2020年12月31日木曜日

2020年のベスト3(釣り編)

 紀伊半島に移住して2年目。とりあえず目標としては240日以上釣行することをあげていた。そのぐらい行きまくれば何か見えてくるだろうと思ったんだけど、実際249日行ってみて、何か劇的に”分かった”とか”変わった”とかは正直言って無い。無いんだけど数撃った分の蓄積っていうのはあるのかなという感じで、何をどう目標にすれば良いのかも良く分からないなかで、とにかく場数踏んでみるっていうのはそれほど的外れではなかったように思いたい。その結果、体力削られて病気になったりしたにしても、やり過ぎてるなら不足はなかったんだろうと心安らかである。2年目でありルア-での主な対象魚であるシーバスとチヌは昨年以上に釣れるものと思ってたけど、そうは問屋が卸さなかったし、ハゼがドハズレ年で残念だったけど、釣り人誰も気付いてないけど遡上してきてたアユ釣りまくりとか、マアジの堅さが盤石と化しつつあるとか、良い釣りもあれば悪い釣りもあり、これまでもこれからも「来たモノを釣る」という基本方針は変わらないのかなと思っているところ。

 という感じで、全体ならして見ればそこそこ良い釣りだったのかなという今年の釣り関連。年末恒例となりましたベストスリー行ってみましょう。ジャカジャン


○釣り:1位「のべ竿マアジ釣り」、2位「73スズキ」、3位「92メジロ」

 1位はとにかく”堅い”釣りに育ってきました「のべアジ」。早春の長竿で攻める深棚の釣りから、夏の豆アジは海面に落ちているのを拾い集める作業のような数釣り、秋本番の小アジは2日料理して食うのにちょうど良い40匹釣って操業終了撤収というのが毎度のことのようになる異様な水揚げ目標達成率。釣り人少ない釣り座の選定から、棚とハリスの調整で食わせ続けて掛け続ける小技の効かせ方、第5世代まで開発して沈下する固形物への反応を上げる要素まで考えたパン粉とアジのハラワタ主体の安くて”効くコマセ。フグ軍団との闘いも、やられっぱなしだった昨年と違いそこそこかわせるときもあった。アジ釣りについては昨年のワシとは違うワシに生まれ変わったと言っても過言ではない。釣って良し食って良しのアジ釣りは”おかず釣り”の本命として来年も研鑽を重ねたい。

 2位、ダルトンスペシャルにバコンと飛び出たスズキ様は衝撃的だった。雨に誘われて川に入ってきたやる気のあるシーバスは、早瀬とかの速い流れに突っ込んできている、という持論を証明する1匹。残念ながら今年10月11月の秋の雨が少なくてシーバス不調に終わったけど、まあ降らない年もあれば降る年もあるだろうから、「雨が降ったらシーバス」は来年も徹底していきたい。ダルトンスペシャルがまたアメリカンな味わいのある良い塩梅のスイッシャーで100年近く生き残ってきただけあって、間違いなく釣れる動きをしている。

 3位、カマス釣ってるとカマスを餌に泳がせ釣りで青物だのヒラメだのと釣ってる上手な人達がいて、羨ましく指をくわえてみてたけど、こんなもんルアー投げときゃそのうち食うだろと投げ続けること何回目かで、ミノーで合わせ切れやらかして、ザ・スプラッシャーで釣ったりました。堤防から92センチの青物が釣れるとか正直ドン引きする釣果だけど、わりとそういうの珍しくもないのがこの地の実力。


○残念だった釣り:1位「フライでボラ」2位「カヤックの釣り」、3位「泳がせスズキ」

 1位は、フライでアイゴだのグレだのオカズ釣りつつ、チャンスがあればイッパツいわせたろうと思ってたけど、アンカーロープに突っ込まれて力かけて引っ張り出そうとしてたら身切れっぽい感じでポロリ。ボラの走りは制御不能で沿岸魚では随一ではないだろうか。食っても旨いので来年も機会があれば狙って仕留めておきたい。

 2位は、満を持してカヤック出したけど、意外に簡単な釣りにならなかったのと、まだ体力が足りてない感じでえらく疲労してしまったので、コロナ禍でなんか見たことない船が出てるってことになるとヨソから来る人に自粛をお願いしている時期でもあったので通報くらったりしかねないというのもあって、岸から釣る魚にそれ程困ってもいなかったので、1回だけしか出さなかった。リヤカーで河口まで運んで出航とか段取りは一通り試せて特に問題ないので、体力戻ったらまた挑戦したい。

 3位、モノほんの餌、しかも目の前で襲って食ってる”現物”ハリに掛けて泳がせたら、シーバスぐらい簡単に釣れるだろう。って思うジャン?全くそうは問屋が卸さなくて小売店また困ってしまう。ハリの付いた餌を横目に見ながら併走して最終的に見切って食わんとか、キーッ!アタイ頭きちゃう!!って感じで熱くなったけど、結局小さいのしか釣れなかった。見えてるのには余裕でスズキ様の大きさのもいるので、来期はなんとかしてみたい。


○ルア-:1位「ダルトンスペシャル」、2位「インビンシブル8DR」、3位「ザ・スプラッシャー」

 1位は、さっき書いたので省略。ヨレヨレッとヨレる動きがシーバス向きかと。

 2位は、雨が降ってN川の流れ込みの水量がそれなりにあれば”鉄板”ガチガチの堅さを発揮してくれてたフィンランド名産のバルサミノー。インビンシブルはメチャクチャ優秀なミノーなのでコータック潰れてから正規代理店が日本にないようだけど、どっか輸入してくれないモノだろうか。弾数は確保してあるっちゃあるんだけど、オレンジの一番釣れる色の在庫が心もとない。いざとなったら黄色く塗っちまえば良いんだけどな。

 3位のザ・スプラッシャーもメジロ釣ったとさっき書いたけど、ちょっと補足。この手のスプラッシャータイプのルア-は現行品ではタックルハウスの「リップルポッパー」とデュオ版の「ザ・スプラッシャー」があるけど、使ってるのは古い「ブルーアイランドタナカ」版のもので固定重心。これが実に良い動きしやがる。早引きすると水面滑るように走りつつやや横揺れ。水を噛むスピードだとグネグネと横に体を振る。近所漁港ではカマスを追い込んで青物が堤防近くまでやってくるので飛距離は要らない。固定重心のほうが動きは安定しているし立ち上がりも早い気がする。動かない方が良いときもあるけどルア-の動きが良い方が食ってくる場面ってやっぱり多くて、そういう時飛ばさなくて良いなら固定重心のルア-の方が良い動きをして結果良く釣れる。飛距離が出ないと届かないっていう場合を除くと重心移動のミノーとか重いルア-とかより、固定重心、軽いルアーが釣れると思っている。


○釣り具:1位「-16度保冷剤」、2位「マイクロセブンCシリーズ」、3位「コバンフライ」

 1位の「-16度保冷剤」はちょうど良い材質を良く見つけてきたなと感心する。凍らせるのにも時間掛かるけど、溶けるのが遅くて秋とかなら三時間ぐらい釣りして帰ってきてもまだ霜付いている。やっすい保冷バックでも中がキッチリ冷たく冷やされて、これは良いものだと感心した。お薦めします。

 2位の「マイクロセブンCシリーズ」は大森製作所のアウトスプールスピニングの最高到達点だとワシャ勝手に思っちょります。樹脂性で軽いけど、適宜金属で補強してあって強度や耐久製にも気を配ってある。小型リールはこんなんでいいんだよ、って思っちゃう。耐久性が評価できるほど使い込んではいないけど、魚釣るのに必要な性能的には問題なく、とても良いです。ボラの突進さばききって、ドラグ出されまくってラインチリチリにされつつもちゃんと釣れました。人気の同社キャリアーもやや値段落ちてきたけど、むしろ評価されるべきはこちらのマイクロセブンCシリーズではないかと。キャリアーは軽さに振ってあって、作りとしてはマイクロセブンCのほうがしっかりしてます。

 3位の「コバンフライ」は我が愛猫の毛を集めて巻いてる。流れてくるゴミを食ってるアイゴ、グレ、ボラを狙うために、ちょっと明るめで見やすい”毛”があると良いなと思ったときに、ウチの猫は茶白で抜け毛はちょうど良い塩梅の明るめの茶色だよな、ということで寝床のボロ布からゴム手袋で抜け毛を集めて作成。なかなか優秀な成績。黒のフリースが抜け毛収集機のように毛が付いて目立つので最近は黒フリースから素材集めてるところ。


○PENN:1位「714Z」、2位「4500ss」、3位「430ssg」

 1位は、シーバス釣りの時に主軸となってるインスプール。これが716Zのスプールの直径だけ大きくしたようなリールなんだけど、スプール直径の大きい小型スピニングってラインさばけやすくて飛距離もだしやすいし、巻き癖も付きにくいしで、とっても使いやすいように感じている。大森の「No.2」の大きさもそういう傾向があると思う。ウォームギアは巻きチョイ重めだけど何というか”巻き心地良い”し、全体的に単純で丈夫。ライントラブルもほとんどなくて使ってて面倒臭いことが何もなく快調に使える。この大きさの主軸機は長く430ssgに任せていたけど、ssgは瞬間的逆転防止機構が寒いとグリス固くなって誤作動起こしたりするので、寒い時期はこちらの方が安心できる。たぶん今後の主軸機になるんだろうなと感じている。

 2位は青物釣るのに引っ張り出した。中古で買ったときにハンドルノブが壊されていて、割り箸で握りを成型して自作してある個体。4500ss以上の樹脂性のT型ハンドルは軸の根元がワシの手にはやや太くて指が痛くなるので、軸の所が細くなっているこの個体は手に馴染んで使いやすい。樹脂本体だけど強度やドラグ性能には全く問題なく、青物釣るのに好適です。

 3位は、714Zが主力化しつつあるとはいえ、暑い時期とか問題生じないのでまだまだ使い続ける第4世代。コイツの単純さも捨てがたいのよね。使ってての不具合は寒いと逆転し始める瞬間的逆転防止機構ぐらいで、逆転してもベールアーム指で引っかけて止めればいいしであんまり問題ないといえばない。リールなんて多少デキの悪いところがあったとしても、ブチ壊れたりしない丈夫さがあれば、なんとかなったりするものである。無事コレ名馬的な名機です。


 今年は、世の中はコロナ禍だったり私自身は帯状疱疹だったりで、なんか抑制させられてた気がするけど、振り返ってみるとそんなに悪くない。240日以上も釣りに行ってて悪い一年だったなんてのはありえんということか。好きなだけ釣りに行ける贅沢な暮らし。ありがたいことです。来年も釣りにはしっかり行っておこう。

 皆様、今年の釣りは楽しかったですか?それでは良い年をお迎えください。

2020年のベスト3(エンタメ編)

ねこ娘大全
kindle版「ねこ娘大全」より引用

 今年も釣りに忙しく、249日も釣り場に出てると、なかなかじっくり本を読む時間とかは減る。しかしながら毎日が休日のご隠居生活でもあるので、場所中は夕方の相撲の時間が待ち遠しかったりして、なぜ釣り場の爺さん連中は相撲の話が多いのか身をもって理解した。ネット配信の映像は地上波放送など一切見なくても大丈夫なぐらい充実していて、相変わらずアニメやドキュメンタリーはメシ食いながらとかダラダラと楽しんでいる。

 という状況で、今年も小説やルポルタージュ等活字の本は選ぶほど読んでないのでなし。あえて上げるなら、久しぶりにシリーズ新刊出たライトノベルの「涼宮ハルヒの直感」が懐かしくもあり、ミステリネタで楽しめて印象に残ってるってぐらい。


 マンガについては、続き物は新刊出たら読むし、週刊モーニングは電子版で購読するようになったのでそこそこ寝る前の睡眠導入剤兼ねて読んでいる。今年は結構最終回を迎えた作品も多く、新しく読み始める作品より終わった作品が多かった気もする。ということで選んでみると、

○マンガ:1位「ハコヅメ」、2位「波よ聞いてくれ」、3位「地球侵略少女アスカ」

 で、1位「ハコヅメ」はモーニング掲載中の、女性警察官を主人公としたマンガで連載開始当初から、ワシの中ではツボにはまってて、現実では煙たがられて不祥事とかで叩かれて嫌われがちで、創作の中では格好良すぎて現実離れしてることが多い”警察官”のごく当たり前の人間としてのバカバカしくも愛おしいアレコレやら、警察官ならではの正義感や”役所”ならではの面倒臭さとか、実際に女性警官だった作者の経験に基づくんだろうけど、等身大の警察官の息づかいが聞こえてくるような、時に真面目で熱くて格好良く、落差でクソバカバカしくて良い塩梅の描かれ方に警察官も大変だなと、ワシらの生活を守ってくれてありがとうと感謝したくなるようなそんな作品です。オタクじゃない人にも超お薦め。

 2位の「波よ聞いてくれ」は沙村先生の独特のネタの面白さも切れまくるアニメ化もした人気作。北海道のスープカレー屋の従業員の女性がひょんなことからラジオのしゃべり手として、活躍したり引っかき回したりというドタバタ喜劇の中で、登場人物がたまに良いこと言ったりするのが胸にグッとくる。主人公のライバル?の放送作家志望の女性が、事情があって家に泊めてもらってた好意をもってる男性の部屋を出て行くときに、また遊びに来なよと男性が言ってくれたのを「もう来ません」とクールに決めて出て行くんだけど、すぐに思い直して電話してやっぱりたまに遊びに来させてくださいって前言を撤回する。曰く自分が好きな物語はストイックないい人が書いたお話しではなく、汚れた水を吸って咲いた花のような物語だ、として「欲望を醸して生きていこう。」と決意する、なんてのがなかなかに人の心の機微を分かってらっしゃるな。へいラッシャイっていう感じなんである。

 3位の「地球侵略少女アスカ」の伊藤伸平先生は、オレ好みなマンガを書いてくれる先生で、何というか特撮と今時のマンガの融合っていう聞いただけでは分からん芸風なんだけど、ウルトラマンとかゴジラとかが分かる年代のオッサンでマンガ読みなら読んで損はないと思う作品をコレまでも世に問うてきました。今作は、今時マンガっぽく”百合”成分多めでお得になっております。3巻で完結しました。サクサクッと読めて楽しくてワシャ好きです。前2作品はウルトラセブンと仮面ライダーが元ネタだったけど、今回元ネタ何なんだろう、「狙われた学園」とかの古い特撮と缶コーヒーのBOSSのCMだろうか?


 アニメは、コロナに負けずに(ちょっと制作遅れたのはあったり影響は出てた)たっくさん作られてるので今年も沢山楽しんだ。

○アニメ:1位「ゲゲゲの鬼太郎(第6期)」、2位「放課後ていぼう日記」、3位「ID:INVADED」

 まあ1位は、放送が終わった年の1位にしようとずいぶん前から決めてたくらいに超面白かった。鬼太郎なんで、異なるモノ同士(妖怪と人間)の融和とか対立とか、まさに今の時代にこそ求められるテーマが根底にあり、かつ、バトルアニメの要素も抜かりなく、萌えも百合も猫姉さんに任せておけば良いし、不条理なすくわれない話も、心温まる良い話しも、全てが合わさって、今期の鬼太郎は素晴らしいできだったと絶賛したい。猫姉さん関連では思わず冒頭写真の単独の特集本を買ってしまった。新作イラストがちょっとと声をあてた声優さんへのインタビューの他は、アニメの登場シーンの切り抜き程度という内容的には薄いモノだったけど、ファンなら高くない”お布施”だと。作ってくれたアニメ制作関係者とあの世におられる水木先生に深く感謝を。

 2位はブログでも既に取り上げているけど、先日亡くなられた矢口先生の「釣りキチ三平」以来の、素晴らしい釣りマンガのアニメ化で、釣り人だったら楽しめること請け合いなので強くお薦めしたい。

 3位は、芥川賞に夏樹先生とかエイミー先生が強く推した才能”舞城王太郎”先生がSF探偵モノの脚本を書いた。結果、クソ面白い作品に仕上がった。やや難解なSF設定と謎解き部分は人を選ぶかもしれないけれど、まごう事なき傑作だとワシャ思っちょります。SFとミステリーどっちもイケる口でアニメも嫌いじゃないというなら、コレはあなたのための物語です。


 NHKオンデマンドとネットフリックスの”ドキュメンタリー作品”がクソ良いのが多くて、見る時間たらんぐらいで困っちゃう。特に良かったのを3つ選ぶなら。

○ドキュメンタリー:1位「アファンの森よ永遠に(NHK)」、2位「サメ700匹!狂乱の狩りを撮る(フランス製作でNHK配信)」、3位「ラストバレー・レストーラー」シーズン1~3(ネットフリックスオリジナル)

 1位は、今年亡くなったC・W・ニコル先生の日本での自然保護活動などの模様を追ったドキュメンタリー、日本の人間が山川海をコンクリで固めて小銭を稼ごうと裏道小汚く這い回っているなかで、ウェールズの出身の先生が、こんなにも日本の森を、自然を愛し、力の限りそれを守るために闘ってくれた。先生の思いが胸に響いて鼻の奥がツーンときた。津波で被災した松島の小学校の再建という復興に関する取り組みにも「自分の残りの生涯の半分をあげます」と情熱を燃やして、木造の、裏の森と行き来できるような学校を創りあげた。市側との会議で感情が高ぶって、英語になって「ファーストプライオリティー チルドレン(子供が最優先)、モーストインポータント チルドレン(子供が一番大事)」と熱く訴えておられて、未来を託す子供達のことをどれだけ大事に考えてくれたのか、その思いの一端に触れて感動やら感謝やら、視界がぼやけて爺さん前がよくみられんかった。あなたが日本にしてくれたこと、子供達にしてくれたことを胸に、自分も生きていきたいと思った。

 2位はおフランスもやりおるぜ、という映像。最新の映像技術で映し出されるクロヘリメジロザメの群れの夜の狩りは、日替わりのペアを組んで獲物に襲いかかり、時に別種のネムリブカとも共闘関係を結んで狩りを成立させるなど、なかなかに興味深い映像が満載で、特に半円上に並べたカメラの映像を処理して、CGじゃないのに現物を写した映像でそこで裏を見るとかの視点の変更が後から可能で、なかなかに凝った面白い映像だった。

 3位が、カナダの乾燥した谷に車が錆びにくいので中古車屋が集まってる場所があるらしく、そこに趣味で400台からのボロ車を集めた不動産屋さんが脱サラして始めた自動車レストア屋の奮闘記なんだけど、これが収集癖のあるオタクの常で”売るより買う方が多い”悪癖全開でまったく儲からず収拾つかなくなって迷走していく様が自分を見るようで身につまされてクソ笑えた。いまシーズン3まで視聴したところで、次のシーズンも楽しみである。


 地上波無し。ネット配信はアベマTV、NHKオンデマンド、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、GYAOを利用している。金払うとなかなか面白い映像も見ることができて、今年もいろんな作品が私を楽しませてくれた。作品を製作・提供してくれた方々に感謝する。来年も良い暇つぶしとなってくれる以上の価値がきっとあるだろう。価値など特になくても観るけどな。

2020年12月27日日曜日

敗者にはなにもやるな?

  今回格闘技ネタです。年末のベストスリーネタの格闘技版をちょいはやいけど書いてみよう。

 格闘技は年内”年末興行”ってのが残ってるけど、まああれだああいうのはお祭り騒ぎで見世物でどうせ無料ネット配信は年開けてからとかなのでとりあえず無視しておこう。

 我が家にゃアンテナ立ててないので地上波放送が見られないけど、「RIZIN」はGYO!で後日配信があるし、アベマTVはそこそこ充実していて、国内老舗団体の「Kー1」「RISE」が立ち技系、「パンクラス」、「修斗」が総合格闘技、そして「大相撲」が視聴可能に加え、アジア中心に興行をうつ世界的な団体である「ONEチャンピオンシップ」が配信されていて実に良い感じに楽しめている。米国の総合格闘技の2大団体「UFC」「ベラトール」の放送権手放したのと「ミャンマーラウェイ」の配信が無くなったのは残念だけどアベマTVは良くやってくれている。引き続きプレミアム契約を更新することにしたい。

 でもって、本年のワシが見た格闘技の試合ベスト3の発表いってみよう。ジャカジャン。

 1位「那須川天心挑戦者決定トーナメント決勝:志朗vs鈴木真彦(RISE)」、2位「夏場所照ノ富士関優勝(大相撲)」、3位「K-1スーパーライト級タイトルマッチ:安保瑠輝也vs山崎秀晃(K-1)」

 となりました。1位は来年キックボクシングからボクシングに転向する那須川天心選手に最後にキックボクシングで挑戦する権利を得るために、那須川選手に負けた強豪でトーナメントを組んだ(一人欠場で代打は未対戦)という、なんというかすざまじいトーナメントの決勝戦で、いかに那須川選手が非凡な天才かというのを改めて思い知らされる興行だった。ワシのような素人目に見ても那須川選手はちょっと尋常じゃないようにおもう。なんぼ極真空手出身だといっても、試合で胴回し回転蹴り(浴びせ蹴り)を決めるかね?それも相手本場タイのムエタイチャンプだぜ?大山先生も草葉の陰でお喜びだろうて、とか片手をマットについてのハイキックとか”カポエラ”かよ?!って話でもう極真がどうこうではないわけが分からん強さがある。それでもその華麗な足技を捨てて、コレまで唯一土を付けられた経験がある”ボクシング”に挑戦するっていうところがまたマンガの主人公じみている。安パイで勝てる相手に泡銭稼いでるメイウェザーには爪の垢でも煎じて飲めと説教したい。あんなゲスを客寄せパンダで日本に呼ばんといて欲しいと強く思っている。でもってその挑戦権を賭けた決勝戦、どちらも那須川選手には負けているけど実力者で、特に鈴木真彦選手はアベマTVでRISEが配信されるようになってからは負けてないはずっていうか、那須川選手に負けて次からは無敗で準決勝で30連勝だったそうである。何度も勝利後のマイクパフォーマンスで那須川選手とやらせてくれと訴えていて、さすがにこれは最後にやらせてやれよと感情移入しながら、志朗選手に恨みはないけど応援しながら視聴した。結果素晴らしいカウンターもらってダウン一回、反撃実らず敗戦。なんというかいたたまれないというか、30勝しても努力して積み上げて全てを賭けても、それでも敗北は容赦なくやってくるという事実にあらためて、心の底から怖くなった。負けて得られるモノが無いとは思わない。そういう美しい物語が今回選んだ2位、3位に繋がっている。でも勝って得られる経験、賞賛、金銭、地位、名誉、悲しいことに比較にならない。那須川選手に負けてもONEチャンピオンシップで欧州の強豪サバスマイケルからダウンとって勝利した内藤大輝選手のように強くなって活躍している選手もいる、リベンジできなくても鈴木選手も強くなれるかもしれない、でもそうであったとしてもあまりにも厳しい現実だと、これが自分が生きている世界だと身を引き締めさせられる気がした。鈴木選手再度立ち上がって奮起できるのか?できなくても不思議じゃない打ちのめされかただとおもう。でも私は今年一番この試合にその敗者に心動かされた。「この世では不平等が平等に与えられる」とネットの賢者が書いてたけど全くもってその通りだと思う。だからこそ勝利には価値があり、賞賛するに値して、全てを賭けてもぎ取りに行かなければならない、そういう得ることが難しい勝利にこそ求めてやむにやまれぬほどの価値があると肝に銘じておきたい。

 2位は話題になったと思うのでご存じの方も多いだろう。大関経験者の照ノ富士関が膝の手術や糖尿病で”序2段”まで落ちて、一時は本人も辞めさせてくれと親方に泣きついたけど、親方の説得もあって奮起して再入幕。幕尻からの優勝という素晴らしい物語。序二段って物事のとっかかりを意味する”序の口”の次の駆け出しの地位でっせ。勝手に”膝痛仲間”として応援しながら見ていたけど、優勝決定したときには本当に良かったと胸をなで下ろした。アベマTVの中継見てたら、新大関朝乃山関戦前に解説の元力士とすれ違って「やってやりますよ!」と自信を覗かせていたとか。自分の力が発揮できるところに戻ってきて存分に相撲を取っている喜びに満ちあふれているようで見ていて元気づけられた。千秋楽前日、部屋の後輩力士である小兵の照強関が切れ味鋭い”足取り”の奇襲で朝乃山を破って援護射撃していたのも印象深い。その後の場所も好調で優勝争いに加わっていて、3場所33勝の大関当確の基準を満たすのも現実味を帯びてきた。欠場多くてそろそろ限界であろう横綱2人が引退した後に、強い悪役外国出身力士として場所を盛り上げて欲しいものだ。格闘技には良い”ヒール(悪役)”が必要だっていうのは何度も書いてるけど我が持論。日本人は判官贔屓なところがあって照ノ富士関は悪役になるには条件が悪いけど、なーにムカつくぐらい勝ちまくれば右効きの爺さんどもは手のひら返して罵声を浴びせ始めるだろうて。勝って勝って勝ちまくって欲しい。来年も応援する。

 3位は、格闘技好きには、これも照ノ富士関に劣らぬ”復活劇”だったよなと納得いただけるだろう。寝技無しのキックボクシング系の立ち技格闘技としては一世を風靡した「K-1」が経営状態悪化して、欧州のキックボクシング団体「イッツショータイム」に身売りして欧州で興行がうたれるようになり地上波放送もなくなって、それも消滅しただかなんだかで再度日本で軽中量級中心に興行をうつ「新生K-1」が立ち上がった。そのときに、山崎選手は最初の方から参戦していて、当時目玉選手としてタイから連れてきていた絶対王者と呼ばれるようになるゲーオ・ウィラサクレック(タイ人選手はリングネームの後ろは所属ジム名のことが多い、当初はフェアテックスジム所属)選手にハイキックで頭蓋骨陥没骨折させられ敗北、リベンジを期してのぞんだ試合ではゲーオ選手負傷欠場で代打でやってきたゴンナパ-選手に膝を壊されこれも敗北(というわけで”膝痛仲間”認定)、怪我もあって長く不調に沈んでいて、怪我から復帰しても、K-1の若手育成的な場所でもある「クラッシュ」という興行で実績的には格下と闘わされたりしていて、この人は怪我に泣いて栄光を見ることなく去って行く選手なんだろうなと失礼ながら思っていた。ところが膝の状態も良くなって本領を発揮し始めると若手とかとはさすがにモノが違って、怪我の多さからも分かるように”打ち合い上等”な感じで”黄金の拳”をぶん回したり空手仕込みのカケ蹴りとかの変則的な蹴り技も派手に繰り出して実に見ていて面白い試合でKOを量産し始め、すぐにK-1の舞台に呼び戻される。そして迎えたタイトルマッチ。宿敵ゲーオからベルトを奪った安保選手は乗りに乗ってる勢いのある王者で複数階級制覇も視野に老兵なんか眼中に無いというような舐めた態度。しかし試合は始まってみると3分かからなかった。山崎選手怒濤の猛攻で”黄金の拳”炸裂。ド派手にKOして戴冠。怪我で消えてく選手だなんて思っててスイマセン。良いもん見させてもらいました。脱帽。やっぱり膝が痛いぐらいは言い訳にはならんね。

 とまあ、なんちゅうか勝負の世界は厳しくてコロナ禍の中での興行で青木真也選手が「負けたくないヤツは闘うな、家に居ろ」ってなことを言ってたのがわりと的を射ているなと、闘わなければ負けることはないけど何も得られんぞと、思ったり思わなかったりした今年であります。そういう厳しい世界で膝痛仲間が活躍していると励まされたり、やっぱり厳しい現実を見せつけられたりすると覚悟を飲まされるような気がしたりもしております。来年はどんな闘いが見られるのか、金払って配信見ているパトロンの一人として期待してたのしく視聴していきたい。きっと名勝負がこれからも産まれ続けるだろう。今年闘った全ての格闘家に惜しみない拍手を送りたい。パチパチパチ

2020年12月20日日曜日

コバンの城


 うちのネコ様であるコバン用に冬の暖房完備の”巣”を作った。

 釣りに行くときなど外出時や、来客があって”ビビり”なコバンが居室に居たくないときなどには、モノが少なくて広さもあって高さのある棚とかもあり適度に運動もできて良い塩梅の1Fのコンクリ打ちっ放しのスペースを放流場所にしている。

 釣りから帰ってシャワー浴びて放流場所に迎えに行くと、足音で分かるのかドアの前でニャーニャー鳴きながら待機していて可愛いヤツである。ドア開けると足下スリスリしてくるので目一杯撫で回してやってから、部屋の中で思わぬ”悪さ”をしていないかとかトイレはしているかとかチェックしてから居室に連れて行く。悪さしてもかまわない程度のモノしか置いてないので、たまに洗濯したタオルが落とされているとかダンボールの箱がこかされているぐらいのもので基本良い子で待っていてくれているようだ。

 ただ、冬になって冷え込むようになって、早朝とか夜の釣りで1匹で留守番させるのに寒いっていうのは気になってて、当面湯たんぽ置いて対応していたんだけど、湯たんぽだと時間的に数時間しか温かくないので、なんとか一晩中でも温かい寝床を作ってやらねばと考えたんだけど、なかなかに面倒くさい。当然火を使うようなストーブとかは危なくて使えない。エアコンなんていうものは貧乏人には用意してやるのは難しい。コバン貧乏な下僕ですまん。

 つらつら考えて、電気で温かくなるマットをベースに1箇所だけ温かく過ごせる場所を作ってやれば寒けりゃそこに入って暖まるだろうという考えを元に作業に取りかかった。


 コレまでもコバンの寝床は1Fには何カ所かあって、一番お気に入りはソファーの上のダンボールの箱。湯たんぽはここに入れていた。次にリヤカーの入っていたデカいダンボールも蓋を開けておいたら、中に入ってくつろいでたようで写真ではソファーの上に乗っているお気に入りのビニールバックを引っ張り込んだりしていた。あと、夏場は風通しが良いのか金属枠の棚の上に置いたボール紙製の大型ケースの上に良く登って寝てた。

 ”猫はダンボールが好き!”というのは周知の事実のようで、ダンボールの適度に囓って壊して遊べるところとか、冷たくない肌触りとかが良いンだろうか?なんにしろ貧乏人にはありがたい。ペット業界も釣り具業界以上に胡散臭い業界で可愛い猫ちゃんのためにという寝具など高級なのから凝ったのからアイデア商品まで目移りするぐらいに通販サイトとか見ていると売られている。しかしながら、猫飼いの共通認識として、そういうモノを買っても猫はそれが入っていたダンボールで寝る、というのがあるように思う。一説にはア○ゾンの箱が一番だそうだ。我が家でも、アスレチックのような遊具に、餌食わせるときの台に、トイレ周りの汚れ防止の敷物にとダンボールは大活躍している。ネットオークションとかで釣り具発送してもらった小さめのダンボール箱にコバンのお気に入りのポッパーを入れて軽く蓋を閉じてガシャガシャ振ってホイっと目の前に出してあげると、なかなか猫の手では蓋の隙間から引っ張り出せないので全身使って箱ブチ壊しながら大興奮して遊んでくれる。そういう姿を見ると仕方ないのでまた釣り具を落札せねばなるまい。こまったこまった。

 で、新たに電化した”コバンの巣”を作成するにあたっては、とうぜんダンボール製にした。電気保温マットを剥き出しにしておくと爪研いだり囓ったりで配線触ってしまって感電というおそれもあるので、マット自体をダンボールで挟んでガムテープで閉じた。それでも囓って引っ張り出すときはまた対策考える、と思ってたけど今のところ大丈夫そう。

 苦労したのがコンセント周りと電源コードで、猫って紐状のモノもなんか出っ張ったモノも悪戯せずにはいられない生き物のようで、服だとジッパーのツマミが大好きで、異様に好きなのが携帯電話のストラップをグルグルコードにして落下防止でポケットに引っかけるようにしてるんだけど、そのグルグルコードには立って電話してる時にジャンプしてじゃれつこうとするぐらい気を引く魅力を感じているようだ。すでに居室には猫と人間をダメにする家具”こたつ”を出しているのだが、こたつの赤いコードも当然攻撃対象になるので、黒いコードをまとめたりペットが噛む攻撃から守るための保護チューブを買って対策済みである。コードはこたつ同様保護チューブで行くとして、コンセントをどう猫の手が届かないようにするか悩んだけど、結局猫トイレについてきたオシッコが下に落ちるザルが使ってないので、そのザルを利用してヒートンと針金で固定して囲いとした。壁に張り付いている緑のザルがそれ。黒いのが電源コードを保護しているチューブ。下に敷いてあるダンボールには保温マットが挟み込んであり、乗せてあるダンボールの中にはコバンが中で丸くなれるような大きさのダンボ-ルに膝掛け毛布を敷いたモノを設置。

 どうじゃ!これで完璧だろ、という出来映えなんだけど、入ってる気配はあるんだけど、猫思ったほど寒さに弱くもないようで、今のところ強烈に冷え込んだ日とかに留守番させたこともないので、”巣”の中の毛布にはあんまりまだ毛が付着しいていない。とはいえ、寒くなったら逃げ込める巣が作ってあるので出かけるときには安心な体制が整ったと思う。


 でもまあ、冬の猫の巣っていったらさっきも書いたけどコタツなわけで、のぼせるンじゃないかってぐらいまで暖まって、出てきて旨そうに水飲んで、「ここらが適温かな」ってな感じでコタツ布団の掛かった胡座の上に乗ってきて寝直したりしている。可愛いのぅ。

 猫と暮らしてみて、面倒なことやら頭にくることもないではないけど、なんか野生の面影を残した小型獣が同じ部屋でウロウロしてるのは見てて面白いっていうか楽しい。そのうえなんとお触りもOKである。もう出血大サービスって感じ。

 もっと、猫ってツンデレでこっちがかまいたくても拒絶されるような印象があったけど、思ったより人なつこい。雄は比較的バカで甘えん坊な傾向があるんだそうな。犬猫にはあんまり好かれない人間なので、こんなに懐かれたのは生まれて初めてで、ちょっと舞い上がってる感がある。あと、いろんな鳴き声?があるのも面白い。機嫌の良いときのゴロゴロという喉に痰でも絡んでるのかっていう声も日常的に聞けているし、甘えてくるときに出す”クククックルクルニャー”っていう感じの切ない鳴き方とか、窓の外にオカーチャンであるウニャ子が来たときの、まさに「オカ-ちゃーん、へんなヤツに閉じ込められてるんだよ~」って感じのアオーーンっていう聞いてて罪悪感感じる鳴き声とか、声じゃないかもだけど、毛玉?吐くときのお腹波打たせてのゲコッゲコッ!ってカエルみたいな音は始めて耳にしたときに、何だろうと不思議に思い、ゲロ吐いてると気がついたときには病気かと不安になり、検索したら毛玉とか消化できないモノをたまに吐き出すのは正常です。何回も吐いてるようなら獣医さんへ、とのことでホッとしたりした。ネットって便利ねぇ、いろんなことが調べられる。

 あと猫って案外義理堅い。外のウニャ子にはもう餌あげていないし、表の方で見かけたときは追い払ってたりするという酷い扱いをしたにも関わらず。初めて出会った便所の窓ごしには今も挨拶してくれて、窓開けると鼻をこちらの指に押しつけてくる。こちらは首回りカキカキしてやる(病気持ち込みたくないのでトイレのあとの手洗いなど指先濡らす儀式みたいになってたけどしっかりしている)。ワシのことなんて裏切り者と恨んで、会ったらシャーッと牙を剥いて、家の周りにウンコでもされても文句言えないと思うのに、本当にイイ猫だ。餌あげることはできんけど、病気とか困ったことがあったら恩に報いてやらねばと思う。野良猫として幸せに生きて欲しい。心から願う。 

 なんというか、全ての女性、子供には幸せになる権利があるって、誰だったかマンガの登場人物が言ってたように思うけど、全ての猫にも幸せで居て欲しい。

 特にうちのコバンは幸せでいられるように、餌にする魚も頑張って釣らねばだし、猫っかわいがりに可愛がって、下僕として仕えていきたい。

2020年12月13日日曜日

エッ!アタイちょっと太ったかしら

 エエ太りました。昨年移住してきて、釣り場開拓で歩き回って魚食いまくって、体脂肪率も10%を切り、自治体がワシみたいな無職にもタダで受けさせてくれる健康診断でも、すべて問題なしという久しぶりの健康体(持病もちではあるが)に戻ったんだけど、今年の健康診断が先日あって結果が出たらば、LDLコレステロール値が150と高く、体重も5キロ近く太ってしまっていた。なんか腹回りがキツいズボンが増えてきたわけである。

 思い当たる節は当然ある。まずは歩く量が減った。爺さん膝痛くてたくさんは歩けンのじゃ。なまじ、昨年は沢山歩いて代謝量が上がって、飯が旨くて沢山食っても全然太らないぐらいの体になっていたので、食欲だけがそのまま残って代謝量が落ちると太るのは今考えると当たり前である。 

 次に、揚げ物の食い過ぎ。夏の豆アジ爆釣に始まって、今年のアジ釣りは絶好調といって良いだろう。何度、天ぷらタワーを作ってからの南蛮漬けという必勝パターンを決めたことか。揚げたて天ぷらにはまたマヨソースとかカロリー添加でバリバリ食いまくってたからさすがに太る。

 むしろ、GW頃に帯状疱疹になって、体力つけなきゃならん気がしていたので、積極的にカロリーを詰め込んでいた部分もある。

 ただ、食べているのは基本、魚が主で、揚げ油もコレステロール0を謳うベニバナ油なので、太ったのは体重増えてるので分かってたけどLDLコレステロールが増えているとは思っていなかった。

 しかしよく考えると、よろしくない要素が2つあった。一つは飲酒の再開ともう一つはそれに伴ってジャンクなつまみをバリボリと食ってしまっていることである。飲酒はもう10年は控えていたと思う。ただ昨年の健康診断で喜んで「ちょっとぐらい飲んでも良いだろう」と飲み始まったら、毎日のようにチビチビと飲んじゃうようになってたのよね。

 まずは、夏の暑い中、豆アジ天ぷらにしてマヨソース掛けたら、おビールちゃん的な飲み物が欲しくなるじゃん。我慢できないじゃん。ということで”転んで”家のすぐそばに酒の自販機があるので、ビールは高すぎて贅沢なのでビールのような飲み物で我慢したけど、それでも揚げ物をアテにのむビール的なモノは素敵に旨かった。

 そして、転んで飲むようになると、特にアテがなくても毎日飲みたくなる。ワシャ飲むと食欲出てつまみ食いまくる人間なので、アテを買ってくる。干物とかで済ませば良かったのに、ワシ、ジャンクなつまみは実は大好物で、湖池屋スコーンと横綱あられの安い版「小結あられ」が安いわりにがさがあるので常食していた。

 酒は、さすがにクソ安いビール的なモノでも100円ぐらいして、無職の身には贅沢品なので、ワシャ酒の味なんぞ分からんしなんかシュワッとして酔えたらええねん。ということで焼酎買ってきてハイボール人気でスーパーで安く売ってる炭酸買ってきて割って飲むようになった。

 ちなみに焼酎は、日本で買う場合、一番値段あたりのアルコール量が多いのはどの酒かというのを調べている御仁がいて、それは35度の甲類焼酎、要するに梅酒用の「ホワイトリカー」だと読んで、最初ホワイトリカーを買ってたんだけど、炭酸で割って飲むのには良いけど、炭酸無くて水で割ってのむとちょっとなんというか”辛すぎる”。で、他の焼酎は?と探して、麦焼酎も悪くなかったけど、写真の宝焼酎の甲類25度が一番癖がなくて飲みやすいということになった。九州時代に芋だの麦だのお湯割りで焼酎飲んでたけど、九州で飲むと旨いけど、他の土地に持って来て飲むと”味”が邪魔くさく感じる。ロシア人の考える良い酒の条件は「なるべく混じり物の無いアルコールとなるべく混じり物の無い水だけでできている」だそうで、ウォッカは白樺の木炭で混じり物を濾過してるんだそうな。そんな逸話を思い出すぐらいで、アルコール入ってて酔えて、余計な味がなくて飲みやすいというところで焼酎好きが嗜む乙類焼酎じゃなくて甲類の宝焼酎に今のところ落ち着いて、はじめは小瓶で買ってたんだけど、小瓶も安いけどペットボトルで買うとさらに安いのでペットで買うようになってしまっている。

 食いたいもん食って、飲みたいもん飲んで死んでくんじゃ!と好きなように生きたい気もするけど、コバンのためにも後20年ぐらいは生きねばならず、生活習慣を改めねばならん。

 とりあえず、飲酒は毎日じゃなくて、休漁日と特別に言祝ぐ必要のあるような良い魚が釣れた日に飲むことにしよう。ジャンクなつまみもほどほどに。ということで休漁日の今日は昼から飲んだった。つまみは揚げ菓子は回避して醤油味のせんべい。

 それから、膝の状態が今ぐらいで小康状態を保ってくれるなら、来年からジョギングを再開しよう。来年からって言ってるところが暗雲立ちこめてて鬼に鼻で笑われそうだけどな。

 それから、もう一点健康診断引っかかってて、尿潜血で年明け再検尿である。尿に血が混じるのはコレまでも実績有りで、過去尿道にカメラを突っ込むという恐ろしい検査を受けてブログネタにもした記憶がある。疲れが溜まると血尿でることが多いので、今年は帯状疱疹もやったし”疲れてる”のかもしれない。今年の目標である年間240日以上釣行はコロナ禍やら帯状疱疹やらもあったけど問題なくペロッと達成してしまいそうで、途中からうすうす感じてるけど、釣行日数の目標は”以上”ではなく”以下”で設定しておくべきだったのかもしれない。ワシに必要なのは拍車じゃなくてブレーキのような気がする。

 そのへんよく考えて来年の目標とかは考えよう。さむくなってきましたが皆様ご自愛ください。

2020年12月6日日曜日

祝!陰転

 

 コバンは病気持ちだし、外にも出さないし繁殖もさせないという方針にして、去勢手術を受けさせることにした。

 金玉取ってしまうのは同性として身につまされるものがあって、悩んだところだけど、発情しても外に出られないとかは結構なストレスになるので健康上よろしくないというのに加えて、発情するとカンツォーネを歌いながらあちこちに縄張りの印のオシッコかけてまわるとかいう話を読むと、体力精神力の尽きかけた爺さんではそこまで面倒見切れないなと、ワシの方の都合で悪いけど、「スマンのぅ、タマぁとっちゃるけん!」と広島ヤクザの抗争みたいな台詞を吐いて病院に連れて行くのであった。

 ”発情しても相手がいない”っていうのは、ワシも思春期にはさんざんな目に遭った悩ましい状況で、あんな面倒なのがなければそりゃ楽だろうなと思うと同時に、あの悶々とした欲求不満の日々こそが青春というものだったという気もこれまたしないわけではなく、はたしてコバンの幸せのために良いことなのかどうなのか?答は自分の中では確定しないので、良かったんだと思うことにしよう。

(とりあえず読者サービスで”在りし”日のコバンのちょっぴり恥ずかしい”鈴カステラ”写真傑作選をお楽しみください。もう”ない”ので貴重ですよ。)

 でもって、手術してもらって、その時に全身麻酔掛けるので、ついでに採血して病気の血液検査をしてもらったんだけど、嬉しいことに猫白血病ウイルス”陽性”だったのが”陰転”していた。要するに血液中にウイルスがバラ撒かれていない状況になってて、ネットで調べたらその場合でも骨髄とかに潜んでて、体力落ちたりするとまた悪さするってこともあるようで油断はできないんだけど、ウイルスがバンバン活動中で症状が出るっていうことと、他の猫にバラ撒くっていうことは、現時点ではなさそうで、このまま”陰性”で元気に過ごしてくれれば長生きできそうになってきた。

 とても嬉しい!失敗の多い後悔だらけの人生において、コバンを家の中に閉じ込めてインターフェロンとかお金掛かったけど治療を受けさせて、健康になってくれたのなら、今後長生きしてワシと楽しく生きてくれたら、それは珍しく”成功”といっていいことになるのかもしれない。そうなるよう祈っている。

 今現在、元気そのもので、餌もよく食べるし体重も5キロを軽く超えてきた。

 最近のお気に入りの遊びは、2階建てのダンボールの基地(ナマジ作)にルア-とか投げ入れてもらって、突入してダンボール基地をブチ壊しながらルア-を確保して、また投げてもらうためにこちらまで持ってくるというので、同じことばかりだと飽きるだろうから、時に天井向けて高く放り投げたのを、ジャンプして空中で両手で挟んで落ちてくる”コバンジャンプ”とかも織り交ぜて、1時間がところ遊びにお付き合いさせていただいたりしている。

 猫って犬ほど運動量がないから10分も遊んでやれば充分って書いてあるのを読んだけど、10分では全然終わらない。もうじき1歳の育ち盛りで体力ある時期だからだろうか?とにかくよく暴れてます。元気でよろしい。

 そして寝る子は育つのかよく寝てます。PCの前のこたつ机で作業していると胡座の上に乗っかってきて寝るのが定位置。夜も最近は冷え込んでくると布団に入ってきてくれるのでゲージから出してあるので、寒くないと布団の上で、寒いとワシの脇の下あたりに潜り込んで寝てます。可愛いのぅ。しかも体温高めで温かいという最高の湯たんぽ。布団カバーを囓って穴だらけにするのは勘弁して欲しいけど可愛いから許す。

 という感じで、男一匹猫一人、割と楽しく生きてます。

2020年11月25日水曜日

全国の”正治くん”を代表して「矢口先生ありがとう」と伝えたい

  ”25日矢口高雄先生が死去”との訃報がネットのニュースで流れている。81歳膵臓ガンで闘病の末、家族が見守るなかお亡くなりになったそうである。心からお悔やみ申し上げます。

 とともに、先生の代表作である「釣りキチ三平」に多大な影響を受けて、今ここに仕事も辞めちまって紀伊半島で釣りばっかりしているという楽しい人生を送らせてもらっていることについて、母親に感じるのと同等に近い感謝を覚えています。矢口先生、ありがとう。本当に心からありがとう。書いていて鼻の奥がわさび食ったときのようにツーンとしてきて、涙をこらえるのが難しいです。

 ボクら昭和の釣り人は「釣りキチ三平」直撃世代であり、その影響を受けた釣り人はとても沢山居ます。釣りキチ三平のお話の中では、三ちゃんが自由な発想で奇想天外な作戦を練って目的の魚を釣り上げるというのが基本的な筋ではありますが、その骨格を肉づける様々な挿話に”釣り人”の姿勢を学んだモノです。私の釣りの弟子にネット上のハンドルネームをまさに”正治”と名乗っている釣り人がいますが、我ら三ちゃん直撃世代はみな多かれ少なかれ三ちゃんの弟子で”正治くん”なんだとおもいます。

 金に飽かして分不相応な道具を手にすることに対して、一平爺さんにドヤされたり(カルデラの青鮒の兄ちゃん)、釣り具の危険さを軽んじて魚信さんにこっぴどく怒られたり(無名島の三ちゃんとジン)と道具に対する向き合い方を教えられ、アヒル大作戦(デカバルト)やらスイカをティーザーにしてビワコオオナマズを釣るような、これぞ奇策っていうような自由な発想から、鳴鶴先生の家の実験水槽に見るような魚を知ることの大切さ、ビッグゲームフィッシャーの両手にびっちりタナゴを並べさせて”たなごころ賞”をとらせた”小さなビックゲーム”的発想・視点の転換。書き連ねていけば話の数だけ学ぶべき点がある。

 そして何より、先生の美しい描写でもって、釣りは魚が、自然環境が豊かでなければならないと教わったんだと思っています。学生時代、倒木が池の上に張り出して沈み、水生植物が適度に茂った野池にたどり着いて、友達に「三平三平が倒木の上から魚釣ってそうな良い池やな~」とか言ってたモノです。 

 先生が育てて下さった多くの”正治くん”の一人として、これからも正しい釣り人として、正しい釣り人とは何ぞやってあたりから自分で考えつつ、面白くかつ真面目に魚釣りを楽しみたいと思います。

 どうぞ安らかにお眠り下さい。

 (あっ先生。もし、あの世に良い釣り場があったなら是非「あの世版釣りキチ三平」を執筆願います。新作楽しみにしてますよ。)

2020年11月22日日曜日

お鍋の季節になって来ました。”しらたき”の季節です。

 まあいくらワシが安竿フェチでもタカミヤの竿を鍋にぶち込んで食ったりはせんけどな。

 九州の釣り具チェーン店のプライベートブランド?「タカミヤ」のグラスののべ竿「白滝」シリーズは現在第5世代「V」が売られているという、地味にご長寿シリーズとなっている”のべ竿”で、「Ⅳ」「V」あたりは、180とかの超短尺はさすがに柔くて小物竿っぽくなるけど、240とか普通に短い竿でももう既になぜかゴツくて丈夫にできており、のべ竿近距離戦でそれなりに力のある竿が必要な特殊な釣りに妙なぐらい適応してくれる希有な存在となっている。渓流竿という位置づけなのかもしれないが2.4mの渓流竿って渓流でどうやって使うのか想像できない。でも、足下を釣る短尺のでのヘラ釣りから始まって、この紀伊半島の地では足下に出現する手のひらサイズのコッパグレ(大)を釣るのに好適だったりする。浅場の足下に魚が突っ込んでくる”ノッコミ”のコイ・フナ系に使ったら威力を発揮するかもしれない。

 「Ⅳ」以前の「NEW」と「Ⅲ」は多分名前変わっただけで同じ竿で、それ程ゴツい竿ではなく普通のグラスの小物竿の印象で、なにげに九州時代に安く買った「NEW」の240が柔くてしなるし粘りがあって丈夫だしで、彼の地ではタナゴとかコブナとかオイカワとか九州男児はそんな小物あんまり興味がないのか手つかずの場所が多く実に良く釣れたので、そのころの楽しい印象もあって”白滝”はワシの中では最高の小物釣り竿として刷り込まれている。

 前回安竿について書いたときに白滝について、我が家の蔵にはないけれど「白滝Ⅲ」という名前のがあるハズだと予想していたけど、やっぱりありました。買いました。あと、初代「白滝」の次が「NEW白滝」だと思ってたけど「白滝渓流Ⅱ」というのもあったり「渓流」じゃなくて「ハヤ」となってるのもあったり割と長い歴史?の中で同時期に複数の名前のが売られていたのかも?”白滝マニア”ってあんんまりおらんことは想像に難くなく、そのへんネットで検索したぐらいでは情報出てこない。まあどうでもいいけどな。

 この地では膝だの体力だのの問題があって座ってできる釣りが重要課題となっていて、白滝軍団も出番が多い。主対象のマアジが季節によって魚体も釣れる棚も変わってくるうえに、戦略的に竿の長さを変えて対応する場面も多くなっているので、グラスの長竿はさすがに軽く扱えないのでカーボンの竿に任せているけど、3.3mまでは問題なく片手であしらえていて、同じ長さのカーボンの竿も選択肢としてはあるんだろうけど、グラスののべ竿の柔らかい釣り味の良さが好ましく、かつ突然の大物にも粘り腰で耐える強靱さがどうにも頼りになる感じで、多少の重さは許容範囲と愛用中。

 なんだろう、同じように短尺の柔いカーボンののべ竿も使ったけど、カーボンで柔い竿って折れるのよね。ミスでも折ったしちょっと大きい魚引っこ抜いても折った。折れる竿って信頼ならんっていうのがわしの心には根深くある。とはいえ前述のようにカーボンの軽さじゃないと長竿はあしらいが大変になるので、4.5m以上はカーボンの竿を使っている。カーボンのちょっと古めでやや重いぐらいのは割と丈夫だと思う。長尺モノはさすがに長さでためてくれるので折るときは自分のミスで折っている。結局折るんかよ!

 っていうぐらい竿って不注意で折ったりするので、折れた箇所によっては綺麗な曲線とか無視すれば使えるように治せることも多いので、直して使ってるけど限界もあり、よく使う長さについてはやっぱり”大事なモノには予備が欲しい”といつもの悪癖を発揮して予備竿を買ってしまうのである。

 最近買ったのは、「白滝300」と「白滝Ⅲ330」で前者は出てこないだろうと思ってた初代でレアものゲットだぜだし、後者は新品袋入りに近くて届いたとき包装を開けてウキウキだった。まさにこの安っぽい袋入り状態で釣り具量販店の入り口近くの壁とかにぶら下がってる風情が忍ばれてなかなかに良い。コレまで買った白滝シリーズはこれで13本となっている。盤石とは言えないまでもなかなかに充実した在庫状況である。ネットでお買い物は止められず、老後の資金はやせ細っていくけど釣り具は充実していく。

 白滝シリーズは、現行版では120とかのタナゴ釣るような竿はカーボン90%のブランクスになっており、そういう超短尺は別の適当なグラスのタナゴ竿を使っており、長いのは330までで、180から330までは各長さ揃ってる。4m前後まではぎり片手で扱えそうなので、安い中古がネットにあったらもうちょっと増強するかも。

 グラスののべ竿であれば白滝シリーズでなくてもだいたい小物釣るには良い塩梅の柔さ丈夫さなので、他の会社のでも釣りは楽しくできるんだろうと思う。でも、なんというか愛着があるから別に特別な名竿でもなんでもないシリーズだけどコレからも”白滝”を使い続けるんだろう。安い竿だっていうのも気安くてよいやね。

2020年11月14日土曜日

アジングとハゼクランクを初心者に勧めるような釣り業界は深く反省し悔い改めなさい

 ルア-でチヌみたいな釣れやン魚をねらってる人間がいうのもなんだけど、マアジとかマハゼとか、ルア-で狙うのにはあんまり向いてないと思う。

 マハゼは活性が高いときには”オモリアタック”があるぐらいで、ハゼクランクでよく釣れることがあるっていうのは嘘じゃないだろう。ただ、そのぐらいの高活性のマハゼの状況って、たまにしか来ないし時合いも短くて、それを的確に場所と時間をハメてまぐれではなく釣るっていうのは、おそらく初心者には無理だと感じている。それが簡単に誰にでもできるというなら、渋い状況で目の前に餌持って行っても食わないマハゼに口を使わせるために、虫餌のシッポのウネウネに頼るので虫餌の鮮度にこだわったりしている我ら江戸前のハゼ釣り師の苦労はなんなんだっちゅう話。バカにするんじゃねェ!ってこちとら思っちまうぜい。

 マアジに関しても、基本動物プランクトン食で、シラス系やアミ系を活発に食ってる状況や、餌関係なしに動きに反応してなんでも食いつくような活性の上がった状況の魚も中にはいるだろう。とはいえ、そういう魚に当たるのは全体としては珍しい場面であり、餌の動きに連動して活性のあがる状況とかはそれなりにやりこんで場所と時間や潮を絞り込めていないと読めるわけもなく、基本港内じゃアミコマセに学習している個体が多く、そんな個体にワーム単純に投げたところでお話にならない世界だと思う。膨大な数が入ってくればシーズン最初とかは食ってくる変な個体が釣れてくるかもしれないが、そんなもん狭い港の中の魚なんぞすぐにスレてしまう。

 マアジに関しては、深川メッキさんが”アジング”なんていう言葉がない時代に、シラスワームとかで型の良いアジを狙って釣るのを得意技にしていたけど、業界が”アジング”とか言い出して、狙った釣り座に人が増えて入れなくなって釣りが成立しなくなってしまい、苦々しく「釣り具メーカーが”ナントカing”とか言い始めて専用の道具売るようになったら、その釣りはもう終わってますよね。」と名台詞を吐いたのを印象深く憶えている。そのとおりなんだろう。

 ルアーの釣りは特にアピール力が強くて勝負が早い反面、スレるスピードも速くて流行ってるっていう状態で参入したところで、すでに主な釣り場にはルア-にはスレきって反応の悪くなった魚しか残ってないような状況で釣りが難しいって以上に、釣れる釣り座がなかなか空いてないってことになりがちである。この田舎の紀伊半島の漁港でもアジングの人は年中湧いている。東京湾のシーバス釣りでは1割の釣り人が9割の釣果をたたき出すって言われているけど、アジングの人達見ているともっと極端で、結構着実にマアジ釣ってて”アジングでも魚つれるんだ”と感心させられた釣り人は3人ぐらいしか記憶にない。数パーセントの釣り人が9割9分まで釣ってるンじゃなかろうか?っていうぐらいにアジングの人達が魚を釣っている場面を見る機会が少ない。いまやアジ釣りに来ている釣り人は半分以上がカゴサビキだとして残りがアジング勢という勢力図だけど、カゴサビキの人は活性高い日には大爆釣やらかしているし、少なくとも夕マズメとかにはバタバタッと釣れる時間は来ていることが多い。アジングは釣れてる場面を見た経験が少なすぎてどういう状況で釣れるのかすら良く分からん。とはいえ、いつも釣れてないポイントでコンスタントに釣ってたアジングの人がいたぐらいで、どんな釣りでもやりきってるヤツは”釣り方”知ってるんだろうけど、その”釣り方”は雑誌やら映像やらで紹介されている「こういうルア-でラインの太さや竿はこうで」とか「その日の魚の泳層を把握する」「さお先でチョイチョイさそってやって反射食いを誘う」とかの当たり前で小手先の”そんな程度で釣れたら苦労せん”っていう”釣り方”では全くなくて、もっと細かく経験積んで培った”腕”があるのだろう。

 ハゼやらアジをルア-で狙うという試みが間違ってるとは思わない。腕に覚えのあるルアーマンが”絶対釣れない”ッテほどじゃないなら、釣れる条件解き明かして釣ってやろうって闘志を燃やすのは方向性としてはアリだと思うし、それで釣れるようになれば面白い釣りになるのだろう。ただ、初心者に「身近に沢山居る魚です」「道具は単純で釣り方も特殊な技術はあまり必要ありません」とか、嘘じゃないんだろうけどそういういかにも簡単そうな印象を与えて、実際には身近に沢山いて、釣れる時はまあルア-なんで投げて巻きゃ釣れるんだろうけど、そういう釣れる魚がいつどの釣り場のどういう状況で出現するのかっていう、肝中のキモが条件狭めで難しいっていう事実を隠したまま、”アジングタックル”だの”ハゼクランク”だのを売らんがために景気の良い情報を流して煽るっていうのは”詐欺”にしか見えないんだけどどうなんだろう。

 釣具屋の「アジング始めるなら秋」とかの宣伝文句に踊らされて、いっちょやってみるかって始める人間のうちまともに釣れるようになる人間がどれだけ居るというのか?今現在やってる人達がすでに多くは全然釣れてなさそうな状況で、新規参入者に残ってる魚なんかいるのか?ッテ話で。このへん道具売らんがための目先の利益優先で、上客である”釣りを永く続ける釣り人”の育成とかないがしろにしている気がするし、釣り人側も安易に釣具屋の宣伝に乗せられすぎだと感じる。

 アジングの人をみると、決まったようになんか竿立てが付いたようなクーラー兼タックルボックスに竿2本ぐらい刺して、同じところでズーーーーッとルア-チェンジ程度で延々粘ってる。アジなんて沢山居るから今食ってこないってことは近くに居ないか攻め方が間違ってるはずで、簡単な解決方法は次々場所を変えていって活性高く食ってくる魚を探すって方法で、その際にはクーラーボックスに竿何本も刺した大げさな装備は邪魔でしかないだろう。ルア-の釣りが餌釣りに勝る点である単純な道具立てで足を使って機動的に釣りを展開できるという利点を損なってるとしか思えない。まずはあの無個性なクーラーボックス兼竿立てを燃えないゴミの日にでも出すことを釣れないアジングの人にはお薦めする。

 ルア-チェンジも、メバル釣りとかでワームがオナガウジ型かシャッドテール型かで食いが違ってくるってのを経験しているので、色変えるのも含めてワーム換えるのが無駄とは思わないけど、それでもダメならメタルジグで素早い動きで反射食いとか、ハリス長ーく取ったキャロライナリグとかでノーシンカーに近い漂わせ方にしてやるとか、アジングやったことない人間でも「他にもやることあるだろ」って思う。小手先でクチャクチャやってるだけで工夫が足りてねえんじゃないの。港湾のアジがアミコマセに学習してるのは間違いないだろうから、そういうの釣るにはコマセ撒いたって良いんじゃないの?そんで極小ジグヘッドかノーシンカーでアミ意識したワームでも漂うように沈めてみたらどう?っていうのをやろうとするなら、ルア-の道具だてではいかなアジングタックルでもルア-の大きさ軽さを削るのには限度があるので、ワシャ、アジじゃないけどコマセに学習した仔サバ釣るのにフライロッド引っ張り出してきて釣ったわけなんだよね。フライなら毛鉤は小さく巻けるし自然な沈降を演出するのも難しくない。ちゃんと仔サバ釣れたよ。正直マアジ一般はルアーで釣るには向いていないと感じている。シラスとか食ってる大型を狙い撃ちする手段として手練れが切る札にはなるかもだけど、普通のオカズ釣る感覚のアジ釣りには向かない。まだフライロッドの方が向いてると思う。

 ということで、釣り初心者の皆さんで”アジング”、”ハゼクランク”始めてみようという方には、よっぽど近場にアホのように魚が湧いてて簡単に釣れてしまう釣り場があるとかの恵まれた状況でない限り「悪いこと言わないから止めておきなさい」と助言しておきたい。

 アジ釣るなら”延べ竿アジ”の方が簡単で手堅いし釣り味も良い。なにもナマジ方式で面倒くせえ螺旋仕掛けでなくても、秋の棚は1m~2mぐらいと浅いのでひしゃくでコマセ撒きつつ普通の各種浮子仕掛けで釣っても釣れると思う。ハリスの調整とか小技で釣り続けるのはそれなりに経験値が必要だけど、夕マズメとか活性上がったときに5匹や10匹なら苦労せず釣れると思う。釣れればそれを足がかりに次もっと釣るにはどうすれば良いかアレコレ工夫ができる。一見単純で簡単そうに見えてもそういう工夫していく難しさ面白さは間違いなくあるっていうのは、ワシの昨年同期の釣果と今期を比較してもらえば分かると思う。ワシ格段に上手くなった自覚があるもんね。

 マハゼ釣るならこれまた素直にのべ竿で餌つけて釣っておけ、って言いたい。虫餌苦手ならボイルホタテやオキアミ餌でもハゼクランクに比べたら格段に釣れる状況は多いはず。

 とにかく、釣れない釣りは初心者のうちはやるべきじゃないと思う。釣れないと何すれば良いのかわかんない。そうすると上達して釣れるようになっていかなくて、結局”釣りって運だけでつまんない”ってことになって長く続かない。”釣れねーとツマンネェ”ってのはどうしようもない事実で、常々書いてるけど「釣れなくても自然の中で一日過ごせれば満足」とか分かった風なことをいう釣る気の無い輩は邪魔なので釣り座を空けてトンビでも眺めてろって思う(空を行く鳶の観察は爽快な気分になれるゾ)。そのへん釣り業界ももうちょっと”まともに釣れる釣り”を真面目に考えていかないと”釣り”はなくなることはないと思うけど”釣り業界”なんてなくなっちゃうよ。そういう”まともに釣れる釣り”の手札が近年では、やや取っつきにくい船釣りを除くと、管理釣り場のマスと海釣り公園ぐらいしかないって状況には危機感あるでしょ?

 簡単に釣れない魚をどうにかするのが面白いって言う面も確かにあるんだけど、それはアジハゼっていうような本来”沢山釣れて楽しい!”っていう魚でやる釣りじゃないと個人的見解としては正直思っちまう。チヌだのシーバスだのやってるとイヤでもそういう釣りになるんだから、そういう釣りがしたかったらそっちに行くのが真っ当だと思う。

 腕に覚えがあって、そういう小難しい釣りでこそ周りに差を付けて釣り勝ちたいという腕自慢は好きにやってくれだけど、それで釣れるのがアジとハゼって、ぶっちゃけ「餌で釣っときゃエエやンけ」ってワシャ思うんじゃ。ワシャ釣り方にそれ程こだわりなくて、ルアーで釣ってるときもルアーの方が釣りやすいからって理由の時が多くて、餌で簡単に釣れるなら餌で釣る人だからルア-にこだわる心情が理解できてないだけかもだけど。まあ、本人が満足なら文句言う筋合いじゃないのかもな。ああっ余計なことを書いてしもたわい。

 ということで、みなさん釣具屋に騙されてアジング、ハゼクランクとかに安易に手を出さないように気をつけてね。って空気読まずに書いちゃうのが天邪鬼の務めということで、不快に感じられた人がおられたらひらにご容赦を。

2020年11月8日日曜日

止めることができない

  よく薬物中毒の恐ろしさを説明するのに、一度やったら二度と止められないってな脅しがあるけど、そんなもんは脅しでしかなく、そういう根拠の無い不正確な情報が必要以上の憧れを喚起している側面まで含め、そういう情報自体が害悪だと思っている。向精神性の薬物が十把一絡げで扱われていることのいい加減さ。酒もニコチンもカフェインも向精神性の薬物であり、文化的、制度的に許容される範囲であれば嗜んで問題ないものとされているし、それらの薬物も大麻だの覚醒剤だの違法薬物も本質的には変わりがなくて、カフェインの中毒になる人間もいればアルコールやニコチンの中毒患者など掃いて捨てるほどいる現実を見れば、そういった身近なモノでさえ向精神性の薬物は依存性が高いってぐらいである面正しくもあるんだろうけど、ぶっちゃけ程度問題やら、みんなが扱い方を知っているか否かとか個人の適正の問題とかでもあり、古くから各地でケシの若い実の汁に含まれる成分を炙って嗜まれてきたアヘンの薬効成分を生成して強力な鎮痛剤としたモルヒネをさらにいじくって効き目の強いモノにした強烈な”ドラッグ”であるヘロインでさえ、止められる人間は止めている。ヤク中で有名なローリングストーンズのキース・リチャーズ先生は76歳で御在命ときた。一度やったら止められないのならとっくに死んでるはずである。

 向精神性の薬物ではないにしても、精神的な依存症というものは各種存在して、我々釣り人が罹りやすいのは、道具に関するもので、ワシもここ数年”スピニング熱”には苦しんでいる。特に”大森症候群”は急性から慢性に推移しやすく、罹患すると「ハンドル軸に綱を鋳込んだハイポイドフェースギアが滑らかに回るのが気持ち良い」「樹脂性スリーブを入れたラインローラーが尊い」「ドラグの効きが実用性充分でドラグの逆転音をいつまでも聞いていたい」「余計なモノの付いてない設計が整備していて快感」等々の症状から「もっと大森が欲しい~!」と重症化を招きがちである。

 2019年夏に重症化し、一応の寛解状態にあるものの、疲れてくると時々再発しては老後の資金をジリジリと削りとられている。今回は2000円(税、送料別)即決でマイクロセブンC1がネットオークションにかってたのでためらいもなく即落札。

 あんたマイクロセブンCならもう持ってるでしょ?ハイ持ってます。しかもC2は米輸出版のSIGUMA含め3台、CS、c1は1台だけど、C1はスプール互換性があるキャリアーNo.1が2台あるので換えスプールは既に確保できている。だとしても2千円だと買っちゃうんです病気だから。

 今年、春夏とCSとC2を使ってみて、なかなか塩梅が良い優秀なリールだということは良く分かった。まずは軽くて使ってて楽。普段からPENNというあんまり軽くはないリールを愛用していてシーバスに使うぐらいまでのリールなんて重くても300gとかだから気にしてないといえば気にしてないんだけど、たまに軽いリールを使ってみるとこれはこれで悪くない使い心地。それで薄っぺらくて壊れそうな華奢なリールだと使う気が失せるけど、マイクロセブンCシリーズは、樹脂性本体ながらも要所要所に金属の支え的な部品が補強で入れてあって作りはしっかりしている。巻きもハイポイドフェースギアは軽くて滑らか。

 ドラグももちろん合格。テフロン3階建てのドラグは本来テフロンのスベスベの表面特性を生かして乾式仕様なんだと思うけど、気にせずドラググリス塗って使ってた。実質テフロンの素材特性が死んで、百均の耐熱容器の蓋を加工して作った樹脂性ドラグパッドと同じような性能になってしまってるだろうけど、ドラグなんてそんな難しい機構じゃないので、湿式にしてもちゃんと設定した値を超える道糸の張りで逆転し始める。グリス塗ったのはテフロン乾式はテフロンが摩擦で削れてくるっていう報告をたまに読むのでそれじゃ湿式でという判断。ドラグパッドがテフロン1枚のリールではどうにも上手くいかなくてズルズルドラグになってしまったりしたけど、3階建ての場合はなんら問題なく機能してくれる。

 ハンドルノブが木製で大きめだけど、投げたときにコレが勢いでハンドル回してベールが返ってしまうとかのトラブルは、銅板のローターブレーキが効いているのか、まともに投げてればベール返りってそもそもあんまり起きないので特に現場で問題生じなかった。ノブの形状は人によって好みがあると思うけど、軸が金属製で細いこの形はワシャ指の腹が痛くならなくて好みの形状。大森独特の3角パドル型でもべつに良いんだろうけどね。4桁スピンフィッシャーだと4500より上ぐらいからT型のノブの軸が樹脂性で太くて痛くなるので、古い3桁やら、4桁でも初期のドングリノブとかトーピード型ノブって呼ばれてるのが好き。

 マイクロセブンCシリーズは綺麗な箱入り個体とかでなければ、3千円台ぐらいで買えてしまうけど、性能的には大森製作所の作ったアウトスプールスピニングの最終形と言って良いのではないかというぐらいに良くできていると、実際に魚を釣ってみて思ったところである。まあ、シーバスなんぞぶっ壊れなきゃどんなリールでも釣れるんだけど、さすがに5ポンドナイロンラインで50超えるようなボラの突進を耐えまくって水揚げにこぎつけるとかはドラグが良くて丈夫なリールじゃないとちょっと無理である。道糸どこでもビミニツイストができるぐらいチリッチリに縒りが入るほど何度も何度も突っ込むけど、その度に滑らかに作動してドラグが道糸を送り出してくれる。ドラグとして当たり前の機能だけどこのリールには”ちゃんとしたドラグ”が付いているって話。

 唯一の不満は、以前にも書いたと思うけど、大森だのPENNだのの実用性に重きを置いたリールは、シールやらプレートやらが剥げる仕様になってるのがちょっと惜しい。まあ剥げても釣りするうえでなんら支障を生じないから良いんだけど、中古で売るとき値段が付かない。逆に言えば剥がれてるヤツは安く手に入る。別にギアとか性能的には悪くなってるわけがない。2台目のC2などサイドプレートが落っこちてるせいもあってか1700円でっせ。CSも使ってるうちにスプール周りのハカマ状のプレートが剥げたのでそのうちエポキシか何かで接着してやらねばなるまい。まあスペアスプールの方には剥げずに残ってるけど。

 でもって、CSとC2を主に使って使えるリールだということは理解して、とりあえず予備機とか部品供給とか考えると、主軸はPENNに戻すんだろうなということで本来の”PENN使い”に戻ってたんだけど、小物用の主軸機の430ssgが冬に湿式の逆転防止が上手く効かなくなることがあるので、昨年は”チープ大森”であるタックルAを使ってたけど、今年は2台目も手に入ったしということでC1でいってみようかと思っている。想定しているのはタチウオやらカマスやらでタックルAでも問題なく昨年釣ってるんだけど、冬のご近所にはちょっと良い型の青物も回ってくるということが判明しているので、安っぽい樹脂性のタックルAではやや不安がある。その点、同じ樹脂性でも丈夫に作ってあるC1なら不意の青物も何とかしてくれそうに思う。430ssgの寒いときの不具合は一方通行のベアリングにグリスが入ってしまって低温で粘度が増して両方通行になってしまうんだと思う。寒くても粘度の上がらない高級リール用グリスとかに換えれば問題解決するのかもしれないけど、リールいっぱい持ってるんだし冬場はお休みさせようと思う。いずれにせよカマスとかタチウオとか盛期にはフライロッド振るだろうから出番少なめかも。


 ということで、買ったC1の整備。回転が重くてグリス固まってる感じなので全バラし、金属部品をパーツクリーナーで洗浄の後、防水グリスをモリモリでグリスシーリングして整備してやる。最初ハンドルが錆びて固着気味で焦ったけど、CRC吹いて回したら外れてくれた、っていう以外は特に問題となる箇所もなくベアリングも錆びておらず交換も必要なく、快調に復活。この冬の活躍に期待である。

 気がつくと我が家には冒頭写真の様にマイクロセブンCシリーズは、CSが1台、C1が2台、C2が2台と米国シェイクスピア版のシグマプレジデント2440-040が1台の計6台を有し大所帯となってきた。やっすい値段でネットオークションに出ていたらまた入札してしまうだろうことは目に見えており、なかなか病気は治ってくれそうにない。


 アタイ病気が憎いッ!!

2020年10月31日土曜日

田舎暮らしの今のところの唯一といっていい不満

  たいしたことではないんだけど、ウェーディングシューズを試し履きして買えるような品揃え豊富な釣具屋がないということだけは少々不便だなと感じるところ。

 首都圏に住んでいればSスイでだいたい片が付くし、デカいJ屋もあるので、気の利いた店なら実際にウェーダー履いてから履くことを想定して、ネオプレンのソックスも試し履き用に用意されていたりして足に合った靴を選ぶことができる。

 最近では通販でも「試し履き可能」として、サイズ変更とかで交換するときの送料とかを持ってくれる業者もあるようだけど、アマゾン様でもあるような情報もあったので確認してみたけどイマイチ使い方が分からない。となると普通の靴の通販サイトではあんまりウェーディングシューズは売ってないように思って調べる気力が湧かない。どなたか良いサイト知ってるかたがおられたら是非タレコミよろしくお願いします。

 服とか、多少ツンツルテンでもダボついてても「そういう着こなしである」と自らに言い聞かせることによってどうにかなるんだけど、靴ばっかりは痛くてたまらなくなるので試し履きは必須。とくにワシかなり重度の外反母趾なので多少ダボついてサイズがピッタリじゃなくても良いので幅が欲しい。

 どのぐらいの外反母趾かというと、力入れて踏み込んでいない時でも親指の付け根のところが出っ張っているように見えるけど、これが力入れて踏み込むと右写真のように親指付け根の関節が”横に開く”っていう表現があてはまるぐらいに張り出してくる。靴はここの出っ張ったところから穴が開く。実物は写真以上に3次元的に変な挙動で広がるので自分の足だけど気持ち悪い。

 こういう足だと履ける靴は限られていて、既に履いている実績のある靴を再度買うっていうのが一番安パイで、サラリーマン時代革靴は最初から最後までリーガルの「プロウォーカー」の紐付きのを履き続けていた。リーガルさん25年間ありがとう。さすがに同モデルが廃盤になったときには焦って在庫探して1足確保したけど、結局仕事辞めたので使わずじまいで、いまも冠婚葬祭とかで履くときのためにとっておいてある。

 普段履いているスニーカーはメレルのジャングルモックのゴアテックス仕様みたいなやつをここ10年ぐらいは愛用していて、こちらはジャングルモック系ならだいたい大丈夫なのは確認済みなので、同社の代表作であるジャングルモックシリーズがなくなるのはさすがにないだろうと思うので一応は安心である。ジャングルモックには”レザータイプ”もあって革靴の代わりもそれでギリ許されそうな気がして、リーガルプロウォーカー手に入らなかったらそれで行こうと思ってた。まあ、職場では水虫防止でサンダル突っかけてたからスニーカーで出勤して、会議とかで外の人と会うときだけ革靴引っかけても良かったんだろうけど。

 でもって、ウェーディングシューズである。間にウェーダーのネオプレンのソックス部分が緩衝材として入る形なので、大きめのを買っておけば多少は何とかなるんだけど、やっぱり試し履きはしておきたい。既に履いている靴があれば安パイなんだけど、今までで一番永く愛用してたのはアングラーズハウスのキャンバス生地のやつの高い方。縫製がケブラーになってて丈夫で、年間150日釣りに行ってた東北時代、2シーズン持ったという安っぽい見た目に反する耐久性の良さ。ちなみに安い方のは1シーズンもたんかったと思う。キャンバス生地なので荷物として持って行くときに小さくなるのも、なにげに利点で非常に良かったのにとうの昔に廃盤である。いま調べたらパズデザインズからキャンバス生地のが出ているので、どっかで試し履きできないものかと思案している。

 アングラーズハウスのが廃盤になってからは、お店でお薦めされるあんまり高くないヤツを試し履きして買ってきた。渓流想定のを海で使ったら金具が錆びて足首部分は紐でグルグル巻くしかなくなったってのはあったけど、お薦め品はまずまずハズレもなく試し履きしてあるので足も痛くならずにすんできた。ただ、確かリバレイだったと思うけど他のメーカーも同様だろうけど同じモデルを長く売るっていう商売はしていなくて、次同じようなのを買おうとしても既に売っていないのが常で、今履いているのはJ屋で試し履きしたら足の形的には良い感じに履けた「阪神素地 FX-902 フェルトスパイクシューズ」というやつで、値段が4千円前後とクソ安いうえに、横にチャックが付いていて着脱がしやすかったりなかなかに良くできてて、わりといいなという最初の感想だったんだけど、これが安いだけあって耐久性が悪い。具体的には接着がボロい。数回履いたら本体と靴底が爪先から剥がれ始めて、乾燥させてコニシの「ウルトラ多用途SU」でガッチリ接着し直したら、しばらくして今度はかかとから剥がれ始めるという始末。利き足?の右が特に崩壊速度が速い。

 とはいえ、アマゾンでも買えてすぐに手に入るので、こちらに越してきてわりとすぐに再度同じモノを買ったんだけど、今年秋シーズン突入と同時に爪先方面から剥がれ始めた。ヘビーユーザーの場合1年持たず。

 すぐにでも使いたいんだけど濡れたのを乾燥させないと接着剤も効かないという状況が生じてしまい、しかたなく一応取っておいた、かかとから剥げている初代のは乾燥しているので、また間の悪いことに接着剤がSUが切れていたので、コンビニで似たような多用途のを買って接着。なんとか2晩の釣りに間に合わせたけど、こういう”水モノ”の接着にはコニシのSUが最強で、コンビニで売ってた他メーカーのヤツはダメ臭くて2晩目には写真の様にしっかり剥がれていた。ということで2代目の爪先パックリ割れたのはしっかり乾燥させてSUでガッチリ接着。2足あると何かと安心なので、初代も再度SUで復活させられないか試してみたい。

 という感じで、なんとか”コニシのSU”だのみで安い靴なおし直し使ってるんだけど、次はもうちょっと良いのを試し履きして買いたい。けど、街に出るのも遠いし面倒臭くて、安靴の直し方が上達していきそうな気がする今日この頃です。

2020年10月24日土曜日

みつめていたい

  秋の雨がらみの夜、潮も割と得意な夜引かない潮、2日かかってセイゴ一匹の貧果。ワレ泣き濡れて猫とたわむれつつ電脳の海を徘徊していたら、面白い動画が紹介されているのを発見。

 ギア、ラチェットとかの様々な方式、工夫を分かりやすく紹介したコンピューターグラフィック(CG)の動画で、おそらく工作機械とかに使われる機構なんだろうけど、もろにリールに使われているのもあって、じっくりと見ながら「この方式スピニングリールに使えるんじゃネ?」とかまじまじと見入ってしまった。

 ユーチューブにあるので、以下にリンクを貼ったのでお暇なかたは是非みてみて欲しい。

 「Mechanical principles part 01」「Mechanical principles part 02

 パート1の30秒ぐらいのところの、軸の回転を角度を付けたもう1方の軸に伝える方式とか、2回噛ませば90度軸の方向を変換するスピニングに使えるんじゃなかろうか?増速は必要だろうけど力の伝達が直接的で良さそうに感じるけどどうだろう?

 1分40秒ぐらいのところの”S字カム”はまさに”ダイワ方式”のスプール上下を等速にする方式そのもので、2分ぐらいに出てくるスプール上下に使われる単純なカム方式が上の方と下の方で明らかに減速する、つまりスピニングリールだとそのあたりに山ができる、のと比較できて面白い。この辺の回転を直線往復運動に変換する機構はスピニングリールに組み込んだら、”プラナマチック”みたいな密巻きと綾巻が適度に混ざるような機構にならないかしら?とか妄想してしまう。

 パート2の20秒ぐらいからの大きなギアの内側の小さなギアに軸を固定して上下動させると等速で動いているように見えるってのは、新しいスプール上下の方法として使えるんじゃなかろうか?と一瞬思ったけど、それってメタロイヤルが採用している機構がそういうやつだったっけ?と思い出した。まあ、こういう基本的な機構とかはとっくの昔にリール設計する技術者とかは検討して試してるんだろうね。

 1分45秒ぐらいからの”かさ歯車”での回転軸90度変換はまんまスピニングに使われる”ベベルギア”だし、その後の1分55秒ぐらいから出てくるのはワシも大好きな”ウォームギア(冒頭写真)”だな。こうしてみるとウォームギアはベベルギアに比べて歯が接している面が多くて摩擦が多そうで確かに力の伝達効率的には悪いというのも頷けるけど、逆に”多点受け”しているので耐久性に優れているっていうのも納得。

 ユーチューブって関連動画が紹介されてくるので、ズルズルと見てしまう。

 「KING MECHANICAL」のなかの「mechanical mechanism - cardan」では、さっきのパート1で気になった、軸の回転を角度を変えて伝える”関節”の方式がいろいろ紹介されている。「mechanical mechanism - Gear」ではさっきも出てきた”かさ歯車”が使われるベベルギア、「top 3 mechanical mechanism - Face gear」ではフェースギアと古めのスピニングリールでお馴染みのギア方式がクルクルと回っててなぜかジッと見てしまう。

 「あなたが見なければならない驚きの金属加工プロセス10種類」「あなたが見なければならない驚くべき金属加工プロセス7つ」なんてのもついでに見てしまって、リールとか作るときにも使われる手法である金属を型にあわせて曲げて伸ばして”プレス加工”とかは、板状の金属を加工した部品はだいたいコレで作ってるだろうし、叩いたり力を掛けたりしながら伸ばして成型する”絞り加工”なんかも局面を有するベイトリールのサイドカバーとかでは使う工程かも?、”ダイキャスト”はリール製造ではお馴染みの熱して溶かした金属を鋳型に流し込んで成型する”鋳造”で複雑な形も作れるのでスピニングの本体とかはだいたいコレで作ってると思う、高級な両軸リールやフライリールの本体製造時に使われる金属の塊を削って作る”削り出し加工(マシンカットと呼ばれたりするけどあんなモン手作業で削れるかよ!)”とかも紹介されていて、具体的な事例がなかなかの迫力で紹介されていてこれまたズルズルと見てしまう。アルミのオタマを手作業で鋳造しているほのぼのとした作業工程から、巨大な鋼材をアホみたいなハンマー?でドヤしている鍛造工程まで、なかなかに社会見学っぽくて楽しめる。

 リール製造に関わる工程も社会見学したから、ルア-製造の代表的な手法である金型を使って樹脂性ルア-を作る工程をお勉強しようかな、とそれっぽい動画を探していたら、「05 射出成形」ッテなのもあったけど「プラモデルができるまで / 田宮模型会社案内 16分」が非常に良くまとまっていて分かりやすくて勉強になった。昔のパチモノルア-とか7分20秒ぐらいで出てくる”ならいフライス”で立体コピーしてたんだろうなと思ってしまう。いま3Dプリンターも個人で買えるような機種も出てきているから、紫外線硬化のレジン樹脂を使うタイプなら強度的にもそれなりにありそうだし、個人でルア-2つに割って3Dデータ複写して打ち出して立体コピーを作るとか既に可能なのかもしれない。パチモン作ってる暇と費用があるなら、ちゃんとルアー買った方が早いんだろうけど、ルア-に限らずリールの樹脂性パーツとかでも、廃盤で入手が難しいとかになったら作っちまうという選択肢のある時代がすぐそこに来ているのかもしれない。と思うと同時に、金属加工の道具があるといろいろ捗るなと旋盤とか鋳造用の炉とかいくらぐらいするんだろうと気になりはじめてて、そちらの沼からは極めて危険な臭いがプンプンしているので理性をもって耐えているところである。


 てな話とは全く関係ないけど、最近科レベルで新しい新種の魚が見つかったとかでナショジオ日本語版サイトに報告が上がっていた。「地下にすむ奇妙な魚、新種どころか新しい科だった、インドのドラゴンスネークヘッド」、ドラゴンスネークヘッドってドラゴン(龍)自体がヘビの神格化された想像上の生物であり、言ってみればヘビの上位互換機種であるので、名前が重複気味でゴチャついている。スネークヘッドは一般的にライギョの仲間を指すので日本語なら雷龍魚ぐらいになってそこはかとなく中二臭くて良い塩梅だけど、ドラゴンとスネークは重ねるなよ!って思ってしまう。なんていうのはまあどうでも良くて、生物多様性の”ホットスポット”としてNHKでも福山雅治さんが訪れていたような記憶があるインドは西ガーツ山脈あたりで、井戸とか地下水脈から水を引いた田んぼから2種見つかったそうだ。地下と地上を行き来するようで目と色素があって、古い時代にライギョの仲間とたもとを分かったらしいけど、いわれてみるとライギョっぽくもある。生物分類の区分けは小さい方から種、属、科、目、綱、門なので、1属1種の特殊な新種の魚が見つかったっていうのは洞窟とか深海とか特殊な環境下からはたまにあったように記憶しているけど、科が違うっていうのはちょっと記憶にない。無脊椎動物なら2008年アフリカで見つかった新種昆虫と化石種から”カマキリナナフシ(学名直訳、今和名がついているようで「カカトアルキ」となっている、何じゃソリャ?)”目という新目が報告されてひっくり返ったことを憶えているけど、脊椎動物で新科発見はそれに近い衝撃度ではないかと感じている。現地の人達例によって「なに学者先生はさわいでるんだべさ、あんなもん田んぼに水引いたら出てくるから昔っから田植えの後に食ってただよ。」とか言ってそう。世界にはまだまだ謎の生き物はひっそりとだったり、現地の人に食われたりだったりしつつ生きているのである。世界ってよくわかんなくって素敵。

2020年10月18日日曜日

高いところから失礼します

  川崎在住のころ、この時期内房の運河のシーバス釣りは、鉄板に近い釣果が望めて、スズキ釣りか?もしくはただのカヤック漕ぎか?はたまた時化てて海を眺めるだけか?の博打要素の大きい房総半島カヤックスズキ狙いの裏作として非常に心強いものがあった。なにしろ釣り場はほとんどの釣り人が気にも留めないような、ときに幅跳びで越えられそうな場所もある小規模な運河なので、まずは首都圏にありがちな他の釣り人との競合がほぼ無いのがありがたく、アクアライン越えてセッセと通ったものである。

 小規模な運河なので遠投性は必要なく、逆に橋の下とかの狭いコースに直球でぶち込まなければならない状況とかもあって、6.5フィートというシーバスロッドとしては短い竿を使っていた。そういや最近使ってないけど台湾時代フェンウィックのランカーギアXが主力竿で同じブランクスの別シリーズも含め5本ぐらい蔵にある。売って整理せねばだけど愛着もあるしどうしよう?

 でもって、短竿で護岸の上から釣っていると場所によっては足場が高くて、飛距離が出せていないことも相まってルア-が泳いでくれる距離が短くなってしまう。となると足下までキッチリ泳いでくれるルア-が欲しくなる。竿長くしてやれば解決できるけど、足場高くても小場所で正確な投擲のほうが優先されることが多いので短竿の方が使いやすく、かつ足場高い場所だけ竿換えるのも面倒くせぇ。となると足下まで泳いでくれるルア-があると良いなということになって、まずはフライングダイバーとかシュガーディープとかのオフセットリップや長いリップのミノーを使ってたんだけど、あるときシャッドラップラパラを使ってみたら、これが抜群の使いやすさでホントに足下までキッチリ泳いでくれて以降シャッドラップラパラを、中古で安く手に入ることもあって例によって大量に買い込んで、やや飛距離不足なところは後ろのフックに鉛線巻いたりして使っていた。

 となると、ディープダイバー系のシャッドやらクランクは同じようにイケるだろうといろいろ試してみたら当然釣れて、ピーナッツⅡDRサイレントやマジェンダは二軍ボックスには入れていた。ピーナッツⅡは普通に釣れる感じだったけど、マジェンダが結構優秀であんまり頭下がりな姿勢にならずに細かい動きでラトル有りなのもあってかシャッドラップとはちょっと違う釣れ方したように感じてた。でもまあ、シャッドラップの釣る力はあからさまに強力で絶大な信頼を置いて使ってたのは、写真のシャッドラップ箱の在庫量を見ていただければおわかりかと思う。

 ところが、ひょんなことからインビンシブルに興味を持って、シャロータイプの8センチ(写真右)を使ってたときには、既に”飛距離の出せるバルサミノー”であり、現時点での古今東西最高のミノーだとワシが確信を持っている”フラットラップラパラ”があったので、F9の飛距離不足に悩んでた頃にここまで使えると知ってれば苦労しなかったのにな、とは思ったけどそれ程は必要性を感じなかった。けど、これのリップがちょっとだけ大きくて本体から水平に出ているインビンシブル8DR(写真左)を使ってみたら、足下までキッチリ引ける上に飛距離もシャッドラップほど苦労せず普通に良く飛んでくれることが判明して、大量在庫のシャッドラップを二軍落ちさせて一軍登録されて現在に至る。

 インビンシブルは”8DR”に限らず超優秀なミノーである。それは何度も書いてきたけど本国フィンランドであのラパラを向こうに回して生き残ってきた事実を見ればそれだけで明白である。コータックが潰れて正規輸入元がなくなってしまったけど、ちょくちょく釣具屋さんが直接買い付けて売ってるケースは見かける。ただ、日本の釣り人は見る目がないんだと、最近と言っていいぐらいまでその良さに気付いてなかった自分を鑑みても思うけど、今の日本じゃ売れない見た目だとは思う。魚釣って使い込めば、そこらへんのとってつけたような能書きで出ては消える新製品のどれも似たような国産ミノーとはモノが違うというのはご理解いただけると思うのだがどうなんだろうか?老後の資金を切り崩して本国フィンランドから大量買い付けして、ネットでチマチマと売って小銭稼ごうかしら。などと邪な山っ気を出すべきではないと”C4の一件”では肝に銘じたところ。あのあとたいしてC4値上がりせず、C3もすぐに値段下げてきて、あの一瞬で儲けを出すのは今考えると難易度超高くて、C4一台分の授業料で済んで良かったと胸をなでおろしている。

 インビンシブル8DRは内房の運河でも働きまくってくれたけど、ここ紀伊半島でも護岸の上から釣ることになるN川で鉄板の働きをしてくれている。正直雨後のN川流れ込みポイントではコイツ以外投げなくても良いんじゃないかと思っている。それぐらい釣れるし使いやすい。にもかかわらず、インビンシブル8DRじゃない別のルア-でもアタイ釣ってみたい!と思ってしまうアホな釣り人がワシなのである。なんでやねん。”インビンシブル熱”に罹った時には幸いにもちょうどコータックが潰れた時に放出された在庫のインビンシブル達がネットオークションに流れまくってたので弾数的には豊富に確保してあるので別に他の札を探さなければならない必然性は薄い。でもなんか他のルア-でも釣ったら面白いだろうな、と思ったらその気持ちを止められないのである。悪い病気がまた出たかという感じである。

 というわけで、またぞろネットオークションとネットフリマを夜な夜な徘徊して怪しげな?ルア-達を買いあさってしまったのである。ああワシの老後の資金が・・・。アリとキリギリス(セミ)ならキリギリスのように今を生きたい。

 ディープクランクやらシャッドやらリップの長いルア-なんぞ腐るほどあるだろうから、その中から、良さげなのを選べば良いんだろうから選びたい放題ジャンと思ったけど、これがなかなかどうして意外に難しい。性能面をさておいて、せっかく次の切り札ともなり得るようなルア-の候補のつもりで選ぶんだから、手に入れやすくてかつ長く入手可能で、可能ならお値段控えめなのが良い、っていうだけで選択肢がグッと狭まる。まず今時の国産ルア-のほとんどが2千円ぐらいするので対象から外れる。千円前後となると国産だとデュエルとヤマリア、ダイワの低価格シリーズぐらい。となると意外に選択肢少なくて結局好みに合致するのはピーナッツⅡ系ぐらいしかない。ピーナッツⅡ系は大好きだけど新鮮味がないよな。となると後は外国勢で、最近クランクはバルサのノンラトルとか流行らしいのでコレはバッチリ好みだろうと思って調べてみるとクソお高いんでやがんの。まあバルサで作ってたらドミニカ共和国に工場作って経費削減しつつ世界中に売ってるバグリーのバルサBより安くできるわけないって話で当然か。だったらバグリーのキラーBとか使っとけって話だけどキラーBでも既にお高い。他方で樹脂性のディープダイバーはバスルア-には各種あるけど樹脂性なら正直ピーナツⅡでいいやと思ったり思わなかったりで、木製で比較的安く手に入りそうなのが中古のポー社のセダー系とかRC系とか。良い感じの”アメルア感”もあって悪くないんだけど、ラパラのファットラップとシャッドラップとモロかぶりな感じでイマイチ食指動かず。バルサじゃなくてセダー(杉)製なので丈夫かもだけどラパラ好きがわざわざ買うほどでもないかと。ファットラップは持ってるけどシーバス釣ってないのでそれはまあ使ってみようと思う。

 蔵になんか良いの転がってないかなとゴソゴソやってみると、フライングダイバーやらマジェンダやらもまだ在庫けっこうあることも判明したけど、シーバス釣ったことがない新鮮味のあるルアーとしてはバスディのドリフトツイッチャーとヘドンのタドポリーが出てきた。ドリフトツィッチャーは候補に入れて良いだろう。ヘドンのタドポリーは正直コレだ!っと一瞬思ったけど現在生産されていないようで中古もあまりなくて補充がままならないので見送り。

 でさんざん悩んだあげく、タドポリーもヒントになってコレで行こうかなと決めたのがストームのホッテントット(以下当ブログでは「ホットエヌ」と呼ぶことにする)。結局本体樹脂製のディープダイバーになった。蔵にも転がってたけど実はこのルア-ではバスも釣ったことがない。ストームはラパラに吸収されたけどブランドとしては今も残っていて、ホットエヌも一時期プラリップになって大不評だったらしいけど、現行版は金属リップに戻って昔のと似た感じになっている。中古をネットで探してみると、相場も千円前後で安くてかつ古いのも新しいのも弾数的には充分ある。さすがは長い歴史を経てきた名作ルア-。蔵にあったのは地味な色だったので当地では黄色かオレンジが良いと思っているので早速いくつかポチってみた。

 上から、古いの、プラリップ版、現行版で現行版は目が樹脂性になって鱗模様が体側に切ってあるけど、そのあたりも今時版になったストームルア-って感じがして悪くない。さすがにプラリップ版はワシでもそれは違うだろうという気がするけど、現行版はこれなら値段もこなれているし新品買っても悪くないと思う。今でも旧ストームのウイグルワートとこいつが製造されているのは、タドポリーとかもそうだけどトローリングやら河川でボートをアンカー止めして流れの中に潜行させてやらなんやらかんやらで米国あたりではサケとか釣るためのルア-として定番だからだろう。早速投げてきたけど、動きは割と細かくキビキビしていてちょっと”チドリ”気味になるのはストームの血統という感じでこれは良い感触。実際にシーバス釣れたらもう少し弾数補充しても良いだろうってぐらいにしっくりきた。

 このルア-昔から”リップに取り付けてある金具の位置を前に変えると潜行深度が変えられる”と読んではいたけど、金具はか締めてあるしどうすんねンと思ってた。ところが今回しげしげと長眺めしつついじくってみて、工具もなしで割と簡単に変えることができると判明。両手の親指の爪で金属スリーブの前後のワイヤーを押しながら、スリーブを上に爪でズラしてやるとスルッと金属スリーブがズレて外せて位置が変えられる。まあ変えてもあんまり潜り方変わらん気がしたけど、トローリングとかでは潜行深度微調整できるのは実際に使われる機能かもな。知らんけど。上の新旧3つ並べた写真の一番上のが前に金具の位置を変えて潜行深度を浅くした状態。

 ちなみに、金属リップのルア-のアイの所にこういうワイヤーの金具が噛ませてあるのは、魚とのやりとりの際に金属リップの端にラインが擦れて切れるのの防止だと思っている。まあ最近のラインはそんなに簡単に切れないと思うけどそういう時代からの歴史あるルアーだってことッス。

 という感じで、ホットエヌ合格。後は釣るだけ。なんだけど、ネットオークション眺めていると物欲を刺激されるモノで、全然弾数揃えられそうにないけど、豪州ハルコ社製の「ソーサラー52」というのをポチってしまった。申し訳ないことに勢いで2個も買ってしまっております。反省はしていない。大きめのリップを胴体と平行に突き出してアイは頭の先っちょにつけたままというのは、インビンシブルDRと共通で、独創的な形もそうだし、豪州産ルア-はやっぱり北欧ルア-の流れを汲んでいるんだなと感じるところ。同じく豪州産のキラルア-にも同じような作りのディープミノーがあったと思う。こいつはまあお楽しみルア-ということでたまに投げてみよう。

 このぐらいで何とか今回の悪い病気の発作は治まってくれている。悪化させないように気をつけていきたい。ということで、ルア-図鑑うすしお味第43弾は足場高いところから使うリップ大きめのルア-達でおおくりいたしましたとさ。

2020年10月11日日曜日

3日間反省しつつスズキを隅々まで食べなさい



 70もあるようなスズキ様をお持ち帰りするのはいろいろな意味でよろしくないと思っている。
 まずは、釣り場のスズキ様が減る。
 スズキ自体は海にはいっぱい泳いでいるのかもしれないけど、陸っぱりで狙える釣り場にやってきた個体や群れって考えるとそんなに多くはない。特にワシの釣ってる対岸までルア-が届く小規模な河川に出入りしているような魚は数が限られているはずで、リリースしておけば再度釣れる可能性もあるもんだと認識している。
 かつ、スズキとワシが呼んでるのは70センチ以上なわけだけど、セイゴが40,50のフッコに育つには餌の状況にもよるだろうけど2年もあれば足りるようで、そこまでの成長は早い。でもそこらへんの大きさから繁殖行動に参加するようになると、そちらに栄養を取られて成長速度はガクンと落ちる。80センチ越えるには10年以上かかるとか。
 だから、シーバス釣ってて良く釣れてくるのは40,50のレギュラーサイズでそれ以上の大きさになるととたんに数が減るのである(「生物多様性とスズキ」恒星社厚生閣刊参照)。
 スズキと呼べる大きさの魚は貴重なんである。

 次に持ち帰りるのに難儀するのも持ち帰りたくない理由で。40,50なら米袋に詰めてリュックに入らないこともない。70はさすがにどうにもならないので自転車の前カゴにぶち込んで運ぶしかなく、かつ持ち帰るとなるとその後の釣りは諦めて撤収作業に入らざるを得ず、せっかく魚が釣れる日の釣りの時間が削られてしまう。ワシのような足で釣る釣り人は70のスズキぶら下げて釣りを続けるのは正直無理で、70が入るクーラーボックスとかを釣り場に持ち込むとか想像もできないぐらい面倒臭い。荷物持ちでも雇うぐらいの金持ちでなければそんな釣りは成立しない。


 さらにいうなら、70を越えるような魚は一人暮らしのオッサンが料理して食うにはいささか手に余る大きさだ。
 まずは、デカくて流しにギリギリだし、冷蔵庫に入れるのも”つの字”に曲げて押し込めねばならん始末で一般家庭の台所では料理しにくい。
 かつ、70チョイのスズキ様で4キロだかそこらはあるハズで、歩留まり6割で2.4キロの”淡泊な白身”が手に入ることになって、アラとかも料理し始めるとさらに多くのスズキ肉が入手できてしまって、キロ単位の魚肉を男一匹猫一人の体制で数日のウチに食い切らねばならない。冷凍保存?せっかく刺身で食える魚を何が悲しくて冷凍にせにゃならんのだ。白身魚は冷凍すると味がガクッと落ちる、刺身系はダメになる。っていうか冷凍して刺身にできる魚介類が例外で、マグロとかの大物とイカぐらいか?
 スズキ様、決して不味い魚ではない。刺身とか手頃な50ぐらいのが確保できてるとウキウキするぐらいには美味しい。とくに産卵にそなえ荒食いして身が肥える秋は、他の春産卵の白身魚が軒並み味を落としている初夏に、スズキは冬産卵でさすがにその頃には産後の肥立ちもよくなっているので白身の淡泊な味とあわせてそのあたりが旬とされているけど、むしろスズキは晩秋が初夏よりも美味しいと推す声も多い。
 ただ、鱸の食べ方っていうと、刺身、そしてアラは塩焼きか潮汁ってぐらいしか選択肢が思いつかず、淡泊なというと聞こえが良いけど、要するにあんまり味に個性のない魚肉がキロ単位でドンとやってくるのである。いつも通りの刺身とアラ料理だけでは飽きるのは目に見えている。

 ということで、基本もちかえるのは個体数も多く持ち運びもそれ程苦労がなくて食べきりサイズである50前後のにして、70越えるスズキ様には流れにお帰り願うことにしていきたい。今回の73はやる気満々で速い流れの中に入ってた個体で、おもいっきりルア-を飲みやがって鰓にハリが刺さって出血多量でお亡くなりになっている。こういうのを防ぐには、単純な方法ならルア-の大きさを上げて口の中に入らないようにするっていうのが考えられるけど、ワシ残念ながら通常狙ってるのは個体数多い50センチぐらいのフッコたちなので、そうするとあまり大きなルア-は使いにくい。ということで、とりあえず今回一仕事してくれたダルトンスペシャルのシングルフックをハリ先を内側にややむけて、口の中で余計な所に掛かりにくく、口の端の方でかかる方向に調整した。当然掛かりやすさ的には悪くなるけど、掛かったらバレにくくなるので相殺されるだろうから、そのへんは実戦導入で塩梅見ながら調整して、他のルア-もそのルア-の出番を想定しつつ調整していきたい。渋い状況で使うルア-とか食いが浅いことが想定されるので掛かり悪くしたら塩梅悪いだろう。


 でもって、せっかく苦労して持ち帰ったスズキ様、余さず食べちゃって楽しまなければもったいない。
 ということで、種々料理してみた。この辺は無職で時間がとれるありがたさで、手間暇掛けて美味しくいただこうという試み。
 とりあえず、刺身と兜焼き系とアラ汁はお約束で普通に美味しい。
 今回、あら炊きはいつもの塩味の潮汁と醤油味のアラの煮付けの中間ぐらい、塩味ベースなんだけど醤油を効かせてオデンの汁を意識して味付けした。
 なぜそういう味付けにしたかは後ほど。
 これで食べた後に骨とかは捨てるゴミとして生じるんだけど、調理時点で出るゴミは鱗と内臓のなんか食べられなさそうな部分と今回そこまで手が回らなかった鰓ぐらいでたいした量にならない。隅々まで食べ尽くす感じになってくる。


 刺身一回食ったぐらいでキロ単位の身が消費できるわけはなく、むしろここからが本番。
 お刺身2柵めは皮をフライパンでジュッと焼いて焼き霜造りにしてみた。
 スズキの皮とか泥臭そうな先入観があったけど、当地のスズキにはそんな心配は全くなく、これはこれで皮のプニコリな感触も楽しめて良いお味。
 右の皿に入ってるのが、アラ炊きの一部で、今回、肝と胃袋の他に内臓としては意外に大きくてしっかりしている浮き袋を入れてみた。
 中国人が乾物にして食うのに血眼になって世界中からかき集めている美味。これまでそれほど意識していなかったけど、多分コラーゲン豊富なスジ肉的なプルクニャ食感になるだろうと予想して、ならばと味付けもオデン的にして、練りカラシ添えて食べてみた。これはちょっと抜群。オデンの牛スジ肉はかなり煮込まないと柔らかくならないけど、スズキの浮き袋はアラに火が通った時点で良い感じに柔らかくプルクニャに煮えていて”オデン味”大正解。さすが食通の中国人が目をつける食材だけあって、魚の浮き袋は乾物にしなくても充分旨い。


 という感じでアラ方面は個性もあって食ってて飽きないんだけど、大量入手した身の方の身の振り方を考えてやらねばならない。
 ただ、食い切れないほどの魚肉を食いきるには”ズケ方面”を攻めるのが吉!というのはメジロ(ブリの手前)でも学んだところである。
 まずは普通に醤油味のズケ。適当にめんつゆと酒で作った漬け汁にぶち込んで2日ほど。
 ただ、カツオとかの濃い味の魚でヤるならこれだけでイケるけど、白身の淡泊な魚にはもう一押し欲しい。ということで、”黄身ダレ”が良いっすよというタレコミもいただいていたので、ズケ丼に卵黄乗っけてユッケ風にしてみた。
 卵黄だけ使うので卵白が残るんだけど、皆さんこういう場合は余った卵白どう処理されてますでしょうか?泡立ててメレンゲにしてケーキでも焼いてますぅ?
 ワシャいい手が思いつかなかったので、筋トレマニアよろしくそのまま飲みました。
 まあ、ユッケ丼風は不味いわけがないよねという感じで丼飯余裕。

 そしてズケを作ったなら、これまた鉄板の”ズケ茶漬け”もやっておかねばとズケ汁で掛けまわす“だし汁”を作って、ザブザブッといただきましたところこれもまあ最高ですね。
 ズケって実家ではカツオで作るのがほとんどで、味付けは醤油だけ。翌日刺身のつまの大根もあわせて汁ごと浸かったカツオを鍋の湯にぶち込んで一煮立ち後にご飯に掛けるっていうのが定番だったけど、カツオで作ると出汁が良い味でズケ汁にしみ出したタンパク質が熱で凝固したモロモロとした粒子もろとも良い味の汁になるんだけど、スズキでもやっぱりズケ汁に良いエキスが染み出すようで実に良いお味。
 お店の鯛茶漬けみたいに上品にわざわざ別に出汁を用意してとかまったく意味不明、なんならズケ汁湯に溶かしたのを飲んだって良いぐらいに良い味です。


 そして今回、一番上手くいったと思うのが新機軸のスズキのカルパッチョ的な”塩ヅケ”。
 まあ、良くやってる塩味で刺身を漬けてゴマ油とネギあたりで和えるハワイの郷土料理”ポキ”風のをちょっと写真”映え”を目指して平べったい皿に盛ってみました。
 ワシあんま美的センス無いな、というのを思い知らされる”映え”度の低さだけど、味は上出来。
 柵の段階で塩を、ちょっと多すぎじゃネ?ってぐらい振りかけてラップに包んで数時間から2,3日。薄く切って刻みタマネギ散らしてゴマ油を掛け回していただきました。多分コレ油をオリーブオイルにするとバエるンだろうと思うけど、まあ旨けりゃどっちでもイイや。多分オリーブオイルでも美味しいです。
 淡泊な白身のスズキの身が塩で締まってちょっと生ハム的な濃い味が出てきて、そこにゴマ油の香りとコクですよ。不味いわけなさそうでしょ。


 ということで、現時点で残すはアラ炊きの残りぐらいでほぼ完食。
 ワシも堪能したけど、ワシ以上にコバンが贅沢に食いまくってて、最初刺身引いたあとの切れ端とか皮とかにガッついてたけど、だんだん飽きてきたのかプイッとするようになってきて、湯がいてみたり、一応猫も食べることを想定して塩振らずに素焼きにしてあった兜焼きを手で身を千切ってあげたりして、目先を変えてなんとか食べていただきました。ほほ肉とか猫に食わせることになってます。下僕としては喜ぶべきでしょう。

 という感じで、予定外の獲物だったけど、3日ほどかけて美味しく楽しめました。スズキ様ありがとう。ご馳走様。