2022年6月11日土曜日

寿司業界激震!ビンボ飯酢飯疑獄!!

 無職無収入だけど、美味しいもん鱈腹食べてます。食についてはそれ程こだわりのない人間だけど、我ながら良いもん食ってるなと思うときがございます。お天道様はじめ関係各位に深く感謝するところではある。

 ではあるんだけど、ここいらの魚が旨いってのは、海の手柄でワシ釣ってきてすぐに食えるところに住んでるっていうだけで、特に工夫もせず食ってるようにも思う。けど、それでもどうせ食うなら美味しく食べたいぐらいは思うし、ぶっちゃけ同じ料理ばかりだと飽きも来る。とはいえ今日もまたアジか・・・とか今日もまたカマスの干物か・・・とかウンザリしかかっても、いざ食い始めるとアジもカマスも旨いわけで、比喩表現一切無し直接表現として丼飯余裕なのである。

 という現実はあるにしても、料理のレパートリーは増やしておくにこしたことはないし、飯が旨い、ぐっすり眠れる、出すモノもドカドカ出て切れも良い、っていうのは健康の根幹をなすところだと思う。多少、料理に手間暇かけて美味しく食べてもバチは当たるまいて。というのに加えて、酢締めの後の漬け汁の”酢液”がもったいないので有効活用したいというのは、従前からの課題となっており、そのへんもあって豆アジ酢締めからの派生料理をあれこれと工夫してみたのでご報告してみたい。

 豆アジの時期の食事は、以前は衣薄めの天ぷらを大量に作って、1食は付け合わせキャベツでソースで下品に鯵フライ風に食う、残った天ぷらは、タマネギなど野菜とともに酢とめんつゆベースにした漬け汁につけ込んで南蛮漬けというのが必勝パターンだったんだけど、揚げ物食いまくってたら太ってしまい健康診断でコレステロール値ひっかかって、”揚げ物禁止令”が公布されてしまい、以後、1食”せごし”とかで生食、残りは酢で締める。という新必勝パターンに移行してきている。

 でもって、この時期は毎日毎日ってかんじで豆アジの酢締め食ってるわけだけど、付け合わせの味噌汁の方で中身を変えたりしてると、意外に飽きずに美味しくいただける。大根好きなので大根とおあげさんの味噌汁を基本にしつつ、季節の野菜などをぶち込んで具だくさん系にしたりすると、味噌汁が結構オカズとしてヤる感じになってくる。そろそろ夏野菜が各種出てきているので、直売所で安く売ってるキヌサヤやら茄子なんかはいい仕事してくれるし、トマトが意外に味噌汁に入れてもイケる。ズッキーニはちょっとパンチが足りんか?というかんじだったけど、春から出てるジャガイモとかタマネギとかも地物のは安くて旨くて根菜は腹にたまるし言うことなし。ていう感じで冒頭写真の様なご馳走をいただいております。

 とはいえ、さっきも書いたようにレパートリー増やしておくのは良いことだし、余った酢液の利用方法も考えたい。魚を漬けた後の酢液の利用については、以前もちょっと書いたけど、ネットでちょろっと調べたら「魚の出汁が出てるので油とか柑橘果汁加えてドレッシングにしてしまうといい」というのと「薄くなった分を酢を足して継げば何度でも酢締めに使える」というのが出てきた。流石に何度でもっていうのは怪しそうだけど、少なくとも1回使った後の酢液は見た感じまだ大丈夫な感じがする。

 ということで、まずは「酢液の使い回し」を試してみた。漬かってた豆アジ食べきって残った酢液をちょっと次の仕入れまで日が開いたので一旦冷凍保存しておいて、仕入れ前日に冷蔵庫に移して解凍してつかったところ、ちょっと薄くなってるので酢を追加したけど問題なく美味い酢締めができあがって、使い回しある程度できそうではあった。しかしながら、酢液に対してケチ臭くみっちり豆アジを漬け込んでることもあって、2回目時点でかなり酢液が魚から出たエキス分で薄まってしまって、3回目はちょっと難しそうな気配がしてて、酢が薄くて悪くなって食中毒とか馬鹿臭いので、我が家では2回までとする。これだけでもだいぶ酢の消費量が抑えられる。

 まあ、酢なんてたいした値段のするモノではないので食費的にはジャブジャブ使ってもたいしたことにはならないんだけど、なんかまだ使えそうな酢液をそれなりの量捨てて流してしまうのは気持ち的に”もったいない”感が抜けないのである。お天道様とお百姓さんはじめ関係各位が育ててくれた穀物を原料に、これまた加工関係者各位のご努力、流通・販売業者の働きがあって我が家にやってきた大事な食糧、おろそかにして良い理由なんてないはずである。

 ということで、魚を2度漬けた後の酢液の利用方法を考えよう。ということでとりあえずドレッシングをということだけど、サラダつくって綺麗なお皿に盛り付けてってあんまやんないのよねワシ。せいぜい単品のキャベツ千切り、ダイコン千切り、タメネギ薄切り水サラシ、にドレッシングかけて食うのが関の山で、あんまり凝ったドレッシング作るの面倒臭い。ということで、酢液をそのまま掛けて食うという方向でもある程度いけるんじゃなかろうかという感触もあり、そうなると大根が好適で、サラダと言うより”なます”だけど、全く問題ないわな。

 ということで試してみる。大根の千切りは普通にやっても良いンだけど、刺身のつまを、生前祖母が包丁でクルクルとトイレットペーパー剥き取るように、輪切りにした大根から薄い大根のシートを作っていき、細くて長く食感の良い大根の”刺身のつま”にする、いわゆる”かつらむき”をやってたのを想い出して挑戦してみた。

 ウーム難しい。婆ちゃん、いとも簡単にリンゴの皮でも剥いてるがごとき手早さで、足下に着くかというぐらいの長さまであっさり剥きまくってたけど、そんなに長くつながってくれず、すぐに切れる。まあそれでも包丁修行と割り切って、切れても切れても薄い長方形の大根のシートを作って最後千切り。普通に千切りにしたのと大差ないけど、まあやってればそのうち上達するだろう。

 そして、豆アジ漬けていた2度目汁をオタマでしゃくってダバダバと掛け回して完成。豆アジ120匹漬けるのに、いつも使ってたタッパーでは容量が足りなくなって、最近はヒレの棘で穴が開いても大丈夫なようにボウルに受けつつ、ジッパー付き袋の大サイズで漬けている。タッパーから豆アジを食べる分取り出すのにもオタマ好適。

 でもって味はといいますと。なかなか良い。酢にだいぶ鯵エキスが染み出ているので、酢液というよりアジで取った出し汁に酢をきかせた感じに近いかも。

 大根の他にタマネギ入れたり、ニンジン入れて紅白なますっぽくしたり、いかようにも発展可能だろうし、味付けもゴマ油足してみたり、マヨとか市販のドレッシングとかで”味変”してみたり付け合わせの1品としてなかなか良い感じ。


 とはいえ、そこそこの量がある酢液を”なます系”だけで消費しきれるかというとちょっと心もとない。酢液を消費する方法他にないモノだろうか?と考えてて、ピコーンと閃いた。魚の出汁が効いた酢液なんだから、ご飯にかけたら寿司的な何かが爆誕するのではないだろうか?

 やることは簡単。ご飯に酢液をかける。というそのまんまのひねりのない工程。

 ついでに酢締めの豆アジも乗っけてみた。

 旨いんでやがんの。ただ、もっと酢飯的な味になるかと思ったら、砂糖とか入ってないのでそっちに味は傾かず、むしろ近いのは、イワシの梅煮の煮汁をご飯にかけたような、酸っぱさと魚の出汁のハーモニーという感じで、酢飯っぽく仕上げるより、ジャブジャブと汁掛け飯のようにしてしまって、酢にむせながらかっ込むのが正解のような気がする。薬味何にするかとか細かい工夫はあるかもだけど、この時点で丼飯余裕。つまり丼飯にジャブジャブとかけて酢液を消費できる。

 スシってなにって考えると、大きく分けると2つあって、魚と米を漬け込んで乳酸発酵やら麹による発酵やらを使って保存食として作られる鮒鮨のような熟れ寿司(なれずし)と、保存性というより、酢飯とあわせた新鮮な魚介の味を楽しむ今の江戸前鮨のようないわゆる”寿司”があり、中間的に酢の殺菌性で保存性を高めたバッテラや柿の葉鮨などの押し寿司系や紀伊半島には”めはり寿司”なんてのもある。とかんがえると、今回の”酢液ぶっかけ飯”は、それらとはちょっとちがうけど、酢飯?と合わせた魚介の味を楽しんではいるし、酢の殺菌性で豆アジの保存性を高めているけど、既存の寿司の形にはない”汁掛け飯”的な形態でありつつもだけど、どう考えても”寿司”に分類されそうな新たな変な料理が誕生してしまったのである。

 味は良い。見た目とかは提供のしかたで何とでもできる。味の工夫もいかようにもできるだろう。もちろん豆アジに限らず締め鯖でもなんでも酢締め全般の”酢液”でやれるはず。これはワシ、寿司業界に革命を起こすような料理を思いついてしまったのではないかと、思ったり思わなかったりしている。

 商品化やらお店で出したいという場合、特許取るとかいうようなネタでもないので、ご自由にだけど、できれば”ナマジ式汁掛け寿司”であるとご説明いただけると光栄です。ってこんなもん店で出せんか?是非ご家庭でお試しください。お薦めです。でも、どっかの郷土料理とかですでにありそうな気もせんでもないな。

 ウチの実家の方では昔っからやってます、とか他の酢液の利用方法とかとか、タレコミ情報もお待ちしております。

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