2024年6月8日土曜日

豪州に学ぶ

 久しぶりにルアー方面でえらい症状が出てアタイとってもつらいの。

 ルアー方面でも今回症状が酷く出てるのはミノー関連で、なんでいまさらミノーやねん?っておもうでしょ?ワシも思うんだけどちょっと説明させてください。あれですね、ちょい前にチョロッとヨーヅリのミノーについて触れたんだけど、あれらのミノーを試投してみたり、いじくり回したりしているうちに、まずはヨーヅリ方面熱が出て、そこからはもう日和見感染的にあちらこちらに症状出まくって収拾つかない状態、一ヶ月の釣り具費用は3万円を上限にしてるんだけど、5月は軽くオーバーしてしまい、そこでブレーキ一旦かかりかかったんだけど、6月になって月初めでまた今月も3万円まではいけるッ!と考えると、まだ余裕ありッ!とタガが外れて3日時点で2万円を突破。平日は毎日郵便受けにミノーが入った封筒が溢れそうになってる。

上段左からギンガメッキ、ゴマフエダイ、クロホシフエダイ
下段オキフエダイ、ヒメフエダイ、ヒラセイゴ
 ミノーなんて普段からシーバス釣ってるんだからいまさら買うまでもないだろ?って思うでしょ、まあでも聞いてください。最近海水温上昇傾向は間違いなくあって、上がり下がりしながらなんだろうけど、確実に右肩上がりのグラフを描いているのは目の前の海を見ていても感じるところで、秋にアジ釣りしてて深棚から始めると、ヒメフエダイやらオキフエダイの幼魚がバンバン掛かってくる”フエダイ時合い”で始まることも珍しくもなく、初冬には港内で群れるハタタテダイとかが常態化し、メッキは越冬してるようで秋を待たずとも釣れるし、セイゴは今期ほぼヒラセイゴばかりで、感覚的に今現在、紀伊半島は屋久島ぐらいの海の環境になってきたと感じている。そうなってくると、シーバスメインに組み立ててたルアーの釣りも、死滅回遊だったメッキやフエダイ系が育ち獲物となることを視野に入れる必要を感じ始めてて、そうすると今シーバスで使ってるような、おとなしめのミノーよりやや”強い”動きのミノーが欲しくなる。

 そんなもん、実際にそういう魚が釣れ始めたら買えば良いやんけ、って話だけど、まあワシどうせそういう魚を狙うにしても川に入ってきたヤツとかを接近戦で狙うわけで、今時の重心移動搭載のミノーじゃないのが欲しい。なぜ近距離戦には重心移動搭載じゃない固定重心が良いのか、これまでも書いてきたけど、おさらいすると、動きの立ち上がりが早い、竿先とかで動かすときの追従性が良い、固定していないオモリの立てる音が無い、等で特に最初の立ち上がりの早さは決定的で、例えば重心移動で50m飛ばせる重量のミノーが55m飛ぶようになった場合、遠投性では一割得するわけであるが、逆に5mの超接近戦で立ち上がりが50cm後れれば一割損するわけであり、障害物狙って投げて、そのキワキワの大事な50cmを無駄にすることは一割という数値以上に致命的に駄目なんである。他にも典型的なのが”ナブラ打ち”で魚が多少離れていても追ってくる、あるいは動いてなくても良いところにぶち込めば食ってくるって状況なら良いけど、ややこしいナブラになればなるほど、食ってくるタイミングと位置はキツキツに狭い感じで、捕食行動起こしてるまさにその時に、目の前良い動きしてルアーが通過しないと駄目って時が結構あって、そうなると着水と同時にラインの張りで動き出すぐらいの”動き出しの良い”ミノーが必要になってくる。分かってるメーカーはそのへん知ってて、固定重心のミノーも作ってたりする。そういう今時の固定重心ミノー、例えばコモモⅡなんかを買っても良いんだけど、ぶっちゃけ今時のミノーってアイマとデュオあたりか、多くはそれらとパチモン程度の違いしかない後発しかバリエーションがなくて、ならまあその2つか安いヨーヅリ、ヤマリアあたりを買うかなってぐらいで、お買い物の楽しみがなくてアタイ寂しいの。

ロングA箱2+α、Fマグ箱2、フラットラップ箱2、インビン箱1
計約10kg
 まあ、アメルアとか今でも古くからある固定重心の”強い”動きのミノーを作り続けてるわけで、もちろんそれは買うまでもなく蔵にある。ロングAFマグフラットラップインビンシブルあたりなら売るほどある。あるけど、廃盤になったような昔のルアーにも、飛距離気にしなければ、動きが良かったり個性的だったり、色々と楽しめるのがまだまだ多くあったように思う。なので、古いヨーヅリやらアメルア、北欧モノとかを今のうちから弾数揃えておきたく物色しつつあるんだけど、ちょっと毛色の変わったところで豪州モノってのもなかなかに特色があって面白かったので、ヨーヅリネタ、アメルアネタはまだ収拾つかなくてとっちらかってて、ぶっちゃけこの円安のおりに米本国からの発送待ちとかもこれあり、ネタとしてまとめる段階にないので、チョイと今回は本流をそれて、豪州ミノーとついでにポッパーネタで行かせてもらいます、ルアー図鑑うすしお味第60弾。それではボチボチといってみましょう。

 まああれだ、豪州ミノーといえばバラムンディー狙いのが定番で、そういう意味ではこれまた、紀伊半島にも定着して欲しいと期待しているアカメなんかが狙えるようになったら好適っていう話もあるけど、その場合、ぶっちゃけ現地の釣り人もボーマーとかインビンシブルとか多用しているようで、まあ写真のバラボーマーや豪州釣り師御用達のボーン素材系のクロームカラーのロングA、インビンのバラカラーなんてのがうちにも転がってるので、豪州製ルアーを買う必要まであるのかという話ではある、でも買った。なぜならあっちの地元小工房で作ってたらしいキラルアーは木製本体に金属リップで北欧風に塗りが厚く格好いいっていうのと、木製っていうのには、なにやら固定重心でも特別な意味があるように感じているからである。

 以前にもキラルアー紹介したけど、パッケージ入りで保存してて動きを試したことがなく、今回、アメルアの得意な通販業者さんで、なぜか「世界のルアー」コーナーというところに在庫余らせてる感じで千円ぐらいで売ってるのを見つけて10センチ位の大きなリップじゃないシャローランナーのほうを2つほど買って、実際に投げてみた。まああれだ、動きはバルサのようなキビキビとした動きではなく、ゆったり大きめのグワングワンとバタバタの中間ぐらいの動きで、まあこの形の太目の木製ミノーならそういう動きだろうなという感想で、特筆するほどのことはない。バルサミノーのキビキビ感はなかなかプラ素材では再現難しいモノがあるけど、比重のある木製ルアーの動きは重量配分上手にすればプラでも再現可能であると思う。ただ、だったらプラで作っても同じかっていうと、そうでもなさそうに思う。固定重心のミノーの利点の一つにオモリが動くことで生じる音を排除できるっていうのがあって、スレてるときには効くような気もするけど、逆にスレてるからこそ派手にラトルで反射食いさせるっていう場面もあるわけで、音の要素がどう効くか嫌われるかは今一良くわからんところがある。ラトルや固定されていないオモリが音を立てるというけど、そもそもルアーに付いているフックやスプリットリングはカチャカチャと本体に当たったりしてけっこうな音を立てているので、それを排除しようとするとフックを固定するか、本体表面をシリコンとか柔らかい素材にする必要があり、実際その手のルアーは存在するし、ワシも自作シンペンとか表面塗装はシリコン接着剤だったりする。というわけで、ルアーが生じさせる音というのは良く分からんけど何か違いをもたらしているかもしれないぐらいには思っていても良いと思う。加えてあまり論点に上がってるのを見聞きしないけど、木製と中空のプラ製で大きく違うのが、本体内での音の響き方で、これはハリが当たったときの音の違いというような面はもちろん、外部の環境中にある音の反射の質が変わるというのも意味があるのではないかとワシャ思うんじゃ。魚群探知機で魚が映るのに”浮き袋”という気体の入った空洞があるのは大きく、今時の高性能な魚探はそうでもないようだけど、昔はイカとか浮き袋のない生物は魚探に映りにくかった。アブラソコムツやらバラムツやらも魚探に映らないので、船長さんが経験則で山立てして釣り場決めてたりしてたのを憶えている。奴らは深海から夜になると浮上してくるんだけど、浮き袋では浮力調整が間に合わずにパンクするので、悪名高いワックス成分で浮力を確保していて浮き袋がない。イルカじゃあるまいし魚探のように超音波を当ててくる魚はいないだろうけど、水中環境にある音がどう反射しているか?その音で潜水艦のソナー師のように相手を認識するってのは魚でもやってそうである。その際に中空の樹脂製ルアーと中身が詰まったバルサ含めた木製や発泡樹脂やレジン無垢とかのルアーとでは音の反射の仕方が違い魚の感じ方にも違いが出るのではないか?と思ったりしている。どちらが良いか悪いかはわからん、場合によっても異なるだろう、でも違いがあるようだと認識しておくのは必要だろう。

 とか考えたところで、結局ルアーの釣りは試行錯誤と経験則の釣りで、持って来たルアーしこたま投げまくって、どれが釣れたかっていう結果から、理屈よくわからんくても、どのルアーが良いかってのは分かってくるので、その際にどのルアーとどのルアーがどこが違う要素なのか?そこを認識していないと札切ったつもりで同じ札出してるだけってことにもなりかねず。コモモのパチモノがコモモと違う点みたいな、微妙な差を検証するよりまず先に、そもそも素材がなんなのかというような大っきな違いから把握して自分の頭の中で分類して、”何か変える”つもりなら、魚から見て聞いて感じて違いが出るぐらいの異なる札を切りたいところである。そういう意味で、木製の太目の固定重心ミノーってのは最近あまり見ないたぐいのものであり、どっかでハマってくれるんじゃないだろうかと期待している。

 で、タイガー系の色のキラルアーの他は何じゃらホイ、ッテ話だけど、一番上の銀に赤縞に黒い背中のはネットフリまでポチった小型のキラルアーでリップ大きめのフラットサイドミノーって感じで、フラットサイドっぽくパタパタ動くのかと思ったら普通にそこはウッドミノーっぽいグネパタぐらいの動き。まあ使えそうではある。真ん中の赤っぽいのは分厚い塗装に金属リップで明らかに豪州産っぽいけどキラルアーと比べると本体貫通しているワイヤーが細めで、別のメーカーの様子。そしてまた出ましたスペアヘッドのパチモン。これが前回は樹脂製だったけど今回は豪州ローカルルアーの様式に従ってってかんじで、木製本体金属リップに厚い塗装というパチモンであるにしてもなかなかに趣のある品で、スペアヘッド人気あるなーって感心する。本物のニールズマスター製のをそのうち使ってみるか。

 で、豪州ミノーはまあこんな所なんだけど、豪州ネタでもういっちょついでにいっときます。以前、日本のGTルアーのルーツについて、一つはハワイのピリーとかトローリングヘッドから着想したであろうレジン無垢のポッパーであり、もう一つは、ストライパー用の丸棒に穴開けてワイヤー貫通させたギブス社のルアーとか、あるいはアーボガストのスカッダーなんかを源流に、オーストラリアの有名ガイドであるバリー・クロス氏が製作していたポッパーがある。ってなことを書いた。そのバリー・クロス氏製作の「ダウンアンダースポーツフィッシングGTポッパー」かもしれないブツをネットフリまで入手したのでご紹介したい。

 そうそう、こんな感じでクマザサハナムロやタカサゴ(グルクン)みたいな赤ラインが入るのよね、ってところはワシの記憶と一致するんだけど、なんかもっと大型で口の切れ方が上が出てる斜め切りだったように記憶しているんだけど、この2個についても15センチと14センチでサイズ違いであり、小っちゃい方は丸っこい顔してて微妙に形も違うし、ワシが見たのはもう少し大きいモデルだったのか?写真載ってた「八点鐘」って釣り本作ってた出版社のサイトがもう閉鎖されてて確認しようがなくて、かつネットで検索しても上手く情報にたどりつけない。見た目はこんな感じで、フィッシャーマンの「クレイジースイマー」とかモロに影響受けて生まれたんだろうなと見て取れるし、このオーストラリアで購入したというポッパー自体はラインアイの輪っかが大きくてスカッダーの影響がうかがえる。まあ、ルアーってのはそうやって伝言ゲームみたいなことやってるうちに改良や最適化、派生が生じていくってのはお約束なので、ワシャパチモンだらけのルアー市場を見てゲンナリはするけど、それもまた必要なのかなと思ったりもする。

 これ、1980年代ぐらいの当時オーストラリアに通ってて、バリークロス氏のポッパーも見たことありますっていう人がいたら、そのものなのか違うのかご教授いただけると助かります。まあいずれにせよ豪州ローカルで日本の木製のGTルアーの原型になるようなポッパーが作られていたことは確かで、なかなかに趣のあるポッパーを手に入れたなと満足しております。赤ラインがキリッと引き締まった表情を作ってて格好いいし。

 てな感じで、いつになったら収拾つくのか、そもそも終わりなどあるのかという感じになってる”ミノー熱”とりあえず現状のご説明と、そのうちヨーヅリとアメルアはやりまっせという予告編的に今回書かせてもらいました。ということで締めはいつもの台詞でいきますか。

 アタイ病気が憎いッ!

2 件のコメント:

  1. スピニング熱の発作で私も無駄な買い物やらかしてますw

    近距離戦のミノーも極端な話ラパラ社の製品のどれかでどーにでもなるにもかかわらず、
    色々買ってしまうんですねw
    これも病気でバグリーやら最近はロングAのジョイントでアンバサダー向けのバリエーション増やそうとかまさに熱病です。

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    1.  ほんと、この手が勝手に!って感じでどうにかならんもんですかね?
       ラパラでどうにかなるは全くもってその通りでわかりきってるのに、手が勝手にいらんことをしくさります。
       不治の病ですね。

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