紀伊半島に移住して2年目。とりあえず目標としては240日以上釣行することをあげていた。そのぐらい行きまくれば何か見えてくるだろうと思ったんだけど、実際249日行ってみて、何か劇的に”分かった”とか”変わった”とかは正直言って無い。無いんだけど数撃った分の蓄積っていうのはあるのかなという感じで、何をどう目標にすれば良いのかも良く分からないなかで、とにかく場数踏んでみるっていうのはそれほど的外れではなかったように思いたい。その結果、体力削られて病気になったりしたにしても、やり過ぎてるなら不足はなかったんだろうと心安らかである。2年目でありルア-での主な対象魚であるシーバスとチヌは昨年以上に釣れるものと思ってたけど、そうは問屋が卸さなかったし、ハゼがドハズレ年で残念だったけど、釣り人誰も気付いてないけど遡上してきてたアユ釣りまくりとか、マアジの堅さが盤石と化しつつあるとか、良い釣りもあれば悪い釣りもあり、これまでもこれからも「来たモノを釣る」という基本方針は変わらないのかなと思っているところ。
という感じで、全体ならして見ればそこそこ良い釣りだったのかなという今年の釣り関連。年末恒例となりましたベストスリー行ってみましょう。ジャカジャン
1位はとにかく”堅い”釣りに育ってきました「のべアジ」。早春の長竿で攻める深棚の釣りから、夏の豆アジは海面に落ちているのを拾い集める作業のような数釣り、秋本番の小アジは2日料理して食うのにちょうど良い40匹釣って操業終了撤収というのが毎度のことのようになる異様な水揚げ目標達成率。釣り人少ない釣り座の選定から、棚とハリスの調整で食わせ続けて掛け続ける小技の効かせ方、第5世代まで開発して沈下する固形物への反応を上げる要素まで考えたパン粉とアジのハラワタ主体の安くて”効くコマセ。フグ軍団との闘いも、やられっぱなしだった昨年と違いそこそこかわせるときもあった。アジ釣りについては昨年のワシとは違うワシに生まれ変わったと言っても過言ではない。釣って良し食って良しのアジ釣りは”おかず釣り”の本命として来年も研鑽を重ねたい。
2位、ダルトンスペシャルにバコンと飛び出たスズキ様は衝撃的だった。雨に誘われて川に入ってきたやる気のあるシーバスは、早瀬とかの速い流れに突っ込んできている、という持論を証明する1匹。残念ながら今年10月11月の秋の雨が少なくてシーバス不調に終わったけど、まあ降らない年もあれば降る年もあるだろうから、「雨が降ったらシーバス」は来年も徹底していきたい。ダルトンスペシャルがまたアメリカンな味わいのある良い塩梅のスイッシャーで100年近く生き残ってきただけあって、間違いなく釣れる動きをしている。
3位、カマス釣ってるとカマスを餌に泳がせ釣りで青物だのヒラメだのと釣ってる上手な人達がいて、羨ましく指をくわえてみてたけど、こんなもんルアー投げときゃそのうち食うだろと投げ続けること何回目かで、ミノーで合わせ切れやらかして、ザ・スプラッシャーで釣ったりました。堤防から92センチの青物が釣れるとか正直ドン引きする釣果だけど、わりとそういうの珍しくもないのがこの地の実力。
1位は、フライでアイゴだのグレだのオカズ釣りつつ、チャンスがあればイッパツいわせたろうと思ってたけど、アンカーロープに突っ込まれて力かけて引っ張り出そうとしてたら身切れっぽい感じでポロリ。ボラの走りは制御不能で沿岸魚では随一ではないだろうか。食っても旨いので来年も機会があれば狙って仕留めておきたい。
2位は、満を持してカヤック出したけど、意外に簡単な釣りにならなかったのと、まだ体力が足りてない感じでえらく疲労してしまったので、コロナ禍でなんか見たことない船が出てるってことになるとヨソから来る人に自粛をお願いしている時期でもあったので通報くらったりしかねないというのもあって、岸から釣る魚にそれ程困ってもいなかったので、1回だけしか出さなかった。リヤカーで河口まで運んで出航とか段取りは一通り試せて特に問題ないので、体力戻ったらまた挑戦したい。
3位、モノほんの餌、しかも目の前で襲って食ってる”現物”ハリに掛けて泳がせたら、シーバスぐらい簡単に釣れるだろう。って思うジャン?全くそうは問屋が卸さなくて小売店また困ってしまう。ハリの付いた餌を横目に見ながら併走して最終的に見切って食わんとか、キーッ!アタイ頭きちゃう!!って感じで熱くなったけど、結局小さいのしか釣れなかった。見えてるのには余裕でスズキ様の大きさのもいるので、来期はなんとかしてみたい。
1位は、さっき書いたので省略。ヨレヨレッとヨレる動きがシーバス向きかと。
2位は、雨が降ってN川の流れ込みの水量がそれなりにあれば”鉄板”ガチガチの堅さを発揮してくれてたフィンランド名産のバルサミノー。インビンシブルはメチャクチャ優秀なミノーなのでコータック潰れてから正規代理店が日本にないようだけど、どっか輸入してくれないモノだろうか。弾数は確保してあるっちゃあるんだけど、オレンジの一番釣れる色の在庫が心もとない。いざとなったら黄色く塗っちまえば良いんだけどな。
3位のザ・スプラッシャーもメジロ釣ったとさっき書いたけど、ちょっと補足。この手のスプラッシャータイプのルア-は現行品ではタックルハウスの「リップルポッパー」とデュオ版の「ザ・スプラッシャー」があるけど、使ってるのは古い「ブルーアイランドタナカ」版のもので固定重心。これが実に良い動きしやがる。早引きすると水面滑るように走りつつやや横揺れ。水を噛むスピードだとグネグネと横に体を振る。近所漁港ではカマスを追い込んで青物が堤防近くまでやってくるので飛距離は要らない。固定重心のほうが動きは安定しているし立ち上がりも早い気がする。動かない方が良いときもあるけどルア-の動きが良い方が食ってくる場面ってやっぱり多くて、そういう時飛ばさなくて良いなら固定重心のルア-の方が良い動きをして結果良く釣れる。飛距離が出ないと届かないっていう場合を除くと重心移動のミノーとか重いルア-とかより、固定重心、軽いルアーが釣れると思っている。
1位の「-16度保冷剤」はちょうど良い材質を良く見つけてきたなと感心する。凍らせるのにも時間掛かるけど、溶けるのが遅くて秋とかなら三時間ぐらい釣りして帰ってきてもまだ霜付いている。やっすい保冷バックでも中がキッチリ冷たく冷やされて、これは良いものだと感心した。お薦めします。
2位の「マイクロセブンCシリーズ」は大森製作所のアウトスプールスピニングの最高到達点だとワシャ勝手に思っちょります。樹脂性で軽いけど、適宜金属で補強してあって強度や耐久製にも気を配ってある。小型リールはこんなんでいいんだよ、って思っちゃう。耐久性が評価できるほど使い込んではいないけど、魚釣るのに必要な性能的には問題なく、とても良いです。ボラの突進さばききって、ドラグ出されまくってラインチリチリにされつつもちゃんと釣れました。人気の同社キャリアーもやや値段落ちてきたけど、むしろ評価されるべきはこちらのマイクロセブンCシリーズではないかと。キャリアーは軽さに振ってあって、作りとしてはマイクロセブンCのほうがしっかりしてます。
3位の「コバンフライ」は我が愛猫の毛を集めて巻いてる。流れてくるゴミを食ってるアイゴ、グレ、ボラを狙うために、ちょっと明るめで見やすい”毛”があると良いなと思ったときに、ウチの猫は茶白で抜け毛はちょうど良い塩梅の明るめの茶色だよな、ということで寝床のボロ布からゴム手袋で抜け毛を集めて作成。なかなか優秀な成績。黒のフリースが抜け毛収集機のように毛が付いて目立つので最近は黒フリースから素材集めてるところ。
1位は、シーバス釣りの時に主軸となってるインスプール。これが716Zのスプールの直径だけ大きくしたようなリールなんだけど、スプール直径の大きい小型スピニングってラインさばけやすくて飛距離もだしやすいし、巻き癖も付きにくいしで、とっても使いやすいように感じている。大森の「No.2」の大きさもそういう傾向があると思う。ウォームギアは巻きチョイ重めだけど何というか”巻き心地良い”し、全体的に単純で丈夫。ライントラブルもほとんどなくて使ってて面倒臭いことが何もなく快調に使える。この大きさの主軸機は長く430ssgに任せていたけど、ssgは瞬間的逆転防止機構が寒いとグリス固くなって誤作動起こしたりするので、寒い時期はこちらの方が安心できる。たぶん今後の主軸機になるんだろうなと感じている。
2位は青物釣るのに引っ張り出した。中古で買ったときにハンドルノブが壊されていて、割り箸で握りを成型して自作してある個体。4500ss以上の樹脂性のT型ハンドルは軸の根元がワシの手にはやや太くて指が痛くなるので、軸の所が細くなっているこの個体は手に馴染んで使いやすい。樹脂本体だけど強度やドラグ性能には全く問題なく、青物釣るのに好適です。
3位は、714Zが主力化しつつあるとはいえ、暑い時期とか問題生じないのでまだまだ使い続ける第4世代。コイツの単純さも捨てがたいのよね。使ってての不具合は寒いと逆転し始める瞬間的逆転防止機構ぐらいで、逆転してもベールアーム指で引っかけて止めればいいしであんまり問題ないといえばない。リールなんて多少デキの悪いところがあったとしても、ブチ壊れたりしない丈夫さがあれば、なんとかなったりするものである。無事コレ名馬的な名機です。
今年は、世の中はコロナ禍だったり私自身は帯状疱疹だったりで、なんか抑制させられてた気がするけど、振り返ってみるとそんなに悪くない。240日以上も釣りに行ってて悪い一年だったなんてのはありえんということか。好きなだけ釣りに行ける贅沢な暮らし。ありがたいことです。来年も釣りにはしっかり行っておこう。
皆様、今年の釣りは楽しかったですか?それでは良い年をお迎えください。