2024年11月23日土曜日

野生馬のあらがえぬ魅力

 ルアーマンであっても、フルーガーのルアーに縁がある人は少数派ではなかろうか?

 水面派の経典「ブラックバス釣りの楽しみ方」ではお尻にブレードの付いた小型ペンシルであるフルーガー「ジャーク」が紹介されているが、あまり国内で出回っていた人気プラグという感じではない。

 経典ではジャークの紹介の項でフルーガーのルアーについてもざくっと触れてはいて、引用すると「フルーガーは,(中略)アメリカでも最も古いフィッシングメーカーの一つだ。有名なグローブ,パローマイン,マスタングなど,どのプラグにも一貫した設計思想があってアメリカ人のもつ,良心を感じさせてくれる。」となっている。でも、体の前半が回転するグローブもポッパーみたいな切り込みの入った口型の金具がリップと一体になって装着されているミノーのパローマインも、そして冒頭写真のミノー「マスタング」も日本じゃ当時も今も有名ってほど知られてはないように思う。ちなみに経典の”ライブリーファミリーのプラグ達”の項の集合写真にマスタングが1つしれっと写っているけど、個別の紹介には出てこない。下の写真で指さしてるのがそれ。

 むしろ日本の釣り人には、フライリールの「メダリスト」シリーズや、早くにシェイクスピアに吸収されてしまって、スピニングとかはシェイクスピアリールの色違いの場合が多かったりするけど、「パトリアーク」シリーズとか今でもフルーガーブランドで販売されているので、リールブランドとしては知ってる人は知ってるだろう。

 日本のバスブームの頃には、既に木製の古き良きアメリカ的なルアーは、一部の好き者以外には刺さらなかっただろうし、則さん達のような扇動者たちの”推し”ルアーにはかろうじて「ジャーク」が引っかかった程度で、その他のルアーは注目を浴びなかったのだと思う。そう考えると、則さんたち案外”新しもの好き”だったんだろうなという気もする。あるいは「ライブリーファミリーのプラグたち」で集合写真に写っていて、かつ個別紹介されているのが樹脂性で動きの良いタイガーマーベリックレッドフィンスーパーシャイナーで集合写真に写ってるのに紹介されていないのがマスタングとヘドンのウッドヴァンプらしきルアーで、則さん達使ってたけど、当時国内流通もなかったであろうウッドプラグを紹介しても手に入らんし仕方ないという気遣いもあったのかも。則さんは米軍基地の米兵さんルートでルアー手に入れてたとかどっかで読んだ気がする。

 で、我が国でなじみ深いアメルアーブランドとは言いがたいフルーガーのマスタングにワシがなぜ、しつこく書くけどこの円安の折、モノが仲介業者のセ○イモンに届かず取引キャンセルになっても、米国から送料も高くつくのにあきらめずしつこく確保したのかというと、以前に1回だけヤ○オクで見かけて、エラい格好いいので入札したけど、欲しい人間が2人居ると値段が跳ね上がるの法則で予算をサクッと超えてしまい芋引いてしまい、また出たら買おうと思ってたけどその後出ているのを見つけられなかったからである。ちなみに最初の1個が取引キャンセルになって次のセカイ○ンでお買いもんは石橋を叩いて2個買った。冒頭写真の下2つがそれで一番下のは塗装にひびが入ってたりはするけど比較的美品で真ん中のは塗装剥げもそこそこあるややボロ個体でチョイ修繕して使うつもりで購入。で一番上のリグもサビてボロボロの個体は何かというと、苦労して米国から取り寄せたらヤフ○クにチョイボロのウッドパイキー2本とあわせてジャンク扱いで出てきやがって、腹立って入札してパイキーもろとも押さえておいたブツである。パイキーは年代考えるとジャンク扱いがかわいそうなマシな個体だったけど、マスタングはほんとボロ個体でリグをどうにかするとかから考えなければならんけど、でもそのボロさも格好いいのでボロさを生かして実用可能な弾に持っていきたい。というわけで、デカアメミノーネタの最終回、ルアー図鑑うす塩味第76弾は、名門フルーガーブランドの「マスタング」でお送りしております。ちなみにマスタングもパローマインもどちらも6インチ15センチまでは確認できるので、ブランド最大ミノーは両者同率1位かなと思っちょります。

 で、このルアーの何が格好いいかっていうと、とにかく金属のリグ・パーツが格好いいのよ。

 まずはなんといっても、背中とお腹に貼り付けてある金属板。ネットの画像でこれを見た瞬間、その機能と格好良さが両立したデザインに痺れたんだけど、意外にバスマンとかだと、コレ何のためについてるのかピンとこないようで、古物のルアー好きのバスマンが手に入れたけど「何だろコレ反射板かな?」とか書いている記事とか目について、むしろそこが分からずに買う選択もあるのかと面白かった。

 海のルアーとかやる人間なら一目で、コレが銀鱗模様の美しいこの木製ルアーのボディーを、歯のキツい魚の牙から守るためにある。という明確な意図がみてとれるはずである。例えばマスキーやパイク、海ならバラクーダにワフー、ブルーフィッシュといった牙魚たちのその牙に対抗するための盾として、クロームメッキされた真鍮の部品を装備させたのである。ちなみにこの金属板無い版もあったようで経典の写真とかそっちのようである。

 歯のキツい魚の攻撃力って相当なモノで、ロウニンアジってそれほど歯がキツい印象はないかもだけど、それでも高価なウッドルアーが何匹か釣るとボロボロに塗装剥がされて歯形だらけの迫力のある見た目になるのは避けられず、長いペンシル系とか噛み折られている写真も見たことがある。いわんや歯のキツいバラクーダやらおやというところである。

 お次にリアフックをぶら下げるリグも独特で凝っている。

 写真左は、分かりやすいようにすこしネジを緩めて引き抜きかけた状態。そう、リアフックはヒートンでぶら下げられている普通の方式ではなく、フックをぶらさげて、かつネジの軸をクルクル回ることができる右写真の左のフックハンガーを介してぶら下げられている。フックハンガーは、後方になるフックを入れる方が細めでフックが後方には自由に動くことができるけど、前方になるボディー側は太くなっていてフックが前に振れることを妨げていて、フックがボディーを傷つけることを避けている。フックハンガー自体が軸を回転するので、細長い体で”デスロール”のような回転系の暴れ方をしがちなワニ体型の牙魚が暴れてもフックハンガーの回転で追従してバレを防ぐ仕組みになっているんだと思う。ちなみにネジ留めで、他のパーツも含めてこのルア-の分解にはマイナスネジが一本必要。

 でもって、そういう暴れん坊な大物を狙うために、リップ回りもこれまた凝った頑丈なリグが奢られている。

 リグは共通してネジ以外は真鍮にクロームメッキなんだけど、まずは結ぶところが2つあるアイの部分が、本体前部下側に掘られた溝に填まる。そして、それを固定するのは、本体前部下面を覆うような形でリップと一体化したパーツで、ボディー先端の鼻先と、リップの根元左右の3箇所をネジで留めるという頑丈なリグになっている。そしてリップには「Pflueger Mustang made in USA」の刻印あり。渋いゼ。

 なんというか、陳腐な表現かもしれんけど、さっきも書いたように”古き良きアメリカ”っていう感じの、丁寧な仕事ぶりなんである。年を経てヒビが入ってしまってるのは仕方ないとして塗装も綺麗だし、リグも凝ってて、かつ何のためにそのリグの工夫がされているのかという目的が明確で、作った人の思いが詰まってる感じがしてとても好感が持てると同時に、実釣能力もかなり高いのではないだろうか?という期待をいやが上にもしてしまうところである。

 ということで、一番綺麗な個体はさっき書いたようにそのまま保管用として蔵に眠ってもらうとして、その他2個は実釣使用を想定して補修できるところは補修して準備してみたい。

 基本方針は、まずはリグを全部外して、錆を落とせるだけ落として、フックを適切なモノに交換。ボディーは塗装ハゲはパテで目立たないように埋めて、ウレタンでコーティングしてこれ以上は塗装の劣化が進まないように処理して防水性を上げておく。

 というあたりを基本方針に、あとは現物見ながら臨機応変に仕上げていきたい。

 まずは一番ボロい個体からやるか、とネジを外そうとしていきなり問題発生。

 ネジが錆びてるわけじゃないのに脆くなってて、ネジ回そうとしたら頭がポロッと欠けてしまう。コリャダメだ。ネジはもういじらずにリグごとウレタンコーティングしてしまうぐらいしか手がないか?フックハンガーもお尻の以外はネジ頭が飛びそうで外せないので、ハンガーにスプリットリングでフックをぶら下げるか、ダブルフックでいくか?そこはどうにでもなるけど、はたして魚が掛かった時にネジが飛んでしまわないか不安な状態である。飛ぶなら今この場で飛べと、グイグイ手で引っ張ってみたけどとりあえず大丈夫そうではある。いっそ今のネジをドリル使ってでも取っ払ってしまって、太目のネジを入手してネジ穴も拡張してという大改修をしてしまうのが安全かもだけど、とりあえずリグごとコーティングで使う前にドラグセットして引っ張って試験してから使うぐらいでいこう。強度が掛かる位置のネジはリップ回り3つ、フックハンガーが4つの7つもあるのでフックハンガーは単純に位置ずらせば良いだけだけど、リップ回りは綺麗に同じ位置に頭のとれたネジを抜いて穴を開ける必要があり、それは技術的にめんどくさく難しいのでまずは避けたい。

 ということで、多少お化粧直しする程度でお茶濁す。とにかくリグが全部腐蝕で表面がボロいのでどうにかしたい。基本はお酢かなと酢を含ませたティッシュをあてがってしばしのち磨くも、その程度ではどうにもならん。そんなレベルではない。歯磨き粉で磨き始めたけど、歯磨き粉で丁寧にいってると時間がいくらあっても足りん感じなので、結局サンドペーパーでガリガリと磨いていく。本来はリグはクロームメッキ仕上げで銀色だけど、こいつは真鍮剥き出しのコパーカラーで行きます。リップの刻印もサンドペーパー掛けたらやっとでてきた。これで上からウレタンコーティングでいこう。

 もういっちょの方は、リグは全部外して歯磨き粉で磨いて、本体の方の塗装が剥がれて木地が見えているところをパテで埋めて、っていう状態でウレタンコーティング。

 パテで白く塗装剥がれたところを埋めるだけでそこそこごまかせるというのがお分かりいただけるだろうか?上2段が左使用前右使用後みたいになってます。

 あと、ウレタンコーティングは最近筆塗りでやってるんだけど、なぜドブ漬けじゃなくて筆塗りかというと、ドブ漬けできるデカい容量のウレタン樹脂液を買っても、使いきる前に瓶の中で固化してしまって無駄が多いから、少量瓶で買って筆で塗っていた。そんななか、今回瓶の中で固化するのを防止するのにかなり効果がある方法を知ったので、皆様にも知識共有しておきたい。ウレタン樹脂系の塗料は溶媒が揮発して固化するというよりは空気中の水蒸気と反応して固化するタイプがほとんどらしく、いかに空気と触れさせないかが重要とかで、過去使ったら表面に薄め液をヒタヒタと注いでおいて空気と遮断すると良いとかいうのも試したけど、あんま効果なかった。封切って使ったら一月もすれば冷凍庫保管でもゲル化してる。今回試して効果があったのは意外に単純な方法で、瓶に直接筆を突っ込まず、取り皿に使う分出してから筆塗りに使って余ったら戻さず捨てる。というもので確かに瓶に直で筆突っ込んで筆塗りしていると、空気と接触しまくった筆についたウレタン樹脂液を瓶の中に戻してしまうわけで、瓶の中で反応がすすんでしまうのもむべなるかな。残った瓶の中の空洞分の空気に含まれる水蒸気量はたいしたことないようで、筆でペタペタ塗る作業やこぼれたのを受ける皿に戻る際には空気とグチャグチャかき混ぜられているので、そこから垂れてくる分とかは反応が進む条件に合致しているので瓶に戻してはいけない。でも瓶に入れられたままで、使う分出すときに傾けられた程度の動きしかない残り分は反応進みにくいようなのである。実験も兼ねて1月くらい時間をおいて2回目の塗装をしてみたけど瓶の中で固化しておらず問題無く使えた。2回使って瓶に残った1/4ぐらいをまた冷凍庫に保管しているけど、今見たらまだ液体状を保っているので効果大だと思う。竿のガイドを留めるラッピングスレッドを固定するのに以前はそれ用の2液性エポキシを使ってたけど、これがまた使用期限が短く、竿なんてそう頻繁には組まないので、ある程度本数溜まってから作業してたけど、最近は固化開始時間がこちらで調整できて値段が安いという利点を気に入って”百均UVレジン樹脂”を使ってたけど、ウレタンここまで保存ができるならウレタンでも悪くないと思う。ウレタン塗料は昔から竿の補修等には使われていた素材でもある。

 で、ダンボールに針金をWWWって感じに曲げて渡してある”塗装ブース”で乾燥させて片方にはリグを付けて、フックはとりあえずついてたので仮置き。ボロ個体はフックはダブルフックでこれまたとりあえずということで修繕完了。

 ウーン格好いいじゃないの!マスタングはあっちじゃ人気あったみたいで、フルーガーがシェイクスピアに吸収しされてからも製造されてたようで、1980年代ごろまでは作られていて「香港シェイスクピア」で作ってたのかどうかは不明だけどメイドイン香港版もあるそうな。なかなかのロングセラー。

 これまでワシ的に最も格好いいデカアメミノーは、ソルトウォーターグレードボーマー「ロングA17A」ギブス「ダニー」かと思ってたけど、フルーガーのマスタングも負けず劣らずの格好良さだと思う。紀伊半島が南の島化していって、川の中にシーバスじゃなくてフエダイ系とかの歯もキツくてパワーもあるような魚が上がってくるようになったら、コイツの出番じゃないかと妄想している。

 ということで、海水温上昇に端を発して今年の夏にあらぬ方向に突っ込んでしまっていた暴走のご報告であるデカアメミノー編は一応の最終回で、デカアメミノー好きの皆様にもそうでもない皆様にも楽しんでいただけたなら幸いです。デカいルアーってやっぱり格好いいですね。

2024年11月19日火曜日

ラララ星のかなた

  実家に帰ったときに、血筋だと思うけどカーチャンが子供らが使った教科書とかを捨てられずダンボールに詰めて保管してあるのを、置いておいても仕方ないだろうとゴミの日に出せるように整理して紐で縛った。ただ国語の教科書だけは読み物としても楽しめるので捨てるのを保留してしまった。ここで捨てないからモノで溢れるんだとはうすうす感じるけどな。

 国語の教科書は小説や詩などの世界に子供を誘う道しるべとして、その役割を充分以上に果たしていると感じている。コクト-や白秋の詩とか今でもそらんじられる。もちろんワシ谷川俊太郎先生もお気に入りに決まっている。いま地動説を題材にしたマンガのアニメ化が話題になっているが、地球が回っているということを鮮烈に知らしめる作品として「朝のリレー」はジュール・ベルヌの「八十日間世界一周」とともに双璧だろうと思う。素晴らしいの一言である。

 現代において優れた詩人は”作詞”しているというのがワシの持論で、今時の詩人の作品にはとんと馴染みが無いが、詩が詩として楽しまれていた時代の詩人には何人かお気に入りが存在する。どっかで書いたけどあいだみつおは大嫌いだけど金子みすゞはどうしようもなく好き。仕事仕事で忙殺されて休みの日には釣り場に居て実家になど滅多によりつきもしなかった頃には室生犀星の「小景異情」の有名な一節を心の中で呟いていた。高村光太郎の「道程」は人がやってないことに手を出したがる人間の道しるべ。草野心平の自由自在さには思わず笑う。北原白秋はゴールデンカムイとかで本人ろくでなしだと知ったが、詩は贅肉がそぎ落とされてて切れ味鋭く素晴らしいと認めざるをえない。中原中也は「よごれつちまつた悲しみに」に惹かれて読んでみたけどそれ以外はピンとこなかったけどそれだけで充分な気もする。宮澤賢治は物語はキリスト教的説教臭さが鼻についてイマイチ好かんが、詩はどれも素晴らしい声に出して読みたい日本語代表という感じ。

 でもって谷川俊太郎先生の代表作といえばさっき書いた「朝のリレー」と「二十億光年の孤独」なんだろうけど、訃報記事を読むと「鉄腕アトム」の主題歌の作詞もされていたようで、”現代に於いて詩人は作詞してる”説を裏付けるようで「ほらね」って感じだ。

 92歳は大往生だろうと思う、それでも感じるさみしさに僕は思わずくしゃみをした

2024年11月16日土曜日

米国でもルアーのパクリ?はお約束

 レーベルミノーは以前ネタにしてなかったっけ?と冒頭写真で思うかもですが、こいつらレーベルミノーじゃありません。ビルノーマン(ノーマンルアーズ)「シャイナーミノー」約18センチとホッパーストッパー「ストライパーヘルキャット」約13.5センチです。

 まあ、見たまんまのレーベルミノータイプのミノーで、そもそもビル・ノーマン氏はレーベルで働いて、暖簾分けなのか喧嘩別れなのかよく分からんけど、その後に独立した経緯もあるようでまんまそっくり。それ以外にも今回箱買いしてるのでミニカタログがついていて、レーベルの「ハンプバック」っぽい「ハーフバックミノー」やらなんかも出していて、真似しているのか対抗心があるのか、ミノーの他にもレーベルのルアーに似たようなルアーをぶつけている。ホッパーストッパーの「ヘルキャット」の方はまだレーベル得意のクロスハッチ模様とは違いウロコ模様を描いているし、2個にはリップを支えるリブがあるところなんかも独自色はある。あるけど、ラパラが北欧からやってきて、レーベルが樹脂素材でラパラっぽいスリムで軽くてよく動くミノーをって作って成功し、その後ニョキニョキと雨後の竹の子のように似たような樹脂性ミノーが各社から出てきて百科騒乱という、ルアーの世界ではありがちな展開だったことが容易に見て取れる。ルアーの世界に限らず、釣り具の世界に限らず、どんなモノでも革新的なブツが生まれると、その安直な模倣から、一手間くわえて改良されたもの、逆にダメになったモノ、安っぽい廉価版、いろんな試行錯誤の上に一段上に進んだようなモノが現れて、またそれが模倣されて、っていう流れはお約束というモノだろう。いつも書いているように、そういうぶっちゃければ”パクリ”に該当するようなルアー達も、選ぶ楽しさを与えてくれるし、そこから次の段階へと改良が進んでいくこともあるので一概に悪いとは思っていない。ただワシの好みとして、安易な”マルパク”にご大層な能書きたれて偉そうに売ってござるルアーには唾を吐きかけたくなるし、大手が小規模工房が開拓したような分野にいけシャアシャアと後出しジャンケンでデキの良いのをぶち込んできてたりするのを見ると、いい加減にしろと思う。恥ずかしくないのか?ないから節操のないことができるんだろうし、金稼ぐってのはそんなの気にしてられんことなんだろうけど、なんとも浅ましく思えてしまう。

 ビルノーマンといえば、クランクベイトの名門という印象で、古典の範疇に入る「リトルN」とかは馴染みがないけど、河川のビワコオオナマズ狙いで派手な動きのディープクランクが効くということだったので、ザ派手なアメリカンディープクランクな「DD22」と「DD14」を用意していって、見事人生初”ビワダイ”はDD14を流れに流していたら、携帯に電話が掛かってきて話してたらガンッと来てしまい「来やがった、一旦切る!」とファイトしてゲットしたのを憶えている。他に、当時人気が無かったのか安く買えた「ラトルー」というクロスハッチ模様が切ってある中型ペンシルは、安いのに結構良い動きでよく釣れた。2個あったはずだけど蔵を探したら1個しか出てこなかった。その後、アイの位置が変わったりして、この先端にアイがあるタイプは結構良い値段で中古市場では売り買いされていたりする。もっと買っときゃ良かった。

 とかいいつつ、むしろノーマンのルアーにお世話になってるのは今まさに現在進行形で、まあビワダイ用になんぼかストックがあったのと、派手に暴れてアピール力が強いのを知っていたので、根魚クランクを始めてチョイ深いところを攻める必要が出てきたときに、DD22とDD14は真っ先に引っ張り出している。ビワダイ用にそんなに買った憶えがなかったので、中古だと安いのでずいぶん買い増ししたけど、今回蔵をあさってたら、河川のビワダイ狙い2回ぐらいしか行ってないはずなのにやたらと在庫してあったのが出てきて、根魚クランクは基本根掛かりをさせない方法を確立しつつあるので、おそらく一生掛かっても使い切れないぐらいの備蓄はありそうで頼もしい限りである。ちなみにDD22もDD14も現役で今でも売ってます。そういえばビルノーマンもノーマンルアーズと名前を変えその後”親元”のレーベル母体のプラドコに”里帰り”していて歴史の流れを感じさせてくれる。

 今回の「シャイナーミノー」7インチはぶっちゃけレーベルミノーとかぶるし、箱入りで状態も良いしで、実釣用というよりは売れるものなら1個売っぱらって突っ込んだ資金をなんぼかでも回収したいところ。


左から当時モノ小、復刻版初期、復刻版後期
 ホッパーストッパーはなんと言っても想い出深いのは「へルレイザー」で、かつワシのへルレイザーは小っちゃい方だった。で、大きい方はどちらかというとデカいペラで移動が抑えられて1カ所でねちねちやるのに適していたようで、プラドコがヘドンブランドでへルレイザーを復刻した際には、最初小さめのペラに変更されていて「昔のと違う!」という苦情が殺到したようで、途中から換装用のペラセットが付属して売られて、終盤ははじめから昔のと同じペラが付けられて売られていた。まあ、昔のへルレイザー大を愛用してた釣り人からしたら当たり前なんだろうけど、ワシぶっちゃけ小さくしたペラの方が断然好みだった。なぜならワシの愛したへルレイザー小に動きが近くなるからである。へルレイザー小は丸型の小さいペラで、一カ所でネチネチよりは扁平したボディーを横倒しにしながら、ジャーッと引っ張って止めてまたジャーッと引っ張って止めてという、速いテンポのストップアンドゴーの連続が得意だった。学生時代に通ったダム湖はわりと水が入ってからの年月が短く、立木がまだ沢山残っていて、その沖側に投げてジャーッ!ジャーッ!と素早く広く攻めていると下からバコン!とバスが飛び出してきたものである。そういう水面を軽やかに走らせるには小さめペラはちょうど良かった。なので、復刻版も使う想定のものには不評を買った最初の小さめペラをワシは付けている。良い塩梅に走ってくれる。とはいえ、ワシの想い出のへルレイザー小は印旛沼の横の小河川の杭に取られて失われてしまった。しまったんだけど想い出を金で買い戻すようなことをして小サイズ買ったけど、手元に来たからといってなくした個体が帰ってきたわけではなく、それはちょっとむなしい買い物であった。

 ホッパーストッパーはなにげに日本でも人気のルアーを輩出していて、障害物回避能力で名をはせたシャロークランクの名作「クラップシューター」、その金属リップディープダイバー版「ヘルベンダー」はたぶんボーマーの「ウォータードック」の後追いだったんだろうけど、本家より主流になって日本でも数多くのパチものが作られた。バネ式ボヨヨんラトル?を搭載した「ドックウォーカー」なんてのもあって、これらは後にプラドコ傘下ヘドンブランドで復刻されている。あと地味だけど「バイウーブギ」っていうバイブレーションも復刻されている。

 バイブレーションプラグの元祖的なものの候補としてこの「バイウーブギ」とピコの「ピコパーチ」が上げられていて、たしかどちらか昔使ってたのがあったはずと探してみたら、出てきたけどどちらでもなくタックルインダストリアル「スイミンミノー」だった。っていうか調べて初めてその名を知った。こういう形のバイブレーションってメーカーさえ不明のパチモノから結構な大御所メーカー製までいろんなところで作られてて、さっきも書いたようにルアーの世界では古今東西”模倣”は数多く繰り返されてきたってことである。

 で、なんでこんなバイブレーションプラグにラトルが入る以前の古風なバイブレーションを使ってたのが残ってるかというと、若い頃職場のバス仲間と行ってた釣り場の一つに印旛沼があってワシのへルレイザーを杭に捧げたのは印旛沼につながる小河川で陸っぱりだったけど、バイブレーション使ってたのは本湖?の手こぎボートの釣りで、当時の印旛沼は往年の菱藻の沼の面影は既になく、そういった水生植物が枯れたモノが底にヘドロ状に堆積し、ボートを泊めるアンカーは鉄の棒をヘドロに突き刺すという独特なモノで、そんなヘドロ底では植物が微生物に分解されるために酸素が使われて低層は酸欠状態で、泥なんかもろ還元的な環境になってて、ワームなんか使うとくすんだ鉛色だったシンカーがピカピカになって戻ってくるという信じがたい現象が起こる有様で、底にはバスは居なかった。というわけでヘラ釣りのために沈めたオダとかの上に浮いているバスをバイブレーションで狙うのと、さすがにヘドロ底じゃない岸際の葦原をスピナベとかで狙うのがパターンで、ワームはあんまり効かなかった。その時に活躍してくれたのが魚型のバイブレーションの元祖ザウルス「バイブラザルス(ずっとバイブラザウルスだと思ってた)」とダイワ「TDバイブレーション」でTDバイブレーションにはノンラトルタイプがあって、バイブレーションにはラトルがあった方が良いだろうと漠然と思ってたのに、なしでも釣れるやんけってなって、なら古いノンラトルだった時代のバイブレーションでもいけるやろ?と代々木の中古屋で買ったのがスイミンミノーだったんだと思う。今考えると当然なんだけどラトルなしでも釣れるときは釣れる。ない方が良いときもあるような、あった方が良いときもあるような、そのへんは違いはあるようには思うけどな。あと印旛沼のボート屋のババアが因業ババアで1人乗りで借りようとしたら「休みの日に1人で乗られると儲けが少なくなって・・・」とかぶつくさ文句言いやがって貸し渋りやがって、腹立ったので2人分の料金たたきつけるように払って「文句ねぇだろ」と啖呵切ってやった。思い出したら腹立ってきた。とバイウーブギからだいぶ脱線したけど、脱線ついでにもういっちょ小ネタで、GT用のルアーに「梅雨ブギィ」という名前のがあって、作ってる人そのあたりのルアー好きだったんだろうなと想像している。

 で、今回買った「ストライパーへルキャット」、細身の13.5センチは正直あんま大きくない。もっとデカいのがあるのか?国内にも入ってはきてたようだけど中古もあんま見かけないのでマイナーな存在かと。米本国ではどんな感じだろうとストラーパーソンズあたりを覗いてみたら、お好きな人は居るようでボーマーやレーベルを試してダメなときにへルキャットが効いたことがあるとかなんとか、まあどこの世界でもマイナールアーを手持ち札にしてる釣り人はいるってことでしょう。というわけで、悪くもなさげなのでまとめて安く買えたし実釣想定してフック付けて試し投げしてみました。まああれです、軽くて投げにくいぶん動きは良いタイプのミノーです。使いどころはあるかと。あと面白いのが2個がリップの後ろに支えるリブがあるんだけど他のには無くて、黒い1個はリップがもげたらしく自作の「HELLCAT」の銘無しのリップが填めてある。そういう事例が苦情としてあがってきてメーカー側でリブ付けて改良したんだろうなと思うとまた趣深い。

 昔「へルレイザー」を”地獄光線”って中二な名前だなと言ったら「アレは扇動者」って意味があるらしいよと言われたけど、へルレイザー、ヘルベンダー、へルキャットとへル軍団を構成しているところをみると、地獄の意味もあるダブルミーニング的な名前なのかなと思ったり思わなかったり。ちなみにへルキャットは「性悪女」的なスラングだそうで、なるほどなという感じ。戦闘機にもなかったっけ?ちなみにヘルベンダーはそのまんまでアメリカオオサンショウウオのことでもあります。地獄の配送業者的な意味もあるのかもだけどボーマーの「ウォータードック」が釣りの餌にも使うような普通サイズのサンショウウオの呼称なので対抗意識で名付けたんでしょうな。

 てな感じで、どこまでが許せる模倣で、どこからが許しがたいゴミくずパチものなのか?そんなのは人によって気分によって違うって話なんだけど、ほんとに古今東西ルアーの世界はパクリとは切っても切れない関係なんだなとあきれつつも感慨深かったりする、ルアー図鑑うすしお味第75弾はメリケンデカミノー6回目、ビルノーマンとホッパーストッパーのレーベルミノーっぽいそれでいってみました。

 次回でメリケンデカミノー関連とりあえず最終回の予定です。引き続きお楽しみに。

2024年11月9日土曜日

デカアメミノー実戦投入部隊?

 今回のデカアメミノーは、実戦投入も視野に入れている。ということもあってだけど、一番上のマンズの「ストレッチ25+J」が実はマンズ最大のミノーではないことをあらかじめ陳謝することろである。他の2本はストーム「ビックマック」、スミスウィック「トップ20ログ」で、たぶんこいつらはブランド最大のミノーだろうと思う。

 ではマンズ最大のミノーは何か?ってなると、大きく外れてはいなくて、同じストレッチシリーズ最大の「ストレッチ30+」がそれで、ボディーだけで20センチ越えの30フィートダイバーのトローリング用ミノーでおそらく海でラパラ「CDマグ22」とかと同様に引っ張ってワフーだのツナだのを狙う代物だろう。でもってそれを買うかと考えたときに、一つには国内ネット中古市場でもちょくちょく出てくるので購入自体は可能だけど、5千円からしていて”クソ高い”。絶対欲しいというようなモノならそのぐらい払えば良いと思っているけど、正直ブログネタのためだけにそんな酔狂な買い物してていいほどナマジ家家計は余裕があるのかと考えたとき、いやあるまいって。物価高騰のおり財政厳しいけど、それでも趣味に使う金も重要とは思うにしても、あまりにも”無駄遣い”が過ぎる。ということで、一つ小さいモデルの「ストレッチ25+j」はちょっとボロ目なおかげでお安かったし、かつボディー約15cmリップ入れると約20cm、潜行能力は25フィートってのはトローリングでだろうにしても、かなり潜りそうではあり根魚底物狙いで対大物用として投げても良いだろうということで、予算を付けて購入してみた。

 ストーム「ビックマック」も、元来トローリング用のはずでリップ含めると18センチあるけど、海の、大きさの限界がイマイチ見えてこない根魚、底物用であれば特段大きすぎると言うこともないだろう。いわんや本体13.5センチの「トップ20ログ」おや、という感じで、この3つは主軸を張ることはないかもしれないけど、根魚底物狙いで対象が大型化し大型ルアーのアピール力が欲しくなったときに切る札として”お楽しみルアー”的な起用は充分想定できる。使いもせん無駄なルアーばっかり買ってたわけじゃないと、そう自分を納得させたい。

 マンズは、B級ルアー好きには特に人気のルアーを作ってきたメーカーであり、Dab氏の”b列伝”でその人気に火がついた感がある。我が家にも”行きつ戻りつ”な、ポッパーとバズペラスイッシャーの融合により、どこまでルアーは既成概念から遠くにたどり着けるのかを問うたかのような「トゥーファー」、柔らかく良い匂いつきという革新的な、ソフトプラスチックのワームの原点の1つである「ジェリーワーム」を作っておきながら、ハードな樹脂素材でトップからディープダイバーまで、システムクランクに先駆けて同一形状ボディーのルアーを展開して世に問うたのは革新的だったとは思うけど、なぜその形状が堅いのにミミズである必要があったのか?「ハードワーム」。このあたりのどっかおかしい開発能力はワシも大好きであるとともに困惑させられてきた。

 ところが、そういうB級なちょっとアレな路線もあるけど、実力派のルアーも多数生んできたブランドであり、「フロッグマン」が見た目の奇妙さからB列伝入りしているのはワシャ解せぬ。背びれつきのペンシルベイト「マンダンサー」も格好良くて人気あるのでワシには買えん値段になってる。っていうなかで、特にマンズが実釣能力ありの方面で得意なのは、プラグ以外では、ジェリーワームに代表される柔らか系で特にその名もずばりな「ザ・フロッグ」にはライギョ釣りでお世話になった。テールスピンジグの元祖「リトルジョージ」も今でも充分通用する単純明快な実釣派ルアーでカヤックでのナブラ撃ちで多用してたので在庫しまくっている。ボディーがザリガニのクロージョージも同系統だけど、なぜかその金物系のはずのリトルジョージを大型化して樹脂ボディーにした「スーパージョージ」を作ってしまうのはB級ルアーの大御所マンズの面目躍如というところか。そしてプラグ方面でマンズが伝統的に得意なのは、クランクベイト方面で、米南部アラバマでのマッディーウォーターで激しく動いてアピール力が強いクランクの需要に対応し、レザーバックシリーズとか昔から定番化していて、「ワンマイナス」では水面直下ブリブリ系のクランクという新ジャンルが生じたほどの影響をルアーの歴史に与えた。そして、今現在のレーザーバックとかの”豚系”から発展した、よく潜りよく暴れる「デプスプラス」シリーズにそれらの伝統は引き継がれ、ワシも根魚クランクに「+15」を投入している。デプスプラス系には基本潜行深度フィート数が名前について、例外は潜らない「1-」とか。

 この、クランクのデプスプラスシリーズから派生して、潜行深度によってシステム化されたミノーシリーズが「ストレッチ」シリーズで、まさにクランクをミョーンと引き延ばしたような太くて暴れん坊なボディーに、ディープダイバーにはクランク譲りの先がヘラ状に曲がったリップがついている。「ストレッチ+25ジョイント」はトローリングでだと思うけど、潜行深度25フィートということは7.5mまで潜るとされているわけで、キャスティングでもそこそこの深度に達するのではないかと期待している。5m潜ってくれれば6m底とかの底からチョイ上の棚を引けて、デカさのアピール力とあわせてヒラメとかの底物をとらえうる弾になるかもと期待している。

 ストームの「ビックマック」もデカいリップがボディーと一体化するように突き出てて18センチの巨体を形作っている、トローリングでは相当の深度を引っ張れるモノだと思うので、まあマンズモノとあわせて実弾として使用可能か試していきたいところ。ストーム独特の銀ウロコ模様の味わい深さは我らオッサン世代じゃないと分からんだろうけど実にいいんだよね。

 ストームというと、ラパラ傘下の新生ストームブランドには結構お世話になっている。今でもメッキ釣りチヌ釣りに愛用している「フラッタースティック4」は安くてよく釣れるシンペンだし、これの7センチはダイキリさんによく釣れると教えてもらって東京湾流入河川のバチ抜けで愛用していて良い仕事してくれた。「チャグバグ」も現行の縦浮きラトル有りは、今時のソルト用ポッパーとして必要十分な感じの優秀さを備えていて、ガサッと在庫してある。これ買った頃は円安じゃなくて、実弾補充に海外通販でまとめ買いはお約束だった。まあ円安でも海外からお買いもんしてるから、こんなネタで書きまくってるわけで、円安もワシの病気を止めることはできんのじゃ。アタイ病気が憎いッ!

 でも「チャグバグ」といえば昔のラトルなしの水平浮きのが想い出深い。ストーム独特の銀ウロコ模様のは大人になって買ったけど、少年時代はブルフロッグ柄のチャグバグを右に左に首降らせてバスを釣っていた。懐かしい想い出。そして、しっぽのワームをフラスカートに換装した「リルタビー」が学生時代得意にしていたクランクベイトで、最近になって「DDT」「タイニータビー」「リルタビー」のタビーズ3兄弟を揃えてしまった。タビーズだけストーム独特の立体目ではないのはこいつらだけ別会社で作ってたのを金型ごと買い取ったから、と聞いてたんだけど、どうも真相はストームの別ブランドで作ってたタビーズを後に昇格させてストームブランド扱いにしたってのが正しいようだ。まあでもタビーズはマイナーでストームブランドのクランクと言ったら、「ホットN」「ウイグルワート」「ファッツO」系列で、ホットNに関してはシーバス用に導入決定して仕入れまくって、結果がちょっと出たあたりでご近所のシーバスが絶不調期に入ってしまい、実力発揮ささられていないのがもどかしい。軽くて投げにくい分動きは最高なのよ。

 そんなストームのミノーとしては、我が国ではペラッペラの「スーパーシャイナー」がオッサンなら思い浮かぶけど、あっちじゃ「サンダースティック」はそれなりに人気があるらしく、ストーム最大ミノーの候補には「シャローサンダー」15センチと「シャローマック」15センチもあったけど、鼻差というか突き出たリップの差で「ビックマック」がストーム最大ミノーの栄冠に輝いた。

 で最後にスミスウィック「トップ20ログ」、これは常識的な大きさの長いリップを持ったミノーって感じで、普通に使えるだろう。スミスウィックのログシリーズの大きいやつでデカログとか呼ばれる「パーフェクト10ログ」のロングビル版ということで、13.5cmの本体。

 スミスウィックのログってワシの感覚だと、あるときいきなり出てきて、米国ではロングAに匹敵するジャークベイトとして人気とか紹介しだされて、スミスウィックってダブルスイッシャーの「デビルズホース」とかの木製ルアーのメーカーという印象だったので、なんじゃそりゃ?な感じだった。ログ自体は古くからあるルアーのようだけど、日本に紹介されたのはトーナメントが流行りだしたあたりの、わりと遅くだったように思う。他にスミスウィックといえば、尻小玉がついている系のペンシル「ツースピック」、クランクの「ボージャック」ぐらいで地味な印象のメーカーで、ログは実はこれまで使ったことがなかった。ログはジャークベイトの名作って刷り込まれているけど、ミノーをジャークして使うこと自体少ない上にロングAはしこたま在庫しているし、アメミノーならレーベルミノーもあって間に合ってる感から購入に至ってなかった。そういうわけで苦手意識もあったけど、これを機会に馴染んでしまうのも一興かもしれない。数字の20は20フィート潜ることを表しているようなのでそれが本当なら6mダイバーである。そこまで潜らなくても出番は作れそうに思う。

 ということで、今回のルアー図鑑うすしお味第74弾、デカアメミノーネタも終盤戦の5回目はマンズ、ストーム、スミスウィックの深く潜って底物を誘ってくれそうなデカミノー達でいってみました。次は渋いというか地味というか、これまた実用性はありそうなところをいってみますので、お好きな人は引き続きお楽しみに。写真の「レロイブラウン」は、そういえばドピンクの派手さにやられて中古屋で手が出てしまったのがあったのを思い出して蔵から発掘、最後のおまけだよ。

2024年11月2日土曜日

メリケンバスルアー代表といったらこのあたりのブランド

  米国製バスルアーといったら、ヘドン、アーボガストは外せないだろう。アーボガストじゃなくて、バグリーでは?ボーマーやレーベルではあかんのか?B級好きならマンズをゴリ押しするかもしれん。でも、もう一方のヘドンが米国バスルアー代表であるということには異論は少ないのではないだろうか。そのぐらいヘドンは少なくとも我が国では”バスルアー”を象徴するブランドである。

 アーボガストは個人的にほぼジッターバグ・ジッタースティックの印象である。あと使ったことがあるのはフラポッパーとスパターバグぐらいだけど、ジッターバグとその一族の威力だけでメリケンバスルアーの代表たり得ると思っている。

 これら2つのルアーブランドの最大のミノーは何か?アーボガストはそもそもミノーをあまり作ってこなかったので、冒頭写真の下の「アービー」の15センチ?サイズでたぶん問題ないだろう、ところがヘドンの最大のミノーはなにか?というのは歴史が長いブランドだけあってミノーも種々作っていて、なかなかコレっていうのを特定するのは難しかった。冒頭写真の上のミノーがその最大ミノー候補の1つなんだけど、コレ見て一発で何か分かる人は相当なマニアで、普通のバスマンとかだど「何コレ?」って感じかもしれない。このミノーは何者なのか、てなあたりに迫りつつルアー図鑑うすしお味第73弾、今回もハリキッていってみよう。

 ヘドンについて今更ワシがゴチャゴチャ書くのもはばかられるっていうぐらい、我が国にも熱烈なファンが多くて、下手なことを書くとつるし上げ食らいかねない。古典的で代表的なルアーを書くだけで「オリジナルザラスプーク」「クレイジークロウラー」「ラッキー13」「チャガースプーク」「マグナムトービート」「ダイイングフラッター」「ウンデッドスプーク」「タイガー」「タドポリー」「メドウマウス」「ビックバド」と馬鹿馬鹿しいぐらいに強力な打線となる。たぶん今あげたルアー達って全部ミリオンセラーだろうと思うってぐらい、古くからあるし今でも売ってる。釣れなきゃそうはならんでしょ?って話で、ともかく大正義アメルアブランドなのである。今更ヘドンのルアーについて書くのは勇気がいるぐらい、あちこちで書かれているし語られてきたルアー達である。

上から、ビックタイガー、プロウラー、タイガー
 そんな中でヘドンのミノーと言えば泣く子も黙るタイガーが日本じゃ大人気で、虎一家には13センチの「ビックタイガー」がいるので、あまり詳しくないバスマンならそれが一番デカいのかな?とか思って、マニア筋に鼻で笑われるだろう。ヘドンの作ってきたミノーといっても歴史が長いので古典的なものでもタイガーの他にヴァンパイヤ系、リバーラント系の猿顔勢、断面三角の「ヘッドハンターミノー」、横たわってへの字になって死にそうな小魚の「プロウラー」なんかがそこまで詳しくないワシでもぱっと思いつく。たぶん玄人筋に聞いたら最大ミノーとして上がってくるのはヴァンパイヤ系の「ウッドヴァンプ」の8インチモデルではないだろうか?マスキーやパイク用と思われるこのモデルがワシの調べた中で最大ミノー候補の1つであった。でも、冒頭写真のアービーじゃない方は猿顔じゃないやん?って思うでしょ。ついでにそこそこ詳しい人でも「なにこのミノー?」ってなるか「アレにこんなでかいサイズが存在したのか!」って驚くかだと思う。ヘドンにはきら星のように輝く人気ルアー達が目白押しだけど、そんな中で皆があえて言及を避けているようなマイナーなミノーがある。

 それはまぎれもなくヤツさ~♪ コーブラー♪♪

ラパラF9、コブラ10、キングコブラ、マグナムタイガー
 ってことでヘドン最大のミノー候補のもう一つは「ウッドキングコブラ」8インチ(約20cm)です。ジャカジャン。

 なんで言及が避けられていると感じるぐらいにマイナーなのか?それはひとえにヘドンなのにデキがアレだからである。ヘドン「コブラ」について言及されるとき、だいたい「ラパラに対する回答的な実験的ミノー」って感じで説明されがちなんだけど、北欧からのラパラの来襲は米国では第一次ラパラショックを引き起こしたのは有名な話で、それまでのウッドで重たくノタノタ泳いでいた猿顔のミノー達と全く異なる、細身で軽やかにキビキビと泳ぎ魚を誘いまくるラパラを目の当たりにして、レーベルはプラでその動きを再現しようとし、バグリーはバルサでラパラとはまた違う個性を持った「バングオー」ミノーを作り出した。そしてヘドンはバルサにホイルフィニッシュというラパラの手法で「コブラ」を作り出したんだけど、これが何というかデキがあれなんである。ぶっちゃけ素人ビルダーがラパラのまねしてホイルフィニッシュのミノーをこさえてみたレベルに毛が生えたような雑い作り込みで、それでも動きが良くて釣れれば売れるんだろうけど、たぶんその方向性ではラパラには勝てんかったんだろう。というわけで独自性を持ってラパラを進化させたようなレーベルミノーやバンゴーは今でも生産されているぐらいの名作となったけど、ヘドンの「コブラ」ミノーはヘドンファンは見なかったことにしているような鬼子となっているのだとワシャ感じている。

 コレ日本だけじゃなくて米本国でも同じような感じらしく、ウッドヴァンプの8インチなんてとても手の出る価格ではないぐらいの高値がついてるけど、「キングコブラ」8インチは送料抜けば2千円も出せば買えた。国内では滅多に出てこないけど、ネットオークションの過去事例調べたら送料含まず千円台とこれまたクソ安かった。普通サイズも試しに買ってみたけど、塗装はげがあるのもあって千円ぐらいで買えた。まあ手にしてみて、使うかっていえばコレ使うならラパラ投げとくよねって古今東西のルアーマンが抱いたであろう感想をワシも抱かざるを得なかった。ので動きとか見ていない。でもまあ、こういうニッチなルアーこそ我がブロクで紹介するにふさわしいと思うわけですよ。当時のヘドンのルアー設計陣がラパラショックを目のあたりにして「うちもあんなの作って、ラパラを超えてやるぞ」と作ってみたけど、ラパラの頂は想像以上に高く、「同じ方向から攻めたらあかん!」と方向転換して、名作「タイガー」シリーズを生み出したのはさすがというところか。何でも最初っから上手くいくわけなくて、模倣から始まって、試行錯誤のうえ独自性が生まれるっていうことなんだろう。凡百のルアーメーカーが模倣で目先のオゼゼ稼ぐための四苦八苦に終始して終わるのに対し、そこはさすがヘドンの開発力というところか。

 というような大正義ヘドンルアー達なんだけど、ワシいうほど使い込めていない。自信があるのはシーバスで投げ倒した「ザラパピー」とチビバス必釣の「タイニーラッキー13」ぐらい、クレイジークローラーも愛用してたのはタイニーの方だしで、オリザラで釣ってないし、ラッキー13でも5/8クレイジークロウラーでも釣ってない。良い魚釣った記憶があるのでオリジナルサイズのものは「ビックバド」ぐらいかもしれない。あとは、藻面をウェイキングと水面ちょんちょんでせめてライギョ釣った「マグナムタイガー」と、ナマズ釣りで良い仕事してくれた「ダイイングフラッター」ぐらいというていたらく。バス釣り少年の頃は高価なルアーをおいそれとは失したくないので舶来モノのルアーは投げづらく、そもそも野池の小バスには5/8オンスのルアーとかデカくて釣れると信じられんかった。それなりにバイト代とかで手元も暖まった青年の頃には、日本製のピカピカのルアー達に心とらわれてアメルアはちょっと野暮ったく見えてしまっていた。オリザラでは釣らなかったバスをレッドペッパーでは釣ってた。それでも、ヘドンのルアー達には、中坊の頃からタックルボックスに入っているだけで、たまに泳がせて悦に入るだけで心地よい気分にさせられてきた。ヘドンは今でもプラドコ傘下でブランド残っていて、新製品ブイブイ出してくるのについていけてはいないけど、手に入りやすいこともあって、とりあえずどんなモノか買ってるだけで、わりと蔵のスペースを圧迫している。今時のヘドンブランドルアーの進化具合とかもちょっと気になるし、復刻版とかもなぜか1個ぐらい欲しくなる。てな感じで、マイナー好きなワシとしては得意なブランドってわけでも無いんだけど、気づけば蔵にごろごろと転がっている。まあ、バスやったことあるルアーマンなら無視できないブランドであることは間違いないんだろう。

 フレッドアーボガストに関しては、さっきも書いたように、ひたすらナマズ狙いのジッターバグ、ジッタースティックの印象である。バスも夜釣りでなんぼか釣った。我が家の”釣りの上手い人”もジッターバグのナマズ釣りにはハマって、「ピポパポピポパポ、バフッ!・・・バフッ!!」というジタバグの口真似が持ちネタになっていた。シーバスもつれるだろうと今年導入してみたけど、いかんせん魚少なく投げる機会がなかなかつくれていない。フラポッパーはこれまたライギョ釣りで小さい方のを使って、野池の葦に引っかけてフラスカートをゆらゆらとかでバイト取ってた。最近一番小さい3gぐらいのをメッキ、チヌ狙いに、フライロッドサイズのをシーバス用に使い始めている。あと、スパターバグはバスもなんぼか釣ってると思うけど、これもシーバス用に運用始めたところである。

 アーボガストがアメリカ代表バスルアーブランドだという印象が強いのは、「トムとジェリー」でトムさんが用意したタックルボックスにジタバグとハワイアンウィッグラーらしきモノが入っていたから、ってのもあると思う。そのぐらい米国ではありふれて一般的なルアーブランドなんだろう。アーボガストは他に蔵には獅子っ鼻クランク「パグノーズ」やスカート付き(腐って既に失われてるけど)クランク「パグアイ」、イラストチックなお魚型バイブレーション「トゥルーシャッド」、迷走してた時期にでてた木製ルアー「ジャンピングスヌーカー」、海用の「スカッダー」と「ダッシャー」あたりが転がっている。今回フレッドアーボガスト最大ミノーと推定した「アービー」6インチ(約15cm)の他に候補としては、ミノーっぽいのは「フラダイバー」の大きい「フラパイク」が5インチで、「スヌーカーミノー」はデカいのはないし、への字の「ドラド」がミノーだとしても大型のはなさげ、ということでアービーの線で堅いのかなと思っちょります。上の写真の淡水用のルアー達と並べるとアービー6インチはでかく見えるけど、下の海用のダッシャー、スカッダーと並べると大きくもないという。淡水用と海用のルアーの大きさの違いがイメージつかめるだろうか?海用のはデカいんです。

 ということで、ヘドンとフレッドアーボガストという押しも押されぬ大人気アメルアブランドの紹介にもかかわらず、主役が「キングコブラ」と「アービー」というなんとも渋めというか人気薄の線になるのが”ナマジのブログ”品質。

 次回も人気バスルアーブランドが続きますので、お好きな人は引き続きお楽しみに。

2024年10月26日土曜日

蔵に転がってたデカミノー

 30センチほどもあるキチガイじみた大きさのクリークチャブ「ジョインテッドパイキー」は、ロシアにタイメンでも釣りに行くなら必要だよなと買ってあった。

 ミローのトローリング用ミノー「108MR」「107MR」はなぜかネットフリマで見つけたときにマウスが滑った。

 グデブロッド「スーパーマーベリック」においては、どこでどうやって入手したのか記憶にございません。

 というわけで、ルアー図鑑うすしお味第72弾はなぜか蔵に転がってたデカアメミノーでいってみましょう。

 クリークチャブっていったら、なんといっても世界記録を釣ったとされてたりされてなかったりする「ウイグルフィッシュ」が有名かもだけど、我が家の蔵にはそんな高価な代物は転がってない。でも「パイキー」は結構転がってて古いジャンクの再塗装とかも過去にやっている。で、写真一番上のデカブツなんだけど30センチくらいはあって、いにしえの時代にトローリング用かなんかで存在したらしい大きさのを2000年代ぐらいに復刻したもので、お尻の針金の玉で処理してる感じとか、そのころに流行ったでっかいヘドンの「マグナムザラスプーク」とかと同じ工場で作られたんじゃないかと思う。ちなみに世界の工場中国製。とにかくデカいしリグは海で使っても問題ない貫通ワイヤー方式で丈夫だしで、ジョイントじゃない小さい方(いうても20センチぐらいあるがな)とともに、2mの巨大タイメンを狙うならこのボリューム感が必要だろう!と息巻いてロシア釣行の予定もないのにガサゴソと買ってしまった代物である。7インチ17.5センチ級のミノーは今後海水温上昇に伴う”紀伊半島南の海化”に伴い出番あると期待しているけど、さすがに30センチもあるようなミノーに今後出番あるんだろうかは疑わしい。ちなみにこのデカパイキーは国内に正規では入ってきていないのでレアものといえばレアもので、いくつかまとめ買いしてるし、お好きな人に高値で売れないかとか考えるけど、クリチャブものは国内では不当に人気ないし売れんのだろうな。マグナムザラスプークとか一時価格暴騰してて、そっちをなぜまとめ買いしておかなかったのか悔しくてならんかった。1個買ったけど使って目玉剥げてしまってて自分で使うしかない。当時はネタ扱いで普通にルアーコーナーで売っててちょっと高いけど話の種にと買いはしたけど、何が値段高くなるかなんてわからんもんである。話ずれたけどCCBC(クリークチャブベイトカンパニー)ものは日本じゃマイナーであんまり馴染みがないかもしれんくて、ワシも初めて手にしたのはシイラに使おうと思って購入した「ストライパーストライク」で釣り場で投げたらブクブク沈むシンキングポッパーで当時は使い方知らんかったので途方に暮れてその後放置したっていうぐらいのモノである。バス用としてはパイキーシリーズの他にダブルスイッシャーの「インジャードミノー」、そのものずばりな名前の「ダーター」、ポッパーの「プランカー」あたりが国内には入ってきてたようだ。個人的にはリップが掻いた水が背中の穴からクジラの潮吹きみたいに吹き出るらしい「ジガー」が面白いと思ったけど、コレクターズアイテムで手が出るような金額ではないので入手は断念している。樹脂で勝手に復刻した代物があるようだけど権利関係でどっかともめたようで、そういう品はちょっと買うのがためらわれる。という感じでよほどのマニアでないと日本じゃあんまり話題にもならないけど、パイキーは良いミノーだと思っちょります。デカブツはさすがにノタノタと鈍重な動きにしかならんのは想像どおりで求めているモノがデカさのアピール力なのでまあ良いんだけど、普通の大きさのはグワングワンに振り幅の大きいロール少なめの横振りで他にあんまり類を見ない感じ。アピール力すごくある。タイガーのロールを無くしてその分横に振らせたような感じ。ここのルアーはラージマウスバスを始め記録ハンターで、パイキーもパイクの世界記録出してたし、ストライパーストライキングもストライパーの世界記録出してたはず。日本じゃマイナーだけど本国アメリカでは深い沼に沈むマニア多数の超人気ルアーである。円も安いし海外に売れんかな?とかやくたいもないことも考えてしまう。まあ面白いブツなので蔵に転がしておけば良いか。

 ミローもまた、国内じゃややマイナー味の染みた渋いメーカーで、その昔は社名も「L&S」って名で、日本で唯一人気と言って良いダブルスイッシャーの「サーフェススピナー」も「ダブルスキャット」の名前で出てました(源氏名は「5M」「コーリングアップ」「Aプロップ」とか変遷あり)。あとは「ジョイントポッパー」とか「トップドック」「トリプルアクション」なんかも水面系のバスマンなら馴染みあるかも。でも、ここの得意は本来塩水系で、地元フロリダではターポンなんかをスローシンキングのバイブレーションプラグ「TT」シリーズとかでやっつけてるし、今時だと水中ドックウォークさせて使う”トィッチングベイト”的なシンキングペンシル?も得意としている。で、写真左上の「108MR」「107MR」は見たまんまCDマグみたいなトローリング用ミノーで7インチ級。両者で何が違うのかというとリップの大きさがちょっと違う。 

 ここのルアーはこういう細かい違いのが多くて、極端な例になると体側の黒点のあるなしぐらいしかどうにも違いが分からんのが別の名前になってたりする。で、まともな名前が愛称的についてるのもあるけど、基本は数字とアルファベットの機械的な略称で名付けられていて独特。ミノー自体はキャスティング用の「スイマー」とか「バスマスター」とか投げて釣る用の大きさのも作られているけど、独特なのは命名方法だけでなく、以前も書いたけど樹脂本体の内側に金属膜が配置されていて、樹脂越しにヌメッと良い感じに輝きを放つのである。バイブレーションプラグはそれなりに買って東京湾とかで投げたけどイマイチ成績振るわず。今後はデカミノーとついでにデカいペンシル「101MR」で青物釣ってみたいと思ってる。青物狙いは魚回ってくるかどうかの一ッ発勝負なので、投げ続けるためにこういう”楽しめる”ルアーの存在は意外に重要だと思っている。

 で、お次のグデブロッドも樹脂本体の内側に金属膜が配置されているのが特徴で、経典で則さんたちが紹介していた「マーベリック」「トラブルメーカー」は特に有名。ほかにも水面系なら「ブラバーマウス」「シナースピナー」なんかもあるし、古くは我が国第一次ルアーブームの頃、銀山湖なんかで開高先生も使ってた「バンプNグラインド」なんてのもある。あるけど、ロッドビルディングをたしなむ人間ならグデブロッドといったら、ガイドを巻き留めるためのラッピングスレッドの最大手で昔はどこの竿メーカーも使ってて趣味で巻く人も皆お世話になっていた。「あそこの竿には●△番」とか色指定が決まってて良かったんだけど、グデブロッドがスレッド作らなくなるというのを聞いたときには、そのあたりがわからんようになる云々以前に、どっか他にスレッド作ってるメーカーなんてあるのか?と界隈ザワついたものである。まあなんとかなってるんだけどワシャそれを機にラッピングスレッドは漢らしい太さもそろってる「イカリ印」の補修糸を愛用している(「漢らしい太さ」とか書くと今時、性差別とセクハラとで小突き回されるかもしれんが俺は好きに書くぜ)。

 でもって、スーパーマーベリック。たぶんどっか中古屋で見つけて、カラーが特徴だと書いた内側金属膜ではなくて、コットンコーデル社のルアーみたいな”練り”系の樹脂でできてて、大きさもふざけているし、マーベリックの形だけまねたパチモンだろうなと思いつつも面白がって確保したんだと思うけど、後にネットでこのルアーの記事を見つけて、ちゃんとした本家の製品だったと知って驚いたものである。見るからに浮力強くて暴れそうで期待しちゃうんだけど、1個しか持ってないしわりとレアキャラらしいので補充もできそうにないので、実戦投入なしで観賞用だな。グデブロッドの最大ミノーはこいつで間違いないと思うんだけど、グデブロッドのミノー?としてはトラブルメーカーに金属リップ付けたような「バスピリン」ってマイナーなのがあるので、その巨大版「スーパーバスピリン」とかは、ないよね、まさかね。

 って感じで、デカアメミノーシリーズ的には第3弾いってみました。次あたりから沼にハマりまくってるので引き続きお楽しみに。

2024年10月19日土曜日

米国製ミノープラグって言ったら、まずはこのあたりでしょう

左四天王、右通常?サイズ
 このあたりはルアーマンなら誰でも知ってるだろうし、古くからシーバスやってる爺様たちなら実際に使ってたっていう人もいるかもしれない。

 ワシ的にデカアメミノー四天王を選ぶなら、ボーマー「ロングA17A」17.5cm、、レーベル「ミノー7インチ」17.5cm、コットンコーデル「レッドフィンC10」17.5cm、バグリー「バンゴー7インチ」17.5cm(長さは目安程度で見ておいてください)だろうと思う。まあ、バス釣りでも実績のあるミノーのソルト用、あるいはパイク・マスキー用の大型のモノなので、釣れて当たりまえのラインナップ。

 ワシ的には、デカい餌、たとえばボラとかコノシロとかを食ってるシーバス用にというのが念頭にまずあり、次に海外遠征で頼りになるのはこのあたりの”世界基準”のルアー達だろうということで備蓄していたのが大半で、最近の海水温上昇対策の流れて購入していたモノもある。

 デカい餌食ってるシーバスがデカいルアーで釣れるっていうのは楽しみ方として面白いかもだけど、実は14センチとかそこまで大きくないミノーでも食ってくることが多い、とか身も蓋もない事実はあるけれど、いずれにせよ、デカいミノーをということを考えたときに頼りになるのは、北欧系のラパラマグナムとかもあるけど、アメルアならこの辺だろうと思っている。レーベル、バンゴーはカタログ落ちでやや入手難だけど、レッドフィンC10は最近再生産もされ、歴史あるルアーで製造されていた期間も長いので中古の弾数的にはそれなりにあるので、今でも入手は十分可能だろう。いわんやおや、現役モデルのロングA17Aをや、って感じでロングAの7インチ(約17.5センチ)サイズは、今でも現役で世界中で投げられている、このクラスのミノーの世界的標準機だろうと思う。

 ボーマーというメーカーは今はプラドコ傘下の「ボーマー」と「ソルトウォーターグレードボーマー」の2ブランドになっているけど、古くは爆弾形の金属リップのディープダイバーで身を起こし、フレッド・ヤング氏が「ビックO」で火を付けたアルファベット戦争に参戦し数々の記録を打ち立ててその地位を確固とした名作クランクベイト「モデルA」と、その派生だと思う「ロングA」シリーズで確固たる地位を築いた。ロングAはツーテンの虎ファンさんいわく「ロングAは細長めのクランクベイトや」というのが的を射ていた表現だと思う。太めでキビキビよく暴れてよく釣れるジャークベイトとして米国ではスミスウィック「ログ」派と2分する人気を誇るミノーとなった。ミノーだったりライブリーだったり、クランクベイトだったりジャークベイトだったりという呼び名は、使い方によるというか好みによる整理の仕方でしかなく、雑にミノーと捉えておけば良いんだろうと思っているけど、ロングAはライブリーとして水面ちょんちょんで魚を誘うこともできれば、竿でビュッとメリハリ付けてやればジャークもこなし、グリグリ早めのストップ&ゴーとかでブリブリとしてメリハリのある動きの強さで食わせるならラトル音響かせてクランクの仕事もこなし、ただ巻きでよたよたとシーバスミノーとして使ってももちろん問題ない。いろんな使い方に対応できる千両役者で、13A、14A、15A、16A、17Aというサイズ展開や、シンキングやディープダイビングタイプといった派生タイプの多さからも、いかに評価を受け愛されてきたか分かるというモノ。

 その他にボーマールアーといいえば、最近小さめの「モデルA」、「ファットA」を使い始めているけど、意外に付き合いがなかった。シーバスの”バカ貝パターン”に効くだろ?って小判形のメタルジグ「スラブスプーン」は東京湾とかでずいぶん気合い入れて投げたけど成果なく、中坊の頃に入手した「ジャークベイト」はジャークして水中ドックウォークさせるためのルアーとは思いもよらず、使い方分からず蔵で死蔵、リップシャッドは箱入りで所有してたけど使う前に小遣い稼ぎに売ってしまった。ロングA除くと、魚釣ってるのは「スピードシャッド」ぐらいで、これは高校生の頃40UPのバスとか釣ったので思い出深い。他にも「ボーマーポパー」とか「ウォータードグ」とか、ぱちモノ続出してたぐらいだから良いルアーなんだろうけど、縁が無かった。

 まあ、ロングAについてはその分お世話になっている。シーバスメインで主に15Aと16Aで、固定重心で動きの良い派手な泳ぎでラトルも入ってるという、活性の高い魚が居れば一ッ発で勝負が決められるアピール力で、なんども良い魚を連れてきてくれた。意外に他のルアーにスレた魚にやけくそでぶち込んだらバコンと食ってきたとかもあって、スレたらルアー小さく大人しくだけが取り得る戦略じゃなく、逆に派手にかき回してアピール力で食わせてしまうというのも時と場合によりあり得るというのを知ったのもロングAでの釣果で、思い入れも深いしなかなかに優秀なミノーだと思って頼りにしている。

 って感じで、ボーマー史上最大ミノーは17Aなのは常識だよねっと思ってたら、ソルトウォーターグレードボーマーブランドから「サーティファイドデプス」というのが出てるようで、こいつの大きい方が8インチで実は四天王が一人17Aはボーマー最大ではなかったと判明。早速入手しようと思ったけど5千円以上もしやがるので新品購入諦めて6インチの中古のが安かったのでそれでお茶を濁しておいた。えらい潜るトローリング用ミノーらしいので根魚用に使えるかも。

 コーデルのレッドフィンは、その昔ジョイントを買ってそのグワングワンの暴れぶりが気に入らずお蔵入りしていたけど、海水温上昇対策で”強い”動きのミノーをとなったときに再評価して弾数そろえたのは以前書いたとおり。コーデルと言えばまずは「ビックO」なんだろうけど、拾ったのをリペイントしたやつで学生時代なんぼか釣った程度であまり思い入れはない。そしてもう1つの大ヒット作がバイブレーションプラグの「スポット」で、このスポットのシンカーの固定がヌルくてズレてカタコト音を立てたのが”ラトル”ルアーの始まりだという説は有名。まあほかのルアーでも同じような現象が起こってたって説も読んだことあるけどな。スポットシリーズは売れたので派生展開しまくりで、各種サイズ違いはもちろん、長細いのやらフローティングやら浮き上がる「トップスポット」、「ジョイントスポット」なんてのもあった。他には購入した水面狂を戸惑わせたシンキングポッパーの「ニアーナッシン」は今なら海で使えそう、水面系ならダブルスイッシャーの「ボウイハウディー(ペンシルも有り)」に「クレイジーシャッド」、けったいな設計の「ウォーキンスティック」、ベビトーのぱくり系の「チョップスティック」あたりがコーデル組の主な構成員だろう。「レッドフィンC10」はサイズが大きくてアピール力が高いのに加えてフックが2つなのもワシ的にはポイント高い。3フッカーは前のフックがライン拾いがちで邪魔くさいし、デカいハリが乗せにくいので、大きいサイズになると2つフックになるのは、ロングAもレッドフィンもレーベルも一緒で、バンゴーだけ3つフックで四天王では少数派になる。

 レーベルミノーってバスルアーとしては地味だし、シーバスミノーとしてもマイナーだしで、四天王のなかでも最弱!って感じでその辺はワシ好みではある。たぶん「ラパラをプラ素材で」っていう設計思想で作られていて、それはかなり成功しているので動きは良いけど飛ばんってのが長所短所でラパラフローティングと一緒だけど、さすがにデカサイズは重量それなりにあるので飛ぶと思う。思うけど弾数揃えにくいのであんま投げる気にはならん。レーベル9センチはバス釣り少年の頃愛用してたので大人になって箱買いしたけど出番なく蔵に備蓄されている。レーベル軍団と言えば、ミノーシリーズ、革命児「サスペンドR」含めたウィーRシリーズ、ナチュラルプリントが当時は最高に”リアル”だった「ベビーブリーム」とかナチュラルシリーズ、モノホンのザリから型どりしたという売り文句のクローフィッシュシリーズあたりがバスマンにはなじみ深いだろうけど、なんと言ってもバスマンなら「ポップR」は外せないだろう。トップ好きならレーベルミノーのリップ無しにオモリ突っ込んだような「ジャンピンミノー」も好きかもしれない。ダイブも得意な縦浮子ペンシル。あと忘れちゃならないのがバッタとか「タドポール」とかのちっちゃい系とキワモノっぽい見た目のわりに超ロングセラーの「バスンフロッグ」あたりか?今では各種ルアーブランドを吸収して巨大グループを形成しているプラドコの大元になった樹脂関連会社の釣り具部門がレーベルだったとかで、ナチュラルプリントやらサスペンドやら新機軸の技術も開発してきた老舗ブランド。そもそもプラ製ミノーの元祖がレーベルミノーだろって話だろうし、実力は間違いないところ。デカいのもそのうち投げてみるか?

 とここまで書いて、レーベル最大のミノーが「レーベルミノー7インチ」ではないことに気がついてしまった。ボーマーに引き続きなんたる失態。そういえばレーベルも海のトローリング用にラパラのCDマグタイプの「ジョーブレイカー」っていうのを出していて、8インチ20センチサイズがあったはずで、最大はそっちだな。まあいいや今更買う気もないやね。ジョーブレイカーそこまで大きくないのは蔵に転がってます。

 バンゴーのデカいのは、ワシがデカいミノー好きなの知ってるツーテンの虎ファンさんが蔵に転がってたからやるよ、とくれた頂きモノでこのサイズは現行ドミニカものは作られてないはずで貴重なモノかなと、バグリーのルアーの美しさといったら、アメルアはもちろん、日本製ルアーでも樹脂性ルアーの成形時のバリが残ってて当たりまえの80年代に、ツルンと継ぎ目やら分からない綺麗な仕上げでカラーバリエーションも豊富で実に眼福なルアー達であった。一時エルサルバドル製だかになったときは、ホイルもしわだらけで目がズレてて福笑い状態のとかが出荷されてて泣けてきたモノだけど、今のドミニカ製バグリーは往年の美しさを取り戻している。好き者はフロリダのウィンターヘブン工場時代のがどうたらこうたらリグが真鍮でどうたらこうたら小うるせぇけど、ドミニカで綺麗なバグリー品質の製品が作られ続けていて、ブランドが存続していることに感謝せねば嘘である。ワシ一票入れる意味で3つほど買ったからな。バグリーのルアーは80年代でも2000円ぐらいしていてバス釣り少年には”高値”の花だったので、潜りもののキラーB2とかは眺めるだけにして、あまり根掛かりの心配しなくて良い「ラットフィンク」がお気に入りだった。っていうぐらいであんまりバグリー製ルアーを実釣で使い込んでこなかったんだけど、シーバスに「バンゴーディープ」、根魚に「ダイビングB3(DB3)」は投入していてボチボチ結果も出ている。中空でカンカラとラトルやハリの音が響く樹脂性ルアーと、中身のみっちり詰まったバルサ含めた木製ルアーでは魚の誘い具合に違いがあるように思っていて、木製ルアーが明らかに効くときや、樹脂性ルアーと変化をつけたい時には有効な札だと思っている。塗装はオモリ埋めた前フックのあたりとか割れてくるし、リップの接着は抜ける、それがなくてもでかい魚にネットの中とかで壊される恐れありとかの脆さはあるけど、それを補う魚を誘う力の強さとルアーとしての魅力がバグリーのルアーにはあるなと最近よく使うようになって改めて感じている。バグリー軍団には数多くの団員がいて、なんと言ってもバルサの浮力を生かしたクランクベイトが得意で、B1~B4の”バルサ”シリーズ、DB3を代表とするダイビングバルサシリーズ、にキラーBシリーズ、ラトル入りのチャッターシリーズ、変わり種のETシリーズやらママキャットシリーズなど各種豊富に取りそろえている。レーベルとは仲が良かったとかなんとかでリアルプリント系も得意で「クレイフィッシュ」や各種北米小魚シリーズもある。水面系も役者揃いで前述のラットフィンク始め「ICU」「スピナーミノー」「ポップンB」「007」「リトルジョン」「ラトリントゥイッチャー」に忘れちゃならない元祖スピンテールミノー「スピナーテールバンゴー」ときたもんだ。あとなにげに日本の会社とのコラボ企画もあって、シマノとか上州屋のルアーも作ってる。バグリー製シマノはえらい値段になってるのがあるけど、上州屋のハリーシリーズとかゴミ捨て価格で笑える。上州屋御用達ブランドのスズミの竿とか愛用してるし気にいっているけど、上州屋ルアーをモノがいいからといって買うかと言われれば、ワシも買わんという不思議な現象。量販店で安くて品質もそこそこ良いモノを提供してきたことはもうちょっと評価してやっても良いのかもだけど、どうにもアレなんだよな。

 ちなみにバグリーの最大ミノー候補として「ダイビンバンゴーB8インチ」というマスキー用らしいゲテモノじみたデカブツがあったんだけど、バンゴーBシリーズはどちらかというとバンゴーミノーというよりキラーBを引き延ばしたクランクみたいな形状なのでバンゴー7インチを最大ミノーということにしておきましたとさ。

 という感じで、今回ルアー図鑑うすしお味第71弾はデカアメミノー四天王とその実家ブランドについてあれこれ書いてみた。四天王は四天王でワシの中では普遍で変更はないけど、歴史あるブランドだとそれ以上のデカミノーも作られていたりして温故知新。

 デカアメミノーネタは今後もボチボチ書くのでお好きな人は引き続きお楽しみに。

2024年10月12日土曜日

Ugly Stikは別腹

  この夏の”デカアメミノー熱波”以来、ルアーばっかり買いあさっていて、リールと竿方面の症状は治まっていたんだけど、また悪い病気が・・・アタイ病気がにくいッ!

 なに2本も買ってるねん?しかも片方グリップにシール貼ってあるってことは新品やろ?また円安の時になに海外通販やってるんや?って話を、れいによって説明させてください。お願いします。

 ワシの蔵にはロッドは林立していて、大概の状況には対応できるだけの備蓄がある。なぜそんなに備蓄しているかといえば、今時の高級な”お竿様”がとんと気にいらないし、今後もワシの気に入るような耐久性に優れた使える竿が作られることは期待できないので、予備竿含めて使える竿で必要になりそうな竿は確保しているのである。おかげで今期”根魚クランク”という新しい試みを始めたときにも、道具はあれこれ比較して試していけるぐらいには備蓄はあった。

 で、そんな「備えよ常に」とボーイスカウト時代から心得ているワシなんだけど、安い出物があったらとりあえず押さえることにしている竿があって、それが”世界一の安竿”シェイクスピアブランドのアグリースティックなのである。なにしろ丈夫でワシ好み。感度?飛距離?軽さ?そんなもんがたいして役に立つかよ、想定もしていないような大物が掛かった時に、とにかく折れずにしのぎきれる丈夫さ、手になじむまでガイドやら取っ替えつつ徹底的に使い込める耐久性、竿先はグデグデのグラスソリッドでもバットはカーボンでパワーがあり一本でこなせる仕事の幅広さがある、釣り場に持ち出して魚を掛けて使い込んでこそ良さが分かるこの一ッ本(現在10本保有してるがな)。世界中で「竿なんぞ折れんで長持ちすりゃ上等」という労働者階級の釣り人達に愛されまくっているロングセラーシリーズ。日本では一部好き者しか評価していないのは、日本の標準的な釣り人が、お部屋で天井に竿先あてて美しいベントカーブとか堪能してるだけの腰抜けどもだからである。アグリースティックのベントカーブはすごいぞ、”しの字”に曲がる様はまさにアグリー(醜い)って感じで美しさにはほど遠いけど、それが好き者にはたまらんのですよ。とりあえず安けりゃ買っといて備蓄してりゃぁそのうち出番も回ってくるし、なんならブランクスだけ利用して切ったり継いだりで欲しい機能の竿に再構築してやるって手もあってその素材としても優良。

 でもって、なに新品臭いやつまで買ってるねんって話だけど、これ新品じゃなくて、この状態で中古釣具屋のネット販売で売られてたんです。しかも、2本とも安い!二千円台で送料入れても5千円ちょい。元値がそもそも安くて50ドル弱だとしても、今日日海外通販で買うと長物の送料なんて恐ろしいことになる。となると、ここであったが百年目でもう買うしかワシに選択肢はのこされていなかった。グリップのビニール剥がしてないぐらいで使用感も少なく程度も良いのになぜにクソ安いのか、それは黄色いお店独特の「店員さんに商品知識がなくて変な値段が付いてることがある」って典型で、アグリースティックのソリッドグラスを見せびらかすためにわざと竿先の方に塗装をしていないのを「トップから#1ガイド下部まで塗装がはがされているためB-です。」と査定していて笑いましたよワシ。そういう仕様だっちゅうの。ありがとうございますって話だけど、よく考えると黄色いお店は買うときもそのB-の査定で買い取ってるんだろうから損はしてなくて、どうも俯瞰してみると、損したのは売った人で得をしたのはワシということのようだ。どこのどなたか存じませんがあざっス。たぶん海外通販で手に入れたは良いけど、重いしダルダルな調子で馴染めんしで早々に手放したことは想像に難くない。だってワシも最初に買ったときそう思ったもん。でも使ってるうちに良さが分かってくるのである。手放してしまった人は実に惜しいことをしたと思う。

 というわけで我が家においでなすったんだけど、これ備蓄用じゃなくて使用を想定してます。当然いま絶賛試行錯誤中の根魚クランク用で、まあ40、50ぐらいまでの根魚なら、ベイトのバスロッドでグリグリとやればどうにかなるような目処が立ち、今使ってるウエダの「Pro4ピッチンスティック7F2」は良いあんばいで、この竿は東北のボート根魚用に買ったんだけど、ウエダが解散した頃にネットオークションに流れてた竿で1万円ぐらいだったので、定価考えると安い値段で確保できて、さすがウエダの竿はお高くとまってやがるけど良い竿だと感心したのでもう一本確保したという竿で、2本持ってるので予備竿には困らないはずなんだけど、東北に行くたびにロッドケース持って移動するのは面倒くさかったので、1本は”釣りの上手い人”のお兄さんの家に置き竿にしてある。ので我が家には今1本しか無い。無いと予備が欲しくなるのが病人の病人たるところで、フェンウィック「ランカーギアX LGX66CM-2」もバスプロショップス「マイクロライトIM6グラファイト ML60MC-4」もあるヤンコビッチって話だけど、もうチョイとパワーのあるのが良いなとウエダを持ち出したわけで、ウエダの予備としてはややパワー不足。ということで急がないけど予備竿は探していたところにタイミング良く(悪く)出て来たのが、黒い方の「アグリースティックGX2 USCA662MH」で、今シーバスで使ってる「アグリースティックエリート」シリーズと同一ブランクスでグリップがEVAでやや安いほうの「GX2」シリーズのミディアムヘビー、ライン指定が15~25LBの6フィート半の2ピース。ウエダよりチョイ短くてパワーがある感じで、純粋な予備竿というよりは若干パワーアップさせた感じになってるけどあんま気にしない。で、もいっちょの白い竿が「アグリースティックキャットフィッシュ」シリーズという、やる気のあるナマズのイラストからしてワシの好みをピンポイントで突いてくる竿で元々欲しかったけど、不要不急だしなと手を出さずに済ませていたのに思わず手が出た。「アグリースティックキャットフィッシュUSCACAT802MH」はライン指定は15~30LBでルアーは3オンスまでいけるとある剛竿、って現物触るとスペックから感じるほどガチムチではなくて、ジジイでも扱えそうな適度なネッチョリ具合が良い感じ。2ozクラスのマグナムディープクランクぶん投げて片膝ついて竿半分ぐらい海中に突っ込んでグリグリと岸壁ニーリングするには良いあんばいかも。こいつは目的考えず買ってしまったけど、期せずしてフェンウィック「ランカーギアプラスLP89CH-2J」の予備竿として機能してくれそう。バットエンドがジンバル対応で十字切ってあるんだけど、キャップなどというこじゃれたモノはつていおらず、十字切ったバットエンド自体が丸っこくゴムっぽい素材でできているという”こんなんでいいだろ”感が素敵。

 で、90年代のFujiのハードガイドが付いてた時代を除いて、アグリースティックの最大の欠点はガイドがショボいということで、すぐに壊れる道具を評価しない米国で売ってるのに、なぜか削れる「アグリータフガイド」がいまだに採用されている。

 モノとしてはどう見てもステンレスにクロームメッキをかけただけって代物である。ただ、ステンレスに硬質クロームメッキって今でもフライロッドのスネークガイドには普通に採用されているし、見た目ほど弱くもないし実用十分な強度は確保できるらしいのである。

 過去にも引用させてもらったけど、Fujiの創業者である大村隆一氏著「ロッドクラフト」の該当箇所を抜粋すると「ハードクロームリング ステンレス製のワイヤーリングはキズが付きやすいため、超硬質のハードククローム(原文まま)をメッキしたものが開発されました。しかし、このハードクロームは生産コストが非常に高いにもかかわらず、見た目には、普通のクロームメッキと全く区別がつかないため、過とう競争による品質の低下が行われ、その性質も普通のクロームメッキと変わらないものとなってしまいました。すなわち、ハードクロームにおいては良質の品質を維持することは不可能に近く、この種のガイドは消滅を余儀なくさせられた訳です。」とあって、大村氏の昔には硬質クロームメッキは難しかったけど、今ではそうでもなくて、実は見た目ショボいアグリータフガイドも実用性充分の品質に仕上がってるのではないか?と思って、現在シーバス用に使ってる「アグリースティックエリートUSESP702M」は購入時にそのままガイド換装なしに使ってみた。現在その竿にはFujiのOリング(酸化アルミ系)とSICリングのガイドが付いている。釣行数回で糸溝ついて削れたやんけ!やはり大村氏のご指摘どおりで、良質の品質を維持することが難しかったようである。ちゃんと品質管理しておけよって話で、技術力的には中国とかの外注先は充分できる能力あるんだろうからなんとかしてくれプリーズ。でも一応今回も現在中古状態で削れていないということに一縷の望みを託して、最初はそのまま使ってみる。SICガイドの”割れ”のように発生した時点でラインがグザグザにされるので即時使用不能になる不具合と違って、糸溝ついて削れていくのは削れ始めたのに気がついてから対処すれば間に合うので、とりあえず様子見である。

 最近、我が国も景気悪くて、お高いガイドの付いた竿は売れんようになってきてっていうか、釣り具自体売れんくなってるんだろうと思うけど、国内ブランドの竿でもSICやトルザイトのリングじゃなくてアルコナイトっていう酸化アルミ系の安いリングのガイドが付いた竿が売られ始めたようで、例によって、ガイドが削れるのを心配せにゃならんほど魚釣らんような人種が「削れる」とか騒いでるけど、Oリングより性能上がってるらしい酸化アルミ系のセラミック素材がそう易々と削れるかよって話で、酸化アルミ系のリングが削れるような過酷な使用条件ならSICも削れるって話で、削れるのがいやならローラーガイドにでもしておけって話。アホクサ。編み糸のPEラインが泥とか砂とかの粒子を拾いやすいので砂浜や濁った水域でPEラインつかうと削れることがあるといわれてて、砂浜で使ってて削れた事例は聞いたことある。けどそんなのは珍しい事例で、ワシ泥っぽいクリークでPEライン使ってライギョ釣りしてたけど、マスキーロッドに付いてた酸化アルミ系のハードリングもトップガイドの謎金属ガイドも削れんかったので気にしてない。

 まあ、ワシには関係ない話でございます。ワシにとっては自分の竿のアグリータフガイドが削れるかどうか、それこそが問題でありゆゆしき事態なので、今のところ一回出撃時点では大丈夫だけど、巻くときにラインが結構張ってるディープクランク引きまくりの釣りで継続使用するとどうなるのか、自分の目で確かめておきたい。

 たとえ、結果”ガイド総取っ替え”というめんどくせぇ作業が生じたとしても、今時の高級ロッド様では逆立ちしても手に入らない信頼性のある竿が2本も格安で手に入ったので現時点で大いに満足である。蔵に竿が林立していても、アグリースティックならペロッと”おかわり”いけてしまうワシなのであった。