2020年10月18日日曜日

高いところから失礼します

  川崎在住のころ、この時期内房の運河のシーバス釣りは、鉄板に近い釣果が望めて、スズキ釣りか?もしくはただのカヤック漕ぎか?はたまた時化てて海を眺めるだけか?の博打要素の大きい房総半島カヤックスズキ狙いの裏作として非常に心強いものがあった。なにしろ釣り場はほとんどの釣り人が気にも留めないような、ときに幅跳びで越えられそうな場所もある小規模な運河なので、まずは首都圏にありがちな他の釣り人との競合がほぼ無いのがありがたく、アクアライン越えてセッセと通ったものである。

 小規模な運河なので遠投性は必要なく、逆に橋の下とかの狭いコースに直球でぶち込まなければならない状況とかもあって、6.5フィートというシーバスロッドとしては短い竿を使っていた。そういや最近使ってないけど台湾時代フェンウィックのランカーギアXが主力竿で同じブランクスの別シリーズも含め5本ぐらい蔵にある。売って整理せねばだけど愛着もあるしどうしよう?

 でもって、短竿で護岸の上から釣っていると場所によっては足場が高くて、飛距離が出せていないことも相まってルア-が泳いでくれる距離が短くなってしまう。となると足下までキッチリ泳いでくれるルア-が欲しくなる。竿長くしてやれば解決できるけど、足場高くても小場所で正確な投擲のほうが優先されることが多いので短竿の方が使いやすく、かつ足場高い場所だけ竿換えるのも面倒くせぇ。となると足下まで泳いでくれるルア-があると良いなということになって、まずはフライングダイバーとかシュガーディープとかのオフセットリップや長いリップのミノーを使ってたんだけど、あるときシャッドラップラパラを使ってみたら、これが抜群の使いやすさでホントに足下までキッチリ泳いでくれて以降シャッドラップラパラを、中古で安く手に入ることもあって例によって大量に買い込んで、やや飛距離不足なところは後ろのフックに鉛線巻いたりして使っていた。

 となると、ディープダイバー系のシャッドやらクランクは同じようにイケるだろうといろいろ試してみたら当然釣れて、ピーナッツⅡDRサイレントやマジェンダは二軍ボックスには入れていた。ピーナッツⅡは普通に釣れる感じだったけど、マジェンダが結構優秀であんまり頭下がりな姿勢にならずに細かい動きでラトル有りなのもあってかシャッドラップとはちょっと違う釣れ方したように感じてた。でもまあ、シャッドラップの釣る力はあからさまに強力で絶大な信頼を置いて使ってたのは、写真のシャッドラップ箱の在庫量を見ていただければおわかりかと思う。

 ところが、ひょんなことからインビンシブルに興味を持って、シャロータイプの8センチ(写真右)を使ってたときには、既に”飛距離の出せるバルサミノー”であり、現時点での古今東西最高のミノーだとワシが確信を持っている”フラットラップラパラ”があったので、F9の飛距離不足に悩んでた頃にここまで使えると知ってれば苦労しなかったのにな、とは思ったけどそれ程は必要性を感じなかった。けど、これのリップがちょっとだけ大きくて本体から水平に出ているインビンシブル8DR(写真左)を使ってみたら、足下までキッチリ引ける上に飛距離もシャッドラップほど苦労せず普通に良く飛んでくれることが判明して、大量在庫のシャッドラップを二軍落ちさせて一軍登録されて現在に至る。

 インビンシブルは”8DR”に限らず超優秀なミノーである。それは何度も書いてきたけど本国フィンランドであのラパラを向こうに回して生き残ってきた事実を見ればそれだけで明白である。コータックが潰れて正規輸入元がなくなってしまったけど、ちょくちょく釣具屋さんが直接買い付けて売ってるケースは見かける。ただ、日本の釣り人は見る目がないんだと、最近と言っていいぐらいまでその良さに気付いてなかった自分を鑑みても思うけど、今の日本じゃ売れない見た目だとは思う。魚釣って使い込めば、そこらへんのとってつけたような能書きで出ては消える新製品のどれも似たような国産ミノーとはモノが違うというのはご理解いただけると思うのだがどうなんだろうか?老後の資金を切り崩して本国フィンランドから大量買い付けして、ネットでチマチマと売って小銭稼ごうかしら。などと邪な山っ気を出すべきではないと”C4の一件”では肝に銘じたところ。あのあとたいしてC4値上がりせず、C3もすぐに値段下げてきて、あの一瞬で儲けを出すのは今考えると難易度超高くて、C4一台分の授業料で済んで良かったと胸をなでおろしている。

 インビンシブル8DRは内房の運河でも働きまくってくれたけど、ここ紀伊半島でも護岸の上から釣ることになるN川で鉄板の働きをしてくれている。正直雨後のN川流れ込みポイントではコイツ以外投げなくても良いんじゃないかと思っている。それぐらい釣れるし使いやすい。にもかかわらず、インビンシブル8DRじゃない別のルア-でもアタイ釣ってみたい!と思ってしまうアホな釣り人がワシなのである。なんでやねん。”インビンシブル熱”に罹った時には幸いにもちょうどコータックが潰れた時に放出された在庫のインビンシブル達がネットオークションに流れまくってたので弾数的には豊富に確保してあるので別に他の札を探さなければならない必然性は薄い。でもなんか他のルア-でも釣ったら面白いだろうな、と思ったらその気持ちを止められないのである。悪い病気がまた出たかという感じである。

 というわけで、またぞろネットオークションとネットフリマを夜な夜な徘徊して怪しげな?ルア-達を買いあさってしまったのである。ああワシの老後の資金が・・・。アリとキリギリス(セミ)ならキリギリスのように今を生きたい。

 ディープクランクやらシャッドやらリップの長いルア-なんぞ腐るほどあるだろうから、その中から、良さげなのを選べば良いんだろうから選びたい放題ジャンと思ったけど、これがなかなかどうして意外に難しい。性能面をさておいて、せっかく次の切り札ともなり得るようなルア-の候補のつもりで選ぶんだから、手に入れやすくてかつ長く入手可能で、可能ならお値段控えめなのが良い、っていうだけで選択肢がグッと狭まる。まず今時の国産ルア-のほとんどが2千円ぐらいするので対象から外れる。千円前後となると国産だとデュエルとヤマリア、ダイワの低価格シリーズぐらい。となると意外に選択肢少なくて結局好みに合致するのはピーナッツⅡ系ぐらいしかない。ピーナッツⅡ系は大好きだけど新鮮味がないよな。となると後は外国勢で、最近クランクはバルサのノンラトルとか流行らしいのでコレはバッチリ好みだろうと思って調べてみるとクソお高いんでやがんの。まあバルサで作ってたらドミニカ共和国に工場作って経費削減しつつ世界中に売ってるバグリーのバルサBより安くできるわけないって話で当然か。だったらバグリーのキラーBとか使っとけって話だけどキラーBでも既にお高い。他方で樹脂性のディープダイバーはバスルア-には各種あるけど樹脂性なら正直ピーナツⅡでいいやと思ったり思わなかったりで、木製で比較的安く手に入りそうなのが中古のポー社のセダー系とかRC系とか。良い感じの”アメルア感”もあって悪くないんだけど、ラパラのファットラップとシャッドラップとモロかぶりな感じでイマイチ食指動かず。バルサじゃなくてセダー(杉)製なので丈夫かもだけどラパラ好きがわざわざ買うほどでもないかと。ファットラップは持ってるけどシーバス釣ってないのでそれはまあ使ってみようと思う。

 蔵になんか良いの転がってないかなとゴソゴソやってみると、フライングダイバーやらマジェンダやらもまだ在庫けっこうあることも判明したけど、シーバス釣ったことがない新鮮味のあるルアーとしてはバスディのドリフトツイッチャーとヘドンのタドポリーが出てきた。ドリフトツィッチャーは候補に入れて良いだろう。ヘドンのタドポリーは正直コレだ!っと一瞬思ったけど現在生産されていないようで中古もあまりなくて補充がままならないので見送り。

 でさんざん悩んだあげく、タドポリーもヒントになってコレで行こうかなと決めたのがストームのホッテントット(以下当ブログでは「ホットエヌ」と呼ぶことにする)。結局本体樹脂製のディープダイバーになった。蔵にも転がってたけど実はこのルア-ではバスも釣ったことがない。ストームはラパラに吸収されたけどブランドとしては今も残っていて、ホットエヌも一時期プラリップになって大不評だったらしいけど、現行版は金属リップに戻って昔のと似た感じになっている。中古をネットで探してみると、相場も千円前後で安くてかつ古いのも新しいのも弾数的には充分ある。さすがは長い歴史を経てきた名作ルア-。蔵にあったのは地味な色だったので当地では黄色かオレンジが良いと思っているので早速いくつかポチってみた。

 上から、古いの、プラリップ版、現行版で現行版は目が樹脂性になって鱗模様が体側に切ってあるけど、そのあたりも今時版になったストームルア-って感じがして悪くない。さすがにプラリップ版はワシでもそれは違うだろうという気がするけど、現行版はこれなら値段もこなれているし新品買っても悪くないと思う。今でも旧ストームのウイグルワートとこいつが製造されているのは、タドポリーとかもそうだけどトローリングやら河川でボートをアンカー止めして流れの中に潜行させてやらなんやらかんやらで米国あたりではサケとか釣るためのルア-として定番だからだろう。早速投げてきたけど、動きは割と細かくキビキビしていてちょっと”チドリ”気味になるのはストームの血統という感じでこれは良い感触。実際にシーバス釣れたらもう少し弾数補充しても良いだろうってぐらいにしっくりきた。

 このルア-昔から”リップに取り付けてある金具の位置を前に変えると潜行深度が変えられる”と読んではいたけど、金具はか締めてあるしどうすんねンと思ってた。ところが今回しげしげと長眺めしつついじくってみて、工具もなしで割と簡単に変えることができると判明。両手の親指の爪で金属スリーブの前後のワイヤーを押しながら、スリーブを上に爪でズラしてやるとスルッと金属スリーブがズレて外せて位置が変えられる。まあ変えてもあんまり潜り方変わらん気がしたけど、トローリングとかでは潜行深度微調整できるのは実際に使われる機能かもな。知らんけど。上の新旧3つ並べた写真の一番上のが前に金具の位置を変えて潜行深度を浅くした状態。

 ちなみに、金属リップのルア-のアイの所にこういうワイヤーの金具が噛ませてあるのは、魚とのやりとりの際に金属リップの端にラインが擦れて切れるのの防止だと思っている。まあ最近のラインはそんなに簡単に切れないと思うけどそういう時代からの歴史あるルアーだってことッス。

 という感じで、ホットエヌ合格。後は釣るだけ。なんだけど、ネットオークション眺めていると物欲を刺激されるモノで、全然弾数揃えられそうにないけど、豪州ハルコ社製の「ソーサラー52」というのをポチってしまった。申し訳ないことに勢いで2個も買ってしまっております。反省はしていない。大きめのリップを胴体と平行に突き出してアイは頭の先っちょにつけたままというのは、インビンシブルDRと共通で、独創的な形もそうだし、豪州産ルア-はやっぱり北欧ルア-の流れを汲んでいるんだなと感じるところ。同じく豪州産のキラルア-にも同じような作りのディープミノーがあったと思う。こいつはまあお楽しみルア-ということでたまに投げてみよう。

 このぐらいで何とか今回の悪い病気の発作は治まってくれている。悪化させないように気をつけていきたい。ということで、ルア-図鑑うすしお味第43弾は足場高いところから使うリップ大きめのルア-達でおおくりいたしましたとさ。

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