2021年9月25日土曜日

実弾補充の名のもとに

  戦に勝つには兵站が重要で、弾がなければ戦えない。第二次世界大戦では伸びに伸びまくった物資輸送経路をぶった切られて、天国のような南太平洋の島々で、我々のご先祖達は地獄のような酷い目に遭ったっていうのは知っておいた方が良いように思う。

 秋のシーバス戦線がショボショボと開幕し、それが終わればフライでカマス釣りつつも大っきなルア-をブン投げて青物狙う時期がすぐにやってくる。兵站ゆめゆめおろそかにすべからずと、日々ネットの海をさまよって出物を探してポチポチと、我が戦略的重要物資から、思わず手が滑って滑らかにポチってしまったどこで使うか良くわからん蔵の不良在庫まで、実弾?的ルア-を着々と弾ごめしているところである。まああれだ、要するにそういう悪い病気がどうも最近悪化してて、”生け簀”こと近所漁港では必需品の水くみバケツをようよう買い換えたぐらいのケチ臭い経費運用をしているのに、使うアテもないルア-やら、既に充分な備蓄があるものまで「釣り具との出会いは一期一会、次買おうなんて思っても次には売ってない!迷ったら買っておけ」という心の中の悪魔的ななにかの囁きにそそのかされて、日々ポチポチとヤ○オクやらメ○カリやらで手を滑らせてしまっている。マウスの滑りが良すぎるンと違うか?と責任なすりつけたところで、全部アタイが悪いのッ!っていうのは明白。

 この地でのシーバス狙いの我が1軍登録選手としては、ワンダースリム70/90、コモモスリム95、海爆リップレス、ザラパピー、ダルトンスペシャルあたりに加えてN川流れ込み専用にホットNぐらいがあれば良く、まあ魚釣るためだけならこのへんだけでも充分間に合う。というわけでこのあたりは常時安い弾があったら補給しつつ、塗装が剥げたら塗り直したりして使っている。冒頭写真はそういった塗り直し組で、黄色に後部シロの”紀伊色”にいろんなルア-を塗ってみたところ。左側の前が蛍光黄色のシンペン達は上2個が海爆リップレス、下3個がワンダースリム70、右側の前がレモンイエローのペンキにドボンと尻尾持って浸けたルア-達は、ボロくて安いので確保して色が気に入らないので塗り直したヤツラで、上4つはハトリーズ関連でシャッティー2個、スーパーミスティーF1個、ステッキーJr2が1個、その下がウンデッドザラスプークにダルトンスペシャルとザラパピー。ハトリーズ関連は”お楽しみ用”でハトリーズっぽく隈取りも描いてみた。ウンザラはガン玉しこたまぶち込んで遠投仕様にしてたのを弾全部抜いてノンラトルにしてついでに色が気に入らなかったので塗り直してみた。

 当地では、シーバスにせよメッキにせよ派手な黄色系は反応が良いので、自分で色塗るときは白を下地に塗って、ドボンとあるいはペタペタと後部を残して黄色く塗ってしまうのが簡単でいい。中古のルアー買うときに塗り直せば良いと思うと、ボロくても気に入らない色でも安ければ買っておけばよくなるので、マウスが滑りやすくなるというのはあるかもしれないけど、反省はしない。

 青物関連では、補充に苦労しそうでいっそ自作してしまおうかと思ってた大型の”スプラッシャー”であるザウルスポップトプススイマー18センチが3本手に入ってしまって、青物狙いはなかなかアタリすら取れないのにルア-がそうそう減っていくモノではないので、今持ってる2本とあわせて5本あれば当面間に合いそうになって来た。まあルア-製作はそれ自体が楽しみでもあるので暇があれば作るつもりで端材は用意してあるけど、優先順位は下がったのかもしれない。

 うち2本は、口の部分をポッパーっぽく発泡樹脂素材を削って改造してあり、そのせいもあってか格安で手に入った。水がらみ良くするための改造とのことだったけど、中古ルア-って改造してあると中古釣具屋でも持ってけドロボー価格が付けられてたりするけど、改造の意図が理解できて悪くなさそうなら、むしろそういう他人の工夫は参考になるのでありがたく安値で買わせてもらうことにしている。オリジナルは大人しめの飛沫であまり首振りせず水面に躍り上がる動きがメインだったけど、飛沫は派手になるとして動きはどうなるのか、時期が来たら実戦投入して試してみたい。試して気に入らなかったらバルサで埋めるかプラ板で蓋でもして”原状回復”すれば良いだけだろう。

 ってあたりまでは、実弾補充で必要経費と割り切れるんだけど、BOONEのスピナーナが現役選手だと知って、これは買いだなと根拠はないけど自信があるので買い増しした。

 動きはとっても良いのよ。細かい動きでたまに不規則につんのめるような動きが混ざって、シーバスに効きそうな動き。

 でも、ちょっと潜りすぎる。狙ってるところが浅いことも多いし、シーバスは水面直下で食わせるぐらいを意識してるので狙いたい水深よりチョイ棚が深い。こういうトローリングプラグなのかダーターなのか、リップレスのプラグって意外に潜ってくもので、試しにダーターの「ミッジオレノ」投げてみたら水面系でチョンチョンでなくダラーッと巻いてくると結構潜る。

 こんなもん、細身のリップレスミノーはコモモを始祖とする日本独特のものかもだけど、コレまでのルア-の歴史の中でリップレスの潜らないダーター系っていうぐらいならあるだろう、って探してみたら、ペラが付いてるけどギルモアの「ホッドラー」とバグリーの「リトルジョン」は頭の角度からいって潜らないんじゃないかという気がしたので、ホッドラーは安い弾がなかったので、リトルジョンの方でマウスを滑らせてみた。6センチ位で小さくセイゴ狙いつつフッコ、スズキを待つ作戦にも良さそうな大きさで、あとは動きと潜行深度がどんなもんか、釣り場で投げてみたい。

 てな感じで、アレコレルア-探してると変なモノが目に付いたりして、反射食い的にマウスが滑ってポチッとしてしまっていたりする。全く困ったモノである。

 左の二つはどちらも、売りに出してる人がなんなのか分かっておらず、値段も安かった。まあなんなのか分かっても高い金だして買うような代物じゃないけどね。

上はギブスの「キャスティングスイマー」の11センチぐらいの小さめの。これもダーターと言えばダーターか?動きもダーターぽい感じだった。ストライパー用だろうからワイヤー貫通で丈夫にできてるので、コイツが輝く場所があるような気もするけど、それがどういった場面なのかワシには今のところ分からない。とりあえず蔵の肥やしだな。

 下は「ラパラかな?」ということで売られてたけど、確かにスキッタープロップとかと形が似てるし木製というのも近いけど、これフレッドアーボガスト製です。「スヌーカー」って言って、コイツは単純な色だけどスヌークっていう魚っぽく1本線が入る塗装が多かった気がする。ペラ付き版があるのはお約束だけど、リップ付けたミノーとかもあって、同じ形で色んなタイプに展開してくのはアメルアのお約束だなと思ったりしました。まあマイナールア-ですね。動きはまだ試してないけどレッドペッパーっぽい縦浮き系だとかいう情報あり。使うアテはない。

 という感じで、実弾補充といいつつも、余計な散財を繰り返す悪癖というか、症状というか、いつもながらの物欲にまみれた感じで行ってみました”ルア-図鑑うすしお味”第48弾でございました。

2021年9月18日土曜日

台風による被害(ちょっとだけ)

  台風進路が、紀伊半島輪切りコースになって来て、ドシャメシャに降りまくってる昨夜、雨音に愛猫と怯えつつも22時過ぎにオシッコ済まして寝るかとトイレに向かうと、釣り部屋にボタボタッと音を立てて、今まさに”雨漏り始めました”という感じで天上から水滴がしたたり落ちてきていた。

 古い家なので、屋根の樋の防水やら釘穴のコーキングが劣化して浸水してたカ所も何カ所もあって、1箇所ややこしいところは大工さんにやってもらいつつ、その他4箇所は自分で漏れてる原因箇所を特定して何とか対応してきたところだが、古くなったウェーダーが漏れるの修理しても全体的に劣化してるので、また別のところから漏れるのと似た感じで、直しても直しても我が暮らし楽にならざり、じっと天井を見る。って感じでキリがない。どっかで業者さんに入ってもらって、いい加減劣化して脆くなった屋根のスレート瓦を吹き替えてもらうとかしないと、キリがないなと言う気もしてきた。

 とはいえ、今現在漏れているという事実には当面対応せねばならず、漏れているその雨が降っているうちに、水漏れ原因カ所のアタリを付けておきたく、安らかな寝床の誘惑を断ち切って、脚立とマスクとヘッドランプと釘抜きとノコギリと、ちりとりと箒で武装して、天井板をぶち抜いて、濡れているカ所の確認と水漏れ原因箇所の特定を試みた。しかしながら、内側から覗き上げた感じでは、横組みの柱の広い範囲が濡れてそこから水滴がしたたっているのは確認できるけど、どこから漏れてるのか原因特定するにはいたらなかった。とりあえず雨漏りはバケツで受けておくしかなかろうて。

 晴れて乾燥したら、屋根の上に上って濡れていたカ所の上を中心に、風雨でスレート瓦が割れたり剥げたりしていないか、確認せねばならない。爺さん、屋根に上るのもヨイヨイで足下おぼつかなくておっかないのと、スレート瓦自体が劣化して点検のために上がることで割れたりするので、直しに上がってるのか壊しに上がってるのかわからん部分もこれあり、気が進まない厄介な作業だ。とはいえやっておかないと、場所が特定できてコーキング材で穴を塞げば当面間に合うような簡単な話なのか、あるいは広い範囲でスレート瓦がめくれてたりして、グラスファイバーシートを樹脂でかためて屋根の一部をFRP(繊維強化樹脂)で覆ってしまうか、あるいは手に負えそうにないので業者さんに相談だ!なのか見切りができない。

 台風紀伊半島の真上に来たら雨止んで、晴れ間が出て「あぁこりゃ”目”に入ったのか」と思ってたら、その後吹き返したりはせず晴れ上がって今は良い天気で、しばらく天気は晴れが続きそうなので急がずボチボチ次の大雨までに間に合わせよう。

 てな感じに晴れてきて、釣りにも行かないと食糧がないんだけど、さすがにこれだけ時化ると1日2日は港のアジは底荒れの影響でイマイチだろう。逆に川の増水・濁りは確実に出てるはずで、今日明日どっちかシーバス狙いに行くタイミングを計りたいところ。


 っていう話題と全く関係ない冒頭写真のリールについて、いつものことではありますが説明させてください。よろしくお願いします。

 コイツは「PENN77(シーホーク)」というリールで、見ての通りの両軸なんですが、実はクラッチ切ったらスプールだけが回転するようになる”フリースプール”のリールじゃなくて、スプールが回るときっ、ハンドルも回るんですぅっ!っていう形式のいわゆる「ダイレクトリール」であります。

 ダイレクトリールはツーテンの虎ファンさんがコレクターでゴチャゴチャとあつめて使って楽しんでおられたのを記憶しておりますが、そのおこぼれでいただいたダイレクトリールの時代に使われてたであろうゴツ短いグラスソリッドの竿が我が家の蔵に眠っていて、そのうち機会があればダイレクトリールは、単純な機械ゆえそれ程お値段高くないので1台手に入れて遊んでみるのも悪くないなと、おもっちょったんですが、まあ優先度合いは高くなく、PENNの創業者は独逸系移民でリール製造についてオーシャンシティ社で修行をつけてもらったような話も聞いてたので、オーシャンシティのダイレクトリールで安いのがあればそのうち買おうかなと思ってたら、なんとPENNそのものがダイレクトリールを作ってたとは、PENNマニアとしては恥ずかしいことにコレまで知りませんでした。値段も2500円即決送料込みなので、屋根も直さなあかんのに無駄遣いしくさってという気もするけど、言い訳するならまだ雨漏りする以前の話で、いつものように流れる様にポチッと購入しておりました。

 でもって、我が家にやってきて早速分解清掃なんだけど、分解って程もなくハンドルとサイドカバー外したらほぼ分解終了(右上写真)。

 なにしろ、クラッチはない、ドラグはない、遠心ブレーキなんてもってのほか、付いているモノといえば、クリックブレーキ(左の写真の真ん中)と、多分1:3ぐらいに増速するためにギアが2枚(左写真一番下)ってのが、クリックブレーキのフライリールよりは部品多いところかなと思うんだけど、両軸リールとしてスプールの軸を受けてるのが、サイドプレートの樹脂に直接掘った穴っていうのは、大丈夫なのPENNさん?って不安になる構造。もちろんそんな状態なので、スプール軸を両側から挟み付けるメカニカルブレーキなんていうのも付いていない。

 クリックブレーキがかなりキツ目に効くので、魚が掛かってハンドルから手を離してもドラグ掛かりながらライン引き出すぐらいのラインへの圧はかかるんだろうけど、基本的には、ハンドル握っておいて手で止めろ、それが間にあわんぐらいのときは、根性で親指でスプール押さえて”サミング”でブレーキ掛けろ!ってコトなんだろう。キャスティングにおいてはハンドルがグルグル回ること自体がブレーキだけど、そもそも軽やかな回転など望むべくもなく、重いルア-なら多少投げられるだろうけど、その際にもブレーキはこれまたサミングしかない。

 なんという単純で漢らしいリールだろうか。なかなかに感動的である。デカめのルア-でコレでシーバス釣ったろかとかも一瞬考えたけど、さすがにワシ近距離特化型のシーバスマンだといってもコイツの飛距離でデカいルア-縛りでは難易度が高すぎてたぶん無理。パーツクリーナーで洗浄してオイル注し直したら多少回転は良くなったけど、ルア-キャスティングに投入するにはちょっと要求される技術力・総合力が高すぎる感じで、いまのところ断念せざるを得ない。

 しかしながら、この単純な道具で良い魚とやりとりできたら、マニュアルの車を乗りこなしてドライブを楽しむような喜びがあるんじゃなかろうか。というわけでとりあえずいただきもののゴツいグラスソリッドのキャスティングロッドに付けてみた。なにげにヘドンの竿。

 ちょっとピンとくるモノがあった、グラスソリッドの短竿にギア比の低い、つまり巻き取り力の強いダイレクトリール。これで足下にアジの活き餌を泳がせてクエとかハタとかの良型根魚を狙ったら面白いんじゃなかろうか。

 近所漁港はなんでも釣れる釣り場なんだけど、60ぐらいのクエを釣ってるチヌ釣りの人も見たし、4,50のマハタを釣ってるガシ(カサゴ)狙いの少年も見ている。30,40のオオモンハタでも充分な獲物だろう。20,30のガシでもオカズにゃ充分。そのぐらいの良い根魚の突っ込みをグイッとソリッドグラスで受け止めて、ろくなブレーキも付いてないようなダイレクトリールのハンドル握りしめて、まさに直撃的とでもいうようなやりとりを楽しむ。なんなら左手に革手袋はめて、サミングで魚を止めても良いかもしれない。っていうのを想定してハンドルは右で巻くのが良いか、左で巻くのが良いかとか、竿尻の置き所はとかアレコレやってみると、低速ギアの力強い巻きを生かすには右手巻きが良さそうで、竿尻を左脇に挟んでリールを左手でガシッと掴んでやりとりするのが力が掛けやすそうで良い感じ。ただ、そうなると、この竿だとちょっと竿のグリップが短い。まあソリッドグラスのブランクは1本蔵に転がってたはずなので、折れたジギングロッドのグリップで脇に挟むのにちょうど良い長さのもあるし、1本「PENN77」用に竿を仕立ててみよう。

 とりあえず、雨漏りの修理は急務だし、費用も最悪結構掛かるかもなので釣り具ばっかり買ってられないけど、ダイレクトリールで岸壁良型根魚を泳がせで狙う、っていうのはちょっと挑戦してみたい。いつになることやら、どうなることやら。

2021年9月12日日曜日

説明責任

  もう説明する必要もないのではないかと思ったり思わなかったりしますが、まあ見てのとおり、またリール買ってしまってます。

 一応、お約束でございますので説明させて下さい。

 一回でも興味持ってしまうとダメね。ドイツのリールはダムね。ということでなんかインスプールの古いリールなのに左右のハンドル付け替えができて、噂によるとギアごと引っこ抜いて左右交換だとかいう独特の方式らしいので、前回紹介した110Nは左専用機だったので、噂の左右交換方式はどんなもんか一回見てみたいと、つい思ってしまったんです。反省してま~す。

 ついでに、海外ネットオークション代行業はどんなもんかと試してみることにして、アメリカから取り寄せました。まあ、初回ボーナス1000円とかクーポン使っても米国内送料と手数料が直接出品者とやりとりする場合より余分にかかるので割高感は否めず。ダム社「クイック110」約8500円となり、国際送料3000円弱は他のモノも取り寄せたので金額的に半分だとしても最終的に1万円程度にはなって、まったく安くはございませんでした。他に買ったのは細々としたPENNの部品で、PENNのリール本体はさすが本国だけあって人気が高く日本で中古買い占めて米国に個人で輸出した方が良さそうなぐらいの勢い。やっぱり米国でも小型の機種は人気なのか即決価格だと2万円越えるような強気の値付けが当たり前のようだ。部品も割高だったけど、ミスティックさんにも在庫ないような諦めてた部品が売ってたので、合計すると日本で中古のそこそこの個体が買えてしまいそうな値段になってしまった。けど、まあ今回は勉強兼ねてなので良しとしておこう。

 でもって、冒頭写真左のダムクイック110、約1万円で買ったけど売れば程度は良い綺麗な個体なので1万5千円近くいくだろうから手間賃ぐらい取れるかなと、狸の皮算用してたんだけど、最近のネットオークションでダムクイックの小型機種の落札価格をみてガックリ来た。程度にもよりけりだけど1万円しないことも多くて、ボロいと5千円ぐらいとか、それワシが買いたかった!ってぐらいで値段が以前よりだいぶ落ちている。

 これ、ダムに限った話じゃなくて、大森も最近値段下げてきてて、一時期5万円とかしてたらしい超人気だったコメットが1万5千円でネットフリーマーケットに出てて、すぐ売れてしまうだろうと眺めてたら、なかなか売れなくてとうとう値下げして最終的に1万円そこらでやっと売れていた。それを見てちょっと寂しいような気がしてたら、シール剥がれ個体だけど7000円ポッキリというのが出てて、これは正直買いたかったけど、さすがに速攻で売れてしまってた。ペンはもともとそれ程値段付かないのであんまり値段変わってないけど、ABUも横目で眺めてると安くなってるようで、一時期弾がなくなってたカーディナルC3とかも安くはないけど売りに出ている。C4は5千円も出せば買えそうになってて在庫1台かかえてる身としてはトホホな気分である。まあ値段が下がったからといって、大森のコメットやらABUのC4やらの性能が落ちていくわけじゃないので、中古市場の値段の上下は気にせず、使う分にはどうでも良いことと割り切って売らずに使っておけって話なのかもしれない。ダムクイックもちょっと使ってみたいところ。独逸本国よりも米国の方が弾数多いぐらいで米国人が評価してるんなら良いリールなんじゃないかと思うけど、ラインローラー固定式ってのがワシャ未経験で、固定式でも問題ないっていう意見も、回らんとやっぱダメって意見もどちらも目にするので、多分これ個人の相性的なものもあるんだろうなと思うので使ってみんことには分からんのだろうな。

 大森スピニングもいくつか売る予定にしていた弾があるんだけど、落札相場みると、こんな値段なら持ってた方がマシかなと言う気もするので売りに出すのが滞ってる。景気悪いとはいえ釣りは密にならずに遊べる趣味と言うことでコロナ禍では人気の遊びになってるので、中古市場も盛り上がってくれると在庫過多な人間としてはありがたいんだけど、まあ昨日今日始めた人間が、いきなり大森とかPENNとか、ましてやD・A・Mとか買わんよな。って考えるとワシ好みのマニアックな中古釣り具が安くなってる今は買いだめしておくのが将来的に銭の花を咲かせる仕込みになるのではないかと、アホなことを思いつつ、将来的にも全く値段が上がると思えない大森の不人気傑作マイクロセブンCシリーズの「C1」3台目だけど、3千5百円で出てたので即確保。冒頭写真の右側でございます。

 これで我が家のリールは基準値の90台を大きく越えて大台の100台になりました。うち不人気傑作マイクロセブンCシリーズはシェクスピア版も入れて8台と大所帯になってきております。どないするねん?まあ、売れもせんし使うしかないだろうということで、現在黄色いグラスのグニャ竿「マイクロライトグラス76UL」はPENN430ssgと組ませているんだけど、ssgは冬になるとグリスシーリングした一方通行のベアリングがグリスが堅くなって上手く機能しなくなったりするので、冬場は「C1」に任せることにしよう。あぁそうしよう。

 でもって、そのグラスのグニャ竿なんだけど、とっても塩梅がよろしい。定価で2000円ぐらいの安竿だけど、ものすごく使える。メッキ釣ってて竿曲がって楽しいのに”歳無し”のチヌやら50上のフッコやらが来てもちゃんとバットでためてリフティングパワー発生させることができる。やっぱ米国人は釣り道具の良し悪しが良く分かってる。見た目は正直トホホだしガイドだって安物のセラミック製だけど、使えば魚釣るのに困らない。釣り味も最高で超優秀。ってことで追加で予備竿確保。バスプロショップスで20ドルだかの竿1本に3千円からの送料かけて買いました。こういうときついでにもう一本買って送料割安にしてしまおうとすると、竿が増えてどうしようもなくなるので、グッと我慢して1本だけ買いました。竿の方はコレ買ったので1本超過してしまってるけど、だいぶ売りさばいて基準値の110本に収まっておりました。また1本売らねばだ州。竿はこれで当面使う分と予備、とりあえず使うかも知れんので確保してあるやつで、今後死ぬまでイケそうな気がしているので、もうあんまり買うモノがない。折れたら補充ぐらいで良いような気がしていて心穏やかである。

 心穏やかでない分野がもう一つ。ルア-がまた変な方向にスイッチが入ってしまってて、例のサンダンスポッパーの時にBOONE社がいまだにスピナーナ、キャスターナを作ってるってコトは、これなにげに釣れるんじゃないか?と買い足ししたり、米国塩水系ルアーメーカーが気になったりしてギブスのルア-買い増ししてみたり。ってな症状が出ておりますが、いかんせん我が国では不人気ゆえ、中古市場に出れば格安で入手可能なんだけど、あんまり出てこない。探してると関係ない変なルア-買ってしまったりもしてろくなことがない。ということで売ってなければ作るしかないなという機運が盛り上がってきてて、とりあえず目先のシーバス用のルア-をでっち上げたりしつつ、青物用のルア-も作ろうかなとかなんとか、考えてるだけで楽しくなっちゃうのよね。

 って感じで、ルア-製作の成果物とか、ダムクイック110のハンドル左右付け替えの作業工程とか、またそのうちネタにする予定なのでお楽しみに。

2021年9月4日土曜日

新型コロナウィルスの影に隠れて


 デンデデンデデンデドンドン♪デンデデンデデンデドンドン♪パーパーパパパーパパパッパー♪パーパーパパパーパパパッパー♪(エヴァの「使徒です!」の後とかにかかる曲のつもりだけど、これで楽曲使用料取れるってんなら、来てみやがれカスラック!)

 

 ってなおちゃらけた枕で始まっておりますが、割と深刻な内容だったりします。

 夜半の来訪者にいぶかりながらドアを開けたら、憎からず思ってた女性が立っていて「来ちゃった」なんて言われたなら、脳内でみんなに「おめでとう」って祝福されるTV版最終回状態で喜ばしい限りだが、「エキノコックス来ちゃった」はちょっとまずい。だいぶよろしくない。

 ニュースで見た人も多いだろうけど、北海道では「キタキツネは可愛いけど触っちゃダメ!絶対!!エキノコックス」でお馴染みの寄生虫、エキノコックス(多包性のほう)が本州上陸。ただ、本州上陸自体は、ある程度予想されていて目黒寄生虫館の館長さんだったか「笑う回虫」の藤田先生だったかが著書で青函トンネルができたときに寄生虫学者の間では「これでエキノコックスは本州に来るな」と話題になったと書いていたように思う。

 なんで青函トンネル開通でエキノコックスがやってくるかというと、キタキツネがトンネル通ってブラキストン線越えてやってくるってわけじゃなくて、中間宿主であるネズミが料金も払わず通ってくるだろうって話で、まあネズミが中間宿主って時点で、フェリーでもトラックでも乗ってどこにでも行けるだろうって話で、世界的に物流させまくって人も動きまくる今の世の中が、いかに病原生物(ウイルスは定義によっては生物じゃないかもだけど)にとって都合良く分布を広げられる状態かというのは、今回のコロナ禍でまざまざと思い知らされているところだけど、実際に起こってみるまでは、そういうパンデミックをネタにしたSF物語やら科学者の警鐘やらを目にしてても正直ピンときてなかった。けど、外来種問題でも何度も書いたように、良いモノ、有益なモノを迎え入れるならば、一緒に悪いモノ、有害なモノもやってくるのは防ぎようがない。っていうのは改めて覚悟しなければならないところだろう。あんまり欲をかかずに地産地消で持続可能な活動をっていうのは防疫、侵略的外来種対策でも有益なんだろうけど、ワシ食いモノぐらいなるべく地産地消をと考えてるけど、まあ小麦製品と大豆製品がなかなか国産100%っていかないところからして難しく、ましてや衣料品や生活雑貨は輸入原料がなければ、裸で途方に暮れてしまうだろう。あと田舎だと実店舗が限られるのでア○ゾン様がなくても結構詰む。

 っていうことを考えると、今後も国際物流がなくなるわきゃないし、コロナ禍収まってもまたぞろ新しい禍はやってくるだろうし、「新しい生活様式」とかは実践しつつも、その都度場当たり的に対応していくしかないんだろうなとは想像にかたくない。起こった事象について後からとやかく評論家的に批評するのは簡単だしよく見かけるけど実に見苦しいものであり、実際にことが起こるまでは物事は何が起こるか分からないもので、特に生物の挙動はまったく予想できないと思ってた方がいいぐらいで、予想できるってンなら魚釣るのにこんなに苦労してないって話。なにしろ今回のエキノコックス本州上陸も、予想されていた青森ではなくて愛知県知多半島の野犬から相次いで発見されているという「なんでやねん?」という突っ込みどころ満載の不思議な状況が生じている。

 あえて見苦しく後出しジャンケンで批評家的に書かせてもらえれば、これだけ物流が盛んな時代に、ネズミなんていう荷物の隙間に隠れてどこでも移動できるような生物を媒体とするならば、どこに現れてもおかしくなかったっていうことだといえるし、犬も狐と同じように終宿主になり得るようなので知らずに宿主になってた犬を連れて北海道から知多半島に引っ越してきたなんてのも可能性としては否定できない。人は本来の宿主ではないので人の体内でエキノコックスが成体になって卵を産んで増えることはできないようなので、人が媒介した可能性は無いと考えられる。っていうあたりの事実確認をしようとしてネット検索したら「国立感染症研究所」のサイトが詳しくて、なんと既に青森上陸済みの疑いは濃かったようで、ネットニュースの「エキノコックス本州上陸」っていう禍々しい見出しは、害は無く注意喚起・啓発的には有益だと思うけど不正確な情報だったと判明。青森上陸を予見してた寄生虫学者たちはさすが専門家エラい!

 で、こういう病原生物のヤバさって、「発症した場合の病状の重さ」と「罹患しやすさ」の二つの指標で評価すべきで、ナンボ致死率高くても例えばエボラ出血熱が感染するとすぐに発症して死ぬので感染が広がって行きにくいっていうように、罹患しにくいので流行地の他ではどこか遠いところの対岸の火事で済んでいるって感じで流行地以外ではヤバくはない。逆に感染力そこそこ強くても症状軽くて済む水虫(白癬菌)とか、まあかかると痒いけどたいしてヤバくない。薬局に効く薬も売ってるしな。飛沫感染して最悪死ぬこともあるけど、インフルエンザウイルスは人類と付き合い長いこともあって特別恐ろしいという印象は既にない。同じように飛沫感染型で死ぬこともある新型コロナウイルスは、まだ人類と付き合いが短いのでワクチンとかの用意も最初はなかったし免疫も持ってないしとかの要因もあったんだろうけど、インフルエンザが激減するぐらいの感染症対策を取っても感染拡大を食い止めることができないで、ホモサピ慌てまくるぐらいのヤバいやつだっていうのは既に皆さんご存じのとおりだと思う。まあ、それでも家から出るなとか、しゃべりもせずに道歩いてるときにもマスクしろとかアホかと思うけど、いずれインフルエンザと同じようになるにしても、インフルエンザである「スペイン風邪」がホモサピがある程度抗体を得て、ウイルス自体が弱毒化するまでにどれだけ死者が出たかってのを考えれば、抗体を得るのに今はワクチンがあるのでその分被害は少なくなるとしても、人と物の流れが100年前とは段違いに多くなってるのでやっぱり手こずるそれなりにヤバいやつだとは考えておいた方が良いように思う。

 っていう2つの評価基準をふまえてエキノコックスを評価すると「発症したときの病状の重さ」は結構重い。だいたい寄生虫の病状が重くなるのって本来の宿主じゃない生き物に寄生した場合で、犬科の動物を終宿主とするエキノコックスは人間に寄生しても成体になれない、なれないんだけど本来宿主殺してしまっては元も子もないはずなのに、本来の宿主じゃないから勝手が違うのか肝臓に居座って悪さして外科的に取り除かないと死亡する場合もあるとかいう。でもって「罹患しやすさ」がエキノコックスのヤバさをグイッと引き上げてて、キツネや犬が排泄した糞に含まれる虫卵で汚染された水や野草なんかを口にすることで感染するし、猫飼ってると良く分かるけどケモノって舌でペロペロ全身くまなく毛繕いしててきれい好きなんだけど、当然肛門周りの卵が付いてるような毛をペロペロした舌で全身くまなくペロペロするわけで、宿主となってるキツネや犬の体毛には虫卵が付いていてもおかしくないので、キタキツネはナンボ可愛くても触っちゃダメなんである。特に前者は知識が無いと沢の水飲んだり、水辺の(水辺のには限らないか?)セリとかクレソンとか生で食べるなんて普通にありそうで恐ろしい感染経路である。衛生状態が良くなって、回虫とかギョウ虫とかの寄生虫はもはやあんまり聞かなくなって、最近寄生虫症っていえばマダニの媒介する「重症熱性血小板減少症候群」ってヤバいのが出てきたってのはありつつも、良く聞くっていうぐらい身近なものとしては刺身食ってアニサキスに当たるぐらいのもので、こう言っちゃ何だけどアニサキスが怖くてカツオやサンマの刺身が食えるかって話で、死にゃしないんだし当たったらそれまでよでワシャ食う。でもアニサキスが怖くて大平洋のサバは刺身じゃくわん。アニサキス症の「罹患しやすさ」でみると太平洋のサバは桁違いで、一度でも捌いてて肝臓に何匹もアニサキスがとぐろ巻いてるのを見たことあれば、生食は無理だろう。スルメイカもヤバいときあるけどイカは捌いてて虫が居れば冷凍してアニサキス殺してからでも冷凍で味が落ちにくいのでイケる。最近電撃?でアニサキス処理する機械を開発したとか何とかも目にしたのでそういうのもそのうち実用化されるのを期待したい。

 っていう感じで、エキノコックスはヤバめの寄生虫なんだけど、北海道民ならもう「キタキツネには触らない」「沢水や野草は生で口にしない」っていう対策が常識として備わってるので「罹患しやすさ」がグッと下がってて、それ程恐ろしい寄生虫ではなくなっているのは罹患者数が多くはないことからも言えると思う。というわけで、青森の人と知多半島の人は既にエキノコックスが来ちゃってるコトを想定の上で、沢水やら生の野草を口にしないように気をつけてくださいっていう注意喚起を拡散した方が良いのかなと思って書いてみました。他の地域の人もそういう情報は気をつけておいた方が良いよって話で、物流で禍がやってくるのも多い時代だけど、気候がこれだけ変動して変なことになってくると、生物の生息地やらも変わってきて、昔は見たことなかったなんていう生き物がやってきて、そいつが宿主になって禍を運んでくるなんてのも、もはや想定される時代ではあるので、アホみたいなデマ流言飛語も多いけど、ちゃんとした根拠のある情報はネットで検索しても出てくる時代なので注意しておいても損はないのかなと思っちょります。