2022年5月21日土曜日

米国東海岸マサチューセッツ臭のするルア-達

 春の大森祭り開催中、大森スピニング以外には目もくれなかったのかといえば、そんなわきゃないよねって話は自明で、ルア-もセッセと買っていた。今回久しぶりの”ルア-図鑑うすしお味”第51弾はおもにアメリカでストライパー狙いで使われてきた、ギブス(スタンギブス)社のルア-中心に塩味やや濃いめで行ってみます。

 ことの始めは、このサラダ油が6缶入ってたようなお歳暮的な見た目の箱に入って送られてきた、プラノの平べったい大きめのボックスにゴッチャリと古くさく、潮気でリグとか錆びている、アメリカンな海臭いルア-の詰め合わせセットを某ネットオークションで発見してしまったことから始まる。こんなもん日本で欲しがるのワシだけやろ!と自信を持って開始価格の2500円で入札。そして当然落札。

 これが2500円でいいの?っていうぐらいの充実した面白詰め合わせで、正直「アメリカで売っとけ!」って米本国なら需要あるはずなので言いたくなるけど、たぶん日本でも人気のルア-だのも合わせて仕入れてきた業者さんが、売れそうにないのが詰まった箱が出てきて頭抱えて、このぐらいになってくれたら儲けものとテキトーに値段付けて、好きモンが見付けて売れて一安心っていう感じだろうなと想像している。

 中身の主なものは、以前にも何度か取り上げているギブス社のルア-で、ギブスのルア-は米本国では骨董的な人気があるとかじゃなくて、単純にいまでも作られてて現役のルア-なので○ーベイでみてても、古いモデルが売られてるのは当然として、形は同じでも色塗りが今時っぽくなった、それでも頑固に木製を守っている袋入り新品も売られていたりする。東海岸のストライパー野郎って、米国の釣り人の中でも特に頑固なイメージがあって、ルア-はウッドのシンプルな彩色の丈夫な作りのものがいい、リールはサーフで砂混じりの波かぶってもすぐ整備できるように単純丈夫な方がイイ、灯りがボンヤリともりゃいい~、ってな感じで、彼らに人気のリールにPENNとミッチェルのデッカいインスプールがあるぐらいで、PENNのスピンフィッシャー706z、704zなんぞは彼らの熱い想いに応えて2010年代とかのほんのちょい前にも復刻生産されているぐらいで、流行を追うちゃらちゃらした客を騙くらかすのも商売だけど、こういう”堅い”需要を生み出す頑固な客を掴まえるのも商売としてありだろう。大店にはなれんだろうけど、ギブス社は屍累々のルアー業界で今でもちゃんと生き残って商売している。エラい!立派!!

 でもって中身の紹介はまずは日本でもお馴染みの、って古い時代のナイロンライン30LBとかで釣ってた時代のGT釣りを経験してるオッサンぐらいしか知らんかもだけど、「ポラリス」と「ペンシルポッパー」。

 なんだけど、これが日本に入ってきていた時代より古いもののようで、なんとも良い味わいが出ている。一番右のポラリスの首の絞り方とか今のとちょっと違うし、青のペンシルポッパーの色塗りとかもヘビみたいな網目模様になっててなんとも渋い。ここまでで丼飯すでに一杯目という感じなんだけど。まだまだ続きます。

 ウッドボディーでワイヤー貫通とかの丈夫なリグで、ミノー的な”泳ぐ”ルア-をとなると、一番上の「キャスティングスイマー」方式でダーターっぽくするか、あるいは金属のリップをガッチリ縦に差し込んで折り曲げる、「パイキー」なんかでよく見るクリークチャブ方式(仮称)になるようで、ギブス社のこの手のルア-は「ダニー」というらしく、ひょっとすると手前の3本フックの大きい方は「イーリー」というのかもしれない。曲げ金属リップ本家クリークチャブの方もストライパールア-はお得意で、当然このタイプの大型ミノーは作ってて、その名も「サーフスター」が現役である。わが家には「巨大パイキー」がいくつか在庫してあるけど、青物狙ってダニーも投げてみたい。丼飯2杯目余裕。

 とりあえず、”お楽しみ箱”のなかのギブス勢は終わりなんだけど、その他もなかなかに味わい深い。

 この二つは、上がクリークチャブの「ストライパーストライキング」のウッド版のようなんだけど、塗りが剥げて塗り直してある気配があるのでちょっと自信がない。めん玉がグラスアイじゃなくて金属なのもちょっとカッコイイ。下はブーンの「ニードルフィッシュ」で正解なんだろうけど、カラーと目の処理がギブスっぽいのでちょっと迷う。ギブスにも「ニードルフィッシュ」が実はある。ただギブスのニードルフィッシュはワイヤー貫通方式で、先端が絞られる部分の段差が大きいのでヒートン使ってるこいつはブーン製とみた。

 レッドヘッドの方のヘッドはレッド(鉛)、ヘッド以外がウッド、わけ分からなくてグッド、チェケラ!っていう感じの代物でタラシャクリ棒的なルア-なんだろうか?と思うけど、ヘッドの部分が重いので頭から沈んでシャクると頭が浮き上がる動き、なのか?ライン絡みそう。船から縦に使うんじゃなくてコイツもやっぱり投げて引っ張って使うのか?

 上の緑のは、海用じゃなくてマスキー用のテールブレイド系のペンシルだな。サイズ7インチ(約17.5センチ)級で迫力のある代物。色が緑一色という麻雀の役じゃねえんだからって感じに塗りつぶしてあり、暇があったら黄色系に塗り直してしまおう。使うアテないけどな。まあこれも青物に投げたらいいか。

 そして、見たことあるようなタイプから、不気味人形的な代物までジグ系。

 上から「SALAS」「HACKER」までは書いてあるのでそうなんだろうなって感じだけど、その次の矛先みたいなのは全くの「不明」、最後の不気味に口を開けて髪の毛みたいなのを長く引きずる不気味フェザージグはなんなんだこれはいったい。

 うーん、どうしたものか?この手のジグのコレクターの人とかいますかね?スプーンならJOSさんがおそらく日本でも有数のコレクターなのでなにも考えずに華麗にスルーパスでいいんだけど、誰か欲しい人いません?

 でもって、最後はトローリングルア-で、ヘッドだけの方は、樹脂の中に砂浜で拾ってきたような真珠質の貝殻の磨かれた欠片を封入してあって、なかなかにキラめいてて趣がある。でもまあトローリングはせんよな。短めにスカート付けて投げてみるってのはありっちゃありか?

 なんにしても、青物に投げられそうなプラグだけでも10個からあって2500円(送料別)は超お買い得。その他のルア-も普段見ないルア-達で味わい深くて、なんだかんだで丼飯3杯は余裕でございましたとさ。

 

 って、終わるかっていうと、勢いついた暴走機関車状態でギブス社のルア-をなんぼか買い増し。
 一番上の良いストライパーな角度で頭が斜めに切ってあって小っちゃく下顎も付いてるのは見たことなかったのがメ○カリで出てたのを、散々迷ったけど確保。箱書きから「キャストA」もしくは「キャスタルア-」って名前かなと思ってたけど、海外ネットオークションで見てるとギブスの箱入りのこの時代のはみんなこの箱に入っていて、名前はそれぞれ別にあったようで、ちょっと名称不明、出品者によっては単純に「ギブスポッパー」としているけど、果たしてそれが名前なのか?どなたかご存じの方おられたらタレコミよろしくです(「ストライパーソンライン」でも上手く特定できんかった)。2番目の袋入りはリップちょっと写真じゃ見にくいけど「ダニー」であんまり大きくないサイズ。上から3つめがギブスの「ニードルフィッシュ」で、ブーンのと全然形ちがうやんケ、と思うかもだけど、この写真のルア-達だいたい5インチ(12.5センチ)か6インチ(15センチ)級で小さい方のサイズで、ニードルフィッシュもワイヤー貫通式でこの長さだと太短くてブーン版とはだいぶ形違ってしまってるけど、もっと長いバージョンはもっと似てます。
 でもって、最後はこれも結構数が集まってきたキャスティングスイマーとなっちょります。
 逆に5インチサイズとかはスイマーだのダニーだのは泳ぎユルヨタのおとなしめだろうからシーバス狙いに使えるかも。

 っていう感じで、ギブスのルア-結構買ってしまっております。ただワシがGT戦線に参戦した頃には、既にラインがナイロンからPEになって、GTルア-が巨大化し始めた時期にあたっていて、実はポラリスとかも数持ってるわりには魚釣ってなかったりする。
 釣ってはいないんだけど、米国でこんなに長きにわたって東海岸の頑固なストライパー野郎どもに支持され続けているからには、”釣れるルア-”なんだろう、っていうのは想像にたやすく。近所漁港は何でも釣れるっていっても、流石に25センチ越えるようなGT用のペンシル出さにゃならんほどにはデカいルア-は今のところ必要ではなさそうだし、ロウニンアジ用タックル振り回してブン投げるのもしんどいお年頃でもあり、日本じゃナイロンラインで投げてた時代のGTルア-であるポラリスなんかはちょうど良い大きさなように思って、浮子角度を縦浮き気味なのをお尻に浮子製作用に買ったウッドビーズをオモリの代わりに填めた斜め浮きバージョンとか用意して、来たるべき青物襲来に備えている。
 箱入りで買ったポッパーが青物狙いにおいて実に良い塩梅にワシの求めるタイプのルア-なんだけど、日本じゃ売ってなかったようで入手難。海外オークションなら手に入るけど、同じような機能のものは作れそうなので、自作しようと丸棒手に入れるところまで準備して放置になっている。そのうち暇見て作ってみよう。

 ルアーの釣りにおいて、何度も書いているように”このルアーなら釣れる”って信じて投げるときに、その一投に魂がこもると感じていて、青物用のルア-も今時各種選び放題に新しいのが売ってるけど、なんかポッと出の国産の高級ルア-さまはイマイチ信用ならず、自分の中で信じるに値するのは狙う魚は違えども米国のストライパー野郎が信頼をおいてきた、今なお現役のギブスのルア-なんかだったりするのである。

2 件のコメント:

  1. ナマジ様 ブログを楽しく拝見しております。素敵なコレクションを入手されましたね。私はかつて米国東海岸に住んでいましたので、「ダニー」について少々知っております。この手のルアーを最初に作ったのは、東海岸のルアービルダー、Danny Pichneyだとされています。以後、この手のルアーは、どのメーカーのものであろうと「ダニー・プラグ」と呼ばれているようです。私は現在、島根県の宍道湖で、ギブスとは別のメーカーが作った「ダニー」を使っているのですが、大型のスズキがよく釣れますよ。アイの角度をペンチで上下に変えることで、潜水深度が変わりますので、状況に応じてトップで使ったり、あるいは潜らせたり、楽しいプラグです。これからもブログを楽しみにしております。

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    1. Masahiro様 こんにちは
       この手のルア-の良さが分かる人がいて嬉しいです。
       ”ダニー・プラグ”っていうカテゴリーがあるんですね。勉強になりました。
       シーバスにも投げてみたくなりました。

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