて、米国のオッチャンが息子の自転車ぶら下げたりというアホな強度試験をしている動画とかあって笑える。これからも丈夫な竿であり続けてくれ。でもガイドは酸化アルミ系でいいのでもう少しマトモなのをつけてやってくれ。
 話とんだけど、消耗するから買わねばならんというのに加えて、新しい釣りを始めると買わざるを得なくなる場合もある。120本もあればどれかで何とかなるだろうって気がするし、実際へら釣りにも小物釣りに使ってた白滝とか使い回してたりするけど、どうにもならんこともある。
 具体的にいま検討してるのは、磯にあがってサメを狙うときの竿で、10fぐらいの長め強めのスピニングの竿が欲しい。チャーマスGT90Hが割と行けそうにも思うけど、ぜいたく言うならもう少し長くてもう少し強いのがあると、2本体制組めてバッチリかなと思っている。
 半日座ってへら釣ってただけでヘロヘロになってるのにそんな先の釣りの準備してどうするって思うけど、そういう先の楽しみもないとつまんねえジャン。

 という感じで、魚釣れずに苦戦しているので憂さ晴らしに釣り具いじっているという釣れない釣り師の典型のような冬を過ごしております。
 みなさまにおかれましては、スピニングリール熱などひかぬよう良い釣りをお楽しみください。
 あんまり魚釣れやんから夢でハクレンみたいに肥えたメーターオーバーのライギョ釣ったった。起きて夢と分かったときの悔しさよ。でもまあ夢でも会えたなら素敵なことだとしておこう。

2019年2月9日土曜日

キリリと冷えた敗北の味


 冬の夜シーバス釣りから帰ってきて、腰にぶら下げてたペットボトルの水を飲むと、キンッキンに冷えてて、最後悪あがきであちこち自転車でみて走り回って渇いた喉と興奮やら悔しさやらで火照った体にに染み渡る川崎の美味しい水。
 釣れたらもっと美味しいんだろうけど、釣れなくても一仕事終えた後の一服というかんじで、無収入になる日も近そうなので節約せねばとペットボトルに水道水詰めただけなんだけど、甘露甘露という感じである。

 この一杯のためだけでも寒い中釣りにでかける価値がある、なんてご大層な代物ではもちろんなく、ただの水道水なんでそんな万能の聖水みたいな霊験あらたかなわきゃなくて、スカ食ったらクッソ悔しいわけで、今日もふてくされてナニもする気にならずゴロゴロしてたんだけど、いつまでもグダッてるわけにもいかないので、今後の作戦など考えてみる。

 まあ作戦っちゅうても、シーバス狙いの場合は基本「釣れそうな日になるべく釣り場に行ってルアーを投げる」以上。
 てなぐらいでやることは決まってるんだろうけど、もうちょっと細かく想定して行くと、昨春のシーバス11連敗の時もそうだったけど、どうにも混雑した釣り場が苦手で、横で他人が釣ったりすると焦ってペースが乱れる。心が千々に乱れる。
 今年はこれまで以上に”人山”立ったりしてるので、人山立ってるところを避ける作戦を当初想定していたより極端に詰めて実践するのかなと。
 いつもの2本目橋下流周辺のネット蛇篭やⅠ本目橋ぐらいでは逃げ切れなくなってるので、思い切って下って水門上流や3本目橋周辺を主体に釣る。まだそっちは細かい川底の地形変化まで把握している釣り人は少ないだろうから、シレっと良い場所確保して広々と釣りできそうに思う。
 っていっても溢れるほどの人山立てばそちらにも人は流れてくるはずで、もっと極端にいっそ今まで釣ってなかった上流部とかも早い時間に釣れて余裕ができたら探りに行くべきかもしれない。なかなかそこまで手がまわらんか?

 ヘラ釣りの方で癒やされておけば、シーバスのスカは耐えられるという補完関係にあると思うので、ヘラ釣りで魚の感触楽しんでおきたいんだけど、ヘラがまた渋い時期突入中で、いつデコってもおかしくない状況。
 今日は関東大雪の予報は外れたようでちょっと降っただけで済んだけど、来週も天気不安定で気温もなかなか10度を超えない寒い日が続きそう。食い渋り時の頼みの綱の”段底”が最近イマイチなかんじなので、とにかく段底の感を掴むのが生命線になりそうなので、次回用に手札を一つ用意した。
 公園池は8尺で底が取れてしまい、8尺で提灯ウドンセットをやろうとすると刺し餌が着底してしまうので、浮子を竿先からある程度離した「提灯風」ウドンセットしかできないんだけど、例によって「逆に考えるんだ」と考えれば、8尺で足下近くで段底ができるのである。
 そんなもん沖の方が深いだろうし長尺の段底の方が有利だろう?と普通思うだろう。実際そう思ってるのか底釣りのオッチャン達は長竿振ってスコープでアタリ見てる。でも、そういうオッチャン達って一日中スコープ覗いてるだけであんまり釣ってるように見えない。
 長い竿で深くを釣るにはそれなりにオモリが重くないといけないし、それにあわせて浮子も大きく仕掛けも太くせざるを得ないはず。かつスコープで見てたって細かいアタリ取りきれるかって話。

 その点、足下を8尺で釣るならオモリも浮子もそれこそ宙の釣りで使うような軽めのを使って仕掛け全体を繊細に仕上げることができる。弱い吸い込みでも浮子が近くにあるので小さいアタリ見逃さず取れそうにも思う。繊細な仕掛けで吐き出すのも遅くなってくれるはず。
 魚が深い沖にしかいないってのなら負け確定のバクチだけど、どうもそんなでもないように感じている。
 沖目深めであまり動かない魚もいるんだろうけど、活性のある魚は岸近くにもやってきていてそういうヤツを狙った方が策が填まったときに確実に釣り込めるンじゃなかろうか。これまで昨期も含めて厳寒期でも浮子が動くところまでは何とかなることが多く、寒くても案外ヘラブナ活動的な気がしている。冬眠せんで良いのか?と疑問に思うぐらい。

 正直言って沖の深めに餌ぶち込んで、延々と活性が何かの要因で上がったら回遊してくるであろう程度の魚を1日待つのは、魚の薄い天然水域とかの釣り方で”箱”に近いような小さな公園池では、段底でも積極的に餌撒いてやる気のある魚を寄せ続けて食いアタリに繋げていくのが正解なんじゃないかと見ていて思うところなので、小浮子の足下作戦でちょっと、デコらない厳寒期の釣りってのを狙ってみたい。
 意外に底切って提灯風ウドンセットが厳寒期でも通用する可能性もあるので、反応なくなったら寒くて手もかじかんで面倒だけど、持ってる手札切りまくって反応探っていきたい。

 そうやって苦労しているうちに、春になって季節が良くなって花粉症酷くなる頃にはグダグダッと釣れるようになっていくんだろうけど、そこまで厳しい釣りをしのいで、ちょっとマゾヒスティックに楽しんでみたい。
 全く釣れないのは面白くないけど、適度に苦戦すると良い出汁が出て釣りに味が出るってなもんだと思う。

2019年2月2日土曜日

PENNスピンフィッシャー棚卸し

 今回スイマセン、皆さんにお伝えするマニアックな情報があるとか、面白いネタに突っ込んでるとか、そういう人様に読んでいただけるような内容にあんまりなりそうにないっていうか、ナマジのお部屋の蔵の整理のための作業記録のような、そんな感じでヌルッと行かせてもらいます。
 前回、430ssgについて「同じリール3台確保しているので、修繕した個体があと5年持ってくれれば15年使えたことになるから、残りの2台で30年持つ計算になるので35年経ったらそろそろお迎え来てるだろうからちょうど良い感じである。」と書いたところだけど、そういう考え方で行くと、そろそろ人生の終末も見えてきた今日この頃、ワシんちの蔵に眠ってるスピンフィッシャーって、アホのように買ってあるけど実際のところは何台あったら足りるのか、ちょっと考えてみるかと蔵をほじくり返してついでにエクセルで管理台帳作ってという”棚卸し”作業をしてみた。

 ちゅうわけで、小っちゃい方から行ってみるとまずは最小の4200ssは1台こっきりで替えスプールもなしなだけど、小型スピニングでスプール径が小さいのはあんまり好みじゃなくて、径が小さい分巻き取り速度が落ちるのを利用してゆっくり巻く釣りにでもとメバル釣りに使ってみたけど、イマイチしっくりこず、結局4300ssでいいやとなって使っていない。
 今後も使う予定はないのでなくてもいいぐらいで、なにか用途が出てきたら使うのに置いてはおくけど、たぶん使わないので壊れようもないだろうから、残りの人生この1台で問題ないだろう。

 お次が、小型スピニングの主力サイズで4桁第3世代の4300ssのサイズ。
 主力の第4世代430ssgが前回書いたように3台確保してあって、うち一台はごらんのようにブリスターパックに入ったまま未開封でたぶん430ssgだけでも間に合ううえに、先代の4300ssと430ssの第3世代コンビもまだ充分使える状態のうえに、インスプールの第2世代714Z、第1世代714のコンビも確保したところであり一生困らないはず。
 かつ、この大きさのリールは復活させたダイヤモンドやらウィスカーSSトーナメントもあるうえに、樹脂製の安ダイヤモンドもあるので弾数的には何の問題もないだろう。
 一番出番のあるサイズなのであれこれ使って遊びたい大きさ。

 次に陸っぱりシーバス用のもう一つの主軸の大きさである4400ssについてだけど、手前の2000年から使ってる個体がまだまだ快調で、この春も使い始めたときに「スピンフィッシャーって巻きも滑らかで、丈夫さとドラグだけのリールってこともないな」と、昨年使ってた古いインスプールと比べたからかもしれないけど今後もこの大きさは4400ssにまかせて安心である。
 新品から20年近く使ってベアリングやらドラグパッド、ベールスプリングなんていう消耗品的パーツは交換したけど、ギアとか本体とか全くもって”消耗”した気配がないので、現状のドングリノブの個体との2台体制がいつまで持つのか、ワシが死ぬまでもつンとちゃうか?という感じで予想すらつかない状態なので、もしこいつら2台が修理不能に壊れたとしても、新品に近い状態のが予備として2台確保してあるので充分だと思う。スペアスプールも3個ナイロン用、3個PE用に確保してありこれまた充分抜かりなし。

 次はカヤックシーバス用の主力として使ってた4500ss。ショアジギングとかデカいルアー投げる陸っぱりシーバスにも過去使ったことがあり、ナイロン14ポンド、PEの2号とか使う釣りに使うんだけど、最近カヤック乗ってないので出番がない。
 出番がないので消耗しようがなく、今使ってるハンドルノブ自作の中古個体と、樹脂製ノブ金ハンドルの2台があれば良いハズなんだけど、なぜか6台もある。
 1台は初期のドングリノブのはギア比が違う高速巻き仕様だと聞いたので追加して買った記憶があるけど、他にも予備に3台も買ってしまっている。
 もちろんスペアスプールの在庫もバッチリ。今後体力回復してカヤック乗れるようになったらまた活躍するにしても、やっぱり4台あれば足りるだろという気がする。キレイめの個体で値段付きそうなヤツを売りはらうとかしたほうが良いのかしらと、アタイ迷っちゃう。

 でもって、釣りをされる人のおうちならどこのご家庭にもきっと何台かはあるだろうという5500ss。
 ほぼ船でのシイラ・カツオ釣り用でたまにショアジギングやらにも使った程度のはずの5500ss系が3桁時代の550ssも含めると7台もござる。
 たぶん、この大きさはシイラ・カツオ釣りの定番機だったこともあって弾数が多いので、中古屋とかで安いの見つけるたびに「あっ予備に買っとこ」とレジに持っていったんだろうことは想像に難くない。
 船にも乗らなくなって久しいので、これまた減るもんじゃなし、我がスピンフィッシャー最初の1台である左下の個体と、JOSさんから引き継いだスピンフィッシャーの名を日本に知らしめた伝説的名機550ssと、やっぱりギア比の高い初期型ドングリノブの5500ssと予備1台ぐらいの4台で多分一生困らない。3台売りに出すかとも考えるんだけど、そんなに値段の付くリールじゃないうえに、実用品なので中古の軽自動車があまり安くならないのと似た感じで中古の値段が下がりもしないので、まあ金に困ってからで良いかという気もしてアタイやっぱり迷っちゃうの。
 そもそも予備機を確保しておかねばと思ったのは、製造終了後何十年もパーツが手に入るなんて、さすがに想像もしてなかったので部品取りするつもりで買ったりもしてた。なので米本国でPENN(というかピュアフィッシングか?)公式のパーツ配給・修理サービスとなったらしい「MYSTIC REEL PARTS」さんが潰れない限り、予備機って実はいらんのじゃないかという気もしてきている。さすがに在庫無しの部品も出てきてるけど消耗品的なのはまだまだ大丈夫そうである。

 お次は、6500ssでここから4桁スピンフィッシャーは金属ボディーになる。ちなみに6500ss、7500ss、8500ssは外蹴り方式、3階建てドラグ、ギア方式と共通点が多く、部品も共通が多い兄弟機。
 同じように内蹴り方式、3階建てドラグの5500ssと4500ssが兄弟機で、4400ssはドラグが1枚で大きくてちょっと違うし、4300ssはギアがウォームギアで4200ssとも何か違うと思っている。9500ssが3桁時代にはなかった大きさで特別な大物専用機なのは以前書いたとおり。って私は整理してます。
 ただ、この6500ss2台のうち、1台は我が家にある7500ssとも共通のローター軸のギアが傘状のハイポイドギア、1台が現代リールの標準的ギアであるハイポイドフェースギアが入ってて、このアタリのギア方式の違いはPENNってABUやミッチェルと違って、値段が付くようなリールじゃないので「見分け方」的な情報があんまり出てこない。多分米本国のマニアのサイトでも探せば一発なのかも知れないけど、英語イマイチわからんのよね。でも「MYSTIC REEL PARTS」さんところで見る限り、やっぱり途中で変更あったようで、6500ss~8500ssのギアは新型(”新”っていうのもへんか?)ではハイポイドフェースギアで、古いハイポイドギアから交換するときは当然ながらローター軸とハンドル軸のギアセットで交換してね、となっている。古いハイポイドギアのほうはさすがに欠品になってるけどハイポイドフェースギアの方はまだ入手可能で、ギア摩耗してすら互換性のあるパーツ入手できて使い続けられるって改めて凄いな。しかも一つ前の3桁650ssからだ。
 出番は、男らしく20LBナイロンと3号PE鱈腹巻いたスプール用意して、ターポン様とナルトビエイという怪魚をやっつけるための遠征に持っていったけど、ゴメン6500ss実力発揮させてやれんくて、いまだボウズリール。2台ありゃ充分な丈夫なヤツなのでいつかコイツが似合うような獲物をモノにしたい。

 7500ssが似合う獲物は、長い時間が掛かったけど釣ることができた。使ってきた7500ssとこれまたJOSさんから引き継いだ3桁750ssは今後出番がなくても手放すつもりはない。ワシが死んだら誰か使ってくれ。
 ただ、もうこの大きさのリールを使うロウニンアジの釣りとかを今後やらないかというと、まあ体力的にできないかも知れないとは思うけど、それでも死ぬまでにもう一度だけクリスマス島に行ってコイツで力一杯の釣りをしてみたいと思う。
 思うのでとりあえずどちらも予備機も用意してある4台体制は維持しようかと思う。以前予備に買った7500ssjにハイポイドギアが入っててネット上ではssjにはハイポイドフェースギアが入っている的な情報があったのでなんだろね?とか書いたけど、多分ギア方式の変更とssj化は関係なくて、本国のほうで手間の掛かるハイポイドギアの在庫が切れてハイポイドフェースギアに移行した時期と、日本でラインローラーにベアリングが入ってないと売れねえジャンということで「ssj」を企画したのがたまたま同時期で、在庫のスピンフィッシャーにラインローラー周りだけ換装して日本で「ssj」として売ったので、もとの個体がハイポイドギアの残りの在庫だったヤツは我が家にきたヤツのようにハイボイドギアが入っているのだろう。
 ちなみに第4世代750ssmのギアは、逆転防止の方式が違うのでローター軸のギアは別物だけどハンドル軸のギアは7500ssの最後の方のハイポイドフェースギアと共通。第4世代は第3世代の後ろの方と陸続きな感じのするリールなんである。第4世代は近代的な設計になった第5世代と人気と実績の第3世代の狭間で短命に終わった不人気世代だけど、スピンフィッシャーの歴史を色濃く引き継いで生まれた良いリールだよと書いておきたい。

 でもって大型で1台ずつのをまとめて写真撮ってみた、706Zと8500ss。
 706Zはかなり気になる存在なので、このインスプールでベールアームレスという単純で古めかしくも質実剛健な感じのリールを使いこなすのは今後の課題の一つとして取り組んでいく所存。
 8500ssはゴメンナサイ。正直出番なさそう。持ってる大きさでコイツだけ使ったことがないし今後も使うことが想定されないリールで、魚を釣るために生まれてきた道具に対して申し訳ないけど、我がコレクション?の一つとして蔵に眠ってくれたまえ。買ったときは使うつもりでスペアスプールも入手したんだけどね。

 トリは漢のリール9500ss、と950ssm。
 もうちょっと体力戻したら、9500ssを持って磯にあがって”岸からのサメ”を狙ってみたいと思っている。
 950ssmで多分人生最大魚のクロトガリザメを釣ってるけど、やっぱり大型リールの逆転防止機構としてはラチェット式の方が確実性があって、不具合による突発的な逆転とかの事故の危険性が低いので”大物”釣るには第3世代の特別な大物専用機である9500ssを携えて磯に上がりたい。このリールで何か不足が生じたら、それはスピニングリールの限界であり、両軸受けのリールにお出まし願うという整理で、自分の中で最強のスピニングだという確信を持って使っていきたい。
 950ssmは殿堂入りで蔵に眠ってもらおう。


 スピンフィッシャー現時点で我が家に36台あり。
 「確かPENNだけで40台ぐらいあるとか書いてなかったっけ?」と突っ込みを入れた皆様、またナマジは嘘書いてやがったと思わないように。
 スピンフィッシャーだけがPENNじゃないでしょ。ってことでインターナショナルⅡ30SW、セネター2台、545GS、インターナショナル9752台でPENN社製のリールは我が家に42台転がってます。両軸はスピニング以上に丈夫なので、予備機とか不要かなと考えて既に545GSは1台ネットオークションで売り、インターナショナル975も丸ABUとかぶるし1台売ろうかなとかも検討しちょります。
 写真は両軸除いた36台格好良く並べようとしたけど、並ぶような台数じゃなかったので積んでみた。もっと大事に扱ったれよとお叱りを受けるかもだけど、わざと雑な感じに見えるように積みつつも丁寧に積み上げておりますのでご容赦を。よい子は真似しないでね。

 我が人生でスピンフィッシャーが不足することはなさそうであり、ホッと胸をなでおろしたところである。
 よしんば津波がきたりして全部持っていかれても、スピンフィッシャーなら中古の弾数多いし安いからまた買えば良いだけである。