2021年10月16日土曜日

キャリア4年目ぐらいの大森アナリストからの報告

 ちかごろネットオークション・フリーマーケットにおいて、大森製作所謹製のスピニング の値段が落ちてきているように感じる、と既にどっかで書いた気がするけど、先日ボロ目の見た目の個体とはいえ、一時は5万円とかの馬鹿みたいな値を付けていたらしい「コメットG1」が、ネットフリマに8千5百円で出てて、さすがに即売れてしまうだろうと思ってたら1週間以上残ってたりしてて、いかに一時の価格高騰が人様の価値観でしかモノを評価できない節穴型眼球搭載の釣り人が多かったかということを裏付けている。人が欲しがってるモノが欲しいなんていうのは「クラスのみんな持ってるもん」ってカーチャンにゲームソフトねだる小学生と同程度の精神構造で釣り具の目利きとしては論外として、蒐集家としても結局「高いときに買わされて、安いときに売らざるをえなくなる」間抜けにしかなれない。蒐集家なら安かろうが高かろうが欲しけりゃ買って、死ぬまで手放すなッテ話だし、釣り具の目利きとしては大森スピニングは基本性能が押さえられてて丈夫で整備性が良く、40年から前の道具だけど今でも実用機として買って良くて、実用機としての価値は、中古市場の値段の上下とは全く関係なく普遍的に今も有していると思っている。

 値段が落ちてきてる今買えよ!と正直思うし実践している(開き直り!)。まあコメットは買わんかったけどな。あれはアユ君の愛機だからワシが使うべきリールじゃない。

 値段落ちてきて買いやすくなるのなら良いじゃないか?と思われるかもだけど、値段が付くから中古市場にモノが出てくるっていうのがあって、これまた超人気だった「キャリアー」が某カリスマが使ってたssサイズは一時の暴騰に比べりゃ落ちてきたとはいえ値が付くので売りに出す人も多いけど、全くもって使える良いリールなのに、中古市場でそれほど評価されないNo.1、No.2サイズは滅多に出てこない。ワシが出したらこのブログの読者さんが購入してくれたっていうぐらいで、分かってる人は分かってるけど、分からんチンばかりの中古市場に値段も付かないのに出しても仕方ないってことで出てこなくなると、手に入らなくなるので、安すぎるのは考え物で、まだ高すぎる方がマシなぐらいである。ネットオークションとかに出しても手間賃になるかならんか程度なら面倒臭いとなって、燃えないゴミの日に出されてしまうというのもあり得る話で、想像すると慚愧に堪えないものがある。

 良いリールだと思うので、皆さん買ってみてね。ちなみにワシがお薦めするのは、実用機としてなら、いつも推してる不人気実力派「マイクロセブンCシリーズ」と割とマイコンシリーズでは後期の作でかつ樹脂性になる前で丈夫、スプールエッジの形状が初代に比べて「真っ直ぐ系」になっててライントラブルが軽減していると思ってる、「マイコンTBシリーズ」の2シリーズをお薦めしておく。新品箱入りでもなければ3~5千円で買えるハズなので大森初心者でどんなもんか試してみたいというならば買って損はないだろう。そこからふかい沼に沈んだ場合の被害までは当方は関知しない。

 昭和骨董的な雰囲気を楽しみたいなら、「マイクロセブン(アウトスプール版)」と「マイクロセブンDX(デラックス)」を推しておきたい。アウトスプール版マイクロセブンは外蹴り式でベールを手で返す人間なら実用機としても申し分ないシリーズ。廉価版の「タックル5(色違いの「タックル」)」でも、そのへんの単純ではあるけど”スピニングリールの基本を押さえた作り”は楽しめるけど「タックル5」はハンドル左右切り替え用のネジが付属してないことがほとんどで右巻リールばかりしか中古市場に出てこないのが難点。その点「マイクロセブン」はハンドルに左右切り替えネジの保管スペースを設けてあって、それがハンドルのバランス取り的なデザインになってるのとかも含めて、なかなかに見た目独特の格好良さがあって良いのである。アウトスプール機では出色の格好良さかと。でもって、大森の伝統あるシリーズ名である「マイクロセブン」の元祖的存在で、大森小型スピニングの始まりの一台でもある「マイクロセブンDX」は、実際手にしてみると小っちゃくって可愛らしいけど、バランス良く軽やかにクルクル回って性能も良さそうだし、”グッドデザイン賞”受賞も納得の昭和な日本のスピニングなんである。「意外とライントラブル多いよ」っていう識者の指摘もあるけど、それも含めてジャジャ馬乗りこなすような楽しみを見いだしても良し、観賞用蒐集用と割り切っても良し、ということで1台右巻のを買ってしまったら、左巻きも買って使ってみたいなと思ってしまい。そう思ってしまったら止められなくなる程度に今現在、”スピニング熱”の病状は悪化しており、冒頭写真のマイクロセブンDXの欧州輸出版らしい「コンパック89アトラスⅢ」を買っちまったのである。コンパックって、たしかオリムピックにもリール作らせてたような会社だったと思うけど、大森製作所もシェイクスピアと組む前(組んだ後もか?)に色んなブランドのリール作ってたようだ。

 「マイクロセブンDX」も人気あって、キレイめの個体なら普通に1万円超えてたんだけど最近やっぱり値を下げてきていて、1万円切ることも多く、ボロ目の個体なら5000円ぐらいとかになってきてたので狙ってたんだけど、この個体は錆もほぼ出ておらず、置き傷とかも少なくキレイめ。しかしながらドラグノブのキャップが剥がれ落ちて無くなってるという状態で、5000円というジャンクとしては高く、キレイめ個体にしては格安の開始価格でネットオークションに出品されていた。値段下げてきて人気も落ち着いてきてるし、微妙な価格設定だから意外に手を出されなくて、開始価格でいけるんじゃなかろうか?と5000円で入札しておいたら、まあワシも中古大森売り買いし始めて4年ぐらいになり、”大森アナリスト”としてはもはや駆け出しではない地位におり、狙い違わず確保できましたとさ。病気って怖いね。一度欲しいと思ってしまったら止められないね!

 まあ、最悪さらに値を下げる要因である「右巻」である我が家にある個体とドラグノブ交換で「アトラスⅢ」の方は綺麗な左巻き個体にでっち上げできるだろうし、力のかかる部位でなければ樹脂性の部品は修繕可能で、経験もそれなりにあるからナントカできるだろう。ぶっちゃけ蓋がなくてもドラグは締まるんだし、使えねえことはないやなという割り切りもありっちゃありだろう。

 ということで、我が家に届いてまずは試しにと、右巻のDXのドラグノブを取り付けてみると、これがなぜか微妙に合わない。ハマってドラグも締められるんだけど、ちょっと高さがあってスプールとドラグノブの間に隙間ができてしまう。これはラインが落ちて巻き込むと最悪の状態になるのでよろしくない。蓋なしで良いかとも思ったけど、蓋がないと当然水飛沫とか雨とかが入って中のバネが錆びる。実際ちょっと錆びかけてたので洗浄してグリス塗っておいたけど蓋はあった方が良いなと感じた。

 欠損部分の修理や部品の作成において、力が掛かる部位や部品を素人がどうにかするのはほぼ無理である。でも、蓋みたいな力の掛からない水が浸入するのを防げれば良い程度の代物であれば素人の工作で充分対応できる。まずは適当な素材を探してくる必要があるけど、今回はなんの蓋だったか分からないけど適度に丸みの付いたプラスチック製の蓋があったのでそれを素材として使用。平面でも良いけどラインが引っかからないことが重要なので角の処理は面取りするなどして丁寧に丸めておく必要はあるだろう。当然ながら引っかかりがないようにピッタリハマる寸法にしなければならないので、ドラグノブの穴の上に紙を乗せてグイグイ押しつけて型を取って、それを糊で素材のプラに貼り付けてニッパーで大まかに切り出して、実際にドラグノブの上に乗っけながら、ちょっとずつヤスリ掛けしてピッタリの大きさに調整していった。

 それでは接着する、というという行程になるんだけど、これが適切な接着剤は何かというのが悩みどころで、エポキシ系は意外にポロッと剥がれやすいのでイマイチ、瞬間接着剤は接着面が必ずしも密着してるわけじゃないので、隙間ができると付きが悪いのと、衝撃でパリッと剥がれやすいのもあって、こういう場合に頼れるのは「コニシのSU」だなということにあいなった。SUは安物のウェーディングシューズがあちこち剥がれまくるのを「ボンドG17」を使ってたんだけど、合成皮革とフェルトの接着がイマイチで何か良いのがないかとボヤいてたらケン一が教えてくれたもので、素材が違う場合も強力にくっつけるし、素材自体もテフロンとか特殊な素材意外なんでもくっつける、隙間があっても埋めてくっつけるし、曲げ伸ばしにもゴムみたいに柔軟なので強いという優れもので、今では信仰に近い信頼を置いて使っている。ただ、唯一の欠点としては乾いても表面がベトベトしてて完全に固化しない感じにしかならないので、はみ出すとその部分が汚れてキチャナイ感じになってしまうことで”はみ出し厳禁”である。まあ、多少は乾く前に削るように拭き取ってしまえば良いんだけど、今回は慎重にかつ素早くを念頭に竹串の先を使ってペトペトと塗布して、固化を待つ間は洗濯ばさみで圧着しつつ1日放置の後、隙間を埋めるのと蓋の面取りしてヤスリ掛けした側面を滑らかにするために上からエポキシをこれまた竹串でペトペト塗って仕上げておいた。

 ドラグノブの蓋の方は何とかなったので、機関好調で放置でも良いぐらいかなと思ったけど、一応全バラしして洗浄してグリスアップしておくかと思って分解してみると、意外に中は汚れていて、なぜかベアリングとローター軸のギアを止めてる輪っかを外したら本体側にクモの巣張ったような繊維が充満してて、カビの菌糸とかなのか謎の汚れ方だった。まあそれらもまとめて綺麗さっぱりパーツクリーナと歯ブラシでゴシゴシ綺麗にしてやって、ベアリングも錆びてないのでそのまま使えて、グリスと油を入れてやったんだけど、ラインローラーがナットを締めると回ってくれない。ゆるめてしばらく輪ゴム掛けてルーターで回転させて当たりを取ってやっても締めると回らなくなる。錆が浮いて引っかかりがあるとかだろうか?後の大森だと滑りの良いルーロンとかいう樹脂性のスリーブが入ってるんだけど、マイクロセブンDXは真鍮のスリーブが入ってる。かつ、今回の茶色の個体は古いタイプだと思うんだけど、ラインローラーの形状がなにげに1箇所にラインが落ち着いて転がらないようになっていて、糸ヨレは少なそうで感心する。でもって、スリーブの方が長くてちょっと出るぐらいに、もちろんあんまりやり過ぎてラインが入ってしまう隙間ができるとダメだけど、ラインローラーの端を削ってやれば、引っかかりがなくなって滑らかに回るようになるだろうという方針で、ダイヤモンドヤスリとサンドペーパーでちょっとづつ試しながら削って良い塩梅に回るように調整しておいた。この方式だと逆に回転するラインローラーの方が端から削れていってスカスカになっても、真鍮のスリーブの方を削ってやれば問題なくなる。それまでに何十年かかるのか不明だしスリーブとローラーの接する面が先に削れたら処置無しだけど、長期運用考えると優れた設計なのかも?

 いっちょあがりで全ての機能が元通りという感じで、この茶色い色のはマイクロセブンDXが発売された初期の1960年代版だと思うので優に半世紀は昔の個体だと思うけど、今回の修繕と整備でまた半世紀を生き延びる延命措置になったんじゃないかと期待する。

 当時金色に塗装するつもりだったのか、それだと派手すぎるので、メタリックな茶色程度にしたのか?いずれにせよ今の感覚じゃ色からして出し得ない”昭和味”の染み出す良い塩梅のリールで、でも多分今売りに出しても”ドラグノブの蓋が取れてたので直しました”って正直に明記したら、右の写真のとおり上手に直せているとは思うんだけど、オリジナルにこだわる蒐集家筋からは評価されないだろうし、蒐集家筋意外に買ってくれる人もあんまりいないだろうから、値段が下がってきてる現状、買った値段の5千円で売れれば御の字で、まあ、金に困ってから売るぐらいの心づもりで、しばらく蔵に寝かせておくのが妥当というものであろう。たまにクルクル回してやろうとは思うけど、使うにはちょっと綺麗すぎる感じで、正直もっとボロいのを安く買って直して、気兼ねなく海で使って使い心地を確かめてみたいんだけど、ボロいのは意外に出てこないのよね。売るために写真撮って説明文考えて梱包して発送してって手間暇掛けてもたいしたお金にならないとなると、売る気も失せるんだろう。なんとなく3千円ぐらいになってくれるかどうかが分水嶺のような気がしている。

 さてそれでは皆様ここで間違い?探しの時間です。使いもしないスピニングを買ったのが間違いだとか、オマエの人生は常に間違いだらけだとか、そういうことはたとえ真実であっても指摘してやらないでくださいね。本人が一番身に染みて分かってることですからね。そういう心にダメージを与えるような間違い探しじゃなくて、左の写真のリールは上の整備終了写真と何かが違ってるのですがおわかりだろうか?っていうヤツです。

 ワレ、なにマイクロセブンDXもう1台買ってるねン!と思った方、惜しいけど違います。まだそこまで間違ってません。実は他のパーツとかと一緒に米国から買い付けた中に入ってたマイクロセブンDXの”本体蓋”だけをネットフリマに出されている方が居たのを頭の隅に憶えていて(大事なことは忘れまくるくせに余計なことは憶えてやがる)、まだ売れ残ってるかなと確認してみたら、まだ売り出し中で流れるようにマウスを滑らせて購入。マイクロセブンDXの海外版としては、茶色いコンパックブランドのは見かけるけど、黒っぽい緑なのか紺なのか黒系の時代になると、コンパックブランドのは見たことがなく、シェイクスピアブランドで「2200」の名前ででている。シェイクスピアと組む前の大森製作所は米国でも”ダイヤモンド”の自社ブランドで売っていたそうで、今回入手したものは米国でダイヤモンド「マイクロセブンデラックス」として売られていたものに由来するのだろう。これで、実際には1台しか持ってなくても、実質、欧州輸出コンパック版と米国輸出ダイヤモンド版の2台揃ったようなものであり。一粒で2度美味しい感じになって、なんだかとても嬉しいのである。実用性から考えたら”銘”が変わったところで何が変わるねん?って話だけど、昭和骨董的に楽しむなら、大森製作所が欧州や米国に打って出て、後にシェイクスピアと組んで欧米市場で大暴れする前夜の歴史的な背景を楽しめる1台となってるのである。ブラウントラウト釣りに行くときにはコンパック「アトラスⅢ」で、ニジマス釣りに行くときにはダイヤモンド「マイクロセブンDX」でなんていう使い分けも、まあ現実には日本じゃあまり想定されない状況だけど、気分で使い分けてみても良いかも。って書いたら高値で売れてくれんじゃろか?

 という千円ちょいで購入してお値段以上に楽しめる本体蓋なんだけど、これに実はおまけが付いてきてて、ダイヤモンドリールの知識があまりないので良かったら活用してやって下くださいと、これまた茶色の本体フレームが同封されていた。本体蓋と比較すると写真の様にマイクロセブンDXより少し大きいようで、そうなると兄弟機の「マイクロセブンDX730」かなと思うんだけど、茶色の時代にはその名前ではなくてダイヤモンド「スーパーデラックス730」という名前だったのかも。いずれにせよ今のところワシ使うアテがないので、当ブログの読者さんには大森マニアな面々がいらっしゃるので、欲しいという方、先着一名様にお譲りします。送料だけ持ってください。「足が折れてる”730”持ってるので是非欲しい」というような、ピッタリとパズルのピースがハマるような橋渡しができたら最高ではありますが、「スペアパーツとして持っておきたい」でも、「とにかく大森関係ならなんでも欲しい」という欲しがりさんでもかまいません。必要とする人のところにあるのが良いに決まってます。必要な方はサイトの方に記載してる連絡用のメルアドに”欲しい”という旨記入のうえ御連絡ください。多分、すぐに欲しい人が見つかるとは思えないですが、その場合は保管しておきます。サイズの確認とかの問い合わせも必要に応じてしていただければ対応します。

 これで、我が家の蔵には「マイクロセブンDX」が左右2台揃ったことになり、さっきも書いたけど、今値段が落ちてきているので売りに出すのも面倒臭いなと思ってるんだけど、正直リール買って直していじって、売って利益を出す、というのは難易度が高すぎて既にとっくに諦めている。でも、いじったことないリールを整備したりするのは楽しいので手に入れたいという単純な物欲の他に、今現在ラインローラーが固着しているとかベアリングが錆びているとかの不具合で、使用に耐えない状態のスピニングを手に入れて、整備して使えるようにして、使いたい人に(蒐集したい人であっても良い)渡るように、再度中古市場に戻してやるっていうのは続けてみたいと、これは”スピニング熱”に罹患した当初から思っている。ワシが手に入れるのはD.A.Mなんていう変態リールは例外的で、基本PENNか大森あたりの単純明快実用バッチリのスピニング達である。こういうリール達の良さを少しでも多くの人に知ってもらえたら、そういう単純で丈夫で不具合少なく、整備性が良いリールが長く付き合って行くには良いリールなんだと思う釣り人が増えたなら、ジギングやらエギングやらでシャクリまくる釣りに使うならいざ知らず、普通の巻きモノのルア-とか使った釣りでは全く何が利点なのか分からない、スピニングリールの諸悪の根源だとワシが嫌悪している”瞬間的逆転防止機構”なんていう、水辺で使う道具に搭載すべきではない、水濡れに弱い機構を使わないスピニングが売られるようになるんじゃないだろうかと、遠大な野望を抱いているのである。 

 それはなにも、いまさら金型起こして前世紀の古くさい設計のスピニングを新たに作ってくれっていうハードル高めの話だけを期待してるのではなくて、古い名機を今時の知見でちょっと細部改良して使いやすさを向上させたぐらいの「復刻版」を売ってくれるのでも充分である。ABUの「カーディナル」が実際にそうやって復刻版が出てるけど、別にダイワが「ウィスカートーナメントSS」の復刻版作ったって良いと思うし、米国ダイワでは色違いの「トーナメントSS」は今でもカタログには載せてるとかどっかで読んだ気がするし、それがホントなら日本でも要望があって売れるならダイワとかシマノは、およそ作れないリールなんてないぐらいの技術力持ってるんだから、わけないんだと思う。でも必要とされない売れないリールはどんなに技術のあるメーカーでも作ることはできない。

 釣り人の皆さん、3年から5年経って型落ちしたら、なんか使ってるのがこっぱずかしくなるような出ては消えてく”最新型”の道具なんて”ボイコット”して、長く愛着を持って使える良い道具を使いましょう。”普通に釣りができる”程度の性能機能は、40年前ぐらいの釣り具から既に備えてます。そういう普通の釣り具で魚が釣れないというのなら、貴方は普通じゃないぐらいに釣りが下手だということです。道具なんてよっぽど特殊な釣りをするんじゃなければ”普通”で充分で、後は経験や知識の蓄積だの技術の習得だの”腕”で釣れッテ話じゃと偏屈なジジイは思うんジャ。今時の若者達は泡アワとした景気の良い時代の感覚が抜けてない昭和のオヤジどもとはちがって、醒めてて賢いように思うので、未来を担う若者には釣りの世界に限らず世の中のいろいろなことを良くしていってくれるんじゃないかと期待している。自分も鑑みて昭和脳の老害には現状が限界だったってコトなのかも。などと考えると寂しくなっちゃうので、志は高く”スピニングリールから瞬間的逆転防止機構を撤廃させる”を掲げて、コレからもスピニング熱は適度に養生しつつ、釣りと釣りを取り巻く世界を楽しんでいきたいものである。

2 件のコメント:

  1. ナマジさん、こんばんは。
    蓋入手とはアンテナの張りかたが違いますね、さすがです。

     小さなことでもやっぱりマイクロ7のロゴは気分が上がりますね。
    私はセカイモンでAtlasIIIや2200を品定めしては見送るということを繰り返しています。
    後の1番クラスに対してギヤ比スプール径ほぼ同じながら大幅に軽量コンパクトなので、欲しいと思いながら醸し出されるものにもう一つな所があり手が滑ってくれないというか… 
    銘の威力により、求めてたものではないスーパーデラックス730に入札中です。

     DXのようなサブNo.1クラスで私がよく使うのが、おそらく初代マイクロ7と思われるAtlasIIです。
    オリムピック製アトラスの後継としてウォームギアを内蔵したものです。
    トライアングルフォルムの走りという感じで非常に洗練されていまして、スタイル抜群な最小限のハウジングに抑制のきいたダークブルーの外観は質素ながら深みがあり、
    ベーシックを突き詰めたメカは軽薄ながらもちょっと迫力があります。

    後の高級路線で肥大化したプロラインとは対極にあります。(101は最高のリールの一つだと思います)
    一方細かいところに貧弱さがありばらつきも大きく、完成度の高いDXが気になるところです。


     DXの時期はコマースパシフィック(コンパックの商標を所有する貿易商)のスピニングのラインナップ中、一部除いて全てと、
    スピンキャスト8機種中2機種ほどを大森が請け負っていました。
    取引があったリールメーカーは植野・大森・稲村・ダイワ他数社ほどあり日本勢オールスターみたいな状態でしたが、その中で大森の品質に目立つものがあり積極的に取っていったのでしょうか。

     1950年代のリール事業参入からのコマースパシフィックとの付き合いでしたが、メジャー所との契約、自社ブランド確立など非常に充実した時期にもかかわらず、70年大森の経営難によりシェイクスピアによる救済を受けることとなり、その際に渋々ながらシェイクスピアの要求で、それ以外との取引をやめざるを得ない事態に陥ります。
    ナマジさんお察しの通り70年頃の決まった時期にスッパリ一本化することはなく、ずるずると抵抗しコマースパシフィックとの関係はスッパリ切れた様子ですがそれ以外のサウスベンドなどへの輸出は2年ほど続きました。

    その先アンビデックス・タックルオート・マイコンの比較的明るい10数年がありますが、泣けてきます。

     左右共用タイプのハンドルネジクロス切り以前の左ネジ欠損多いですよね。
    旧JIS5M0.9Lというもので、ダイスの入手も難儀するやつです。
    ヤフオクで中古ダイスをなんとか入手できました。ほかにもあるのかもしれませんが何とかこの古工具で工作という方法でやってます。

     長々と書いてしまいましたが、私のフェイバリット大森はマイクロセブン201です。骨董市で500円で入手しました。こういうものは大多数の分からない人にとってガラクタなので今日も日本全国でどっさり廃棄されているものなのでしょう。
    私の師匠は正真ハコスカGTRのエンジンを秘蔵していましたが嫁さんにスクラップ屋を呼ばれてしまい気付いたころには文化財がアルミと鉄になんてことになってました。

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    1. レクエル堂さん おはようございます

       興味深い情報、楽しく拝読させていただきました。
       コマースパシフィック社にはオリム、大森以外にもいろんな日本メーカーがお世話になってたんですね。
       アトラスⅡは初めて知りました。国内では売られなかった機種のようですね。

       ダイスってネジ切る工作機械ですよね。金属パーツ自作はちょっとスゴいですね。手を出したいけど自分の不注意な性格からすると怪我しそうなので断念しています。

       ガラクタ整理で古物商呼ばれた場合は、まだ買い戻すチャンスもあるでしょうけど、スクラップ屋ではどうしようもないですね。お師匠さんの心中お察しします。どっかで読んだのですが、亡きお父さんの遺品の希少なバンブーロッドを母上が布団タタキに使ってて泣けてきたってのは、まあまだ笑い話で済んで良かったですが、多くの場合、故人の遺品とか廃棄されちゃってるんでしょうね。
       良い道具は、壊れるまで使ってくれる人か、後々まで伝えてくれる蒐集家の手に渡って欲しいと切に願ってます。

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