2019年1月26日土曜日

金かかってりゃ良いってもんじゃねえと思うのさ

 常々、ゴチャゴチャと使いもしない機能がついてややこしくなっている「ウ○ンドウズ10」について、無駄な機能が邪魔で使いにくいと思っているのだけど、ここしばらく使っているタブレットパソコン「FIRE」はその逆で、できないことも多いけど単純で使いやすいと感じている。
 入っているオペレーティングシステム(OS)はスマートフォンに使われている「アンドロイド」系らしく、端的にいってスマホ並なんだろうけど、複雑なことはできないにしても、ウェブサイトをブラブラ覗いて、メールのやりとりして、動画見て、文字データの入力編集して、写真の整理してという、我ら情報弱者が普段据え置きのパソコンでやらせていただいているほとんどのことができる。
 今タブレットで私がやれていないことは「自炊」とサイトの作成更新作業(ブログはできてる)ぐらいで、自炊は今のスキャナーはタブレットも対応できるようだし、このFIRE用OSでウェブサイト製作できるソフトさえ見つけてくれば(きっと探せばあるよね?)、「次はリナックス勉強してリナックスマシン買うぞ」と思っていたけど、動画見るのに塩梅良いように大きめの画面のタブレットPC買えばスマホ感覚でサクサク簡単のPC環境が整ってしまいそうに思う。かつ、今使ってるFIREタブレットは少数派なのでウイルスやらの標的にもなっておらずセキュリティーソフトも必要ないようだ。面倒くせえ腐れウ○ンドウズともコレでやっと縁が切れるんじゃなかろうか?今のPCあと2,3年使う予定なのでそれまでに手を切る準備を進めたいところだ。

 なんでスピニングリールネタの枕にパソコンの話をしたかというと、面倒臭くごちゃついてしまった昨今のコンピューターソフトにおいて、意外に需要があるのが「シンプルバージョン」「クラッシック」「ダウングレード版」なんていう、余計な機能を取っ払ったソフトで、「一太郎Lite」なんていうのが使ったことあるソフトでは必要充分な感じで使いやすかったのを憶えている。
 そういうのと同じように、スピニングリールにおいても余計なモノが付いているなら取っ払うというPCの世界でいうところの「ダウングレーディング」のような改造が一つの方向性としてあり得るんじゃないかと思って実践してみたので、パソコンソフトとよく似てるなと思いつつ書き始めたところである。
 
 今回、改造したのは愛機スピンフィッシャー430ssg。この第4世代スピンフィッシャーの特徴を一言でいうなら”部品数少なく安あがり”だろうか。逆転防止機構を一方通行のベアリングに任せて逆転スイッチも省略、伝統のウォームギアを搭載しつつ、これでもかというぐらいに部品数減らして単純化し経費削減した設計になっている。
 金黒の外観と丈夫さはスピンフィッシャーの伝統でドラグも定評あるところ。何度も取り上げている全体的に私好みの小型リールなんだけど、やや気に入らないのはいつも書いてるように海水入りそうなラインローラーに錆びる心配のあるベアリングが入ってること、表面塗装に一部腐食が見られること、寒かったり油かが切れたりすると逆転防止が不安定になることの3点だけど、腐食は見た目だけの話だし、逆転防止は小型リールでは竿持った右手の人差し指でローター止めてしまえば何とかなるし逆転防止を一方通行のベアリング1ッコに任せているからこその単純さは、このリールの思い切り良さで美点だとおもうので、ラインローラーのベアリングだけなんとかならんかなと思って対策を考えてみた。

 方針簡単。ボールベアリング2個入ってるのを、滑りが良くて摩擦に強い丈夫な樹脂製のブッシュに交換してしまえば良いのである。こういう軸受けとか摩耗が想定される場所のスリーブやらブッシュにはジュラコンという樹脂が一般的に使われるようなので前回の「アクションM」の改造用のワッシャーと一緒に「モノタロウ」でぴったりのサイズがないかと探したところ、外形と厚みが7mm、2mmでぴったりで内径が欲しい4mmよりちょっと小さいのがあったので、50個もいらんがなと思いつつも数百円なのでスペアにもなるし別の用途も出てくるだろうとポチって入手。こうしてみるとベアリングもそんなに高価じゃないとはいってもやっぱり桁が違う。という感じで、わざわざ部品を安いのに換装するのである。でも樹脂製なら錆びるのは心配しないで済む。
 例によってハンドドリルのヤスリでドリドリと内径を広げて、外径がベアリングの填まってた穴にギチッと固定される大きさなので、今回穴の方で軸と滑らせる方針で気持ち大きめまで拡張。
 ジュラコン結構堅いのは一連の作業で身に染みたけど、アクションMの時より厚さ倍で2個加工したので時間かかった。奮闘のかいあって、中心もズレず上手く削れたようで無事填まってくれて、組み込んでリールオイル注して回転具合を見てみると問題なく滑らかに回っているようだ。実際に使ってみて糸ヨレ酷くなったりとかの問題が出ないか確かめていきたいけど、しばらく714Zを使う予定なので実戦導入はしばらく後になりそうではある。

 ついでに、10年も使ってるのでさすがに不具合出始めた所があって修繕してみた。
 本体に蓋を留めているネジの1本が、ネジの頭じゃなくてネジそのものが樹脂の穴を潰してしまったのか1本効かなくなってしまっていた。
 右の写真は第3世代4400ssのネジの雌ネジ部分を写しているんだけど、樹脂製の本体にネジを打つにあたって、雌ネジは樹脂に金属製のモノを埋め込んである。この方式だと雌ネジ自体が樹脂から抜けるという不具合は見たことあるけど、ネジ山自体は潰れにくく耐久性がある。
 しかし、第4世代の430ssgにおいては”経費削減”が重要な設計思想だった世代なので金属製雌ネジなんてわざわざ使わずに、樹脂に穴を直掘りしてネジをタップネジと呼ばれるネジ山の歯の大きなネジをつかう形にしている。
 10年持ったので耐久性に問題があったというわけじゃないんだろうけど、金属の雌ネジ方式よりは寿命が短かったようには思う。ちなみにこのリールはほとんど手間のかからないリールで逆転防止が油ぎれで効かなくなったのが何回かあった他は特に開けて整備もしなくてラインローラーとハンドルノブへの注油ぐらいしかしてこなかったので、マメに分解清掃する人ならもっと早くネジ穴潰すかも知れない。
 PENNって毎釣行ごとに分解清掃必要な印象があるかもしれないけど、ワシ調子悪くならなければ分解なんてせんけど特に不具合起きてない。毎回水没させるような深く立ち込む釣り人でもなきゃ適当に扱っても大丈夫。

 穴も広がってしまったことだし、金属製の雌ネジを探してきて埋め込むかと調べてみたら、金属のバネ状の雌ネジを押し込んでネジ穴を再建する「リコイル」というのが簡単そうなので、専用工具と共に早速取り寄せて使ってみた。
 通常、アルミとかの柔らかめの金属に使うようで、その場合は接着剤もナニも必要なく穴削ってグリグリ突っ込んで完了という工程のようで、最初その方式で行ったら、穴が既にタップネジの大きな歯で広げられているせいか、引っかからずにリコイルごと抜けてしまってネジが留まらない。
 リコイル自体は伸び縮みするバネなのでネジ山のピッチに合わせて変形するので、それならと元々のタップネジをリコイル突っ込んだ上でねじ込んだら、今度は効いたかなという感触だったけどネジ抜いてみたら真ん中写真のようにリコイルごと抜けてきてかつすぐにユルくなって塩梅悪い。
 仕方ないので、リコイル埋め込むときにエポキシ接着剤ベットリと塗って穴を狭くしつつ固定してからタップネジじゃない方のネジで留めたら今のところきちんと締まって蓋が固定できている。
 しばらくコレで持ちそうだけど、コレでも抜けたりユルくなってきたらネジとリコイルの太さをもう一段上げて対応とかするのだろう。
 
 同じリール3台確保しているので、修繕した個体があと5年持ってくれれば15年使えたことになるから、残りの2台で30年持つ計算になるので35年経ったらそろそろお迎え来てるだろうからちょうど良い感じである。
 430ssgは正直言ってそれほどデキの良いリールじゃない。4300ssの方が完成度が高く耐久性も良いと思う。でも気がつけば10年にわたって気持ちよく使えていて、時に調子悪かったりもあるけど所詮完璧なモノなんてないんだし、長いつきあいになっている分の愛着は確実にあって、直せるところは直しながらずっと使い続けていきたい。
 このリールの一番良い点は、釣り場でまずリールが他人のと”かぶらない”という点だと思う。個性重要。なにしろ正規には国内に入ってきてないはずの大きさなのでネットオークションでも見かけないし、ネット上の評判もうち意外ではあんまり見たことがない。っていうか今ググってみたら「やっぱり」という感じの全国のPENN使いなお歴々が一応入手されてはいるようで笑えた。

 でも主力機として使いこんでるってのはワシぐらいで、ワシ日本一の430ssg使いかもしれんと密かに誇らしく思うのである。ネットで公開しておいて密かにもクソもねぇんだけどナ。

2019年1月19日土曜日

銅・亜鉛・鉄



 オーリーハルーコーンッ!(©手塚神)

 っていきなり叫びたくなったのは、銅と亜鉛の合金である真鍮について調べてたら”オリハルコンの正体は真鍮”説がでてきて、家の鍵のキーホルダーにしているトビーも真鍮だし学生時代から愛用のマネークリップも真鍮だし、もちろんリールのギアとかの部品にもよく使われている真鍮が、伝説の金属オリハルコンだったのかと驚いて、知ることの感動が湧き上がったからである。確かに海中での戦闘で使う短剣が鋼じゃ錆びまくって手入れ大変だよねと妙に納得した。
 ワシのリール、オリハルコン製の部品使ってるねん、と思うと妙に格好いい気がしてくる。
 真鍮って多少緑青ふいたりはするけど錆びにくくて、キーホルダーなんかで使ってると表面が徐々に摩耗していって実に良い塩梅に渋い光沢を放ってくれて愛着の湧く金属である。

 なんで真鍮の勉強なんかしてるのかっていえば、当然ながらリール関係で、前回樹脂製のスピニングであるリョービ「サイノス」のハンドル軸のギアを受けるブッシュに真鍮製のが使われていて「真鍮ってそれなりに堅いはずだからコレだと亜鉛鋳造の軸の方が削れるんじゃないの?」という疑問が湧いたので調べていたのである。
 ネットでサクサクッと黄銅とも呼ばれる真鍮と亜鉛と、ついでにリールではよく使われる金属素材である鉄系合金のステンレスやアルミ合金なんかについても堅さや特徴などを調べてみた。高校の技術の時間に習ったようなおぼろげな記憶があるようなないような気がするけど、昔日の記憶はすでに霞の向こうにあり頼りにならんのでウィキペディア先生とかに教えを請うた。

 サクッと調べたところでは、硬さを表す「ブリネル硬さ」という指標だと、
・ステンレス180
・アルミ合金(7000系、超々ジュラルミン)155
・アルミ合金45~100
真鍮(銅と亜鉛の合金)黄銅80~150
・亜鉛 銅と同程度かややもろい 
ぐらいとされているようで、亜鉛が真鍮よりことさら弱いという数値は出てこなくて、自分の中の印象と違っているので違和感を感じた。
 真鍮はそれこそローター軸のギアには最も一般的に使われている金属なぐらい、強度や耐久性に優れ、かつ堅すぎずに切削加工でギアの山とか加工しやすく歯車系の金属部品には向いている印象があったけど、亜鉛はそれよりもろく柔らかく、融点低いので溶かして型に入れて固める鋳造(ダイキャスト)には向いてるけど、真鍮と摩擦するような使い方すれば亜鉛が負けて削れていくのではないかという印象を持っていた。
 亜鉛はヘタすると一般的にグラファイトボディーとか呼ばれている樹脂にガラス繊維やカーボン繊維を混ぜて強化した樹脂製の部品にも負けて削れるんじゃなかろうかという気が、写真の安ダイヤモンドのハンドル軸のギアをみてしていた。右が結構使い込まれていた「アクションM」のもので左が新品同様の「タックルA」のギアなんだけど、写真じゃイマイチ分かりにくいけど、右のギアの軸の樹脂ボディーで直接受けている部分がちょっと細くなって先端が削り残ってやや太くなってる気がする。
 真鍮相手ならもっと削れるんじゃなかろうか?と思ってアクションMのギア側の軸についている真鍮を芯にしている樹脂製ブッシュを外してみたらワシの過ち発見。
 真鍮が芯に入ってると思ってたら、実は薄っぺらい銅製のワッシャーがガタ調整かなんかで入ってただけで、このブッシュ樹脂製だ。
 嘘ばっかり書いててスイマセンと、またも頭を下げるナマジであった。堪忍してつかぁさい。アクションMもタックルAもギアの側の軸受けのブッシュは大きな樹脂製でした。
 やっぱり亜鉛の軸を真鍮のブッシュで受けると亜鉛が負けるから、大森製作所はブッシュを樹脂製にしたんじゃなかろうか?亜鉛も樹脂もある程度削れる素材なので、樹脂製で回転も少しするブッシュを噛ますことで軸と接する面積を増やして分散させ削れる速度を遅くして長持ちさせようという設計思想なんじゃないかと思う。樹脂の方が先に削れてくれるなら、まあこの手の安リールじゃ買い直した方が早いんだろうけど樹脂ブッシュの交換で使い続けることができる。

 しかし亜鉛が真鍮との摩擦で削れるとすると、ネットでお勉強した亜鉛が真鍮と比べてそんなに柔らかくももろくもないという記述とは反するので何でだろうと考えていたら、思わぬ所から答らしいところにたどり着いた。
 スピニングリールはもう買わないというのも、ありゃ嘘で、また性懲りもなく1台買ってしまったんだけど、今回は「スペアスプール確保がてら見つけたら買うかも」とか書いていた安ダイヤモンド同型機なのでこれまた堪忍堪忍。
 2台目のタックルAであるコイツが、新品同様だったにもかかわらず、とんでもないハズレ個体で、まあシールが剥がれるのは大森とPENNじゃお約束でそういう仕様なので仕方ないにしても、クルクルカシャカシャと逆転防止の確認中に何か囓ったなという感触があったと思ったら、逆転し始め「アッこれはヤバい」と慌てて分解したら、ローター軸のギアの直上に鎮座している逆転防止用の亜鉛のパーツがボロボロに削れて爪が掛からなくなっていた。
 ちょっと引っ掻いただけでもボロボロと崩れるぐらいにもろく、あきらかにスが入った不良品である。こんなモンを出荷しているような品質管理体制ではそら大森製作所潰れるって。生産拠点を人件費安かったであろう当時の韓国に移すなんてのはべつにどこのメーカーもやってたような話で批判の対象にならないと思うけど、そこで作られ出荷された製品の質についてはまごうことなく大森製作所の責任だろうと思う。マレーシア工場製のシマノ「NAVI」もインドネシア工場製のダイワ「早船」も同社の名を汚さないデキだったと買って感じたのと対照的である。製造業で不良品売るようなところが長生きするわけがない。別に安物売ったってかまわない。そこにも商機があるなら商売だもん売りゃ良いさ。でも道具として機能しない不良品を売ったらダメだってって話。樹脂製でも亜鉛のギアとの接点は負荷の掛かるギア側はボディー直受けじゃなくて樹脂ブッシュ噛ませてたり、ドラグがちゃんとしたの入ってたりと安リールでも設計に大森の生真面目さを感じるリールだけに頭にきた。たまたまこの1台だけをみて断じるのは間違いかも知れないけど、1台そういうのを出してしまうことが信用に関わる、という話だと。
 これが”答”とどうつながるのか?というと、要するに亜鉛が金属素材として同条件で比べたら真鍮よりそんなに柔らかくもないのに、なぜもろく削れる印象があるのかっていったら、おそらく円筒状の素材から切り出したり切削して作っている真鍮のギアやブッシュよりも溶かして鋳型に流し込んで作っている亜鉛鋳造のギアの方が”製造方法の違い”でもろく柔らかく削れやすいってことなんだと思う。
 よく高級リール様が鋳造(ダイキャスト)じゃなくてマシンカット(切削)や延ばして鍛造で作ってるんで丈夫なんですって宣伝してるけどその逆で、亜鉛を鋳造して作るとなると、どうしても製法上冷やす段階で縮んでムラができたり最悪スが入ったりして、もろくなるんだろう。
 もちろん亜鉛ダイキャストのギアは広く使われていてちゃんと作られていれば強度上問題ないハズなんだけど、製造において温度管理とかによって強度に差が出てくるなんてのは、これは鍛造の話だけど昔の刀鍛冶が焼き入れするときの水の温度を盗もうと水に手を突っ込んだ弟子の手を叩き切ったなんて逸話からも分かるように、微妙なさじ加減が必要なはずで、不良品も出てくる製法なんだと思う。と同時に鋳造じゃない真鍮やらステンレス系の部品より削れやすいし、ひょっとするとアルミ合金や樹脂製の部品にも負けて削れる場合もありそうだ。というのが今のところの私の整理である。
 ということは、亜鉛鋳造一体成形のハンドル軸のギアを使うスピニングリールにおいては、昔の大森のように堅い素材を軸に鋳込んだりはしていないので、亜鉛の軸が削れないようにするには樹脂製の柔らかいブッシュを噛ませて交換して使うというのもありかも知れないけど、今時それ程高価な部品でもなくなっているボールベアリングを右左に噛ませてしまえば軸が摩擦で削れることが防げて現実的な解決策なんだということが理解できる。実際には亜鉛の軸を真鍮で受けたって削れるには相当な時間が掛かるはずで幅とかの設定で摩擦面積増やして削れにくくして実用充分なリールに仕上げることはできるのかもしれない。それを実証するには試験だの何だの面倒臭く、かつ買い手はベアリングをありがたがるんだからベアリング入れときゃ間違いないって話で、亜鉛鋳造一体成形のギアならスピニングリールに必要なボールベアリングの数は3個が現実的なのかもしれない。と、思ったところである。

 思ったんだけど、じゃあ手持ちの安ダイヤモンドにボールベアリング2個突っ込むかというとそういう気にはならない。せっかくの樹脂製で軽いという利点を損ないかねないし”ベアリング数を増やす”なんていう改造は下品で頭が悪い印象があるので好みじゃない。
 以前アンバサダーの真鍮製ボディーでクソ重い「6500CSロケットクローム」という両軸リールをいじってたときに、軸を受けているカップ側の端が銅製のブッシュなので「飛距離アップ、巻き取りをスムーズに」を謳って交換するための適合するボールベアリングがネットで売られているのを見た。一瞬買いそうになったけど「まてよ、アンバサダーってウルトラキャストデザイン以降キャスト時には軸は回らないんじゃなかったっけ?」と思って分解してみたら、やっぱりキャスト時軸は回らず、当然回転するスプール自体には既にボールベアリングが2個入れられている。投げる時回らないところにボールベアリング入れても飛距離には関係ないし、巻き取りぐらいはブッシュで充分滑らかだ。アホかとおもうよね。
 ベアリングの数が増えればありがたがるベアリング信者のバカを狙った詐欺的商売と言って良いだろう。とはいえこういうのは騙されるのが悪いんであって、騙されても本人気づかなくて満足しているなら問題生じないので勝手にやってくれという感じだ。けど、そういうバカにはなりたくないので、ベアリング数増やすのは最後の手段としたい。

 ということで、アクションMのギア側の純正の樹脂製ブッシュは削れたらおいおい考えるとして、削れ始めてるようにも見える反対側の樹脂製本体直受けの部分を交換可能な樹脂のブッシュを入れて、削れたら交換して使う方式にしてみた。
 難しいことはやりたくないので、ハンドルをとめる蓋兼ネジを外して見えているハンドル軸のギアの端にきつめにジュラコン樹脂製の輪っかを填めて、ハンドル軸はこちら側ではどことも摩擦せずジュラコン樹脂と本体が摩擦してどちらかが削れる方式とした。ジュラコン樹脂が本体に負けて削れる場合は削れたら交換ですむし、勝っちゃったらまた考える。
 外側の直径はピッタリのが手に入ったけど、穴の径が狭くてギアの端が入らないのでハンドドリルのヤスリでドリドリと時間を掛けて穴を拡張してちょうどはまって動かない様に加工。
 ジュラコンかなり堅い樹脂でドリルで加工するのも時間が掛かったけどその分頼もしい感じがする。本体と接する外側はテフロンのようにつるつるしていて摩擦少なくて良さそう。
 ちゃんと真ん中に填まってくれたようで、組み立てたリールの回転も問題なく滑らか。
 
 ついでにと、スプールの方にも手を入れてみた。
 平行巻機構の往復幅に比べてややスプールの糸巻きの部分の幅が広いので、スプールの高さを座面のワッシャーを薄くすることで下げて上にラインを寄せるとともに、スプール下面にワンカップ蓋製の土星の輪っか状のスペーサーを噛ませて底上げしてみた。半透明のワンカップ蓋をウレタン接着剤でくっつけたのでやや見た目がアレだ。でも、スプールの上の端はラインが当たる場所なので抵抗なく滑らかにつるつるの美しさを保ちたいところだけど、下面はどうでも良いちゃいいので適度な”やっつけ感”が出ててよしとしておこう。
 もともとのスプールにはテーパーが付いているので、下巻きを座面のワッシャー抜いた上巻き状態で巻いてならしておいた。
 ついでにラインを留めるパーツが欠損していたので、ワンカップの蓋の余りを利用して成型してくっつけた。ワンカップの蓋ドラグパッドにスペーサーにライン留めにと万能の素材である。割り箸とともに使える身近な素材として評価うなぎ登りである。惜しむらくは酒飲まなくなって久しいので料理酒として使う程度では数が確保しにくいことか。
 まあタッパーの蓋でもペットボトルの蓋でも良いんだろうけどね。
 という感じでせっかく我が家にきてくれた安ダイヤモンド。しっかり使って楽しもうと着々と手を入れて改良だか改悪だかまだ使ってみないと分からないけど遊ばせてもらってます。

 こうやっていじくれる楽しさがあるだけでも、今時の、おまえは恩返しにきた鶴かってかんじの”開けちゃダメ”系の高級スピニング様より持ってて楽しい道具だと思うんだけどね。

2019年1月12日土曜日

余熱

 ひとまずスピニングリールネタは終幕、と言ったな、あれは嘘だ。

 という台詞がシュワちゃん(CV.玄田哲章)で脳内再生されるか、ジョルノ( CV.小野賢章)で脳内再生されるかが、映画ファンとアニオタの差だと思うの。

 「またスピニングリールネタかよ!熱さがっとらんやんケ!!」と思われるかもだけど、ぶっちゃけもう熱は冷めてます。イヤほんとですって。
 特に”欲しくて仕方ないノ!!”って感じは年開けてからはもうなく、物欲的には治まっててネットオークションも一応見てはいるけど入札するほど欲しいものもない。とはいえ年末の時点で買っただけで触ってなかった3台をいじったら、もうわざわざ紹介するような新しいこともないのかなと思ってたんだけど、なかなかどうしてどのリールも個性や工夫が見て取れて、みんな違ってみんな良い的に面白かったので、そのあたりの紹介と「こんなリール買いました」だけじゃツマンネエと思うので、多分次回になると思うけど実践的スピニングリール改造例的なネタもぶち込んでみたい。

 ということで、こんなん買いました紹介一発目が写真のダイワ「7250HRLA」。
 オリムピックの「エメラルド350」でかなりお腹いっぱいになってたのでしばらく放置してたけど、なかなかどうしてこいつも悪くない。というか全然人気ないみたいだけど良いジャンという感じ。釣り場で使ってないのでなんともな部分はあるけど、見てのとおりインスプールでそんなに複雑な道具じゃなし特に不都合生じそうにも思えない。
 70年代の日本製品が安さと品質の良さで世界市場でのし上がっていった時代のリールで、米国の他に英国とかでも売られたようで、色違いやらワンタッチスプール版のとかもあるようだ。ってことからそれなりの高評価を得て数売りさばいたリールだと見てとれる。国内版は別の名前で売ってたようだけど基本同型、この個体はいかにも米国仕様なPENNのドングリ形っぽいノブのハンドルが付いている。他にミッチェルっぽいハンドルのタイプもネット上で散見された。ダイワはPENNとも技術提携していた歴史があるようなのでその辺の影響かとも思うんだけど、ネットの識者によるとむしろこのリールはダイワが70年代に吸収した「稲村製作所」の技術を色濃く引き継いでいるらしい。
 「稲村製作所」もスピニングの歴史を勉強しているとよく出てくる名前で、米国じゃヘドンの名前で出ていますな実力派だったけど、最後は自社ブランドで米国市場を闘ったダイワの軍門にくだったという歴史絵巻らしい。ダイワ強し。
 巻き心地とか正直私は気にしない釣り人なので良くても悪くても評価できないんだけど普通にクルクル回ってくれてて、分解清掃する前からコリャ問題なく使えるなという感じ。
 ドラグも普通に3階建て方式で、ダイワが国内のドラグ使わない釣り人向けにはあまりと言えばあんまりなドラグのリールを売りさばいていたのと好対照で、米国向けにはしっかりと機能するドラグを入れているという、市場の好みをとらえる上手さがここにも見える。
 パカッと本体の蓋を開けると、なんか変なギアが鎮座してて一瞬ギョッとなるけど、これは古い設計だとハンドル軸のギアの根元に付いていることが多い逆転防止のためのギアが上?面に付いているからであり、逆転防止の爪は蓋の裏に付いている。なぜハンドル軸の根元に付けないのかというと、ハンドル軸の根元には平行巻機構のギアが付いているからである。
 そう、このリールはこの時代としては珍しいクランク式じゃない減速カム方式の平行巻機構を搭載しているのである。なかなかやるやんケ。
 ギア方式自体は普通にハイポイドフェースギアなんだけどスピニングリールで一番大きな歯車であるハンドル軸のギアの直径いっぱいつかって逆転防止の歯を切ってあるので遊びが小さくなっててナルホドという設計。あとベールが大森みたいに折りたたみできるのも地味に良いところ。
 ローターとローター軸のギアが、前の持ち主が逆に捻りまくって噛んでしまっているのかどちらにも回らない固着状態だったけど、その他は外せてグリスもぶち込めたので固着したまま分解清掃敢行終了。
 国内の中古市場じゃインスプールのリールはABUカーディナル、ミッチェル、ダイヤモンドの3強で他は未使用箱入り娘でもなければそんなに値段付いてなくて「7250HRLA」も3千円ぐらいが相場で5千円もだせば結構買える。性能の差はあるといえばあるんだろうけど、どっちが良いと一概には言えないようなむしろ”個性”がある感じで、なぜクソ高い人気機種ばかりををありがたがるのか私には理解できない。なにしろコイツの値段といったら今回次に紹介する「ダイヤモンドスーパー99」と2台で2000円という堂々の”ごみスピ”価格での落札である。費用対効果考えればメチャクチャ良いリールだと思う。

 かつ”熊の手”対策のローターから出っ張った棚も備えた初心者向けのインスプールスピニングであり、インスプール使ってみたいけどベールを手で起こしちゃダメってのが不安なんだよなとお嘆きの貴兄にもピッタリ。どうです?1台。
 ただ、このリール我が家では出番がなかなかなさそうな感じ。大きさ的に「スピンフィッシャー714Z」「エメラルド350」あたりとモロかぶりで、渓流行くときにジェットスピンに付けて使ったら”気分”かなというぐらいか。しばらく蔵で待機だな。

 お次は、みんな大好き大森製作所のインスプールでっせ。といってもサイズが大きくてちょっとルアー用という感じじゃないので全然人気がない機種「ダイヤモンドスーパー99」。
 なんで99なんだろなと思ってたけど左巻が99で右巻が100のようだ、ABUアンバサダーが左巻だと数字に1足すのと逆に左は1引いてる。
 正直、狙ってたのは「7250HRLA」で、2つまとめて抱き合わせてオークションに掛かってたのでオマケ程度に思ってたけど、実際手にしてみるとコレがなかなかに味わい深い1台で、何か出撃機会を考えてやらなあかんなという感じ。
 スプール径が大きいんだけど、分解清掃しながら設計を理解していくとナルホドな感じで、薄いお握りのような三角のボディーに大きなインスプールのスプールとローターが乗っかってる塩梅といい、左巻専用で裏っかわがミッチェル300みたいに背骨の部分が盛り上がってるスッキリとした形といい、なかなかに格好いいリールで、丈夫に作ってある感じの重さといい、我が家にあるリールではコレまで9500ssと706Zが漢らしくて格好いいリールの双璧だったけど、それらに匹敵するぐらい漢らしい。

 内部の機構は、大森ダイヤモンドがハイポイドフェースギアにたどり着く以前のリールのようで、おそらく60年代とかのリールなのかも。ワシより年寄りの御先輩。
 ドラグは普通にこの時代から3階建てなのねというかんじで、ドラグパッドへたってるので例によってテフロン仕上げガラス繊維製のパッド追加してそれなりに使えるドラグに調整。
 パカッと本体開けると、ギアは斜めに溝を切った傘状のギアとギアが接触するスパイラルベベルギアである。
 おおーッ、ミッチェルの名機408やそれに影響受けているだろうPENNスピンフィッシャー722Zに搭載されているギアやんけ。たしか刃切りしてギアを作らなきゃならんのでそのための工作機械やら技術がいるけど、力の伝達効率は良く、つまり軽く力強く巻けるギアで、滑らかさも併せ持つとか何とかだったように思う。
 凝ったギア入れてんなーと感心しつつ分解清掃していくと、驚きの事実が判明。
 このリールにはボールベアリングが1ッコも使われていません。

 ベアリングレス機。なんと漢らしい。
 右の写真のように油溝を切った真鍮の芯にこれまた真鍮のスリーブを被せていて、この芯とスリーブの接触面の滑らかさでローターの回転の滑らかさを確保している形。
 もちろん、ボールベアリングが入っている場合ほどの軽い回転ではない。でも、古いグリスとかぬぐって新たにリール油注してグリスシーリングしたら、まずまず使えるぐらいの巻きの重さでしかなくベアリングなしでもスピニングリールが成立するというのは、ちょっと衝撃を覚えるぐらいの事実。
 でも考えたら、ベイトキャスティングリールにおいて、アンバサダーの「C」なしのモデルはスプール軸を受けるのにボールベアリングじゃなくて銅のブッシュが入ってるけど、重いルアーなら問題なく「投げられる」ぐらいの回転が得られるんだから、不可能じゃないんだろう。
 ただこういうリールが成立するには、製作精度が高いのは当然として、力の伝達効率が良いスパイラルベベルギア方式も貢献しているんだろうし、ギア比が多分3倍チョイぐらいと小さく力強い設定なのとかもあわさっての全体の設計の上手さによるんだろう。ギア比が小さいからスプールの直径大きくして巻き取り速度を稼いでいるようにも見える。さすが大森製作所、栴檀は青葉から香しか。

 という感じで、サクサクと分解清掃してたんだけど、落札時は「動作確認済み」で問題なく作動していた逆転防止機構が、実は爪を歯車に押しつけるバネが錆びていてギリギリ持っている状態で、このまま触らずにここはソッ閉じだと思ったんだけど、なんと、錆を止めるためにちょっとだけグリスを盛るかと触った瞬間ポロッと折れた。大ショック。
 あれこれ悩みつつも、ベールスプリングじゃなければそれ程耐久性はイランということは学習済みで、タチウオ用のステンレスリーダーを加工して爪を押しつけるようにバネっぽく細工して復活させた。一安心一安心。
 スパイラルベベルギアってルアー用だとミッチェルとPENNに見られるぐらいで珍しいけど、この時代の日本製投げ釣りリールには意外に多く使われていたのかも知れない。使い道なくて放置中のオリムピックの「モデル93」もスパイラルベベルギア機だ。
 力がある巻き上げで、遠投した仕掛けをゴリゴリ巻くのに向いていたのだろうか。私は投げ釣りあんまりしないので、「スーパー99」を使うとしたら、ギア比が低くてゆっくり巻ける、かつ力もあるのを利用してデカいルアーでスズキ狙いとかかな。こいつに武勲をあげさせるために釣りモノ探したくなるぐらいに味のある1台である。


 最後の1台はグッと趣が異なるリョービ「サイノスSS700ZM-T」。
 リョービの釣り具部門がJ屋に移ってからの時代の製品のようで、本体・ローター・スプール全部樹脂製で、おかげでカタログでは235gという軽量を誇っている。
 ”樹脂製リール爛熟期”に隠れた名機が実ってたんじゃないか?っていうのを探してたときに買ってしばし放置してあった。ちなみに某中古釣具屋の年末割引で税抜き800円。定価は3,400円と”安物”とまではいかない普及品。
 コレがなかなか悪くないリールなんである。
 分解していくと、まずはドラグが滑りの悪い赤い繊維のドラグパッドにワッシャー1枚で”ドラグノブ=スプールを固定するためのツマミ”系ドラグなんだけど、そのあたりはもう慣れたモノでフェルトを底に敷いて調整幅稼いで滑りはテフロン仕上げガラス繊維製のパッドで確保という感じで使えるドラグにしてしまうと、ラインローラーは直径大きいラインに優しそうなのがついてて、しかも錆びない樹脂製ブッシュ入り。逆転防止機構がメタロイヤルと同様のローターの裏に爪の掛かる歯を設けた「マルチポイントストッパー」方式。と、悪しき高級リール化への階段であるラインローラーへのベアリングやら瞬間的逆転防止機構の搭載に至っていない良い塩梅の進化具合。まあ安いからおいそれとはベアリングとか入れられないってだけかも知れないけど。
 ベアリングはローター軸に1個入ってるだけだけど、ちゃんと軽くクルクル回ってて回転バランスも悪くないように思う。ちなみにハンドル軸は真鍮のブッシュで受けている。
 J屋が吸収したスピニングリール屋である大森製作所に関しては、「ロングマイコン」とか見る限りどこが作っても同じような安リールでしかないと思うしブランド自体消えてしまったけど、リョービについては少なくともこのサイノスはリョービらしい技術が残っているうえにまだ日本製で、ちゃんとリョービの日本工場の人にJ屋が飯食わせてたようで立派である。大森の件では正直恨みに近い感情を抱いていたけどちょっと見直した。さすがにもう工場は日本にはないようだけど今でもリョービブランドのリールはJ屋で売っているようである。
 ただコイツをコレから使っていくかというと、樹脂製の安いリールとしては大森晩年の「アクションM」を使っていくことにしているので出番が想定されず、あと往年の大森ダイヤモンドのようにハンドル軸のギアに堅い鉄系の軸が鋳込んであれば、ブッシュは真鍮製で問題ないんだろうけど、亜鉛鋳造一体成形のギアの軸受けとして真鍮はどうなのか?どっちか削れちゃうんじゃないかという不安もあって不採用とした。その辺もう少し詳しく次回書いてみたい。
 とはいえ安く仕上げつつもなかなかに工夫の跡がしのばれる1台ではあり、ネットオークションとかで売っても低評価で手間賃にもならん気がするし、捨てたり死蔵するのも惜しく思ったので、もう使う機会がなさそうなシマノとダイワのスプリンターマックスと詰め合わせにして使ってくれそうな男の子のいるご家庭に適当に竿も見繕って進呈してきた。ぶっ壊れるまで使ってもらえれば嬉しいナと思う。

 いろんなスピニングをいじくってきたけど、どのリールも完璧じゃないけど利点や愛すべき面とかがありそれぞれに個性があって、実釣に支障を生じさせるようなダメな点がなければ、どんなリールでも使い込んで愛着を持つことはできるような気がする。
 「スピニングリールの性能は基本的に値段に比例するので、可能な範囲で良いのを買ってください」的なことをいけしゃあしゃあとのたまう、釣具屋のまわし者の言ってることなんて全部無視して良いので、自分が欲しいリールの性能や機能はなんなのか、自分の好きなリールはどんなのか、それを考えて悩むこと自体が楽しくて仕方ないことなので、くれぐれもその楽しみを他人に任せたり奪われたりしないように自分でよく考えて、道具選びの面白さを存分に楽しんで欲しい、と老婆心ながら思うのである。

2019年1月6日日曜日

便所のネズミのクソにも匹敵するそのくだらないモノ

 見る者をして吐き気をもよおさしめるモノというものがある。一般的には排泄物、ゲロ、タン、腐ってウジの湧いた魚、死体からはみ出た内臓、まんじゅうに熱いお茶とかがそれにあたるだろうか。

 新年2日に帰省先から戻るのに、新幹線の駅まで同居人の両親に車で送ってもらった。
 道中東北時代に住んでた近くの川の河口に高さ5mはあろうかという堤防が築かれつつある光景を見て、年末にも釣りに行ったときにさんざん防潮堤の工事を見ていたし、そういう計画があることも知っていたけど、気分が悪くなって目眩がして吐き気がした。
 シロウオを獲るための伝統的な漁法が続いていたような川の河口にナニしてくれてるんだと。5mの高さの堤防ってそれを支える土台にどれだけ土盛ってピラミッドみたいにしなきゃならんかというのは、知識で知ってても実物見るとその盛大さが想像を軽く超えていることに驚く。川の両岸にズーッと延々と2階建ての家ぐらいの高さのピラミッドが建設されていると想像してもらうと良いかもしれない。ホントいろんな要素を伴って相乗効果で気持ち悪い醜悪さ。
 不幸中の幸いだったのか?一番親しんだお気に入りの川は手前で自動車道に乗ったので河口部を見なくて済んだことだけど、同じような工事がされていると聞いてるので、もうヒラメとか釣ったあの河口はもう自分の思い出の中にしか流れてないんだなと思うと心底悲しい。サケだって上がるしマハゼも釣れるしクサフグもウグイも釣れた懐かしいオレの川。しっかり見て傷ついておくべきだったのかもしれないが正直勘弁して欲しい。ガガンボの脚のように脆弱な私の精神力では耐えられそうにない。上流はまだ工事が入ってないようなのでヤマメは健在かもしれない。でも、内緒だけど河口近くまでヤマメが釣れたんだけど、それはもうダメかも知れない。
 東北の渓流釣り場では放流量多い大河川が注目されがちだけど、実は釣り人少ないリアス式の湾に注ぐ沿岸の小河川が釣り人少なくて狙い目だったのである。イワナはさすがにある程度標高高いところから流れている川にしかいなかったけど、ヤマメなんぞは関東でいえばオイカワに近い生態的地位にいるぐらいの魚で家から5分ですぐ釣れたものである。関東のオイカワの方が難しいくらいで、雑なワシのフライフィッシングでもわけなく釣れた。
 そういう都会の釣り人が聞いたら信じたくないような贅沢な川を”金をばらまくことが主目的”の公共事業で失うことの損失がどれほど大きいか、なぜ分からないのかオレには分からない。
 そう思っているのは私だけじゃない、そういう自然環境に高い価値があるというのは、昨年それらの川が流れ込む志津川湾が”ラムサール条約登録湿地”になったことからも客観的に明らかだと思う。
 本当はどこの水辺も等しく重要なんだろうから、条約様がどうこういうまでもなく他の三陸の湾もそこに注ぐ河川も重要なんだと思う。でも公的機関がお墨付きを与えて「水鳥とかの棲息に重要なので保全していきましょうね」って言ってきている湾で平成も終わる時代にナニをやってるんだって話。

 日本って少なくとも”先進国”じゃないよねってこういうの見ると思う。かといって”途上国”っていうほど発展する余地もない黄昏の国。土建屋国家。

 「住民のために」「人の命を軽視するな」と推進する側はいうのだろう。ヨソモンが口を挟むなというかもしれない。ただ、クソ高い防潮堤については地元の反対もかなり強かったと聞いている。いろんな意見はあったんだろうけど「決まったこと」として押し切られたような話を良く聞いたし、そうだったんだろうなと容易に想像できる。
 要するに「復興」の錦の御旗のもとに予算が付くなかでいかに多くぶんどってきて地元にバラまくかってのが重要で、この儲け時に儲けなくていつもうけるんだということで、なりふり構わず無駄だろうがなんだろうが予算もってる”上”にピラッと綺麗な絵図面みせて説明しやすい話でゴリゴリ押したんだろう。

 「住民のために」だったら、なんで反対している者が多い地域にまで要らない防潮堤を作るのか。そういう工事が進んでいる中でなぜ、半島の先っちょの集落にいくための道路がいまだに地盤沈下で高潮時に浸水するまま捨て置かれているのか。票にも対外的な評価にも結びつかないような地味な工事は放置で「住民」捨て置かれている。何年経ったと思ってるんだ?

 「人の命を軽視するな」って、いうんなら東北の津波で得た教訓は”堤防じゃ津波は防ぎきれないから、とにかく地震が来たら高いところに逃げる”だったはずである。そうじゃないというなら指摘して欲しい。
 津波で壊れた防潮堤を教訓に更に丈夫な防潮堤を作るとか言うんだろうけど、防潮堤って作ったら永久に機能し続けるわけじゃなくて、コンクリの耐用年数って今はもうちょっと良いのかもだけど30年とか40年とか言われてたはずで、あんな巨大な構造物を定期的に修繕し続けなければならない経済的な負担など、今でもできないだろうし今後はもっとできなくなる経済状況になるだろう。
 人命優先で予算をつけるべきだなんて理想論で飯が食えたら苦労しないって話で、ため池が崩壊しただの崖が崩れたの堤防が決壊しただのって、なんで改修しておかなかったのかって”評論家様”は言うけどさ、いっつも書くけどそんな後出しジャンケンだれでもできるけど、予算限られる中でどれが次に危ないかなんて的確にあてられるわけなくて、特に津波なんてのは断層がエネルギーを貯め込んでから放出する大地震で来るんだから、忘れて防潮堤がボロくなった頃に来て崩壊するのは目に見えている。アホかと。
 なんで長期的には必ずおこりうる災害を、自然災害である”津波”では完全に押さえ込もうとして人災である”原発事故”は容認しようとしているのか、本来全く逆のハズでこの国の政治家もそれを支持する国民も頭も悪いし程度も低いと正直思ってる。原発事故なんて原発運用しなければ少なくとも国内では完全に防げる。自然災害は防ぎようがないことを前提に避難の方法やらなにやらで被害を最小限にとどめることを目標にすべきである。なんてことはとっくの昔にみんな分かってるはずで、一部狂信的なバカ以外は知ってることである。知ってて不合理なことに荷担している。

 じゃあ何でこんなことになってるのか?日本が経済優先の土建屋国家だから中央じゃ金バラまいて、地方じゃそれを引っ張ってこれる政治家が選挙で選ばれるからである。
 なにせ我が国で長く政権与党の座にある政党の本部が”砂防会館”なる砂防ダム作ってる業者側の持ちビルに入ってるってぐらいにあからさまな我が国である。恥ずかしくないのかねと常々思うけど恥ずかしくないような人達がこの国の政治を牛耳ってるんだもん。そりゃ国土全面コンクリで覆うまでは工事はなくならないってことだろうね。全部覆ったら次はその上に積むんだろうけどね。
 だから、必要ない施設を作るなとか不要な工事を止めろとかいっても聞きゃしないってのはわかる。だってこれだけ公共事業がやられてる限りそれで飯食ってけている人って多くて、多数決とって選挙したらその人達の利益になることしかやんないって。それにしても公共の不利益になることをするぐらいなら、いっそ札びら直接撒いておけと思うけどね。
 選挙とか多数決とかクソだよねってずっと思ってる。と同時に飯食えなくなる人がいるのに理想論でいいのかって矛盾も常々感じている。

 でも書く。無駄でもしつこくても何度でも書く。なぜなら昔っからそういう土建国家と闘ってくれた先輩達がいたから、ずいぶんマシな世の中にまだとどまっているんだと思いたいからである。椎名先生、野田先生、ニコル先生、獏先生、最近じゃTAKE先生とかがペンを剣にして闘ってきてくれてるから、まだオレは魚釣りができるんだと恩義を感じているので微力ながらも助太刀いたしたく候。
 私のブログのこの手の記事も誰かの目にとまって何かを感じてもらえたらと書いているし書いていく。

 たぶん経済優先の社会である限り、今のような無駄な公共事業は多少マシな方向に食い止めることぐらいが精一杯で全く止まるということはないだろう。
 でも2つぐらい、今後に希望がもてる状況が生じているように思う。
 1つは、日本の経済的発展が限界にきていることである。経済界は移民を受け入れてでも今の産業構造を維持しようと躍起になってるけど、諸外国の工業力が増していく中で、移民が来てくれるほどの経済的な状況を今後も維持できるとは思えない。いつもの持論だけど英国で起きたようなことが日本でも今後起こる。移民政策失敗した上に経済もコケる。そうなったらバラまこうにも金がないので経済優先もクソもなくなる。そうなれば混乱はあるだろうし悲劇もあるだろうけど、日本はまだ主食の米を生産できる能力が残ってるし、蛋白源も今や缶詰工場のあるインドネシアとかにサバやマイワシを輸出している漁業生産でけっこう行ける。足らない部分は生き残った工業力で稼いで買うぐらいの第一次産業主体の地産地消的な小さな経済にいやでもズルズルとなっていくと思う。経済的に今の構造が崩壊するというと心配かもだけど、飯さえ食えりゃあ贅沢はできんかもしれんけど幸せにはなれるので心配いらない。
 もう1つは、そのあたりに若い人がどうも気づきはじめているように思うことである。
 宣伝うっても車も家も売れないし、ろくでもない労働条件しかなかったら働こうともしない。欲望が薄くて羨ましいとともに心配だけど、搾取する体制側、資本家側の吹く笛に踊らされない賢さを持ち、さすがにクソジジイどもが負担を全部次世代に押しつけるようなメタメタなデタラメしかやらないので、そんなのに付き合う必要はないと気付いたんだろう。良いこっちゃ。経済メタクソになって移民からもそっぽ向かれたときに、好条件で泣いて頼まれたら働いてやってくれ。
 
 とまあ、罵詈雑言をまた新年から書いてしまったけど、なるべくならそういう書いてて胸くそ悪くなるようなことは書かずにいたいんだけど、現実にクソ高い壁のような防潮堤を目のあたりにしてしまうと、ひとくさり書かずにいられないのである。
 湾の奥の陸地を高い壁が覆うその様は、刑務所の中にいるかのごとき閉塞感で、見たら理屈じゃなくてその気持ち悪さを感じずにいられない。
 

 写真はどちらも気仙沼湾のとある防潮堤だけどその気持ち悪さが伝わるだろうか?こんなモンがなかったときには美しい三陸の海が見えたのである。
 控えめに言ってFUCK!である。
 なるべく早く腐食して崩壊するようにションベンかけておいた。さすがにチュドーンとはいかないのでせめてものゲリラ活動である。

2019年1月1日火曜日

新年あけましておめでとうございます



 今年もよろしくお願いいたします。

 昨年の目標である「釣りと猫のことだけを考えて生きる」は最後スピニングリールのことばっかり考えてたりしたけどおおむね達成できたと思う。

 しかしながら、春から夏にかけて復職の段取りを考えていたものの、思うようにいかずちょっと調子崩して断念。もう2年に渡って働いておらず、給料天引きの共済保険入ってたので、そこから生活費出てて、働かずとも働かずとも我が暮らし楽なり、なんだけど、今年劇的に回復して働けるようになる気があんまりしてこない。
 昨年冬に一念発起して始めたジョギングは猫のおかげで週2回ペースで続けることができているんだけど、最初に設定したコースから距離増やすこともできず、猫のいる橋まで行って帰ってくるのでそれなりにいっぱいいっぱいで、体力的にも健康的にも何かをすれば努力に見合った成果が出る歳でもなく、現状維持が良いところなのかなと感じている。亥年生まれだから今年48になるのかと思うとそんなもんかと納得もいく。
 自分の中ではとっくに「こりゃダメだ」って心が折れた状態っていうのが正直なところなんだけど、病院の先生やら職場で休職の手続きやら復職の後押しやらしてくれてる方々に申し訳ないような気がしてならないので、もう一回春に復職の方向でリハビリの手順組んでみて、それでダメなら夏頃仕事辞めようというのが、今年の1年の計だろうか。

 辞めても10年や20年は遊んで暮らせる蓄えはある。若い頃質的にはともかく量的にはよく働いたからね。蓄えが尽きたその後は年金生活できればいいし、年金ショボくなってそれだけじゃ暮らせない状況になるのは目に見えてるけど、そうなったらそうなったで、食い扶持ぐらいはアルバイトでもして稼ぐのだろう。貧乏苦にならないほうなので多分月10万もあれば面白おかしく笑って暮らせる。

 ちゃんと仕事勤めあげて、社会の一員としての義務を果たしてから隠居したかったけど、気力体力の限界で引退せざるを得ない状況ならしかたないと許してほしいものである。

 ちょっと早いけど、俺、ご隠居さんになります。
 飼い犬の生活から野良犬の生活になると、餌食えるかどうか不安だとしても、首輪で繋がれていなくて、なにしようが自由っていうのはちょっと心躍るぐらいに楽しみでもある。

 オレは仕事を辞めるぞ !