2024年12月7日土曜日

夏休み中には終わらなかった宿題

 以前それぞれ1円落札で確保した3台の大森を、部品の提供とかもいただいて、「昔の塩ょっからい塩鮭みたい」といわれたぐらいの塩吹いてボロボロな見た目のジャンク状態から、とりあえず3台とも稼働状態には持っていったことはご報告済みである。その3台のうちリアドラグの「マイコン202」については既に実戦投入していて、お魚もそれなりに釣って活躍してくれている。

 残る2台の「オートベールNo.3」についてなんだけど、機関は問題なく復活させたんだけど、スプールの腐食が激しく、スプールエッジも凸凹の傷だらけなので、これはアレしてやらねばというのと同時に、前々から試したかった大森スピニングのドラグ周りの耐熱化に取り組もうというのを宿題としていた。夏場暑いときに作業する気にはならんので、涼しくなってきて作業始めて、やっとこさ完成(仮)してとりあえずの形はできたのでご報告させていただきたい。

 まずはアレから、アレも既に何度かやってて手慣れてきて段取りも上手になってきた。まずはスプール上下幅を色変えたラインかなんかで把握して、その幅に切った厚紙のテープを用意して、スプールにグルッと巻き付けつつ自然に填まるところまでキュッと締める。締めたらそのときの直径+1mmぐらいがスプールエッジの輪っかを作るときの内径になる。1mm余分に取るのは輪っかの厚さ分の差がちょっと出るのでとりあえずそのぐらい取っておいて、後で必要なら調整する。外径はスカートの直径と同じにしている。内径と外径が決まったら、いわゆるサーキットボードとか基板とか呼ばれているガラス繊維強化樹脂(FRP)の薄板(0.8mmを愛用)をその内径外径で切り出して、スプールエッジの輪っかとする。切り出しは金物バサミでジョキジョキと大まかに穴を開けていってから、ニッパーとかである程度整えてサンドペーパーで仕上げる。そしてスプール往復幅の厚紙をやや緩めて巻いて、その上に切り出した輪っかをカパっとハメる。これで輪っかの下面がスプール往復幅でそろう。そろったら固定するために最初ティッシュで細いこよりを作ってグルッと輪っかと元のスプールエッジの隙間に巻いて瞬間接着剤で固める。それ用の”アクセラレーター”とかの商品名で売ってる固化促進剤を使うと作業がサクサク進む。だんだんティッシュのこよりを太くしていって、隙間が埋まったら凸凹しているところをある程度アートナイフとかで削って、ロッド回しとかで回転させながらエポキシを盛って形状を整えてやる。エポキシ固まったらドリルで回転させてサンドペーパーかけて形状完成。

 アレとはナニをやってるのかというと、大森スピニングの最大の欠点といわれている、スプール幅がスプール上下幅より広くてラインの端がグチャッと崩れて巻かれがちで、かつスプールエッジが”なで肩”でラインが出て行くとき接触が多く放出性が悪い、というのを修正して、スプール幅とスプールエッジ形状を適正化しているのである。今回はスプールエッジが腐食でボロボロな個体だったけど、この方法ならそんなの関係なくなる。ついでにスカートの糸巻き量表示とかの銘板も腐食して剥げていて、全体的にボロかったので、これまではいじくったスプール上部だけ塗装していたけど、今回は全体を銀色のラッカースプレーで塗装して仕上げた。塗料がある程度固まるまでティッシュ詰めて串刺しにしてロッド回しで回して、おおむね固まってからルアー用の塗装ブースという名の、上部に針金渡してある段ボール箱でじっくり乾燥させてスプールの改良完了。

左オートベールNo.3、右PENN4500ss
 で、このまま普通に組んでも良いんだけど、さっき書いたように今回は大森スピニングのドラグ周りの耐熱化にも取り組んでみた。ドラグあんまり使わない釣り人にはピンとこないかもだけど、青物とか走る魚をドラグ使って釣る場合、魚がデカくて、ドラグ値上げてるのにエラい速度でライン出されてドラグが熱を持つなんてのがあり得て、場合によってはドラグノブのドラグワッシャーを押さえる面が熱で溶けたりするので、PENNスピンフィッシャーでも4桁とかはドラグワッシャーを押さえる面は樹脂製から真鍮製に素材を変えて対応していた。クソ高い社外品のつまみまで真鍮製のドラグノブとかも売られていた。っていうぐらいで大型スピニングではドラグが熱を持つのを想定した素材が使われていて、ドラグパッドが小型機では調整幅も大きく微調整も効く硬質フェルトが用いられていることが多いけど、大型機ではPENN方式と言って良いと思うけど、耐熱性の良いカーボン素材のドラグパッドが使われているのが今では一般的である。フェルトって原材料的にはアクリルとかの化学繊維だろうから熱にはそんなに強くない。で、大森スピニングは後年ある程度熱に強くてフライパンの表面加工にも使われているようなテフロン樹脂製のドラグパッドとかも使ってたけど、オートベールにはフェルト製のドラグパッドが使われている。ドラグノブはドラグワッシャーを押さえる面も含め樹脂製である。

4500ss、オートベールNo.3
 No.3サイズは4桁PENNで言えば4500SSから5500SSぐらいの糸巻き量で使用場面は岸からの青物狙いを想定している。ならば、ドラグは耐熱性があった方が安心というモノだろう。実際には熱持つ前にスプールに水ぶっかける”水冷式”とかもあるし、陸っぱりから狙える青物では樹脂製ドラグノブが溶けるほど走ることはあまりないとは思う。ただ、万が一に備えるのと、カーボン素材のドラグパッドを自作できるようになれば色々と応用が利くので、技術として持っていて損はないと思うので、良い機会だしアイデアもあったので試してみた。陸っぱりでマグロはあまり聞かないけど、たまに大型のサメは聞くしワシ自身1mぐらいだけど昔ショアジギングで釣ってるぐらいで万が一はなくもない。

 アイデアは2つあって、カーボンの素材として一般的に売られているのは、バイクや車の補修・改造、模型作成等に使われているらしい、カーボンの竿みたいに焼き固めた感じな板と、焼き固める前のカーボンの繊維を縦横編んだ布みたいなシートがあって、その2つをそれぞれ使ったドラグパッドを考えてみた。これらの素材をドラグパッドにするにあたっては、カーボン板のほうは加工が面倒くさそうなのと、表面が平らになっているのでドラグパッドに求められる摩擦力が得られるか不安があり、逆に表面凸凹で摩擦力は発生させられそうなカーボンシートについては、とくに固められているわけでもないので使用時ばらけてしまわないかというのが懸念としてあった。そのへんどうなるのか試してみんと分からんのでとにかくやってみる。

 まずはカーボン板の方だけど、これは単純に輪っか型に加工するだけの話なんだけど、予想以上に丈夫で苦労した。まあその丈夫さと軽さが利点としていろんな用途に使われているんだろうからそういうモノである。後ほど別の用途でも使うのにある程度厚さが必要と考えて1mmの厚さを選んだけど、加工を考えると0.5mmのほうが良かったと思ったけど後の祭り。

 外周は大まかにカナ切りバサミでバリバリと切ってサンドペーパーで整える感じでいけたけど、軸を刺す穴はドリルで大まかな穴を開けて、ハンドドリルで回すヤスリで拡張して丸めた紙やすりで仕上げた。3枚のドラグパッドと後ほど使う1枚作るのに結構時間も手間もかかった。本当は一気に2台分作る予定だったけどとりあえず1台分だけでうんざりしたのでそのぐらいにしておいた。

 もういっちょのカーボンシートの方は加工は楽ではある。カナ切りバサミでももちろん切れるし、アートナイフで下に穴開いていいペットボトルの蓋をおいてからブスブス刺す程度で芯棒を挿す穴も開けられる。ただそのまま輪っか状に加工しただけでは明らかにバラけてきそうで塩梅良くないだろう。樹脂である程度固めてしまえばバラけなくなる。なるけど今度は樹脂が熱で溶けて耐熱性を考慮してカーボン使ってる意味がなくなる。どうしたモノかと考えて、耐熱性のある接着剤のようなモノがあれば2枚を貼り合わせる形にしてから加工することで、表面の凸凹は残しつつバラけにくいモノができると考えたけど、そんな都合のいい接着剤があるのか?とあまり期待もせずネットで検索してみたら普通にありやがる。今回使ったのは「オートウェルド」というエポキシ系の2剤を混ぜ合わせる製品で280度Cまで耐えるとなっているのでスプールが触れないぐらいに熱を持ってもドラグパッド自体は溶けたりしないモノにできそう。シートを2つ折りにして混ぜ合わせた接着剤(灰色になる)を塗って挟み込み、繊維の間からはみ出した接着剤が剥がしやすいようにポリエチレンのレジ袋で上下を挟んでから平らな板で挟んで、重しを乗せて1日放置。デキた板状になったカーボンシート2枚重ねを輪っか型に加工していっちょ上がりと、接着剤の固化時間がかかるだけで手間はあんまりかからない。端はちょっとカーボンの繊維がグズグズっとなってる部分もあるけど、端の方がチョロッとほどけたところで大丈夫だろうと思う。いずれにせよ、そのへんも含めて試してみたい。

 という感じにカーボン製のドラグパッドは2種類用意できた。次にドラグノブの耐熱対策である。

 真鍮の板を切り出して、ドラグを押さえている一番上のワッシャーの上に入れてやればいけるかと最初考えたけど、結局それってその真鍮の追加したワッシャーが熱を持ったらそれを押さえるドラグノブの樹脂面が溶けるわけで、熱が伝わらないぐらいにブ厚いものを挟まねばならず、厚さ自体は重ねれば稼げるけど、ドラグノブがネジに届かなくなり締められなくなるので、ドラグノブの樹脂面を削るなりが必要になってくる。耐熱性のある接着剤も手に入ったしドラグノブ側をいじって真鍮の円盤を重ねた部分でドラグのワッシャーを押す形にするかと考えたけど、正直面倒くせぇ。

 つらつら考えているときにTAKE先生の「リールの歴史2」を読んでいたら、ミスター・ハラが熱伝導率が低くて摩擦熱を伝えない断熱性に優れた素材として、テフロンやポリアセタール樹脂が良くて、テフロン製のワッシャーで大型スピニングのABS樹脂製ドラグノブの熱変形は止まった。とか書いているのを見つけて「それだ!」となった。真鍮自体は耐熱性があって坩堝でも使わない限り溶けはしないけど、金属なのでとうぜん熱伝導率はよくて熱くなったドラグの熱をドラグノブの樹脂パーツまで伝えてしまう。何しろ真鍮は銅の合金であり、銅のお鍋なんていうのは熱伝導率の良さから弱火でコトコト煮込む料理に使われるぐらいである。逆に熱伝導率の悪い素材であれば厚さがなくても熱をドラグノブの樹脂面まで伝えにくい理屈である。さっそくポリアセタール樹脂である商品名「ジュラコン」製の2ミリ厚のワッシャーを購入、そしてそういえばカーボンも耐熱的な素材としても使われているよなと思って1mm厚のカーボンも試してみることにした。ちなみに調べてみたら黄銅(≓真鍮)の熱伝導率は60W/m・k、炭素23W/m・k、ポリアセタール0.25W/m・kで、カーボン板が炭素と同じ扱いでいいのかちょっと自信がないけど思ったよりは熱伝導率はあるけど、それでも真鍮の半分以下、ポリアセタールは文字通り桁違いで2桁違う。カーボンは熱伝導率の低さより難燃性が特徴か。というわけでポリアセタールのワッシャーを内径削って一番上のドラグワッシャーとドラグノブ下面の間、ワッシャーを留めているCクリップの内側に填まるように加工してみた。ちなみにこの位置だと上部ワッシャーとドラグノブは軸に固定でドラグ作動時回ってないので間に挟む形でも摩擦とかは気にしなくていい。でドラグパッドにグリス塗り塗りしながら組んでみたら、カーボンシート製のドラグパッドの場合上手く填まってくれたけど、1mmのカーボン板製ドラグパッド3枚の場合はギリドラグノブが締められない。仕方ないのでこちらは1mmカーボン板を加工して填まるワッシャーを作ってみた。カーボン板0.5mm3枚なら2ミリのポリアセタールワッシャーも填まるだろうから、ドラグパッドとしての評価の後、カーボン板製ドラグパッドがいけそうなら0.5mmを改めて買うことにして先に進む。ポリアセタールとかがこんなに熱を伝えない素材だというのは盲点だった。ポリアセタール2mmワッシャーと同等の熱を遮断するワッシャーを真鍮で作るとドラグノブが煙突の上に乗っかるような形になるってにわかには信じがたいほどである。今回ポリアセタール樹脂を使ったけど、よく考えたら耐摩耗性とか関係ないからより加工が楽なテフロン樹脂のワッシャーを入れても良いはずと今この文章書いてて気がついた。ちなみにテフロンの熱伝導率もポリアセタール樹脂並みで断熱性は優れている。テフロンのワッシャーなら在庫もそれなりにあるし、せっかく作ったけどカーボン板の断熱用ワッシャーは不採用だな。そして材料性質を比較していて、ポリアセタール樹脂は融点が165度と比較的低く、テフロンは融点327度と高いということも知って、ということなら断熱用ワッシャーはミスター・ハラと同じようにテフロンを使うべきだと今更ながら気がついた。せっかく堅くて加工しにくいのを加工したポリアセタール樹脂の断熱用ワッシャーも結局不採用。ということで紆余曲折あったけど、テフロンは刃物も普通に通る柔らかめの素材であり手間も大してかからないので、在庫していた外径18mmの厚さ1mmのがちょうどCクリップの内側に填まるのでさくさくと作り直した。内径が小さかったのでアートナイフでサクサクと刺して大まかに穴を広げてサンドペーパーで仕上げる。ピタッとドラグワッシャーをおさえるCクリップの内側に填まって気持ちいい仕上がりが上の方の写真。

写真上:左シート製、右板製
 で、全体としてドラグとしての性能はどうか?ドラグ締めてみて、手で回したりライン引っ張ったりして試して、さらにはラインの先を結びつけておいて実際に竿にセットした状態でドラグ逆転させながら走った結果、ドラグが熱を持つほどのスピードで爺さん走れんので、断熱ワッシャーの評価は、そのうちお客さんにでも自転車か自動車で走ってもらってテストすることにして後回しにして、まずはドラグ締めていっての調整幅とか締まり具合については、カーボン板製、カーボンシート製どちらのドラグパッドでも問題はなさそう。カーボン板とか弾力もクソもない堅い板なので調整幅が小さくなるかと思ったけど、ドラグノブにバネが入ってて調整幅についてはそっちで出してくれるようだ。手で回す分、ライン引き出す分にはどちらのドラグパッドも滑り出し、滑らかさ、締まり具合ともに問題なさそうで、表面が凸凹に乏しいカーボン板製でもそこそこドラグ値上げることはできる、フルロックに近いところまで締まる。意外にどっちゃでもイケるやんと思っていたけど、竿にセットして走ってみたら、明らかにカーボンシート製の方が滑らかでしゃくらず性能が良い。普通に優秀なドラグって言って良いぐらいの感触が得られた。比べるとカーボン板製ドラグパッドはやや滑らかさに欠け、微妙にウィンウィンいってるけど、使えないほどでもないとは思う。自転車とかで突っ走ってもらったらどうか?長期運用での耐久性とかはどうか?ってのは今後調べていくべき課題だけど、とりあえずカーボンシートを耐熱接着剤で貼り合わせて作ったドラグパッドはなんか良い感じなんである。イケるんじゃないだろうか?これで良いならドラグパッドは好きな大きさのを作りたい放題できる。

 それにもまして、今回良い成果が得られそうなのは、ドラグノブの熱変形を防ぐのにテフロン製の断熱ワッシャーとでもいうべきモノをドラグノブ下面と上部ドラグワッシャーの間に入れてやるだけで劇的な効果が得られそうだということである。それが正しければPENNのクソ高い社外品の真鍮製ドラグノブなんぞ買わんでよかったのかもしれない。ワシャ買ってないけどな。

 って考えるとドラグパッドもテフロンってのもありだとは思う。ただ昔PENNの3階建てドラグで実験したときに3枚全部テフロンのドラグパッドは滑りが良すぎてドラグ値が上げられないという結果だったので、大型スピニングには不向きかも?7500SSでは純正状態だとドラグパッド3枚のうち1枚テフロン、2枚カーボンで必要なドラグ値が出せるように調整してあった。


 なんにせよ、ドラグ周りについて非常に理解が深まったし、オートベールNo.3の最強化への改造もほぼ完成に近い。やっぱり物事を理解するためには本とかで理屈を学ぶだけでも駄目で、闇雲に実践するだけでも駄目で、情報仕入れて学んで考えて、実際に手を使って試してみて、その結果を基にまた考えて試してという試行錯誤が重要なのだなと改めて実感している。

 オートベールNo.3は、ギアは大森ハイポイドフェースギアで滑らかかつ、いつになったらガタがくるのか分からんぐらいに耐久性も高く、これ以降の高級リール様なんかの”より軽く”とかの耐久性を削っていくような方向は全くの蛇足としかワシには思えず、このギアはこれはこれである種完成形だと思っている。逆転防止機構も丈夫でかつ本体内に配置されていて防水機構的ないらんモノをわざわざ取り付ける必要もなく単純明快にまとまっている。ラインローラーは重くて錆びるボールベアリングを使わずポリアセタール樹脂のスリーブ入りで軽く、ローターの回転バランスも良い。ハンドル回してのベールリターンも軽くて感触良く、意図しないベール返りを防ぐ青銅板の”簡易ローターブレーキ”も備わっている。ハンドルはねじ込み式で丈夫で緩まず、ハンドルノブはPENNのトービート型みたいな軸の細い型でワシ好み、かつ気に入らなければネジ止め式なので、調整は必要だろうけどお好きな形のモノに交換も可能。スプールのかかえる、糸巻き幅が広すぎるのとスプールエッジがなで肩でラインの放出製が悪い、という問題はアレして解決済み。完全平行巻ではないのは目をつぶろう。ドラグもカーボンシート製のドラグパッドにし、ドラグノブの熱変形も断熱ワッシャーを噛ますことで解消できたなら、ほぼ実用性最高と言って良いぐらいの中型スピニングに仕上がるだろう。残念ながらベールスプリングが耐久性に劣るトーション式なのをグルグルコイル式に改造するのは難しいけど、ベールスプリングはスピナーベイトとか自作する用のステンレスバネ線で自作可能だし、バネ屋さんで作ってもらってもいいので、予備を用意してバネがへたってきたら交換とかで対応できるだろう。

 最終的な成績評価は、ドラグの高速ライン放出試験を経て、実際に魚釣ってみてしかできないにしても、しょっぱい塩鮭焼いたときみたいに塩吹いてた、1円落札のジャンク個体がよみがえって、そんじょそこらの格好とカタログ数値だけの”こけおどしリール”には絶対負けないぐらいの実用機に仕上がった気がして、魚かけてみるのがが今から楽しみでならない。

 ワシが思うに、以前にも書いたけど古今東西、史上最強の実用機はスピニングではPENNの4桁スピンフィッシャーで間違いないと思っている。今回いじくったオートベールはそれより古い時代の設計で、スプール形状とかに欠点は抱えているし、ドラグも海の大物対応であれば改良すべき点もみられる。そうではあっても日本発で、その開発に大きな貢献をしたという大森製作所による、鉄系の芯を鋳込んだ”ハイポイドフェースギア”の完成度、信頼性は高く、逆転防止機構を本体内に入れた防水防塵性など設計も良くまとまっていて、基本的なスピニングリールの機械部分はもうこれで必要充分というぐらいに過不足なく造られている。そこに現代の知識をもとにスプール周りの改良を加えてやることで、カリッカリにレースチューンを施された旧車のように、ボロい昭和骨董な見た目に反して、4桁PENNに勝るとも劣らぬ実用機が顕現するはずと期待している。

2 件のコメント:

  1. 今回はドラグ改良にも踏み込んだんですね。
    スピンフィッシャーのドラグワッシャー、調子こいて釣りまくってると
    確実に薄くなってきますし最近量販店で出してくれなくなりましたから
    自作した方が好きにできるし良いですね。
    最近また増えた8枚ギアのスプールにワッシャーが無くて手配に困ってましたから朗報です

    返信削除
    返信
    1.  上手くいったら儲けものぐらいでやってみたら、なんとかなりそうな感触でした。少なくとも一発でおシャカになるような感じはしないです。
       PENNの真似したカーボンのドラグパッド、大手純正とか良い値段しやがって生意気なので、手作りできる方法があったら公開して、読者の皆さんがクソ高いものを買わされずにすむようにできれば良いなと思ってます。PENN純正にはさすがに勝てる気はしないけど実用十分にはできるかな?

      削除