2015年12月31日木曜日

2015年のベスト3(釣り編)


 秋のシーバスシーズンを病気療養で棒に振った今年ではあるものの、こうやって思い返してみると、なかなかに良い釣りも多かった一年だったと思う。
 ぶっちゃけ病気なんてのは長く生きてれば「そういう時もあるさ」な話で、あんまり気にせず復活したらまた良い釣りすれば良いだけのことのようにも思う。

○釣り:1位早春バチパターン、2位ワカサギ2束、3位テナガポイントのニゴイ攻略
 1位の早春のバチパターンは、ダイキリさんポイントでも近所ポイントでも結果が出て、サイズはもっと良いのが出ても良かったかなと思っているが、それはまた来年以降に期待できるので、順調に実績が重なって「前夜祭パターン」なんかもありそうだとかデータも積み上がってきており、非常に満足できる結果。年開けたらシーズンももうすぐで楽しみでならない。
 2位、ワカサギ2束は2月に2回達成しているが、小物釣り師としてやっと「束」を単位に複数数えて釣れるようになったというのは感慨深い。ワカサギ年末は苦戦したがこれからシーズン佳境なので今シーズンのデカいワカサギを多点掛けしてその重さを堪能してみたい。
 3位のテナガポイントのニゴイはここ数年「テナガボイル攻略」ということで狙っていた釣果なので嬉い。まだ安定して狙えるところまではいってないけれど、2回成功しているので今後も経験を積み重ねていけばテナガシーバスと併せて面白い釣りものになるのではないかと期待している。
 その他にも、釣友を訪ねての九州ライギョ遠征、関西ギギ遠征と国内ローカルな遠征も楽しい釣りだったし、病み上がりのリハビリにもなったオイカワ釣りも開拓が進んで充実してきている。
 来年も東京湾シーバス野郎と江戸前小物釣り師としての修行を進めつつ、遠征はサメかデカいナマズかなどと情報収集しているところである。来年の釣りも面白いに違いない。

○残念だった釣り:1位カヤックシーバス、2位夏休みサメ、3位無し
 1位はまあ言っても仕方ないことだが、行けてればスズキ様の3つや4つは釣れてたのにと思ってしまうのである。まあ忘れて来シーズンに期待。
 2位は「サメなんていやになるぐらいいるよ」とか言われがちだけど、狙うと当たり前だけど難しいという話で、釣れなかったことは残念だったけど、あたりまえって言えばあたりまえの結果で、これからも挑戦し続ける中でしか結果は出てこないんだろうと覚悟している。

○ルアー:1位インビンシブル8DR、2位にょろにょろ、3位ソルトウォーターグレードボーマーロングA
 1位、北欧はニールズマスター社インビンシブルはなぜかマイブームが到来。実釣でも、動きの良い軽いバルサミノーなのに投げやすく、8センチディープランナーは運河の足場の高いところで使うシャッドラップラパラからレギュラーの座を奪いっとって一軍登録の実力派。この辺りのちょっとマイナー風味の利いたルアーについて書きたくて「ルアー図鑑うすしお味」シリーズを立ち上げてゴリゴリと書きまくったのもなかなかに楽しかった。
 2位は、早春バチパターンで大活躍。超ド定番のバチ対応ルアー「にょろにょろ」が今年の春もニョロニョロと実力を発揮してくれました。
 3位のロングAは昔から好きなミノーだけど、これの「ソルトウォーターグレード」ブランドで高強度のポリカーボネイト製のが2008年から出ているというのを遅まきながら知って、爆買いアンド実戦投入、シーバスもクロダイもゲット。丈夫な道具が私は好きだ。

○釣り具:1位ランカーギアLGX66SM-2J、2位ワンダーカーボアジャスターさわ鮎VX中硬硬72/60、3位左手サミングライギョタックル
 1位のランカーギアXは小技の必要な運河の橋の下パターンとかで愛用。今年は4月5月のバチパターンが釣り場の減少もあって苦戦していたので、雨が降ってバチにあんまり良くない状況の時はアクアライン超えて運河のエリアでよく釣っていた。この時代のフェンウィックはグラスコンポジットの厚巻きのブランクスで適度にダルく粘りがあり丈夫なので大好き。カテゴリーとしてはバスロッドなのかもしれないが60アップのシーバスでも問題なく釣れる。
 2位は鮎竿である。リョービ製というところからもずいぶん昔の竿だと知れるが、それでも流石は鮎竿、軽い。7.2mの長尺にもかかわらず、ちょっと尻から間隔をとったところを持てば片手で扱える。陸っぱりで狙うワカサギ用に中古で買って導入したが十分に活躍してくれている。
 3位は、バレーヒルの名竿「ガンガン70」をぶった切ってバットにジョイントを持ってきた上でリールシートの位置を下げた「左手サミング仕様」の変態的なライギョロッドというか怪魚ロッド。これにABU7001にボールベアリング入れたリールを合わせて、GWのライギョ釣りに導入。7001という大型リールはスプールの糸巻き量が多く重いので回転性に心配があったが、意外となんとかなった。  

○PENN:1位4400ss、2位430ssg、3位6500ss
 1位は、「糸ヨレ多し」と評判の4400だが、なぜか相性が良いのか問題なく使えている。今年は早春のバチパターンの時にはこいつと5本継ぎのパックロッド「ブリストール」で通した。デカいボラやコイの突進にも、ドラグ性能ほか問題なく信頼できるリールである。今後もよろしく。
 2位はいつもお世話になってます。第4世代スピンフィッシャー。こいつもずいぶん永くメインのリールとして使っているけど壊れる気配が無い。シンプルでリールなんてこんな程度で十分と正直思う。
 3位の6500はターポン様逃して未だ獲物をゲットしていないので、瀬戸内海の怪魚、ナルトビエイで坊主竿卒業をと連れて行ったが、ナルトビエイも難易度高くまたも坊主を食らったのであった。こいつに似合う大物をいつか釣り上げたいものである。

 釣りに行けさえすれば、なんだかんだいっても面白いことが起こる。釣りに行けない時も本読みとかの楽しみはあったけど、やっぱりそれでも何度も釣りの夢を見てしまったぐらいに釣りに行きたかった。
 とりあえず釣り場復帰を果たして、また釣りができることはこの上ない喜びである。

 皆様良いお年をお迎えください。

2015年のベスト3(エンタメ編)




 今年も、一年を振り返る時期になりました。今年は病気で3ヶ月も自宅療養していたせいもあってアッちゅう間に過ぎたような気がします。自宅療養中、漫画やら小説やらにはずいぶん無聊を慰められました。今年もお面白い作品に沢山出会いました。

○本:1位「鯨人」、2位「1984年」、3位「謎の国家ソマリランド」
 1位はインドネシアのマッコウクジラを漁る部族のルポ。文字通りの血の海で狩られる鯨は悲しげな瞳でなにを見ているのか?他者の命を奪って生きていくという「生きる」ことの本質そのもののど真ん中ストレートの豪速球に痺れた。
 2位はSFの古典的名作だが、書かれたときから今に至るも色あせず、全くもってリアルな「監視社会」「言論統制」の恐怖を描きだしている。むしろ気軽にみんながネットにつながり、そこかしこに防犯カメラが設置された今こそ読んでその恐怖を認識しておかねばと思う。
 3位は辺境作家高野先生がいつものエンタメノンフな軽いのりのまま激ヤバの紛争地帯を行き、高野秀行はどう考えても圧倒的に面白いという事実を世間にしらしめたものとなっている。
 他にも釣り本では「磯の作法」「服部博物館」なんてのに出会えたし、SFでは「華竜の宮」もよかった。たくさんの本が書かれ続けているうえに、今年は自炊もしたので機会が多かったが再読したい本もたくさんある。幸せなことである。

○マンガ:1位「ゴールデン・カムイ」、2位「ヴォイニッチ・ホテル」、3位「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」
 1位はこの面白さが続けば国民的マンガになるのは間違いない。と、近年同じように太鼓判を押して予言したマンガのうち「宇宙兄弟」は見事的中させたが「ヒナまつり」は知る人ぞ知る的なマンガにとどまっており、これをはずすと負け越すので面白いだけでなく売れてほしいぐらいに思っているがたぶん期待通りになる。アイヌ蘊蓄も楽しい冒険活劇。
 2位は独特のセンスで読ませる気鋭の、なんというか変なラブストーリーという解釈でいいのか?説明難しいので3巻完結で短いし読んでほしい。ギャグも切れて俺好み。この人マイナーな掲載誌で短いのしか書いてないが長編描かせたら大ヒット飛ばせるはずの実力とみた。どっかメジャー青年誌が引っこ抜くべきだ。
 3位は「デ」の数間違えたかも?なにげに細密な画力もすごいが、癖のある皮肉っぽい切り口もなかなかにやりおる。空飛ぶ円盤が攻めてきた非日常の日常系。1位、3位あたりはすでにマンガ読みの間では評判になっている。次々に面白いマンガが生み出され続けていてとても楽しめている。
 マンガでは他に「シドニアの騎士」が講談社漫画賞取って完結したのも一ファンとして感慨深かった。

○アニメ:1位「SIROBAKO」、2位「響けユーフォニアム」、3位「シャーロット」
 1位のシロバコは年またぎの二期ものだったので今年のアニメに入れるべきか迷ったが、圧倒的に面白かったので入れざるをえない。アニメ制作現場の苦労やモノを創る情熱を描いた超良作でこれみてアニメ製作会社に就職したけど早くも絶望して辞めた若者がけっこういるとか聞く。働く現場の物語って「サラリーマンモノ」というジャンルがあるんだろうけど、全くもって人脈広げて出世してとかいう世界に共感も感心もないナマジ的にはドーデモイイ分野だけれど、こういうみんなでモノを創っていく物語は自分のような社会不適合者でも共感できるんだと意外な発見。
 2位は「ちはやふる」が開拓した「文化部モノでも熱いスポコンは成立する」を追証明した激熱部活モノ。1位2位は、売り上げを比べればもっと売れている萌え萌えした作品とかあるけど、ネット上の評判とはほぼ一致。シロバコもユーフォニアムも主人公達はまあそれなりに今時の「萌え」に対応したキャラクターデザインだが、そこにとどまらない熱い物語の質がネットのうるさ型の批評家たちを唸らせた。
 3位は、「監獄学園」と「下ネタ」も候補で迷ったが、シャーロットはどうにも好み。超能力バトルモノでアニメオリジナルの脚本。いろいろアラもある作品だと思うけど、食い物が旨そうなのと、ちょっとゲスいぐらいの駄目な主人公を取り巻く仲間との関係とその成長とか、なかなかに良かったと思う。
 深夜アニメは低予算だし数も多くて粗製乱造でつまらなくなってきているという批判も目にするが、そんなことはなくて面白いのがちゃんと創られていると思う。
 
 長期の自宅療養に突入したとき、まあ、初めは体調とか悪くてひたすら寝てるだけだったけど、ちょっと回復すると退屈し始めるわけで、長い療養期間どうやって暇つぶしするかということを考えると、さすがに1月も2月も読む本が小説でもマンガでも続かないんじゃないかと心配した。でも、全くの杞憂。
 自炊して再読したい本だけでも100冊単位であるし、そもそも新刊を追っかけるだけでかなり手一杯な状態で、病気療養中に「積ん読」状態の読んでない新刊ぐらいは読み尽くすだろうと思っていたがまだ結構残っている状態。
 世の中には人が一生かかっても楽しみ尽くせないぐらいの、沢山の本やらなんやらの作品が既にあって、さらに新しい作品が日々創られている。
 小説が読める、マンガが読める、アニメも観られるという趣味・嗜好を持っていることによって、どうも一生退屈しないですむことが約束されているらしい。
 たとえ病床にあろうとも寝たきりになったとしても、私の人生にはそういう楽しみが存在して奪われることはないと考えると、我が人生はけっこう安心だなと心やすらかに思うところである。

(イメージ画像:集英社新書「鯨人」より)

2015年12月27日日曜日

ビッグ・ブラザーがあなたを見守っている

 土曜の朝にパソコンが一瞬立ち上がってすぐにスクリーンが消えるという状態に突入。
 とりあえず一瞬の隙をついて起動、スクリーンの電源オンオフでも一瞬スクリーンが表示されるのでバックアップとってなかった最新の写真とかだけ急いでバックアップとって、とりあえずサポートセンターに電話して相談したところ、サービス期間が過ぎているけどサービスでということでアドバイスしてもらったが、回復はせず。「買い換え時ですネ」ということになった。

 ちょうど5年を過ぎた頃で、その時期に壊れるように時限的に仕組まれているんじゃないかと疑いたくなる。

 仕方ないので家電量販店に買いに行くが、こういうとき、必要なスペックのパソコンを自分で組み上げたりできない、もっと言えば買ったらすべてついてくるようなウインドウズマシンしか使いこなせない情報弱者、いわゆる「情弱」ぶりが我がことながら情けない。

 壊れる前の、「ウインドウズ7」の入ったパソコンで何も問題なかったのである。でも今時のパソコンには「ウインドウズ10」が入っている。「オフィス」なんていらんネン。でもこれも元から入っている。
 ウインドウズが「7」から「10」に変わったから以前使ってた「ATOK」も「一太郎」もまたバージョンアップ版をご購入なさる必要があるんだとよ。
 セットアップ始めて、それでも一度いじったことがある「ウインドウズ8」の使いにくさに比べれば、なじみやすい操作性で「10」はずいぶんましだなと思っていたが、録画して外付けハードディスクに貯めていたテレビ番組を見ようとしたんだけど、「ウインドウズ7」には標準でついていた「ウインドウズメディアセンター」というソフトが、「10」にはもう採用されておらず、せっせと録画していた番組を見ようと思っても見られないのにはショックを受けた。さすが世界を牛耳るマ○クロソフト様、使う者の少ないソフトはマイノリティーの利便など一顧だにせずぶった切ってくださる。無理矢理「ウインドウズ10」に「メディアセンター」をインストールする方法というのを海外有志が提供してくれているが、マ○クロソフト様のお許しを得た訳ではない非公式な方法なのでセキュリティーとかまで面倒見てくれそうもなく、情弱野郎には手が出ない。
 アニメとかは有料ネット配信利用、NHKスペシャルのサメとかダーウィンのヨーロッパオオナマズとかはNHKアーカイブス利用するしかないのか?とトホホな気分である。

 少数者の利便の切り捨ては、ヤ○ー様もご同様で、ネット上でバックアップをとるのに利用するオンラインストレージサービスはヤ○ー様にお願いして「ヤ○ーボックス」というのを利用していたのだが、「パソコンユーザー少ないので今後はストレージサービスはスマホ対応だけ残して撤退します。ウインドウズ10にも対応する気ありません。」という、このためだけにヤ○ープレミアム会員になって金払ってたのに、あまりと言えばあまりにひどい仕打ち。まあ、こちらは代替のサービスは各社提供しているので乗り換えることができるのでましなのかもしれないが、ヤ○ー様には前回もブログサービスの停止でいじめられているので頭にくる。
 でもって、ヤ○ー様の提供するホームページ作成サービスも利用しているのだが、これが新しいパソコンになったらうまく写真が貼り付けられなくなりやがって、今問い合わせしているが、「インターネットエクスプローラー(IE)」の新しいバージョンに対応し切れていないのかもしれないという気がして、その場合は、「IE」のダウングレードかなと思っている。
 このホームページ作成サービスもそうだが、世の中には「IE」の使用を前提に組んでいるシステムというのが間違いなくあって、仕事でもそういうのを使う場面があったが、どうも「ウインドウズ10」にはウェブブラウザが「IE」でなく初めて目にする「Edge」というのがあって、こちらがメインになっているのを見ると、マ○クロソフト様「IE」を切り捨てにかかっているような気がしてならない。おおコワ。

 くわえて、「ウインドウズ10」もそうだけど、やたらとアカウント作って個人情報を登録させようとしやがってくるのが、監視されそうで気持ち悪い。
 あなたにあったサポートをというやつなんだろうが、ようするに買ったものとか利用したサイトとか、こちらの趣味趣向を監視して、売れそうなものの宣伝をしてやろうといういやらしい思考が透けて見えて不快。そのうちおすすめのマニアックなエロ動画とか勝手に画面上に表示してきそうな気がしていやだ。
 情報が操作されて、行動が監視されたディストピアが今そこに迫っているような気持ち悪さ。

 にもかかわらず、「ネットなんかいらんのじゃ!」とパソコンスクリーンたたき割って力強く生きていくには、もう既にネットの利便性に浸りすぎた。土曜に壊れて正月休み中パソコン無しとか耐えられないというのが、正直「修理」を選択せずに買い換えた理由の大きなところである。

 家のパソコンのOSなんて「ウインドウズ95」あたりでも十分だとたぶん誰でも思うだろう。ネット見てメールして写真整理してワープロ打って表計算してぐらいにご大層なOSは必要ない。
 でも、儲かるための仕組みとしては、どんどんOSも新しくして、それに伴ってハードもソフトも古いのじゃだめで新しくしていかないといけないんですよというふうにしないと立ちゆかない。
 壊れたパソコンでできてたことを、新しいパソコンでも同じようにやりたい、別に新しい機能を求めていない、ただそれだけの希望なのに、進化の話でも例に出される鏡の国のアリスの「赤の女王」が言うように「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければいけない」状態をメーカーが作り出していて消費者もそれにつき合わされている。心の底からうんざりである。

 パソコンはじめ情報機器に関しては、もうどうしようもない情弱野郎なので、これからも全力疾走せざるを得ないのだろうと覚悟している。次回5年後にはウインドウズは15とかなのだろうか。また、昨日と今日のように取説首っ引きで検索かけまくりながらヒーヒーいいながら対応するのが目に見えている。

 釣り具に関しては、全力疾走につき合わないことに決めて、どこのメーカーがしょうもない新機能のついたリールを売り出そうが何しようが「スピンフィッシャーを一生使ってればええネン」と構えていられるのは、心の底から清々する立場である。これだけはすっきり気分よくいられるところであるなあと自分を慰めているところ。
 

2015年12月23日水曜日

図書館の憂鬱

 今週から無事に職場復帰している。長かったがこれで心安らかに年が越せる気がする。
 今日は祝日だが、天気下り坂で釣りには行かずうだうだしているところ。

 復帰前に、なまった心身のリハビリのため、電車に乗って出かけてどっかで時間をつぶして帰ってくるというのをやっていたわけだが、あまり似合いも馴染みもせず尻のすわりの悪いカフェよりは図書館の静かな空間がありがたかったのでよく利用した。

 そういうありがたい図書館に関する話題。
 何人かの作家と出版社が連盟で図書館協会に「新刊本をすぐに貸し出すのは止めてくれないか」という旨の申し入れをしたそうである。
 ネットで無料でお手軽に娯楽が手に入る時代に、出版業界というのは恒常的な売り上げ減に苦しんでいると聞いているが、それにしてもどうなのよという申し入れ内容。
 まあ、それで飯食っている人たちにしたら死活問題で、新刊本が図書館で貸し出される時期を遅くしてもらえればその分多少なりとも売り上げが増えるだろうという主張も分からないでもないが、「図書館」というおよそ人類の文明が作り出したもののうちでも最もすばらしいものの一つではないかという仕組みに対する謀反ではないかと疑問を抱く。

 図書館の機能は簡単にいってしまえば情報資料の保管共有であると思う。個人ではとても収集して整理して保管してということができない量の本など情報媒体を、税金などみんなの負担の基に扱い、貸し出したりといったサービスを提供する。だから基本的には図書館の本はみんなの財産であり、誰でも平等に利用できる。
 インターネットもある種情報資料の保管共有の機能を持ってはいるが、パソコンなどネット利用に関わるコストは無料ではないし、有り体にいえば年寄りとかそういう媒体になじみのない人間には使うことが難しく、システムとして複雑である。
 その点図書館は単純明快である。本を持ち帰るには貸し出しカードとか作る手間がいるが、開館中に館内で読む分には何ら面倒な手続きも発生しない。
 貧乏学生だろうが、ホームレスだろうが本を読む楽しみや資料にあたって調べものをする利便性はあまねくみんなに開放されている。

 これは相当に裕福な国でないと運営できない制度で途上国では図書館も学校もろくにない中でものを学ぼうとしていくと、最近ではネットが一番安上がりらしいとも聞く。
 要するに文明的な社会って何だと聞かれたときに、答えの一つとして「図書館が利用できる」とあげるぐらいのありがたいものだと私は思うのである。別に文明的でなくて野蛮でもいいっちゃいいんだろうけど、本読みとしての私は文明の恩恵を享受したいと切に願うのである。

 とはいえ私は若い頃から「本は買って読め、家は借りて住め」のことわざどおり、読みたい本は買ってきた(読み返したくなったときに手元になかったり、そもそも期限内に読まなければならないのは煩わしい)ので、図書館を利用するのは調べものの必要があるときぐらいなのだが、それでももし自分が仕事も金もなにもかも失って異土のカタイとなるとても、図書館で本を読むという楽しみは奪われることはないんだなと思うと心強い。

 図書館でタダで読まれると困るという出版側の気持ちは分かるが、タダで読む環境さえなくなった場合に本を買って読むかというと、それはもう本など読まなくなるのではないかと思う。
 今回の申し入れはタダで読ませるなと言っているのではなく、新刊本は少しタダで読むのは待ってくれという内容ではあるが、そうやって図書館のサービスの質を低下させ魅力を減じることは、図書館をきっかけに読書の楽しみを知る未来の読者を失うことにつながっていくのではないかと思うのである。
 ネットでタダで観られる映像やら読める情報やらではない「本」ならではの魅力は間違いなくあると思うんだけど、それは今の時代には放っておいて誰もが気づくという状況にはなくて、なりふり構わず宣伝してタダで撒き餌してでも読者を釣らないと結局は「本なんてもうオワコン、ダレも読まネ」ということになりかねない。

 本が売れなくなって、面白い本が作られなくなるなんてのは私のような本読みには耐えがたい苦痛なので、小説でもマンガでもこれからもガンガン買っていくつもりだが、どうか出版サイドも近視眼的にセコい利益を得ようとした結果「本を読む」という文化自体の衰退に手を貸さないようによく考えていってほしいと思うところである。

 我が家の最寄り駅の周辺には駅ビルと商店街に2軒の本屋があったが、商店街の方はつぶれてしまった。出版業界を巡る状況がことほど左様に厳しいというのは肌で感じるところだが、それでもなお、というやつである。

2015年12月19日土曜日

バルサ50がお安くなっています


 バルサ50ネタを書いたことが、どこか自分の心の中のスイッチを押してしまったようで、バルサ50のルアーが欲しいという気持ちが自分の中で着々と育っていき、辛抱たまらンようになってしまった。
 やっぱりバルサ50ならトップだよねということで、そうなるとやっぱりペンシルを意のままにアクションさせてちょっと小生意気なサーフェイスプラッガーでも気取っちまおうかと「ビッグラッシュ」を街の中古釣り具屋に漁りに出かけた。

 「バルサ50よフォーエバー」的な気持ちがあるのなら、版権買ったザウルストレイン製の新品を買うのが義理というモノかと思う。思うんだけどオリジナルが5,200円、ビッグラッシュで3,400円、と物価スライド考えるとそれほど値上がりしていないのかもしれないが、でもお高い。しかもコアなファンが買う分ぐらいを見込んで生産しているのか、ザウルス専門のウェブショップで見ても色が選べるほど残ってない。ちゃんと今でも好きな人がいて売れているというのは自分が買ってもないのにえらそうだが一ファンとして喜ばしい。
 売り切れてたけど新作でGTルアーサイズのビッグラッシュスケーターとかがデカシーバス用に作られてて激しく物欲を刺激された。使う予定もないのに発作的にポチってしまわず売り切れてくれていて良かったのかもしれない。

 ということで今すぐ欲しいぐらいに物欲が高まっているところに新品は手に入りにくいようなので中古屋へということにあいなった。
 ねらう獲物はさっきも書いたようにビッグラッシュ。の中でもウォーカーの方。ビッグラッシュと言えば、どちらかというとスケーターの足の長いロングスライドがバルサ50の代名詞というか伝説になっているが、水面の上を左右に動くだけならザラでもエエやんけという、全くもってサーフェイスプラグのペンシルベイトのなんたるかをこれっぽっちも分かっていない認識の下、ダイブもこなす器用なウォーカーの方がなんか使ったときに面白そうと、バス釣りなど数年行っておらず、次にトップのプラグを投げるような贅沢なバス釣りにいついけるのかなど、まるで見当もつかないが思ってしまったのである。
 ダイブするペンシルベイトもいまどき別に珍しくないけど、レッドペッパーのような不規則な小魚逃走系のダイブをするやつが多くて、サーフェイスプラッガーとして意のままにダイブさせて首振りなどの演出を加えて楽しむというのとはちょっと違うように思う。古いザラは竿をあおるとドボンとダイブしてくれた記憶があるが、そういう感じのアクションを求めているのである。私がしらんだけで今時のルアーにもそういうタイプはあるのかもだが「バルサ50が欲しい」というのが発端なので知ったこっちゃないというものである。

 でもって、中古屋に行くと、びっくりするぐらいに安く売っている。バス用のトップのプラグなんて気にしてみていなかったが、バルサ50とついでにズイールのルアーはタマ数も多いし「これ会社つぶれたときにパッケージする前の段階のが流れたやつやろ」という感じの新品同様のが1000円かそこらで売ってる。想い出の高嶺の花が場末の水商売のオネーチャンになっているのを見つけてしまったような気まずさが漂う。
 仕方ない俺が面倒みてやるかと、3つほど買ってしまった。ついでにホッツィーとスケーターのジュニアサイズも買って度量の大きいところを見せつけてやったところである。改めて塗装キレーだなと感心するが、ナマジ的にはよくルアー作るときに真似してた黄色のコーチドック模様がなんともかんともイイ。

 なんというか、なぜみんな争って買いあさらないのか不思議な気がする。バルサ50にせよズイールにせよ全盛期には釣り具屋の棚に出したら出しただけ売れるような人気ルアーだったわけである。高かったけどそれだけの価値があるルアーだと思っていたし、事実優れたルアーだと思う。それは今でも変わらないはずだ。
 バルサ50のペンシルとスイッシャーってリグがヒートンなんだけど、よく考えるとバルサにヒートン止めだと抜けてしまいそうなものである。なんか上手いこと工夫してるんだろうなというぐらいに気にとめる人間はいるかもしれないけど、その秘密を知る釣り人はあまりいないようで、ネットでググっても情報でてこない。
 でも私はその秘密を知っている。なぜならその疑問を明らかにするためにF師匠がビッグラッシュ解体して調べたからである。貧乏な学生の頃だったので「2800円もするルアーこの人割ってしもたんかい!」とビックリした。ビックリラッシュである。飽くなき探求心というかこだわりというか、今でもほとほと感心する。
 割ってみた結果「バルサの真ん中に堅いウッドの芯が通してあってなァ、そこにヒートンが届いてるんさァ」とのことであった。

 50以上の工程を経て作ってあるというのが名前の由来の一つだそうだが、結構改良加えながら工夫して作ってある力作で昨日今日出てきたような、なんかガチャガチャと見える金物のリグだけ格好付けたようなトップウォータプラグとは別物だと思うんだけどどうなのよ?と、まあそういう風に思うのもひいきの引き倒しで、則さんたちに上手く洗脳されたからなのかもしれないが、もしあんまりリアルタイムでバルサ50に親しんだことのない若いルアーマンでトップのプラグが好きならば、中古が安く手に入るのでちょっと買って試しに投げて欲しい。それで気に入ったら新品も買ってくれるとうれしいなと、オッサン釣り師は別にザウルストレインから金もらってるわけでもないのに書いてしまうのである。
 だまされたと思って是非。たとえ騙されたとしても後悔はしないはずです。 

 ということで、割とすぐに帰ってきた「ルアー図鑑うすしお味」第27弾は中古の値段をみるとB級だけどホントは永久にA級のバルサ50ビッグラッシュウォーカーでした。

2015年12月12日土曜日

モスバーガーがわりと好きだ

 ハンバーガーってあんまり好きじゃない。
 代表的なハンバーガー屋であるマクドナルドなんて、学生時代50円セールというのがやっていたときに「ハンバーガー10個」「お飲物はいかがいたしますか?」「いらンッ!」というのをやった記憶があるぐらいで、まあ、そういうのを求めるべきではない種類の食い物なんだろうけど、たいして旨くもないし量があるわけでもなく、単位価格あたりどれだけ腹が膨れるかという費用対効果を重視しがちだった我が食の人生において、夜遅くに腹を空かして車を走らせていてコンビニか牛丼屋が見つからなかったら利用するぐらいのもので、コンビニもないのにマクドだけあるという状況は今日あまりないので、ここ数年利用した記憶がない。

 最近業績不振で店舗をいくらか閉店整理しているらしいが、関東近郊ならどこでも駅前や街道沿いにマクドぐらいはあるぐらいに一般的な存在である。
 でも、我が故郷の街にはマクドはなかなかやってこなくて高校生の頃、街にはロッテリアとモスバーガーはあったけど、マクドはなかったような気がする。
 我が故郷のちっちゃな街からみても、さらに田舎の漁師町からでてきた同級生が、駅前のロッテリアで「ビックマックください」とオーダーしたのは「剛のモノがおるナァ」と高校で伝説になっていた。
 ちなみにハンバーガー屋ではないがケンタッキーフライドチキンも中学生の頃に我が街にやってきた。初ケンチキはご飯のおかずとして我が家でまずまずの評価を得た。ファーストフードを白飯のおかずにするというネタは吉田戦車が老夫婦がピザでやるネタを描いてて吹いた記憶がある。

 どうでもいいっちゃいいが、ファーストフードの略称は東西で異なるようで、マクドナルドは東ではマック、西ではマクド、ケンタッキーは東ではケンタ、西ではケンチキとなる。ケンタッキーはまあいいいのだが、マックって小さい「ッ」を勝手に追加していて略称にあるまじきていたらくのうえに、なんとなくこじゃれた東京モンくさい言い方でムカつく。最近「マクナル」とかいう呼び方もあるようで、こちらはちゃんと略称になってはいるが、さらに東京モンくさいしゃらくささが増量されていてムカつく。

 「マック」にしろ今時流行のなんやらややこしい呪文を唱えなければならないらしいコーヒチェーンにせよ、そういう流行モノ的しゃらくささがどうも私は嫌いらしくハンバーガ屋もコーヒーチェーンも苦手である。ドトールぐらいは時間つぶすのに入ったことはあるが、スターバックスとかの呪文系カフェの敷居はまたいでいない。詠唱すべき呪文を修得する気もない。こちらは「日常」でユッコが「ド、ドッピオ??」とかやってて激しく吹いた。

 「牛丼屋ってのは殺伐としているべきだ」という意見を目にしたことがあるが同意する。私は牛丼屋に限らずファーストフードなんて安い金額で最低限の食い物でさっさと腹を膨らますための殺伐とした店であるべきだと思っているのかもしれない。素性の怪しいわけの分からん食いモンをロクでもないブラック労働で提供しているというのを知ってしまうと「なにがスマイル0円じゃボケェ!」と殺伐とした気分にもなってくるというものだ。

 にもかかわらず、モスバーガーが割と好きである。この文章も数日前にモスカフェという座席のいっぱいある店舗の窓の外を眺めるシートでハンバーガー食い終わって茶をしばきつつ、電子メモでパチパチと打ってたという、客観的にみてスカしたいけすかねェ感じの「おまえはどこの意識高い系やねン」という本来私が唾棄すべきこじゃれたシュチュエーションに浸って書いていたていたらく。
 モスバーガーは費用対効果は悪い。ハンバーガー2個とお茶で千円はする。若い頃はハンバーガー3個にチキンかポテトも付けていたのでさらに金がかかった。マクドに比べればレタスもシャキシャキだし、作りたてで出てくるので、ファーストフードというよりは普通に食事という感じもするが、そうまでしてハンバーガー食いたいか?と自分でも疑問に思う。
 でも食いたくなる。
 大学受験のころ、たまに帰省していた兄貴が夜食にモスのテリヤキバーガーを買ってきてくれた。
 「モスのテリヤキは他のチェーンのハンバーガーと違って旨いよ」とか何とか言っていたような気がする。そのころはいつでも腹が減っていたし、甘辛いテリヤキソースと自家製っぽいマヨネーズのたっぷりかかったハンバーガーは確かに「写真とちがうやン」とつっこみたくなるペシャンコなハンバーガーよりずいぶん美味しかったような気がする。ソースやマヨネーズより兄の気遣いが味の決め手だったのかもしれない。
 まあ、そういう記憶をたまに想い出すから、モスバーガーは食べたくなるのである。

 「Q.E.D」の登場人物の「世界で一番売れているからハンバーガーとコーラが世界一の食べ物だ」という意見には全く同意しかねるが、個人個人の思いいれの中でマクドのハンバーガーが一番だという人がいるなら、自分の意見とは違うからといって別に否定するものではないと思っている。

2015年12月5日土曜日

リハビリの日々

 月曜に病院で診察を受けて、先生からそろそろ良くなりつつあるので、出勤するための準備として、なまった体を動かして1日八時間働く体力と気力を取り戻すために、まずは、電車乗ったり駅の階段上り下りしたり、部屋以外の場所で時間をつぶしたりしてリハビリするようにとの指示がでた。

 体調もそれなりによくなっているので「電車乗って出勤するぐらいワケないって、先生大げさだな」と思ったが、実際に電車乗って、ちょっと買い物などして戻ってくるというのをやってみると、これが3日続けたら太股のうらがパンパンになるほど疲れてしまい、体がおもいっきりなまっているのを思い知らされた。

 先生のいうことには、人間の体なんて2週間も寝込んでいたら使いものにならないぐらいに衰えるそうである。
 完全に寝たきりというわけではなかったけど、2ヶ月ぐらいは引きこもった状態だったので、予想以上の衰えぶりに驚いたところである。

 人間に限らず生き物の体って、使わない器官はすぐに退化してしまうというのは、携帯電話使うようになったら頭から電話番号を記憶しておく能力が退化したとかいう身近な例から、天敵がいなくて飛ぶ必要がないと羽まで退化させてしまうヤンバルクイナとかガラパゴスコバネウとかの離島の鳥などの種の進化の話まで良くある話ではある。

 でも逆にぜんぜん衰えない「雀百まで踊り忘れず」てなこともあったりして、自分の場合釣りの技術なんてのは何十年と培ってきたものであり、数ヶ月やそこらはなれたところで忘れるものではないと思っている。
 自宅療養中、最初の頃、病状がまだそれほど大したことないと思っていた頃と、回復しつつある後半の、しんどかったまっただ中を除いて、しょっちゅう釣りの夢を見た。どれだけ自分が釣りに執着しているのか思い知らされるぐらいに、見るときは毎晩のように見た。目覚めると釣りに行けない自分の状況に心底がっかりした。

 やっとリハビリがてら釣りもできそうになってきている。冬きたりなば春とおからじ。とにかく釣りに行けるのが楽しみでならない、待ちどおしい。
 とりあえず、車の運転はちょっとまだ出先で体調悪くなったりしたら帰って来れなくなりそうなので、電車でオイカワかなと、香港から帰ってきたSUZUKIさんをお誘いして明日行く予定。

 てなかんじで、しばらく釣りにも行けてなかったので健康ってだいじだなあと強く実感するところ。
 病気になりたくてなる人はいないだろうし、死や病といったものから人は誰も逃れられないとしても、それでもみなさんどうかご自愛を。

2015年11月30日月曜日

アタマの中でカラーンコローン

 水木しげる先生のご冥福をお祈りします。

 93歳ということで大往生ではあるんだと思うが、やはりちょっと寂しい気分。

 今の日本のストーリーマンガの手法って手塚治虫が確立したというのが定説で、手塚治虫が「漫画の神」と呼ばれているわけだが、それ以前にも紙芝居やら貸本やらで今の形式のマンガ以前のマンガの原型の時代から活躍されていた、それこそ生ける神の一人が水木先生だったという私の認識である。
 手塚治虫、石ノ森章太郎、水木しげる、永井豪の4先生あたり(白土三平先生も入れたいがややマイナーか?)が「神」といっていい、マンガを作ってきた作家だと私は思うのだけど、よく水木先生がマンガのネタにしてネットでも紹介されているように、水木先生が忙しくとも10時間は寝て長寿を全うされたのに対し、手塚、石ノ森両先生は寝る間を惜しんで描きまくって早くに亡くなられている。私が神とあがめるマンガ家は、あとは豪先生を残すのみとなった。病院の帰りに本屋に寄ったら豪先生、デビルマンのスピンオフでシレーヌメインのマンガ描いていてご健在のようで何よりである。

 水木先生、エピソードには困らない人で、「ゲゲゲの鬼太郎」のあまりの人気ぶりに手塚先生が嫉妬して妖怪モノの「どろろ」を描いたとかいう話も有名だが、たぶん豪先生の「ドロロンえん魔君」も水木先生に対抗して描いたんじゃないかと私は思っている。

 ゲゲゲの鬼太郎は、5回もアニメ化しているお化けコンテンツで、1回目の白黒版は年代からいって見ていないけど、2回目のカラー版と夢子ちゃんが出てきてネコ娘がヒロインの座を奪われる屈辱にまみれる3回目とをリアルタイムで見ている。実写版の映画も結構よかった。アニメ4回目、5回目、それに墓場鬼太郎はたまに見た程度だが、山陰に出張のおりには、鬼太郎グッズの店で鬼太郎ノートやらキジムナー手拭いやら買うぐらいには鬼太郎ファンであり、今日はアタマの中で鬼太郎のOP・ED、それから「悪魔くん」のOPの「エロイームエッサイム、エロイームエッサイム」という歌詞がグルグルしている。

 「悪魔くん」は見た記憶がほとんど無いし、内容も憶えていないのだが、なぜか主題歌はフルで歌えそうなぐらいに憶えているのでおそらく視聴していたのだろう。
 後に澁澤龍彦先生の「黒魔術の手帖」を読んだら、ホントに西洋の黒魔術では「エロヒムよエサイムよ我が呼び声を聞け」と唱えると知って、水木先生の創作じゃなかったんだなと意外に感じた。いわゆる「日本の妖怪」って水木先生の創作のモノも多いと聞く。水木先生監修・イラストの妖怪図鑑とか小さいころに夢中で読んだ記憶がある。

 脱線するが、なぜか主題歌はフルで歌えるものに「魔女っ子メグちゃん」のOPがあるんだが、たぶん姉さんが見ていたのを幼少のみぎり一緒に見ていたのだろうと思う。「ハルシオン・ランチ」のあとがきで沙村広明先生が「ああ・・・ノン(註:主人公と魔法の国の王女の座を争うライバル)が好きだ」「トランプをモチーフにした服のデザインも「魔女っ子メグちゃん」の影響かと。」と書いていて、困った人だなァと思ったものである。

 水木先生のマンガとしては、片手を失ったラバウルでの戦争の時の話とか読んだけど、まだ読んでない作品でキンドル版が出ているのも結構あったはずなので、この機会に読んでみようかと思う。まずは「河童の三平」あたりからか。
 作家は亡くなっても、作品が愛され続ける限り作品の中に生き続けると良く言われるが、水木先生ぐらいになると、そういう意味では遠い未来までも生き続けることだと思う。
 水木先生、面白いマンガ、素敵な妖怪達の紹介、ありがとうございました。 
 

2015年11月28日土曜日

ルアー図鑑図鑑


 このシリーズを立ち上げる時にも書いたけど、昔からルアーの紹介記事が載っている本が好きだった。それはもうメーカーカタログでさえ何回も読んじゃうぐらいで、「釣りトップ」の昔から雑誌のルアーレビューコーナーも大好きだし、ルアー紹介がメインの「ルアー図鑑」的な本ももちろん大好物である。中でも、沢山のルアーがポッパーならポッパーというくくりごとに沢山写真と名前だけで紹介されているような形のものより、ひとつひとつのルアーについて、筆者の独断と偏見と愛と執着をもって解説が書かれているものが特に好きである。優れた筆者による解説は、その言葉がいわゆる「言霊」となり、読んだ人間が使う時にも、そのルアーに魂を吹き込むぐらいに霊験あらたかなものだと思っている。なんというか、グッと来る紹介文章が与えられたルアーはメチャクチャ釣れそうな気がしてくるモノだというのは、皆さんおわかりになるだろう。ルアーなんて本当はどれでも大差ないのかもしれない、でも「このルアーは絶対!」と思えるぐらいに絶賛されているのを読んだなら、その言葉を信じられたなら、投げるルアーに自ずと魂がこもろうというモノである。
 
 ということで、ネタがそろそろ無くなったところでもあり、また面白いブツを入手したら、その都度復活することとして、ルアー図鑑うすしお味、一応の最終回第26弾は、本シリーズの正式名称「うすしお味のルアーの楽しみ方図鑑列伝攻略法カタログ」の由来となった、4冊の「ルアー図鑑」について書いてみたい。いろんな人が「ルアー図鑑」を書いていてそれぞれ面白いけど、それらのなかでも特に気に入って何度も読みまくったのがこの4冊である。最近本をだいぶ自炊してデータ化したので4冊とも蔵から発掘できて本棚に収めたところ。流石にこれらの本は単なるデータが印刷された紙として以上の愛着があって裁断して自炊してしまうことはできなかった。


 「今思うとだまされていたのかも。でも後悔はしていないワ」
 不誠実な男への哀切をこめた女性の心情の吐露ではなく、若き日に、釣り飲み会の席で則さん山田さんの「ブラックバス釣りの楽しみ方」が話題になった時のナマジの台詞である。
 割とウケました。
 80年代にブラックバス釣りを始めたような人間にとっては、開高先生の「オーパ!」と共に良くも悪くも影響を受けざるをえなかったぐらいの、バス釣りの、特にこの本ではサーフェイスプラッガーと定義されているトップウォーターマニアにとっては教典といって良いぐらいの1冊。もしこの本がなかりせば、現在に連綿と繋がる「バスは水面で釣るのが最高に楽しいんです」という、一種の思想といっていいような嗜好、「ブラックバス釣りの楽しみ方」は生じえなかったのではないかとさえ思う。
 本書では「バストーナメントに象徴される、効率を重視した釣れればいいという釣りはちょっと違うんじゃないか」、「釣ることのプロセスと衝撃的な出会いを大事に楽しむべき」とかいうことが書かれていて、必ずしもトップ以外の釣りを全否定してもいないっぽいんだけど、読んだ人間の多くは「トップの釣りこそ最高、絶対!」という、水面至上原理主義に傾倒しがちであった。
 でもまあ、田舎のガキが5/8サイズのトップウォータープラグをオカッパリで投げたところで、釣れる魚など滅多にいるわけでなく、おりからのトーナメント指向の釣りからもたらされる、ワームやらクランクやらをつかった新たなテクニックを自分の釣り場に当てはめて釣果をのばしていくのが、心の底から楽しくて、まあ「別に水面にこだわる必要ないんじゃないの?」と思うに至るあたりで、冒頭の「だまされていたのかも」という心境につながっていくのである。
 ただ、釣りのプロセスと魚との出会いを楽しむべきというのは、今でも全くそうだと思っているし、思い入れを込めてこの本で紹介されているような、ラッキー13、タイガーなんかのヘドン勢やバルサ50なんかの「サーフェイスプラグ」をコレクションして、投げてみたりたまに釣れてみたりというのは純粋に楽しかったし良い想い出である。よしんばだまされてたんだとしても、後悔なんてする理由が無いんである。
 この本で紹介されているルアーはルアー図鑑としてはそれほど多くない。でも、それぞれのルアーについて1ページの上半分ぐらいが写真で、その下半ページぐらいが丸々思い入れたっぷりの解説やら、小ネタやら、則さん達のルアーに対する考え方なんかで埋まっていて、それらの綺羅星のようなルアー達を「崇拝」せずにはいられなくなるし、釣り人が道具に対してどのくらい愛着や思い入れを持って楽しんでいるのか、またそうするべきだということを私を含め多くのバスマンは学んだんだと思う。
 この本は装丁やら写真、文章やらもなんというか、それまでの釣りの本とは一線を画す格好良さがあって、「サーフェイスプラッガーのためのテクニカルスタディ」と副題をみると水面のバス釣りの技術指南書という位置づけだが、水面至上主義のバスマンに限らず、バス釣りをやる多くの人間達を虜にし、道具への愛着や思い入れから始まる釣りのプロセスの楽しみ方という、単なる技術を越えた部分までをまさに布教した教典であったと断言できる名著である。若い頃に出会えて良かったと心底思う。

 この本と同時代に書かれた「井上博司のブラックバス攻略法」と平成10年代に入って書かれた地球丸の「バスルアーカタログ」は実は構成が似ている。さらに言うならまとう空気感というか味わいがとても似ている。「バスルアーカタログ」はロッド&リール誌の名物企画だった「三匹が行く」の鉄平君がメインのライターとして企画したようだが、意識したのかしていないのかは別にして、「井上博司のブラックバス攻略法」の影響が色濃くうかがえる。
 どちらの本も、バス釣りに使われるルアーをスイッシャー、ポッパー、クランクベイト、バイブレーションなどの種類毎に分けて、その使い方やらを解説すると共に、代表的なルアーを数多く紹介している。
 どちらもコラム欄やルアーの楽しみ方的なメッセージも楽しめる読み物になっているが、なんといってもルアーの紹介部分が好き者にはたまらない。なるべく沢山のルアーを紹介するために、一つのルアーについてそれほど多くの紙面を裂くことができなかったという制約が、むしろ独特のリズムのある短く切り込んだ紹介文をかたち作っており、なんとも味わい深いのである。
 「攻略法」の方は当時新しい釣りだったブラックバスのルアーフィッシングというモノの格好良さや先進の気風を伝えようとしている入れ込み具合が感じ取れるんだけど、カタカナ用語が多用されていて、今読むとそういう時代感が逆にノスタルジックで懐かしい。
 「カタログ」の方は、きっと哲平君とかのライター陣は「攻略法」とかを読んで育った世代で、バス釣りの、ルアーの楽しさを伝えるための技術とか短文にルアーの魅力を詰め込む味わいとかにおいて影響を受けているんだろうと思うんだけど、30年だかの歴史を経て育まれた感性と経験の分が生かされたぶん確実に進化していてデキが良いように感じる。枕元において何度も読んだけど、何度読んでも楽しい「図鑑」になっている。
 「攻略法」の「インビンシブル(無敵)、まさにそんな感じだ。」とか「カタログ」の「T.D.バイブレーションにはワームさえも及ばない釣れる何かが備わっているようだ。」とか、もうそのルアーを投げずにいられなくなるような煽りップリ。
 ルアー図鑑としては奇をてらわず基本的なところを押さえた作りだが、いずれも「これぞルアー図鑑!」というお手本のような2冊だと思う。

 でもって、「B級ルアー列伝」。Dab氏が「こんなヤツらだけど興味ある方がいるのかな?と、軽い気持ちでホームページをたちあげた」のが、面白くって評判を呼び書籍化、第2弾も発売される人気作となった。
 なんというか、日本のルアー釣りを取り巻く文化も、こんなにも隙間産業的でマニアックなものが受け入れられるだけの歴史的な積み重ねと健全な楽しみの深化がはかられてきたんだなと思うと感慨深い。
 内容的には、イロモノ的だったり社運をかけた超絶技巧が時代の先を行きすぎていたりして、スポットライトが当たることなくタックルボックスの肥やしと化しているような「B級ルアー」に愛情あふれる解説を加えているのだけど、Dab氏の独特の軽妙で明るく楽しい書きップリに、クスクス笑ったりニヤリとさせられたりせざるをえないんである。
 ルアーの釣りの楽しさって、「こんなモノで釣れるんだ」という驚きって確実に要素としてあって、単に効率的に釣れればいいというモノではないと思う。
 ヘンテコなルアーたちを通じて、そういうルアーのおつゆたっぷりのおいしい部分の楽しみ方がこれでもかという感じで伝わってくる。Dab氏のルアーへの愛があふれている。
 バスルアーって特にいろんなヘンテコな工夫が生まれやすい分野だけど、他の魚を狙うルアーだってそういう遊び心的な部分は無ければウソだと私は思っている。
 シーバスルアーとか見てると高性能をうたい文句にした最新のルアーに流行の中心があるように思うけど、そんなのあんまり気にしなくてよくて、単に釣れればいいのなら、例えば自分のスタイルなら堅くフラットラップとかFマグとか投げてれば良いんだろうけど、トップでも釣りたいし(もちろん効果的でもある)、ロングAとかインビンシブルとかも使ってみたいし、この秋は残念ながら釣りに行けてない状況だけどウインドチーターミノーとかも試してみるつもりで用意していたりしていた。そういう、ルアーをあれこれ選んで楽しむ楽しさってやっぱりルアー釣りの楽しみ方の本流だと「列伝」を読むと改めて分かるところである。タックルボックスにゴチャゴチャとあるルアーを選ぶ楽しさって最高だと思うよネッ!てところである。

 
 ルアー図鑑うすしお味でも、これまでいろんなルアーを力一杯紹介してきたところだけど、もし皆さんにも楽しんでいただけたのなら幸い。
 きっとどこかのマニアックな釣り人がクスッと笑ってくれたものと確信して一旦筆を置きたいと思います。どうも皆さんお付き合いありがとうございました。書いててとても楽しかったです。

2015年11月21日土曜日

ラパラマグナム屋繁盛記

 しばらく前にカヤックシーバス用に「Fマグ屋でも開店するんか?」という勢いでFマグ11センチと14センチを仕入れていたが、健康面の問題を抱え今年は出番が無く断腸の思いである。


  Fマグ屋状態を写真で公開して以降も中古屋とかで見つけるたびに買っていたので、今では小さめの段ボール二箱にギッチリ、計ったら3キロチョイあった。
 個数的には100以上、11センチ、14センチについては仕入れ具合は充分である。
 特に好きなカラーは青サバと青銀かな。青サバが大量に入手できているので心強い。
 さらには、最近Fマグはステンレスチールマグナムというメッキのようなカラーリングのが新品でも手に入るようで生産中止状態は抜けたらしくホッとしたところである。

 ラパラマグナム系については他にも仕入れており、結構在庫も豊富なので、今回そのあたりをルアー図鑑うすしお味25弾で取り上げてみたい。

 とりあえずは、Fマグ兄弟には9センチ7センチというような弟分もいたようですが、あんまり見かけないし使い道も思いつかないので仕入れていないけど、18センチの兄貴はデカ物狙いにはそのうち役立つだろうとなんぼか仕入れてきたところである。実戦を想定してフックに鉛線巻いたり、ナツメオモリ埋め込んだりという飛距離アップチューンも施したりして準備は怠りない。
 Fマグはワイヤー貫通式でぶっ壊されても魚は獲れるタイプのミノーなので、そのうちミノーをその重量やファイトで破壊するような獲物を狙ってみたいモノである。

 でもって、同じFマグ18センチの旧型で、リップが頭の先から突き出たオフセットリップじゃなくて下顎から突き出ているタイプ。
 緑サバカラーは都心の中古屋でエグリました。赤金は房総の釣り具屋で若い頃にエグリました。箱が壊れたようでガマカツとかのシールが貼ってある袋入りですがプレゼント券が付いていて、82年モデルということが分かります。90年代には今のオフセットリップになっていったようです。また、このころの赤金はマグナムでもホイルフィニッシュです。現在でもCDシリーズとかは赤金ホイルフィニッシュですが、マグナムの赤金は塗りです。


 CDマグナムも結構あります。14センチとちょっとスリムな13センチはコスタリカターポン様用に買ってましたがフロリダに行ったので出番無く、またどこかで出番が回ってくるのを待っている状態。






 CDマグナムはトローリング用として使われていて結構でかいサイズがあります。
 我が家にあるのは手に持っている22センチが最大で、後ろのは18センチ達ですが、最大26センチまでラインナップされているようです。
 




 でかいラパラというと、スーパーシャッドラップ14センチも外すことができません。怪魚ハンター御用達のルアーで、CDとFがありCDのほうが飛距離が出て人気ありますが、あんまり売ってるのみかけません。
 フローティングの方もオモリ埋め込んだりして飛距離アップチューンを施してあります。いつでも怪魚ハンティングに出かけられる状態です。

 最近、12センチでリップが金属でシンキングのマグナムシャドラップというのもアルのを発見して仕入れましたが、14センチほど迫力はなく、CD14を売ってくれた方が助かるのになと思ったところ。




 ラパラでマグナムというともう一つ、Xラップのマグナムダイブベイトというのがあって、これも試しに買っています。
 まだ実戦投入する機会が無く蔵に眠っています。
 でもまあ、Xラップあたりはラパラの系統のルアーというより、ストームやらルーハージェンセンやら吸収したアメリカンなメーカーの流れを汲むようなアメリカンな感じのルアーでラパラマグナムとは同列で語るべきではないのかもしれません。

 金融機関や自動車会社なんかの統廃合が進んで、年末控除に生命保険の会社名を書こうとすると枠からはみ出るぐらいに統合した社名を並べなければならなくてウザかったりするが、同じような統廃合は米国中心に釣り具メーカーにも見られたところである。

 先ほども書いたようにラパラがストーム、ルーハージェンセン、ブルーフォックス、ウィリアムソン、ラインのサフィックス、フックのVMCなんかを合併吸収していますし、アメリカンルアーを代表するようなヘドン、ボーマー、アーボガスト、レーベル、コットンコーデル、クリークチャブ、スミスウィックなんてメーカーはレーベルを中心にエビスコというアウトドア系の総合会社の釣り部門「プラドコ」ブランドに統合されてしまってます。
 PENNはかなり最近まで、フィラデルフィアに本社を置くPENN社として独立してありましたが、数年前に、ABUやバークレー、はてはシェクスピア、ハーディーまで傘下に入れたピュアフィッシングに統合されました。
 時代の流れを感じずにはいられません。

 なんとなく寂しくもあるのですが、ラパラは今でもラパラな部分を受け継いでいるし(Fマグも廃盤にはならなかったし)、ストームのウイグルワートの「不規則揺れ」をラパラで再現させるために幅広い帽子のつばみたいなリップを搭載した「スキャッター」シリーズとか開発してみたり、プラドコに多くのルアーメーカーが合流して、レーベルお得意のGフィニッシュカラーがヘドン、ボーマーなんかのルアーにも施されたり、ソルトウォーターグレードボーマーなんてのはボーマーベースにレーベルやヘドンからの移籍組的なルアーもあってなかなかに面白いことになっていると評価できるし、デカイ会社になって企業の体力が上がって製品が良くなる分には悪くないことだと考えておきたい。

 まあ、世界的な経済の大きな流れからはルアー生産の現場も逃れようがないというのが現実なのかもしれません。気に入らないからといって嘆いたところで仕方のないことなので、「気に入る」ルアーなどが売られていたら、いつものように一票入れるつもりで買っていくというのが一消費者にできる唯一にしてそれなりに影響力を持った手段なのかなと思います。

2015年11月14日土曜日

釣るためだけが目的でつくったワケじゃないルアー達


 写真を見て、なんか見たこと無いようなルアーが多いなと思われるかも知れないですが、それもそのはず。
 こいつらは不肖ナマジが作ったルアー達です。
 というわけでルアー図鑑うすしお味第24弾は、自作ルアーの紹介。

 ハンドメイドのルアーって、売っているのはおおむね高級品なので、最初は自分で作れれば安上がりかなと思うものですが、これが手間暇かかるし塗料だのなんだのをそろえるとお金もかかるしで、全く費用対効果的には割に合わないことが多いです。
 サイトの方で紹介した、割り箸使った「お手元ルアー」とか秘密の「フッコスペシャル」とかは、いい加減にササッと作っているので、実弾として実戦投入しても問題無いぐらいに費用対効果も良いハンドメイドルアーになっていますが、普通にバルサなりほかの木材なりを削って成形して、針金のリグを挟み込んだり、ヒートンねじ込んだり、塗装して色塗ってウレタンクリアーでコーティングしてという、いわゆるハンドメイドルアーと聞いて思い描くような物を作るととてもじゃないけど、根掛かりしそうなポイントでは投げる気にもならないぐらいにコストのかかったモノになってしまいます。
 それでも、中学生こころから今でも、たまに思い出したようにハンドメイド熱がぶり返して作りたくなったりするのは、世界中のどこにもない新しいルアーを作り出すそのこと自体に楽しさがあるからだと私は思っています。

 でもって、久しぶりに熱がぶり返して、完成させたのが左の2つ。といっても最初の木を削るところからのスタートじゃなくて、下地のコーティングまでして熱が冷めて放置していたのを完成させたところ。
 永年にわたり、たまにルアー作ってきて、カラーリングはあまり凝ったものにすると塗料を何色もそろえなければならないし、工程が増えるとその分失敗するしで、ろくな事にならないのを学習したところ。ついでにそろえたカラーも次の発熱時には乾涸らびていて無駄になるのがオチ。手作りっぽく木目調をそのまま残して背中とお腹にスプレーでカラーを振って、あとはコーチドック模様でもカエル模様でも筆で手書きしてしまうと、それなりに格好が付く。というのが気にいっている。

 一応、過去にはホイルフィニッシュなんてのにも挑戦して、それなりのモノができているように自負してます。
 ホイルフィニッシュはそれほど難しくなく、いかにもハンドメイドルアーという感じになるので割とお奨めである。
 ホイルを普通のアルミホイルじゃなくて接着テープになっている台所の隙間貼り用のものを使うのが簡単ホイルフィニッシュのキモかな。
 昔使っていたウレタンコーティング剤が何年も経つと茶色く変色するタイプなので、大学生のころ作ったこいつらは結構茶色くなっているが、その辺の古き良き時代感も悪くないと思う。

 左のペラモノも大学生ころ作って、結構バス釣ったルアーである。
 上二つの銀ラメを散らすと結構それっぽい感じに仕上がるというのも、手間がそれほどかからず好きなカラーリングである。
 下2つのお尻にペラのついたペンシルは、「ブラックバス釣りの楽しみ方」に紹介されていたフルーガージャークが全く売ってたりするのも持っている人も見たこと無いので似たような味のを作ってみようとしたモノである。似ているのかどうかは本物知らないので分からないが、結構釣れて一番下のは高い木の上に引っかけてしまったので、もう一度同じようなスタイルで作ったヤツである。
 ハンドメイドルアーはなくすと困るのでボートで使うトップがほとんどだったけど、それでも結構無くしてしまったのはある。
 これらのルアーを見ても分かるように、塗装はテキトーなのが自分の作ったモノには多い。早く使いたくて塗装が早くおわる方向に技術を進めてきたような気がする。


 次の3つは、それぞれラッキー13、バスオレノ、ボーマージャークベイトをイメージして、オリジナルサイズよりも小さめで使いやすい大きさで作っているのだが、今考えると、ラッキー13もバスオレノもJrサイズがあって、わざわざ作らなくても良かったような気がするが、作った時は作りたかったのだろう。
 ルアー作りたい熱はいつ何時、どういうきっかけで、どう発病するか不明の熱病である。治療法はとにかく木を削ることだと思うところ。



 次のコーチドック模様の2つ。
 上のミノーはバルサ50スリンキーに触発されてお腹の膨れたミノーを作ってみたところで、たぶん高校生か中学のころのもの。
 カラーもバルサ50ちっくに型紙切ってスプレーしている。目玉に黒目が入っていないのは、実はこのルアー、目を入れてコーティングする前にスイムテストの段階で50UP釣ってしまって、そのままお蔵入りさせたので制作途中で止まっているのであった。
 下のサクラが背中に咲いているポッパーは、大学受験のころ作っていたルアーで、合格記念にサクラサクバージョンにしたモノである。
 受験勉強の息抜きにしては、力の入ったデキである。当時、勉強机の一番上の引き出しをあけると、作りかけのルアーと道具が入っていた。アホである。

 右のルアーは、小型のいわゆるチマチマサイズのルアー達で、大学生のころダム湖にゴムボート浮かべて良く釣ったルアー達である。特に上二つ。
 当時、小さいサイズのトップが良く釣れるということでズィールのチマチマシリーズが流行っており、高校時代からケン一が愛用していたのだが、同じルアーを使うのも芸がないと思ったのと、ズイールのルアーもわりと高級品だったので貧乏学生は作った方が安いんじゃないかといじましく考えて自作したところである。安上がりには全くなっていなかったと思うが、魚は釣れておおいに楽しかったので、結果オーライであった。

 そして、残っている範囲で一番古いのが、この2個。どちらも中学生のころ作ったモノで、これ以前にもいくつか作っているはずだけど出来が悪かったので捨ててしまっている。逆に言うとこいつらは出来が良くて良く釣れたうえに根掛かりもさせずに生き残った強者である。
 上の頭でっかちのスイッシャーは、ジッタースティックやダルトンツイストをイメージしてバルサで作った。バルサなのでお尻のヒートンがそのままでは抜けてしまうので、ヒートンを固定するためプラスチックの板をバルサボディーに内蔵している。アクションも意図したとおり首振りながらペラが回ってくれて完成時、魚釣った時、メチャクチャ感動したように思う。こいつのコーチドック模様は、たぶんガンプラマニアでルアー作るのも得意だったF師匠に塗ってもらったはずである。懐かしい。
 下のミノーも良く釣れた。7センチぐらいのサイズだけど、小さいミノーって当時は田舎には売って無くて、ラパラの5センチ7センチとかももっと後年の管理釣り場とかの流行までは目にしなかった。でも、小さめのバス釣るのにロングAの12センチとかではデカイのは感覚的に分かっていたので、売って無ければ作るしかないということで作って、実際良く釣れた。野池のインレットとかに群れている30センチ無いぐらいの小バス釣るのによく使ってた。

 引っかけて無くしてしまったりしたのも結構あるけど、残っている自作ルアー達を眺めていると、いろんなことが思い出されて楽しい。
 最初にも書いたように、単にルアーを安上がりに手に入れるという費用対効果を考えるなら、全くハンドメイドというのは割に合わないと思う。
 でも、自分で工夫して苦労して楽しんで作ったルアーで釣って楽しんで、その思い出をまた楽しむということまで含めるなら、ルアーのハンドメイドというのは、苦労するだけの価値のある楽しい遊びだと心の底から思う。
 ルアー作りたい熱に冒されたなら、あきらめてルアーを作ることを皆さんにもお勧めしておきたい。

2015年11月7日土曜日

小っちゃいって事は便利かな?



 アメリカにはパンフィッシュと呼ばれる魚がいる。ちょうどフライ「パン」に乗るぐらいの魚の意味だと聞いているけど、具体的にはお馴染みのブルーギルやクラッピー、パンプキンシードなんかのサンフィッシュ科の平べったい魚をそう呼ぶようで、アメリカのルアーメーカーはバスルアーをサイズダウンしたようなパンフィッシュサイズのプラグをラインナップしていたりして、逆にストライパー用のビックサイズのもあったりするのと併せて、大小眺めてみるのはなかなかに乙である。
 パンフィッシュサイズのプラグはそれほど大きくない鱒類を釣るのにもちょうど良い大きさなので、日本ではトラウトルアーとして認識されているようだし、日本でもこのてのサイズはおもに管理釣り場のマス釣り用に作られていて、メバル釣りへ流用されたり、やっぱり日本でもギル釣りに使われたりと、結構小っちゃいルアーも楽しまれているところである。
 ということで、ルアー図鑑うすしお味第23弾は小っちゃいルアーを取り上げてみたい。
 小型魚用のルアーとして3グラムとかのマイクロスプーン、マイクロスピナーはむしろ小さいのが当たり前なので、今回それらは除いたプラグを中心に紹介する。いずれも2~5センチの可愛いヤツらである。

 小っちゃいプラグといえば、老舗中の老舗がレーベルでしょう。
 なぜバッタ型のクランクである必要性があるのか分からないが、通称「レーベルのバッタ」は管理釣り場はもちろん、天然モノのイワナにも卓効有り。ある釣り人がバッタで尺イワナ2連発して「バッタポイント」と名付けられた淵が東北のとある里川にある。谷の田んぼの中を流れる小支流でイナゴとか多いことと関係あるのかどうだか不明だが、イワナにバッタが効くことは間違いなさそう。
 写真右下のミノーは1インチ2.5センチぐらいなのだが、それでも立体に鱗模様が切ってあって、まったくもってレーベルミノーなのである。

 次は、ちょっと渋めのアメリカンルアーっぽいところを3つほど。上からヘドン社タドポリー。グデブロッド社バンピングラインド、クリークチャブ社ダーターでございます。

 タドポリー、バンプあたりはオリジナルサイズを開高先生も愛用していた名品ですが、小っちゃいのもちゃんと作られています。
 小っちゃすぎるとイマイチバランスが取りにくいのかやや渓流ではひっくり返っちゃったりしてあんまり使っておりません。
 

  大きさの比較物がないと、ザラパピー、レッドペッパーベビー、ワンダー7、ファントム14グラムとかの「普通」のサイズと違いが分かりずらいですが、全部5センチ内外のサイズで、ザラポーチ、レッドペッパーマイクロ、ワンダー5、ファントムⅡ小なのです。
 管理釣り場ではトップもよく使いますが、普通の渓流でもイワナは魚食性強いというか、食い意地張ってるのでペンシルとか使えますマイクロペッパーでは釣ってます。
 小さいメタルジグは渓流では意外につかいでがあります。大場所で遠投したり、流のある淵でスプーンが流の抵抗で浮いてしまうような時にも底まで探れます。ジグミノーでも良いですが、渓流行くには1個入れておくと出番があると思います。

 ミノーは各社から各種出ていますが、一番上がいつもカヤックシーバスで10センチを使っていたマリアのフライングダイバーの5.5センチ、ラパラのCD3、シュガーミノー3センチと、さらに小さいバスディのソリッドミノー。
 縦になってるジョイントミノーはオリンピックのインチビック。これは後期型でリップがプラスチック。たしか古いのはリップが金属でした。80年代ころ重めのシンキングで小さいミノーってこれぐらいしか手に入らない時代であったと記憶しています。
 90年代くらいからラパラCD5やらシュガーミノーが出てきてセイゴ釣りがはかどるようになった想い出があります。

 日本のメーカーも、管理釣り場のマス釣りが流行るのにあわせて、今では膨大な種類のそれ用プラグが出ていますが、上のスミスのエルフィンシリーズあたりが元祖的存在なのかなと思います。ちなみにセミのクランクです。
 もういっちょ、リアフックが無くて透明なシッポがジョイントされているのはデュエルのキリーフィシュ。キリーフィシュってメダカのはずだけどパーマークついてます。まあ、あんまり気にしてないのでしょう。気にせず買いました。




 管理釣り場のマス用が多い日本製の小型プラグですが、ザウルスは真面目にギルを釣るために得意のトップのプラグを作ってました。その名も「ギルラ」。
 2センチぐらいの超小型ルアーですが、それでもこのルアーをバッコシ咥えることができるギルは20センチオーバーとかの良型で、10センチ前後の群れてるギルはチュパチュパ吸いまくるわりにフッキングしないので、下のようにダブルフックを外してフライをぶら下げるという鬼畜にせせこましい釣り方をしておりました。


 最後、小っちゃいルアー界で最強のポテンシャルとルックスを兼ね備えていると私が思う、レーベル社タドフライ。
 オタマジャクシというか人魂のようなラブリーな見た目にとどまらぬ、小さいがゆえに魚に嫌われないという、釣る方の実力にも定評のある逸品。
 すれた管理釣り場で浮かべておくと、ペレットと間違えてマスが食うという使い方をしておりました。
 ギル釣りではまたも、後ろにフライをぶら下げてセコく釣っていた形跡が残っています。
 「そこまでして釣りたいのかオノレは?」と聞かれれば、そこまでしてでも釣りたいとしか答えようがないです。
 レーベルは小っちゃいシリーズとして他にもヤゴだのカエルだのも作っていて、この分野のリーディングカンパニーだと思います。

 30センチを越えるようなGT用のペンシルから、2センチぐらいのギル用ルアーまで、ルアーってありとあらゆる種類がありますが、その辺の多様性もまた、ルアーの楽しさの一要因なんだろうなと、小っちゃいルアーいじりながら思ったところです。

2015年10月31日土曜日

にょろにょろにょろにょろ


にょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろ


にょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろにょーろ

ニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロニョロ

にょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろにょろ




 ルアーうすしお味第2ョロ2ョロ弾でした。

2015年10月24日土曜日

長期休養突入、食欲の秋、読書の秋


 最初二週間ぐらい自宅療養といわれたときは、二週間もいるかよ!シーバスもイイ季節なのに部屋で寝てばっかりとか勘弁してくれと思ったのだが、これがオッサンの身体は回復力も衰えまくっていて、なかなか復調せず二週間経って主治医から「ちょっと長くかかりそうですね。まあ長めに見積もって2,3ヶ月かかるとみといて下さい」といわれてしまいトホホという状況である。

 今年の秋のシーバスシーズンは棒に振ったっぽい。

 香港からSUZUKIさんが日本に帰ってきて神奈川に住むということなので、早速オイカワ釣りでもリハビリがてら行きましょうと約束していたのに、回復状況がこんななのでドタキャンしてしまった。面目ない。冬場の湧水の川のオイカワ面白いのでそれまでに復活しますのでまたご一緒しましょう。

 体調はどこが悪いというのはないんだけど、全般的に良かったり悪かったりで、熱っぽくダルかったり、頭痛だったり、胃腸の調子がおかしかったりというのが日和見で出てなかなかスッキリ良くならない。
 先日は、夜中にお腹がメチャクチャ痛くなって、脂汗ダラダラ流れて失神悶絶しそうな痛みに襲われ、これは救急車呼ばねばならんのかと覚悟したが、しばらくしたらおさまった。でかけたりするのはチョットこの体調ではおぼつかない。
 てなこともあって、胃腸に効く薬も出してもらっているのだが、布団で基本、小説、マンガを読んで具合良ければ、パソコンの前で本の自炊ぐらいしかしておらず運動不足なのに、回復した胃腸の調子が良いので飯が旨く、サンマ食ったりキノコ汁食ったりとこれまた自炊を楽しんでいるせいか、ここ二週間で体重が2キロほど増えた。まあ、食欲あるのはよいこととしておこう。
 一日暇なので飯食うぐらいしか楽しみが無い!

 本の自炊の方は、ちゃくちゃくと進行中である。釣り雑誌の薄いカラーページが滑って上手く紙送りできないという不具合以外は特に問題無く、文庫本やマンガは押し入れの段ボールからデータ化してパソコンのハードディスクとバックアップでクラウドサーバに保管しつつある。

 データ化してもの凄く便利だと感じるのが、場所を取らないという当初期待していたメリットの他に、必要な本を見つけるのが極めて簡単だという事実。
 押し入れのどの段ボールのどのあたりに入っているのか不明な紙の本は実質読みたくてもすぐには出てこないので読めない。けれど、データ化してあるとファイル名で検索一発だし、数百冊程度なら検索かけるまでもなく一覧をスクロールさせて探しても事足りる。もう、後戻りはできそうにない便利さだと感じている。

 それから、学生時代とかに買った安い文庫本は紙が酸性紙で質が悪いからか、茶色く変色していてボロボロになりかかっていて、埃っぽく手に取るとくしゃみが出る感じで紙のまま置いておいても現時点でも読む気が起きにくいし、今後10年単位では紙が完全にボロボロになって「読めない」状態になることも想定される。文字情報の紙からPDFファイルへの引き継ぎというのを行う妥当なタイミングだったようにも思う。
 もう10年しないうちに、裁断せずに本の形のままページをめくって読み込むスキャナーが実用化すると思うので、その時に自炊スタートというのもありかと思うが、とっととデータ化した便利さを享受できるのは悪くない選択だったと思いたい。

 もともと、段ボールに残していた本は、面白いので後でまた読みたいと思ったのを厳選して残していたので、自炊しつつ早速読み始めているのだけれど、もう激烈面白い。開高先生ものの再読とかハズレ無しの鉄板中の鉄板だし、極真の大山倍達総帥の「世界ケンカ旅」とか高野秀行「ワセダ三畳青春期」とかも読んだけど、あれこれ段ボールにとっておいてよかったとつくづく思う。2ヶ月とかの退屈はこれでなんとかつぶせそうな気がする。今データ化した小説の類だけで300冊ぐらいある。面白いと過去の自分が太鼓判を押した本が300冊もあるという心強さよ。

 この良い時期に釣りにも行けず、職場にも迷惑かけてというようなことを考え始めると気が滅入るけど、まあ、じっくり読書する機会を今回はもらったと思うようにしよう。

2015年10月18日日曜日

スプーン備蓄状況

 先週は東北のルアーの入ってそうなボックスなどをゴチャゴチャとひっくり返していた。



東北の渓流ルアーのメインボックスは当時のまま残してあってこんな感じである。
ミノーはラパラF7が何本かとグレートハンティング70とシュガーミノー50、レーベルバッタ。
 スプーンが忠サンマスター5、コンデックス5、ハスルアー3.5、トビー4ぐらいで、あとジグミノーのサージャーとジグヘッドリグのワームぐらい。




 そういえば、マスターの備蓄とか足りてたっけ?と気になり始めてスプーンの備蓄箱をひっくり返したので、ルアー図鑑うすしお味第21弾はナマジの主戦力スプーンの備蓄具合を公開してみます。


 まずは、忠サンスプーンのマスターアングラー、通称マスター。
 渓流用の5gが少ない。2枚ぐらいしかない。まあ、ボックスにも3枚ぐらい入っているし、滅多に渓流も行かなくなったので、すぐに困るようなことはないが、機会があれば買い足しておきたい。
 ちなみに、27gのデカイのはJOSさんがアルゼンチンでドラド釣るのに使ったのの生き残り。
 当時御在命の忠サンにドラド釣りに使うので、ということで発注かけたら「私のスプーンでドラド釣られるのは開高先生以来かもしれませんね」とおっしゃっていたとか。ドラド爆釣だったらしい。


 ついでに、マスターアングラーの名前になる以前の「レイカー」の目玉付き。開高先生命名のレイカーで商標登録できなかったので名前が最終的にマスターアングラーに落ち着いたと以前どっかに書いたけど、その「レイカー」。


 


 備蓄が充実しているのが、忠サン「バイト」27グラムの大型から、よく使う10g前後、小型の5gくらいまでまんべんなく揃っています。
 30枚ぐらいはあるのかな。
 しばらく遠征のお供やらで持っていく分には困らない備蓄状況。
 バイトはベーシックなスプーンなのでいろんな状況で、様々な魚が狙える応用範囲の広いスプーンなので備えておいて損はないでしょう。





 お次はABU社トビー。よく使っていたのは4グラムのコパ-だけど在庫は既に残り2個。その他はチョット古い目のを中古屋で見つけて確保したり、35グラムのデカイのは、釣り具屋の棚に見つけたのを即バイトしてしまったものだが、店員さんに「何を狙うんですか?」と不思議そうに聞かれた記憶がある。まあ、シイラ釣りとかで投げるつもりだったけど、売ってる方からそういう質問が出るかな?とちょっと面白かった。

 トビーの裏の文字の特徴とかから作られた年代とかが分かるそうだが、その辺は詳しくないのでよく分からない。
  真鍮のキーホルダーって触っているウチに色が剥げたりくすんできたりして味わい深いとおもうけど、トビーは真鍮製のがあってキーホルダーとして使っている。一番左上のがそれ。

  
 ハスルアーの3.5gはヤマメ釣るならこれだけあれば良いぐらいに思って使ってました。
 カラーは緑にシルバーのプリズムシートが貼ってあるカラーで、金も銀も使っていました。
 最初売れ残ってたカラーをまあ色はあんまり気にしなくて良いだろうと使ったら良く釣れたので、それ以降同じカラーがあれば買いためていました。でももう10個もなさそう。最後に買った時のは100円でたたき売られていた模様。

 まさかコータックがつぶれるとは、ということで、備蓄がこれだけになっているコンデックス。
 写真のように「ブレードオンリー」で売っていて、左のように6枚入りの小袋単位で買っていました。
 まあ渓流それほど行く機会もないので間に合うでしょう。







 あと、在庫がほぼ無いのが、ダイワのチヌーク。どっかで安売りしているのを見つけたら買いだめしておかねばならんです。

 ルアーって生産ラインに乗って店に並んでいる時を外すと、手に入りにくいこともあって、アホのように備蓄していたりするのだが、なかなか蔵のスペースをとるので悩ましくもある。
 でも、ごっちゃりと備蓄がある時の「まだまだ使いまくっても大丈夫」という安心感には代え難いものがあるので、セッセと備蓄するしかないのかなと思う。

2015年10月11日日曜日

東北ローカルルアーと謎のブツ

 ルアー図鑑うすしお味も第20弾ということで、そろそろネタも切れそうでラストスパート。皆様もうしばらくお付き合いのほどを。

 前回、ブラウニーネタ書いた時に東北時代を懐かしく思い出して、当時使っていたルアーなど引っ張り出して眺めたりしていたんだけれど、その中でチョットマイナーで東北ならではのローカルルアーを2つほど紹介したい。

 1発目はアイデックスの「ルアーマン702」。
 見てのとおりの金属を折り曲げてリップのような構造をもたせたスプーン。ルアーの製造で、プラスチックのプラグなんかは割と難しくないけど、スプーンとか金属を設計通りに加工する技術は結構難しいと聞く。
 そういう難しそうな金属加工をやってのけ、リップを設けたおかげで一定の深い層を引けるという謳い文句であったけど、3gの小さいヤツは特にそうなのかもしれないが、あまり普通の重めのスプーンとの違いが分からなかったので、これ1個しか買わなかった。釣れなかったわけではないけど、あえて使う必然性も感じずあまり投げなかったので生き残っている。
 メーカーのアイデックス社は秋田県の十和田湖のあたりにあったのだが、検索してもホームページとか出てこないので無くなってしまったのかもしれない。
  
 もいっちょ、こいつはメーカーも名前も忘れてしまったけれど、当時の東北の釣り具屋さんではよく見かけた代物で、一番下が初期型で上2つが後期型。パッケージにはゴカイを付けて使うような図が書かれており、ブラーのようなルアーと餌の良いとこ取りを念頭においた製品だったようだ。
 ルアーの後ろに餌を付けるのはなんと無く好きじゃないので、普通にルアー単体として使っていた。ルアーを集魚板的に使って餌で食わせるなら、最初から集魚板付きの餌釣り仕掛けを使えば安上がりでめんどくさくないという理屈よりも「なんと無く」という好みの問題である。
 東北ではあまり出番が無くて、南の島の小物釣りとかで使っていた。
 名前が全く思い出せないので、知っている方がいたら教えて欲しい。固有名詞がめっきり思い出せない年頃。

 ついでに、いくつか中古屋で見つけてなかなか味があるので購入したモノの正体が分からないルアーについて、これも名前など知っている人がいたら教えて欲しいということでピックアップ。  

 1発目は、3センチぐらいの可愛いミノー。
 ラインを結ぶアイがみあたらないが、実はボディーの真ん中を貫通する穴が空いていて、ラインを通してフックを結ぶ方式。
 腹側に「KILLROY」と書かれたシールが貼ってあり、アメリカの落書き「KILROY参上」のキルロイかなと思ったが、スペルが微妙に違う。




 リップには、「パーフェクタ システマ」と書いてあるようでドイツ語っぽい語尾と思うが、ドイツルアーなのだろうか?謎である。

 2発目は、北欧っぽいミノー。5センチぐらいのと7センチぐらいの2つ。シルバーで鱗が吹いてある感じとラパラっぽい作りが特徴だが、どこにもメーカー表示とかが無いのでこれもまた謎。
 なかなかに味わい深く好みのミノーなので中古屋でレジダッシュしてしまった。




 同じメーカーのルアーだと思うのだが、リップが特徴的で角度がきつくて、楕円形の先端を削ったリップになっている。
 空気抵抗が大きそうだが、水噛みはとてもよさそう。実はまだ投げていないがキビキビとした良い動きをしそうだ。





 自宅療養中で、しばらく釣りに行けない日々だが、東北の、どこか異国のルアー達に無聊を慰められるところである。