2019年1月26日土曜日

金かかってりゃ良いってもんじゃねえと思うのさ

 常々、ゴチャゴチャと使いもしない機能がついてややこしくなっている「ウ○ンドウズ10」について、無駄な機能が邪魔で使いにくいと思っているのだけど、ここしばらく使っているタブレットパソコン「FIRE」はその逆で、できないことも多いけど単純で使いやすいと感じている。
 入っているオペレーティングシステム(OS)はスマートフォンに使われている「アンドロイド」系らしく、端的にいってスマホ並なんだろうけど、複雑なことはできないにしても、ウェブサイトをブラブラ覗いて、メールのやりとりして、動画見て、文字データの入力編集して、写真の整理してという、我ら情報弱者が普段据え置きのパソコンでやらせていただいているほとんどのことができる。
 今タブレットで私がやれていないことは「自炊」とサイトの作成更新作業(ブログはできてる)ぐらいで、自炊は今のスキャナーはタブレットも対応できるようだし、このFIRE用OSでウェブサイト製作できるソフトさえ見つけてくれば(きっと探せばあるよね?)、「次はリナックス勉強してリナックスマシン買うぞ」と思っていたけど、動画見るのに塩梅良いように大きめの画面のタブレットPC買えばスマホ感覚でサクサク簡単のPC環境が整ってしまいそうに思う。かつ、今使ってるFIREタブレットは少数派なのでウイルスやらの標的にもなっておらずセキュリティーソフトも必要ないようだ。面倒くせえ腐れウ○ンドウズともコレでやっと縁が切れるんじゃなかろうか?今のPCあと2,3年使う予定なのでそれまでに手を切る準備を進めたいところだ。

 なんでスピニングリールネタの枕にパソコンの話をしたかというと、面倒臭くごちゃついてしまった昨今のコンピューターソフトにおいて、意外に需要があるのが「シンプルバージョン」「クラッシック」「ダウングレード版」なんていう、余計な機能を取っ払ったソフトで、「一太郎Lite」なんていうのが使ったことあるソフトでは必要充分な感じで使いやすかったのを憶えている。
 そういうのと同じように、スピニングリールにおいても余計なモノが付いているなら取っ払うというPCの世界でいうところの「ダウングレーディング」のような改造が一つの方向性としてあり得るんじゃないかと思って実践してみたので、パソコンソフトとよく似てるなと思いつつ書き始めたところである。
 
 今回、改造したのは愛機スピンフィッシャー430ssg。この第4世代スピンフィッシャーの特徴を一言でいうなら”部品数少なく安あがり”だろうか。逆転防止機構を一方通行のベアリングに任せて逆転スイッチも省略、伝統のウォームギアを搭載しつつ、これでもかというぐらいに部品数減らして単純化し経費削減した設計になっている。
 金黒の外観と丈夫さはスピンフィッシャーの伝統でドラグも定評あるところ。何度も取り上げている全体的に私好みの小型リールなんだけど、やや気に入らないのはいつも書いてるように海水入りそうなラインローラーに錆びる心配のあるベアリングが入ってること、表面塗装に一部腐食が見られること、寒かったり油かが切れたりすると逆転防止が不安定になることの3点だけど、腐食は見た目だけの話だし、逆転防止は小型リールでは竿持った右手の人差し指でローター止めてしまえば何とかなるし逆転防止を一方通行のベアリング1ッコに任せているからこその単純さは、このリールの思い切り良さで美点だとおもうので、ラインローラーのベアリングだけなんとかならんかなと思って対策を考えてみた。

 方針簡単。ボールベアリング2個入ってるのを、滑りが良くて摩擦に強い丈夫な樹脂製のブッシュに交換してしまえば良いのである。こういう軸受けとか摩耗が想定される場所のスリーブやらブッシュにはジュラコンという樹脂が一般的に使われるようなので前回の「アクションM」の改造用のワッシャーと一緒に「モノタロウ」でぴったりのサイズがないかと探したところ、外形と厚みが7mm、2mmでぴったりで内径が欲しい4mmよりちょっと小さいのがあったので、50個もいらんがなと思いつつも数百円なのでスペアにもなるし別の用途も出てくるだろうとポチって入手。こうしてみるとベアリングもそんなに高価じゃないとはいってもやっぱり桁が違う。という感じで、わざわざ部品を安いのに換装するのである。でも樹脂製なら錆びるのは心配しないで済む。
 例によってハンドドリルのヤスリでドリドリと内径を広げて、外径がベアリングの填まってた穴にギチッと固定される大きさなので、今回穴の方で軸と滑らせる方針で気持ち大きめまで拡張。
 ジュラコン結構堅いのは一連の作業で身に染みたけど、アクションMの時より厚さ倍で2個加工したので時間かかった。奮闘のかいあって、中心もズレず上手く削れたようで無事填まってくれて、組み込んでリールオイル注して回転具合を見てみると問題なく滑らかに回っているようだ。実際に使ってみて糸ヨレ酷くなったりとかの問題が出ないか確かめていきたいけど、しばらく714Zを使う予定なので実戦導入はしばらく後になりそうではある。

 ついでに、10年も使ってるのでさすがに不具合出始めた所があって修繕してみた。
 本体に蓋を留めているネジの1本が、ネジの頭じゃなくてネジそのものが樹脂の穴を潰してしまったのか1本効かなくなってしまっていた。
 右の写真は第3世代4400ssのネジの雌ネジ部分を写しているんだけど、樹脂製の本体にネジを打つにあたって、雌ネジは樹脂に金属製のモノを埋め込んである。この方式だと雌ネジ自体が樹脂から抜けるという不具合は見たことあるけど、ネジ山自体は潰れにくく耐久性がある。
 しかし、第4世代の430ssgにおいては”経費削減”が重要な設計思想だった世代なので金属製雌ネジなんてわざわざ使わずに、樹脂に穴を直掘りしてネジをタップネジと呼ばれるネジ山の歯の大きなネジをつかう形にしている。
 10年持ったので耐久性に問題があったというわけじゃないんだろうけど、金属の雌ネジ方式よりは寿命が短かったようには思う。ちなみにこのリールはほとんど手間のかからないリールで逆転防止が油ぎれで効かなくなったのが何回かあった他は特に開けて整備もしなくてラインローラーとハンドルノブへの注油ぐらいしかしてこなかったので、マメに分解清掃する人ならもっと早くネジ穴潰すかも知れない。
 PENNって毎釣行ごとに分解清掃必要な印象があるかもしれないけど、ワシ調子悪くならなければ分解なんてせんけど特に不具合起きてない。毎回水没させるような深く立ち込む釣り人でもなきゃ適当に扱っても大丈夫。

 穴も広がってしまったことだし、金属製の雌ネジを探してきて埋め込むかと調べてみたら、金属のバネ状の雌ネジを押し込んでネジ穴を再建する「リコイル」というのが簡単そうなので、専用工具と共に早速取り寄せて使ってみた。
 通常、アルミとかの柔らかめの金属に使うようで、その場合は接着剤もナニも必要なく穴削ってグリグリ突っ込んで完了という工程のようで、最初その方式で行ったら、穴が既にタップネジの大きな歯で広げられているせいか、引っかからずにリコイルごと抜けてしまってネジが留まらない。
 リコイル自体は伸び縮みするバネなのでネジ山のピッチに合わせて変形するので、それならと元々のタップネジをリコイル突っ込んだ上でねじ込んだら、今度は効いたかなという感触だったけどネジ抜いてみたら真ん中写真のようにリコイルごと抜けてきてかつすぐにユルくなって塩梅悪い。
 仕方ないので、リコイル埋め込むときにエポキシ接着剤ベットリと塗って穴を狭くしつつ固定してからタップネジじゃない方のネジで留めたら今のところきちんと締まって蓋が固定できている。
 しばらくコレで持ちそうだけど、コレでも抜けたりユルくなってきたらネジとリコイルの太さをもう一段上げて対応とかするのだろう。
 
 同じリール3台確保しているので、修繕した個体があと5年持ってくれれば15年使えたことになるから、残りの2台で30年持つ計算になるので35年経ったらそろそろお迎え来てるだろうからちょうど良い感じである。
 430ssgは正直言ってそれほどデキの良いリールじゃない。4300ssの方が完成度が高く耐久性も良いと思う。でも気がつけば10年にわたって気持ちよく使えていて、時に調子悪かったりもあるけど所詮完璧なモノなんてないんだし、長いつきあいになっている分の愛着は確実にあって、直せるところは直しながらずっと使い続けていきたい。
 このリールの一番良い点は、釣り場でまずリールが他人のと”かぶらない”という点だと思う。個性重要。なにしろ正規には国内に入ってきてないはずの大きさなのでネットオークションでも見かけないし、ネット上の評判もうち意外ではあんまり見たことがない。っていうか今ググってみたら「やっぱり」という感じの全国のPENN使いなお歴々が一応入手されてはいるようで笑えた。

 でも主力機として使いこんでるってのはワシぐらいで、ワシ日本一の430ssg使いかもしれんと密かに誇らしく思うのである。ネットで公開しておいて密かにもクソもねぇんだけどナ。

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