2015年6月28日日曜日

世の果てに似ていると歌われる漆黒の羽

 モーニング最新号のとりのなん子の「とりぱん」は育てていたクロアゲハの羽化編で巻頭カラーで、黒い羽に朱色のアップの絵が実に美しく眼福であった。
 アゲハの仲間、いずれ劣らぬ美麗種揃いだが、クロアゲハとカラスアゲハの大きさとシックな黒ベースに朱が入る感じは、出会うと息をのむぐらいの迫力ある美しさだと感じる。カラスアゲハの方がちょっと黒に金属光沢が混じって、クロアゲハの黒は深いマットな黒。

 今日、堤防の道の水たまりではアオズジアゲハが吸水していた。私の一番の好みのアゲハはこのアオスジアゲハである。
 他のアゲハがミカン類の木の周りの低い位置を飛ぶのに、こいつは幼虫の食草であるクスノキの梢とかの高い位置を速いスピードで飛んでいて、アゲハ特有のスワローテールは無いんだけど黒に青のラインがキリッとしていて、夏の空になんとも格好いい風情なのである。
 クスノキの木の下で幼虫を拾って友達と一緒に羽化させたのも懐かしい。

 なん子さんは育てた2匹どちらも羽化の現場を見逃し、2匹目が窓から飛び立っていった後ろ姿を「あの美しい生きものは私が育てたのー」「なんて言わないけどね 元気でね」と見送っている。
 蝶は自ら美しく在るだけで、別に育てた人間の手柄で美しいわけではないのは重々承知していても、それでもチョット自慢したくなるような美しい生きもの。その気持ちよく分かる気がする。


 釣った魚をリリースする時に、ライギョみたいに泥はねあげてダッシュで逃げていく魚もいるし、足場高くて上からボチャンな風情のないリリースもあったりするしだが、浅瀬で回復させて帰って行くのを見送る時、良いサイズだと最後にその力強い泳ぎを生み出した迫力ある尾びれをユラリと揺らしてくれたりして、「あの素晴らしい生きものは私が仕留めた獲物なのー」とやっぱりチョット自慢したくなるような気になる。

 そんなシーンが写真に撮れないかなと狙ってみた一枚です。なかなか気に入ってます。

2015年6月27日土曜日

ボンバー!ボンバー!ボンバー!!

 ルアー図鑑うすしお味第11弾は、ロングAを爆心地とする爆弾野郎どもを紹介するゼ。なに言ってるんだか意味不明だが勢いで行くゼ。


 前回の豪州編にチラッと出てきたバラボーマーあたりが気になってたので、ちょっと前にネットでまだどっかで売ってないかな?とか、強度的にロングAって今のメキシコ製エイト管モノはもとより、丈夫さには定評のあった昔のメリケン製ヒートンモノでも、でかいアカメとか狙う人に言わせると「実はブッ壊されます。ルアー自体はぶっちゃけ壊れても良いけどワイヤー貫通してないので獲れないのはいただけません。」とか聞いてて、バラムンディもアカメに近い魚で大型化するから、ロングAで大丈夫なのかい?とか思ってネット情報をさまよっていたら衝撃の事実が発覚。
 なんと、2008年から展開されている「ソルトウォーターグレードボーマー」ブランドで出ているロングAとかのルアーは、強度の高いポリカーボネイト製なんだそうである。ポリカーボネイトってハンドメイドルアーのリップには使われていることあるけどボディーに使ってるのは初めて聞いた。強度が高いといってもいろいろあるが、ポリカーボネイトは海外でデモ隊鎮圧する機動隊が持ってる透明な盾がポリカーボネイト製ってぐらいの衝撃には強い素材で、コストとか加工技術とか大丈夫なんかとビックリする。

 でも、なかなか紹介記事が、メーカーのプラドコのサイトからの引用ぐらいで少ない中、アマゾン持ってったら普通のロングAはピラニアとかの歯で穴開いて浸水しちゃうけど、ポリカーボネイト製の方は塗装剥げたけど穴は開かずに驚きの丈夫さを発揮してたとかなんとかいうのが拾えたくらいで少ない。
 でかい魚の重量級首振りや青物の引きや大型根魚の突進で破壊されないのか、実際の釣りの現場からの報告が見あたらず、どっかで私が実験あるいは実釣で使えるか試すしかないのかなと思うところだけど、少なくとも歯が強い系の魚の攻撃に耐えうるだけのタフさは間違いないところのようだ。ぶつけまくる橋の下パターンには実に心強い。塗装なんか剥げても適当に塗り直しゃよし子さん。



 ロングAについては実は3度めの紹介である。サイトのシーバスルアーの紹介でも書いたし、2012年6月9日のブログでも書いた。まあ、好きなんですネ。
 その際、元々のメーカーであるボーマー社がプラドコに吸収合併されその一ブランドになって、ロングAもエルサルバドルやらメキシコやらで安く作られるようになり、最近は安くてその割に塗装も綺麗でいいけど、強度が足りなくて壊れやすい、と苦言を書いていたのだが、まったく「プラドコさんごめんなさい」という感じで「丈夫な素材で作ってくれ」というリクエストは私がそう書いた時点ですでに知らないだけでかなえられていて、己の不明を恥じるところである。
 罪滅ぼしといっては何だが、思いっ切り何票も入れる感じで爆買いしたところだが、かつ、今から全力でロングAの魅力を紹介していきたい。

 まあ、ルアーなんで釣れなきゃ魅力もクソもない(そうじゃないと思うこともたまにあるが)という話で、歴史を紐解くとボーマーの最初のルアーである爆弾型のディープダイバーからとっくに50周年を越えているらしく、その米国老舗メーカーというか老舗ブランドであるボーマーの初のミノーとしてロングAは70年代終わり頃には登場したらしい。それから既に30年以上の月日が流れて会社も工場も釣り人さえ変わっても、それでも釣具屋の棚から無くならないというのは、いかにこのルアーに釣り人が魅力を感じ、釣れると信頼してきたかということの証明だろう。それも世界中でである。

 じゃあ何が釣れる要素なのかと考えると、アクションはバタバタ派手目、固定重心で立ち上がりは早くて良い。ラトルも入ってて全体的にアピール度の高いミノーである。
 バス釣りの世界では思いっ切り竿を煽ってジャークしてフラフラッと浮かせてまたジャークしてという感じで使うジャークベイトとしてスミスウィックのラトリンログと双璧の扱いを受けている。
 ただそういった使い方しかできないかというとそうでもなくて、ただ巻きでも早めならバタバタとした、デッドスローならヌルヨタな感じの結構良い動きをしてくれるし、固定重心だけどツイッチもかけやすい。
 固定重心なので竿あしらいやリーリングへの反応が素直で素早く使いやすいミノーで、アピール度が高いこともあって勝負が早いルアーだと感じている。
 活性高い魚がいたら多少遠くからでも食わせるパワーが秘められているという感じか。そういう魅力は高性能ジャパニーズミノーの遠投性や繊細な動きとは、まったく別方向の要素で、ボックスにジャパニーズミノーが入っていても、ロングAも入れておいて損は無いような気がしている。ロングAがはまる状況が結構あるように感じている。
 特に私の得意な橋の下パターンとかの近距離戦では、飛距離はいらなくてむしろアクションの立ち上がりが遅いとピンスポットの魚が食ってくるポイントを逃してしまいかねず、立ち上がりが早くバタバタという感触を手元に伝えつつキッチリ泳いでくれるのは心強いモノである。

 でもまあ、他にも同程度の性能のルアーなどいくらでもあるだろう、それでもやっぱり投げるならロングAと思うのは、釣り人達が信頼を置いてきた歴史やいろんな釣り人の楽しい釣りのシーンにあったロングAの印象風景、そういうモノも含めて選んでいるというのと共に、忘れちゃならんのが、このルアーのバリエーションの豊富さで、サイズや色など色々と悩んだり集めて楽しんだり、新色や「こんな色あったんか?」的なレアカラーを見つける楽しみなんかも、ルアーという嗜好品の楽しみとなっているところ大だと思う。

 サイズについては、3インチの13Aは持っていないが、4インチ約10センチの14Aからは持っているので写真もつけてで紹介していきたい。



 14Aはシーバスでは意外に使っていない。シーバス用の小さめのおとなしいルアーはラパラやジャパニーズミノーの出番だということだろうか。
 昔はボーマーのルアーも上のような箱入り娘だった。







 

  15Aは5インチ、約12センチとシーバスには一般的なサイズでよく使うサイズ。 型番の「15A」の一桁のところがインチ数を表していて二桁目は特に意味はないけど、クランクベイトのモデルAと区別するための数字だと思っています。
好きなカラーは派手目の蛍光色でお腹がオレンジで反射板入りですが、白に黒の点線が入ったストライパーカラーとかイナっぽくて気分だし、オーソドックスな黒金も好きですし、濁りの中ではレーベルから移植したGフィニッシュのギラつくパールベースのカラーが良いかなと思って使ってたりします。
 反射板入りモデルではクビもとあたりにラトルルームがあるのだけど、反射板入りではないモデルではボディーの空洞全体にラトルが転がり回って良い音させてます。


 反射板も金銀はもちろん、ホロシート、プリズムシート、夜光シートなどなど、いろんな種類があって、たぶんコレクションとして収集し始めると収拾つかなくなると思います。













 ロングAのネットオークションとか見ていると、「リアヒートン」とか明記されていることがありますが、アメリカ製だったころの古いものはリアフックのアイがヒートンねじ込み式になっていてそのことを指してそう呼びます。
 プラドコがメキシコやらで作ってたのはリアフックのアイもエイト管です。
 プラドコ時代がダメかというと、そうとも私は思ってなくて、メキシコやらエルサルバドルやらで作って安く仕上げた割には、カラーも綺麗で強度以外では文句なしでした。充分コストパフォーマンス考えれば優秀で、橋脚にぶつけるような釣り方じゃなければシーバスに使う分には何の問題もないと思います。ストックしてあるメキシコものどももこれからも使うだろうと思います。



 16Aは6インチで15センチぐらい。ヘビーデューティーロングAと表記されることもあって結構迫力ある大きさ。アマゾンでピーコックバスとか釣るのはこのサイズかと。









 シーバス用には、冬の大型狙いのボートシーバスでストライパーカラーは活躍してくれました。
 オカッパリのナイターでは背中も腹も蛍光黄色の反射板入りを愛用。良い釣りした想い出のカラー。リップ削って水面直下用とかも用意してました。










 17A、ロングAマグナムは7インチで約18センチとちょっと普通のシーバスロッドでは投げにくいサイズ。冬のシーバスボート大型狙いでは、釣れた70UPの口から20センチぐらいのコノシロが出てきたりするので、ルアーサイズもそのぐらいまで上げれば爆釣するのではと、それ用の竿も用意して17A投げてみましたが、反応無かったです。でも普通に16Aや14センチのタイドミノースリムでは釣れてたなんて経験があるので、なんかマッチザベイトなサイズってルアーではあんまり意識しても仕方ないような気がしてます。
 40~60のシーバス釣るには7~12センチぐらい、60~80くらいなら10~15センチぐらいのミノーサイズがなんとなく良いように感じています。
 デッカイミノーが効く場面もあると聞くのですが、残念ながらそこまでたどり着けてません。
 17Aは強度テストは必要かと思うところですが、化け物のようなイトウ系やナイルパーチのようなアカメ系をやりに行くときに持っていきたいなと思ってストックしていたところです。まあ、その時はソルトウォーターグレードに買い直すんだろうなと思います。

 左は、プラドコ版の欠点にあげたブッ壊れるというのの事例。
 右から、ぶつけた尻が割れてエイト管が飛び出したモノ、真ん中はリップ折れ、一番左は分かりにくいですが、泳ぎが偏るのでアイを曲げて調整して使用しようとしたら、アイの周りのプラスチックがへこんでアイがグラグラになってしまって結局リップをバチバチとニッパで削ったというもの。
 プラドコ版ではロングAもよく壊しましたが、なんと言ってもぶつけて前後に泣き別れにしてしまったのは、橋の下パターンで出番の多いザラパピー。もういくつ壊したか。
 その点橋の下パターンでザラパピー以上に出番の多いラパラフラットラップはぶつけてもワイヤー貫通のバルサボディーなので、ワイヤーが曲がるだけで回収できて軽い曲がりならその場でペンチで直すし、ボディーのバルサまで破損するような重傷なら帰宅後、フックホールシーラーとかで成形しながら直して再生します。



 で、丈夫なポリカーボネイト製ならぶつけても大丈夫じゃネェの?と当然考えて、早速ソルトウォーターグレードボーマーのロングAを買ってみた、というかそれと意識せずにいくつかは買ってたストックに混ざっていたが、今回久しぶりの大人買いで弾数確保した。





 あまり人気無いのか、デカめの釣具屋の棚にもなくて通販で見つけたのだが、ポリカーボネイト製になったからといってそんなに値段は変わらず、安いところでは800円くらいで売ってたりする。
 サイズの大きいのはメイドインチャイナ、15はエルサルバドル製とメキシコ製と色で違った。もう、世界中の工場で作ってる。でも塗装やらのデキははっきり言って安かろう悪かろうではなくて、結構良いんである。特にメイドインチャイナのデキが良いのを見ると日本の白モノ家電とかが、生き残れなかったのがよく分かる気がしてチョット切ない。


 15Aは早速活躍しているが、まだぶつけたりはあんまりしていないので強度的にはどんなもんかこれから評価していきたいが、釣れる能力は素材が変わっても相変わらずで文句はないところ。
 日本で、PENNのリールにフェンウィックのロッド、プラドコのルアーとか使ってるとアメリカかぶれな人のタックルに見えるが、その実リールは中国、ロッドは台湾、ルアーはメキシコと、どちらかというとグローバルスタンダード側の釣り人という感じなのだろうと思う。グチャグチャと屁理屈こいて抵抗してみたところでグローバルスタンダード様の手のひらの上からしょせん逃げられない運命ということか。

 ついでに通販のネットカタログ見ていたらソルトウォーターグレードボーマー、他にも面白そうなミノーがあったので買ってみた。



 一つは、Aラインソルトミノー、ロングAからの派生らしいが、16Aに近いサイズでややスリムにもかかわらず重量アップで1オンス、16Aはフックが3本で邪魔くさいと感じていたので2本フックは好印象。派手なラトルの固定重心だけど割と飛びそうな重量感。こういう、重心移動システムの飛距離は捨てて、固定重心の「釣る力」に力を入れたミノーって、ジャパニーズルアーにはあまりないタイプでいかにもアメリカンルアーだと思う。まあ中国製だけど。ひょっとしたら拾いモノかもしれないと思い秋にカヤックで使う予定で楽しみにしている。



 もういっちょついでに、ウインドチーターミノー。猫科の陸上生物最速ランナー「チーター」とズルとか反則級とかいう意味の「チート」を掛けたダブルミーニングで、風に反則級に強いミノーという感じなんだと思うが、これまた固定重心。まあ実際に強風の中でミノー投げたことある人間なら、重心移動システム付きの飛距離を誇るミノーが結局自重が軽いために風の中で木の葉のように舞って使い物にならないということも経験しているだろうから、全体的にボリュームを持たせて固定重心で飛行姿勢を安定させて風を突っ切るという設計思想はご理解いただけるかと思う。その実力のほども秋には見極めねばなるまいテ。
 というより先に、ちょっとまて、その表面に筋切ったカラーリングはレーベルだろう?と、こんなマニアックなブログを読んでいる人は感じると思うけど、その感覚、正解です。
 もとはレーベルブランドで出していたのを、ソルト仕様ということでポリカーボネート製にしたときにソルトウォーターグレードボーマーブランドに移籍させたみたいです。

 ポリカーボネイトなんていう大仰な素材が、シーバスごとき釣るために必要かという問題は、特殊な状況でぶつけたときの対策で必要なんです、ということより、「ポリカでできたクソ丈夫なミノーで釣ってるんだゼッ!」っという釣り人の精神を鼓舞する中二病的な格好良さのためにひたすら必要だと私は切望するのです。

 「ソルトウォーターグレードボーマー」
 アメリカさんはその辺よく分かってらっしゃると思う今日この頃である。

2015年6月21日日曜日

そして豪州へ

 インビンシブルネタで、インビン15センチの3色カラーがタスマニアンデビルっぽいとか、バラムンディ用ミノーにニールズマスターとかの北欧ミノーのカラーリングがポップになって受け継がれているんじゃないか?とか書いた、そのあたりを書いてみたい。
 ルアー図鑑うすしお味第10弾はオーストラリア編行ってみましょう。

 オーストラリアというのはスポーツフィッシング大国である。何しろIGFAのルールに基づき人間が釣った最大の魚が、この国の庭師のオッチャンに釣られている。実に1トンを越える巨大なホホジロザメである。ホホジロザメが時に2トンを越える正真正銘の化け物である事実をおいても、既に多くの国で保護の対象となってしまったホホジロザメは釣りの対象となりにくく、記録はたぶん、私が駿河湾の底から7mとかのオンデンザメでも釣らないかぎり更新されないだろうと思う。
 オージーの釣りにかける情熱には敬意を払ってしかるべきだと思う。彼らとはクジラネタとかでは絶対わかり合うことは無いかもしれないけど、釣りの話でなら熱く抱擁できるのではないだろうか。

 というぐらいの釣り好き国家なので、トローリングスタンドアップファイトでやっつける1000ポンドオーバーのジャイアントブラックマーリンから、人気の河口域でのバラムンディ、マニアックに内水面ならオーストラリアアロワナ「サラトガ」やらマーレイコッドやら、タスマニア島にはマスの類も移入されているのでトラウトフィッシングもできる。

 当然、自国でもルアーやらの釣り具は作られていて、トラウト用のルアーとしてタスマニアンデビルは日本を始め世界中に輸出されて我が家の蔵にも何個かある。
 3色カラーに縞の入った、前回紹介したインビンシブル15センチのようなカラーを「こういうカラーがオーストラリアっぽいんです」と紹介しようとしたのだけれど、我ながらピンクとシルバーって色目の少ない渋いチョイスである。
 左上の緑に縞がまだマシではあるが、それでも地味。

 でも、パッケージ入り新品が残っていたので、色々と情報は読み取れて面白い。一番下には「彼らは悪魔のように噛み付くぜ!」とか書いてあって、たぶん肉食の有袋類であるタスマニアンデビルの名前の由来と、それをルアーの名前にもらったのを表しているのだと思う。彼を魚と読ませる暗喩もあるかなと。
 メーカー名は「ウィンストンルアーズ」でもろにタスマニア島にあるそうな。 



 ルアーとしては、プラスチックの羽根付きのメタルジグというか何というかなルアーで、タスマニア島に旅行して観光で湖のマス釣りツアーとかの船をチャーターすると100%タスマニアンデビルをボートでトローリングすると聞いたことがある。
 日本ではスプーンみたいにキャストして使われていると思っているが、正直管理釣り場でナンボか釣ったことある程度で本格的には使ったこと無いので性能についてはどうこう書く資格は無い。


 割と一時期流行って、似たような棒鉛の周りにプラスチックでボディーを成形したルアーというのもいくつか出ていて、写真下のルアーなどてっきり同じメーカーの物かと思って買っていたが、今見ると中通しのリグの素材がタスマニアンデビルの方はステンレスっぽいけど、謎のルアーは真鍮ポクて別の会社の製品かもしれない。誰か知ってたら教えてください。
 
 でもって、北欧の流れをくむんじゃないかというバラマンディーミノー達、いくつか蔵にある物を紹介する。


 1個目は、まさにコレがバラマンディーミノーのカラー見本という感じで、どっかの釣具屋か中古屋で目を引いたので思わずバイトしたんだと思うが、1個だけ持っている。
 こういう派手目の3色とかが、ボディー側面にグラデーションしながらというのが、バラマンディーミノーっぽいカラーだと思っている。





 メーカーはリップの裏に貼ってあるシールから「リーズルアー」とかいうメーカーらしい。ハンドクラフテッドとか読めるので、小規模な工房で作ってるのかな。
 
 オーストラリアのバラマンディー釣りにはボーマーのロングAが昔から定評あると聞いているんだけど、ボーマーというかプラドコで豪州向けにバラボーマーというロングAのバラマンディーカラーバージョンを出しているようで、まさにこんな感じの3色の派手派手なカラーになっている。





 でもってもういっちょ、こいつは鮎迷人が大学の同級生と卒業旅行にオーストラリアに行った時の土産なので20年ぐらい前のモノである。我ながら物持ちが良いのに感心する。
 キラルアーと読むのか?3色カラーではないものの、銀で鱗を吹いていて、これがバラマンディーミノーのカラーのもう一つの特徴であり、北欧のミノーのカラーリングを受け継いでいるんじゃないかと指摘する部分でもある。
 アメリカンルアーでも同様の色の吹き方はしているので、正確にどっちが起源と言い難いところだが、雰囲気も含めて北欧起源と私は思うのだがどうだろうか。

 ちなみに対象魚として列記されているのが、バラマンディー、フラットヘッド、マングローブジャック、フィンガーマーク、サーモン、コッド、イエローベリー、テイラー、マーレイコッドとなっている。
 バラマンディーは太字で書かれており一番のターゲットのようだ。
 フラットヘッドはコチですね。マングローブジャックはゴマフエダイというより、まんまマングローブジャックのほうが釣り人には通りが良いか。
 フィンガーマークは知らん魚なので検索してみて画像見て納得。たぶんイッテンフエダイかそれに近いフエダイの仲間なんだろうけど、体側面にある黒点を、つまんだときの「指の跡」に見立てての呼称のようだ。
 サーモンと来て鮭だと思うのは、オーストラリアに興味がない釣り人ならそう思うだろうけど、オーストラリアでサーモンというと、釣りの世界ではツバメコノシロの仲間の大型種スレッドフィンサーモンというのが有名。観賞魚の世界だとクィーンズランドサーモンと呼ばれたという伝承のある豪州肺魚ネオセラトダスなんかもサーモンっていえばサーモン。ようするに英国の流刑地だったりした豪州でお國のタイセイヨウサケを懐かしんで、デカい魚を「サーモン」と呼んだんだろなというところ。
 コッドはここでも叱っておきましょう。ミノーでタラの仲間が釣れる水深を狙うとは思えないので、たぶん河口やリーフにいるハタの類、その名もエスチュアリーコッド(河口ハタ)なんて呼ばれるチャイロマルハタあたりのことでしょう。
 イエローベリーが聞いたこと無いので検索かけたら、淡水のパーチの類でセッパリの独特の体型の魚で釣りの対象としては人気があるようです。
 テイラーは和名がアミキリでブルーフィッシュに近い仲間のはず。そう考えるとブルーフィッシュの仲間って大西洋にしかいないから似たような魚が日本語で例示できないと思っていたんだけど、太平洋にもいるんだよなと再認識。歯が鋭く漁網とか切りまくるので、英語では仕立屋、日本語ではそのハサミになぞらえての命名でしょう。
 最後は日本でも釣り人になら知名度あるマーレイコッド。世界3大有鱗淡水魚の一つでナイルパーチ、ピラルクと共に100キロを越える巨体を誇るとのことだが、100キロほんとにいくんかいな?というような上流部で釣っている写真しか見たこと無い。どこがタラやねん!というツッコミも一応しておくが、オーストラリアについてはサーモンの方が色々と酷いので目をつぶろう。

 ミノーに関しては、ようするに派手な3色ぐらいの独特の色使いで、銀色の鱗模様が吹いてあるのがオーストラリアのバラ用ミノーっぽいというのがまとめである。試験には出ないけど憶えていてもとくに損はないと思います。


 ときて、そろそろ豪州だし汽水域も良いけど派手に大海原に打って出るような、ガツンとくるようなルアーないの?とお嘆きの貴兄に、お待たせしましたオーストラリアの誇る海のルアーメーカー「ハルコ」のご紹介です。

 ハルコと言えば、日本でもお馴染みのこの「ハルコツイスティ」って、写真をバーンと貼り付けようと目論んでいたのですが、これが、蔵から出てこない。あんまり使った記憶がないのでロストしてないだろうしあるはずなのに蔵から発掘できず。無念。
 まああれだ、ぶっちゃけ今時検索かければ画像ぐらいすぐヒットしてくるだろうから気になる人はググっていただきたいが、まあバス釣りに使う円柱状の金属を斜め切りしたのにハリ付けただけのカストマスターってジグご存じかと思いますが、あれをチョット細長くして端っこをピョロッとめくれた感じにしただけです。カストマスター知らんかったらそっちもググってみてください。

 ということで、日本ではほぼハルコツイスティぐらいしか知られていないメーカーですが、実は結構オーストラリアではメジャーどころで、ひょっとしてマニアな釣り人なら知ってるかものマーレコッド釣るのかナイトウォーカーとかいうノイジーやら、もちろんバラ用のミノーも作ってるらしいが、そっちは正直良く知らん。

 しかしハルコと言えば、私の中では海用のデカいバイブレーションなのである。私の中で勝手にそう決まっている。
 
 で、私のお気に入りMAX120。

 ターポン様釣りに行くっていう話になって、最初はコスタリカの濁った河口でやっつけようぜ、という話だったので、それ用に世界の英三先生のお店のオリジナルのターポンバイブレーションとか買いこんだわけだが、他にも100グラム弱2~3オンスぐらいのバイブレーションって無いのかなと探したら、ジャストサイズだったのが、米国通販大手バスプロショップスで見つけたこのMAX120。たぶん長さが120ミリなんだと思うが味気ないネーミング。
 でも、初めてキャスティング練習も兼ねて近所の川でぶん投げてみて、良くできているのに感心した。
 2-3/4オンスと重いバイブレーションなので遠投がかけやすいっていうかブッ飛ぶ。
 でも、動きが実にイイ塩梅に細かいバイブレーションでラトル音もあってアピール度高くてよさそう。
 さらに特筆モノなのが、引いてるときの姿勢。普通のバイブレーションなら頭を下にしそうなところだが、ほぼ水平に近い姿勢。
 姿勢って、場合によっちゃすくなくとも色以上には重要な要素で、アユの縄張り行動は、水平姿勢でやってくる魚にのみ引き起こされて色はそれほど関係無いってぐらいで、そのへん頭にあったので「やばい当たりルアー」を引いちまったんじゃないかと衝撃が走った。これは、ちょっとミノーの替わりが務まるんじゃないかというぐらいの良作なんだけど、3オンス近いルアーを扱えるタックルってそれこそターポン様やらGTやら釣る道具で、シイラタックルでは既に重くて投げにくいぐらいの重量。
 使えばメチャクチャ釣れそうな気配がプンプンと匂ってきているのにいまだに魚に向かって投げていない。実釣で釣れるようなら大量購入しようかと思っていたが、釣り場に連れて行く前にバスプロショップスのカタログからも落ちてしまった。
 まだ本国では売っているのかもしれないが、世界的ブームには残念ながらならなかったルアーである。意外にこのサイズのルアーを投げる対象魚って無いモノである。マグロ狙いのキャスティングとかに良いかもしれんと思っているのだが、あんまりマグロ釣りには行かないのよね、ということで蔵で眠っているルアーである。

 ついでに、もう一つさらにデッカイのを紹介しておく。ジャイアントトレンブラー4-1/2オンスである。
 試しに買ってみたが、どう見てもキャスティングは無理っぽい大きさで、当たり前だがこのサイズはトローリング用である。

 「さっきのMAX120もトローリング用なんじゃねえの?」と思われるかもだが、裏の取説読むとMAX120はキャスティング又はトローリング用となっていて、ジャイアントトレンブラーはいきなりトローリングスピードとかの解説から入っているので、MAX120はキャスティング用だと思う。たぶん。

 ちなみに左上にはどこのご家庭にもあるだろうTDバイブレーションを比較対象として置いてみた。ジャイアントトレンブラーがいかにデカイかおわかりいただけるだろうか。
 

 


  こういうデッカいバイブレーションでオージーは何釣ってンだ?と思うかもしれませんが、日本じゃそもそも海でのトローリング自体敷居が高くてあんまり馴染みのないなかで、さらにマイナーな釣りモノだけどワフー(カマスサワラ)のトローリングというのは、割と玄人好みのする渋い釣りモノでそれなりに海外の雑誌とか見ていると紹介されていたりする。たぶんワフー釣ってます。

 サワラの仲間って、とにかく攻撃的でルアーは派手な方が良かったり、トローリング速度は速いほうが良かったりと、他の魚とは違うジャンルとして成立するぐらいの味わい深い対象魚のようである。サーフから狙うサゴシぐらいしか釣ったこと無いが、確かにメチャクチャ攻撃的な性格の魚のようです。どのくらい攻撃的かというとサーフトローリングで弓角投げているとガンガンとジェット天秤の方にアタックしてくるぐらいであるといえばおわかりいただけるだろうか。

 ワニマガジン社から出ている「スポーツフィッシング日本語訳版」から引用すると「ワフーは、はっきりとしたカラーでちかちかしたり光ったりするような特定のプラグを好む傾向があるようです。ポピュラーなところでは、ラパラのCD18、22、26マグナム、ヨーズリのボニータ、ハルコのジャイアントトレンブラー、ブレイドのフラッシュダンサーやマルーダーあたりでしょうか。」となっていて、ラパラCDマグナム、ヨーズリのボニータ、ハルコのジャイアントトレンブラーと上位3位まで蔵に転がっていて笑えてくる。


 ええ、ボニータ持ってますよ。小さい目のヤツをキャスティングで使おうと買ってます。というか、トローリングで使うデッカいバイブレーションって世界中でヨーズリ使ってるんだと思ってたぐらいで、ワフー釣りの光景には普通にボニータ見切れてます。似たような別メーカーのかもしれませんが、ヨーズリなら世界標準になっててもおかしくないぐらいに思ってました。
 写真のは2オンスぐらいと小さいですが、2オンスが小さいと錯覚するぐらいにクソデカイのが、デカい釣具屋のトローリングコーナーには延々と売れずにぶら下がっていたりします。標準装備がケンケンバリのダブルフックってところが漁具系釣り具メーカーの面目躍如って感じでしょ。
 バイブレーションって平べったいですが、B5のノートぐらいありそうなサイズの売ってます。
 今検索かけたら、ボニータはそろそろ廃盤で、後継のサシミボニータに伝統は受け継がれていくようです。サシミボニータつぼにハマって超うけまくりで腹痛いッス。サシミとボニータ(美女)の絶妙な語感の掛け合わせの妙。


 てな感じで、脱線しつつマニアックにルアー図鑑うすしお味もここまで第10弾と、とうとう「つ抜け」しました。もうしばらくネタはありそうで20弾ぐらいまでは行けそうです。
 このチョット塩味効いた変な芸風についてこられる方は引き続きお楽しみに。

2015年6月13日土曜日

無敵艦隊再び

 ルアー図鑑うすしお味第9弾はこの企画が始まるきっかけとなった、北欧フィンランドはニールズマスター社インビンシブルのネタについて、以前書いたその後をボチボチと書くヨ。


 インビンシブルネタ書いたときに、「インビン欲し~!」「インビンシブルで釣って「無敵~!」とか叫びて~」と強く物欲が刺激され、チョットだけ先っちょだけ探して買ってみよう。ということで、ネットでトラウトにインビンシブルお奨めしている釣具屋さんの通販で買ったり、中古屋巡りで探したり、Sスイで売れ残ってるのを確保したり、虎ファンちの釣り具部屋から発掘したりで、それなりに数も集まってなんとなく満足しているところである。


 8センチでは早速シーバスも釣ってみた。普通に優秀なバルサミノーで独特の後方に行くとスリムな形状は意外と飛行姿勢安定して、ラパラのF9のような「軽くて飛ばネ感」は無く、シーバス近距離戦なら充分戦力となり得る、というか使った日の活性も良かったが、ばっこし丸呑みされるぐらいに魚が素直に食ってくる。まあ飛距離はフラットラップには負けるが、それはむしろフラットラップが異常に優秀なのである。
 というように正直フラットラップで困ってないので、どうしてもインビンを1軍ルアーに据えて、そのために弾数そろえて、という気にはならないので、このぐらいあればたまに使って楽しめるだろうと思っている。



 インビン通販でまだ売ってる釣具屋さんでは略称は「インビシ」となっていた、マックとマクドの違いみたいなものだろうか。
 いくつか買って送ってもらったら、箱がニールズマスターでオジサン中身のルアー本体より興奮しちゃった。宛先票とか貼っちゃっているのだが、こういうのは綺麗な箱だけくださいとか言って集めちゃうとあざとくてダメで、宛先票ラフに剥がした状態でインビン保存用に何気に蔵にポロッと落ちているナチュラルさを演出するのが乙ってもんでしょ。


 前回、フィンランディアではないかと書いた左のミノーはスタルワートという名前のようだと判明。顎下のキール部は重りが入っていて前傾姿勢のミノーらしい。勉強させてもらいました。もう一つ名前分からなかった太いミノーは結局特定できず。

 ちなみにフィンランディアの今の形はこんなんです。上の2.5センチぐらいのフィンランディアもしっかりキールの張り出しとか塗装とかフィンランディアっぽくて可愛らしいデキ。良いです。  

 




 虎さんとのやりとりで、昔はニールズマスターのルアーもラパラみたいに紙の箱にプラの蓋だったけど、コータックが倒産して放出されてたころのは、「安っぽいパッケージやった」とありましたが、確かに現行品は右のような感じのいわゆるブリスターパックでした。


  なんかニールズマスターの箱見かけた気がして蔵をちょっと探してみると出てきました。
 サイズから言ってスペアヘッドが入っていたようです。
 

  バッチリ入りました。しかし600円の安売り価格で買ってたとは意外。高級ルアーでお宝扱いしていたように思っていたが当時のお小遣いではコレでも高価だったということでしょうか。

 でも、なかなかどうしてブリスターパックも悪くないデザインで、パイクが食ってるルアーのリップには「フィンランド ニールズマスター」とお馴染みの文字が書いてあるというお茶目なイラスト。流石フィンランドやりおるわいという感じである。








 インビンシブルいくつか買って、最近5と8センチにはリップの大きなディープタイプ「DR」もあるらしいと知った。8センチのDRは足場高いところで使うシャドラップの代打打てるかもしれん。


 虎ファンさんにもらった12センチのジョイントは、ジョイント後方が板系のリグで受ける丈夫な作りになっている。初めて知ったがインビン使いには常識だっただろうか。
  8センチも12センチも、いずれ劣らぬナマズ顔で癒される。顔が平べったいと左右の首振りの際に水の抵抗を受ける面積が小さくて、より激しくアクションするとかあるのだろうか?
 キャストの時に幅広のボディー前部が重量を稼いで投げやすいバランスを保っていたりするのだろうか?
 そんなのあんまり関係無く、ラパラと違う感じのミノー作れんかいな?とぼんやり意識しながらシュッシュとバルサ削ってたらなんか良い形ができて、投げてみたら「けっこうイけるやン!」となったんじゃないかぐらいの緩い開発秘話があったりするんじゃなかろうか。そんなとぼけた顔である。

 

 「北欧のルドラ」としてSスイで売り出していたのはこの15センチくらいがメインだったと思うが、こいつもナマズっぽい顔してるが、サイズのせいかちょっと精悍な顔をしているように見える。
 早速トリプルフックをシングルバーブレスに変えて、秋のカヤックシーバスシーズンに導入予定である。まあコレで釣れたら楽しいだろうなというお楽しみルアーである。

 投げたくなるような魅力のあるルアーって良いルアーだと思わないですか?

  色づかいが、オレンジ黄色緑と変化してそれに濃い色の縞が入るという感じで、やっぱり豪州のルアーの色を想い出させる。
 バラムンディ用ミノーの色は北欧の「塗り」をポップにして受け継いでいると感じていたが、このカラーなどは逆にニールズマスターが豪州を意識して塗ったとしか思えない。
 こんなカラーのタスマニアンデビルがあったような気がする。

 ということで、次回は豪州のルアー達に思いを馳せてみたい。
 

2015年6月7日日曜日

狼王ロボの嫁





ルアー図鑑うすしお味第8弾はメタルジグ編一応の最終回。

ナマジ大好き佐賀の漁具系釣り具メーカー「ヨーズリ」製メタルジグ3点盛り。


 上から、超ベストセラーのブランカ、次がややマイナーなLジャックジグ、一番下は前回も出ましたがメタリックサーディンの60グラムとかの普通のサイズのもの。

 メタリックサーディンは今でもハイパブライトとかいう蓄光塗料で塗装されたタチウオモデルとかもあってよく見かけますし、ブランカはもはや定番なのでいろんな新色も出ていますが、今でも私はピンクの28、40グラムぐらいをカヤックシーバス用ボックスとかには入れてます。

 Lジャックジグが、東京湾ボートシーバスジギングでだいぶお世話になったんだけど、よく使ってた青が使い切ってしまったのか見あたらず。無いと分かると欲しくなる切なさよ。という感じですが、今もう売って無いようです。良いジグだったのに人知れず消えていったようで残念。

 これら、ヨーズリメタルジグ3兄弟は、なんといっても値段が安くて入手も容易で、かつ良く釣れるということで愛用していました。
 メタリックサーディンとLジャックジグは似たような感じでLジャックの方がややスリム。どちらもホロシートをボディーに貼って、剥がれないように熱収縮チューブでコートしてありました。



 とはいえ、自分の中で、絶大な信頼を置いて投げていたのは、ブランカです。これのピンクと青はメッキ釣り用の小サイズから、カンパチ狙いの200グラムまで各種持っていますが、特にショアジギングでシーバスやヤズ(ハマチ)を狙うのに、28グラム40グラムを多数使った記憶があります。特にピンク。

 10年ほど前の九州在住時、北西の季節風の中玄界灘のサーフで釣り人が投げるのは、地元九州は佐賀のヨーズリが作る御当地ルアー、ブランカのピンクと黒。秋から初冬のシーズンには釣具屋の店頭から、これらのカラーが消えるぐらいの人気でした。


 何が良かったのか、正直よく分からない部分がありますが、両サイドを平面的なデザインにして魚っぽい曲面を持つジグに貼るよりホロシートを貼りやすく剥がれにくくして、そこに様々な角度から見てランダムに光を反射して目だつであろう「クラッシャブルホロ」と一般的に呼ばれるホロシートを貼って、安く作って大量に供給したところが爆発的ヒットと、釣り人に「使われた」からこその、実績や安心感を生み、このジグを名作たらしめているのかなと思います。
 ちなみにヨーズリではクラッシャブルホロは「クラッシュレーザーホログラムシート」と表記されます。
 メタリックサーディンやLジャックジグのようにホロシートの剥がれ防止に熱収縮チューブをかぶせたりはしていませんが、接着剤も良いのが使われているのかペタっと貼ってあるだけにみえるのに剥げたことがありません。
 アクション自体はやや後方重心のキャスティングしやすいバランスのスタンダードなジグのフツーの動きで特筆すべきようなモノではありません。

 クラッシャブルホロのように、水中で様々な角度から見てランダムに光る素材としては、アワビの貝殻などの天然素材が知られていて、ルアーの素材としては破格の「お高い」モノにもかかわらず高く評価する釣り人も多いですが、ブランカにベタッと貼られているクラッシャブルホロは同様の効果を、まあ全く同じとはいいませんが、超安価で実現してしまった地味に極めて優秀な素材だと思います。
 釣り人ってなんか値段が高くて小うるさい屁理屈が付いていないとありがたがらない傾向にありますが、こういうのを安く実用レベルで供給してくれたヨーズリさんには、もう最高レベルの評価をしてしかるべきだと思うのです。
 最近のブランカとメタリックサーディンのタチウオモデルに塗られている蓄光塗料のハイパブライトも、部屋で夜蛍光灯を消灯するとボヤッと光っていたりして、メタルジグの蓄光塗料に蓄光するためだけのフラッシュを焚くライトを持って行っていた苦労がバカ臭くなる高性能。技術の進歩って素晴らしいネと感心する。

 今では、クラッシャブルホロに限らず他の反射素材を貼り付けているジグも多種出ていて、昔ほどの優位性がブランカにあるとも思えないんだけれど、私はもうキャスティングで使うジグはブランカさえあればいいやというぐらいに思っている。

 ブランカが出たころの抜きんでた実釣性能を示すエピソードとして、NZ武者修行時代の同居人の釣果を紹介しておきたい。
 同居人ワーキングホリデーの制度を利用して1年強ニュージーランドに行ってたのだが、当然トラウト釣るだろうということでフライロッドは持たせて、ついでに海も何気に凄いらしいからとシーバスロッドも持たせて、ブランカピンクもいくつか持たせておいた。
 
 あるとき、シャチが追い込んできたと地元の釣り人は言っていたらしいが、数日間にわたって河口のエリアにカウアイというハマチに歯を生やして縞模様にしたような魚がボイルしまくっている状況があったらしく、最初の方は釣り人みんな大爆釣祭りでエラいことになっていたのだが、日を追うにつれスレだして反応しなくなり、シビアになっていく中、ブランカ投げている同居人だけ釣れ続けて、地元の釣り人に「キミ、どんなルアー使ってるの?」と聞かれまくったらしい。「日本のブランカ!」とジャパニーズハイテクルアーを誇らしく自慢したとのこと。
 同居人曰く「ブランカ最強!地元の釣り人の投げてる「ダダの鉄」みたいなのには負ける気がしなかった。輝きが違う!」とのこと。
 タダの鉄みたいなジグってたぶんお隣オーストラリアのハルコツイスティとかコレまで紹介してきたクリップルドヘリングやスティングシルダーのような金属片に鱗模様切った程度のローカルジグかなと想像している。
 ルアーの釣る能力って、単純なリアルな形状とかには案外関係無くて、形的にはブランカも単なる金属片の域を出ていない。でも、あのギラッギラのクラッシャブルホロはジモチーが投げる地味な「タダの鉄ジグ」とは別格の煌めきを持ってカウアイを誘惑し続けたんだと思う。

 その辺の、「きらめき」とか水中での色とか見え方について、ブランカのクラッシャブルホロが実に優秀だと納得したのは、ワニマガジン社から98年に出版された「メタルジガー」というムックの特別付録を使って、50m水深の海の底でメタルジグがどういう風にみえるか疑似体験してみた時であった。

 「特別付録」って大仰な書きぶりだが、実物は青いビニールシート1枚である。しかしコレが実に面白い付録だった。
 ようするに、水深が深くなるにつれ、太陽からの光は減っていく。その減り方も光の波長によって異なり、波長が長くエネルギーが高い青い光は深くまで届きやすいけど、赤は波長が長くエネルギーが低くすぐに海水に吸収され届かなくなるというヤツを、赤をシャットダウンして青が見えるように受験生が暗記モノの時にマーカー引いてシートかぶせてってのをやるときに使うような青いシートをつかって再現するという理屈である。シートかぶせるとだいたい50m水深の赤色光の少ない海底の見え方、シート重ねると100m、150mとイメージできると書いてある。

 当時の実験を再現すべく、ヨーズリ3兄弟と、金属片代表ダイヤモンドジグ、金属片に鱗切った代表クリップルドヘリングにも登場いただいた。 












 こんな感じに、かぶせていくと、ホロシートは結構光を反射して光っていて、クラッシャブルホロのあちこちギラついている感じも分かる。
 だがしかし、角度を変えたりして写していると、意外にLジャックとメタリックサーディンのホロシートは光が弱い、写真では全く光ってないように見えるが実際にはボヤッと光っている。ブランカのクラッシャブルホロは、どの角度からもどこかギラギラッと強く光っている。このどの角度からもギラギラというのが、それまでならアワビとかの高価な天然素材にしかできなかった光り方だと思っている。角度によっては意外にただの金属片のダイヤモンドジグがギラリと光る。あと、金色とオレンジは黒く見える。深海魚の体色の赤いのやオレンジのは赤色光が届かない深海では黒と同じとよくいわれるが、なるほどなと思わされる。水面直下引いてくるキャスティングだと色の微妙な違いも意味があるのかもしれないが50mとかの深さに沈めるバーチカルジギングでは青とピンクなんてのさえ同じなのかもしれない。でも銀と金、ピンクとオレンジは明確に違う色でホロシートとの組み合わせや配色で、めだち方とかも違ってくるというのは知っているべきなのかもしれない。なかなかどうしてダイヤモンドジグのギラつきもクリップルドヘリングの地味めナチュラルな感じも釣れそうに見える。
 
 当然我々の目に映るのは、赤から紫までの我々人間にとっての可視光であり、実際には魚の目にどう映るかという問題もあるが、かなり参考にはなる面白い付録だったと思う。
 まあ、本読んであーだこーだと推論しているのも面白いが、結果は釣り場にしか無いので、とにかく「ルアーを水中に入れてこい」ということだとは思う。

 ブランカについて、どこかで書いたネタだがその名前の由来について再度。

 同居人とも「白くもないのになんで「ブランカ」なんだろう」と言っていたのだが、今思えばもうブランカが「白」だと知ったのが何時何からかを思い出せれば、それが答だった。スペイン語で白の意味らしくイタリア語のボンゴレビアンコのビアンコに近い感じではあるが、そこから「白」と類推するまではいかないだろう。
 あるマンガを読んでいて、シートン動物記の「狼王ロボ」が伴侶としたメス狼が、その白い体毛から「ブランカ」と呼ばれていたというエピソードを思い出して、ブランカの名前の由来はコレしかないと、ハタと思い当たった。
 ロボは強く賢い狼で、家畜を襲い人間の仕掛けたどんな罠にもかからず、銃の射程には入らず、伝説的な狼だった。
 このロボを仕留めるために、最後に使ったのがロボの伴侶のメス狼ブランカ。ブランカを仕留めて、「ブランカの死」を「餌」にロボを仕留める罠を張ったのである。
 ロボは、ブランカが敵の手に落ち死んだことを知って冷静さを失い、罠にかかって仕留められるという割とビターテイストな結末。

 どんなに賢く警戒心の強い獲物でも弱点がある。ロボにとっての「ブランカ」のように。というのが命名の由来だと勝手に私の中では確定している。

 そういう、名前の由来も含め、ブランカは釣り人が想いを込めて投げるに値する名作ジグである(断定)。

 クラッシャブルホロシートという、安くて効果的な素材を、平面の多いボディーデザインにしてコストを抑えながら剥がれにくく貼って安い価格帯で売って、沢山の釣り人に多くの獲物をもたらした。
 日本のジギングの歴史の中で、地味だけど評価しておかなければならないジグとして、ここに書き記しておきたい。

 日本型の海のバーチカルジギングの世界は、釣り人とメーカーが共に「ハマって」ここまで技術体系も道具も特殊に、時に先鋭化しながら進歩してきた。
 でもまあ、バーチカルジギングの原点は、なんか金属片を魚の居るところに沈めてしゃくってやると魚が食ってくるというヨーロッパのタラ釣りなんかが原点にあって、どこまで行ってもその延長線上でしかなく、あまり難しく考えすぎずに気に入ったジグをしゃくっておけば良いんだと、あまりにいろんなことが言われすぎてこの釣りに迷っている人がいるなら、そういってあげたい。
 たぶん、クリップルドヘリングやダイヤモンドジグでも最新鋭のジャパニーズジグでも、とにかく水中にルアーがあれば釣れる確率は発生してくるので、まずは釣具屋の棚の前で悩んでいるよりも、水中にルアーを沈めてこいとアドバイスしておきたい。

 実際に釣りの現場に出れば、あなたにしか知り得ないコツや真実が現れてくる。それは必ずしも他人のコツや真実とは異なるかもしれないが、あなたにとってはあなたのコツや真実こそが重要なモノになるはずである。
 魚釣りでは、釣具屋の棚の前での逡巡やネット上の評判は、1回ジグを魚の居るところに沈めてしまえば無意味なモノに成り下がることが多い。

 ジギングなんてのはジグを沈めてしゃくるだけのシンプルな釣りである。それでもそのしゃくり方からジグが後方重心かセンター重心か、反射板系かグロー系か銀貼りかアワビ貼りかカラーの明暗、タックルはスピニングかベイトか、種々悩むことになり、これからももう出尽くしたと思えるジグの種類さえまだ新作が提供されるだろう。
 そういった、釣り人の飽くなき欲カキの部分が釣りの「お汁たっぷり」な楽しみの部分だと思うので、もうジギングはあまりしなくなっている私でも手に取りたくなるようなジグが出てくることを期待している。

2015年6月2日火曜日

愛しの台湾フェンウィック

 昨日は月曜、週初めからあんまり働きすぎると一週間持たないので、早めに上がって渋谷釣具屋地帯に寄り道して帰る。

 中古釣具屋で、大量のルアーの中からFマグ11を2個、シャッドラップの火虎のあんまり見たこと無い色調のをゲットしホクホクしつつ、買うあてもないけど一応竿のコーナーもひやかしてみる。

 欲しい竿はもうほとんど手に入れていて、予備に同じ竿が欲しいなとかその程度の興味しかない。

 いつも使っているフェンウィックのランカーギアXの6f半のスピニングは既に3本確保しているが、それでもワシのマークが目につくと、型番確かめてみたくなる。

 昨夜もワシのマークが何本かあって、そのうちの1本が見慣れたコルクグリップではなくEVA(昔はハイパロンと呼ンどりました)でスレッドも見たこと無い色。


 写真上の竿だが、一瞬、最近こんなモデル出したのかなと思ったが、よく見るとイーグルの文字が読める。
 イーグルは、HMGシリーズに始まったフェンウィックの、グラスコンポジットのカーボンブランクスを使った一連のロッドシリーズの低価格帯のモデル。東北時代に渓流で、最後のころのコルクグリップ時代のイーグルを愛用していた。


 目の前の竿は、そのさらに前の世代で、ケン一が学生時代に使ってたヤツもそうだったが、グリップEVA。ラッピングが紫とグレーで一周回っておしゃれな感じ。
 何気に型番確認するとES66-M2J。イーグルスピニング6f半ミディアムアクション2ピ-スジョイント。
 いつもシーバスオカッパリ近距離戦用に愛用している、ランカーギアX6f半ミディアムアクション2ピ-スジョイントとはブランク同じのガイドやグリップなどのいわゆる「コスメチック」違いの兄弟竿である。


 5千円もしなかったのでもちろん即決で購入決定。

 LGX66SM-2Jのほうはメチャクチャ好きな竿で、元々はバス釣り用に竿何本も持ってくのめんどくせェのでチョット強めのスピニングで何でも投げるよ、持ち運び考えると2ピースだよね、という感じで選んで使ってたのだが、運河やらでフッコサイズ中心のシーバス釣るのに投げる、5センチから12センチぐらいのルアーが無理なく投げられて、かつチビセイゴから70UPのスズキ様まで何とかなってしまう、使いでの広さが頼もしくて超お気に入りで愛用している。
 守備範囲の広さは使用ラインが6-15LBとなっていることからもうかがえるが、実際にスペック以上に守備範囲が広いのには感心する。バット結構強くて粘ってくれて、まあ最悪その竿で手に負えないサイズの魚がかかってしまえば、竿を一直線に魚に向けてしまい竿使わずリールで綱引きファイトすれば良いっちゃ良いんだが、この竿は12%入ってるグラスの粘りか設計なのか、60、70のシーバスとも竿をブチ曲げてファイトできて気持ちいい。

 実はイーグルもコルクグリップ時代のは同居人用も含めて2本持っていて、これで同じブランクスの兄弟竿6本目である。
 これらの竿が特別優れた竿だとか言う気は全く無くて人様には全くお勧めしないけど、でも私は使い慣れた竿の感覚を結構大事にするタイプなので、一生こいつらを使うつもりでセッセと備蓄している。

 実はこいつらの兄弟竿ってまだあって、分かっているだけでもフェンウィックのカーボンロッドの歴史を拓いたHMGの名を冠するシリーズや、ランカーギアの「X」が付く前のただのランカーギア、その前身のレガシーなんてのがあるはずである。ちなみにランカーギアXにのみSICガイドが付いているが、値段はHMGの方が高かったように記憶している。まあ、HMGのブランドには敬意を持って金払えということだったのだろうか。
 この頃のフェンウィックは台湾製で実はデキが良いんじゃないかと思っている。
 ダイワも今は安い竿はインドネシア工場だけど、この頃は台湾で作ってたはず。台湾の工場のオバちゃん達スレッドラッピングするのとか得意で綺麗に巻きあげてたとか聞いたことある。

 既に20年ふた昔前の竿達だけど、いつか次に出会う中古釣具屋片隅の1本を期待して、たまにチェックしておきたい。

 久しぶりにエグリました。