2022年6月25日土曜日

令和の時代の無敵艦隊

 インビンシブル!無敵!!

 先週書いたように、ここしばらくルア-をアレコレと試していて、いやがおうにも分かったことは、ラパラとインビンシブルは優秀だということである。ラパラのデキが良いのはいまさら言うまでもないけど、インビンがこんなにできる子だとは東京湾で使い始めるまで知らなかったし、頭が平たいナマズ顔が安定した潜行を助けてるようで、DRはリップそれ程大きくないのにキッチリ足下まで引ける。独特の鱗模様とか吹いてある厚めの塗装は、見た目にも美しいんだけど、重量を適度に与えて飛距離がそこそこ確保できるのと、ラパラに比べて同じバルサ製でも強度が増していることに寄与していると思う。動きはキビキビ切れが良く、飛距離もそこそこ、耐久性もそれなりにあって、結果釣れるルア-なんだけど、ホイルフィニッシュとか立体的に鱗切った仕上げとかの、今時風の外観じゃないので日本人好みじゃないのは分かる。けど、地元北欧とオージーの好みにはしっかり合致するようで、同社のサイトで色んなルア-の宣伝文読んでると、対象魚に”サーモンとバラマンディー”とかなってるのがあって、地元で愛されてるのはある程度当然として、豪州人気はなかなかオージーたち見る目があるなと感心する。まあ優秀さは、毎回書くけど、フィンランド本国でラパラを向こうに回して生き残ってきたという事実だけ見ても間違いないだろう。

 今時デキの良いルア-はごまんとある。しかし、バルサというバラつきのある天然素材を使いつつ、品質は安定させてあり、固定重心と軽さを生かして、立ち上がり素早くキビキビとした”良い動き”っていうのは、いまだなおプラスチック(ABS)製の現代的な良くできたルア-を状況によっては凌駕する働きをやってのけるし、その品質のルア-達をプラ素材のルア-と同等の高くもない値段で何十年と売り続けているのは賞賛に値する。インビンシブルはいま正規輸入元がないので国内流通量は少ないけど、ラパラに至ってはルア-を扱ってる釣具屋にならだいたい売っているという安定供給ぶり。

 そんなわけで、今回ルア-方面に症状が出たときに、使ったことないような新機軸のルア-を買いあさると共に、供給不安定なインビンシブルも買い増ししてしまった。一番よく使うオレンジ黄色の8DR3本、同色12センチ1本とまずまずの戦力補強となった。

 オレンジ黄色はカラーコード”070”でパール白基調にオレンジの背中に蛍光黄色の横縞という派手系で、東京湾の運河でも紀伊半島の川でも実績の色。ちなみに一番下の列右は頭を下にして浮く「スタルワート」、左は「ハーカー」。揃うんなら「ビッジー」とか「スピアヘッド」「ダートマスター」、まだ保有していない「ビックマウス」「ニルハ」なんてのもこの色で揃えたいモノだ。

 現在、ニールズマスターは正規輸入元はなくなって全国の釣具屋に流通しているような状況じゃないけど、マスに使うような8センチ5センチは「プロショップマリン」さんで、怪魚用の20センチとかのデカいのは「サンスイ」さんの一部店舗で扱っているようで、箱入りのはマリンさんで買ったのが多いし、派手な豪州向け色の15センチのはサンスイさんで買ったように記憶している。

 確か、欧州系の釣り具通販サイトで売ってたよなと探してみたら、ブックマークしてたつもりが見当たらず、検索掛けても上手く見つからなかったんだけど、代わりに”ニールズマスター社”そのもののサイトが見つかった。これがなかなか面白い。製品情報も趣があって良しなんだけど、”インビンシブルのカラーチャート”が眼福眼福という感じで、メリケンモノのバグリーやらストームやらのカラーチャートも見ててうっとりするぐらい独自色満載で楽しいけど、どっこいインビンシブルも負けてない。現在196色あるのかな?本文にリンク貼ってるので是非別窓で立ち上げて眺めながら続きを読んでいただきたい。

 我が家にあるカラーで現在のカラーチャートに残ってるのは、左の12色。

 上からバラムンディー系の派手な色”027”、金鱗に緑背中の奇をてらわない基本色という感じの”030”、腹が黄色に尻尾赤背中が緑の独特の”052”はプロショップマリン一推しカラー。単純な白腹青背の”053”が残ってるあたりはこの色なにげに実績ありと見て取れる。写真の5センチの個体は腹のフックのところに赤い菱形マークとフックに赤いシェニール。同じ青白でも時代によって微妙に違うのかも。次も基本的な黒背銀鱗で”055”、その下はマニア筋にはパパイヤとか呼ばれている黄色緑に黒背頭白の”057”、青に銀鱗はある意味ニールズマスターらしい配色の”058”、次の2つ”066”、”067”もニールズマスターらしい鱗模様で背中と横線が青が前者、茶色系が後者、喉の赤や腹のオレンジも凝った感じで、最もニールズマスター伝統のカラーリングを感じられるのはこの手のものか。そしてナマジのお気に入り”070”はパールホワイト基調にオレンジの背中に蛍光黄色の横縞。こう並べても派手で目立つゼ!その下は定番の青鯖”071”、そして最後は近頃のニールズマスターでは流行?のラメ系”094”銀ラメボディーに紫の背中、黒点が体側に散らばる”なんかこんな小魚いそう”感のあるカラー。

 逆に今ウチにあるのでカラーチャートから外れたのは、コータック放出品では、上二個の黒点系と下2本の淡い単色系。黒点系は実績あまりなくて、まあなくてもイイかなだけど、単色系はそこそこ釣ってる色だったのでちょっと残念。

 ただ、新しい色なのかカラーチャートには見たことがなかった色がいっぱい載ってて、良い色もあって欲しくなる。北欧系の通販サイトでも探して買うか?黄色オレンジ系の派手なのが好きなので、シンプルに蛍光黄色に赤頭の”013”とかも良いし、黄色オレンジ系でいえば他にもオレンジ黄色背中黒縞の”017”、コンスタンギーゴっぽいオレンジシマの”112”、蛍光黄色鱗模様に黒縞”117”、パールに蛍光オレンジ水玉模様の”139”、蛍光黄色ベースの鱗模様にラメの”140”、パールホワイトベース黄色背中、アゴと尻尾下部オレンジ”148”、ライムチャートに蛍光黄色、蛍光オレンジ黒水玉”182”、ラメラメオレンジ金”229”あたりの派手さは破壊力ありそう。単純だけど、銀ラメボディーに蛍光黄色背中の”048”、金ラメボディーに蛍光オレンジ背中の”093”もラパラの蛍光黄色や赤金みたいで良い。どれも釣具屋で売ってるの見つけたら買ってしまう自信がある。 

 こういう”北欧デザイン”なポップで釣れそうなカラーをひっさげて、再度日本に正規輸入してくれる輸入元サンとかいないのだろうか?欧州方面の海外通販探せば買えそうではあるけど、さすがに今の円安だと腰が引ける。カラーリングの優れた見た目で勝負をかけて釣り人を釣ることさえできれば、使えば釣れるのは間違いないので、日本でも売れないこともないと思うけどどうだろう。コータックが輸入代理店してた頃のカラーラインナップは、いかにもな古くさい吹いた銀鱗模様の(それはそれでもちろん良い味です)が主だったけど、今度正規輸入するなら豪州向けとかそっから発展していった独自性の強い見てて楽しいカラーで攻めれば、日本で一勝負できるのではないかと思ったりするのです。

 逆にわが家の蔵にあるので、渋くて古そうな色のもあって、中古屋で見つけたときなどは心が躍るのを止められなかったものである。
 一番上のは深緑に黒でテントウムシのような模様が描いてあるんだけど、おわかりいただけるだろうか?
 2番めは、わりと中古の出物ではありがちの単色に銀の鱗模様という激渋のカラー。所持しているのは写真の緑のモノだけど、一度黄色ベースのがネットオークションに出品されて、とってもステキだったので欲しかったんだけど、やはりどこにでも良いものを見る目のある人はいるもので、根性出して競ったけど競り負けた。他に青系も見かけたことがある。こういう単色系も味わい深い。いまのカラーチャートでは”051”が単色の赤にラメという感じで、なかなかこれはこれで攻撃的なカッコイイ色になっている。
 最後のジョイントのは青白に緑の横縞を入れたもので、現在も各色組み合わせつつ横縞という3色構成のは多いけど、過去に作られてきた横縞あり3色の組み合わせも、たくさんあっただろなと想像にたやすい。これもそんな1例だけど、そういえばお気に入りの”070”もパールホワイトオレンジに蛍光黄色の横縞であり、横縞一族の一員。
 なんにせよ古くて一時的にしか作らなかった色とかまで蒐集しはじめたら収拾つかなくなることうけあい。あまり深入りせずにインビンはあくまで実用品として見ておきたい。

 最後にちょっと、良く分からんしろものがわが家の蔵にあるのでご紹介と、なんか情報持ってる方が居たらご教授いただけると助かります。
 左が皆様ご存じのニールズマスター社「ビッジー」、右がヘイモ社「フィンマグ」(HEIMO FINMAG)で、上の写真が上からの見た目、下の写真は横からの写真で、見て分かるようにややキャラがかぶってて、どちらも平べったいボディーのコチみたいなルア-なんだけど、何がよくわからんかというと、ヘイモ社もうないようなんだけど、一時ニールズマスター社でフィンマグを売ってた時期があったんじゃなかったっけ?っていうおぼろげな記憶があったんだけど、ネット検索してみても出てこない。海外通販かなんか見ててフィンマグがニールズマスターのルア-として売られてて、ニールズマスターにこんなルア-あったんだ、って思って調べたらどうも別のメーカーが作ってたルアーのようで、ニールズマスター社が吸収したか版権買ったかなんだろうなと思った記憶があるんだけど、ジイさんボケ始めてて記憶がたよりにならんうえに、今回検索しても”ニールズマスター社のフィンマグ”の形跡は全く出てこなかったので、モヤモヤッとしてます。正確な情報をお持ちのお方ぜひワシのモヤモヤをスッキリさせてください。おねがいしやす。

 脱線したけど、まあインビンシブルはその名の通り”無敵”ってほどではないにしろ、日本での評価と知名度の低さに反して、実力は素晴らしいものがあるので、また正規輸入されて手に入りやすくなって、色んなカラーも楽しめるようになると良いなと思い、応援の意味も込めて、”ルア-図鑑うすしお味”第53弾はなんだかんだで取りあげるの3度目?のインビンシブルでいってみましたとさ。


2022年6月18日土曜日

足下に潜り込むダイバーと泳げなくもないポッパー

 病気なんじゃ~!仕方ないんじゃ~!!

 今期のシーバスの不釣ぶりを見ていただければ、シーバス用に使うルア-方面での病気の悪化もしかたないと御納得いただけるだろうか?あぁしかたない。

 ご近所でシーバス釣るのには、護岸の上から釣るN川用に、足下までキッチリ引けて立ち上がりの早い固定重心のディープダイバーが、立ち込んで釣るA川では、ユルヨタなおとなしめの泳ぎのミノーとシンキングペンシル、ついでに高活性の魚に食わせる水面系ぐらいがあれば間に合う。
 
 前者のN川用ルア-としては「インビンシブルDR」「ホットN」のラトル無し勢に「マジェンダ」「スティッキーJr2」のラトル勢がここのところの1軍で、内房運河とかの実績考えると「フライングダイバー」やら「シャッドラップ」「サイレントピーナッツⅡ」あたりも使えるはず。A川用の現状一軍登録は、何はなくとも「海爆リップレス」が先発で「ワンダースリム70・90」「コモモスリム95」系あたりに加えて、水面系が「ザラパピー」「チャグバク小」「ダルトンSP」ぐらいがこのところの定番。

 魚を釣る能力的には、これらのルア-で不足を感じているわけじゃない。多分釣れてないのはルア-のせいなんてことは全くないはずで、魚が射程距離内になかなか入ってこない、つまり自分の行く釣り場に回ってこないってのが主な原因で、ひょっとしたら回って来ているタイミングをキッチリとらえ損なっている自分の腕の問題もあるかもしれない。にもかかわらず、菓子箱いっぱいに一部蔵にあったルアーもあるけど、新たに導入するルア-候補として、アホのようにネットオークションやらで買いあさってしまっているのは、ひとえに「同じルアーばっかり投げてると飽きてくるんだもん」ということに尽きる。

 ルアーマンなら分かりますよね。って話だけど、ルア-って似たようなタイプでも各社個性があって、微妙な違いは釣果の差を生むことも”変えれば来る”でたまにあるけど、むしろ、その個性や表情の違いを愛でるのが楽しいってのが、タックルボックスにルア-をあれこれゴチャゴチャ揃えたくなる理由の大きな部分である、ってのが本当のところだと思う。最近の日本製のルア-は良くできてるのかもしれないけど、逆にそういう個性やら表情の違いの部分が絶望的に”薄い”と感じていて、ワシが詳しくないのもそう思ってしまう原因かもだけど、例えば愛用しているコモモスリム95系のようなリップレスのユルヨタ水面直下系ミノーをと探せば、各社どこでもこの手のタイプぐらい出していて、いくらでも出てくるんだろうけど、どれもコモモの亜流の域を出ず、わざわざ違うメーカーのを買う意欲が湧かず、このタイプのルア-ならコモモ出してるアムスデザインのアイマブランドの他のルア-でも買っとけば良いように感じてしまう。

 となると、手に入りにくい小工房の高級品とか確保も難しく実用性も興味も無いので、れいによってアメルアとか日本製でも古い名作バスルア-とか、中古で確保も容易なもので、個性的で釣れない時間を楽しくしてくれるようなモノを、とアレコレ買いあさって試してみているところなんである。

 で、足場高め超接近戦で足下までキッチリ引いてくるための固定重心のディープダイバーってのは、いくらでもあるといえばある。古くから使われているアメルア(米国製ルア-)なら固定重心だし、バルサなどの木製ならラトル無しも珍しくない程度にはある。

 ちゅうことで、ドーン!と買っちゃいましたのが左の写真。ラパラとバスジャッカーは蔵から見つけたものだけどね。
 ラトル入りに関しては今自分の中ではマジェンダ推しで、抑えにスティッキーJr2とソーサラーもあるので、とりあえず放置で、ラトル無しをアレコレ入手して投げてみている。アメルアでプラスチック製でラトル無しは比較的少なく、入手が容易・安価でイケそうなのはレーベルの「スプーンビルミノー」ぐらいしか見当たらなかったけど、バルサ含めて木製のはラトル無しが普通。”みんな大好きバーグリー(©Dab氏)”(左上あたり)と日本で”パックマン目”のルア-といったら「アイマ」ブランドだけど、アメルアだと今回買いあさった杉の木でできてるPOE'Sのルア-(右上あたり)で、そのあたりはどちらも日本でも売れてたので中古の弾数も豊富でお安く入手可能。バグリーのルア-とかは塗装とか割れてたりすると(そういう仕様です)600円700円で買えてしまう。POE'Sも値段は大差ない。
 ただ、どちらもディープクランクのたぐいには、ごっついグラス系のクランキングロッドを穂先水中に突っ込んで深く潜らせるような男らしいモデルも多く、バグリーの「ダイビングキラーB2」やらPOE'Sの「スーパーセダー300」ぐらいは比較的おとなしそうな大きさと見た目なので大丈夫かなと思って買ってみたけど、5センチのシンペンも投げにゃならんシーバスロッドでは巻き抵抗が大きくてしんどい。ということでバグリーならB1の大きさやシャッド系、POE'Sは1100(200?)の大きさとシャッドっぽいRC系を狙ってみた。
 結果、バグリーの「キラーB1」とPOE'SのRC系はあんまり潜らんので足下までキッチリ引けなくて今回の目的には不合格。その他の「ダイビングキラーB1」や「バッシングシャッド」「スーパーセダー1100」あたりは良さそう。ただしバッシングシャッドは思ったよりシャッドラップラパラに似てて、多少動きが大きいけど”変えると来る”を期待できるほど違うのか微妙。あと、スーパーセダー1100は中古で買ったら同じ形でラトル入ってるのもあった。っていうのはまあご愛敬として、作りが荒いとは聞いてたけど、バランスが破綻しやすく早引きするとひっくり返ったりする。のはまだ可愛い方で一個は普通にブリブリとは泳いでくれず、ゆっくりとシンペンみたいに揺れるという謎の動き。そのへんは吉と出るか凶と出るか?そういうテキトーな品質がアメリカンな感じで悪くないような気もする。日本人には作れないタイプのルア-だと思う。バグリーでも多少の品質のばらつきはあるけどPOE'Sはちょっと強烈だった。同じように均一性が出しにくい自然素材を使ってても往年はタンクテストまでしててハズレ個体が滅多にないラパラはその点エラい。
 蔵に転がってたファットラップは流石の安定した動きでイケそう。発泡素材製のバスジャッカーはちょっとリップが折れそうな怖さがあって意外に中古も良い値段なので却下。
 あと、レーベルのスプーンビルが使えそうな感じなのをみると、ダイビングバングオーとかロングAディープとかも欲しくなってくるので良いのがないか物色中。
 というのがN川用ルア-の買いあさり状況。こちらはこのへんで終息してくれそう。

 ややこしいのがA川用で、国産のは没個性的で好かんし、かといってシンペンもリップレスミノーもアメルアにはあまり見られないカテゴリーで、ダーターはいけるんじゃなかろうか?と思って突っ込んでみたときには、意外にダーター潜ってくので水面直下系じゃないと判明。バグリーの「リトルジョン」とラッキークラフトの「マラス」が及第点かなってぐらいでパッとしなかった。
 ところが、別件で拾ったりしたボロいルア-の再塗装をしていて閃いたことがある。再塗装していたのはヘドン「ラッキー13」、エフテック「エスフォー」でどちらもポッパーみたいな顔してるけどちょっと潜って泳ぐ。エスフォーはもともとシーバス用の国産ルア-で泳ぐんだけど、ラッキー13もあっちの教科書じゃポッパーじゃなくてシャローランナーに分類されることもある意外な泳ぎ上手。
 今回さがしているのは、あんまり泳ぎが上手じゃないユルヨタ系の泳ぎ下手なルア-で、一時泳ぎ下手で定評のあったダイワのロビンなんていうミノーの購入を真面目に考えたぐらいだけど、高値と弾数の少なさに諦めたってぐらいで、ラッキー13もエスフォーも悪くないけどちょっと泳ぎ上手すぎる。

 でも重要なヒントはもらった。下アゴがあるポッパーなら適度に泳ぐヤツが居るはずで、良い塩梅に泳ぎの下手なポッパーは存在するんじゃなかろうか?
 って考えて、思いつくまま買いあさろうとするんだけど、これが難航する。
 引っ張るとユラユラと下手クソに泳ぐポッパーとしてヘドンの「チャガースプーク」が頭に浮かんだんだけどお高い。プラドコ版でも良いンだけどなぜか高い。中古に千五百円も出せるかよ。で下アゴあるポッパーということで、ワシのような古いルア-好きなら、ボーマーの「ボーマーポパー」やらホッパーストッパーの「スローバー」やらが思いつくんだけど、これまたお高いうえに弾数少ない。ダメだコリャ。

 ということで、ルア-図鑑をアレコレ見たり「ポッパー」を検索して安いのチェックしてみたりして、下アゴつきのポッパーを買いあさったのが写真のありさま。
 ラッキー13シリーズは蔵にあったものだけど、「ベビーラッキー13」は泳ぎ上手すぎ系、「タイニーラッキー13」はダーターの時にリトルジョンと共に動き的には及第点を与えている。ただちょっと軽すぎて投げにくい。マリアの「ポップクイーン」って泳がんかったっけ?と若き日の夏の海の光景を想い出して投げてみたけど、早く引けば泡引き系で泳ぐけどゆっくりではイマイチ泳がん。ならばハトリーズはどうよ?と「パッフィートップ」はラトルの入ってないミスティーみたいで泳ぎ上手で面白いけど今回の趣旨とは外れている。「ケントロス」は写真では分からんかったけど、下アゴが単純にしゃくれてるんじゃなくて尖ってて引っ張っても潜らない水面専門系。「リトルダイナマイト」は微妙に下あごの角度が開いていて潜りが浅く竿先を下げてやる必要があるけど水面直下で良い感じに泳ぐのでイケる感触でまずは合格。やや弾数少ないのが難か。「バブルダンサー」は金額的に無理。
 バルサ50シリーズは「アンクルスミス」は動画でチェックできたけど泳ぎ上手すぎ。ならばと「ポップスインガーセラフ」を試してみるもほぼ泳がず。
 でもって、結局合格点はさっきのリトルダイナマイトと、”みんな大好きバーグリー”から「ポップンB-3」(写真左下2番目3番目)。これは思い描いていた”ちょっと潜ってユルヨタッと泳いでくれるポッパー”に完全に一致。短い方の「ポップンB-2」もそこそこいける。中古の値段も千円しないぐらいで許容範囲で弾数も多くはないけど珍しくはない。
 ついでに、パックマン目のPOE'Sの、全体的にパックマンみたいなポッパー「ブルービー」も入手。コイツもいけそうには思うけどマイナー過ぎて弾数少ないのがイマイチ。ただ、杉材を鋸で直線的に切っただけのパックマン顔は、小学生の工作感があってとても可愛い。国産の良くできた製品とかと比べるべくもないチャッチいデキだけど、ルア-として劣ってるとは思えない。日本人の感性じゃこの味はだせん気がする。
 泳ぐポッパーはもうちょっと探せば何か良いのが出てくるかもなので、引き続き探ってみたい。
 半分は投げてみて「へーっ、こいつこんなルア-やったんか~」って楽しむのが目的なので、実釣用の戦力として現時点で採用できなくてもまあ良いかなと思っちょります。

 というわけで、”ルア-図鑑うすしお味”第52弾は高い足場の足下まで引けるディープダイバーと下手クソながら泳げるポッパーということで、バグリーとかPOE'Sとかハトリーズとか、そのへんのルア-でいってみましたとさ。

2022年6月11日土曜日

寿司業界激震!ビンボ飯酢飯疑獄!!

 無職無収入だけど、美味しいもん鱈腹食べてます。食についてはそれ程こだわりのない人間だけど、我ながら良いもん食ってるなと思うときがございます。お天道様はじめ関係各位に深く感謝するところではある。

 ではあるんだけど、ここいらの魚が旨いってのは、海の手柄でワシ釣ってきてすぐに食えるところに住んでるっていうだけで、特に工夫もせず食ってるようにも思う。けど、それでもどうせ食うなら美味しく食べたいぐらいは思うし、ぶっちゃけ同じ料理ばかりだと飽きも来る。とはいえ今日もまたアジか・・・とか今日もまたカマスの干物か・・・とかウンザリしかかっても、いざ食い始めるとアジもカマスも旨いわけで、比喩表現一切無し直接表現として丼飯余裕なのである。

 という現実はあるにしても、料理のレパートリーは増やしておくにこしたことはないし、飯が旨い、ぐっすり眠れる、出すモノもドカドカ出て切れも良い、っていうのは健康の根幹をなすところだと思う。多少、料理に手間暇かけて美味しく食べてもバチは当たるまいて。というのに加えて、酢締めの後の漬け汁の”酢液”がもったいないので有効活用したいというのは、従前からの課題となっており、そのへんもあって豆アジ酢締めからの派生料理をあれこれと工夫してみたのでご報告してみたい。

 豆アジの時期の食事は、以前は衣薄めの天ぷらを大量に作って、1食は付け合わせキャベツでソースで下品に鯵フライ風に食う、残った天ぷらは、タマネギなど野菜とともに酢とめんつゆベースにした漬け汁につけ込んで南蛮漬けというのが必勝パターンだったんだけど、揚げ物食いまくってたら太ってしまい健康診断でコレステロール値ひっかかって、”揚げ物禁止令”が公布されてしまい、以後、1食”せごし”とかで生食、残りは酢で締める。という新必勝パターンに移行してきている。

 でもって、この時期は毎日毎日ってかんじで豆アジの酢締め食ってるわけだけど、付け合わせの味噌汁の方で中身を変えたりしてると、意外に飽きずに美味しくいただける。大根好きなので大根とおあげさんの味噌汁を基本にしつつ、季節の野菜などをぶち込んで具だくさん系にしたりすると、味噌汁が結構オカズとしてヤる感じになってくる。そろそろ夏野菜が各種出てきているので、直売所で安く売ってるキヌサヤやら茄子なんかはいい仕事してくれるし、トマトが意外に味噌汁に入れてもイケる。ズッキーニはちょっとパンチが足りんか?というかんじだったけど、春から出てるジャガイモとかタマネギとかも地物のは安くて旨くて根菜は腹にたまるし言うことなし。ていう感じで冒頭写真の様なご馳走をいただいております。

 とはいえ、さっきも書いたようにレパートリー増やしておくのは良いことだし、余った酢液の利用方法も考えたい。魚を漬けた後の酢液の利用については、以前もちょっと書いたけど、ネットでちょろっと調べたら「魚の出汁が出てるので油とか柑橘果汁加えてドレッシングにしてしまうといい」というのと「薄くなった分を酢を足して継げば何度でも酢締めに使える」というのが出てきた。流石に何度でもっていうのは怪しそうだけど、少なくとも1回使った後の酢液は見た感じまだ大丈夫な感じがする。

 ということで、まずは「酢液の使い回し」を試してみた。漬かってた豆アジ食べきって残った酢液をちょっと次の仕入れまで日が開いたので一旦冷凍保存しておいて、仕入れ前日に冷蔵庫に移して解凍してつかったところ、ちょっと薄くなってるので酢を追加したけど問題なく美味い酢締めができあがって、使い回しある程度できそうではあった。しかしながら、酢液に対してケチ臭くみっちり豆アジを漬け込んでることもあって、2回目時点でかなり酢液が魚から出たエキス分で薄まってしまって、3回目はちょっと難しそうな気配がしてて、酢が薄くて悪くなって食中毒とか馬鹿臭いので、我が家では2回までとする。これだけでもだいぶ酢の消費量が抑えられる。

 まあ、酢なんてたいした値段のするモノではないので食費的にはジャブジャブ使ってもたいしたことにはならないんだけど、なんかまだ使えそうな酢液をそれなりの量捨てて流してしまうのは気持ち的に”もったいない”感が抜けないのである。お天道様とお百姓さんはじめ関係各位が育ててくれた穀物を原料に、これまた加工関係者各位のご努力、流通・販売業者の働きがあって我が家にやってきた大事な食糧、おろそかにして良い理由なんてないはずである。

 ということで、魚を2度漬けた後の酢液の利用方法を考えよう。ということでとりあえずドレッシングをということだけど、サラダつくって綺麗なお皿に盛り付けてってあんまやんないのよねワシ。せいぜい単品のキャベツ千切り、ダイコン千切り、タメネギ薄切り水サラシ、にドレッシングかけて食うのが関の山で、あんまり凝ったドレッシング作るの面倒臭い。ということで、酢液をそのまま掛けて食うという方向でもある程度いけるんじゃなかろうかという感触もあり、そうなると大根が好適で、サラダと言うより”なます”だけど、全く問題ないわな。

 ということで試してみる。大根の千切りは普通にやっても良いンだけど、刺身のつまを、生前祖母が包丁でクルクルとトイレットペーパー剥き取るように、輪切りにした大根から薄い大根のシートを作っていき、細くて長く食感の良い大根の”刺身のつま”にする、いわゆる”かつらむき”をやってたのを想い出して挑戦してみた。

 ウーム難しい。婆ちゃん、いとも簡単にリンゴの皮でも剥いてるがごとき手早さで、足下に着くかというぐらいの長さまであっさり剥きまくってたけど、そんなに長くつながってくれず、すぐに切れる。まあそれでも包丁修行と割り切って、切れても切れても薄い長方形の大根のシートを作って最後千切り。普通に千切りにしたのと大差ないけど、まあやってればそのうち上達するだろう。

 そして、豆アジ漬けていた2度目汁をオタマでしゃくってダバダバと掛け回して完成。豆アジ120匹漬けるのに、いつも使ってたタッパーでは容量が足りなくなって、最近はヒレの棘で穴が開いても大丈夫なようにボウルに受けつつ、ジッパー付き袋の大サイズで漬けている。タッパーから豆アジを食べる分取り出すのにもオタマ好適。

 でもって味はといいますと。なかなか良い。酢にだいぶ鯵エキスが染み出ているので、酢液というよりアジで取った出し汁に酢をきかせた感じに近いかも。

 大根の他にタマネギ入れたり、ニンジン入れて紅白なますっぽくしたり、いかようにも発展可能だろうし、味付けもゴマ油足してみたり、マヨとか市販のドレッシングとかで”味変”してみたり付け合わせの1品としてなかなか良い感じ。


 とはいえ、そこそこの量がある酢液を”なます系”だけで消費しきれるかというとちょっと心もとない。酢液を消費する方法他にないモノだろうか?と考えてて、ピコーンと閃いた。魚の出汁が効いた酢液なんだから、ご飯にかけたら寿司的な何かが爆誕するのではないだろうか?

 やることは簡単。ご飯に酢液をかける。というそのまんまのひねりのない工程。

 ついでに酢締めの豆アジも乗っけてみた。

 旨いんでやがんの。ただ、もっと酢飯的な味になるかと思ったら、砂糖とか入ってないのでそっちに味は傾かず、むしろ近いのは、イワシの梅煮の煮汁をご飯にかけたような、酸っぱさと魚の出汁のハーモニーという感じで、酢飯っぽく仕上げるより、ジャブジャブと汁掛け飯のようにしてしまって、酢にむせながらかっ込むのが正解のような気がする。薬味何にするかとか細かい工夫はあるかもだけど、この時点で丼飯余裕。つまり丼飯にジャブジャブとかけて酢液を消費できる。

 スシってなにって考えると、大きく分けると2つあって、魚と米を漬け込んで乳酸発酵やら麹による発酵やらを使って保存食として作られる鮒鮨のような熟れ寿司(なれずし)と、保存性というより、酢飯とあわせた新鮮な魚介の味を楽しむ今の江戸前鮨のようないわゆる”寿司”があり、中間的に酢の殺菌性で保存性を高めたバッテラや柿の葉鮨などの押し寿司系や紀伊半島には”めはり寿司”なんてのもある。とかんがえると、今回の”酢液ぶっかけ飯”は、それらとはちょっとちがうけど、酢飯?と合わせた魚介の味を楽しんではいるし、酢の殺菌性で豆アジの保存性を高めているけど、既存の寿司の形にはない”汁掛け飯”的な形態でありつつもだけど、どう考えても”寿司”に分類されそうな新たな変な料理が誕生してしまったのである。

 味は良い。見た目とかは提供のしかたで何とでもできる。味の工夫もいかようにもできるだろう。もちろん豆アジに限らず締め鯖でもなんでも酢締め全般の”酢液”でやれるはず。これはワシ、寿司業界に革命を起こすような料理を思いついてしまったのではないかと、思ったり思わなかったりしている。

 商品化やらお店で出したいという場合、特許取るとかいうようなネタでもないので、ご自由にだけど、できれば”ナマジ式汁掛け寿司”であるとご説明いただけると光栄です。ってこんなもん店で出せんか?是非ご家庭でお試しください。お薦めです。でも、どっかの郷土料理とかですでにありそうな気もせんでもないな。

 ウチの実家の方では昔っからやってます、とか他の酢液の利用方法とかとか、タレコミ情報もお待ちしております。

2022年6月4日土曜日

歳をくうと怪我も病気も治りが遅い

 春だけじゃなかったんじゃ~!まだ続いとるんじゃ~!!

 春の大森祭りが終わって”大森熱”が治まったかというと、そんなことはなくて、つい先日も大森以外も含めていくつかリール買ってしまっている。ああそうさルアーももろもろ買っているさ。

 毎日暇な無職の年寄りなので、朝飯食いつつ1時間近くかけてネットオークションやらを良さげなブツがないかネットリと確認するのが日課となっている。

 基本的にリールはもう釣りをする上で必要で買わなければならないものはない。なので買わんでも良いようなものだけど、買ってしまうのが”スピニング熱”という病気の怖いところ。とはいえ何でもかんでも買ってるかといえばそうではなくて、ボロくてワシが買って整備してやらんと人気もなくてゴミの日に出されてしまうようなのを探してたりはする。加えてインスプールの「マイクロセブンDX」については2台わが家にあるけど、2台とも比較的綺麗な個体で塩水で使うのがためらわれるので、ボロい個体が欲しい。とかの、なくても一切困らないけどちょっとだけ欲しい、ぐらいの機種はまだなんぼかある。

 って思ってたら、茶色のマイクロセブンDX(=コンパック89アトラスⅢ)と同世代とおもわれる、「デラックススーパー777(以下「DS777」と略)」のボロ個体がオークションに出てきた。えらい名前だけど、この前身がフェースギア機の「スーパー777」でその後継機で大森得意のハイポイドフェースギア搭載なので”デラックス”を冠したようだ。大きさ的にはマイクロセブンDXが大森SSサイズで「デラックススーパー730」がNo.1サイズ、今回落札の「DS777」はNo.2サイズっていうのが大まかな感触だと思う。重量は300グラムぐらいとやや大きめで、ちょうどカーディナルC4の大きさの印象。

 インスプールのこの大きさのリールって需要少ないのか、れいによって競りもせず落札価格1500円+送料700円で確保。ボロいとはいえ安すぎる。まあ、ありがたくはある。マイクロセブンDXについては識者の見解として、機械的には素晴らしいけど、実際使うとベール周りにラインが絡みやすかったりして今一つ、との評価も目にする。けど、こういうのって使う状況やら釣り人との相性やらあるハズなので、ぜひ自分で使ってみたかったというのがマイクロセブンDXのボロ個体を狙ってた理由だけど、同世代だけあってこのDS777もローターのカップが平べったくて、ベールアームやらベール反転周りやらがローターの開口部に近いという特徴は一緒で、実釣での検証作業ならシーバスに使えるこの大きさの方がワシ的には好適かもしれん。

 というわけで、だいぶ腐蝕が出てるし固着も怖いのでネジだのツマミだのにCRC”666”をぶっかけて、ビニール袋に突っ込んで数日放置の後、全バラしグリスシーリングのフルメンテ敢行。

 見た目はボロいけど、ベールスプリングも生きてるし、ベアリングも錆びてないようで滑らかに回ってるし、意外に機関は好調。

 とりあえず、スプール周りから始める。これがこの大きさなので当然と言えば当然だろうけど「海で使ってました」っていうのが明白な感じに塩にやられている。ナイロンラインを抜いていくと腐蝕して白く粉吹いているし、ドラグノブがこの機種は金属製なんだけど、ごらんのようにメッキがハゲハゲでボロボロになっている。ベールアームの反対側のベールワイヤー固定のネジとスプール裏の”音だし”固定のネジが固着しているし、ベールスプリングも赤さびまみれになっている。固着は無理に外そうとするとねじ切りそうなので放置の方針で行く。清掃グリスアップは何とかなりそうな箇所だし無理はしない。

 ただ、それらのある意味”外回り”な部分以外はなんら問題ないようで、サクサク分解していくと、フェルトパッド3階建て方式のドラグ、左サイドカバー内に収まった大森製ハイポイドフェースギア、ハンドル軸のギア裏の逆転防止機構と、ある種お馴染みの機構達が、欠けたり摩耗したりという感じもなく然るべき場所に収まっていて安心する。ローター軸のギアが太くて頼もしい感じだけど、それもそのはず、後でハンドル回して数えたら1:3.5ぐらいの低速ギアで、コリャ力強く巻けそう。丸ミッチェル使ってみて、スプール径大きめの低速ギア機はシーバス釣るには悪くない気がしてるので良いかもしれん。

 という感じでサクサクバラしてパーツクリーナーかけてブラシで汚れ落として、グリス大盛りにして組み上げるんだけど、いくつか調整した箇所があって、一つ目はラインローラーで、最初固着してたので固定式かと思ったけど、ちゃんと回転式ででもマイクロセブンDXのような真鍮のスリーブも後年のような樹脂製スリーブも入ってなくて直受けだなと思ってたんだけど、腐蝕で膨らんだ部分が引っかかって回転妨げてる感じなので、両側をヤスリで削って調整したところ、スリーブにはなってないけど芯の方に真鍮らしき金属が鋳込んであるようで(固着してるのかも?)2層になってて、ベール側のステンレスとラインローラーの真鍮で回転時摩擦部が構成されていて、この組み合わせは回転部分に良くあるパターンで丸ABUの”ブロンズベアリング”がまさにそうだと思うけど、さすが大森製作所、丁寧な作りだなと感心した。ちなみに上の層はアルミ?みたいな柔らかそうな金属で削れないのかちょっと心配だけど、ナイロンだと大丈夫だったようだ。回ってれば削れることは少ないのかも。腐蝕削ってやったらクルクルと良く回るようになったので一安心。

 次に、ドラグパッドがどうもペッタンコになってしまってるようで、3階建てのフェルト湿式にしては調整幅が狭い感じがしたし、ドラグノブが押さえるワッシャーがだいぶ沈んでもいる。硬質フェルトの2ミリ厚のを買ってあって、そんな分厚いの使いどころがないなと思ってたけど、ここに来て出番が発生。グリスで濡れた純正のドラグパッドで型取りしてハサミとポンチでチョキチョキスポンとでっち上げて、ドラググリス塗って1枚純正と交換でちょうど良い高さになって、調整幅も充分で良い塩梅のドラグになった。

 ドラグノブのボロボロ具合は流石にそのままグリス塗って使うには状態悪すぎのザラザラ具合なので、表面のメッキをサンドペーパーだので剥がして黒く塗るかと思って、サンドペーパーかけ始めたんだけど、なかなかメッキまで剥がせない。なら電動ドリル使ってサンダーフラッパーとかルータードリルとかで削るかと試すも、これが平面じゃないし、ってのもあって綺麗に剥がせない。こりゃメッキ剥がして表面滑らかになるまで削るのは無理だなと諦めて、適当にメッキがめくれてる部分とか落とせた段階で、腐蝕で削れた穴ぼこをエポキシで埋めて平らにして黒く塗るかと、エポキシ接着剤で表面塗装してみたら、なんとなく黒く塗らなくてもこれでいいやという感じになった。表面滑らかになって耐腐食性もそれなりに確保できただろうし、ドラグノブだけピカピカの黒塗りより、ある程度古びた雰囲気を残した方が味が出るかなという判断。古い車をレストアするときにわざとボロい風合いを残す手法があるようだけどそんな感じでいってみた。ついでに”音出し”の1枚板を曲げたのがややへたってキッチリとスプール座面のギザギザに当たりにくくなってたので、スプールエッジ内側と”音だし”の間に適当な太さのナイロンラインを詰めて固定をしっかりさせて調整して、チチチチッっと可愛い音が出るようにしておいた。

 機能的には全く問題なしに復活。見た目はまああれだけど、このくらいのボロさは歴戦の強者っぽくて良いんじゃないかと個人的には思う。古い時代の道具だもん。それ相応の歴史を感じさせる見た目ってのは悪くないんじゃないの。少なくとも”腐蝕が怖くて塩水で使えない”っていうような美品じゃないので、実戦投入をためらわなくて良い。どんな塩梅かぜひ試してみたい。
 ちなみに下の写真の左がマイクロセブンDXで右が今回のSD777。
 こうやって並べると、間も埋めたくなってきてスーパーデラックス730もちょっと欲しくなってくるのが”スピニング熱”の怖いところ。
 アタイ病気が憎いッ!

 とまあ、2200円でこの実戦投入可能な個体が手に入ったのは大成功と言って良いと思うんだけど、その裏で大失敗もやらかしているので、皆様の他山の石となるべく恥を忍んで書き記しておこう。恥ずかしいけどみて欲しいッ!

 シェイクスピアの「2052EC」買っちまって、その後「2062」系に飛び火したのは以前ネタにしたところだけど、シェイクスピアはアグリースティックも安く出てたら確保したいし(売るほど持ってるけど)、マイクロセブンDXのシェイクスピア版「2200」もボロ個体でてれば欲しいしで、引き続き検索掛けてどんなの売りに出てるかチェックはしておりました。おりましたら、余計なモノを見つけてしまいました「2052EC」の初期版とおぼしき、スプールの刺さってるブッシュが金属製でハンドルがクルッと回して収納する方式のやつ。「機関好調なれど小傷あります」ってことでお値段控えめの送料込み6500円と相場よりだいぶ安い。反射食い。
 まったく買う必要性はなかったけど、マウスが滑ってしもたから仕方なかったんじゃ。かんにんだぁ、かんにんしてくんろぉ~・・・

 でも、いざブツが届いてみると、小傷も大したことないし、そのままでも使えるぐらいに快調だしで心ウキウキ。
 今後、数十年のために、いっちょ気合い入れて全バラフルメンテグリスシーリングと行きますかと、2回目だし(サイズ違いの2062含めると5回目)サクサクと分解していく。
 と、ここに思わぬ落とし穴が。なんとストッパーの切り換えレバーを止めているネジが固着してたようなんだけど、ネジの軸が細いこともあってか、ちょっと力を入れたらあっさり回ったような感触を残してねじ切れた。
 やってしもた! 
 ”調子良い道具は下手にいじらない”が正解で、いらんことをしてしまったがためにリールを使えなくしてしまったのかもしれない。当然もう一台の2052ECとも部品互換性あるし、なんなら2062系ともここのパーツは共通なので、使い回せば使用不可ということはないんだけど、1台使えない状態にしてしまったというのは、ジャンクで使えなくなってたのを上手に整備したときと正反対の、残念な気持ちになる。ワシが手にしなければそのまま快調に回り続けていたかもしれないのに、余計なことをしてしまった。ナマジ意気消沈。トホホのガックシ。

 何とか実用可能な程度に、でいいので復活させられないか、ここから悪戦苦闘が始まる。パーツが手に入らないかセカ○モンで調べてみると、金具の方は売りに出てるけどネジがなく、かつ円安のおり、送料かけて取り寄せると5千円からかかってしまい、ネジもセットで出物があれば、金で解決するならそれで良しの割り切りもあり得たけど、ネジ探さねばならんのなら、ちょっと二の足踏まざるを得ず踏ん切りがつかなかった。
 最初に試したのは、ドリルで折れて詰まってるネジごと穴をほじって切り直して、それ用の器具でバネをグリグリと捻って細くしておいてからその穴にねじ込んで開放、バネが中でギュッと開いて固定されネジ山の代わりになるという「リコイル」という手法を430ssgの潰れたタップネジの穴の時に使ってたので、そのリコイル方式をまずは試してみる。これが、ネジの刺さっていた台座にあたるアルミか亜鉛の部品が、潮気で腐蝕し始めてて、穴が崩れてうまくネジを止めてくれない。不必要に穴を広げる結果に終わる。
 これはあんまり力をかけると部品が持たないなということで、方向転換で穴を塞ぐ形でエポキシで固めて、エポキシに穴を開けてタップネジで固定。は一瞬上手く行きかけるけど、ネジを締めていくとネジ穴からエポキシが剥げてしまい固定できず。ただ、惜しい感じはあって金属の強度がなくても、樹脂でもエポキシより剥げにくくて堅ければ樹脂で埋める手でもある程度いけそう。
 こういうときは、樹脂に補強を入れる方向でいくかなと考えて、樹脂は瞬着、補強の繊維はティッシュ(=木のセルロース繊維)でいくことにした。ルア-の穴補修とかに使われる方法である。
 これはわりと上手くいって、なんとかネジが締まってレバーをしっかり押さえて固定してくれた。耐久性は不安が残るけどあまり頻繁に切り換えるレバーでもないし同じ機体が2個体居るので使うのには別個体使って、コイツはスペアスプール要因になりそうなのもあって、とりあえず及第点かなと。円安が解消するなりしてパーツが揃うようになったら純正品に交換したいけど、とりあえずはこんなもんで良いでしょう。ってぐらいには収拾つけて、正直いらんことした大失敗だけど、なんとか落としどころを見つけることはできたように思う。

 あとは、ドラグパッドをれいによって、純正皮パッドからテフロンの0.5ミリ×2、1ミリの3枚に換装、台座のファイバーワッシャーもテフロンに換装でドラグもバッチリ。グリスグッチャリで仕上げておいた。

 今回いじった2台とも共通だけど、塩水で使ったときに、内部はグリスもあって大丈夫でも外回りの腐蝕はけっこう気をつけないと、逆転切り換えレバーの本体穴とかでも塩気は入ってきがちなようで、しっかり普段からグリス塗って気をつけてやらねばという気がした。このへんPENN使いは放置でも大丈夫な気がしているので油断しがちで気を引き締めたいところ。  
 
 っていう感じで、1勝1敗な感じになっちょります。”スピニング熱”はもう治んないのかもな、というあきらめが漂い始めてるので、これからもボロいスピニング買って、ネタになりそうならゴチャゴチャ書いてみたいので、皆様またお楽しみに。

2022年5月28日土曜日

それでも世界はうたがわしい

 

 コロナ禍の混乱で、”先進国”っていう、いろいろと理想的、合理的な国が欧米とかにはあるらしいっていうのが幻想に過ぎないっていうのが白日の下にさらされたわけで、我が国でもマスクやらの買い占めや発病者はおろか医療従事者への差別なんてのがあって、なんじゃこの野蛮人どもは?とゲンナリさせられたけど、買い占めはどこの国でもあったようだし、欧米ではここぞとばかりのアジア人蔑視とかが顕在化してて、グローバルスタンダードに人間ってクズだな、と思わされた。まあ、そういう中でも「自分のような年寄りより未来ある若者を優先してくれ」と、人工呼吸器を外させた聖職者がいたとか、キリスト教って押しつけがましくてわりと嫌なところもあるけど、ちょっと人間を見直したくなるような人も居てくれたことは救いである。彼の魂が彼の信ずる神の元に、と願わずにいられない尊さを示してくれた。呼吸器官をやられて息が苦しくなって死ぬって嫌な死に方の上位だとおもうけど、その文字どおりの死ぬほどの苦しみを受け入れる隣人愛、ワシャようせんわい。クズどもの見本となるべくこういう人にこそ長生きして欲しいけど、長生きすると件の隣人愛は成立し得ず見本を示せないという矛盾がもどかしい。

 てな枕話をなんでしてるかっていうと、先週もギブスのルア-を買い支える頑固な米国の釣り人を賞賛したりしてたし、ワシ”日本の釣り人は見る目がねぇ、米国の釣り人は使える道具を分かってる”ってのを何度も書いたりしてきたけど、今回”先進国幻想”と似たようなモノで米国だろうと欧州だろうと、釣り人もピンキリで全体としては我が邦と50歩ヒャッポダなと思わされる事例が出てきて、古くからフライの釣りやってる人ならある程度認識してるかもだけど、正直ここまでとは思ってなくてケン一と2人して驚いたので、皆様が釣具屋に騙されないために、健全な釣り具業界の発展のために、ちょっと書き記して公開しておくべきかなとおもっちょりますので、ご用とお急ぎでない方は読んでやってくださいませ。

 まずは、ケン一とワシの往復書簡というかメールのやりとりを読んでやってくんなまし。ケン一五月の後半に九州にライギョとチヌを狙いに遠征にいってて、チヌはともかくライギョはもう古い話にはなるけど土地勘あるので、釣り場情報提供したりしてたときのやりとりで、遠征なので持って行けるモノが限られるので絞る作業において、ロッドに合わせてラインをどれを持っていくかの選定作業が難航した様がうかがえるんだけど、フライロッドにどのフライラインを合わせるかっていう話は、番手決まってるんだし、フローティングがシンキングかシンキングなら沈降速度のタイプはどのぐらいにするか、ぐらいで難しくないように思うんだけど、これが竿一本新調してたりするのもあって、混沌とした状況にハマってしまい、結局、フライラインの先の太い部分の重さを量って比較するという根本的な作業を経て混沌から抜け出して問題が収束するという”一仕事”だったようなのである。以下そのときのやりとり。

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<ケン一>

準備、めずらしく6日前に残すところコマカイ補充(カラビナ・靴下・目薬)だけになって目途付いた。

あとはとにかく巻くべし、巻くべし!

ちゅうても一日一本か良くて二本巻けたらいいほうやけどな。

今日は仕事で早く帰れて、ついさっきクロダイ用ラインの先端9mの重さはかってみた。

Rio トロピカルフラッツプロ WF-6-F 11.80g/180グレイン

エアフロ リッジクリアティップ WF-6-F 15.0g/238グレイン

SA テクスチャードグランドスラム WF-7-F 13.15g/210グレイン

AFTMA規格では 6番が160グレイン(10.4g)基準でプラスマイナス8グレイン(0.5g)

        7番 185グレイン(12.0g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)

        8番 210グレイン(13.6g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)

        9番 240グレイン(15.5g)基準、プラマイ10グレイン(0.7g)

量った結果をAFTMA規格にあてはめていくと、

Rioフラッツプロ6番180グレインはやや軽めの7番。

エアフロ クリアティップ6番238グレインは触った感じからしてもうめちゃくちゃ太いんやけど、予想通り重さもしっかりあってほぼ9番(!)。

SAグランドスラム7番210グレインは8番そのもの。

今どきのフライライン、AFTMA規格に長いこと慣れ親しんだ人間にはかなり表示番手よりも重くなっていたのだった。

この春先にクロダイ用に買った8ft6番のグラス竿に合わせるライン迷っているとこ。

ほんとは実際使うリーダーとフライ付けて試し振りしとかなアカンのやけど、遠征前最後の休日の昨日そこまでようせんだ。

ニゴイ狙いでRioフラッツプロ使ったけど、ほんのちょっとライン軽すぎる気がした。 

ならば多分相当重いはずのエアフロクリアティップ6番と、グランドスラム7番も持って行きゃどれかはハマるはず、と思って替えスプールに巻き替えたりしたんやけど、SAグランドスラム7番(という名の8番)でやるべし、と気持ちの整理ついたとこ。

でわまた。


<ナマジ>

DTぶった切ってシューティングヘッドつくるときに、比較対象がそもそもメーカーによって重さ違うなとは感じてたけど、おもいっきり違うもんやな。

多分遠投性でいったら、竿の番手より軽めの重さのラインを使う方がイイはずやから竿のメーカーが安易に同番手で堅いパワーのある竿にしてってだんだんズレたとかそんなんかな?規格があるのに無視するなって思う。詐欺師ばっかの釣り具業界は相変わらずってことか。何でも自分で測ってみんとあかんな。

明らかに堅い6番竿とかで困惑してたの横目で見てたけど、そういうのがないように規格があって消費者を守ってるはずなのにな。

これ、案外知られてない事実かもだからブログネタに使わしてもらっていいか?買ったら思ってたのと違ったってみんな困るはずで、知っててそういうつもりで選べばだいぶマシになるような気がするので書いておきたい。ひょっとして今時のフライマンはみんな知ってる?それなら良いンやけど。 


<ケン一>

エアフロのリッジクリアティップ6番が軽めの9番って、さすがに酷いと思ったけど、実は同じリッジクリアのWF-8-Fも持っていて、もしかしたらスプールテレンコしててオレの間違いじゃないないか?と心配になったのでたった今WF8Fも重さ量ったったがな。

リッジクリアティップWF-8-Fの先端9m、ジャジャーン、堂々の17g、263グレインでAFTMAでは軽めの10番相当。

ラインストック・スプール管理ちゃんとしてました!

SAなんかは、ブーストとかマグナムとか名前付いたシリーズには「半番手重めの設定」などと書かれているけど、ホンマに半番手だけか?と思わされる。 でもまぁエアフロ・Rioは半番手重め(ちゅうか2番手重めやっちゅうの)とかの註釈も一切なしやでSAの方がまだ良心的か。

「ライン昔より重なった」ぐらいのことは長いことやってるフライマンなら知っているはずやけど、実際どんだけ重いんか秤で量って、ッてまでする人は案外少ないかも。

ちなみにライン9m先端量るのはぐるぐるコイルにしてデジタル秤に乗せるだけ、という素人計測なので誤差はあるよ。

竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。

竿買うなら本当はライン通して試し振りさせてもらうんが一番やけど、そんなんショップのイベントにでも行かんかぎり無い。 

せめて店頭で触ってから決めるべきなんやろけど、大都会●●ではそうもイカン、というのが実情。 

ヤフオクとかネットで買う時は、なるべく所有しているのと同シリーズにするとか、友達のを振らせてもらったことあるヤツとかにしているつもりやけど、それでもTFO6番は7番気持ちよく使っていたのになんでかバキバキ8番相当、思ってた番手のパワーからは大外れの竿やったりした。 

まぁとにかく竿メーカーもラインメーカーも適当過ぎ。片手投げの竿でこれではダブハンの世界はもっと魑魅魍魎なんやと想像する。

というわけで田舎もんは買い物一つちょっとギャンブルになるのはしょうがない、と諦めている。

というのもひっくるめてブログネタどうぞ。


<ナマジ> 

 重くなってるって知ってても、さすがにここまでとは認識してないやろな。ネタいただきます。

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 という感じ。わやくちゃでございますがな。

 ラインが各メーカーで全然重さ違ってて、AFTMA規格ガン無視なのもたいがいにしとけだけど、同じロッドのシリーズで7番より6番がパワーあるっていうのはどうなのよそれ?何万円もする竿買うのに、番手はあてにならん、あわせるラインは規格無視でグッチャグチャの重さ、こんなん30年がとこフライやってる人間でも何買って良いのかホント分からん。近くに竿触らせてくれるお店があればともかく、田舎の人間にはケン一書いてるとおり買い物一つが博打ひと勝負になってしまっている。

 ”AFTMA規格”ってなんぞ?ってフライやらん人は思うかもだけど、シェリダン・アンダーソン、田渕義男共著の「フライフィッシング教書」では「”AFTMA”(アメリカ釣り具製造業協会)と呼ばれる連中により、フライラインの規格統一システムが作られている。このおかげで、フライラインの選択は、以前よりずっと楽になった。」と紹介されていて、まさに業界団体が、メーカーごとに規格が違ってては購入する顧客が困るので、統一的な規格を設けて顧客の利便性を図った規格だったはずである。なんかネット検索かけてると、すでに廃止されてるような記事もチラホラあったけど、だからといって慣習的に”#”で表される番手を釣り人としてはAFTMA規格にのっとったものと理解して購入、使用しているはずで、現在のこのグッチャグチャ状態は、明らかに消費者が正しい品を選ぶことの妨げになっている。古い規格遵守で作られた#8(新品では絶滅危惧種かもだけど、少なくとも中古や蔵の在庫には存在する)とメーカーが勝手に1番とか2番相当も重くしたラインが存在するのである。どれ買えばええねん?って話である。

 ケン一が魑魅魍魎と称したダブルハンドロッド用の、いろんな細分化された新しい投げ方用の規格として古い時代のAFTMA規格では用をなさないのかもしれない。ダブハンのややこしい投げ方用のラインは番手表示無しで重さ表示(なぜかグレインなんていう大麦測るときの重さの単位でピンとこねえけど米国はヤード、ポンドなのでその並びらしい)になっていたりする。それはそれで分かりにくくとも正直で紛らわしさがない利点はある。

 「#8」とあればAFTMA基準の8番だと長くフライマンは理解して使ってきている。にもかかわらず、#6表示で9番相当のラインやら、#6表示で同メーカーの#7表示よりパワーのある竿やらが実在する。メールのやりとりで、「竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。」っていうのは#6表示の竿を買って実際には#8相当だったという釣り人としては当然口に出るぼやきだろう。

 竿が耐久性削って薄っぺらくして、竿自体の太さ重さから旧来なら#6相当って番号振って「#6とは思えないパワーによる遠投性」とかやり始めると、各社負けじと後に続くと6番の竿が#7でも#8でも投げられるパワーを持つことになる。となるとラインも軽いと逆に風に弱いとか竿が曲げにくくコントロールがききにくいとかが出てきて、ラインメーカーもじゃあ重くしておくか、ってな具合で重くしていく。その時にSA(サイエンティフィックアングラーズ)のようにちょい重めに作ってますって書いてあればケン一も書いてたようにまだマシで、ふつうなにも書かない。こんないい加減なことAFTMAとしても指導入れるなりしろよ、と思うけど、規格自体やめたような気配なので、どうにもできずがこの有様か?

 昨年から20年使ったダイコーの8番のフライロッドを引退させて、ロッキーマウンテンアウトフィッターズの8番を導入。使ってみて、新しい竿良く飛ぶので、さすがに20年使ったダイコー竿は腰抜けてたんだなと感じてたけど、実はそうじゃなくてダイコー竿は昔のAFTMA規格遵守の竿で、今時の8番であるロッキーマウンテンの方は8番と言いつつ、昔の9番とか、実質そのぐらいの番手が上の竿だっていうだけなのかもしれない。番手上げてライン重くすれば当然遠投性は上がる。でも竿とラインが重くなって取り回しはその分しんどくなるのを、カーボン薄っすくしたり高弾性にしたりなんだりで、持ったときの軽さは耐久性とかを犠牲にして確保してある。で、軽くてパワーがあって折れやすい今時の竿がいっちょ上がりって感じだろうか?

 いずれにせよ、今のフライロッドとフライラインの番手の混乱具合は、AFTMA規格ができる以前にまで退化している実態にあるようだ。せめてシングルハンド用の場合ぐらいはAFTMA規格に準拠して表示して、それよりパワーなり重さがあるならそう説明しろよ?って話だけど、ごたごたの混沌のなかでわけの分からん品物売りさばくなら、単に堅くした竿を「同じ番手でも良く飛びまっせ~」ってやって馬鹿を釣った方が早いだろうからな。

 そうなってくると、結局何買ったら良いのかって、いつもの同じのを買い続けることができるならその間は良いんだけど、廃盤だの新しい竿買っただので、新たなラインを買わなきゃならんときは、竿とライン振らせてくれるような親切なお店が近くにあれば良いけど、田舎じゃそんなの望むべくもなく、そうじゃない場合は、結局、ややこしいダブルハンド用ラインがそうであるようにグレインでもグラムでも良いのでその竿に適合する重さを把握しておいて、重さで目処をつけておいて微調整するしかないって状況のようである。重さ表示無いようなら自分で測るってのが結局必要になってくる。最終的には何でもそうかもしれないけど、今回ケン一がそうしたように”実測”重要。メーカー表示のカタログスペックなんぞいくらでも嘘が入り込む余地があるけど自分で測っちまえば誤差ぐらいあったとしても自分の責任下において正しい情報が得られる。

 軽ければポリリーダーのような重さを足せるリーダーを繋ぐなどして、重ければぶった切ってチューブ状のブレイドラインで繋ぎ直すとか、ランニングラインに繋いでシューティングヘッド化するとか、多少の調整はできる。ポリリーダーを最初ブレイデッドリーダーと勘違いして買ってしまったときに、なんでこんなフライラインの切れっ端みたいなものが売られてるのか?疑問に思ったけど、特にダブルハンドの世界では規格もクソもあったもんじゃないので微調整ありきで必要性があるんだといまさらながら納得した。

 ただ、そういう一手間面倒くせえ作業をできる”お好きな人”たちはそれで良いとしても「アニメの”スローループ”見てやってみたくなりました」とかいう、素人がこの混沌の状況下で、正しいロッドとラインの組み合わせをはたして手に入れられるのか?はなはだ疑問である。基準が無視されているにもかかわらず、普通6番の竿には6番のラインをというのが常識ではあるから、間違った組み合わせになる可能性がごく普通に生じている。

 フライフィッシング業界、ちゃんと新規参入者を確保したいのなら、基準がワヤになってて玄人衆が四苦八苦してるような状況を整理し直すところからやらんと、マニアックな層から高っかいお布施をまきあげるようにしてご無体に高額な製品売るだけでは商売ジリ貧でっせ。

 っていうのを、道具を見る目があるとワシは思ってる米国の、頑固だと思うフライマンが使う道具でこの体たらく。釣り具業界はグローバルスタンダードに詐欺師ばっかなんか?

 くっだらねぇ商売してると、そのツケは高くつくよ。

 玄人衆のフライマンの皆様、ラインがイマイチしっくりこないって時は、ヘッドに相当する部分の重さ測って、竿ごとにちょうど良い重さがどのへんか把握しておくと良さそうに思います。メーカーやブランドごとにここまでバラバラだとまでは多分皆様明確には把握してなかったのではないでしょうか?

 知ってた、そりゃまた失礼いたしました。ワシはけっこう驚きました。このネタが皆様の楽しい釣りの一助とならんことを願っております。

2022年5月21日土曜日

米国東海岸マサチューセッツ臭のするルア-達

 春の大森祭り開催中、大森スピニング以外には目もくれなかったのかといえば、そんなわきゃないよねって話は自明で、ルア-もセッセと買っていた。今回久しぶりの”ルア-図鑑うすしお味”第51弾はおもにアメリカでストライパー狙いで使われてきた、ギブス(スタンギブス)社のルア-中心に塩味やや濃いめで行ってみます。

 ことの始めは、このサラダ油が6缶入ってたようなお歳暮的な見た目の箱に入って送られてきた、プラノの平べったい大きめのボックスにゴッチャリと古くさく、潮気でリグとか錆びている、アメリカンな海臭いルア-の詰め合わせセットを某ネットオークションで発見してしまったことから始まる。こんなもん日本で欲しがるのワシだけやろ!と自信を持って開始価格の2500円で入札。そして当然落札。

 これが2500円でいいの?っていうぐらいの充実した面白詰め合わせで、正直「アメリカで売っとけ!」って米本国なら需要あるはずなので言いたくなるけど、たぶん日本でも人気のルア-だのも合わせて仕入れてきた業者さんが、売れそうにないのが詰まった箱が出てきて頭抱えて、このぐらいになってくれたら儲けものとテキトーに値段付けて、好きモンが見付けて売れて一安心っていう感じだろうなと想像している。

 中身の主なものは、以前にも何度か取り上げているギブス社のルア-で、ギブスのルア-は米本国では骨董的な人気があるとかじゃなくて、単純にいまでも作られてて現役のルア-なので○ーベイでみてても、古いモデルが売られてるのは当然として、形は同じでも色塗りが今時っぽくなった、それでも頑固に木製を守っている袋入り新品も売られていたりする。東海岸のストライパー野郎って、米国の釣り人の中でも特に頑固なイメージがあって、ルア-はウッドのシンプルな彩色の丈夫な作りのものがいい、リールはサーフで砂混じりの波かぶってもすぐ整備できるように単純丈夫な方がイイ、灯りがボンヤリともりゃいい~、ってな感じで、彼らに人気のリールにPENNとミッチェルのデッカいインスプールがあるぐらいで、PENNのスピンフィッシャー706z、704zなんぞは彼らの熱い想いに応えて2010年代とかのほんのちょい前にも復刻生産されているぐらいで、流行を追うちゃらちゃらした客を騙くらかすのも商売だけど、こういう”堅い”需要を生み出す頑固な客を掴まえるのも商売としてありだろう。大店にはなれんだろうけど、ギブス社は屍累々のルアー業界で今でもちゃんと生き残って商売している。エラい!立派!!

 でもって中身の紹介はまずは日本でもお馴染みの、って古い時代のナイロンライン30LBとかで釣ってた時代のGT釣りを経験してるオッサンぐらいしか知らんかもだけど、「ポラリス」と「ペンシルポッパー」。

 なんだけど、これが日本に入ってきていた時代より古いもののようで、なんとも良い味わいが出ている。一番右のポラリスの首の絞り方とか今のとちょっと違うし、青のペンシルポッパーの色塗りとかもヘビみたいな網目模様になっててなんとも渋い。ここまでで丼飯すでに一杯目という感じなんだけど。まだまだ続きます。

 ウッドボディーでワイヤー貫通とかの丈夫なリグで、ミノー的な”泳ぐ”ルア-をとなると、一番上の「キャスティングスイマー」方式でダーターっぽくするか、あるいは金属のリップをガッチリ縦に差し込んで折り曲げる、「パイキー」なんかでよく見るクリークチャブ方式(仮称)になるようで、ギブス社のこの手のルア-は「ダニー」というらしく、ひょっとすると手前の3本フックの大きい方は「イーリー」というのかもしれない。曲げ金属リップ本家クリークチャブの方もストライパールア-はお得意で、当然このタイプの大型ミノーは作ってて、その名も「サーフスター」が現役である。わが家には「巨大パイキー」がいくつか在庫してあるけど、青物狙ってダニーも投げてみたい。丼飯2杯目余裕。

 とりあえず、”お楽しみ箱”のなかのギブス勢は終わりなんだけど、その他もなかなかに味わい深い。

 この二つは、上がクリークチャブの「ストライパーストライキング」のウッド版のようなんだけど、塗りが剥げて塗り直してある気配があるのでちょっと自信がない。めん玉がグラスアイじゃなくて金属なのもちょっとカッコイイ。下はブーンの「ニードルフィッシュ」で正解なんだろうけど、カラーと目の処理がギブスっぽいのでちょっと迷う。ギブスにも「ニードルフィッシュ」が実はある。ただギブスのニードルフィッシュはワイヤー貫通方式で、先端が絞られる部分の段差が大きいのでヒートン使ってるこいつはブーン製とみた。

 レッドヘッドの方のヘッドはレッド(鉛)、ヘッド以外がウッド、わけ分からなくてグッド、チェケラ!っていう感じの代物でタラシャクリ棒的なルア-なんだろうか?と思うけど、ヘッドの部分が重いので頭から沈んでシャクると頭が浮き上がる動き、なのか?ライン絡みそう。船から縦に使うんじゃなくてコイツもやっぱり投げて引っ張って使うのか?

 上の緑のは、海用じゃなくてマスキー用のテールブレイド系のペンシルだな。サイズ7インチ(約17.5センチ)級で迫力のある代物。色が緑一色という麻雀の役じゃねえんだからって感じに塗りつぶしてあり、暇があったら黄色系に塗り直してしまおう。使うアテないけどな。まあこれも青物に投げたらいいか。

 そして、見たことあるようなタイプから、不気味人形的な代物までジグ系。

 上から「SALAS」「HACKER」までは書いてあるのでそうなんだろうなって感じだけど、その次の矛先みたいなのは全くの「不明」、最後の不気味に口を開けて髪の毛みたいなのを長く引きずる不気味フェザージグはなんなんだこれはいったい。

 うーん、どうしたものか?この手のジグのコレクターの人とかいますかね?スプーンならJOSさんがおそらく日本でも有数のコレクターなのでなにも考えずに華麗にスルーパスでいいんだけど、誰か欲しい人いません?

 でもって、最後はトローリングルア-で、ヘッドだけの方は、樹脂の中に砂浜で拾ってきたような真珠質の貝殻の磨かれた欠片を封入してあって、なかなかにキラめいてて趣がある。でもまあトローリングはせんよな。短めにスカート付けて投げてみるってのはありっちゃありか?

 なんにしても、青物に投げられそうなプラグだけでも10個からあって2500円(送料別)は超お買い得。その他のルア-も普段見ないルア-達で味わい深くて、なんだかんだで丼飯3杯は余裕でございましたとさ。

 

 って、終わるかっていうと、勢いついた暴走機関車状態でギブス社のルア-をなんぼか買い増し。
 一番上の良いストライパーな角度で頭が斜めに切ってあって小っちゃく下顎も付いてるのは見たことなかったのがメ○カリで出てたのを、散々迷ったけど確保。箱書きから「キャストA」もしくは「キャスタルア-」って名前かなと思ってたけど、海外ネットオークションで見てるとギブスの箱入りのこの時代のはみんなこの箱に入っていて、名前はそれぞれ別にあったようで、ちょっと名称不明、出品者によっては単純に「ギブスポッパー」としているけど、果たしてそれが名前なのか?どなたかご存じの方おられたらタレコミよろしくです(「ストライパーソンライン」でも上手く特定できんかった)。2番目の袋入りはリップちょっと写真じゃ見にくいけど「ダニー」であんまり大きくないサイズ。上から3つめがギブスの「ニードルフィッシュ」で、ブーンのと全然形ちがうやんケ、と思うかもだけど、この写真のルア-達だいたい5インチ(12.5センチ)か6インチ(15センチ)級で小さい方のサイズで、ニードルフィッシュもワイヤー貫通式でこの長さだと太短くてブーン版とはだいぶ形違ってしまってるけど、もっと長いバージョンはもっと似てます。
 でもって、最後はこれも結構数が集まってきたキャスティングスイマーとなっちょります。
 逆に5インチサイズとかはスイマーだのダニーだのは泳ぎユルヨタのおとなしめだろうからシーバス狙いに使えるかも。

 っていう感じで、ギブスのルア-結構買ってしまっております。ただワシがGT戦線に参戦した頃には、既にラインがナイロンからPEになって、GTルア-が巨大化し始めた時期にあたっていて、実はポラリスとかも数持ってるわりには魚釣ってなかったりする。
 釣ってはいないんだけど、米国でこんなに長きにわたって東海岸の頑固なストライパー野郎どもに支持され続けているからには、”釣れるルア-”なんだろう、っていうのは想像にたやすく。近所漁港は何でも釣れるっていっても、流石に25センチ越えるようなGT用のペンシル出さにゃならんほどにはデカいルア-は今のところ必要ではなさそうだし、ロウニンアジ用タックル振り回してブン投げるのもしんどいお年頃でもあり、日本じゃナイロンラインで投げてた時代のGTルア-であるポラリスなんかはちょうど良い大きさなように思って、浮子角度を縦浮き気味なのをお尻に浮子製作用に買ったウッドビーズをオモリの代わりに填めた斜め浮きバージョンとか用意して、来たるべき青物襲来に備えている。
 箱入りで買ったポッパーが青物狙いにおいて実に良い塩梅にワシの求めるタイプのルア-なんだけど、日本じゃ売ってなかったようで入手難。海外オークションなら手に入るけど、同じような機能のものは作れそうなので、自作しようと丸棒手に入れるところまで準備して放置になっている。そのうち暇見て作ってみよう。

 ルアーの釣りにおいて、何度も書いているように”このルアーなら釣れる”って信じて投げるときに、その一投に魂がこもると感じていて、青物用のルア-も今時各種選び放題に新しいのが売ってるけど、なんかポッと出の国産の高級ルア-さまはイマイチ信用ならず、自分の中で信じるに値するのは狙う魚は違えども米国のストライパー野郎が信頼をおいてきた、今なお現役のギブスのルア-なんかだったりするのである。

2022年5月14日土曜日

やっぱりワシは、このあたりが好きっ!

  マイクロセブンCSはこれで4台目である。マイクロセブンCシリーズ全体ではシェイクスピア版も含めてわが家にゃ都合”11台いる!”。最近写真中央のC1のボロ個体が活躍してくれているけど、ハッキリ言ってデキが良い!なんだかんだいっても釣り具は釣果でその良さが証明されるはず。若いときに使ってたキャリアーも先週書いたように大好きだけど、好みで言えば正直マイクロセブンCが自分好みだと思う。ちょいとだけ目方的に重くなるけど、その分補強入れたりネジが樹脂本体に直接タップネジじゃなくて金属の雌ネジ填め込んであったりで作りが丁寧で丈夫。銘板剥がれて、ベールワイヤーのベールアームと反対側の支持部が錆び付いて、ベアリングもシャーシャー鳴ってたようなボロボロ固体でも、ギアがおかしな事になってるような固体にはお目にかかったことがなく整備してやれば快調に復活する。ハンドルのウッドノブは多少重量増につながってるかもだけど、軸が細いのは指の腹が痛くならなくてワシ的には握りやすい形状でわりと好き。簡易ローターブレーキのおかげもあってか投げるときハンドル回ってベールが返ってしまうとかの問題もなく、使ってて全体通しての不具合としては”フカセ”でユルいラインを巻き取るときにドラグノブのツマミの段差に巻いてしまったぐらいで、それもエポキシ盛って対応済みで、ドラグはテフロンパッド3階建ての優秀なのが付いててCSでラインがチリチリになるまで走るボラで試験したけど、全く問題ない優秀さで(ちなみにスプールはキャリアーと共通規格でドラグも同じ)、巻き心地も大森ハイポイドフェースギア機らしい素直な滑らかさで、とにかく使ってて快適で気持ちいい。

 「大森製作所は大衆に迎合した大手みたいなリールを作るようになって潰れた」という論調は多く目にするけど、ワシそれにはいつも疑義を呈してきた。その証拠としてマイクロセブンCシリーズを出したのにたいして売れなかったし、今でも中古市場では多少ボロいとはいえ値段がつくはずの小型のCSが落札価格千円台と”不人気実力派”に甘んじている。っていうのがあげられると思う。ワシ、このマイクロセブンCシリーズはほぼアウトスプールスピニングの完成形で、良いもの作ってれば売れるのなら、大森製作所は今でもこのシリーズをマイナーチェンジ加え続けながら売っていて然るべきだと思うぐらいで、具体的に今時版に改良するなら、スプールエッジの形状を真っ直ぐにしてスプール上下幅キッチリに糸巻きの幅を合わせる。ベール支持部の耐腐食性を上げる。ベールスプリングの耐久性をコイルスプリング方式にするなどして上げる、ラインローラーを大きさ重さは同程度のまま素材を硬質なものに変更(そのままでも良いかも)し形状をラインが転がりにくい形状に調整。ドラグノブにライン巻かないように段差無くす。ハンドルノブを今時の軽くて摘まみやすいのも選べるようにする。銘板剥がれないように良い接着剤使う。ぐらいで丈夫でそこそこ軽くて巻きが滑らかドラグ優秀整備性良好価格適正の”究極の1台”になってておかしくないはずである。でも、現実には大森製作所はとっくの昔になくなったメーカーだし、市場にはアホみたいな瞬間的逆転防止機構が搭載されてバカみたいな高額な値札が貼られた高級リール様が幅をきかせている。大森製作所の末期の様を嘆くときに鋭い論者だと「何やっても潰れたかもだけど、どうせ潰れるなら最後まで大森らしさを貫き通して欲しかった」という論調になってて、そこはある程度同意できるけど、無邪気に”良いものを作ってれば潰れなかった”とか書かれてしまうと、そうじゃねぇだろ?って、現実も全体像も見えてないお気楽な論者だなって、正直思ってしまう。ゴメンナサイ。

 ワシがしつこくしつこくマイクロセブンCシリーズ(とかPENNスピンフィッシャーやら)をネタに褒めちぎるのは、こういう単純明快なリールが多くの普通の釣り人にとっては良いリールなんですっていうのを世に知らしめて啓蒙し、いつの日か愚にもつかない瞬間逆転防止機構なんていう害悪が載っかってない、適正価格で新品手に入れることができ自分で手入れして長く使える素晴らしいリールが新たに作られる日が来て欲しいからである。何をエラそうにと自分でも思うけど、エラそうに書かないと自分で物事判断できない人種は影響されてくれないようなので、なんかさも権威ある人間の意見であるかのごとくエラそうに書きます。そして、数値化した指標はアホでも理解しやすいので、アホのように数を買っているのである(嘘です後付けの屁理屈です)。

 とはいえ、さすがにマイクロセブンCネタも新たに書くようなことは少なくて、今回新たにベールスプリング自作という”名工への道”的な試みについてと、意外なところで関連が出てきたかもなマイコン301TBネタ、ついでにこの春に買った大森5台の最後の1台余らせても仕方ないのでマイクロセブンNo.2ネタもチョイと突っ込んでおこうと思いますので、お暇なかたはどうぞお楽しみください。

 今回入手した、マイクロセブンCSはボロかった。ベールスプリングは折れていて、須山スプリングさんで作ってもらおうかと思ったけど、これまでベールスプリングとかの力の掛かるところ以外のバネは自作可能とステンレスワイヤーとかで自作してたんだけど、今回そのベールスプリングも作ってみようと思い立った。きっかけは、PENNのパーツ屋さんである「「MYSTIC REEL PARTS」」さんが海外発送やめてしまったちょっと後ぐらいに、ヤフ○クにPENNのベールスプリングを手曲げで自作して出品している人が現れて、隙間見付けて上手に小遣い稼ぎしてるなと感心しつつ、バネ屋さんに発注するより安めの絶妙な値段設定もあって、これで確保できるなら便利なので1票入れる意味で買ってみた。耐久性とかは使わないと分からないけど、填めてベールの返りとか試した段階の感触では、わりと大丈夫そう。そうなると、材料さえ手に入れば手で曲げて作っても少なくとも当座をしのげるような代物は素人でも作れるのでは?ということを考えてしまい試してみることとした。

 ステンレスの硬線があると錆にも強くて良いのかもだけど、太さ見ながら買いたかったので近所のホームセンターで探したら硬鋼線(ピアノ線)しかなかったので、とりあえずコレで行くことにした。太さは0.55ミリのと0.7ミリのを買って、とりあえず細い方が加工しやすいだろうということで、まずは0.55ミリの方で作ってみた。

 道具は、ルア-自作とかフックハンガー作成とかの際のワイヤー加工のために買った針金加工用のペンチがあるので、それと普通のペンチでグリグリと加工する。針金加工用のペンチは片方が円錐形になってるので、そこにピアノ線を巻き付けるようにしながら適宜挟んで型をつけて、欲しい3回巻きのバネを作成。あとは元のバネの長さに合わせて先を曲げて切ってハイ完成、って感じでこの太さのピアノ線なら特に難しくない。細いのでややベールの返りがおとなしい感じになるけど、ちゃんと閉じるのでとりあえずは使えるようだ。そのうちよく使うであろうC1用にも作成して0.7ミリと0.55ミリで比較して耐久性とか見てみたいところ。綱線なので錆には弱いかもだけど強度的にはそれなりにありそうに思う。多少錆びたり耐久性に乏しかったりしても、自分で作れるのならどのぐらいでダメになるか把握して、定期的に交換してしまうという手も使える。錆が問題になるようなら太さの感じも掴めたしステンレス硬線買い直しても数百円である。強度的には意外と何とかなりそうな気配で、自作で良いなら金もそんなにかからんし、いいかもしれん。とりあえず今回のCS、ベアリングがシャーシャー言ってるのは回していると錆が削れてベアリング復活するという話を読んで(ぬこさんマジっすか?)今度試してみようと放置してあるけど、他はグリス大盛りで整備して快調、いつでも出撃できるよう準備万端にしておいた。

 お次は「マイコン301TB」なんだけど、TBシリーズはマイコンシリーズで屈指の完成度だと思うんだけど、全く人気はなく、もう一回書くけど落札価格1000円のゴミスピ価格はどうなのよ?って思う。みんな見る目がなさ過ぎる。何が良いって大森後期の作でスプールエッジが比較的真っ直ぐで、かつ丈夫な金属製、そして今回全バラフルメンテしてて気がついたんだけど、初代マイコンがスプール上下はギアを介して減速なりしているのに対してTBシリーズ単純なハンドル1回転一往復のクランク方式になってて、それゆえ綾巻き系でかつスプール幅狭めの直径大きめでライントラブルが少ない。ラインのヨレをライン出し入れ無しでハンドル逆回転させてとる、という”TB”の名前のもとになってる”ツイストバックシステム”のワケのわからなさが目立つかもしれないけれど、ツイストバックシステムたいした機構ではなくてジャマにはならずで、使ってみるとトラブル少なく投げて巻いての基本性能がしっかりしててなかなかに良くできてるのが分かる。これワシだけの偏見じゃないみたいで大森仲間のSUZUKIさんも1台入手して使ってみて”使えます”と太鼓判押されてたのでやっぱりデキが良いんだと思う。

 今回の個体はわが家に来たときには、まともにハンドル回せないぐらいに重くなってたんだけど、毎度のことながら大森スピニングがギアとか逝ってるわきゃなくて、グリスが固まってるだけだろうってことで、全バラフルメンテグリスシーリングを敢行。案の定、スプール外した時点でローター軸のギアの出口のところに茶色くグリスがこびり付いていて、ギアでグリスが固まってるよりローター軸のギアの中で主軸に古いグリスがこびり付いているのが巻きが重い原因のようだった。ここにはいつもグリスじゃなくてオイルを使ってるぐらいで、軸とギアが筒の中の広い面積で接するので粘性の高いグリスよりオイルが良いと思ってる。

 でもってついでにツイストバックシステムの解説。さっき書いたように機構は単純で、ローターの下部にあるレバーを入れると、ローター上部のスプール内側に突起が飛び出して、ローターの内側壁面にある出っ張りに引っかかるようになる。使い方としてはラインの端をどこかに固定してヨレの入ってる長さの分引っ張り出す。そしてドラグユルユルにして(註:ドラグそのままで良かった)、ツイストバックシステムをONにして、ラインを張りながらハンドルを逆転させると、ローターが逆回転するけどローターとスプールが固定された状態なのでラインは出て行かず、ローターとスプールがその場でグルグル回る。回るっていうことは糸が縒れるハズなんだけど、その方向が通常の糸が縒れる方向であるドラグ出ながらハンドル正回転で回してできる糸縒れと反対に糸が縒れる。なので縒れていた糸が元に戻るぐらいに逆の縒れを加えてやれば”糸縒がとれる”という機構。ただこれどこまでやればちょうど良く糸縒れが取れるのか加減が分からんというのと、TBシリーズ自体は糸縒れあんまりできない良くできたリールなので、最初面白がって何回か使ったけど、結局ラインが縒れ始めたらライン交換って感じになって使わなくなった。糸縒れとるのには単純な金属棒を投げて適度にラインに張りを持たせて巻いてきて縒を取る”縒り取りスティック”とかいう商品の方がよく使った気がする。投げて巻いてではたいして縒れないリールでもドラグ効かせて走らせまくるとラインはチリチリに縒れる。川だとラインになにもつけずにしばらく流してから指で摘まんでしごきながら巻き取ると縒がとれる、ってのもシーバス釣っててコイにラインチリチリにされたりするとやったことあるけど、時合いならさっさとスプール交換した方がイイよねって話。写真でも分かるようにバネが1個にレバーとスプール引っかける突起の部品が1個と実質3個の部品数でたいして重くも複雑にもなってないのでこの機構は無視して、むしろその他の部分が改良されて良くなったマイコンシリーズだと思って使うと良いとおもっちょります。

 分解するときチョイと面倒なので、リアドラグの部分は最初にやっつける。ドラグパッドの枚数について、以前、フロントドラグだと一番底の面はスプール底面かスプールに固定されたワッシャーで始まるので、一番上のドラグパッドを押さえるワッシャーは、軸と同期して回らないものでないと、ドラグノブを回してしまってドラグ値変わってしまいかねないので、必然的に一番下がスプール固定、一番上が軸固定にならなければいけないので、ドラグパッドは1枚、3枚というように奇数になり、逆に軸が回転するリアドラグ方式だと一番上と下のワッシャー等が本体と固定になるので、最低限間に軸と固定のワッシャーが1枚入るドラグパッド2枚等の偶数枚になると書いた。301TBでもまさにそうなっていて、上左から4枚の灰色っぽいのが繊維質の素材にツルツルの樹脂で表面処理したような感じのドラグパッド。一番左のドラグパッドは本体底(=ドラグの天井?)とその下の軸と一緒に回るギザギザ付きの部品に挟まれている。ギザギザは本体内部に隙間を作ってはみ出させてあって、ドラグが効いてるときにこのギザギザで金属部品を弾いてジジジッと鳴る”音だし”になっている。2枚目はその軸と回る音だし部品と本体固定のワッシャーの間、次の3枚目は本体固定と軸固定ワッシャーの間、次の4枚目は軸固定ワッシャーと本体固定ワッシャーの間に挟まれていて、最後のワッシャーはドラグスプリングに適度に押さえつけられているという構成になっている。ドラグパッド4階建てで、実用充分な性能を確保しているけど、ちょっと部品が増えて複雑化しているところは欠点にも数えられるか。

 その他の分解作業では、巻くときカリカリ音がしないようにするサイレントカムの位置と入り方を写真に収めるなどして把握しておくのも地味だけど大事で、忘れてると、これどこに組めば良いんだろ?って悩むハメになりかねない。ストッパーの切り替えスイッチから伸びている軸から張り出している白い部品が、ハンドル軸のギアに填められたサイレントカムの伸びた足の部分を押して反対側でストッパーの金具を押したりするので、填める位置は右のようにハンドル軸ギアの直下、サイレントカムから伸びる足の部分は左写真のようにリアドラグ側の隙間に入れてやる。

 でもって、初代マイコンの全バラでは、リアドラグで軸が回転するということを妨げないために、いろいろとややこしいことになっていて、スプール上下のオシュレーションはギアをハンドル軸のギアに別に設けていて、そのせいで主軸を抜かないとハンドル軸のギアが抜けないんだけど、主軸にオシュレーションカムを止めているCクリップが非常に外しにくく「マイコンSS」を分解したときに二度とごめんこうむると思ったしろものである。

 ただ、立派なことに、TBシリーズでは軸が回るリアドラグではあるけど、初代マイコンのように分解しにくくはなっておらず、多少複雑化してはいるけど、分解するのに根性やら技術やらが必要とされるようなことはない程度に整備性が良くなっている。手順をまもってサクサクと分解していけば問題なくバラせる。

 まずスプール上下のオシュレーションがクランク方式で本体蓋開けたときにギアの上にあるのでスポッと抜けて、ついでにハンドル軸のギアも抜けるのでオシュレーションカムが剥き出しになって作業がし易い、剥き出しになったオシュレーションカムを軸の上でクルッと裏返してやると、左端の方で”コの字”の部品がカムと、カムを軸に削った溝に填めて固定するハンガー的な部品をまとめているのがわかるので、これをズラして外す。外すと真ん中写真の様にハンガー的な部品をオシュレーションカムから外せるので外して、オシュレーションカム自体も軸から抜けるようになって取り外し完了。って感じになる。リアドラグだと、軸が回転するので軸に穴を開けての”単純クランク方式”はできないというのは理解していて、クランク方式にするならオシュレーションカムにクランクを刺すか填めるかだろうなと思ってたけど、まさにそうなっている。っていうのに実は今回初めて気がついたというお粗末。オシュレーションクランク外さなくてもハンドル軸ギアまで外れればグリス追加とかの整備は十分可能なので、これまで使ってきた2台は全バラしはしてこなかった。今回全バラしして色々分かって面白かった。

 気付いたことの一つに、このギアひょっとしてマイクロセブンCシリーズと共通じゃないか?ということがあって、マイクロセブンCシリーズのギアとオシュレーションクランクの形状は他の同時期の機種、キャリアーや初代マイコンとは異なっていて、専用設計の気合いの入ったモノじゃないか?と書いた。初代マイコンより時代的にはマイコンTBシリーズと同じ時期だったっけ?よくわからんけど、初代マイコンはスプール上下は別途歯車設けた方式なのでそもそもクランク方式じゃないし、単純なクランク方式だと軸の穴にピンを刺すのが普通だけど、ピン刺したらリアドラグ方式では軸が回らなくなってドラグとして機能しなくなるので、マイコンと共通はあり得なかったけど、マイコンTBシリーズはオシュレーションは単純クランク方式だけど軸に穴開けてピンを刺す方式ではなく軸の回転は確保しつつ、軸の一定の位置に固定したオシュレーションスライダーから出ている棒にオシュレーションクランクを刺す方式なので、写真の様にどうも共通臭いハンドル軸のギアとクランクになっている。左が今回バラした301TB、右がマイクロセブンC1。実際交換して試してはいないけど、穴の開き方とか同じでわざわざ違う規格ならここまで共通な形にしないだろうから、間違いなさそうだなと思ってます。

 でもって、値段つかない機種だから自分で使うこと想定して、青グリスグッチャリ大盛りで仕上げて、外見も拭き上げたら、回転もベールの返りもドラグも快調そのもので、見た目もそれ程キズ腐蝕等なく、とても良い状態に整備できた。放っておけばグリス固まって巻きも重い”ゴミスピ”だったけど、今回の整備でバリバリに使える現役リールに復帰して、しっかりグリス詰め込んだので、今後何十年と実釣可能な状態に復活させることができたと思うので、久しぶりに良い気分である。実際には、使ってた別個体があるので、このリールそのものが使えるというより替えスプールが手に入ったということが大きいかも。今回の個体はキレイめなのでお留守番してもらう方向だろうけど、元々わが家にあった個体の方は、これで実戦投入させやすくなったし、近いうちに使ってみよう。

 最後のマイクロセブンNo.2は、需要が少ないせいか珍しい大きさなので落とせたらもうけもので入札しておいたらちょっと競ったけど落札。使う予定も必要性もなく、あえて言うなら蔵に転がってる箱入り新品娘のオートベルNo.2とで替えスプール有り体制が組めるな、ってぐらいで買う必要あったのかは疑問である。でも欲しかったんだもん。しかたなかったんだもん。外蹴りのアウトスプール版マイクロセブン、何度も書いてきたけどかっこいいんだもん。

 とにかく、作りはしっかりしてるけど設計は単純。オートベールとかではご自慢である”内蹴り式”の部品が当然無いので、部品数少ない。特に樹脂パーツが、外蹴りの蹴飛ばし部分、ハンドルノブ、ドラグノブ、ストッパースイッチの防水パッキン、ラインローラーのスリーブ、スプールのライン止め、ぐらいで、あとはドラグパッドの硬質フェルトを除くと全て金属でできちょります。硬派な感じです。

 前の持ち主が丁寧に使ってたのが偲ばれる感じで、キズも少なく、グリスやらオイルは定期的に注していたようで、そのまま使っても良いぐらいに機関快調で、40年から生き残ってきたこのリールを、今後もまた数10年は生き残らせてやらねばと、ガッチリグリス盛って仕上げておきました。

 同時代の庶民派「タックル5」も基本的なところは同じでこれも良いリールなんだけど、やっぱり大森製作所の由緒あるリール名”マイクロセブン”を冠するリールは、特別な格好良さがあるようにも思ったりして。

 てなかんじで、今回とりあげた3機種(シリーズ)はどれもナマジ推薦のお買い得な大森スピニングなので、興味のある人は是非手に入れて楽しんでみてください。


 大森アウトスプールの最終形態、樹脂製で軽いけど適切な補強で丈夫さも確保、ドラグも優秀な”不人気実力派”マイクロセブンCシリーズ

 マイコン買うならTBシリーズにしとけ!ギミックよりも基本性能の成熟度の高さ、トラブルの少なさ、使えるリアドラグ機マイコンTBシリーズ。

 昭和の時代の硬派なリールをお求めなら、そしてあなたが左手でベールを返して使う釣り人なら、自ずとこのリールがしっくりくるというものでしょう。マイクロセブン(アウトスプール版)。

 良いリールは、使って魚釣るのももちろん楽しいけど、いじってるだけで楽しくなっちゃうのよね。だからスピニング熱は治らない。スピニングの沼からは這い上がれない。

 それがどうしたっ!楽しいことは多分正しい!!