”25日矢口高雄先生が死去”との訃報がネットのニュースで流れている。81歳膵臓ガンで闘病の末、家族が見守るなかお亡くなりになったそうである。心からお悔やみ申し上げます。
とともに、先生の代表作である「釣りキチ三平」に多大な影響を受けて、今ここに仕事も辞めちまって紀伊半島で釣りばっかりしているという楽しい人生を送らせてもらっていることについて、母親に感じるのと同等に近い感謝を覚えています。矢口先生、ありがとう。本当に心からありがとう。書いていて鼻の奥がわさび食ったときのようにツーンとしてきて、涙をこらえるのが難しいです。
ボクら昭和の釣り人は「釣りキチ三平」直撃世代であり、その影響を受けた釣り人はとても沢山居ます。釣りキチ三平のお話の中では、三ちゃんが自由な発想で奇想天外な作戦を練って目的の魚を釣り上げるというのが基本的な筋ではありますが、その骨格を肉づける様々な挿話に”釣り人”の姿勢を学んだモノです。私の釣りの弟子にネット上のハンドルネームをまさに”正治”と名乗っている釣り人がいますが、我ら三ちゃん直撃世代はみな多かれ少なかれ三ちゃんの弟子で”正治くん”なんだとおもいます。
金に飽かして分不相応な道具を手にすることに対して、一平爺さんにドヤされたり(カルデラの青鮒の兄ちゃん)、釣り具の危険さを軽んじて魚信さんにこっぴどく怒られたり(無名島の三ちゃんとジン)と道具に対する向き合い方を教えられ、アヒル大作戦(デカバルト)やらスイカをティーザーにしてビワコオオナマズを釣るような、これぞ奇策っていうような自由な発想から、鳴鶴先生の家の実験水槽に見るような魚を知ることの大切さ、ビッグゲームフィッシャーの両手にびっちりタナゴを並べさせて”たなごころ賞”をとらせた”小さなビックゲーム”的発想・視点の転換。書き連ねていけば話の数だけ学ぶべき点がある。
そして何より、先生の美しい描写でもって、釣りは魚が、自然環境が豊かでなければならないと教わったんだと思っています。学生時代、倒木が池の上に張り出して沈み、水生植物が適度に茂った野池にたどり着いて、友達に「三平三平が倒木の上から魚釣ってそうな良い池やな~」とか言ってたモノです。
先生が育てて下さった多くの”正治くん”の一人として、これからも正しい釣り人として、正しい釣り人とは何ぞやってあたりから自分で考えつつ、面白くかつ真面目に魚釣りを楽しみたいと思います。
どうぞ安らかにお眠り下さい。
(あっ先生。もし、あの世に良い釣り場があったなら是非「あの世版釣りキチ三平」を執筆願います。新作楽しみにしてますよ。)
ほんと、残念な思いでいっぱいだね。
返信削除我々みんなが「正治」っていうのはその通りだなと感心。
あと、いまだに品格が伴わないからと、和竿やバンブーロッドを購入できないのは、「カルデラ湖の青鮒」が影響していたのかと、これまた納得。
この週末、矢口先生の本をあれこれ読み返そうと思います。
最近の作品「平成三平」と「VS魚信さん」がまだ読んでない巻があるので読み切ろうと思ってます。
削除あと、むかしの”かつみ”ちゃんが出ててくる「おらが村」とかも全部は読めてないので読もうかなと。
我々はいつになったら和竿とかを買って良い品格が備わるんでしょうか?
”品格”なんか犬にでも食らわして、ギラギラと脂ぎっていたいきもします。
そうだねえ、品格より魚釣りたいねえ。
返信削除今年は新型コロナで特別な年になってしまったから、来年は魚が特別釣れる年にしたいもんだねえ。
コロナ北海道も流行ってるみたいですね。お気をつけて。
削除まだ来年の話は気が早いですよ。
あと一月、ギラギラと釣欲全開でやってみます。