2024年1月20日土曜日

すぐそこにある死

  人間なんてちょっとしたことで死ぬ。交通事故で死ぬし病気でも死ぬ。そういうのに気をつけていても災害が起きたら死ぬ。準備して気をつけてたところで結局は運が良ければ助かる程度でしかないと、震災や土石流やらのたびに痛感させられる。寝てたら家ごとグシャっとやられたらどないせぇっちゅう話で死ぬしかないわな。能登半島中心とした北陸の震災ではそのことを改めて思い知らされている。

 まあでも準備して”そなえよつねに”でちょっとでも生き残る確率上げておくべきではあるんだろう。次回津波注意報とか出たら愛猫を連れて避難所まで練習のつもりで行ってみよう。わが家には神棚があるんだけど”神仏は尊んで頼らず”って昔の剣豪も言ってたのにならってワシ神には頼らんつもりなので、神棚には非常用持ち出しのリュックを載せている。神に頼るより現実的だろう。いざというとき失敗したらそれこそ命取りなので練習しておいて然るべき。

 で、冒頭写真の救命胴衣とベルトポーチタイプの救命浮輪たちだけど、もう10年から買い換えてなくてボンベ交換もしていないので、年末Y君に「古いのを膨らむか試したら膨らみませんでしたよ」と買い換えの必要性を説明してもらったので、さすがに買い替え時だなと、とりあえず救命胴衣は左端の新しいの買って、右の腰に付けてる浮き輪が出てくるポーチはお気に召す小型のがみつからなかったので炭酸ガスボンベの交換で対応することにした。

 まずは浮き輪のガスボンベの交換だけど、トリセツ読んでガックリ。

 「ガスボンベは使用しない限り期限はございません」だそうな。どうも自動膨張式のだと、濡れたらハリが紙の部品を突き破ってガスが吹き出すようになってるけど、その装置が劣化したりするようで定期的な交換が必要なようだ。もちろん雨の日に釣りに行くワシが濡れたら膨らんでしまうような自動膨張式の救命具は使わんので、ボンベ交換とか必要ないようだ。クソッはやまったか?と思ったけど意外にそうでもないことがこの後判明していく。

 とりあえず買ったし新しい方が良いだろうということで浮き輪のボンベは交換したんだけど、そうなるボンベが1つ余る。せっかくなので古い救命胴衣は一回実際に膨らましてみるかということで、試しに紐引っ張ってみた。モデル不肖ナマジ、仗助を意識してポーズとってみたけど挨拶してるようにしか見えんな。左使用前、右使用後。

 シューッという音がして、ちゃんとガス出るじゃんと思ったんだけど、最初ボンベの入ってる右側が膨らみ始めて、全体が展開していくんだろうなと思ってたら、シューゥ・・プスッて感じで終わってしまう。ありゃやっぱりガス抜けてたのか?期限無いとか嘘こきやがって、って思ったけど実際に落水した時にもこの時点で慌てる必要はないと思ってて、長時間漂流中に抜けてきた空気を入れるための吹き口があるハズでそれを咥えて膨らましゃいいだろうと吹き口の筒をボンベと反対側に収納されているはずなので探すけど無い。ナンボ安モンでもそれがないってことはないだろ?と膨らむべき部分もおっぴろげてあれこれ調べてみて驚愕の事実が判明。

 なんと吹き口の筒が根元から剥がれ落ちて無くなっている。丸い穴のところに接続されていて、その下の汚れてすすけてるところに筒が収まってたんだろうけど、どっかで落としたのかいつ落としたのか、影も形も無い。

 あっぶねぇ!これウェーダー履いて立ち込みするときに使ってた救命胴衣で、まあワシ立ち込むっていっても膝下ぐらいまでしかしないので、冷静に浅い方に移動していけば腕立て伏せして息吸えるようにはなるだろうけど、コケてウェーダーに空気が入って足が浮いて底につけられない状態で、余裕こいて紐引っ張ったらば膨らまずでパニくったら膝下水深で死んでてもおかしくない。ゾッとして背筋冷えた。死に神が鎌かまえて、はよコケないか待ってたんとちゃうか?

 ボンベが無期限で生きてても胴衣自体が経年劣化でダメになる場合があるんだと、定期的な買い換えが推奨されている理由に得心がいった。正直メーカーサイドが売りたいから言ってるだけで、買い換えんでも腐るもんじゃないし大丈夫だろうと油断しまくってた。そのへんちゃんと説明してくれよって話で超重要な話なので恥を忍んでアホ面晒して皆様に情報共有させていただくしだいである。

 こうなると、同じように長期使用の浮き輪の方も怪しい。でも試しにボンベ使うとボンベ1本2千円からするので、何度も使える手じゃないので「こういうときこそ吹き口から吹いて膨らまそう」って思いついて膨らましてみた。

 こちらは問題無く膨らんでくれて現役続行決定。ロゴが消えるぐらい使ってるけど丈夫にできてる。コイツは安モンじゃなくてパズデザインの良いヤツで、ブランドへの信頼を裏切らない上等の品質だと褒めてつかわす。口で吹いて膨らませるのは何度でもタダでできるので定期的にやっておきたい。わが家ではシーバスシーズン始めにはやるとして、他に正月恒例行事にしようかと思う。畳んで収納するのに苦労するかと思ったけど折り目付いてるしそんなに難しくなかった。空気抜くのも吹き口は逆流防止弁付いてるけど筒に棒突っ込んで突起を押してやると抜ける。

 っていうことで、救命胴衣の点検、適宜買い換えはメッチャ重要で、「ボンベが生きていてもガワが経年劣化でダメになっていく」っていうのと「点検は口で吹いて試せばボンベ消費しなくてもタダで可能」っていうのは、今回気付いた重要な事項なので皆様今日は憶えて帰ってください。安全第一で楽しい釣りを、今日も元気に無事故が土産。ってことでよろしくお願いします。

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