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2025年5月20日火曜日

<重要>サンライン「クイン★スター」とサンヨーナイロン「エクストラV-500」には生分解性がありまーす

 水中等の自然環境中で、細菌など微生物の働きで分解される、いわゆる”生分解性”のあるナイロンラインについて、ワシはサイトを立ち上げた当初から推しまくっていて、っていうか、生分解性のショックリーダーを世に広めるのが大きな目的の一つでサイトを立ち上げたと言っていいぐらいである。あつかえもせん細糸を絡ませて釣り場に捨てていく弩級の輩どもは論外として、普通に釣り場にゴミを出さないように心がけている釣り人でも、どうしても根がかりしたり、魚に切られたりして環境中にラインを放出してしまうことは想定される。それがラインに生分解性があったらだいぶマシな結果になる。時間の経過で劣化してボロボロになってもマイクロプラスチックとして百年単位で環境中に残ってしまうといわれている生分解性のない素材でできたラインと比較して、速やかに生物たちの力を借りて分解されて環境中から排除されるのなら、 環境に与える影響は小さくてすむだろうことは確かだろう。

 この問題には、釣り用のナイロンラインの製造元である日本の各メーカーでも結構真面目に取り組んでいて、以前も紹介したけど元祖の東レ「フィールドメイト」も初代は性能的にいまいちで受け入れられなかったのを再度2010年代に改良版を出しているし、バリバスのモーリス「RTE」も第2世代まで開発して頑張ったし、ラインの国内工場持ってるデュエルも作ってたし、ダイワも石鯛の捨てオモリ用で売っていた。でも全部廃盤になってしまった。少なくともショックリーダーとして使用する分には、引っ張り強度、耐摩耗性共に足りなければより太いのを使えば良いだけで、多少太くて伸びがあるのは技術でカバーして使いこなすのが釣り人の”腕前”ってもんだろうと思うけど、日本の釣り人の多くが、釣り糸は単純に細くて引っ張り強度が強いのが良いぐらいの評価基準しか持っていなくて、そうじゃなければ変にマニアックに低伸度で感度が良いとかをありがたがる。これまで何度も書いてきたけどアホでしかない。だから「生分解性ショックリーダー」という魚釣るための性能的には及第点ぐらいのショボいものであっても、一番大事な釣り場に魚が沢山いることに効いてくる”環境性能”的に優れていることを正しく評価することができなかった。マヌケでお粗末で腹立たしくワシも釣り人の一人として恥ずかしいかぎりである。ラインにナニが必要かは自分がやる釣りに応じて、それぞれ適切なものや好みのモノがあるだろうけど、一般的にそこいらでシーバス釣ったり海の小もの釣りしたり川魚釣ったりでは、引っ張り強度なんて今時のナイロンラインなら十分だし、結びやすさやらトラブルの少なさ扱いやすさやらで、そこそこの太さのあるナイロンラインで、根ズレやら歯の対策にフロロのリーダーでも接続しとけば事足りる。細いPEやらエステルやらなんやら、飛距離だ感度だ小うるさいこだわりで選ぶ釣り人のどれだけが、それらの細糸の利点を引き出せているのかはなはだ疑わしい。何度でも書くけど飛距離なんて魚に接近する方法いくらでもあるので多少の差はカバーできるし、遠投してる多くの釣り人はなんにも魚が居ないところを引っ張ってる時間が長くなってるだけだったりする。ちゃんと食ってくるゾーンが分かっててそこに届かせるために投げてるか?そして感度が良いラインの向こうでは魚が感度良く釣り人の動きを感じているだろう。感度が悪くて魚が違和感覚えにくい道具立てで、分かりにくいアタリをとれるようになると「ショートバイトが多くてスレてる」とか聞いた風な言い訳をしなくてすむようになる。

 で、環境性能的に優れている生分解性のラインを釣り人の要望に応えられるぐらいに高性能化するには、まだ何段階か必要で、ラインメーカーさんの頑張りを期待するしかないと思っていたら、思わぬ方向から解決策の大きな突破口が見つかった。

 「これまで分解しないとされていた市販の釣り糸が海洋で生分解することを発見」というどうゆうことやねん???と驚愕するネットニュースが5月15日ぐらいに流れてきた。

 ワシそういう話題しか記事読まないから、ヤフー様がお勧めしてきてくれたってだけで、一般の人の目にはついてないかもなので、興味のある人はネタ元の東京大学の記者発表にリンク張ったのでご一読いただきたい。ネットの記事では、東大中心とした研究グループによる報告で、市販されているナイロン釣り糸の中に生分解性があるものが認められて、ナイロンは環境中で生分解されないとされていたこれまでの常識を覆す発見であると紹介されていた。ワシ的に衝撃的な内容だった。

 生分解性があるナイロンライン、釣具屋で以前から普通に買えていたみたいです。

 分解されるってことは劣化が早いってことでもあり、メーカー側は公表されたくない事実かもだけど、市販品のレベルの強度を新品時持っていて生分解性のナイロンラインなんて、夢の釣り糸だろそれはって話で、メーカー側は堂々と”生分解性”を謳って売って欲しいし、釣り人も釣り業界も少しでも環境負荷が減るようにそういうラインを使う方向に行かねば嘘だろうと思う。ナイロンラインを劣化するまで使い続けるような弩級の素人のドアホどもの意見は無視するべきである。もちろん生分解性があるからといって釣り場に捨てて良いわけじゃないけど、それでも釣り場環境の保全に貢献するのは間違いなさそうに思う。遊びの釣りだけじゃなくて記者発表でも触れられているように漁業にも大きく貢献する発見だろう。具体的な銘柄がなんだったのか?も知りたいし、どういう細菌とかが分解しているのか、銘柄によって違いが出るのはどういう仕組みか、もしかして昔はナイロン系とかのプラ素材を分解する生物ってほとんど居なかったけど、環境中にプラゴミがあふれたことによってプラ素材を食う生物が増えてるとかもあるのか?とか研究の続報も知りたいし、現状の研究結果もネットの紹介記事だけでは断片的でよく分からんので、東大の記者発表検索してちょっとお勉強してみた。

 銘柄はすぐに判明。お題に書いてしまってるけどサンライン「クインスター」とサンヨーナイロン「エクストラV-500」の2銘柄で顕著で、実験には色つきのを使ってたけど、キモになるのは引用すると「ナイロン6とナイロン6,6の共重合体(2種類以上の異なる単量体(モノマー)が結合してできた高分子(ポリマー))の釣り糸の中で、共重合体の比率がある範囲に入る市販の釣り糸が、海洋中で生分解性ポリマーの標準物質であるセルロースと同程度の生分解性を示すことを世界で初めて明らかにしました。」ということらしく、ストレーンのデュポン社のカローザス博士が開発した最初のナイロンであるナイロン6,6と東レとかが開発したナイロン6を混ぜた塩梅によって生分解性の違いとかが生じているようだ。2銘柄に関しては生分解性素材の代表的なセルロース(木とか紙とかもセルロース)と同じぐらいの生分解性があって、クインスターだと海底で3ヶ月で強度は20%まで劣化するとか。あと東レ「銀鱗」も先にあげた2銘柄ほどではないけど生分解性があるとのこと。

 クインスターってJ州屋とかで売ってる代表的なボビン巻きナイロンラインじゃん。っていうかワシ50LBのショックリーダーとして愛用してる。ちょっとごわついた感じの堅めのナイロンって印象で、ややフロロ寄りのナイロンと思ってなんの問題もなく使ってたけど、生分解性があるって認識なかったから、リーダーとして組んでスプールに巻きっぱなしで保管してるヤツとか劣化して強度低下してしまってるかもだから要注意だな。

 とりあえず根魚クランクに使ってる先っちょのハリスはフロロの8号だったけど、根掛かりやら切られることは極力避ける方針で生分解性はイランかもだけど、念のため手元にあった50ポンド12号を早速導入。さらにシーバス用に4号、アジのハリス用に一番細い0.6号も購入。さっき書いたようにやや堅めの印象でワシの好み的には道糸にはどうかな?と思うけど、色も道糸向きの黄色とかもあるし、ハリスで使ってみていけそうなら導入したい。この際好みだなんだは無視すべきか?少なくともハリスでクインスターの商品ラインナップに適切な太さがある分は、どうしてもシーガーのフロロカーボンハリスに頼りたいって場合を除いて全部クインスターにしていこうと思っている。過去の生分解性ナイロンリーダーは伸びまくりでさすがに道糸には使いにくそうだったけど、クインスターとか普通に道糸に使われてる糸だろうし、好みは別として使って使えないことはなさげで、生分解性ナイロンの釣り糸としての性能は、”リーダーとしてはなんとか使いどころがある”って程度から、いきなり飛躍して”道糸でも普通に使えまっせ”ってレベルに革命的に向上したと言えるるだろう。

 ただ不思議なのは、なんでナイロン6にもナイロン6,6にも生分解性なんてないのに、その共重合体には生分解性があるのかっていう仕組みとか、いったいどんな細菌とかが分解しているのかとかとか、そのへんはまだ分かってないようなので、引き続きの研究と報告に期待したい。

 なんというか、分かってしまえば「もうできてるじゃん」っていう話だけど、典型的な”コロンブスの卵”で、最初に見つけたその着眼点、分析力が素晴らしいと手放しで賞賛したい。さすがは日本の最高学府”東京大学”って他も参加してるにしても思ったところ。また通常ならこういうの「プレスリリース」って横文字使いたがるところだけど「記者発表」って漢字表記なのが頭良さげ。まあ実際頭いい人が入る大学だろうから当然か。横文字やらローマ字略称やらでさも己が賢そうに見えるように粉飾してるドアホどもは、頭が良いから分かりやすい言葉を選ぶことができるってのを肝に銘じよ。

 クインスターとかの安いボビン巻きナイロンラインの性能を馬鹿にして「オレ様はそんな低レベルな道具は使わない」とか言っちゃうような弩級のバカは釣りなどやめてしまえ。クインスターやらが生分解性という環境性能で再評価されるようになったら、そりゃ各社、1から生分解性ナイロン開発するのに比べたら、条件に合致させて高性能化するのは、現状で既に釣り糸として売り物レベルの性能があるのでわけないはずである。今、クインスターなりエクストラVなりを買って、その開発を後押ししてやらねば、ただでさえ釣り糸のゴミは文字通り収拾つかないぐらいの”日本の釣り場の現実”があるので、こんなチャンスを見逃すようなマヌケに釣れる魚などろくにいないのは明白。なので、とっとと釣り具を中古屋にでも売ってしまって撤退しておけと自称達人でカリスマのワシャ親切にも助言してやるのじゃ。

 今後は生分解性のナイロンラインを使いこなせなければ、時代遅れのヘッタクソということになるだろう。


<注>いつも週末に記事あげてますが、今回はネタの重要性に鑑み、なるべく当ブログのトップに出る期間を長くして多くの人に伝わるように早出ししています。なので今週末24日(土)に更新は無しの予定です。あしからずご了承ください。また、このクソ重要なネタに触れないような雑誌、映像番組等の釣りメディアがあれば、およそ役に立つような情報など期待できないので切った方が良い釣りに繋がるかと存じます。

2025年3月29日土曜日

ド定番

 フライフィッシングの市場って世界的に縮小しているのか、道具がとにかく高くなってっていうのは、まだ買えるからマシなようなモノの、必要な道具が廃盤になってしまうことが多々あり、カマス狙いでフライ沈めて引っ張るのには当初シューティングヘッドのタイプⅣとかタイプⅥを使ってた。シューティングヘッドシステムは、ランニングをチョイ切りしながら古くなったヘッド部分を交換していくという方法だと、ヘッド自体は割安なので貧乏人にはありがたかったし、ランニングをあまり沈まないようなのにして手前の障害物回避とか小技も使えて重宝したのだけど、既に最大手の3M社サイエンティックアングラーズブランドでもシューティングヘッドはほぼ廃盤になって久しく(っていうかサイエンティフィックアングラーズブランドは現在は独立・別会社化していて”SA社”なのか?)、その後はショップオリジナルや中華製のイヤホンコード系の安物のウェイトフォワードのフルラインを買って使っていた。中華製イヤホンコード系はものすごい癖がつきやすいラインで、逆に真っ直ぐな癖を付けてやるために釣り具部屋の天井の両端にヒートン打って、そこにラインを掛けて真っ直ぐにして釣りに行く前の晩にスプールに巻いて使ってる。使えなくもないけど面倒くさいのと、真っ直ぐになりすぎてラインバスケットに収まりにくく、強風下ではラインが吹けて塩梅悪い。ショップオリジナルのカナダ製ラインは品質的には全く問題ない。ただもうこのご時世高番手のシンキングラインがそんなに売れるわきゃないので、ショッブでももう追加は作らないとのことで売り切れてて新たには入手できない。一番使うタイプⅥがあと2本、タイプⅦが1本確保できているけど、どのみち使い潰したら次の品を探さねばならないんだけど、使えるのか疑わしいあんまり聞かないブランドのを除くと、探すと言うほどに選択肢があるわけじゃない。サイエンティフィックアングラーズブランドの「ウェットセル」と高級品の「ソナー」とかぐらいしかネットでも売ってるの見かけない。まあ、それならと、ド定番の「ウェットセル8WFタイプⅥ」を買って、カマスシーズン終盤に試し投げというか使ってみた。アマゾンで買うのが一番安くて6050円と、7千円以上してた記憶があったけど、ニューパッケージになって紙のショボいスプールやらリールに貼るシールも無しの簡素な包装になったけど、値段が安くなったのはありがたい。かつ、さすが世界のド定番!使ってて全くストレスのない性能で安くなったと言っても多少高いのも、今後も高番手の早く沈むシンキングラインを作ってくれそうな最後の砦であることも加味すると、そのぐらいは払っておくべきだろうって感じで、金払って1票入れておきたくなる。まあ実際には当面の在庫として2本追加して3本確保して3票入れたわけだがな。なにげにワシこれでラインとリールがブランド一緒になった。リールは安くて使える「システム2」だぜ。

 最初、多少巻き癖がついて、巻き癖の少なさではカナダ製ラインの方が優秀かなと思ったけど、使ってるとすぐに巻き癖は伸びて、むしろラインに適度な張りがあって、しなやかなカナダ製ラインより絡みにくい。さすがはフライライン業界最大手の定番品。良い塩梅にしなやかさと張りのバランスをとっていると感心した。もちろん魚釣るのに何の問題もない感じで「ウェットセル」が生き残ってくれれば、ワシの冬場のカマスやらタチウオやら狙うフライフィッシングで使うラインは安泰のようである。どこまで頑張ってくれるか、市場規模縮小の一途のフライフィッシング業界においても、さらに重箱の隅な高番手の早く沈むラインなんていつ廃盤になるかひやひやモノである。ウェットセルが廃盤になるとかになったら、10本単位で買い占めねばならんだろう。もしくはフライでカマスは廃業で、ルアーやら餌やらで釣るしかなくなる。それはそれで楽しめるだろうけど、せっかくだんだん上手になってきて楽しめているのに、その技術を眠らせてしまうのはもったいないし、釣り仲間にもフライマンが多いので案内人としてもフライでの事前情報が取りにくくなる。餌で爆釣しててもフライではイマイチとか、その逆もあったりしてフライマン案内するにはフライロッド振っておいた方が良い。

 なんにせよ、定番品の定番たる実力のほどを知って、今後はウェットセル頼みでいくんだろうなと覚悟したところである。

 フライラインに限らず、釣りにおいて定番品ってのは、使えるから定番としていつでも売ってるわけで、ぶっちゃけそれ買っておけばまずは安パイってなもんである。ただ、以前紹介したようにモーリス「バリバススーパーソフト」なんていう定番品が廃盤になって、後継品が見当たらないなんていうことも起こりうるので、珍奇な機能やペテンじみた広告に騙されて、すぐに消える泡沫のようなポッと出の”企画商品”を買ってると、必要な道具が売ってないという状態を招きかねんので、定番品を買っておけっていうことが、釣り具市場が縮小しつつある現状では自衛策として必要なのかなと思ったりしてます。

 ぶっちゃけルアーの世界なんて、オリジナルが手に入りやすくて性能もそこそこまとまっていてっていうか、変にいじくって差別化を図ろうとした後発品というかパクリモノより完成度が高くて、定番品こそ釣れるルアーだと思っている。水面直下を攻めるシーバス用リップレスミノーが元祖「コモモ」シリーズ以外に必要性があるとは正直思えない。他はみんな劣化コピーにしか見えん。ワシ、ベーシックなルアーはプラドコ製のアメルアが安いし手に入りやすくて好きだけど、釣る能力においてけったいな釣書のついたメイドインジャパンが勝ってる点って、釣果に差が出るほどあるのかね?って常に疑問に思っている。典型例がノイジーで、ジタバグとクレイジークロウラー以外のパクリモノを選択する必要性、理由って、見た目が面白いからとか除けばないでしょ?100年からの歴史をもつ元祖達からいったいナニが進化したっていうのか?全く理解できない。まあ基本が良くできてるからパクったルアーでも魚は釣れるだろうけど、ポッと出て来て、気づくと消えているようでは、実弾の補充に支障が出る。

 悪いことは言わないので、オリジナルをどうせ超えてこない程度の、へんな後出しパクリモノなど買わずにド定番の元祖なのを買っておいた方が後々面倒がなくて良いと思う。まあ、金があれば買って釣り具業界の”発展”はもうしないんだろうけど”延命”に寄与してやれば良いけど、それもむなしい気がする。

 定番品で、ワシが他に思いつくお世話になってるモノとしてては、ダイワ「リールオイルⅡ」とクレハ「シーガー」ブランドのフロロハリスで、「リールオイルⅡ」に関しては初代から愛用しているので、もう何10年というつき合いで、品質確かで安定していて、かつなんか便利そうなスプレー方式でないのがポイント高い。スプレー方式だと機内持ち込みに制限がかかるとかがあって面倒。手前のオレンジ黒のチューブのが初代でジ様世代には懐かしいのではないだろうか。ダイワはこういう安い定番品に良いのが多くて、シーバス用にボビン巻きのナイロンライン「ジャストロン2号」を愛用しているのは以前から書いているところで、最安ではないにせよ最も信頼できると思って使い続けている。フロロのハリスは四の五の言わずにシーガーブランドのを使っておけって話で、フロロカーボンラインの老舗の積み上げてきた信頼と実績を考えればシーガーブランドはド定番ド本命だろう。これからもワシ、廃盤にならないかぎりリールオイルはダイワだし、フロロのハリスは単純に太さが欲しいときとかはデュエルの「漁師ハリス」とかも使うけど、普段使うようなフロロハリスはシーガーしか使う気はない。

 ということで、フライラインにおいてけちくさく安物を愛用していたことが多かったワシが、改めてド定番の「ウェットセル」を使ってみて、ド定番となるのには相応の理由と実績があり、定番品にハズレはないと改めて思ったので、ひとくさり書いてみました。出ては消える「新開発、高性能」な釣り具など、しょせんは”イロモノ”であり、定番品こそ釣り人が信頼するに足る性能を有していることを、長く愛され続けていることが証明していると思うのじゃ。

2025年3月8日土曜日

強いだけではよろしくない

 ドレッドノート級以上のバカどもは「パワーこそ力」と盲信しているふしがあるけど、強いだけでは使えねぇンである。なんの話かというと釣り具の話で、特に”釣りで大事なのはハリと糸”ってカリスマ釣り師であるワシが口を”はしり”の柑橘のごとく酸っぱくして言ってる、そのハリと糸を中心とした釣り具の話である。ナニも分かってない弩級以上のバカどもは心して読むように。違いの分かる貴兄らにおかれましては、釈迦に説法ではありますが、ウンウンと静かに頷きつつ読んでいただければ幸甚に存じます。

 ワシの最近のお気に入りフライフックは断然”世界のマルト”の「H260」という細軸のハリである。過去何度か紹介していて、ワシのカマス用主軸フライパターンの”オレンジチャーリー”はこれの3号に巻いたのが標準で、アピール力強化、大きなハリの”ハリ持ち”の良さを期待して5号に巻いたのも用意している。大きい方はタチウオでも活躍してくれている。もともとオレンジチャーリーは”がまかつ”の「波止カマス」とかで巻いてたんだけど、がまのハリはお高いのよ。でマルトだと軸長くて細軸系のってどれだろうと探して行き着いたのがこの「H260」、マルトブランドの(株)土肥富さんは、播州バリの伝統を受け継ぐメーカーの一つであり、そのハリは安いけど品質は大手のがまやらオーナーやらと比較しても何ら遜色はない。そして50本とかのまとめ売りしかないけどお安い。で、そのマルトの「H260」のナニが良いかというと、細軸ですぐに開いたり折れたりする弱さにこそ、このハリの真骨頂がある。根がかったときに開くか折れるかして、ほぼ回収できるのである。折れたら交換だけど、開いたのぐらいは手でギュッと戻せば使える。飲まれたときとかにペンチでつまんでこじると折れるので好かんという声もあるけど、ワシ飲まれたの外すのは上手で、ハリ折るようなことは無いので純粋に根掛かりの際の回収能力の高さ、いわゆる”環境性能”の高さを生かして釣りができている。そんな弱いハリで釣ってて開いてバラさないのかといえば、カマス・タチウオ程度ではまったく心配していない。引っこ抜いてもそれでハリが折れたことはなく、十分な強度だと思っている。ハリが開く要因としては、ハリがしっかり刺さってなくて針先だけ骨に刺さったような状態の時は相当な太軸でも開くぐらいで、ふところまでしっかり刺さってればそうそう簡単には開かない。細軸で貫通性能が良いH260はそういう視点で見るとしっかり刺さりやすいのでむしろハリを伸ばされたりは起きにくい設計と言えると思う。シーバスをカヤックで障害物際で釣ってたときには、市販のルアーに付いている初期状態のトリプルフックでは14ポンドナイロンで走らせずゴリ巻きとかすると、3本針の分針先が多くてどうしても貫通性能悪いので先っちょで刺さってるだけのことも多く、ガマの標準的なトリプルフックがクニャッと開いたりしたモノである。

 根掛かりで切れて海底にゴミを残すことを防止するためにハリを弱くしておくってのは、一つの方向性としてアリだと思っている。ただ、ハリを弱くしての根がかり対策は、さっきも書いたようにハリの掛かり方によって開くなりして回収できるか、しっかり掛かって外れないで切れるかかが違ってくるので、石とかコンクリ護岸に先だけ掛かってるなら回収できる率が高いだろうけど、ロープや沈木とかにふところまでガッチリ刺さってしまうと回収できずに切れてしまうだろう。

 で、ルアーとかならハリよりもスプリットリングを弱くしておくと、スプリットリングが開いて、錆びて朽ちるハリだけが水中に残るので根がかり時に生じるゴミが少なくて済む。このときに重要なのは、スプリットリングはほとんどの製品で○○キロ以上、とか△LB以上とか安全値も見越した数値で表示されているので、その数値以上に丈夫なことが多い。スプリットリングを一番弱いところにして、根がかった場合にハリとリングだけ犠牲にして回収できるようにするには、そのリングがどのぐらい引っ張り強度があるかを示すと共に、どれだけ負荷をかけると開いて伸びるのかも示して、ラインとドラグをリングが開いて壊れる負荷がかけられるような組み合わせにするといい理屈である。結局ドラグは後で締めれば良いのでラインがリングを壊すのに充分強ければ良いということになるだろう。っていう”何キロで壊れるかが示されている”スプリットリングがあると良いのにな、と釣り仲間との雑談で話題に上がったけど、スプリットリングなんて軽量小型で強力な方が良いってだけで選ばれているだろうから、どこもそんな「きちんと壊れる」製品など作らんだろうなという見方に落ち着いた。そこまで考える釣り人が少ないだろうから、売れンから作れん。まあ、やろうと思えばPEラインとかでリングの代わりに結んで瞬着でほつれないように留めるという方式で、どの太さをつかってどういう結び方なら、どの程度の負荷で切れるか、を試してっていう手もありそうだけど、安定性に不安があってかつ面倒くさい。

 いずれにせよ日本の標準的な釣り人はきちんと切れる壊れる性能など評価しないし、使いどころも分かってないだろう。なにしろ、日本初のIGFA規格のナイロンラインである「バリバス」シリーズを世に出した、モーリス社のそのバリバスブランドが最近商品の刷新があったようで、トローリング用やリーダー用には残ってるけど、普通にバス釣ったりシーバス釣ったりのルアーの釣り用に用意されたIGFA規格の道糸がカタログに見あたらないっていうていたらくなのである。別に多くの釣り人はJGFAに参加して記録申請するために12ポンド負荷でちゃんと切れる12ポンドラインなんて必要としていないだろうってのは承知している。ただ、品質が安定していて、例えば12ポンドでちゃんと切れるというようなラインは、道具やらもっというと太い糸になると体やらを壊さないために有用で、やったらめったら細いのに強度のあるラインで、その限界値が分かってないと、竿の破損やら腰や手首痛めたりっていう怪我やらに繋がりかねない。なのでなきゃ困るぐらいの製品だと思うけど売れないからカタログ落ちなんだろう。日本の釣り人の程度の低さが知れるというモノである。まあ、実際にどのぐらいで切れるのかを試しておけば良いんだろうけど、調べるまでもなく数値で切れる負荷強度が分かってれば楽に決まってくれて、ソコを一番弱い部分にしておけば失敗が少ない。具体的には、ワシのフライのリーダーは市販のテーパーリーダーじゃなく自分で結んだノッテッドリーダーを使ってるんだけど、これまで一番弱いところをフロロのハリスを接続する手前のナイロンの部分にしてバリバススーパーソフトとかの12LBを入れていた。これだと太軸のハリで伸びずに切れた時でも、そこで切れるので、リーダー全体をゴミにしたり、ましてや高額なフライラインそのものを痛めてしまうようなことがない構成になっている。基本フロロ4号をハリスとして、そことナイロン12LBの接続は外科医結びというやや弱い結びにしてソコが一番切れやすいようにしてある。ハリスがフロロの3号とかになると当然ハリスの部分で切れやすくなる。というリーダーの構成だったんだけど、12LBで切れるというラインがカタログにないので、とりあえずバス用のベーシックなやつの12LBを購入して、コイツが同じような切れかたしてくれるかおっかなびっくり試さなければならない。ダメなら10LBや8LBも試さねばならず8LBはいつもシーバス用の道糸に使ってるジャストロン2号が強すぎず弱すぎず安定した品質なのは分かってるので、2号か2.5号で色だけいつもの蛍光黄色じゃない透明とかにしてっていうのは有りかもしれない。いっそ伝統と実績の「アンデ」12LBでもボビンで買うか?

 強ければ良い、って思ってるとそこそこ大きい魚を狙い始めると怪我に繋がる。ワシ、根魚クランクを去年道具とか詰めていったときに、PE8号道糸の「力こそパワー」な道具立てもいちおう試したけど、どう考えてもデカいのが来たときに一番最初に破綻するのがワシの体だと思ったので、よっぽどの覚悟でのぞむ時には使うかもだけど、基本的には16ポンドナイロンを道糸にしてリーダーを長く強くした仕掛けの構成にして、巻モノなのでナイロンでアタリ弾かないようにっていうのと同時に、16ポンドでどうもならんのが掛かってしまったら切れて、ワシの体が壊れないようにという安全装置としても働くように組んだつもりである。弩級以上のヘッタクソが細い糸を使うなというのは以前書いたけど、逆に太すぎる糸も、相応の技術と筋力が求められる話なので、これまた弩級以上が手を出して良いモノではない。怪我して痛い目に遭うのは自分だろうけど、弩級以上がデカいの掛ける可能性がある釣りって遊漁船の船長に”釣らせてもらう”釣りぐらいだろうから、船側に迷惑が掛かる。大怪我でもしたら釣り中止して病院搬送せねばならず、同船者にも迷惑掛ける。弩級以上にナニ言っても聞かないかもだけど、設定ドラグ値相当のオモリを実際にぶら下げて10分20分耐えられなければ、実際の釣りでもどうにかできる道理がないので、そのぐらいは試しておくべきだけど、弩級やらがやるとは思えん。

 ということで、ハリでも糸でも、強いことは求められがちだけど、実際には良い塩梅で壊れたり切れたりしてくれないと困る場面って色々あって、強けりゃ良いとは単純にはいかないのである。このへんになると、そこそこ分かってる人間じゃないと理解できない話だと思うので、釣りが上手になりたいと思っている人は、これまで意識してなかったのなら意識しておいて損はないと思う。弩級以上の輩には、これまた適当な太さのナイロンなら、太いPEほどの怪我するような強さはないので、80ポンド以上のPEとか、おまえらにそういうのは扱いきれんから適当なナイロンラインを使っておけって話である。どうしても太いPEが必須ならそんな釣りには手を出すな。

 なんというか、ラインで規格もナニもないなかで「ウチの製品が最強です!(当社比)」って言われたところで選びようがないってのもこれあり、細くて強いラインは引っ張り強度が強いだけで耐摩耗性とか弱かったりで、結局は自分で釣り場で試さなければ、どのぐらい使えるか、どういう特徴、利点欠点があるかは分からんので、せめて切れるときの上限数値が分かるIGFA規格のラインぐらいどこのメーカーでも商品として用意してほしいものである。じゃないと結局ワシがスピニングに巻く道糸として2号ナイロンはダイワ「ジャストロン」、1号ナイロンはレグロン「ワールドプレミア」(表示的には0.8号)を使い続けているように、いつものラインしか買えない。ダイワはこういう安くて品質の良い定番品を長く提供してくれる点ではとても良いメーカーだと思う(ジャストロン多分一回マイナーチェンジしてると思うけど使い勝手それほど変わらず円滑に移行できた。)。

 っていうなかで、規格もクソもグッチャグチャでペテンだらけでムカつくのがフライの世界で、とあるショップの自社ブランドのティペット(ハリス)の宣伝で「シーガーGMと結ぶとGMが切れる、ウチのティペットの方が強いんです!」って訴えられそうな事書いてて、そりゃ今時のナイロンラインが引っ張り強度でフロロの1.5倍からあるのはあたりまえで、それがどうしたって話ではあるけど、引っ張り強度があれば「力こそパワー」と考えてる浅はかさも反吐が出るぐらい気色悪かったし、アホを引っかけるペテンぶりも頭にきた。そりゃヘラみたいな歯がノドの咽頭歯しかない魚釣るなら引っ張り強度重視でナイロンハリスが第一選択だろうけど、あんたらが特別視するマスって口に歯がありまっせ!耐摩耗性とか含め総合点で評価すれば、間違いなくそのインチキなナイロンティペットより信頼と実績のシーガーが勝つと試すまでもなく分かる。恥を知れって話である。GMまでもってこんでもACEぐらい出しときゃ勝てるだろ。

 そんなインチキや詐欺、ペテンばっかりで、釣りの本質である”魚を釣ること”になかなかたどり着けないので、フライフィッシングは一時的に流行っても釣り人が定着しないんだろうと思う。その衰退していくフライの市場にコロナのときのアウトドアバブルが弾けて痛い目にあったスノーピークが参入するとかいう話だけど、勝算あるのかね?っていう縮小しまくりのフライ市場では、昔も書いたけど、少ない客を取り合いつつ、細かく細分化していって、ありとあらゆるペテンが行われ信者からお布施を巻き上げる”カルト化”が顕著である。バックスペースが少なくてすむ投げ方ってのは確かに魅力だけど、やれスペイだスカンジナビアだスカジットだ、そのシングル版だと細分化して道具もそれ用に買わせようとしてるのを見てると、そんなに楽に投げたきゃスピニングタックルでルアーでも投げとけって正直思ってしまう。一切そのあたり触りたくない世界。

 で、一切そのあたり触らなくても、普通にシングルハンドのフライロッドでフライ投げてるだけでも、よほど注意してないと騙される。最近も騙された。フライラインとかロッドも例えば今ワシが海で使ってるのは”#8”っていうように、AFTMA規格っていう統一規格があったハズである。ところがこれが、竿は良く飛びますって言うために規格以上に強い調子のを売りやがるし、ラインもそれにあわせたり他社と差別化を図るために規格を無視してて、事実上AFTMA規格が崩壊しているのは以前にも紹介したとおり。そんな中で、今回ワシが騙されたのはエアフロ社の「デルタテーパー」シリーズの#8/9指定のタイプⅤシンキングライン。まあ、表示より絶対重いし早く沈むってのはもう、ある程度覚悟もしてたので驚きもしなかったし騙されたウチに数えてない。ただ、デルタテーパーのフライラインは今主流の芯が編み糸系のものではなく、短繊維ナイロンの芯のようで、根がかり切ったりデカいのかけたりで芯が伸びると、コーティングの部分がそれについていけずにひび割れてしまうとは聞いていた。聞いていたけど、準備している段階でネイルノットでリーダー接続しようとしたらコーティングがグズグズと剥がれてしまい、先っぽコーティング剥がして輪っか作ってリーダー接続せざるを得なかった。「こんなんで大丈夫なのか?」と心配しつつ実際に使ってみたら大丈夫ではなかった。もう先っちょのほうからコーティングぐずぐずに剥がれるのは進行止まらず。投げるときに行き来するあたりのコーティングも一部剥げている。こんなもん使いモノになるかよ?箱にも入ってないバッタ臭い安売り品だったけど、さすがにこれは製品の品質としてどうなのよと、エアフロのフライラインの評判をネット検索してみたけど、それほど悪い評価は出て来なかった。ただ、なぜここまでグズグズなフライラインなのかという原因らしきモノは概ね理解できた。エアフロのフライラインでシンキングの一部はコーティングが特殊なようである。普通は防水バックとかにも使われるポリ塩化ビニル(PVC)、いわゆる”塩ビ”で、パイプとかに使われる硬質なのじゃない軟質のものらしいけど、デルタテーパーのシンキングラインはしなやかさとか伸びとかを重視して、合成皮革として使われたりするポリウレタンを用いているようだ。このポリウレタン、軟質塩ビ樹脂が養生シートに使われてるぐらいに丈夫で耐候性もあるのに対し、経時劣化が早くて衣類に使われた場合、製品化後は2~3年で劣化してボロボロになってしまうらしい。そんなもん消費期限付けずに売るなや詐欺野郎って話で、買った時点でどのぐらい時間経ってたのか知らんけど、ウチの蔵にあった期間だけでも2年は経ってて、そらグズグズボロボロも頷ける。フライマンって多くは流行ってるときに参入して、釣れないから2年も経たずに撤退するから悪評もたたんかったのかもだけど、こんなもん二度と買うかって話である。フライマンの皆さんエアフロのシンキングライン買う場合素材がポリウレタンを謳ってるなら消費期限2年ぐらいで考えておいたほうが良さそうでっせ。 

 っていうナニを信じて良いのか、嘘やらペテンやらオカルトやらの魑魅魍魎が跋扈するフライの世界で、それでも信じられるモノを最後ご紹介しておきたい。

 ナニかというと”ウーリーバッカー黒”である。ウーリーバッカーは頼りになる、ってのは”自称カリスマ釣り師”であるソレナリフライマンのワシが言い出したわけじゃなくて、本物の達人でカリスマだったテツ西山氏が著書で力説してたので信用していただきたい。通常は管釣りのマスにでも使う印象だけど、天然の湖で効くのはもちろん、河川ではフックサイズ上げてダンベルアイで沈めてスチールヘッドとかサケ系にも効いたし、変わったところでは夜釣りのブラウントラウトにも卓効があったとか。というのを知識として知ってたので、ニュージーランドにワーキングホリデーという名の武者修行にでる元同居人には各種使えそうなフライの中に黒のウーリーバッカーを混ぜて持たせておいた。夜釣りする機会があったら使えと。結果地元釣り師に誘われて出かけたブラウン狙いの夜釣りでその日唯一のブラウンをゲット。地元釣り師に「どんなフライで釣ったんだ?」と聞かれて、黒ウーリーを見せたところ「なんじゃこりゃ?」と首をひねられたそうである。で、ワシも何年か前に、カマス釣るのに見えてるのに食ってこない場面があって、Oニーサンはじめ皆で悶絶してるときに、ワシ黒ウーリーが効くのを見つけてコンスタントに掛けて「どんなフライで釣ったんだ?」と聞かれて、黒のウーリーバッカーと答えて現物見せたところ、これまた首をひねられたものである。ワシ、基本淡水の魚が釣れるルアーなりフライなら、海でも釣れると思ってて、海でバスルアーとか普通に使うし、管釣りフライの印象のあるウーリーバッカーも、マスが釣れて一字違いのカマスが釣れン理由がない、と思って普通に使う。棲んでる水が甘かろうがしょっぱかろうが、小魚やら小さな節足動物やら食ってるって点では同じ捕食者なので、同じフライで釣れてあたりまえ。とはいえマスとカマスでは一字違い以上に違うところもあってカマス用に改良してはいる。端的に言ってカマスの歯がきついので、通常の素材構成だとまずは尻尾がすぐ切られてなくなる、そしてグルグルとボディーに巻いたハックル(鶏の首の蓑毛)も切られてビヨーんとグルグルが外れてしまう。なので主に歯対策で、尻尾を強化し、ハックルは歯があたりにくい前の方だけに集中して巻くような形にしている。形状的にはむしろウイングケースなしにしたモンタナニンフ風だけど、ウーリーバッカーを魔改良していったものなので、あくまでもワシの中ではウーリーバッカーという整理である。尻尾はテツ西山御大はラビットファーゾンカーを使うと柔らかい動きのまま丈夫にできると書いてたけど、マラブーより丈夫ってだけですぐ刈り込まれてしまう。フライのウイング材に使うようなモノは一般的なクラフトファーやらズィーロン、一番太いだろうスーパーヘアーも試したけど、結局カマスの歯に刈り込まれていくのは避けられない。他に黒の素材で丈夫なモノってないかと考えて、PEならだいぶ強いはずと考えたけど蔵に黒がなかった。でもポリエチレンの補修糸があることを思い出して、これを使ってみたらかなり耐久性が上がった。一緒に束ねてる銀のフラッシャブーが刈り取られきってもまだ尻尾としての体裁は保てている。これ以上となるとケブラー繊維とかになるけど、まあそこまでやらなくても十分な感触である。あとはハックルを前の方にグルグルと巻いて、それを上からスレッドで巻いて強化してってやっておけば、かなり丈夫な黒のウーリーバッカーができあがる。最初ハリはマルトのジグヘッド用のハリがフックを針先上でバランスさせやすいので使ってたけど、今年カマスシーズン終盤戦で障害物周りで使いたいという状況が生じてたので、今は前述のH260を使ってる。ユックリ沈むか漂うかぐらいのバランスにするために小さいチェーンボールアイ付き。これがなぜか、食いの悪いカマスに効果があるというか、アタルけど掛からん悶絶時合いに切り札として切ると、なんか掛かりが良くて、食い込みが良いように感じるのである。ハックルがほどけてしまうとアタリ激減するので、ハックルに秘密があるんじゃないかとちょっと思ってて、ハックルがアミとか小エビとかの小型甲殻類の足とかヒゲとかの感触を再現していて、咥えたときに吐き出すまでの時間が稼げるとかがあるのかな?と都合の良い妄想をしている。色を茶色緑とか試しても釣れたので、やっぱり効いてるのはハックル説を信じたくなる。ウーリーバッカーのような、特定の生物を模してないけど、なんか生き物っぽさを感じさせ、かつルアー的な強さもあるフライは、魚種や場所が変わっても、それなりに普遍的に効くのかなとおもっちょりマス。普通に釣れてる時は、どちらかというと地味なフライなのでアピール力のあるオレンジチャーリーに負けるだろうし、いつも効くとも限らないけど、食いが渋く居るのは分かってるのに掛けきらない悶絶時の頼りになる切り札である。強いゼ黒ウーリ-!

 まあいろんな事書いたけど、素材の進歩で釣り具は、中でもラインは特に強くなっていくけど、本当に必要な強さはどの程度で、強さ以外の要素も踏まえて自分の釣りに必要なものは一体どれなのか、強ければそれでいいんだ~(byタイガーマスク)ってことでは決してなくて、適切なモノを選ばなければならない。そのときに選択肢と人を惑わせるクソ情報が多すぎる今の状況は、かえって正しい選択にたどり着きにくいと感じているので、皆様も、不必要なまでの強さを求めて失敗しないように、全体的な総合評価でご自身の道具に求める性能を評価して、釣り具を選んでみてください。いまラインでギリギリの強度を使わねばならない”引っ張り強度こそ正義”な釣りって、大型回遊魚狙うような力業のいる釣りと、極細い糸の操作性を使う超ライトラインの釣りぐらいで、その中間にあるような釣りでは、いろんな選択肢がとりえて、多少弱くても余裕取っておくのが容易なので、トラブルの少なさに振りたいとかの選り好みができる状況だと思っている。その中で、アホみたいに太さあたりの引っ張り強度に振りまくってて扱いにくいところも多いPEラインを選択する必要が、あなたの釣りにおいて必要なのか、最適なのか、もう一度最初から組み上げるつもりで考えて点検してみると良いと老婆心ながら思っているところ。まあ、ナイロンで済むところはナイロンにしておいた方が、トラブル少なくて使いやすいですよっていう、いつも書いてるジジイの繰り言である。ようするにワシゃカリスマ釣り師として皆さんに「PEじゃなきゃ困る場面以外ではナイロンの方が使いやすい」ということを啓発していきたいなと、おもっちょりマス。

2025年2月15日土曜日

責任者出てこい(ワシらにも責任がある)

 超弩級の”ド”ってなんじゃラホイ、っていう話は、マンガアニメオタクやら軍事オタクなら当然知っているだろう。意外とこの言葉新しくて第二次世界大戦ぐらいから使われるようになった言葉のはずで、戦艦とかの大きさを示すのに代表的なその後の基準となったような艦名を冠して、例えば現役だと潜水艦だけど”オハイヨ級”原潜なんて呼称する。ってのが軍事モノマンガとかでは良く出てくるのでオタク諸兄にはおなじみであろう。で超弩級に話戻すと、もともとは1900年初頭に斬新な設計で革新的な大型戦艦として生まれたイギリスの「ドレッドノート(戦艦)」に由来し、元々は「大型の」「強力な」戦艦というのを表す言葉として「ドレッドノート級戦艦」というのを略して「弩級戦艦」という感じで使われていた。それが、大艦巨砲主義な大日本帝国の大本営発表とかで、「大和」やら「武蔵」のような”超弩級戦艦”と呼ばれる戦艦の登場を経て、弩級という言葉が戦艦以外にも適用されるようになり、今日のように「ず抜けてすごい」というような意味の形容詞的に使われるようになっているのである。漢字も良い感じにあてがわれていて、横文字略称カタカナ語好きな今時のアホどもに爪の垢でも煎じずそのままででも飲ませてやりたいぐらいだ。

 なんの話をしようとしているかというと、釣り場で見かけた超ドレッドノート級のヘッタクソについてご紹介しようと思ってるんだけど、そのネタを釣り仲間に話したときに「ドレッドノートってなんぞ?」という素朴な質問をいただいたので、先に説明しておいた方が良いのかなと、枕でご説明させていただいたところである。

 休日の漁港にはなかなかにすざまじい弩級、超弩級の輩どもがやってくる。平日の釣り場は、釣れてれば多少混雑するし「ワシへったくそで真っ直ぐ投げれんときあるけどゴメンな」というオッちゃんもいるけど、まあそういう挨拶してくれればこちらはソレナリに上手なのでタイミングなりコースなり工夫して避けてやれば良いだけで、混雑してもみんな和気藹々とした中で秩序立って釣りでができることが多い。カマスとか本職の漁師さんも船降りて参入するので狭い範囲でミッチリ並んで釣ってることも多いけど、本職の人たちはオマツリしないように上手に投げるし、取り込みも横に走られることなく一気に浮かせて水面滑らせるようにバシャバシャさせながら寄せてて淀みなく”操業”していて感心する。
 一方休日の釣り場はというと、もう混沌というか何でもありというか、そもそもナニを釣りたいのかナニがしたいのか分からん勢も多く、まずカマス釣れてる時期の釣れてる釣り場にやってきて、釣りを始める前に暗い中海面をヘッドランプで照らすヤツからして頭にくる。カマス沈むか散る。戦国武将じゃないんだから、今からハリ掛けてぶっ殺そうとする相手にわざわざ宣戦布告するようなことをする意味はなんなのか?常々疑問に思うけど意外に多い。ワシ、ルアーとかで探り入れてる状況ならまず水辺に接近する前に離れた位置から1、2投してから水辺に寄るし、バケツに水汲むのも釣り座から離れた場所でなるべく汲むようにしている。釣り座の足下に魚が居ることはむしろ多いぐらいで、その足下にいる魚たちをまず蹴散らしてから釣るのは、周辺に居る魚の群れ全体に警戒心を与えるだけの愚行としか思えない。バカかホントに。

 っていう休日の漁港で先日見た超ドレッドノート級のヘッタクソは、カマスが足下近くで小魚追ってバシャバシャし始めて、当然の如く良い位置に釣り座構えてたワシの真横に挨拶もなしに入って投げ始めたのにもややイラッとさせられたけど、驚いたのはその後の釣技で、さすがのワシも初めて見る代物だった。ワシも好機到来でサクサク釣ってる横で、輩もアジングタックルみたいな道具でちっこいワーム投げて掛けたんだけど、寄せてきて潮位も低かったので護岸の上と海面がちょっと離れてる状態で、引っこ抜くのにドラグが滑って失敗して揚げ損なった。まあアジ釣るつもりでドラグゆるゆるだったら緊急発進で想定外のカマス掛けてテンパってそうなっても不思議じゃない。ありがちなことではあるだろう。でも再度おんなじことをやって再度失敗するのはどういう頭の悪さなのかはなはだ疑問である。そして、失敗した結果、カマスが護岸の壁面でビチビチと暴れてて巻いてもドラグが滑るだけで上がってこないという状況におちいって、超弩級の輩が次に繰り出した技がワシのド肝を抜いてくれた。多分最適解は”スプールを左手で押さえて引っこ抜く”で、次点でドラグを締め直す、大穴で他人に助けを求めるぐらいだろう。輩はそのどれも選択しなかった。ビチビチ中途半端な位置で暴れてる魚を引っ張り上げるために、アジング用で細いだろうラインが護岸の角に擦れるのもかまわずそのまま後ずさりしやがった。砂浜で竿とかラインの角度を保ったまま”エビバック”はラインの張りとかの変化が少なく円滑に魚を陸揚げできるので使える釣技だけど、細いラインをコンクリの角で擦ったらアカンだろ?当然の如くラインが切れてサヨウナラ。あまりの出来事にワシも驚いて、ほっときゃ良いのに「スプール手で握ってドラグ滑らんようにして抜き上げれば良いだけとちゃうの?」といらん一言で追い打ちをかけてしまった。休日の人気釣り場は恐ろしい。こういう超弩級も出没するのである。

 まあそこまでの超弩級は少ないにしても、弩級のヘッタクソ程度は珍しくもない。
 まずは、なぜどんな情報に基づいて、その釣り場に来ているのか皆目見当がつかないってのが不気味である。全く釣れてない釣り場にいきなり人山が立ったりする。まだ先週釣れていたとかなら週遅れの情報で来てるんだろうなと推定もできるけど、そういう理由が透けて見えることが少なく全く読めないことが多い。先週アジよく釣れてたら今週末は混むだろうなと思っても、天気も良いのにがら空きの時もあったりして、ホント謎である。釣具屋やらネットの釣れてる情報とか、全くアテにならないし、そんな誰でも手に入る情報で動いても混雑するスレた釣り場でやな気分になるだけだけど、弩級の輩どもはどうも混雑していないと不安に思うような気配すらある。これは平日でもある程度あって、いつも上手い人が入る釣り座のあたりは混雑する。その上手い人当人に聞くと「どこでも一緒だけど魚を車に運ぶのが楽」って程度の理由で釣り座を選んでたりする。場所が良ければ釣れると思うというか、釣れてる釣り座にすり寄りたくなる心理は多くの釣り人に共通するようだ。ワシ今の時期フライロッド振ってるのが多いので、後ろに人があまり通らない”端席”がお好みだけど、割と人気がない釣り座なおかげで確保しやすい。けどちゃんと釣れる。釣れてるとやたらと近寄ってくる釣り人はむしろ首都圏とかの釣り場で多かった印象で、ツーテンの虎ファンさんは「いつも混雑してる管釣りのマスから入る人が増えて、そういう釣り人は距離感がおかしいんじゃないか?」と分析していたけど、管釣りなんて存在しないような紀伊半島の港町でも距離感おかしい輩は湧くので、なんなんだろうなと思う。関西圏名古屋圏から来てる人か?
 ナニ情報が元になってるのか分からん話で超弩級だったのは、しばらくなんにも釣れてなさげな護岸に、どう見てもワームで根魚狙ってる様な弩級どもがいきなり降って湧いたように並んだ事例で、根魚で並ぶってのがどうにも理解できずにどう解釈して良いのか理解に苦しんだ。根魚基本的には居たら食ってくる系の魚で、すぐに食ってこないぐらいスレてるなら相当な腕前じゃなきゃ釣れんはずで弩級じゃ無理っていうか、なかなかに上手いはずのワシでも無理。同じ場所で粘るのも人山が立ってる釣り場を選択するのもワシにとってはあり得ないぐらいに不可解な状況だった。根魚なんてのは情報が出てくるような場所やら釣り方とかは一切無視しなければ釣れないとワシなんて思ってるくらいだけど、どうなのよ?

 で、そういう釣れてれば寄ってくるような、ナニが釣りたいのかナニが釣れてるのかも分かってないような弩級の輩どもが釣り場に増えると、まず困るのがトラブルの増加で、ライン放出をフェザリングして糸が吹けないようにするなんて基本ができてないから弩級なわけで、風が吹けば吹けたラインがワシの前までやってくるので輩が巻き始めて糸ふけが回収されるまで投げられん。単純に邪魔。ナニが釣りたいのか釣れてるのかも分かってないので、休日の釣り場で竿何本も展開しくさるのもいて、”釣りっぽいナニカ”をエンジョイしたいだけで真面目に釣る気がないなら邪魔にならんところに行ってくれってホント思う。ナニをエラそうにと思うかもだけど、釣れてる釣り場のよく釣れる釣り座が弩級の輩に潰されて無駄になってるのは実際に目にすると皆さんが思うよりも精神衛生上良くない。前々から繰り返し言ってるけど、ルアーマンで竿何本もさした”箱”を持ち歩いてる輩には、あの箱を捨てろと強く進言する。あれ最初はクーラー兼用だと思ってたけど、クーラーではなく道具箱だと知ったときのワシの受けた衝撃たるや、漁港でアジやら釣るのになぜあんな道具箱に入れて運ばにゃならんほどに道具が必要なのか?ウエストポーチなりなんなら上着のポケットに入る程度の道具で軽快に足を使って活性の高い魚を探し回れるのがルアーの長所だろ?それを完全にダメにして、竿2本も3本も持ち込んで、釣るべき魚が絞れていない云々の前に、見ててもせいぜいワームの色変えるとかジグヘッドの重さ変えるぐらいしかしてないのに、なにをやってるのかやりたいのかてんで分からない。釣具屋の広告に騙されたバカにしか見えない。で、やつらの行動を見るともなしに見ていてイラッイラさせられるのが、準備がとろくさいということで、ワシが延べ竿でアジ釣ってる後ろに車が止まってなんか釣り人がやってきたなと思って、近くで釣られるとうっとうしいなと思ってると、いつまで経っても釣り始めない。ルアーで釣りするのになににそんなに準備に時間が掛かる?竿出してリール付けてルアー結ぶだけだろ?なんか出撃前の儀式とかしてるのか?そうだとしても、たまにしか釣れない貴重な釣れた魚を全部憶えてて、その魚たちすべてを思い出しつつ鎮魂の祈りを捧げてるぐらいしないとそんなに時間くわんだろ?ってぐらいモタクサしてて、そりゃ場合によっては一刻をあらそう時合いに到底間に合わんだろうって話。ワシ、ルアーなら釣り場に着いたらすぐ釣り始められるように、リールセットしてスナップまで結んで自転車で運ぶ。車で釣りに行ってたときも一緒。釣り場でルアーの包装を捨ててく輩がいるけど、釣り場でそんな「家でやっとけ!」な準備してる輩の腕などおして知るべしだと思っている。

 で、混んでる釣り場以外でやってくれって話ではあるけど、それだけで話がすまないのが弩級の弩級たるところで、ワシと直接交わることのない輩どもが大いにワシに迷惑をかけやがる。まあ皆様ご存じのゴミの問題である。まったく釣り場にゴミを捨てていく輩の考えていることは理解できない。ワシの周りにいる釣り仲間でゴミを捨てるような輩は居ないので聞きようもないし、時合い外してワシが朝まずめ釣った後の釣り場や、ワシが夕まずめで出勤する前の釣り場で釣ってるようでもあり、そら釣れンだろうなって話だけど、さすがに今の今まで釣ってましたっていうハリに活きの良いゴカイがうねってる仕掛けとかがそのまま捨てられているのとかを見ると、ホントに暗澹たる気持ちになる。近所漁港はよく釣れる釣り場だと思うけど、それでも時合いを逃せば釣れる魚など居ない。見事に時合いを外すそのマヌケ加減には恐れ入る。奴らはいったいなんなのか、ケン一は「親のしつけのレベル」と吐き捨てて、Oニーサンは「センスの問題」と切り捨てたけど、なるほどそのどちらでもありそうだと納得する。加えてワシ的には想像力の欠如、もっというなら”頭の悪さ”もあるだろうと思っている。ゴミ捨てれば一番端的に近い将来に起こるだろうことは、釣り場に「釣り禁止」の看板が立って釣りができなくなることで、それぐらい想像しろってはなしだけど輩どもは弩級のバカなのでそれが分からない。そして釣り禁止になっても別に場所を変えれば良いぐらいにしか思ってなさそうで、他の釣り人に多大な迷惑を掛けることには考えがおよんでないだろうし、分かったとしたところで屁とも思わないバカどもなんだろうと思う。ましてやハリの付いた仕掛けなんぞは、漁港を職場とする漁師さんの邪魔になったり、鳥の命を奪ったりっていうのは、バカに想像できるとは思えない。ほんとそういうバカに生まれなくて良かったと胸をなで下ろすところである。何度も書くけど、結構難しいことも考えないと魚釣りって魚が釣れなくてつまらない、極端なことを言うとバカでは楽しめない遊びである。何でもそうなんだろうけど、バカに生まれてしまえば人生罰ゲームみたいなもんである。心底馬鹿にしてるけど、哀れにも思う。バカだから釣具屋に騙されて、やたら細っそいラインをフェザリングもまともにできないので絡ませて、あげくその場に捨てていく。冒頭写真のような絡まった細糸をイヤと言うほど拾わされている。PEの細糸も、ナイロンやらエステルの細糸も弩級のヘッタクソが使ってどうにかできるような代物ではない。ヘッタクソ用にラインが絡まずトラブル少なくなるような道具をメーカー様は作ってくれているけど、限度っていうモノがあって弩級まではどうもならん。糸巻き量を少なめに巻いてスピールエッジにアタる角度をキツ目にするっていうのは万能に近い対策だけど、輩どもが知ってるとも思えないし調べるとも思えない。これ読んだ人は知っておいて欲しいけど、当ブログの読者様なら既にご存じだろうって話で必要な輩に届かないだろうことがもどかしい。

 っていうのとあわせて、そういうバカな道具を素人に売りつける釣具屋やらメーカーにも責任の一端はあると思う。バカが買うから売るのであって、第一に責任があるのはバカな輩どもだとは思う、思うけど素人にはソレナリの太さのナイロンラインを奨めてやってくれと心底思う。それで防げるトラブルはいっぱいあって、ソレナリの太さのナイロンラインで釣れる魚もいくらでもいる。なのに細糸でないと釣れないような初心者の不安を煽る売り方をして、あげく釣れなくてすぐやめてしまうような弩級・超弩級の輩を縮小再生産するに甘んじて釣り人口の減少に拍車を掛けて、ゴミを出す原因を作って釣り場を減らすのに荷担してどうするって話。
 
 ある日カマスが釣れてる釣り場で、横に入ったオッちゃんが一匹釣ったあと、ライントラブル発生で苦労してほどこうとしていた。せっかく釣れてるのにさっさと釣りに復帰しないと、時合い意外と短くて終わってしまうの分かってないなと思って「ハサミあるから切って結び直した方が早いですよ」と助言してあげた。隣に入るときに挨拶してもらってたし、そのぐらいは袖触れ合うも多生の縁で助けてあげても良いだろう。まあ挨拶大事って話である。ところがオッちゃんは「切ると結び直せないのでなんとかほどきます」と言っている。イヤイヤ結べなかったら釣りしてて困るだろ?って思うけど初心者らしいので、面倒くせぇPEとリーダーの結び方とか難しいんだろうなと思いつつ、まあ結び方も知らないと釣り場で困るというのを学ぶのも大事かなと、頑張って時合い続いてるうちにほどいてくれと見捨てることにした。だがしかしこれが、よく釣れてる日でワシが水揚げ目標の干物用12匹を確保して時合いの続いてる中帰ろうかという段階になっても、まだオッちゃん絡んだラインと格闘している。そのまま放置して帰ったとしてもワシにはなんの責任もないはずである。であるけど、釣れる日の釣れる釣り場のまさに時合いドンピシャに来てるのに一匹釣っただけで終わりというのはあまりにも不憫で「私が結び直してあげるからハサミで切ってほどいて早く釣りましょう」と言ってしまった。ワシ自分で言うのもなんだけど、善良な人間ではない。ブログの攻撃的な物言いやら汚い言葉やら読めばおわかりかと思う。でも、だからといって正しい人になって良き行いをしたいと思いもしないほどの、精神構造に欠陥を抱えた人間でもないつもりである。釣り人としても先人や釣り仲間たちから釣り場にかぎらず数限りなく良い施しを受けてきた恩も感じている。その”神聖な負債”をちょっとでも返せるモノなら返したいと、つい出来心で言ってしまった。らしくねぇなと思わんでもない。聞けば子供の頃釣りしたことはあるけど、ほぼ初心者でカマス釣りたいと言って、店員の奨めるままに道具を買ってラインも巻いてもらってリーダーも結んでもらったそうである。初心者に結べもせんPEラインをスプールの端までキッチリ巻いて売りつけてくれるなよ。頼むぜ釣具屋の店員さん。それでその時ナイロンラインより多少値の張るPEラインが売れたとして、そうやって初心者が扱いにくい道具で釣り場でライン絡めて釣りにならなくなったら、その人がまた釣りに行こうってなるかって話で、道具中古屋にでも売っぱらって二度と釣り具や餌を買いに来ることはないのと違うのか?もっと丁寧に上客である、弩級・超弩級じゃないまっとうな釣り人を育てなきゃ商売ジリ貧なのは分からんかね?オッちゃんには「糸巻くところの端まで巻くとドバッと糸が出て絡みやすいからある程度糸抜いて使うと良いですよ、結びやすいナイロンラインを巻いてもらうともっと使いやすいですよ」とアドバイスしつつ、苦労して2人がかりでバチバチ切りつつ絡んだラインを処理してワシがSFノットで結び直して、オッちゃん釣りに復帰したのを確認して帰路についた。

 もしかすると店員自体がメーカーや釣りメディアの垂れ流すおかしな情報に洗脳されててよかれと思ってやってることなのかもしれない。そういうアホな釣り業界の流れを放置して今の有様にしているのは、我々釣り人全員の責任と言うこともできるかもしれん。分解整備できない、水に浸かったら困るクソみたいな道具がもてはやされるのを放置しているバカな釣り人の責任は重い。それを止められないワシのような自称玄人の釣り人も連帯責任で同罪だと思う。だから責任感じてワシは精一杯、くっだらねえ道具を馬鹿にするし、ゴミを捨ててくような恥ずかしい輩どもを口汚くののしるのである。まあ単純に頭にきて憂さはらしてるってのもあるにしてもだ。

 まあ、きったねえ言葉を連ねるだけでは建設的ではないので、繰り返しになる部分も多いけど、いくつか釣り人達に自身が弩級・超弩級にならないように気をつけた方が良いことなどアドバイスしておきたい。

 一つ、アジ釣り舐めるな!
 ほんと、アジぐらいコマセサビキで簡単に釣れると安易に考えてる釣り人のなんと多いことか、サビキって要するにルアーでっせ、疑似餌に食ってくる活性のある時間やら日って意外に少なくて、活性の良い日にアタればコマセサビキの爆発力はすごいモノがあるけど、ほとんどの日は夕まずめとかにチョロッと釣れて終わりである。毎日コンスタントに釣る名人のオバちゃんとか居るけど、それは毎日通って釣り座も誘い方も最適化している熟練の技でこそなせる釣りであり、たまの休みに釣りでもエンジョイ勢が爆釣できる日など年に10日もあるだろうかぐらいの感覚である。ましてやアジングやおやって話で、近所漁港ではそもそもカマスと一緒に港外から入ってきたような群れ以外、夏に豆アジで入ってきてから”主食コマセ”でコマセに学習しきってるので、動きで誘うワームとかでは釣りがほぼ成立し得ない。アジングするなら天然の良港みたいな湾奥の釣り場じゃなくて外海に面したような釣り場を選べって話である。で、じゃあどうすれば良いのっていえば常々しつこく繰り返しているように”延べアジ”である。釣れてる時の爆発力でこそサビキに遅れをとるけど、手堅さにおいて延べアジに勝るモノはないといいきれる。まあゆうてもワシの延べアジの技も4年も5年もかけてクンフー積んだわけで、最初はマズメ時になんとか4,5匹釣れる程度から始めて、コマセも仕掛けも改良して、フグを味方につけてと、日々進化させてるけど、逆に言うと延べアジなら最初から4、5匹は釣れるぐらい堅いのである。4、5匹でも釣れれば、次さらにどうすれば良いかのとっかかりになるので、ハズすとまったくどうにもならないサビキより手が進みやすい。釣具屋も、多くの輩が全く先に進んでいかないだろうアジングの道具売りつけるより延べアジをまず流行らせろ。コマセが沢山売れるからと言って安易にコマセサビキを素人に奨めるな。アジ釣り、真面目にやればいくらでも深く突っ込んでいける面白さがあって、正直今自分の釣りの中で一番高度な技量で釣ってるのはアジである。釣れれば楽しく深く潜って行けるので、達人でもなければアジごときで釣れない釣りはするなという話である。

 二つ、ゴミを拾え
 真面目に釣りをするなら、もう釣り場が釣り禁止にならないように自己防衛として、他人が捨てたゴミをムカつくけど拾わないとどうしようもない現実がある。これはほんとお願いだけど”ゴミは拾うしかない”と諦めて拾っておいてください、ナマジ伏してお願いいたします。
 ゴミを拾うコツがあると思うので、読んでいただいた皆様だけにこっそりと秘伝を教えてしまいましょう。
 ゴミ拾うのに、拾ってもそれを道具入れとかに入れるとラインゴミとか絡まるしバッチイので、ゴミ拾い用の容器を常に持ち歩いておくと、ラインゴミとかかさばらないモノであれば、気兼ねなくササッと拾ってしまえます。ワシはペットボトルの保冷バック、いわゆるペットボトルホルダーを腰にぶら下げていて、それにササッとぶち込んで上からペットボトルで重石をしてゴミ回収してます。ラインゴミだけでも目に入ったら躊躇せず拾う習慣が身につけば貴方の釣り場環境はずいぶん良くなるはずです。たまに休日明けとかペットボトルホルダーに入りきらんので漁獲物入れてる水汲みバケツにぶち込んだりもしてます。
 で、そういう小物以外の、触るのもイヤな感じのコマセの袋とか、コンビニ袋に入った食いかけの牛丼の残りとか、ペットボトルホルダーはもちろん水汲みバケツにも下手すると入りきらんので、中身を海水で洗って、コンビニ袋があったらコンビニ袋にぶち込んで、自転車の前カゴにぶち込んで回収してます。本来そこで買った飲料の缶やらペットボトルを捨てるためのモノだと思いつつ、申し訳ないけど帰り道の自販機横のゴミ箱に飲料ゴミは捨てさせてもらってますゴメン。で、それ以外のゴミはどうしようもないので、ゴミの日まで分別してレジ袋とかに入れて玄関脇の外に放置。牛丼臭いし、なんかバッチちくてバカが感染るような病原体が付いてそうな気もして我が家の敷居をまたがせたくはない。さいわい近所の野良猫もカラスも賢くて食うモノが入ってないゴミ袋を荒らしたりすることはないので助かっている。輩どもよりはよっぽど賢い。
 釣り場の釣果写真とか、さも美しい自然の中で格好いい道具で釣ったような雰囲気を醸し出したくなるモノだけど、実際の釣り場はゴミだらけで、魚も渋くて苦労することが多いっていうのをちゃんと示しておかないと、釣具屋側の甘言に騙されて弩級候補の新参者が”無限湧き”するのを止められないので、抑止力となるべく”ゴミと釣果”の写真をこれから積極的に撮っていこうと思っている。そういう日本の釣り場の現実を見て、安易に釣りに手を染めるような輩に覚悟を促せたり、心ある釣り人に何かを感じてもらえたりすれば重畳。

 三つ、使えもせん細い糸を使うな
 釣具屋・糸屋が儲かるだけで、百害あって一利ぐらいあるのかないのか程度なのでほんとやめてね。釣り場でライントラブル起こしてたらその時間は魚釣れないって単純な話で、小もの釣りからシーバスぐらいまでなら、ある程度太さのあるナイロンラインでなんとでもなるんだから、アホな情報に惑わされて「細糸使ってるオレ格好いい!」とか勘違いしないように。腕が良いなら太い糸で細い糸使ってる輩より釣ってくれ。その方が格好いい。ライントラブル多いならあんたの腕では扱えない代物だってことだし、糸巻き量を減らすとライントラブルは激減するのは憶えておいて良いかも。ちなみにワシ、メッキとかの小もの釣りからチヌ狙いまではナイロン1号、シーバスと小型青物あたりはナイロン2号使ってます。今時のナイロンラインは高性能なので使いやすく丈夫。ナイロンで間に合う釣りはナイロン以外使う気がしないぐらい。

 四つ、バカみたいな道具を買うな
 ホント今時の道具って、使いにくそうだなと思うし、あれで上手に魚釣ってる釣り具メーカーのテスターとかホントに技術が高いと感心する。道具がまともならもっと簡単に釣るだろうって思う。嘘だと思うならワシの釣果をチェックしてみてちょうだい。30年40年前の道具で玄人を自称できるぐらいには釣ってます。
 だいたい、スピニングリールに特別な防水機能が必要になるような機構を乗っける思想が理解不能。メーカーの人知らんのかもしれんけど釣りって水辺でやる遊びでっせ。あと、感度の良い道具ってみんな騙されて買うけど、釣り人側に感度が良いってことは、当然ながら糸の反対側に居る”魚にも感度が良い”って話で「ショートバイトが多い」とか分かった風に言わなきゃならん状況では、かったるい調子の竿使ってビヨーんと伸びるナイロンラインで釣るとガッチリ食い込むことが多い。そういうアタリの分かりにくい道具立てで竿先やらラインの動きやらで、警戒せず自然に食い込んだような微妙なアタリをとれるようになると、魚はバシバシ掛かるようになります。感度とか飛距離とか軽さとか魚一匹も釣れなくても評価できるようなカタログスペックにはほとんど意味などないので騙されないように。バカな道具も売れなきゃ作れなくなるので買わないのが一番。リールでお薦めなのは過去記事に書いてるので参考にしてね。あとあの何本も竿立てられる箱は捨てろ。

 五つ、くっだらねぇ安い情報に惑わされるな
 ネット情報とか釣具屋情報とか、そこでさらされている時点で終わってるので、ひっかかってわけ分からん人山を作ってくれるな。究極的には釣りの情報は釣り場に立って足で稼いで己が目で確かめろ。あと、わけ分からん釣具屋側が新しい道具売りたいがためにとってつけたような”簡単に爆釣”的な釣技を真似してる暇があるなら、ラインをふけさせないようにフェザリングして”トラブルなく正しく投げて巻く”とか、きちんと魚の泳層を狙えるようにカウントダウンしっかりして棚キープするとかの”基本のキ”こそしっかり練習して身につけておいてくれ。今書いた2つがキッチリできたら釣れる魚はたいてい釣れる。40年以上釣ってきてるけど、今でもその二つの精度は上げるべく努力してるぐらいに重要な要素だと思ってる。飛距離?アクション?まああって困ることはない程度のものである。場所と時間の“ポイント選び”が9割以上釣果を決めるとおもうけど、道具や技術も間違ってると魚が釣れない要素ではある。道具と技術は基本こそ大事で基礎ができてなければ応用もクソもない。特別な強みがあるよりあからさまな欠点がないことが大事で、欠点があるとそこから釣りが崩壊する。応用は基礎ができてれば釣ってりゃ自ずとできるようになる。基礎吹っ飛ばして行けるような楽な近道はどんな世界でも一緒だろうけど存在しない。地道に工夫とか経験値とか努力とかを積み上げていくしかない。

 まあ、あと挨拶ぐらいしてお互い気持ちよくとかもあるけど、書き続けるといくらでも書けるので、このぐらいにしておこう。エラそうに書いたけど今年はワシは自身を達人あるいはカリスマ釣り師として演出しなきゃならんのでこの調子で頑張りたい。日本語読んで理解してくれるぐらいの釣り人ならワシの言ってることはかなり伝わると思ってるけど、弩級・超弩級あたりになってくると、日本語読めてるのか極めて怪しくなってくるので、そういう輩どもの脳髄にまで届けて洗脳するような言葉を吐くにはどうすれば良いのか、なかなか難しくてアタイ困っちゃうの。

2024年12月14日土曜日

ダイソーでこのルアーを買え!(命令)

  ネット上で「ダイソーのルアーが安いのに釣れる」とかいう記事のタイトルを目にするだけで、アホかとしらけていた。そんなもん今時どこの国で安く作っても魚が釣れないようなルアーを作るのが難しいぐらいで、それをことさらに意外なことのように騒いで、あまつさえ安いので”根掛かり覚悟の釣りにもうってつけ”とか、水中にゴミを残すのを推奨するようなことを書くバカどもはタヒねば良いのにぐらいに思ってた。

 ワシ基本的に、ルアーの開発、発展に貢献するような姿勢のメーカーの品に一票入れるつもりで買うってのがあって、まあ中古で買って一票もクソもねえかもだけど、気に入ると新品でも買うし、頼まれてもいないのに宣伝したりもするので見逃して欲しい。

 中華製始め、あからさまなモノからクソな大手製までパチモンルアーってあるけど、ダイソーのはまだ、法務部しっかりしていて訴訟沙汰にならんよう、元ネタなんとなくわかるけど、ごまかしてそれなりに独自性あるデザインになってるので、ワシ的にはワシらの時代にコーモランがあったように、少ない小遣いでやりくりする釣り少年の味方的には悪くない存在だと思っている。いい大人は金あるんだから、ちゃんとした独自性のある開発元のルアーをなるべく買って欲しいとは思うけど、まあ個人の自由で好みの問題だろうから大きなお世話だろう。好きなの買ってくれ。

 ただ、かっこ悪いと思うのは、大手が中小メーカーが釣り方含めて流行らせたような種類のルアーの市場に後出しジャンケンで妙にデキの良いのを突っ込んでくるパターンで、典型例が、以前に流行ったワカサギ型I字系ルアーで、どこが元祖なのか分からんけど、後発のどのメーカーも、申し合わせたように尻に毛が生えていて、その手のルアーのキモは不自然な音や動きを極端に排除したおとなしさ嫌われにくさであり、毛はなくてもあっても別の何かでも良かったはずである。元祖は訴訟起こして良いんじゃないかと思うぐらいあからさまのパクリで見てて醜悪すぎて気持ち悪かった。なんぼなんでもそれはないんじゃないかと思う。あと個別のメーカー名を出すと今のご時世、それこそ訴訟沙汰になりかねんので伏せるけど、とある日本のメーカーかブランドか知らんけど、いまだに完全コピー商品を堂々と売ってるところがあって、かつ当然今の技術でそれをやったら、昔のコーモランみたいにオモリ入ってなくて動かんとかいう笑えるオチがつくはずもなく、普通に安くて釣れるので結構売れてやがる。一応我が国は知的財産権ガン無視が基本の途上国じゃねえんだろ?ほんと恥を知れって感じ。廃盤になった昔の名品をってパターンじゃないヤツね。今でも普通に売ってるやつのマルパクリで下手すりゃ釣具屋で同じ棚に並んでる。頭おかしいよね。

 で、今回のルアー図鑑うすしお味第77弾でとりあげるのは、今まであんまり興味なかったダイソールアーで、あんまり好きじゃないイワシカラーのを二個も買ってしまってまで二票投じているので、コイツがなんなのか説明させてもらいたい。まあ二票投じても440円(税込み)のお安いルアーだけどな。

 このルアーが何かというと、植物由来の分解性の素材でできているルアーで、その名も「リップレスミノー90F」という、そのまんまやんけ!ひねりなさい!!という突っ込みを入れたくなる、やる気のない命名のフローティングリップレスミノーなんだけど、でもその意気や良し。実際の製造は中国に外注してるようだけど、たぶんケミホタル作ってるルミカ社が製造元らしく、酢酸セルロース樹脂という(株)ダイセル社とかいうところが「CAFBLO(キャフブロ)」で商標権押さえてる素材のようで、引用させてもらうと「木材や綿花などの非可食バイオマス由来のセルロースと酢酸から得られる酢酸セルロースに、非フタル酸系可塑剤を配合し熱可塑性を付与した環境にやさしいバイオマスプラスチックです。その特性は、(中略)④海洋生分解性で(後略)」となっていて、海洋へのプラゴミ流出・蓄積の問題を解決するための手法として売り出し中の素材のようだ。

 海洋生分解性があるから海に捨てて良いってワケじゃないにしても、今実際に海洋にプラゴミがあふれかえってる現状を鑑みて、それらが何百年も残るような素材ではなく分解されて短期間で生態系に再度取り込まれるのであれば、ずいぶんとマシになるのは明白だろう。ポリエチレンのレジ袋がいつまでも海洋を漂い続け、音響探査ではイカそっくりの反射音がかえってくるので、深海でイカ食うようなクジラがゴミ袋食いまくってるとか、とっととレジ袋が腐ってくれればずいぶん被害は減るだろう。ポリ袋に限ったことではない。”プラゴミ”全般に似たような話があるのだろう。にもかかわらず、根がかって海底で切れてくれればまた売れて儲かる、と二個とかセットで色を組みあわせて使いましょうとか売る方もだまされて買う方も頭の悪さ丸出しで売られているタコエギなんていう、瀬戸内海で何万個も回収されてニュース沙汰になってるような愚行を我ら釣り人はしてしまっている。以前にも何度も書いたけど、クドクドとまたジジイの繰り言でまた書く、書くべきだと思うからしつこく書くけど、日本でせっかく商品化までこぎ着けたのに生分解性のショックリーダーは売れなくて定着しなかった。何度も書くけど、ショックリーダーは物理的な太さが重要な仕事をする部分であり、同じ引っ張り強度のナイロンやフロロのリーダーより多少太いぐらい、魚を釣るうえでたいした不具合を生じ得ない。その程度のことが分からん、釣り場に根掛かりで残してしまったラインが速やかに分解されることの利点がわからんバカばっかだったので、東レ初代「フィールドメイト」も、バリバスのモーリス「RTE」なんて2世代まで開発して頑張ったし、ラインの国内工場持ってるデュエルも作ってたし、ダイワの石鯛の捨て糸用で作ってたのも、フィールドメイトは2010年代にバージョンアップ版も出していたのもあったようだけど、結局屍累々ですべて廃盤になったようだ。フィールドメイトのバージョンアップ版とか性能もだいぶ上がったのだろうから試してみたく中古市場で見つけて買ってみた。東レさんのしつこさに使命感のようなモノを感じる。もう一回懲りずにバージョンアップして売り出してくれないだろうか?東レさんくじけないでくれ。

 という状況下で、タコエギ2つ付けて根がかり覚悟でバンバン使ってください!っていうクソバカよりだいぶ頑張ってるんじゃないだろうかとおもうのが、今回のダイソールアー。ルアーの世界では元々、分解性の素材でってのはこれまでも作られていて、極論すればバルサとか木製のルアーはリップとか塗装は除くと土に還る。水面系のバスマンがぶっといPEラインでウッドのルアーを使うっていうのは、高価なウッドルアーがどっかに引っかかったときに釣り場のゴミにならないで手元に戻ってくる確率が高いというのも良いけど、ヒートンが飛んでラインアイだけ戻ってきても、ウッドプラグはそのうち腐る。プラのエギ一回で2個も海のゴミにしてるのに比べて、やってる人たちはルアーを大事に失わないようにって思ってるだけかもだけど、上品で賢いように思う。同様にラインを強くしておいてハリ曲げて回収はわりと賢い手だと思う。ソフトルアーの世界ではバークレイ「ガルプ」シリーズとかマルキュー「エコギアアクア」シリーズとか蒟蒻系素材とかのものもそこそこ売っている。ワーム使うならそっちを使ってくれれば、根掛かりさせてもなんぼか実害が減るのではないだろうか。河口湖とかでワームを禁止にしたのは何でだったんだろうねって思えば、酢酸ビニルとかのワームはあんまりよろしくないってのは分かるよね。まあ根がからせたらリーダーとか残るだろうし50歩100歩だろうか?

 っていう状況だけど、金型に樹脂流し込んで大量生産、安価販売するプラグで海洋生分解性を謳うルアーは、初めてかどうかは自信ないけど、とにかくまだ珍しい事例だと思う。さすがに皆さん自然に帰る素材である木で作ったルアーだけを使いましょうと言ったって、通常自然素材の木材使ったルアーなんて3千円からはするはずで、ワシも無理。ラパラが異様に安いけど、アレは世界のラパラだからできることであって、中小メーカーに真似はデキない。ラパラ大好きだけどラパラだけで釣れっていうのもどうかと思う。そういうことをつらつら考えると、樹脂製で安く作れるのに生分解性があっていつまでも環境中に残存しないルアーというのは、挑戦的な試みであり、その挑戦に賛辞を贈り一票入れてもバチはあたらないのではないかと思う。

 生分解性なので、放置してると腐りそうだけど、ウッドルアーと同じで結局表面をコーティングしてあれば水が染みこんだアイ周りとかから徐々に分解が進んでいくんだろうと思うので、パッケージには水で洗ってからぬるま湯で漬け洗いして陰干しとか面倒くさいこと書いてあるけど、そこまで神経質にならずとも良いのではないかという気がする。このへんは実際に使った人に聞いてみたいところではある。

 いずれにせよ、個人の趣味に命令とか野暮なので、そもそもそんな権限も持ってるわきゃないし、件名はまあ勢いで書いたまでだけど、「それって良いことジャン」と共感していただけたなら、ダイソー行ったときに買ってやってください。動きとか使ってないので知らんけど、まあ魚釣れるぐらいには仕上げてあるでしょう。そんなもん、生分解性の素材でルアーを作るのがあたりまえになれば、いくらでも爆釣ルアーは生まれてくるでしょうからたいした問題じゃない。そういう方向に釣り具業界が向くように、釣り人は賢くあらねばと思うのです。

2024年10月5日土曜日

パワーこそ力!

 その方向にはろくでもない結果しか待っていないことはうすうす知ってはいる。

 まだ魚の大きさの上限がしれているなら、最大火力で殲滅するかのような力押しは通用するだろう。カムルチー狙いでガチガチの竿で藻の中潜り込ませず勝負を決めるってのは戦略として取りえる。あいつらデカくてもメーターちょいだろ?

 ところが海の魚の場合、魚の上限はそれこそホホジロザメでも狙えばトン超えてくるし、カジキやマグロの大型も力勝負で勝てる相手ではないのは明白。それらは沖の何も無いところで掛けることができるから、力勝負で最初から止めようとするのではなく、ドラグ鳴らして超持久戦という戦略がおそらく正解だろうことにはあまり異論はないだろう。

 ただ、ハタだのクエだのの類いの大型の根魚の場合はどうか、根に潜られたらそこでサヨウナラ終了なので、根までの短距離で止めざるをえない。えないけど魚が10キロ超えたらもう手持ちの竿で力勝負で止めるのは難しくなってくる。そうなってきて昔の磯の底モノ師が陥ったように、より強力な道具でより強い道糸でってやり始めると、速攻で一番大事な道具である”人体”が制限要因になって手詰まりになる。手詰まりになってるのに強引にその方向に突き進んだ先には、竿を磯の岩に打ったピトン(杭)やらロープやらでガチガチに固定して、リールのドラグもトンカチでドついて締めて、魚が食ったら魚の引きは磯の岩に任せて、魚が弱ったらリールを巻く作業だけ頑張るっていう「それ本当に楽しいのか?」っていう、IGFAのルールとか堅苦しいものを持ち出すまでもなく、それで”釣ったこと”になるんかいな?っていう疑問がつきまとう有様が到達点で、真面目にやってた人には失礼な物言いでもうしわけないけど、ワシャそりゃちょっと違うようねって思ってしまう。

 じゃあどうするか?達人級は手持ちの道具で磯の上からでも、立ち位置変えて根に潜られない方向から引っ張ったり、わざと広い方に行くように緩めて誘導したり、ありとあらゆる技術・戦略を駆使して釣るようである。あるけど、魚の引きを磯の岩に任せてゴリゴリ巻いて釣るより格段に難しくてあたりまえで、当然大きな魚は釣るのが難しいだろう。でも難しくて揚がらん大きさの魚はいて当然で、それを揚げたいからといって”釣り”かどうかもよく分からんくなるような方法に頼ってどうするっていう話で、何やってもいいんなら磯にウインチ固定して、発電機持ち込んでワイヤーで引き上げるとか、そこまで行くとさすがに釣りじゃないだろって感じが強くなるけど、なんか竿とリールを使ってさえいれば”釣り”だってやってると、行き着く先がわけわからんつまらないことになる。どこに線引きするかは個人の自由だけど、ワシャ文豪ヘミングウェイが仰ったらしい「立ってようが椅子に座ってようがどうでもいいけど、釣りというのは魚の引きのすべてを自分の体で受け止めなければならない。」っていうのに賛成である。

 とはいえ、今やってる根魚クランクで、バスロッドでも16LBナイロン巻いたベイトリールでグリグリやってて40センチ級ぐらいまではなんとかなることが分かってきた。障害物に突っ込まれるのは、今のところリーダーを長く太くして多少引っかかった場合とかは立ち位置変えて外しに行ったりして対応できるようになってきた。船とかなら、底を切ってしまえばあとは根に潜られることは少ないんだろうけど、陸っぱりで魚を掛けてから引っ張ってくる途中には、当然底には蛎殻生えた石ぐらい転がってるだろうし、護岸際とか護岸の凸凹とか潜り込む隙間もあるだろう、って感じで、止めたとしても魚は向こうに行けなくなってるだけで、下にも横にもなんなら上にも行けるのである。上にはシーバスでもなければ行かんとしてもだ。となると力勝負でなるべく魚の頭をこっちに向けっぱなしにして寄り道させずに寄せきるっていうのも手としてはあるんじゃないか?っていうのと、もう一つには今まだ40~50センチ級ぐらいしか掛けてないから良いようなものの、餌では60センチ級も釣れているのを見ているので、それが今のバスロッドでどうにかなるのか、さらに大きい”想定外”の魚も低い確率ではあるけど掛かってしまうと想定しておくべきなのが海の釣りであり、そういう大魚を釣るために自分の扱える最大火力の武器を試し撃ちぐらいはしておくべきだろうと思い、よく「パワーこそ力!」と小馬鹿にはしているけど、真面目に考えて準備してみた。

 まあ、ベイトリールで利き手でグリグリ巻くのが前提としてあるので、そういう用途ならジギングタックルかライギョタックルで、ジギングタックルはルアー投げるのを想定してないことが多いうえに、我が家にはジギングタックルはスピニングしかないので、消去法でライギョタックルとなる。いうても我が家のライギョタックルは左手サミング用に魔改造を施されたのやら、2ピースのマスキーロッドとかけったいな竿ばかりではあるけど、堅さと取り回しの良さからバスプロショップス「PMX66MHT-2」という6.5fの、マスキーロッドとしてはまだおとなしめの竿を選んだ。もう一本のデカいジャークベイト用のマスキーロッドは今使ったら手首が死にそうなカッチカチの棒である。竿がある程度以上堅い、そしてドラグはきつめとなるとラインの太さがある程度太くなる。デカいの想定で力勝負の引っ張り合いを考えているからPEの方が向いているんだけど、引っ張り強度だけなら4号もあれば足りる。けど、伸びないPEラインは瞬間的な力のかかり方に弱く、ロウニンアジ釣りで練習では問題なかった5号PEがアドレナリン全開で筋力制限解除状態の釣り場でバッチンバッチン切れて泣いたことがある。国内だったので6号買って巻き直した。っていうぐらいで”アワセ切れ”対策を考えると6号は欲しいところで、ライギョ釣りの時には、PEラインは高価でおいそれと巻き替えられないので、余裕を持って8号にしていた。毛羽立ったら先の方を切ってワンシーズンぐらい使い倒す。歯ズレ対策に先っちょには両端抜けない輪っか状にしたケブラーノット15号(ザイロンノットというのが後継品「ザイロンX」という紛らわしい品は輪っか作れないので注意)ぐらいをメインラインにビミニツイストで輪っか作って4回回しのループトゥーループっていう当時のラインがそのまま巻いてあるリールが2台残ってたので、そのうちの”釣りの上手い人”が使ってた当時バレーヒル扱いだったゼブコ「クァンタム1430MG」というのが本体樹脂製で塩水で使うにはちょうど良いかなということで、今回整備して投入してみた。

 でもって基本釣りの上手い人が、丸アブは手が小さいので使いづらいというので、非丸型のでライギョ釣りに使えそうなのをテキトーに見繕って買っただけなので、あんまり興味もなく注油ぐらいで使いっ放しで今回初めて分解整備である。

 なんかハンドル回りを取っ払っても本体蓋のネジが片方は注油窓のネジで実質1個しかなく、やや途方にくれかける。ベイトはABUぐらいしかいじったことがないので勝手が分からん。

 そういえばこいつ新品で買ったから箱と取説あるはずだな、と蔵を捜索して釣りの上手い人のライギョ用必殺ルアーのゼタベイト「スワンプラット」を入れてあったのを発見。取説見てメインギア入ってない方の蓋は手で外してスプール交換とかしやすいようになってたなと思い出して外していく。

 ブレーキは遠心ブレーキで、スプールに付いてる黒い円盤ユニットから出てる白い突起を出し入れしてブレーキの効きを変えられるようだけど、初期状態で普通に投げられたので、いじったことがないし今回もいじらない。蓋側のブレーキの当たる金属の輪っかの下に平行巻(レベルワインダー)を動かす歯車が入ってて、このリールはレベルワインダー連動式。ついでにスプールに軸が固定されている方式。

 メインギアのほうの蓋を開けるネジは、シャフトを貫通しているのがレベルワインダーの上下に2本と、スプールの下に1つあって、そいつらを抜くと無事パカッと開けることができる。

 パカッと開けて、蓋の方にワンウェイクラッチが見えているように、こいつは瞬間的逆転防止機構が付いてしまっている。まあベイトだしそんなに気にならんのと、丸アブとかに入ってるのと比べるとワンウェイクラッチも、それが押さえるスリーブもゴツめで丈夫そうではある。

 ドラグは、謎の樹脂製パッド1枚のABUでもよく見られる方式。ただドラグパッドを押さえる小判穴の金属ワッシャーが分厚い。この辺はドラグの安定作動には曲がらない十分な厚さのあるワッシャーが重要って考えているようで、PENNスピンフィッシャー小型機の1枚パッドドラグとも共通する設計思想のようで、ドラグを使う釣り人の国のリールって感じがして好感が持てる。実際ドラグ性能は悪くない。

 中のグリスは悪くなってないようだったけど、拭き取って金属面はすべからくグリスで濡れているように、今回はPENN純正グリスで仕上げた。

 若干残念だったのは、せっかく工具いらずでパカッとブレーキ側の蓋を開けて注油とかスプール交換とかできるようになってるのに、汚れやすいレベルワインダーのグルグル棒を外すのには、ギア側の本体蓋を外してEクリップを外さねばならず面倒くさい。まあ、しばらく放置でいけるようにグリス多めに塗ってからオイル注しておいた。樹脂本体で軽くは作ってるんだろうけど、全体的に丈夫には作られているようで実用的なリールだなと思ったけど、正直スピニングほどベイトは数触ってないので分解整備した程度ではイマイチ評価しきれない。

 じゃあ、釣り場に持ち出してどうだったのか?というと、1回使っただけなので長期運用はまた別の話だけど、とりあえずは投げて巻いて快適に釣りができて文句はない。

 文句はないんだけどリール単体ではなく、堅い竿と太くて強い糸と組み合わせると、通常の道具立てなら問題ないような”ルアーや接続具の強度”が問題になってきてちょっと悩ましい。根元細く絞った長いリップの「ダウンディープラトリンフラットラップ7」のリップが草むら釣ったときに竿あおったらあっさり折れた。そういえばライギョ釣りの時にも接続具はクロスロックのスナップとかアワセ一発でミョーンと伸びてただの針金に帰り、ウィードレススプーンのフックがこれまたミョーンと伸びたりもした。伸びない強いPEラインで堅い竿、締めたドラグだと想像以上の力が瞬間的に掛かることになり、どこか弱いところがあるとそこから綻びが生じる。ルアーが壊れるならまだましな方で、下手すると体が壊れかねない。ドラグは強め設定にはするんだけど締めすぎるのは危険だと思う。接続具は細い針金を折り曲げて引っかけた”構造”で引っ張り強度を持たせているようなスナップではなく、針金自体が元から太くて曲がりにくいハワイアンフックやスプリットリングの変形版みたいなのを使うべき。ルアーはリップが差し込み式のラパラ系やらバグリー系は避けて、ゴン太の一体成形リップが付いてるのを選ぶ必要がある。あと、ラインが太いとどうしてもルアーの潜行深度に影響がでてきて潜りにくくなる。これはより潜る大きなクランクベイトを使うとかで対応は可能だろう。

 という感じでいちおう試し撃ちして感触は掴んでみたので、必要とあらばいつでも繰り出せるようにはしたけれど、ちょっと”強すぎる”のも扱いにくいなというのが正直なところで、当面はバスロッドメインで行こうかなと思っちょります。まあ奥の手ということで切る手札として持っておく感じ。こいつらの出番があればそれはそれで胸躍る展開ではあるので、そういう未来もうっすら期待しておこう。


<おまけ>ダメ元で確認してみた、ABU「アンバサダーブラックマックス」と同「アンバサダーMAX」のスプール互換性。ばっちりありました。どうもブラックマックスのような”スプール固定するスイッチ”がある機種が先にあって、その後に出た簡略版が無印MAXらしく、フレームにスプール固定スイッチ用の穴が開いていて、スプールをピニオンギアに固定する金具はスプール固定用の歯車と一体形のものになっているのをそのまま使い回している。ということで予備スプール体制が組めることになって、戦闘力爆上がりなのであった。ブラックマックス活躍してくれているし、つくづく良い買い物だった。

2024年9月14日土曜日

深くやかましく潜航せよ!

 クランクベイトというのは、特定の餌生物に似せようとか、そういった発想から生まれたルアーではない。アメリカの淡水にあんなフグみたいな小魚がいるとは聞いたことがない。

 ではなぜ、あの形が生まれたか、なぜフレッド・ヤング氏はあのズングリムックリな形にビッグOはじめすべてのクランクベイトの原型になるプラグを創造したのか。

 端的に言えば機能があの形を欲したから、ということになるだろうか。強い浮力をもち、ブリブリと激しく動き水中に潜っていくために、あの形が必要だったのである。ルアーの場合多くの場面で釣り具として求められるのは、ぱっと見で「餌に似ている」というような”素人を釣るための要素”ではなく、どう動くか、どう水を動かすか、どう潜るか、どう浮くか、どんな音を出すか、どんな飛沫を上げるか、どんな光り方をするか、どんな大きさ形状か、というような機能である。そのルアーの持つ機能が、魚の本能や学習能力をして、いかに食いつかせたり頭突き食らわさせたりするかが重要で、「お魚そっくりでしょ」ってやることは、釣り人のやる気には多少関係してくるんだろうけど、機能的にはほとんど意味のないことであることは、古今東西史上最高のルアーデザイナーの一人であろうジャームス・ヘドン氏がルアーを売り始めるときにそう看破している。100年は昔の話である。

 クランクベイトにワシが求める機能は、最初浮いていて、引くと急速に潜り始め、激しい動きで、水を動かしつつ、多くの場合ラトルが音を出し、そうでなくてもハリやリングが音を出し、そういう動きをしながら一定の棚を引いてこられる。巻くのを止めると浮く。という機能である。

 今回、ルアー図鑑うすしお味第69弾では、”根魚クランク”において1.5mを超えてさらに深い場所を攻められるクランクベイトについて書くわけだけど、深いところを狙うなら重いジグヘッドのワームやストンと沈む重いバイブレーション、あるいはメタルジグやクルクル、鉄板系など金物を使う方が一般的かもしれない。でもそれらのルアー達には一定の棚を引いてこられる性能”棚キープ力”とでもいうべき機能があまりない。引っ張ると浮いてくる。よほどゆっくり浮き上がらないように引くか、上げて下げてを繰り返すかしてやらないと深い棚を攻められない。ぶん投げて巻いてくるだけで、助走距離は必要だけどある程度一定の棚を攻められるというのは、シャッド型やミノー型も含めディープクランクをおいてほかにない。トローリングで深い棚を引いてくるのに使う「ダウンリガー」のように、重いオモリを使って、天秤で絡まないように注意しながら棚をとりつつ引っ張ってくるっていう手もありそうには思うし、写真の天秤?付きオモリで棚まで届けシャッドの大きめリップで棚キープするカマス狙いのシャッドキャロは実際に効果を上げているけど、正直仕掛け作るのも面倒くさければ、投げるとやっぱり絡むのも面倒くさい。ルアーを大きくできないなら仕方ないけど、デカくて浮力も強くてその分でデカいリップを備えてゴンゴン潜っていくディープクランクは、その点面倒くさくない。深いところで手返しよく広く探りたい。そのために手返しよく投げて巻いてを繰り返したい。派手な動きや音のアピール力で、やる気のある魚を寄せて食わせて勝負を決めたい。となると機能的にディープクランクが適任なのである。

 根魚や底物を陸っぱりで狙うならワームのジグヘッドリグ、とかメディアや他の釣り人が言ってたとしても、自分のやりたい釣りに求めるルアーの機能として、ワームじゃダメだとなったら、必要な機能を有するルアーを使うってだけの話である。わざわざやりにくいことをやる必要はない。なんにせよ近所漁港ではワームは各種フグ軍団に集中砲火をうけて釣りにならんしな。だからこそ”竿抜け”的に一般的な釣り人が狙えていない獲物がいるのだと思っている。

 で、まずはピーナッツⅡDRの1.5mぐらいの潜行深度より深い、1.5~2mぐらいまでの棚用だけど、これはいろいろあるけど抜群に良いというかワシと相性の良いのがマジェンダ80のFとSP(サスペンド)、冒頭写真のチャイロマルハタもこいつが働いてくれた。基本浮き上がりの良いFモデルを使っているけど、フックをシングルに替えると海水中ではSPでもしっかり浮くのであんまり違いはないのかもしれない。このルアーの良いところは、とにかく釣れるっていう実績。釣り具で魚が釣れるのは大正義でありほかの要素は時にこだわることもあるけど、まあ無視していい要素。バスルアーなんだけど、シーバスにも効くと評判になってシーバスバージョンも売ってたように記憶している。ぶちゃけワシ、バスは釣ったことがない。シーバスには東京湾でも紀伊半島でも安定した実績があって、何が良いのか分からんけどとにかく魚が釣れるルアーなのは間違いない。動き的にはあまり前傾せず、バイブレーション的に細かい動きでラトル音響かせつつスルスルと潜っていく。形がクランクベイトっぽくなくやや細長いのも特徴か。重心移動版と固定重心版があって近距離戦では固定重心版を愛用しているけど、主にスロープ沖の砂底を広く狙うのに使うので根魚クランクでは重心移動版を使ってる。深い護岸の壁際でも魚が浮いてきていると想定する時には食わせる能力に信頼をおいて投げている。

 次は潜行深度2~3m強ぐらいまで、港内いくつかこいつらがちょうど良いポイントがあって、砂底の2~3mの場所、4m水深ぐらいの捨て石が入ってる護岸際、あたりで、捨て石入ってるところは着底させると、見えないところで引っ張ることになり根がかるのが避けにくいので、ちょい上の深棚を通す方針で行く。根掛かり覚悟の釣りはワシャまったくやる気がない。根掛かり覚悟しなきゃ釣れないような場所の魚はワシには釣れない魚なので居ないのと同じ。釣り場にゴミ放出するのを前提にした釣りなどするべきじゃないと思っている。

 で、このあたりの水深のはいろいろあるんだろうけどスミスの「ハスティー3」(写真下)が巻き抵抗大きめなのが、逆に水中で砂底叩いているのかとか、どういう状態かわかりやすくて良い。あと、リップがみょーんと長いダウンディープラトリンファットラップ7(写真上)は急速潜行、足下ぎりぎりまで潜ったままという感じで個性的で良い。ほかにデュエルのフューズシリーズ試したときになんぼか買った「クランクマックス」と「クランクマックスjr」があるので、これもせっかくなので機会を見つけて使うつもり。

 で、”根魚クランク”と言いつつハモ、ヒラメ、マゴチ、アカエイ、ワニエソなんかの底物も狙いたく、そうすると5mちょいぐらいある水深の、いつも泳がせやってる砂底の底を叩く、あるいは水深6から7mの護岸沿いの石積み周辺、底は叩かずちょい上を通す。っていう5m以上の潜行能力のディープクランクが必要になってくる。 

 ま、ワシらジ様にとって深く潜るマグナムディープなクランクと言えば、ティムコ「マッドペッパーマグナム」とノーマン「DD22」が双璧かなと、バス釣りで琵琶湖のディープを攻めた経験などないんだけど、カヤックシーバスで一定の深棚引いてくるのに良いんじゃないかとか試したので蔵に眠ってて、まずはこいつらを試してみた。どちらも重量あってかつマッドペッパーには重心移動まで入ってるので飛距離はでるし、巻き始めるとゴリゴリ潜っていって頼もしい。頼もしいんだけど思ったほどは潜ってくれない。だいたい5mぐらいの水深だと思う場所で底を叩く感触がない。意外に底叩いてても深いと分からんとかかと、3m水深ぐらいで試すと普通に底をコツコツしているのが、特にDD22はよく分かる感じで、明らかに5m潜っていない。いろいろ理由を考えたけど、カタログスペックでは16LBナイロン使用時でそのぐらい潜るとのことだけど、カタログスペックの前提条件といろいろ違う条件で使っているので実力を発揮させられていないのだろうと思う。その要因として1つには飛距離が足りんってのがあって、ワシ的にはぶん投げて珍しく遠投してた部類なれど、近距離特化型のワシの遠投ではたかがしれてるだろう。飛距離が関係していることを裏付けるのは、護岸沿いテクトロしていくとしばらくして着底して底たたき始めることからも分かる。次にリーダーが太いことで、バス釣りなら16LB直結なんだろうけど、ハモだのクエだのヒラメだのといった歯のきっつい魚も想定すると、リーダーは道糸直結とは行かず、8号フロロを入れて先端に抜けない輪っか作ったザイロンかぶせて1回固結びの”歯ずれ対策”仕様にしている。この太いリーダーも当然足枷になってるだろう。もう一つ地味に効いてるかも?なのが海水中だとSP(サスペンド)設定のルアーも浮くって話と関係あるけど、海水中だと浮力が強いってのも案外効いてるのかも。そのへん本当はどうなんだろう?どなたか知見のある方ご教授いただけると助かります。

 でもって、今時ならもっと潜るディープクランクぐらいあるだろ?ってネットで調べてみたらありました。ただ、最近のそういうウルトラディープなマグナムクランクの使い方って、エレキでトローリングするいわゆる「ドラッギング」ってやつを想定しているのも多いようで、キャスティングで5m以上となると種類は限られているようだ。なんというかドラッギングって何だかなぁってテクニックで、そんなことするならトローリングをルール上ありにして、砲丸の球にクリップ付けたようなやつとか、各種潜行板とかの”ダウンリガー”でも使えば良いのにと思わなくもない。まあダウンリガーの類いは陸っぱりでは使いにくいので、単体で深く潜るディープクランクが開発されるのはありがたいんだけどな。ちなみにホッパーストッパー(のちにヘドンに移籍)「ヘルベンダー」のでっかいサイズは米本国では潜行板扱いでハリ無しで売ってるダウンリガーモデル「W08-D」もあってなかなかに趣がある。道糸長く出してのトローリングだと20m以上潜らせられるんだとか。その名のとおり地獄の底まで餌をお届けしますって感じか。

 ということで、今時の深潜りするクランクをいくつか買ってみた。ダイワ「スティーズクランク5」は5.2m、デュオ「レアリスクランクG87 20A」は6m以上、デュエル「バレットクランク7+」は7m以上の深さをキャスティングで狙えるというカタログスペックになっている。写真一番上が大きさ比較においたマッドペッパーマグナムで決して小さくはないルアーだけど、潜行深度5m越えのビッククランクがいかにデカいかおわかりいただけるだろう。

 さて投げてみよう、ってなってさすがにこいつらは普通のバスロッドクラスの道具立てでは投げられん。バレットクランクとか2oz(≓50グラム)クラスであり、当然それにみあったデカいリップとなれば引き抵抗もかなりのものが想定される。まあ、我が家の”蔵”にはいろんな道具が備蓄してあって、なぜ買ったのか本人も全く憶えがない、トラウト・サーモンロッドではない、30LBクラスのガチムチのサーモンロッドが1本転がってたので竿はそいつで行く。フェンウィック「ランカーギアプラスLP89CH-2J」、8.9フィート、ルアーウェイト28~70g、ライン15~30LB、グラスベースでバットにグラファイトを重ねてあるという太く頼もしい剛竿。リールはパーミングカップの80年代初頭モデルのABU「アンバサダー6500C」、ラインはとりあえすは着底とかの感触の分かりやすさと潜りやすさを重視して、2号のファイヤーライン。リーダーはフロロ8号に先っちょザイロンで耐歯ズレ処理。

 ぶん投げてきました。単純明快で深く潜るためにはデカい潜行板であるデカいリップが必要で、それを受け止める土台である本体もデカい必要があり、設計で多少巻きが軽いとか、飛距離が出るとかは味付けできるにしても、ほぼデカい本体とそれに見合う面積の広いでかいリップが機能を決めている。結局5m強の水深のポイントでぶん投げて巻いて底がとれたのは、一番デカいバレットクランク7+だけだった。まあカタログスペック通りの順番でもあり、そう考えると潜る深さはある程度そのルアーの持つ能力で違ってくるので、事前にどこまで潜るか知っておけば、水深にあわせて底から1mのちょい上を通すとかの小技もできるように思う。ただ9フィート近い長竿でぶん投げるのは結構しんどい。バスロッドが8フィートぐらいまでしかないのは、初期の”フリッピング”ではそれ以上の長竿が使われてリールがほとんど意味のないものになってたので、スポンサーがそういう投げない釣りをいやがったのかレギュレーションで長さ制限したからだと思うけど、実際問題デカいバスルアーを投げるのに使われている7~8フィートの竿は体力的には正しい選択なのかも。とはいえ1日投げ続けるような釣り方するわけではなく、まずめ時のせいぜい2時間なら頑張って投げろって話だろう。

 にしても、7m以上潜るというバレットクランク7+で5mから6mぐらいが限界というのは、やはり”ワシの釣りの現場”においてはカタログスペックほどは潜ってくれていない。ないならあるもので勝負するんだろうけど、バレットクランク以上に容赦なくデカいリップがデカい本体からつきだしているクランクが、本場米国にはあるようで、ワシの大好きなピーナッツの親元であるストライクキング社の「エクストラディープダイビングクランクベイト10XD」が25フィート(7.62m)以上もぐるよってなってる。巻くのクッソ重そうではあるけど、お値打ちの出物があったら確保したいところ。ちなみにバレットクランク7+は新品で買った。入手も楽だし5m超のワシの主戦力と考えちょります。

 なんとか、他に深い海の底の一定の棚を派手なアピール力のあるルアーを引いてくる方法がないものか?と考えるんだけど、シンキングのプラグでさらに潜っていくルアーはどうや?って考えると、ちょっといけそうにも思うけど、そのルアーの通せるドンピシャの深度ならいいけど、さらに潜って行ってしまうと、底の砂にリップ突っ込ませてつんのめってまともに動いていないような状態になりかねない。フローティングなら止めりゃ浮いてくるし引く速度で調整もできるけど、シンキングで5m以深にドボンと沈んでくれるようなルアーを一定の棚引いてくるってのはどうにもイメージできない。船使って良いならそれこそダウンリガートローリングで、動きの良いフローティングミノーとか引いてしまえば良いのでやりようはあるけど、陸っぱりだと、いまのところディープクランクで護岸に膝ついてグリグリと男巻きするのが一番楽かな。ということで引き続き投げて巻きつつ釣り場で考えるんだろうなと思おもっちょります。

2023年2月18日土曜日

釣り人のマナーが良くなることは、今後もまったくぜんぜん期待できない

 ワシゃそう思ってる。

 論拠はいくつかあげられるが、一つには「釣り人」という大雑把なくくりでは、なにもとらえることできないという根本的な限界がある。このブログを読んでくれてるような奇特なレベルの釣り人も「釣り人」なら、なんか最近コロナ禍で”釣りブーム”とかいうからいっちょやってみるかと、百均あたりで道具揃えて釣り場にやってくるのも「釣り人」で、ボランティアで釣り場の清掃活動を企画運営するような聖人から、そいつが一定時間そこにいた結果、生じた廃棄物、具体的には食事飲み物のゴミ、絡んだ釣り糸、一回しか使ってない仕掛け、仕掛けの入ってた包装、余った餌、”外道”として持ち帰らない魚、など全てをその場に捨てていく、そいつの品性の下劣さがもろに形になっている”脱皮殻”のようなものを形成し釣り場に残していく輩まで含めて「釣り人」であり、「釣り人のマナー」っていうと自分は品行方正な釣り師なので関係ないと思われる方も多いと思うけど、世間一般からは同じ「釣り人」と認識しくくられてしまうのである。他人がどう見てこようと本来関係ないんだけど、後述するようにまとめて「釣り人」で考えられると、エラい不利益を被りかねないので、この視点は重要だと思う。どんな業界?でも、おおくくりにして十把一絡げにした中に程度の低い”マナーの悪いやつ”が一定数含まれてくるのは避けようがない。

 そういう人達には、みんなで注意してやってマナーを守ってくれるようにしましょう。っていうのは正論ではあるけど、実際には難しい。長く「釣り人」でいてくれるなら”教育(親がしておくべき躾のレベルだけどな)”も効をそうするかもしれない。でも実際にはマナーの悪い層なんてのは入れ替わり立ち替わりで参入してくる実態のはずで、釣り場にわざわざ看板が出てるし、釣具屋の紙袋にもいちいち「釣り場をきれいに、ゴミは持ち帰りましょう」と書かれていても、読みもしないのか気にしないのか、ひょっとして”読めない”ンじゃなかろうかというバカどもだから、結局魚がたいして釣れない。「ゴミを捨てるな」ぐらいの日本語が読めない、あるいはその必要性が理解できない頭の悪さで、意外に難しいこと考える必要がある”魚釣り”を楽しめるわけがない。なので始めてもすぐに飽きてやめる、やめるけど、テメエには釣りを楽しむだけのおつむがネェっていうのが自認できないそういう輩の新規参入は止まらないので、常にそういう低俗な「釣り人」は量産されている(それでも”啓蒙”活動は聞く耳を持つ人には効くだろうから大事だとは思うけど。)

 そういう人達が、ゴミを捨てている場面って意外と見ないモノで不思議に思うんだけど、おそらくワシが朝の”時合い”が終わって撤収した後に来てるか、逆に夕の”時合い”が始まる前に居なくなってるんではないかという気がする。まあ、釣れんわなそんなんじゃ。にもかかわらず釣り場に行くたびにあからさまに釣り人が残したと思われる、絡んだ釣り糸、一回しか使ってない仕掛け、仕掛けの入ってた包装、余った餌、”外道”として持ち帰らない魚、などなどが前回回収なりしたはずなのにまた落ちている。

 特に気にしてて、昔からなるべく拾うようにしていたのはラインゴミで、目についたら自動的に拾うことにしている。ペットボトルのホルダーにクシャッと丸め込んでペットボトルで押しこんで持ち帰り、帰ったら釣り具を洗って干すと同時に、写真の様に棚に設置してあるラインゴミ袋にまとめていき溜まったら使えそうなオモリやらハリをやらを回収してゴミに出す。冒頭写真は同じゴミ袋の中身の接写。この冬12月終盤ぐらいにゴミ袋を新しい封筒に換えて2ヶ月半くらいで満タンになってきた。

 ラインゴミは本当に勘弁して欲しい。鳥の脚に絡んでるのとか見ると申し訳なくて切ない。なるべく根掛かりもしないようにしてラインが自然界で生き物に悪さをしないようにしておきたいと強く思っている。ラインゴミは見つけたら拾う。

 で、最近は釣り人の出したと思われるその他の包装やらビニール袋やらも可能な範囲で回収しようと心がけている。ワシがなんで食ってもおらんコンビニ牛丼の食べ残しとか処理してゴミの日にださんといかんのじゃ?(スカベンジャーナマジもさすがにそれは食わん)と腹立たしいけど、どうも釣り場がゴミで汚れていて、最終的に困るのはワシのような地元でしか釣らないような、釣りを止めたら呼吸が止まってしまうような種類の「釣り人」であり、ゴミ捨ててる側の「釣り人」はいっさい全くビタイチ困らないということが、身に染みて理解できるようになってきたので、嫌だけど自衛策としてそうせざるを得ないと考えるに至っている。

 ゴミ捨ててくような輩は、それでその釣り場が”釣り禁止”になっても、痛くも痒くもなさそうなんである。別の釣り場に行けば良いだろうし、なんなら釣りなんてやめてしまってもいっこうにかまわんのだろう。そういう輩のマナーが改善されるのを待つには永遠の時をしてまだ足りない。で、対照的に釣り禁止になると自分は本当に干上がってしまうぐらいに困る。年間200日から釣りに行く人間から釣りを取りあげることの残酷さをご理解いただけるだろうか?当ブログの読者さんなら共感いただけると思うんだけど。みんな一緒だよね?

 だから、”自分の釣り場”のゴミはなるべく拾って釣り場を綺麗に使わせてもらうよう心がけるのは大事で、「漁港」なんていう漁師さんの職場で「邪魔にならんのなら」と遊ぶことを黙認してもらっているような状況では特に、いつ”釣り禁止”にされてもおかしくないので、ちゃんとした釣り人の皆さん。クソ腹立つ話だとは思いますが、諦めて「釣り場のゴミは自分のじゃなくても拾って帰りましょう!」ってお願いさせてもらいます。もうやってますよ!ってさすが我がブログの読者様。素晴らしい釣り人ですね。などと揉み手でおだて上げてでも、釣り場を綺麗にしておかんとマズいって思っています。

 深く考えるとゴミ問題は、プラゴミに代表される人間が作りだした化合物やら分解がなかなか進まないものをこのまま使い続けていいのか?とか悩ましいんだけど、海洋等水域へのマイクロプラスチックの主な流出の原因の一つが、ご家庭の「洗濯排水」だと聞き及ぶに至って、極論すると化繊の服着たらあかんのか?という話にまでなってしまいそうで、いい塩梅の匙加減を考えるのが難しく、とりあえず生物ってしたたかで海洋プラゴミとかを栄養源や住み家に新たな生態系が作られつつあるような報告もチラホラ目にするので、「風の谷のナウシカ」で猛毒のヒソクサリとかの腐海の植物がじつは汚染された大地を浄化していたように、ある程度新たな生態系が何とかしてくれるのを期待しつつも、どうにもならんようなら化繊の服を捨てることも覚悟しつつ、「とりあえず目に見える形で鳥が死ぬようなラインゴミや小さな鉛のオモリは極力自然界に放置しない」、「同じ(と外からは見える)「釣り人」が出したゴミで楽しい釣り場から締め出し食らわないようになるべく拾う。」っていうのは自治体のゴミ出しルールに追加してワシが自分に定めたゴミルールに、好むと好まざるに関わらずなってしまっております。なんでクソどものためにワシがこんなコトせにゃならんのやと気分悪いけどしかたあんめぇ。

 でも、釣り場のゴミがなくなってちょっと綺麗になると、わりと気分の良いものだなとは感じてます。

2022年5月28日土曜日

それでも世界はうたがわしい

 

 コロナ禍の混乱で、”先進国”っていう、いろいろと理想的、合理的な国が欧米とかにはあるらしいっていうのが幻想に過ぎないっていうのが白日の下にさらされたわけで、我が国でもマスクやらの買い占めや発病者はおろか医療従事者への差別なんてのがあって、なんじゃこの野蛮人どもは?とゲンナリさせられたけど、買い占めはどこの国でもあったようだし、欧米ではここぞとばかりのアジア人蔑視とかが顕在化してて、グローバルスタンダードに人間ってクズだな、と思わされた。まあ、そういう中でも「自分のような年寄りより未来ある若者を優先してくれ」と、人工呼吸器を外させた聖職者がいたとか、キリスト教って押しつけがましくてわりと嫌なところもあるけど、ちょっと人間を見直したくなるような人も居てくれたことは救いである。彼の魂が彼の信ずる神の元に、と願わずにいられない尊さを示してくれた。呼吸器官をやられて息が苦しくなって死ぬって嫌な死に方の上位だとおもうけど、その文字どおりの死ぬほどの苦しみを受け入れる隣人愛、ワシャようせんわい。クズどもの見本となるべくこういう人にこそ長生きして欲しいけど、長生きすると件の隣人愛は成立し得ず見本を示せないという矛盾がもどかしい。

 てな枕話をなんでしてるかっていうと、先週もギブスのルア-を買い支える頑固な米国の釣り人を賞賛したりしてたし、ワシ”日本の釣り人は見る目がねぇ、米国の釣り人は使える道具を分かってる”ってのを何度も書いたりしてきたけど、今回”先進国幻想”と似たようなモノで米国だろうと欧州だろうと、釣り人もピンキリで全体としては我が邦と50歩ヒャッポダなと思わされる事例が出てきて、古くからフライの釣りやってる人ならある程度認識してるかもだけど、正直ここまでとは思ってなくてケン一と2人して驚いたので、皆様が釣具屋に騙されないために、健全な釣り具業界の発展のために、ちょっと書き記して公開しておくべきかなとおもっちょりますので、ご用とお急ぎでない方は読んでやってくださいませ。

 まずは、ケン一とワシの往復書簡というかメールのやりとりを読んでやってくんなまし。ケン一五月の後半に九州にライギョとチヌを狙いに遠征にいってて、チヌはともかくライギョはもう古い話にはなるけど土地勘あるので、釣り場情報提供したりしてたときのやりとりで、遠征なので持って行けるモノが限られるので絞る作業において、ロッドに合わせてラインをどれを持っていくかの選定作業が難航した様がうかがえるんだけど、フライロッドにどのフライラインを合わせるかっていう話は、番手決まってるんだし、フローティングがシンキングかシンキングなら沈降速度のタイプはどのぐらいにするか、ぐらいで難しくないように思うんだけど、これが竿一本新調してたりするのもあって、混沌とした状況にハマってしまい、結局、フライラインの先の太い部分の重さを量って比較するという根本的な作業を経て混沌から抜け出して問題が収束するという”一仕事”だったようなのである。以下そのときのやりとり。

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<ケン一>

準備、めずらしく6日前に残すところコマカイ補充(カラビナ・靴下・目薬)だけになって目途付いた。

あとはとにかく巻くべし、巻くべし!

ちゅうても一日一本か良くて二本巻けたらいいほうやけどな。

今日は仕事で早く帰れて、ついさっきクロダイ用ラインの先端9mの重さはかってみた。

Rio トロピカルフラッツプロ WF-6-F 11.80g/180グレイン

エアフロ リッジクリアティップ WF-6-F 15.0g/238グレイン

SA テクスチャードグランドスラム WF-7-F 13.15g/210グレイン

AFTMA規格では 6番が160グレイン(10.4g)基準でプラスマイナス8グレイン(0.5g)

        7番 185グレイン(12.0g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)

        8番 210グレイン(13.6g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)

        9番 240グレイン(15.5g)基準、プラマイ10グレイン(0.7g)

量った結果をAFTMA規格にあてはめていくと、

Rioフラッツプロ6番180グレインはやや軽めの7番。

エアフロ クリアティップ6番238グレインは触った感じからしてもうめちゃくちゃ太いんやけど、予想通り重さもしっかりあってほぼ9番(!)。

SAグランドスラム7番210グレインは8番そのもの。

今どきのフライライン、AFTMA規格に長いこと慣れ親しんだ人間にはかなり表示番手よりも重くなっていたのだった。

この春先にクロダイ用に買った8ft6番のグラス竿に合わせるライン迷っているとこ。

ほんとは実際使うリーダーとフライ付けて試し振りしとかなアカンのやけど、遠征前最後の休日の昨日そこまでようせんだ。

ニゴイ狙いでRioフラッツプロ使ったけど、ほんのちょっとライン軽すぎる気がした。 

ならば多分相当重いはずのエアフロクリアティップ6番と、グランドスラム7番も持って行きゃどれかはハマるはず、と思って替えスプールに巻き替えたりしたんやけど、SAグランドスラム7番(という名の8番)でやるべし、と気持ちの整理ついたとこ。

でわまた。


<ナマジ>

DTぶった切ってシューティングヘッドつくるときに、比較対象がそもそもメーカーによって重さ違うなとは感じてたけど、おもいっきり違うもんやな。

多分遠投性でいったら、竿の番手より軽めの重さのラインを使う方がイイはずやから竿のメーカーが安易に同番手で堅いパワーのある竿にしてってだんだんズレたとかそんなんかな?規格があるのに無視するなって思う。詐欺師ばっかの釣り具業界は相変わらずってことか。何でも自分で測ってみんとあかんな。

明らかに堅い6番竿とかで困惑してたの横目で見てたけど、そういうのがないように規格があって消費者を守ってるはずなのにな。

これ、案外知られてない事実かもだからブログネタに使わしてもらっていいか?買ったら思ってたのと違ったってみんな困るはずで、知っててそういうつもりで選べばだいぶマシになるような気がするので書いておきたい。ひょっとして今時のフライマンはみんな知ってる?それなら良いンやけど。 


<ケン一>

エアフロのリッジクリアティップ6番が軽めの9番って、さすがに酷いと思ったけど、実は同じリッジクリアのWF-8-Fも持っていて、もしかしたらスプールテレンコしててオレの間違いじゃないないか?と心配になったのでたった今WF8Fも重さ量ったったがな。

リッジクリアティップWF-8-Fの先端9m、ジャジャーン、堂々の17g、263グレインでAFTMAでは軽めの10番相当。

ラインストック・スプール管理ちゃんとしてました!

SAなんかは、ブーストとかマグナムとか名前付いたシリーズには「半番手重めの設定」などと書かれているけど、ホンマに半番手だけか?と思わされる。 でもまぁエアフロ・Rioは半番手重め(ちゅうか2番手重めやっちゅうの)とかの註釈も一切なしやでSAの方がまだ良心的か。

「ライン昔より重なった」ぐらいのことは長いことやってるフライマンなら知っているはずやけど、実際どんだけ重いんか秤で量って、ッてまでする人は案外少ないかも。

ちなみにライン9m先端量るのはぐるぐるコイルにしてデジタル秤に乗せるだけ、という素人計測なので誤差はあるよ。

竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。

竿買うなら本当はライン通して試し振りさせてもらうんが一番やけど、そんなんショップのイベントにでも行かんかぎり無い。 

せめて店頭で触ってから決めるべきなんやろけど、大都会●●ではそうもイカン、というのが実情。 

ヤフオクとかネットで買う時は、なるべく所有しているのと同シリーズにするとか、友達のを振らせてもらったことあるヤツとかにしているつもりやけど、それでもTFO6番は7番気持ちよく使っていたのになんでかバキバキ8番相当、思ってた番手のパワーからは大外れの竿やったりした。 

まぁとにかく竿メーカーもラインメーカーも適当過ぎ。片手投げの竿でこれではダブハンの世界はもっと魑魅魍魎なんやと想像する。

というわけで田舎もんは買い物一つちょっとギャンブルになるのはしょうがない、と諦めている。

というのもひっくるめてブログネタどうぞ。


<ナマジ> 

 重くなってるって知ってても、さすがにここまでとは認識してないやろな。ネタいただきます。

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 という感じ。わやくちゃでございますがな。

 ラインが各メーカーで全然重さ違ってて、AFTMA規格ガン無視なのもたいがいにしとけだけど、同じロッドのシリーズで7番より6番がパワーあるっていうのはどうなのよそれ?何万円もする竿買うのに、番手はあてにならん、あわせるラインは規格無視でグッチャグチャの重さ、こんなん30年がとこフライやってる人間でも何買って良いのかホント分からん。近くに竿触らせてくれるお店があればともかく、田舎の人間にはケン一書いてるとおり買い物一つが博打ひと勝負になってしまっている。

 ”AFTMA規格”ってなんぞ?ってフライやらん人は思うかもだけど、シェリダン・アンダーソン、田渕義男共著の「フライフィッシング教書」では「”AFTMA”(アメリカ釣り具製造業協会)と呼ばれる連中により、フライラインの規格統一システムが作られている。このおかげで、フライラインの選択は、以前よりずっと楽になった。」と紹介されていて、まさに業界団体が、メーカーごとに規格が違ってては購入する顧客が困るので、統一的な規格を設けて顧客の利便性を図った規格だったはずである。なんかネット検索かけてると、すでに廃止されてるような記事もチラホラあったけど、だからといって慣習的に”#”で表される番手を釣り人としてはAFTMA規格にのっとったものと理解して購入、使用しているはずで、現在のこのグッチャグチャ状態は、明らかに消費者が正しい品を選ぶことの妨げになっている。古い規格遵守で作られた#8(新品では絶滅危惧種かもだけど、少なくとも中古や蔵の在庫には存在する)とメーカーが勝手に1番とか2番相当も重くしたラインが存在するのである。どれ買えばええねん?って話である。

 ケン一が魑魅魍魎と称したダブルハンドロッド用の、いろんな細分化された新しい投げ方用の規格として古い時代のAFTMA規格では用をなさないのかもしれない。ダブハンのややこしい投げ方用のラインは番手表示無しで重さ表示(なぜかグレインなんていう大麦測るときの重さの単位でピンとこねえけど米国はヤード、ポンドなのでその並びらしい)になっていたりする。それはそれで分かりにくくとも正直で紛らわしさがない利点はある。

 「#8」とあればAFTMA基準の8番だと長くフライマンは理解して使ってきている。にもかかわらず、#6表示で9番相当のラインやら、#6表示で同メーカーの#7表示よりパワーのある竿やらが実在する。メールのやりとりで、「竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。」っていうのは#6表示の竿を買って実際には#8相当だったという釣り人としては当然口に出るぼやきだろう。

 竿が耐久性削って薄っぺらくして、竿自体の太さ重さから旧来なら#6相当って番号振って「#6とは思えないパワーによる遠投性」とかやり始めると、各社負けじと後に続くと6番の竿が#7でも#8でも投げられるパワーを持つことになる。となるとラインも軽いと逆に風に弱いとか竿が曲げにくくコントロールがききにくいとかが出てきて、ラインメーカーもじゃあ重くしておくか、ってな具合で重くしていく。その時にSA(サイエンティフィックアングラーズ)のようにちょい重めに作ってますって書いてあればケン一も書いてたようにまだマシで、ふつうなにも書かない。こんないい加減なことAFTMAとしても指導入れるなりしろよ、と思うけど、規格自体やめたような気配なので、どうにもできずがこの有様か?

 昨年から20年使ったダイコーの8番のフライロッドを引退させて、ロッキーマウンテンアウトフィッターズの8番を導入。使ってみて、新しい竿良く飛ぶので、さすがに20年使ったダイコー竿は腰抜けてたんだなと感じてたけど、実はそうじゃなくてダイコー竿は昔のAFTMA規格遵守の竿で、今時の8番であるロッキーマウンテンの方は8番と言いつつ、昔の9番とか、実質そのぐらいの番手が上の竿だっていうだけなのかもしれない。番手上げてライン重くすれば当然遠投性は上がる。でも竿とラインが重くなって取り回しはその分しんどくなるのを、カーボン薄っすくしたり高弾性にしたりなんだりで、持ったときの軽さは耐久性とかを犠牲にして確保してある。で、軽くてパワーがあって折れやすい今時の竿がいっちょ上がりって感じだろうか?

 いずれにせよ、今のフライロッドとフライラインの番手の混乱具合は、AFTMA規格ができる以前にまで退化している実態にあるようだ。せめてシングルハンド用の場合ぐらいはAFTMA規格に準拠して表示して、それよりパワーなり重さがあるならそう説明しろよ?って話だけど、ごたごたの混沌のなかでわけの分からん品物売りさばくなら、単に堅くした竿を「同じ番手でも良く飛びまっせ~」ってやって馬鹿を釣った方が早いだろうからな。

 そうなってくると、結局何買ったら良いのかって、いつもの同じのを買い続けることができるならその間は良いんだけど、廃盤だの新しい竿買っただので、新たなラインを買わなきゃならんときは、竿とライン振らせてくれるような親切なお店が近くにあれば良いけど、田舎じゃそんなの望むべくもなく、そうじゃない場合は、結局、ややこしいダブルハンド用ラインがそうであるようにグレインでもグラムでも良いのでその竿に適合する重さを把握しておいて、重さで目処をつけておいて微調整するしかないって状況のようである。重さ表示無いようなら自分で測るってのが結局必要になってくる。最終的には何でもそうかもしれないけど、今回ケン一がそうしたように”実測”重要。メーカー表示のカタログスペックなんぞいくらでも嘘が入り込む余地があるけど自分で測っちまえば誤差ぐらいあったとしても自分の責任下において正しい情報が得られる。

 軽ければポリリーダーのような重さを足せるリーダーを繋ぐなどして、重ければぶった切ってチューブ状のブレイドラインで繋ぎ直すとか、ランニングラインに繋いでシューティングヘッド化するとか、多少の調整はできる。ポリリーダーを最初ブレイデッドリーダーと勘違いして買ってしまったときに、なんでこんなフライラインの切れっ端みたいなものが売られてるのか?疑問に思ったけど、特にダブルハンドの世界では規格もクソもあったもんじゃないので微調整ありきで必要性があるんだといまさらながら納得した。

 ただ、そういう一手間面倒くせえ作業をできる”お好きな人”たちはそれで良いとしても「アニメの”スローループ”見てやってみたくなりました」とかいう、素人がこの混沌の状況下で、正しいロッドとラインの組み合わせをはたして手に入れられるのか?はなはだ疑問である。基準が無視されているにもかかわらず、普通6番の竿には6番のラインをというのが常識ではあるから、間違った組み合わせになる可能性がごく普通に生じている。

 フライフィッシング業界、ちゃんと新規参入者を確保したいのなら、基準がワヤになってて玄人衆が四苦八苦してるような状況を整理し直すところからやらんと、マニアックな層から高っかいお布施をまきあげるようにしてご無体に高額な製品売るだけでは商売ジリ貧でっせ。

 っていうのを、道具を見る目があるとワシは思ってる米国の、頑固だと思うフライマンが使う道具でこの体たらく。釣り具業界はグローバルスタンダードに詐欺師ばっかなんか?

 くっだらねぇ商売してると、そのツケは高くつくよ。

 玄人衆のフライマンの皆様、ラインがイマイチしっくりこないって時は、ヘッドに相当する部分の重さ測って、竿ごとにちょうど良い重さがどのへんか把握しておくと良さそうに思います。メーカーやブランドごとにここまでバラバラだとまでは多分皆様明確には把握してなかったのではないでしょうか?

 知ってた、そりゃまた失礼いたしました。ワシはけっこう驚きました。このネタが皆様の楽しい釣りの一助とならんことを願っております。