釣りするのに良い場所をという観点で移住先を選んだつもりなので、釣れて当たり前と言えば当たり前なんだけど、それにしてもこの地は良く釣れる。
良く釣れるっていっても、そんな簡単にチヌだのスズキだのが釣れるわけはなく、そのあたりは情報収集しながら季節が一回り二回りしてから釣れるようになるだろうと思ってた。
それまでは漁港とかでアジだの根魚だの”オカズ”を釣りながら地道に情報蓄積していく作業を続けるんだろうなと思ってたら、あにはからんやチヌもスズキも既に釣れてしまっている。むしろアジや根魚には予想外に苦戦させられていて、それがまた楽しい。
釣りにはけっこうな回数行ったので、ずいぶん昔に引っ越してきたような錯覚を覚えるけど、まだ8月末に越してきて4ヶ月かそこらしか経っていない。
「あわよくば」と想定していたうち、最も良い方に結果が転がっているように感じる。超々上首尾で今年の釣りには満足している。
そんな今年の釣りを振り返って、年末恒例のベスト3を選ぶんだけど、正直選びきれないぐらいの想い出が溢れてて、写真のホルダから良い写真選ぶのにも写真の枚数自体多くて苦労するぐらいだ。
間違いなく、今自分が膝も痛いし物忘れも激しいジジイになりかかってるけど、それでも釣り人として人生最高に”釣れている”というのを実感する。
ということで着外とか3つに収めきれてない項目もあるけどご容赦願いたい。
○釣り:一位「最初のカンパチの仔」二位「フライで釣ったアカカマス」三位「ワームで釣ったアカササノハベラ」着外「20センチ超えのマハゼ」「一匹目のクロダイ」
一位の「最初のカンパチの仔」は分かる人には分かると思うけど、釣果としてはショボい。でも、下見で訪れたこの地で適当にルアー投げてたらサクッと釣れた手のひらに乗るようなこの1匹が「ああこのくらい魚が居てくれれば何とでもなるな」という感触をもたらしてくれて移住地を決定するに至った。移住して良い釣りしてきたし、これからもさらに釣るつもりでいる。何しろ強力な切り札の一つだと思っているカヤックとかまだ出していないからナ。
狙った魚意外は”外道”として相手にせず、脇目も振らずに目的の魚に迫っていくという釣り人もいるけど、私はまったくそういう釣り方はできない釣り人で、魚種も大きさもなんでも良いから魚釣って魚の反応みながら目的とする獲物に近づいていくという手法をとる。そういう釣り人から見ると、この1匹こそが今後数年のうち最も重要な1匹だったというのは当然の結果なんだけどおわかりいただけるだろうか。
二位のフライで釣ったアカカマスは、仲間内にフライマンが多くケン一からも要望のあった魚種だったというのもあって、探し求めてたどり着いたというのも嬉しい要素だけど、常々「なるべく他人が釣れなくて自分が釣れるギリギリの難しさの魚」をと思っていて、簡単に釣れる魚だといくら爆釣ポイントを見つけたところで、すぐにバレて真似されて釣られてしまう。その点、フライで釣る釣り方を見つけたっていうのは大きい。なにしろ真似しようにも未経験だとフライロッドはまず振れないから真似されにくい。
もちろん、アカカマスは投げサビキでもワームでも釣れるし、もっと言うなら群れがまとまれば引っかけりゃ早いって話もある。でもそういう他の釣り人や釣り人じゃない魚を獲ってる人が掛けきれない、あるいは引っかけられるのを嫌がってちょっと群れから離れて難を逃れてきた魚がフライなら狙えるのである。理想としては引っかからないぐらい群が薄くなって、縦にしゃくる系の誘いや派手なワームでは食わなくなり、横移動の小さいフライが群れてる棚のチョイ上を通ったときに食ってくる活性は残ってる。とかいう渋めの状況が続いてくれれば一人勝ちできるのにと邪なことを考えている。
三位がまた地味な釣果だけど、ナマジ的には値千金な釣果で、小型青物にしろシーバスにしろカマスにしろ、ヤツらは移動性が高いので居ないときはまるっきり釣り場に居ない。その点根魚系は居るところにはいつも居る。ただ、いつも居るところには居て移動性が低いので、その年の接岸後は釣りきられたら補充がないような場合が多く、根魚って釣りやすい釣り場の魚はシーズン最初にチョロッと釣れてその後居なくなってしまう。東北に住んでたときに経験したけど、一見釣れそうもない場所で魚が入ってるポイントで持ち帰らずにオールリリースで釣ってるとシーズン終わるまでずっと釣り続けられる。
さてアカササノハベラに代表されるベラ系、磯場やゴロタに居着く”根魚系”だと思ってるけど、小さいこともあって多くの釣り人には”餌取り”ぐらいにしか認識されてなくて、お持ち帰りされる率が低く、ましてや専門に狙おうなんていうのは瀬戸内海でキュウセンが人気なのを除くとあまり目にしたことがない。
つまり独り占め系の美味しい獲物なんである。煮付けにして文字通り美味しかったりするしナ。魚が小さいのなんて元江戸前小物釣り師から言わせてもらえれば、仕掛けを繊細にするなり何なりでいくらでも楽しく釣ることはできる。実際楽しい釣りだった。
昔、メバルがワームで釣れるって話になったときに、多くのルアーマンはあんな小っちゃい魚釣って何が面白いんや?ぐらいの認識だったけど、その後”メバリング”が流行ってからどういう風に認識が変わっていったかはご存じの通り。魚が小さいとか今現在人気がないとかまったくどうでも良いことで、しばらくはこの地では専門に狙う人間出てこないだろうから冬眠中の冬以外は手堅く釣れるオカズ魚として楽しませてもらう。かつ、小磯やゴロタで釣ってればそのうちカサゴやらハタ系も釣るための情報が自ずと入ってくるんじゃないかと期待している。
着外の「20センチ超えのマハゼ」「一匹目のクロダイ」はさすがに膝ふるえるぐらい興奮した。普通の年なら一位でもおかしくないけど、今年は最初の1匹や独自の釣りの展開に持ち込めそうな釣果があったので着外となっている。
前半の首都圏での釣りも正直言って離れがたいぐらいの面白さを感じてた。考えてみればボートキビレ初挑戦も今年だったし、ヘラ釣り修行もとりあえず形にはなったとおもうけど一旦終了はもったいない気もした。最後のハゼ釣りは良く釣れて楽しく終われたけど、ダイキリさんと行った最後の湾奥シーバスが、釣れない時間も長かったので「これで東京湾のシーバスともお別れだな」と寂しいような別れの気分になったのを思い出す。それもとても良い想いで。
まあどこに居ても魚釣りができれば私は幸せなんだと思う。
○残念だった釣り一位「近所漁港ナブラ」二位「今朝逃した魚」三位「ヘラ浮子で釣るボラ」
一位はツバス(ブリの仔)かサバか毎日午後にナブラが湧いてバシャバシャやってたのに結局一匹も釣れず。特定の餌に狂ったナブラは難しいことも多くて意外に苦戦するけどまさに典型。来年も同じような状況になったら何とかしたいところ。たぶん”釣れないナブラ”になった時点では釣るのは難しすぎて、そこまでになる前の段階か餌食い尽くしてか餌居なくなって解散ってなる間際か、そういう食ってくるタイミングを探るのが正解かもしれないと思っている。
二位は、カマス狙ってて良い型の魚掛けたときに、ルアーの5ポンド道糸なら獲れる大きさ限られるけど、フライタックルだとバッキングの量も多いし、一番細いところでハリスのフロロ2号だしでカナリの大型でもハリだけのばされないように時間かけてやればあげられるという意外に不意の大物は獲れる道具立てなんだけど、今日はハリスを歯でいかれてしまった。もうチョットかかりどころが良ければあがってたと思うとアタイ悔しいっ!!
今日の魚正直竿でためきれないぐらいの突っ込みしてたけど、そういう場合は最終的には竿先魚に向けてしまって、腕を前に突き出しながら巻いて伸びた腕をまた引っぱり戻すっていうのを繰り返す”ダイレクトポンピング”が使えるし、竿先魚に向けてしまえばフライリールはギア比1:1で巻き取り力は強いので切れないように加減しつつゴリゴリ巻いても結構やれる。まあまた機会が巡ってくることもあるだろう。次は獲る。
三位は糠まで買って仕掛けも作って準備はできてるんだけど、アカカマス釣れ始めてしまってそれどころじゃなくなったので放置している。糠にダ二とかわくまえに一回やってみんといかんナ。
○ルアー:一位「ワンダースリム」二位「フラッタースティック」三位「CD5」
一位の「ワンダースリム」はお尻だけ白に残して蛍光黄色に塗った”紀伊色”で、70と90が絶好調でシーバス連れてきてくれた。この手の陸っぱりで使うシンキングペンシルの元祖ってワンダーシリーズだと思うけど、元祖が一番手に入りやすいし釣果も安定してるように感じる。
二位「フラッタースティック」は廃盤の7センチは東京湾でもお世話になったけど、まだ生産されている4センチがメッキ釣るのに大活躍で、メッキ釣りにおいては絶大な信頼をおいて愛用してきたBHポッパーより後半投げる機会が多かった。良い型のチヌも2匹連れてきてくれて良い仕事しまくりである。
三位はやっぱり偉大なラパラのCDという感じで、水底でフック着底させて立つぐらいの絶妙のユルい沈み具合と、大きめリップで着実な立ち上がりと安定した動きが見釣りで狙うチヌに効果ありで良い魚2匹連れてきてくれた。来年もたぶん10年後とかも投げてるだろう。
○釣り具:一位「マイクロライトグラス76UL2」二位「クレイジーチャーリーオレンジ」三位「白滝330」
一位は、バスプロショップスの通販で米国から取り寄せてみたものの、ぱっと見の余りのショボさにややガックリきたんだけど、使ってみるとこれが働く働く。グラスのグニャ竿なので、アタリ弾かないのとバラしが少ないのは期待どおりだけど、7フィート半と長めなのでメッキで気持ちよく曲がる竿先の柔らかさと、年無しのチヌの突進もためる根元の力強さが同居している。長い分持ち重り感はあるけどそれを我慢して使うに値する万能ッぷりで、米国人はクラッピーやらギル釣っててデカバスやナマズ系が来ても獲れる竿として使ってるんだろうけど、この地じゃメッキやセイゴ釣っててチヌや小マシな型のフッコが来ても獲れる竿として予想外の大活躍。もう1本欲しいんだけど送料の方が高くなるような安竿なのでいっそ2本買っちまおうかとか真剣に悩んでいる。暇ができたら使ってない竿何本か売りに出して整理して買いたい。アメリカの釣り具は見た目どうかと思うのも多いけど実用性はかなり高くて信用できる。ただ、アグリースティックのガイドだけは何とかして欲しい。昨年買ったエリートのガイドはトップだけで済まなくて結局全部取っ替えた。
二位のクレージーチャーリーのオレンジ色は、クリスマス島にボーンフィッシュ釣りに行くのに巻いたけど、毛足の長いのは現地ガイドのお気に召さなくて使わしてもらえなくて余ってたので使ってみたってだけにもかかわらず、なぜか近所のアカカマスには気に入られて好成績。フライ巻く材料は在庫沢山抱えてるのでフライで釣れるというのは経済的にもとっても助かる。単純なパターンなので巻くのも楽で良い。単純な造形にもかかわらずチェーンボールの目が付いてるからか見た目愛嬌があってフライボックスに並んでるのも楽しい感じがする。
三位の延べ竿「白滝330」は「早霧4.5」とともに、当地での小物釣りで大活躍。ハゼにマアジにゴンズイにとなんでも釣れて楽しい小物釣り。特にヘラ浮子使ってコマセをチョットずつ効かせて釣るマアジ釣りは、後半キタマクラとの壮絶な戦いの要素も加わって俄然難しく面白くなった。キタマクラ邪魔だけど、邪魔をかわしてなんとか釣ろうとする苦労の中にこそ釣りの醍醐味があると思うところ。あんまり攻勢かけてくれるなと思うけど、キタマクラも居ないような海での釣りなんてつまんねぇゼと強がっておきたい。
○PENN:一位「430ssg」二位「420SS」三位「714Z」
遠征のお供の「タックルオートSS」、「タックル5」と安っぽさを楽しむ「アクションM」「タックルA」といった大森勢も使ってるけど、やっぱりアタイはPENNが好きっ。
ということで、一位はメッキやらチヌやら釣る主軸に、黄色のマイクロライトグラスにいつもの430ssg。とりたてて優れてるとも思わないんだけど、なんだかんだで長いつきあいになってて手に馴染んでるし信頼している。理屈じゃなくて好きなリール。
二位の4200SSは師匠であるJOSさんからの餞別。コイツと300円で買ったパックロッドでメッキ釣ったりチヌ釣ったり、新天地でのスタートダッシュを決めたりました。
三位の714Zはシーバス用のアグリースティックエリート7fのシートに430ssgの樹脂製で厚みのある足がイマイチしっくりこないので起用中。やりとり中にドラグの音出しの部品が外れて困った以外には問題なく、ドラグもカーボンシートにしてあるので今時のリールと変わらんというか、PENNなので優秀でシーバス釣るのはしばらくこいつに任せたい。ドラグの音出しパーツのネジには緩み防止剤「ロックタイト」を垂らして対策済み。インスプールのリールは慣れると使いやすいように感じる。この時代のリールで魚釣るのに何の問題もないっていうのが分かると、新しい釣り具売るのって難しいンだろうなと実感する。
この3台はしばらく出番がない予定なので、昨夜分解清掃してグリスとオイルを入れ直した。シーズン中は基本、ラインローラー、ハンドルノブ基部、スプールハズして主軸の根元に注油のみで済ませているので、年に1回ぐらいはと、日頃の感謝を込めて手入れしておいた。
という感じで、今年は新天地で良い釣りを満喫したという印象が強く満足度が高いんだけど、一方でこの好釣も想定内ではあって、もっと想定外の突き抜けた釣果を得て、特別な釣り人になりたいという欲深い思いがないわけではない。たぶん、ここから5年ぐらいが気力体力的に思いっきり釣りできる最後の期間だと思うし、仕事もしてないので何かあっても迷惑かけることも少ないはずで、ぶっ倒れても良いから行けるところまで行くつもりで全力で行ったれって思っている。アホやなぁ。
皆様、今年の釣りは楽しかったですか?それでは良い年をお迎えください。
2019年12月31日火曜日
2019年12月29日日曜日
2019年のベスト3(エンタメ編)
釣りに行く、帰ってきたら道具塩抜きして魚下処理して、シャワー浴びてメシ食って、余力があったら顛末記書いて、なければ明日回しにしてとりあえず明日の釣りの準備はする。
釣りに行かない日には、溜まってた洗濯物かたづけたり、買い物行ったり主夫としてやらなきゃならんことはそれなりにある。
仕事もせずにノンビリ釣りだけして暮らせば、本読む時間ぐらいいくらでもあるだろうと思ってたら大間違いで、ひたすら釣りの準備と釣りと釣りの後の整理とで、家のことをやってくれるメイドでも雇えりゃ話は別なんだろうけど、主夫業と365日体制の釣り師の2足のわらじは結構忙しい。やることやりたいこと沢山あって超絶楽しいからいいんだけど。
ということで、エンタメには今年の後半は記憶にないぐらい時間が割けなかった。
それでもアニメは放映中のを週10本ぐらいはネット配信で見ているし、マンガも続きモノの続刊は出れば読んでいる。活字本はさすがに「積ん読」が増えてる。
でも、いつまでも体ぶっ壊しそうな勢いで釣りに行き続けることもできないだろうから、「積ん読」にしておく本は積んどきゃいいって気がする。紙の本じゃないので場所取るわけじゃなし、読める時期が来たら読めば良いぐらいに思ってる。
そんなわけで、いつもより少ない本数から選んでるけど、かといってつまんなかったとか小粒だったとかいうことはなくて、たぶん自分にとって一番面白そうなヤツから順に手を出してるんだろうから上位の水準はたいして変わらないものなのかもしれない。
○活字本:一位角幡唯介「極夜行」二位吉村龍一「海を撃つ」三位西尾維新「余物語」
一位の「極夜行」は文句なし”角幡文学”の最高到達点。この地球上に人が踏み入れていない場所なんて残されていない”冒険家受難”の時代に、自分はなぜ冒険を求めてやまないのか?冒険とは何ぞや?という答えのない禅問答に、日の昇らないなか極寒の北極圏を旅するという、なんともどれだけそれが冒険的なのか素人には分かりにくい手法で迫りまくる。凄く哲学的な自問自答に溢れてるんだけど、小難しくてややこしいこと考えてるくせにやってることやら漏れ出る感情とか妙に抜けてたりしておかしみが滲み出るのが”角幡文学”の隠し味。なんでも便利になって与えられた安全に安寧としていると、気付かないうちに魂が家畜化してそうな昨今、魂を柵から解き放つにはGPSももたずに暗黒をさまようしか手段がなくなっている、なんていう悪夢的な管理社会が現実化しているのかもしれない。
二位の「海を撃つ」は”和製白鯨(東北地方版)”という感じで、漁師の執念というか獲物に掛ける情念を描いていて秀逸。釣り人なら楽しめること間違いなし。古い時代背景で書かれているけど、作中出てくるメカジキ突きん棒漁は銛が電気銛になったぐらいで同じように現存してます。
三位はライトノベルです。活字本に数えて良いのかどうか迷ったけど、一般小説でも芸術作品と娯楽作品の違いってあるんだかないんだかオラしらねぇってぐらいで、いちいち分ける必要ないダロって話で、それより分けるなら面白いか面白くないかの視点で分けろってことで、ラノベでも面白ければ良いじゃんって”物語シリーズ”最新刊は面白かったので入れてみた。ラノベって何だ?って聞かれるとたぶん一番分かりやすい分け方は、各出版社の”ライトノベルレーベル”から出てる本がラノベってことになるんだろうってぐらい、実は内容とかそのあたりは一般の小説にもラノベの内容のはあるし、ラノベにもクソ文学的な作品もあったりする。その中で私が分かりやすくラノベ読んだことがない人にラノベとは何ぞやを説明するなら「少年マンガのノリの物語を活字で表現したモノ」となる。人気作が長期連載化するのとか全く少年漫画的で本作もシリーズ第26巻という長編シリーズになっていて途中アニメ化して盛り上がってた頃正直本編引き延ばし感があって中だるみしてたけど、大学生編に突入して俄然本来の面白さを取り戻した。今後も続刊すぐ出る系の速筆な西尾先生に期待。
○マンガ:一位「ライドンキング」二位「ディザインズ」三位「1518!」
「ライドンキング」はもう、どうしようもなくしょうもなくてオレ好み。プーチン大統領を元ネタとした、架空の旧ロシア小規模独立国家の大統領プルチノフ閣下が剣と魔法のファンタジー系異世界に飛ばされて、持ち前の近接格闘術やら軍事的知識に強気の交渉力やらで大活躍というバカバカしいにもほどがある作品なんだけど、妙に細かい所まで凝ってたりして痒いところに手が届く面白さ。魔法の軍事的利用方法とかなかなかに鋭い視点で馬場先生の慧眼に敬意を表するところである。ライドンッ!
二位は、遺伝子組み換えとかの禁断の分子生物学的技術を使って動物の能力を取り入れて設計された人間(本作では実は・・・)が戦うっていうSFの世界では佃煮にされるほど描かれてきた題材だけど、五十嵐先生の観察眼と独特の世界観がなかなかどうしてすんばらしいSFマンガ。いつもクールで何があってもケロッとしているカエル娘が後発のイルカ人間チームに格闘訓練でコテンパンにやられて「強くなった、100回やれば99回負けるだろう」って負けを認めるんだけど、一回勝つ方法を聞かれて「今度教える」っていったのは、今度教えるときが実戦で最後の授業になる伏線だろうなと思ってたら、なるほどなって感じで伏線回収して完結した。そういうケロッとクールな戦闘マシーンのカエル娘が水掻きの付いた自分の足にあうようにサンダルを自作してたりする何気ない心理描写もなかなかに味わい深い。次作も期待せざるを得ない。
三位はむせっかえるほどの青春モノ。肘やっちゃって野球できなくなった少年を中心に作者の好みが如実に表れた小柄なヒロインやら同級生やら先輩やらの恋あり笑いありの青春群像劇。オレらしくないマンガを選んだ気がするけど面白かったんだから仕方ない。白秋のオッサンにはこういうのが胸に来たりするんだよね。
○アニメ:一位「空位」二位「彼方のアストラ」三位「どろろ」
一位は「空位」という題名の作品があったわけじゃなく、どっかのバカがガソリン撒いて、作るはずだった人達を焼き殺したので、この秋放送のはずだったけど放映されなかった「小林さんちのメイドラゴン」2期が座ってしかるべき場所を空けておく。
人が人の過ちを許さなければ、復讐の連鎖に飲み込まれ争いがなくならないってのは今放映している名作決定済みアニメ「ヴィンランドサガ」でもイヤッちゅうほど描かれているけど、それでもオレはトルフィンのように仇を目の前にしてオノレの怒りを収める自信はない。何かの弾みで法務大臣にでもなって生殺与奪の権をオレが握ったなら、ためらいなく極刑にすることを了承して、なんの後ろめたさも感じずにその瞬間だけスッキリするだろう。そんなことしても死者は蘇らないし意味などないと分かっていてもケロッとやる自信がある。愚かだなぁオレ。
二位は、原作マンガの評価も高かったようだけど未読で、アニメで初めて知った。宇宙で遭難した少年少女が生還するために奮闘するってSFモノなんだけど、謎解き要素が大きいミステリものでもあって、これがなかなかにトリックが色々と凝ってて面白く、少年漫画的な友情努力勝利もキッチリ織り込んであって実に良くできた物語で高評価も納得。お見事って感じ。
三位はあの世でマンガの神様が、”6鬼太郎”絶好調の水木先生にドヤ顔で「僕の妖怪マンガもなかなかヤるでしょ」と自慢しているんじゃなかろうか。百鬼丸と多宝丸のそれぞれの正義とそれぞれのエゴがぶつかりあって、にわかにはどちらが悪とも正義とも断じられないめんどくささとか、さすがは神様の作品は味わい深いなと思う。思うンだけど”どろろ”の可愛らしい魅力の前にはそんなことは案外どうでも良くなるぐらいに手塚キャラの魅力はなんちゅうか沼のように深いモノがあるように感じる。剣劇場面の格好良さとか映像美も堪能した。
という具合で、今年もいろんな作品が私を楽しませてくれた。作品を作りだしてくれる人々に感謝すると同時に、京都アニメーション放火殺人事件で亡くなった方々に改めて哀悼の意を表します。
2019年12月22日日曜日
妄想フライボックス カマス始めました
前回の「妄想タックルボックス」が紹介したルアーがワーム以外、文字通りアタリもかすりもしなかったという、わたくし史上稀に見る大ハズレをやらかして、まさにワシの頭の中だけに存在した”ザ妄想”という感じで、ある意味実に良いネタだったと苦笑しているところである。
魚釣りで作戦どおりに事が運ぶなんてのは、10試みて1あれば万々歳で、上手くいかなくて当たり前なんだけど、ここまで綺麗にお手上げっていうのもある意味めずらしく、こういう今までの認識が通用しない獲物が身近にいたっていうのが新鮮な驚きでもある。
カマスってあのでっかい口でガンガン餌でもルアーでも見境なしに食ってくる印象を持ってたんだけど、間違いなく苛烈な魚食魚のはずなのにワームの色が違うだけで沈黙するとか、早い上下動に反応する活性の高い日は稀で、底近くにいるののチョイ上ぐらいをデロデロ~ンとユックリ引いてくるワームやらフライにしか食ってこないことが多いというやる気のなさが、これまで釣ったことある魚食魚たちとはチョット異質だなと感じている。
逆に言えば、腹に餌入ってる個体をコレまで1匹しか見なかったっていうぐらいで餌食ってなくて、たぶん基本冬ごもり中で波穏やかな湾内で群れているくせに、近くに来れば餌襲うし、あまつさえ何かの拍子で活性高ければジグやらサビキやらしゃくる激しい動きでも食ってくるっていう食い気を抑えきれないという事実の方がカマスのやんちゃぶりを示していると見るべきなのかもしれない。
てなかんじで、ルアーは黄色オレンジのパルスワームのデロデロ引き以外に展開が作れず、これフライで釣るってのも切る札として使えないだろうか?ぐらいのダメ元で狙ってみたら、開けてびくりで自分のつたない”インチキ”なフライフィッシングの技術でも何とかなってしまうぐらいに釣りやすいことが判明した。
ということで、コレから紹介するフライは、これで釣りたいなとかコレで釣れるに違いないっていう”妄想”だったのは始める前で、すでに釣ってしまって現実化した妄想フライボックスになっているという展開の早さだけど、カマス用に妄想たくましく新たに巻いたフライやコレまで巻いたフライの再利用なんかについて紹介してみたい。
とりあえず、カマス用フライっていうと海で使うフライとしては最も一般的なモノのひとつである長い軸のハリに胴を銀色とかで巻いて、ウイング部分を各色に染めたバックテール(鹿の尻毛)やキラキラ光るフラッシャブーなどの素材を束ねたものを、4,5センチの大きさでシュッと細めに作るというのがお作法のようである。
まあいくつか作って用意した。基本特定の餌に狂ってるという状況でもなく、沢山いるうちのやる気のある個体が反射的にか出来心でか食ってくるっていう状況だろうから、あんまり特定の餌生物を模写したマッチザベイトなフライを作っても仕方なく、こういう場合はなんとなく魚っぽくて、そこそこ派手で嫌われない程度に目立つっていうのが正解なのかなと想定した。
そうなってくると、頼りになるのは先人達の知恵や経験で磨かれて生き残ってきたスタンダードな古典的パターンから入って行くのが王道というモノだろう。
ワームで黄色オレンジが効いていたので黄色とオレンジのバックテールを束ねた「ミッキーフィン」は真っ先に思いついて巻いた。左上の2本。
左下は”紀伊半島は黄色が効く”を証明すべく、黄色のバックテールに目立たせるためにギラギラ反射する商品名でいうところのミラージュというフラッシャブーを混ぜた。こういうのは特別なことがなければ素材名で呼ぶので「黄色ミラージュ」なのかな。
真ん中左上は透明感ある白系もシラスとかの稚魚っぽくて良いかもと、化学繊維素材のエンジェルヘアーパールブルーを下に上には、何度も野生動物の商取引に関する国際約束、いわゆるワシントン条約で商取引禁止の付属書Ⅰ入りが提案されているホッキョクグマの毛をあしらってみた。呼び名は「白熊」ってことでひとつよろしく。
北極の気温が上昇して危機的状況にあるホッキョクグマを保護しなければならないという趣旨には反対するわけではないが、動物愛護ファシストどもが”毛皮を着るな”だの被服文化はワシャ知らんにしても狩猟民族やら狩りを生業にする人の文化伝統経済活動を真っ向否定する物言いにムカつきまくるので、希少な動物の毛もご禁制の品でもなければ大事に使わせてもらいます。
ホッキョクグマの毛、今でこそ透明感のある化学繊維なんていくらでもあるけど、それ以前は、中空で保温性が良く透明で太陽の熱で肌を温めることができるというホッキョクグマの極北で生きるための適応が詰まった毛が、縛ると適度に開いてくれてかつワカサギのような透明感のある魚の質感を産むという、毛鉤作りの素材としては希有な存在だったんだと想像に難くない。
今では代替するような素材はいくらでも売ってるけど、白熊の毛の方が”特別な力”が宿りそうで、そういう霊的なモノを理屈では信じてはいないけど、そういうふうに思いこむことによって生じる集中力とかがあることは信じている。
その下は、白系も巻いたら黒系も欲しいな、ということで伝統的な川でのマス釣りに使われてきたストリーマーのパターンから「ブラックノーズデース(黒鼻のウグイッポイ魚)」を持ってきた。これでフライフィッシングを始めた頃(30年近い昔)ニゴイを釣ってたっていう懐かしいパターン。渋い色合いにお尻の赤がワンポイントで洒落てる。
真ん中右の2種は、小さいのも巻いとくかと黄色のバックテールで胴と頭をオレンジのセキ糸で巻いたものと、茶色のバックテールを茶色のセキ糸で巻いたモノ。
一番右が、黄色とオレンジの暖色系派手系が強いという、カマスに限らずこの地のルアーでの傾向もふまえてそういう色が多めなので、色目を変えて反応を引き出すのに逆も巻いておくかと寒色系。青のバックテールと青系フラシャブーで巻いてみた。呼称は「青フラッシャブー」だな。
主軸は、このあたりにあと追加で毎回お試しフライを持ち込んで、反応良ければ主軸に入れていくつもりだけど、フライパターンがどうこうより、良い棚を引けるかとか飽きられたらマメに換えるとかが大事だと思うので、そんなにフライパターンの種類は増やさなくてもいけるかもと思っている。自信を持って投げられるのを作っていくのが大事かなと。
で、あらたに巻いたのはこのぐらいなんだけど、これまでも海のフライにはそこそこ手を染めていて、巻いた在庫がある。
その中から使えそうなのをと考えると、あんまり大きなシイラカツオ用やらはダメだろうから、シーバスやメバル用、遠征のボーンフィッシュや珊瑚礁の小物用あたりから選んだ。
小さめのF'sクラウザーミノーが上の方の写真のボックスの上の棚。
左下はウーリーバッガーやらウサギの皮系でウニョウニョした地味系。右下は青物ナブラとか発生した時用のコルサーポッパーなど。
ボックスの写真では真ん中左が最初に紹介した主軸のデシーバー系(ストリーマー系か?)で真ん中右がクリスマス島用に巻いたのが大量在庫してあるクレイジーチャーリー各色で左の写真が並べたところ。コイツはチェーンボールの目玉が付いていて、ちょっと沈むのでカウントダウン数を増やして”ライン根掛かり”の危険性を上げずに棚を微妙に下げる効果も期待できる。
細いボディーに薄くウイングが付いているのは主力のデシーバー系と共通、それにオモリでもある目玉を付けてフックをひっくり返してあるので根掛かりにも強い。海のフライマンには大人気のパターン。これは絶対釣れるハズの鉄板。
っていう感じで妄想して、実際に釣り場に持ち出したら、ワームでの特定の色への反応の強さから色で明確にアタリの数とか変わってくるだろうと思ってたんだけど、そこまで極端に違いはなくて、むしろ”変えると来る”の効果が結構あるなという感触。
青フラッシャブーとか、ダメなことを確認しようぐらいのつもりで投げたのに結構良い感じで釣れたので意外だった。
投げてないフライもまだあるけど、現時点で暫定的に当たりフライを選ぶならオレンジのクレイジーチャーリーと黄色ミラージュかな。
クレイジーチャーリーは棚が変わる効果もたぶんあったんだと思うけど”変えると来る”が何度もあった。なんでも釣れて超優秀毛鉤。
カマスの歯はご存じのように鋭くて、ハッキリ言って掛かったときに口の中にティペット(ハリス)まで入ってたらフロロ5号だろうが切れるので、割り切って根がかったときの切りやすさ重視、フライの漂い感と食い込みの良さ重視で2号フロロを使っている。
切られないようにするには、あんまり一生懸命追わせてガップリ食わせると口の奥に掛かるので、遅く引いてやる気なく後ろの方咥える程度に咥えさせるのが良いらしい。
逆に食い込み浅くて掛からないなら早く引けだそうだ。ホントかどうか試していきたい。
何匹か釣ると、ハリス切られなくても歯でウイングが刈り込まれてもともと薄毛に細く仕上げてるのにハゲ散らかしてくるし、胴の銀色のテープが切れて剥がれてくる。
いちいちエポキシでコーティングするのも面倒だし、どうにかならんものかとグチってたら、ケン一から銀のテープ巻く前に瞬間接着剤を胴の下巻きに塗ってからサッと銀を巻いてしまうと切れてもバラバラとめくれにくくなると教えてもらったので、比較的手間が少ないのでそれで行きたい。
釣りの情報でこういう細かいコツって大事で、今回引っ張り出してきたラインシステムもJOSさんに連れられてニゴイ狙いに行ったとき、教えを受けて組んだラインシステムで、今見ても取り込みの時リーダーの結び目が引っかかってガイドを通らないトラブル防止に熱収縮チューブが被せてあるのとか、沈みが早く癖が付きにくいシンキングのブレイデッドテーパーリーダが使ってあったりと細かいところの積み重ねでトラブル少なく釣りが続けられるようになってるなと改めて感心した。
そういう情報って、いくらでも釣りの情報なんてネットに溢れてるなかでも、ホントに欲しい情報にたどり着くのって「我が社の製品を買いましょう」的なクソ情報が多すぎて難しくて、結局は長くやってる玄人衆に聞いちゃうのが早いのであった。
ワシはインチキフライマンで、フライフィッシングはフライが有利な状況やらフライで釣ったら楽しそうな獲物がいたりしたら手札の一つで出してくるって程度だけど、周りに腕利きのフライマンは多いので、お知恵拝借しながらなら何とか魚釣れたりするんである。
フライフィッシングでも何かというと飛距離だ感度だフライパターンだと道具にばかり目が行きがちだけど、魚釣るのに重要なのはそういうのに関するのも含めて”情報”だと思っている。アホみたいな垂れ流し情報じゃなく、ちゃんとした経験に基づいたりやりこんでる人が提供してくれたりする情報があれば、シューティングヘッドのシンキングラインを15m投げられるだけで海でお魚釣れたりするんです。
海のフライフィッシングだからといってあんまり難しいモノだと考えなくていいけど、海のフライフィッシングで魚釣れない人間が、ルアーなら餌なら魚釣れるかっていったら、ろくに釣れるわきゃないって話で釣りそのものにつきまとう共通の難しささえやっつける気概があるなら、いまフライフィッシング全体がブームもしぼんで中古の道具も安いだろうし海のフライは初め時かもしれませんよ。と無責任に薦めてみる。
魚釣りで作戦どおりに事が運ぶなんてのは、10試みて1あれば万々歳で、上手くいかなくて当たり前なんだけど、ここまで綺麗にお手上げっていうのもある意味めずらしく、こういう今までの認識が通用しない獲物が身近にいたっていうのが新鮮な驚きでもある。
カマスってあのでっかい口でガンガン餌でもルアーでも見境なしに食ってくる印象を持ってたんだけど、間違いなく苛烈な魚食魚のはずなのにワームの色が違うだけで沈黙するとか、早い上下動に反応する活性の高い日は稀で、底近くにいるののチョイ上ぐらいをデロデロ~ンとユックリ引いてくるワームやらフライにしか食ってこないことが多いというやる気のなさが、これまで釣ったことある魚食魚たちとはチョット異質だなと感じている。
逆に言えば、腹に餌入ってる個体をコレまで1匹しか見なかったっていうぐらいで餌食ってなくて、たぶん基本冬ごもり中で波穏やかな湾内で群れているくせに、近くに来れば餌襲うし、あまつさえ何かの拍子で活性高ければジグやらサビキやらしゃくる激しい動きでも食ってくるっていう食い気を抑えきれないという事実の方がカマスのやんちゃぶりを示していると見るべきなのかもしれない。
てなかんじで、ルアーは黄色オレンジのパルスワームのデロデロ引き以外に展開が作れず、これフライで釣るってのも切る札として使えないだろうか?ぐらいのダメ元で狙ってみたら、開けてびくりで自分のつたない”インチキ”なフライフィッシングの技術でも何とかなってしまうぐらいに釣りやすいことが判明した。
ということで、コレから紹介するフライは、これで釣りたいなとかコレで釣れるに違いないっていう”妄想”だったのは始める前で、すでに釣ってしまって現実化した妄想フライボックスになっているという展開の早さだけど、カマス用に妄想たくましく新たに巻いたフライやコレまで巻いたフライの再利用なんかについて紹介してみたい。
とりあえず、カマス用フライっていうと海で使うフライとしては最も一般的なモノのひとつである長い軸のハリに胴を銀色とかで巻いて、ウイング部分を各色に染めたバックテール(鹿の尻毛)やキラキラ光るフラッシャブーなどの素材を束ねたものを、4,5センチの大きさでシュッと細めに作るというのがお作法のようである。
まあいくつか作って用意した。基本特定の餌に狂ってるという状況でもなく、沢山いるうちのやる気のある個体が反射的にか出来心でか食ってくるっていう状況だろうから、あんまり特定の餌生物を模写したマッチザベイトなフライを作っても仕方なく、こういう場合はなんとなく魚っぽくて、そこそこ派手で嫌われない程度に目立つっていうのが正解なのかなと想定した。
そうなってくると、頼りになるのは先人達の知恵や経験で磨かれて生き残ってきたスタンダードな古典的パターンから入って行くのが王道というモノだろう。
ワームで黄色オレンジが効いていたので黄色とオレンジのバックテールを束ねた「ミッキーフィン」は真っ先に思いついて巻いた。左上の2本。
左下は”紀伊半島は黄色が効く”を証明すべく、黄色のバックテールに目立たせるためにギラギラ反射する商品名でいうところのミラージュというフラッシャブーを混ぜた。こういうのは特別なことがなければ素材名で呼ぶので「黄色ミラージュ」なのかな。
真ん中左上は透明感ある白系もシラスとかの稚魚っぽくて良いかもと、化学繊維素材のエンジェルヘアーパールブルーを下に上には、何度も野生動物の商取引に関する国際約束、いわゆるワシントン条約で商取引禁止の付属書Ⅰ入りが提案されているホッキョクグマの毛をあしらってみた。呼び名は「白熊」ってことでひとつよろしく。
北極の気温が上昇して危機的状況にあるホッキョクグマを保護しなければならないという趣旨には反対するわけではないが、動物愛護ファシストどもが”毛皮を着るな”だの被服文化はワシャ知らんにしても狩猟民族やら狩りを生業にする人の文化伝統経済活動を真っ向否定する物言いにムカつきまくるので、希少な動物の毛もご禁制の品でもなければ大事に使わせてもらいます。
ホッキョクグマの毛、今でこそ透明感のある化学繊維なんていくらでもあるけど、それ以前は、中空で保温性が良く透明で太陽の熱で肌を温めることができるというホッキョクグマの極北で生きるための適応が詰まった毛が、縛ると適度に開いてくれてかつワカサギのような透明感のある魚の質感を産むという、毛鉤作りの素材としては希有な存在だったんだと想像に難くない。
今では代替するような素材はいくらでも売ってるけど、白熊の毛の方が”特別な力”が宿りそうで、そういう霊的なモノを理屈では信じてはいないけど、そういうふうに思いこむことによって生じる集中力とかがあることは信じている。
その下は、白系も巻いたら黒系も欲しいな、ということで伝統的な川でのマス釣りに使われてきたストリーマーのパターンから「ブラックノーズデース(黒鼻のウグイッポイ魚)」を持ってきた。これでフライフィッシングを始めた頃(30年近い昔)ニゴイを釣ってたっていう懐かしいパターン。渋い色合いにお尻の赤がワンポイントで洒落てる。
真ん中右の2種は、小さいのも巻いとくかと黄色のバックテールで胴と頭をオレンジのセキ糸で巻いたものと、茶色のバックテールを茶色のセキ糸で巻いたモノ。
一番右が、黄色とオレンジの暖色系派手系が強いという、カマスに限らずこの地のルアーでの傾向もふまえてそういう色が多めなので、色目を変えて反応を引き出すのに逆も巻いておくかと寒色系。青のバックテールと青系フラシャブーで巻いてみた。呼称は「青フラッシャブー」だな。
主軸は、このあたりにあと追加で毎回お試しフライを持ち込んで、反応良ければ主軸に入れていくつもりだけど、フライパターンがどうこうより、良い棚を引けるかとか飽きられたらマメに換えるとかが大事だと思うので、そんなにフライパターンの種類は増やさなくてもいけるかもと思っている。自信を持って投げられるのを作っていくのが大事かなと。
で、あらたに巻いたのはこのぐらいなんだけど、これまでも海のフライにはそこそこ手を染めていて、巻いた在庫がある。
その中から使えそうなのをと考えると、あんまり大きなシイラカツオ用やらはダメだろうから、シーバスやメバル用、遠征のボーンフィッシュや珊瑚礁の小物用あたりから選んだ。
小さめのF'sクラウザーミノーが上の方の写真のボックスの上の棚。
左下はウーリーバッガーやらウサギの皮系でウニョウニョした地味系。右下は青物ナブラとか発生した時用のコルサーポッパーなど。
ボックスの写真では真ん中左が最初に紹介した主軸のデシーバー系(ストリーマー系か?)で真ん中右がクリスマス島用に巻いたのが大量在庫してあるクレイジーチャーリー各色で左の写真が並べたところ。コイツはチェーンボールの目玉が付いていて、ちょっと沈むのでカウントダウン数を増やして”ライン根掛かり”の危険性を上げずに棚を微妙に下げる効果も期待できる。
細いボディーに薄くウイングが付いているのは主力のデシーバー系と共通、それにオモリでもある目玉を付けてフックをひっくり返してあるので根掛かりにも強い。海のフライマンには大人気のパターン。これは絶対釣れるハズの鉄板。
っていう感じで妄想して、実際に釣り場に持ち出したら、ワームでの特定の色への反応の強さから色で明確にアタリの数とか変わってくるだろうと思ってたんだけど、そこまで極端に違いはなくて、むしろ”変えると来る”の効果が結構あるなという感触。
青フラッシャブーとか、ダメなことを確認しようぐらいのつもりで投げたのに結構良い感じで釣れたので意外だった。
投げてないフライもまだあるけど、現時点で暫定的に当たりフライを選ぶならオレンジのクレイジーチャーリーと黄色ミラージュかな。
クレイジーチャーリーは棚が変わる効果もたぶんあったんだと思うけど”変えると来る”が何度もあった。なんでも釣れて超優秀毛鉤。
カマスの歯はご存じのように鋭くて、ハッキリ言って掛かったときに口の中にティペット(ハリス)まで入ってたらフロロ5号だろうが切れるので、割り切って根がかったときの切りやすさ重視、フライの漂い感と食い込みの良さ重視で2号フロロを使っている。
切られないようにするには、あんまり一生懸命追わせてガップリ食わせると口の奥に掛かるので、遅く引いてやる気なく後ろの方咥える程度に咥えさせるのが良いらしい。
逆に食い込み浅くて掛からないなら早く引けだそうだ。ホントかどうか試していきたい。
何匹か釣ると、ハリス切られなくても歯でウイングが刈り込まれてもともと薄毛に細く仕上げてるのにハゲ散らかしてくるし、胴の銀色のテープが切れて剥がれてくる。
いちいちエポキシでコーティングするのも面倒だし、どうにかならんものかとグチってたら、ケン一から銀のテープ巻く前に瞬間接着剤を胴の下巻きに塗ってからサッと銀を巻いてしまうと切れてもバラバラとめくれにくくなると教えてもらったので、比較的手間が少ないのでそれで行きたい。
釣りの情報でこういう細かいコツって大事で、今回引っ張り出してきたラインシステムもJOSさんに連れられてニゴイ狙いに行ったとき、教えを受けて組んだラインシステムで、今見ても取り込みの時リーダーの結び目が引っかかってガイドを通らないトラブル防止に熱収縮チューブが被せてあるのとか、沈みが早く癖が付きにくいシンキングのブレイデッドテーパーリーダが使ってあったりと細かいところの積み重ねでトラブル少なく釣りが続けられるようになってるなと改めて感心した。
そういう情報って、いくらでも釣りの情報なんてネットに溢れてるなかでも、ホントに欲しい情報にたどり着くのって「我が社の製品を買いましょう」的なクソ情報が多すぎて難しくて、結局は長くやってる玄人衆に聞いちゃうのが早いのであった。
ワシはインチキフライマンで、フライフィッシングはフライが有利な状況やらフライで釣ったら楽しそうな獲物がいたりしたら手札の一つで出してくるって程度だけど、周りに腕利きのフライマンは多いので、お知恵拝借しながらなら何とか魚釣れたりするんである。
フライフィッシングでも何かというと飛距離だ感度だフライパターンだと道具にばかり目が行きがちだけど、魚釣るのに重要なのはそういうのに関するのも含めて”情報”だと思っている。アホみたいな垂れ流し情報じゃなく、ちゃんとした経験に基づいたりやりこんでる人が提供してくれたりする情報があれば、シューティングヘッドのシンキングラインを15m投げられるだけで海でお魚釣れたりするんです。
海のフライフィッシングだからといってあんまり難しいモノだと考えなくていいけど、海のフライフィッシングで魚釣れない人間が、ルアーなら餌なら魚釣れるかっていったら、ろくに釣れるわきゃないって話で釣りそのものにつきまとう共通の難しささえやっつける気概があるなら、いまフライフィッシング全体がブームもしぼんで中古の道具も安いだろうし海のフライは初め時かもしれませんよ。と無責任に薦めてみる。
2019年12月14日土曜日
噂のカマスも黄色がお好き?
カマス爆釣(ッテほどでもないのか?)して、次の作戦の妄想で頭の中が一杯になっている。
圧倒的に釣れたのが、バークレイの生分解性ワームであるガルプシリーズ、パルスワーム8センチのチャートリュースグリーンブラックフレークオレンジという長ったらしい色名だけど要するに黄色とオレンジの派手な色で、白と明確にアタリの数が違った。
紀伊半島は黄色が効くっていうのが自分の中でそろそろ信仰と化しつつあって、全てのルアーを黄色く塗れと、ローリングストーンズの”ペイント・イット・ブラック”の伴奏が頭の中で鳴り始める。ペイント・イット・イエローが最近の私的脳内流行。
まあ実際には、隣で釣ってた投げサビキのジ様のサビキは黄色くも何ともなかったので、黄色くなくても良いのかも知れないけど、色目で迷うのってあんまり良いことなくて、安定した堅い釣果の色が自分の中にあって、それを信じて投げ続けられるというのは”その日の状況にマッチしたカラーをチョイス”とか釣り具売る側が仕掛けてくる洗脳にハメられてあれこれ迷ってルアー交換してるより結果は良いと信じている。迷ってる暇があったら投げておけってことだと思う。
この色は違うんじゃないか?っていう迷いは焦りにつながり、巻く手を早めてしまいルアーをしっかり狙った棚で狙った速度で引き切れなくなる。
以前にもどこかで紹介したかもだけど、何本もハリを付けて引っ張る”ひき縄”でタチウオを釣る漁業者が自作のテンヤに掛ける餌として切り身餌とエコギアのワームを使ってて、活性上がってくると餌もちの良いエコギアを全部のハリにかけるんだけど、この時に色がピンクだけで取材記者だったかが「状況によって色変えた方がイイのでは?」と聞いたところ「それをやり始めると当たった時は良いけどハズレが怖い。トータルで見ていくと実績の色でずっと通す方が水揚げが多くなる」ってなことを答えててナルホドナと思わされた。下手に換えると最悪いつも間違った色でハズシ続けることになりかねない。
もいっちょ紹介。昔の「東北の釣り」の実験コーナーで色縛りかけた釣り人と色自由に選んで良い釣り人のシーバスの釣果比較の報告があって、思いっきり自由に色選べる人間が成績悪く、蛍光系だけとか、ナチュラルカラーだけとか条件付けられた釣り人の方が釣っていた。1回の実験で結論づけるのは早計かもだけど、狙いがハッキリするので作戦が立てやすいのや、迷わなくて良いのが良いンじゃないだろうかと考察していて、これまたナルホドナと思わされた。
ってことで、迷わず釣れた派手な色のパルスワーム8センチをアマゾン様に発注かけたんだけど、なにげにお高いのよね。8本入りで600円チョイは1本百円近くしてて、結構シッポ噛み切られたりして、そうなると食わなくなったりで消耗する。シッポなしはストレートワームとして根魚釣りに回せば良いっちゃいいんだけど、固いルアーで釣れればワームほど消耗しなくて金かからんなと思うンだけど、ちょっと試したコーモソナーは反応なくて、色が黄色じゃなかったのが悪かったんじゃないか?とか妄想し始めたら止まらなくなった。
ということで、蔵にある水深ある船だまりである程度ストンと沈めてから引っ張ってこれる固いルアーでなるべく黄色いのを選んでみた。
まあ、そういう用途なら鉄板系含めバイブレーションだよねと思うので、蛍光黄色のシコバイブ、コーモソナーの仇を討つべく本家ヘドンのソナーフラッシュが鉄板系、その下拾った名前誌知らんバイブレーションを”紀伊色”に塗ったの、マールアミーゴにレンジバイブの名作コンビにバイブレーションなのか何なのかローリングベイト、クルクル系は後ろのペラばっかり囓ってきそうなので小ぶりなリトルジョージにしてみた。
あとはメタルジグが黄色いのなかったのでオレンジのとピンクの、スプーンは在庫してたはずの蛍光黄色のチヌーク17gが残り1個しかなかったので、バイトとチヌークの10gぐらいのをペイントマーカーで片面ペイントイットイエロー。
ちょっと迷ったのがハリで、シーバスみたいにドンと出てひったくって反転って感じじゃなくて追尾してきてハグハグ食ってくるっポイので掛かる確率上げるのにはトリプルフックの方が良いのかなとも思うんだけど、かなりしつこく追い食いして掛かるまでガンガン食ってきてたので掛かってからのバレにくさ重視のシングルフックでも良いかもしれん。けどやってみンと分からんのでどちらも用意した。
アシストフック2本付けも試してみるけど、太いPEの部分が歯で切れそうでちょっと不安もある。これもやってみんと分からん。
という感じで、次に群れに当たるのはいつか分からんけど、機会が来たらじっくり試してみたい。
金を掛けずにというなら、ジ様方式で一番下にオモリつけた胴付き仕掛けで2本サビキ付ける代わりにフライを付けてっていうのも、あれこれ工夫できて楽しいかもしれない。
フライロッド振れる場所ならそうしたい気もするけど、後ろに高い堤防があってちょっと自分の技術じゃなんとも奈良漬け。
カマスが水深のある漁港とかに滞留するのは通常冬の間らしいので、冬の楽しみができて良い感じである。
2019年12月7日土曜日
カリッとはしていないけどサクッといけるルアー製作
ルアーなんて、魚釣れればいいって程度なら作るの難しくないって昔も書いた。
いろんな小難しい屁理屈つけて新しいルアーが釣具屋に並ぶけど、昔からルアーに求められる要素もそんなに変わるわけじゃなし、売れるルアーを作るのは難しいんだろうけど、釣れるルアーなら今まであまた作られてきたルアーをお手本にすれば、”図工”レベルの技術で何とかなるものである。
今私は無職であり、なるべくこの働かなくて良い自由を満喫するべく、食費を始め諸経費切り詰めていくというのを、ある種の”遊び”として楽しんでいるところなんだけど、極論すれば楽しく生きるために仕事辞めたのに、楽しみのための経費を削って楽しみ自体が目減りしてしまっては元も子もないと、電子書籍やネット動画配信サービス、それに釣り具に掛けるお金は極力安く上げる努力はするけど”買わない”という選択肢はとらないことにして、欲しくて必要だと思うモノはためらわずに購入する方針でコレまできたところ、書籍や動画はたいした金額にならなくてホッとしたモノの釣り具関連があからさまに家計を圧迫してくる状態。
まあ、新天地で新しい釣り場や釣りモノを開拓していくにあたって、新しいルアーが必要になってくるなんていうのはある意味仕方なく、シンペンが効くってなったらワンダースリムやら海爆リップレス、フラッタースティックと新品中古買いあさって弾数揃え、やっぱりチヌにはCD5だってなると、蔵の在庫では心もとなくなって買いあさるって感じで、一年回して必要なモノを買いそろえた後なら、それ程買い足しする必要はなくなるので落ち着くとは思いたいんだけど、暇は魚釣るには忙しいちゃ忙しいんだけど、2日操業1日休みが体力的に良い感じなので、休漁日にはある程度時間ができるんだし、ルアーなんて作っちまえば良いじゃんということになった。
とりあえず、ミノーは意図する動きを出して安定して同じように作っていくにはちょっと手間が掛かるけどシンキングペンシルはぶっちゃけ、重量のバランスと形ぐらいしかいじる要素なく簡単なはずである。
それじゃあいっちょ作ってみるかとあいなった。
シンペン自体は、川崎でも”自作シンペン”は良い仕事してくれていて作成経験ありである。
とはいえ、川崎御近所ポイントで使ってた自作シンペンはスレきった都市河川のシーバス対策で”動かない”のが売りだったんだけど、当地では普通に動いた方が圧倒的にシーバスの反応が良いと感じている。
そして、色なんてなんでも良いって思ってたけど(今でも割と思っている)紀伊色が良いって思い込んでおけば色で迷う要素がなくて集中できるので、黄色と白のツートンの”紀伊色”のが良いだろう、ってことで紀伊半島仕様の自作シンペンを作ってしまおうということになった。
作り方も以前もちょっと紹介したけどもうちょっと丁寧に解説してみる。
まずは、シンキングペンシルが尻を振って動くのには2つのタイプが有るんじゃないかと思っていて、中間的なのもあるけど、片方が尻を下げてボディーのお腹に受けた水流を受け流すことで尻を振るタイプで、海爆リップレスがこれ。もう一方がルアーの背中で水を切る感じで受け流して尻を振るタイプでフラッタースティックとかこっちかなという感じ。
というわけで、後方重心にして水を受ける頭の部分を斜めに上向けてアイを上に付けたタイプと、中心に重心を集めて背中をやや盛り上がらせてアイは真ん中へんに付けた2タイプをまずは作ってみた。
作り方は、0.55mmのステンレス線で骨組みを作ってスズハンダで重量付けて割り箸にくくりつけて腐蝕止めに塗装。というこの段階でも”お手元ルアー”として使える状態にして、ここからバチより太さのある魚食ってるヤツ想定でボリュームが欲しいのと、水を受ける表面積も欲しいので肉付けする。
肉は手芸用のアクリルフェルトの白と、黄色は派手な黄色は何かないかと探したら、自分ちの蔵のフライマテリアルの棚に”オレゴンチーズ”色のエッグヤーンがあったのでそれを使う。
基本的にフライタイイングに近いって書くと、全国のフライマンからそんなタイイングしてるのはオマエだけやッ!って突っ込まれそうだけど気にしない。
盛り上げたいところとかにはあらかじめ肉もっておいて、グルグルと巻き付けてフライタイイング用の糸でグルグルとボンレスハムのように巻いていく。
巻いたら、脱酢酸系のシリコン接着剤を酸っぱ臭いの我慢してネチョネチョと繊維の隙間に浸透するように練り込んでいく。ある程度この段階で好みの形状に整えられる。
昔、プラスチックワームで家内制手工業で手作業で金型に流し込んで作ってる”ハンドポワード”なワームがあったけど、英語的に違ってる気がするけど1日ほど放置するとハンドポワードなシンキングペンシルの完成である。
綿系の素材をシリコンで固めて成型するというのは、海のフライの世界でポポビクス先生が開発した手法で、知ってる人なら知ってると思うけどそのルアーへの応用。
昔っからこの手の柔らかい樹脂製のプラグって存在して、古くは変態軟体ルアーメーカーのバーク社トップドックとか経典「ブラックバス釣りの楽しみ方」に載ってたぐらいで、いまでもマドネスのシリテンバイブとかあって私も使ってる。
こいつら、経典ではミスキャストして対岸の岩にぶつけても音がしない、って紹介されてたように音を立てることが少ないので、ハリ音も少なくできるってのがあって異音に敏感になったスレたシーバス狙いの”自作シンペン”にはそういう意図もあってこの作り方を採用したんだけど、今回は単に作るの簡単だから採用している。
柔らかい樹脂製のボディーのもたらす影響について、ケン一が先日面白い考察をしていてナルホドナと思わされた。水中では音っていうのは重要な要素でハリの音が小さい云々より、周りの環境の音が跳ね返ったり吸収されたりする時に、固いプラスチックや木製のプラグと柔らかい表面素材のプラグとでは違いが大きくて、魚食魚の”ソナー”に対するアピールの仕方が違ってくるんじゃないか?ってやつでありそうな気がする。
とはいえ、使ってみた感想としては今のところ固いワンダースリムと明確な違いを感じるほどではなく、泳いじまえばそっちの水をかき回す要素のほうが大きいってことかもしれない。でもシリテンバイブは妙に強いときがあるのでそういうことはあってもおかしくないと思っている。
2タイプ作ったうちの後方重心タイプは思惑通り浮き上がり早く水面に貼り付いてくれるんだけど尻振らなかった。海爆リップレスは小型だから成立する方法かも。
背中盛り上がらせた真ん中重心のは最初シリコンが浸透してない部分に空気が入って浮いてて焦ったけど、すぐに浸水してシンペン化して思惑通りこちらはユラユラとCDリップレス系の尻振りをしてくれた。魚も問題なく釣れている。
こっちのタイプをしばらく大きさや重さ微調整して主軸のシンペンに育て上げていきたい。”オレゴンチーズ”色がそう見せるのか、凸凹とボンレスハム状態のボディーがどうにも湖池屋スコーンにみえてしかたないので「スコーンペン1号」と命名する。
シリコン接着剤で巻き付けた綿系素材を固める方法は初公開かもしれない。秘密にしておいても良かったけど、見た目がショボいルアーは真似する人がほとんど居ないということは経験上分かってるので、読者の皆様にだけに大サービスで教えちゃいます。自分で作ったルアーで釣ると楽しいので今までルアーメイキングというと、銀紙貼ったりエアブラシで塗装したりとやたら面倒くせぇ印象があったかもですが「このぐらいの工作ならオレでもできる」って感じだと思うので、色々作ってみてください。リップもやり方しだいで付けられると思います。
もいっちょオマケで、有用な工作技術をご紹介。
ルアーぶつけて欠けたとか割れたとか、折れて後半が水底に沈んだとかだと修復不能だけど、穴が開いたとか欠けた程度ならカナリの強度で修復する方法あります。
橋の欄干にぶつけたときにお尻が欠けたカクーンは、幸いエイト管を留めている支柱部分は生き残ってたので、欠けた部分さえ補ってやれば復活できそう。
ということで、瞬間接着剤を欠けた部分に付けて、そこに適度な大きさに丸めたティッシュを押しつけてやって乾燥させる。そして固まったら余分な部分をカッターで荒削り後、サンドペーパーでならすと使用可能なぐらいに復活。
繊維質の素材を樹脂で固めるってFRP(ファイバーレインフォースドプラスチック)がもろにそうだけど、樹脂だけじゃ強度が足りない場合にそれを補って、かつ成型を容易にする技術で種々応用効きます。先日雨漏り修理するのにシリコンコーキング材でグチャグチャにしたティッシュを大穴に詰めて修理したりました。
欠けたカクーン、あとは塗装なんだけど、今回はいっそ紀伊色に塗り直してしまおうと全体再塗装。
隈取りもペイントマーカーで入れて”紀伊色ハトリーズ風版”という感じに仕上がっちょります。
ルアーいじるのは買ってきても楽しいんだけど、作ったり補修したりするとまた愛着も湧くし釣りも楽しくなるので、お金を節約しつつ楽しさは削らない方向でうまくやっていきたい。ルアー買いすぎは自重する方向で。
金なんかちょっとでもメッチャ楽しく生きてやるゼ。
2019年12月1日日曜日
沈黙の水辺と自由の柵
時事ネタにはあまり興味がない方だと自認している。
既に地上波テレビ放送とは決別済みなのでニュース番組見てないし、ヤフーニュースの見出しだけみて、トップの半分ぐらいが有名人の薬物・不倫問題でしめられてるのをみるにつけ「そんなモン他人であるワシがなんで興味抱く必要があるねん」と思いつつ、その下のヤフー様がおワシ用に薦めしてきてくれる、「判明、謎の巨大エイが200キロも旅!ダイバーと研究者がタッグ組み追跡」とか「ヤマビルの体はどうなってるの? 吸った血はどこへ行くの? 解剖してお腹の中を見て見ると・・・」とかのワシ好みの記事を読みながらも、「コレってワシの趣味趣向ヤフー様にダダ漏れで監視されてて、思想誘導とかされてても気づきようがないよな」と空恐ろしくもあり、与えられた情報をのんきに消費するだけの情報収集は与えられた餌を疑いもなく食べつづけている家畜のような状態だなぁと感じて”家畜人ヤフー”というしょうもない言葉が頭に浮かんだりしております。
というような時事ネタにうとい私めでもさすがにコレは世界的な関心事項だろうという時事ネタが最近2つほどあったので、自分の勉強がてらご紹介してみる。
1つは世界的に使われているネオニコチノイド系の農薬がヤバいらしいっていう話で、つい先日も日本から興味深い報告があったところである、ネオニコチノイドと呼ばれている化学物質は、植物であるタバコが対昆虫用に進化の過程で作りだした毒物である「ニコチン」に似た構造やら作用機序をもつ物質で、ウィキって初めて知った不明を恥じたしだいなんだけど、最初に実用化して1990年代当初に農薬登録したのが日本の企業という「世界の皆さんスイマセン」な衝撃の事実が発覚。
対昆虫用に特化しているので、散布作業する農家の皆さんとか作物に残留した場合の消費者とかのへの悪影響が少ない特徴などから1990年代以降は世界的に主流と言って良い農薬の一つとなっていったそうな。
ただ”人体に直ちに被害がない”って言ったって昆虫殺しまくったら生態”系”に悪い影響あるんは当たり前やろなとは思うンだけど、かといって農薬無しで今の農業が成り立つわけもなく、まあ問題出てきたら何か考えるしかないんだろうなとも思うンだけど、実際にたぶんネオニコチノイドが犯人じゃないかと言われている”ミツバチ謎の大量死”とかが起こり始めて各国規制の対象となり始めていて、日本でも公的規制より先に農業団体で自主的に段階的な不使用を目指している、ってな状況になっている。
そんな中で、そりゃ田畑で撒いた農薬が河川湖沼の水生昆虫殺してないわきゃないよなとは想像できるけど、それが生態系にまで影響を及ぼしているっていうのを証明するのは、何が原因か特定するには使用前使用後の昆虫の数の変化とそれを食ってる魚なり何なり高次捕食者やらの動植物の数の変化が比較できなくては無理なんだけど、ウナギやワカサギの漁業が行われていて、かつ昆虫の数も継続的に調べられていたという珍しい事例が日本にあって、「島根県の宍道湖でネオニコチノイド使用開始と同時にウナギ漁獲量が激減」という報告の論文が「ネイチャー」とともに世界で最も権威ある学術雑誌の「サイエンス」に掲載されて、世界中の関係各位が「やっぱりな」と思ったところなのである。たぶん。
内容は読んだまんまで、ネオニコチノイド系の農薬使い始めたら、フライマンにはお馴染みの赤虫的幼虫時代に湖の底の有機物とか食べて魚の餌とかになってるオオユスリカが減少してウナギやワカサギが減少してっていうのに科学的に関係性が認められたっていうお話しで、ウナギが絶滅危惧種に指定されるぐらい減ってきた理由に護岸工事とかの河川環境とかの悪化で住処が減った的な理由があげられてるのを、ウナギのどこにでも潜り込んで、なんなら雨の日とかに陸地歩いてでも住めるところ探す、都会の川でも結構な数が居るしたたかさの印象とあまり合致しないので違和感抱いていたけど、餌が減って内水面では数が減ったというのの方が合点がいく。オオユスリカの幼虫とか稚魚期には直接的に重要な餌だろうし、成魚にとっては餌の小魚が減ったら当然風が吹いて桶屋が儲かる系。
とはいえ、内水面ではそれで減ってるのかなと腑に落ちかかるんだけど、ウナギって結構な数が川を遡上せず海で暮らす”海ウナギ”で海では昆虫が生態系で占める役割は微少なはずで、ウナギの稚魚の来遊量が激減している理由までは腑に落ちない。
大きな気候変動的な流れの中で、人為的影響なのか自然な増減の範疇なのか不明だけど減少の時期に入ってしまってるのかなというのが、今まで漠然と抱いていた印象だったんだけど、餌生物をやっつけたら高次捕食者まで居なくなった、っていうのが内水面で明確になってくると、海でもそういうことがあるんじゃなかろうかという疑いが湧いてきて、そういう視点で見ると、1つ思い当たる変化が私の生きてきた40数年で起こっている。
皆さんは「フナクイムシ」という生き物をご存じだろうか?
漢字で書くと「船食虫」で海の生き物で、木材に穴を空けて木を餌にしている細長いミミズ的なニョロニョロした生き物で、実は二枚貝の仲間で貝殻の部分がミミズ状の体の先の方に木に穴を空ける”歯”のようにチョコンと付いているというけったいな生き物である。二枚貝の仲間なので実は食べると美味しいらしく東南アジアのあたりで食べるところがあるとも聞く。
こいつが結構な食欲で海に浸かってる木材を食いまくるので、昔は海岸の桟橋とか矢板とか木材が使われてたんだけど、結構穴だらけでトムとジェリーに出てくるチーズの極端なヤツみたいになっていた。
ただその記憶は小学生ぐらいの頃の話で思い起こせばはや40ウン年前で、その後すっかりフナクイムシが食い荒らした木材を海で見なくなったことに気がついたのは、たぶん大学生の頃に海岸で流れ着いた流木で穴だらけのが落ちていて、そういえば昔は海岸にある木という木は穴開いてたよな、でも今はコンクリやら金属やらの構造物が増えたとはいえ、流木でさえ穴が空けられていないのがほとんどだな。と気がついて、その頃には船底塗料の有機スズ系化合物が海の無脊椎動物とかに大きな悪影響を与えているという知識はあったので、そういうのが影響しているんだろかと漠然と感じていた。
有機スズ系の船底塗料とかは規制されていき、今現在はずいぶん海の汚染もマシになっているはずなのである。それは高度経済成長期の公害が発生していた頃に比べれば種々もろもろ確実なはずなんだけど、それでも日本の海にフナクイムシが流木に穴空けまくるほどの環境は戻ってきていない。何かが何かを静かに殺している。しかもそれがシラスウナギの極端な不漁の原因なら、ここ10年かそこらで登場した原因物質が犯人なはずで、いったいそういうモノがあるのかないのか、もっと複雑に絡み合ったピタゴラスイッチで激減したのか、今現在の情報では私の中には回答はなく疑問が膨らむばかりである。
農薬などの人工の化合物が生態系に悪影響を与えることへの警鐘は、少なくとも有名なレイチェル・カーソンの「沈黙の春」の昔1960年代から鳴らされているけど、いうても人間こんなに増えたらそりゃ他の生物やらに迷惑かけてでも効率的に一所懸命食糧生産せねばオマンマの食い上げでしゃあないっちゃしゃあない部分はあると、水産業界で25年がとこ働いてきた人間は免罪符を求めたくなる。
ただ、釣り人なら水の中からウナギがワカサギを砕く音やフナクイムシが木を囓る音が聞こえなくなった沈黙には耳をそばだて続けなれればいけないのではないかと思うのである。
もういっちょは、香港のデモの問題。
えらいナマジには似つかわしくない、政治的な話題だなと思われるかもしれないけど、ワシかて木の股から生まれてきたっちゅうわけやなし、香港にはアフリカンクララとかホンコンオイカワ釣りに行ったときにお世話になった釣り仲間とかも居るから、心配になって「どないなってるねン」って思わんかったら、オマエの血は何色だっ!って話で、ネットニュースの見出しだけじゃなく記事本文も気になって読んでたりする。
デモ隊の一部が暴徒となって暴れてるっていう”公式発表”が全部嘘だとは思わないにしても、どう見ても体制側の都合の良い”大本営発表”なんだろうなっていうのは想像に難くなく、デモの激化の直接的原因になった犯罪者引き渡し協定の改正案が、ホンコンの人間を中国本土にしょっ引いていってお裁きを受けさせることができるようになるっていうのだと知ると、そんなことされたらそりゃ英国統治下時代から続く自由は大きく侵害され、中国共産党体制の思うがままに都合の悪い人物はしょっ引かれて適当な罪おっかぶされて処刑されるのはワシでも分かる。
昔、中国共産党の偉いさんが”造反有理”(我々の革命の中にこそ真理が存在した、転じて「抵抗には理由がある」的意味で使われる)って言ったらしいけど、そのまんま今のデモの参加者の心中を表しているんじゃないだろうか。
自由って、日本のように米国から押し売りされるような形で与えられた国に居るとあんまり実感できないけど、それを奪われている体制下では彼の国の歴史的に有名な”天安門事件”の一場面を切り取った写真で思い知らされるけど、戦車の前にたった一人で立ちはだかってでも戦って勝ち取らなければならない尊いモノだというのが想像できるとともに、今こうやって好き勝手書いててもなんにもおとがめなしっていうのがいかに恵まれてるかってのも感じる。
中国共産党体制側としては、そんな反党的といえる自由を香港にだけ与えていたら、今の時代情報統制って言っても限度があるから「なんで香港だけあんなに自由があるんだオレたちも欲しいっ!」って今まで戦車まで出されて弾圧されてきた中国本土の人民もそのうちブチ切れるのは、東欧のプラハの春とかアラブの春とかで実質的な独裁政権が民意でコケてきた歴史的前例を見ると逃れがたい流れであり、内実戦々恐々としているんだろうと想像に難くない。
中東情勢とか見ると春の後に混迷が続いてるように見えて体制コケたらコケたでもめるのかもしれないけど、それでも独裁的体制側の都合の良いように自由を踏みにじられ続けるぐらいならコケてしまった方がよっぽど良いと思ってしまう。
今回の香港のデモの問題について、私の立場は明確に”造反有理”で香港住民の自由を応援したい。そして早く平和な日常が戻ることをお祈りすることぐらいしかできないけど、お祈りしつつ、ここにグチャグチャッとなんか書いて支援したつもりになっておきたい。
自由ってなんだろうって、よく考える。今の生活は仕事もせずに好きなときに好きなだけ釣りに行っていいというとっても”自由”な生活なんだけど、それでも「今の蓄えが尽きるまでの当面」っていう制限があるし、そもそも体力的な制限もある。
古代ギリシャのフィリッポス2世とその息子であるアレキサンダー大王に仕えたエウメネスを主人公とした歴史マンガ「ヒストリエ」でエウメネスの恋人が王家に輿入れすることになって、エウメネスは憤るんだけど、達観してるんだか諦念なのか諭すように、個人の自由を柵の中の範囲のようなものだと例えたうえで恋人が口にした「地平線まで続く”自由”などありえない」っていう台詞は胸に突き刺さってカエシのついた棘のように抜けない。
私の当面の自由は、5年後に金銭的な柵がきて尽きてしまうのかもしれない。
それでもその5年間の自由を得るために、25年そこそこ苦労して働いたのは自分なりの自由への戦いだったんだろうなと思いたい。
今はその戦利品であるつかの間の自由を目一杯楽しむことにしたい。
なんかよく分からんけど、自由って素晴らしいと思うよ。
既に地上波テレビ放送とは決別済みなのでニュース番組見てないし、ヤフーニュースの見出しだけみて、トップの半分ぐらいが有名人の薬物・不倫問題でしめられてるのをみるにつけ「そんなモン他人であるワシがなんで興味抱く必要があるねん」と思いつつ、その下のヤフー様がおワシ用に薦めしてきてくれる、「判明、謎の巨大エイが200キロも旅!ダイバーと研究者がタッグ組み追跡」とか「ヤマビルの体はどうなってるの? 吸った血はどこへ行くの? 解剖してお腹の中を見て見ると・・・」とかのワシ好みの記事を読みながらも、「コレってワシの趣味趣向ヤフー様にダダ漏れで監視されてて、思想誘導とかされてても気づきようがないよな」と空恐ろしくもあり、与えられた情報をのんきに消費するだけの情報収集は与えられた餌を疑いもなく食べつづけている家畜のような状態だなぁと感じて”家畜人ヤフー”というしょうもない言葉が頭に浮かんだりしております。
というような時事ネタにうとい私めでもさすがにコレは世界的な関心事項だろうという時事ネタが最近2つほどあったので、自分の勉強がてらご紹介してみる。
1つは世界的に使われているネオニコチノイド系の農薬がヤバいらしいっていう話で、つい先日も日本から興味深い報告があったところである、ネオニコチノイドと呼ばれている化学物質は、植物であるタバコが対昆虫用に進化の過程で作りだした毒物である「ニコチン」に似た構造やら作用機序をもつ物質で、ウィキって初めて知った不明を恥じたしだいなんだけど、最初に実用化して1990年代当初に農薬登録したのが日本の企業という「世界の皆さんスイマセン」な衝撃の事実が発覚。
対昆虫用に特化しているので、散布作業する農家の皆さんとか作物に残留した場合の消費者とかのへの悪影響が少ない特徴などから1990年代以降は世界的に主流と言って良い農薬の一つとなっていったそうな。
ただ”人体に直ちに被害がない”って言ったって昆虫殺しまくったら生態”系”に悪い影響あるんは当たり前やろなとは思うンだけど、かといって農薬無しで今の農業が成り立つわけもなく、まあ問題出てきたら何か考えるしかないんだろうなとも思うンだけど、実際にたぶんネオニコチノイドが犯人じゃないかと言われている”ミツバチ謎の大量死”とかが起こり始めて各国規制の対象となり始めていて、日本でも公的規制より先に農業団体で自主的に段階的な不使用を目指している、ってな状況になっている。
そんな中で、そりゃ田畑で撒いた農薬が河川湖沼の水生昆虫殺してないわきゃないよなとは想像できるけど、それが生態系にまで影響を及ぼしているっていうのを証明するのは、何が原因か特定するには使用前使用後の昆虫の数の変化とそれを食ってる魚なり何なり高次捕食者やらの動植物の数の変化が比較できなくては無理なんだけど、ウナギやワカサギの漁業が行われていて、かつ昆虫の数も継続的に調べられていたという珍しい事例が日本にあって、「島根県の宍道湖でネオニコチノイド使用開始と同時にウナギ漁獲量が激減」という報告の論文が「ネイチャー」とともに世界で最も権威ある学術雑誌の「サイエンス」に掲載されて、世界中の関係各位が「やっぱりな」と思ったところなのである。たぶん。
内容は読んだまんまで、ネオニコチノイド系の農薬使い始めたら、フライマンにはお馴染みの赤虫的幼虫時代に湖の底の有機物とか食べて魚の餌とかになってるオオユスリカが減少してウナギやワカサギが減少してっていうのに科学的に関係性が認められたっていうお話しで、ウナギが絶滅危惧種に指定されるぐらい減ってきた理由に護岸工事とかの河川環境とかの悪化で住処が減った的な理由があげられてるのを、ウナギのどこにでも潜り込んで、なんなら雨の日とかに陸地歩いてでも住めるところ探す、都会の川でも結構な数が居るしたたかさの印象とあまり合致しないので違和感抱いていたけど、餌が減って内水面では数が減ったというのの方が合点がいく。オオユスリカの幼虫とか稚魚期には直接的に重要な餌だろうし、成魚にとっては餌の小魚が減ったら当然風が吹いて桶屋が儲かる系。
とはいえ、内水面ではそれで減ってるのかなと腑に落ちかかるんだけど、ウナギって結構な数が川を遡上せず海で暮らす”海ウナギ”で海では昆虫が生態系で占める役割は微少なはずで、ウナギの稚魚の来遊量が激減している理由までは腑に落ちない。
大きな気候変動的な流れの中で、人為的影響なのか自然な増減の範疇なのか不明だけど減少の時期に入ってしまってるのかなというのが、今まで漠然と抱いていた印象だったんだけど、餌生物をやっつけたら高次捕食者まで居なくなった、っていうのが内水面で明確になってくると、海でもそういうことがあるんじゃなかろうかという疑いが湧いてきて、そういう視点で見ると、1つ思い当たる変化が私の生きてきた40数年で起こっている。
皆さんは「フナクイムシ」という生き物をご存じだろうか?
漢字で書くと「船食虫」で海の生き物で、木材に穴を空けて木を餌にしている細長いミミズ的なニョロニョロした生き物で、実は二枚貝の仲間で貝殻の部分がミミズ状の体の先の方に木に穴を空ける”歯”のようにチョコンと付いているというけったいな生き物である。二枚貝の仲間なので実は食べると美味しいらしく東南アジアのあたりで食べるところがあるとも聞く。
こいつが結構な食欲で海に浸かってる木材を食いまくるので、昔は海岸の桟橋とか矢板とか木材が使われてたんだけど、結構穴だらけでトムとジェリーに出てくるチーズの極端なヤツみたいになっていた。
ただその記憶は小学生ぐらいの頃の話で思い起こせばはや40ウン年前で、その後すっかりフナクイムシが食い荒らした木材を海で見なくなったことに気がついたのは、たぶん大学生の頃に海岸で流れ着いた流木で穴だらけのが落ちていて、そういえば昔は海岸にある木という木は穴開いてたよな、でも今はコンクリやら金属やらの構造物が増えたとはいえ、流木でさえ穴が空けられていないのがほとんどだな。と気がついて、その頃には船底塗料の有機スズ系化合物が海の無脊椎動物とかに大きな悪影響を与えているという知識はあったので、そういうのが影響しているんだろかと漠然と感じていた。
有機スズ系の船底塗料とかは規制されていき、今現在はずいぶん海の汚染もマシになっているはずなのである。それは高度経済成長期の公害が発生していた頃に比べれば種々もろもろ確実なはずなんだけど、それでも日本の海にフナクイムシが流木に穴空けまくるほどの環境は戻ってきていない。何かが何かを静かに殺している。しかもそれがシラスウナギの極端な不漁の原因なら、ここ10年かそこらで登場した原因物質が犯人なはずで、いったいそういうモノがあるのかないのか、もっと複雑に絡み合ったピタゴラスイッチで激減したのか、今現在の情報では私の中には回答はなく疑問が膨らむばかりである。
農薬などの人工の化合物が生態系に悪影響を与えることへの警鐘は、少なくとも有名なレイチェル・カーソンの「沈黙の春」の昔1960年代から鳴らされているけど、いうても人間こんなに増えたらそりゃ他の生物やらに迷惑かけてでも効率的に一所懸命食糧生産せねばオマンマの食い上げでしゃあないっちゃしゃあない部分はあると、水産業界で25年がとこ働いてきた人間は免罪符を求めたくなる。
ただ、釣り人なら水の中からウナギがワカサギを砕く音やフナクイムシが木を囓る音が聞こえなくなった沈黙には耳をそばだて続けなれればいけないのではないかと思うのである。
もういっちょは、香港のデモの問題。
えらいナマジには似つかわしくない、政治的な話題だなと思われるかもしれないけど、ワシかて木の股から生まれてきたっちゅうわけやなし、香港にはアフリカンクララとかホンコンオイカワ釣りに行ったときにお世話になった釣り仲間とかも居るから、心配になって「どないなってるねン」って思わんかったら、オマエの血は何色だっ!って話で、ネットニュースの見出しだけじゃなく記事本文も気になって読んでたりする。
デモ隊の一部が暴徒となって暴れてるっていう”公式発表”が全部嘘だとは思わないにしても、どう見ても体制側の都合の良い”大本営発表”なんだろうなっていうのは想像に難くなく、デモの激化の直接的原因になった犯罪者引き渡し協定の改正案が、ホンコンの人間を中国本土にしょっ引いていってお裁きを受けさせることができるようになるっていうのだと知ると、そんなことされたらそりゃ英国統治下時代から続く自由は大きく侵害され、中国共産党体制の思うがままに都合の悪い人物はしょっ引かれて適当な罪おっかぶされて処刑されるのはワシでも分かる。
昔、中国共産党の偉いさんが”造反有理”(我々の革命の中にこそ真理が存在した、転じて「抵抗には理由がある」的意味で使われる)って言ったらしいけど、そのまんま今のデモの参加者の心中を表しているんじゃないだろうか。
自由って、日本のように米国から押し売りされるような形で与えられた国に居るとあんまり実感できないけど、それを奪われている体制下では彼の国の歴史的に有名な”天安門事件”の一場面を切り取った写真で思い知らされるけど、戦車の前にたった一人で立ちはだかってでも戦って勝ち取らなければならない尊いモノだというのが想像できるとともに、今こうやって好き勝手書いててもなんにもおとがめなしっていうのがいかに恵まれてるかってのも感じる。
中国共産党体制側としては、そんな反党的といえる自由を香港にだけ与えていたら、今の時代情報統制って言っても限度があるから「なんで香港だけあんなに自由があるんだオレたちも欲しいっ!」って今まで戦車まで出されて弾圧されてきた中国本土の人民もそのうちブチ切れるのは、東欧のプラハの春とかアラブの春とかで実質的な独裁政権が民意でコケてきた歴史的前例を見ると逃れがたい流れであり、内実戦々恐々としているんだろうと想像に難くない。
中東情勢とか見ると春の後に混迷が続いてるように見えて体制コケたらコケたでもめるのかもしれないけど、それでも独裁的体制側の都合の良いように自由を踏みにじられ続けるぐらいならコケてしまった方がよっぽど良いと思ってしまう。
今回の香港のデモの問題について、私の立場は明確に”造反有理”で香港住民の自由を応援したい。そして早く平和な日常が戻ることをお祈りすることぐらいしかできないけど、お祈りしつつ、ここにグチャグチャッとなんか書いて支援したつもりになっておきたい。
自由ってなんだろうって、よく考える。今の生活は仕事もせずに好きなときに好きなだけ釣りに行っていいというとっても”自由”な生活なんだけど、それでも「今の蓄えが尽きるまでの当面」っていう制限があるし、そもそも体力的な制限もある。
古代ギリシャのフィリッポス2世とその息子であるアレキサンダー大王に仕えたエウメネスを主人公とした歴史マンガ「ヒストリエ」でエウメネスの恋人が王家に輿入れすることになって、エウメネスは憤るんだけど、達観してるんだか諦念なのか諭すように、個人の自由を柵の中の範囲のようなものだと例えたうえで恋人が口にした「地平線まで続く”自由”などありえない」っていう台詞は胸に突き刺さってカエシのついた棘のように抜けない。
私の当面の自由は、5年後に金銭的な柵がきて尽きてしまうのかもしれない。
それでもその5年間の自由を得るために、25年そこそこ苦労して働いたのは自分なりの自由への戦いだったんだろうなと思いたい。
今はその戦利品であるつかの間の自由を目一杯楽しむことにしたい。
なんかよく分からんけど、自由って素晴らしいと思うよ。
2019年11月23日土曜日
人間が想像できる程度のことはだいたい現実化するってさ
シーバス秋の陣終盤、俄然盛り上がっております。
ね、言ったでしょシーバスなんて季節になったら釣れ始まるって。と重税にあえぎ、大不調を川崎から引っ張ってたことなど忘れております。アホですね。
待望の雨降りの日々がやってきて、初戦の昨夜はもうチョイでスズキ様の良いフッコも釣って、コレまで結果の出せてなかったI川も攻略の端緒を得て、数日はグダグダと降ったりやんだりの天気のようなので、あと何回か出撃して良い釣りしておきたい。
で、今回の「妄想タックルボックス」は紀伊半島港町ご近所シーバス秋の陣用なんだけど、実は写真は昨夜の出撃前に撮ったもので、妄想と言いつつ実際に既に魚釣って現実化している部分があったりなかったり。
一軍の方はこんな感じになっちょります。
ペンシルとシンペンとリップレスミノーが調子良いので、そのへん中心にお楽しみルアーも混ぜてます。
上2段が、お守りに入れてるバイトを除いて水面系でペンシルは今回カクーンを選択。シュガペンとザラパピーを先発から外して2軍回し。ザラパピーは釣れるけどマンネリでシュガペンはここのところ妙にフッキングが悪い。
シンペンのピックアップ直前とか、浮きやすい海爆リップレスが水面滑ってるときの魚の反応が良い気がするので、水平浮きで水面滑らせるのが案外良いンじゃないか?というのがカクーン抜擢の理由。残念ながらセイゴは食ってきたけど釣る前に橋の欄干にぶつけて割ってしまった。けど、まだ在庫あるのでもう少し1軍起用続けてみる。良い魚釣って羽鳥さんの御霊に捧げたいところ。
もいっちょペンシルなのか何なのか、平べったいのは元祖S字形ルアーとの噂もあるサルモスライダーのオリジナルサイズはさすがにシーバス釣るような竿じゃ投げられんので8センチだかのフローティング。水温低下でヨタッたメッキの感じでヨレヨレッと引いたったらデカいのが来やしないかと入れてみたけど、今のところ不発。
ポッパーはコレでチヌを釣れとケン一にもらったジャクソンのR.A.ポッパーだけどチヌポッパーは近所では使いどころがわからんのでとりあえず大きさがいつものチャグバグ小と同程度なのでシーバスに使ってみている。セイゴは食ってきているけどまだ釣果はない。ポッパーは際ねらいとかここぞで使う時があるのでチャグバグ小とともに入れてある。
2段目右端のスーパーミスティーFはバイブレーションみたいなクランクだけど、これが水面使いでヨロヨロと引いてやると、イナッコの多い運河では良い仕事してくれることが多かったので、薄っぺらくてメッキっぽくもあり餌イナッコでもメッキでも行けるだろうと1軍入り。たまたま羽鳥さんデザインのルアーが2個入ってるけど、ワシどっちかというと正調ハトリーズな感じのウッドのトップウォータープラグより、このアタリのプラスチックのルアーの方が馴染みがある。
真ん中へん、リップレスミノーはコモモのオリジナルサイズとスリム95を入れている。定番だし95の方は当地でも調子良い。
下段の左4つはシンペン。一応おとなしめのニョロニョロ中も入れつつ、すっかり主軸のワンダースリム90と70、海爆リップレスの3つは投げやすくて巻くだけで釣れて文句なしの優等生。紀伊色絶好調。
下段右はミノーで上から、男は黙ってフラットラップ8のリップ折れたのを補修した超浅潜り仕様、ごっつぁんミノー、3Dインショアサーフェスミノー、ロングA4インチときたもんだ。できれば下の2つを投げたくなるような濁りが入ってくれると勝ち戦になるんだけどどうなることやら。
という一軍ボックスなんだけど、主力を根掛かりとかで無くしたときの予備ボックス的に2軍ボックスも用意してリュックには入れてある。
2軍落ちしたシュガペン、ザラパピーに使ってみたいジャンピンミノーも入れて、一応チヌとか意識してCD5と、ナブラが起こったら一発働いてもらうゼな代打の切り札的にロングA5インチも入れてある。
マスターとリトルジョージは光モン試したくなる状況のためにかさばらないので一応。
リップレスミノーの補欠は中古屋で買った素人ルアービルダーの作品でクソ安かったけど優秀。固定重心でそこそこ飛距離も出る。
ワンダースリム90とフラットラップ8は予備。
当地ではまったくふるわない秘密のフッコスペシャルも何か特殊な状況で出番あるかもと待機。
ってな塩梅になっちょります。今日は雨降らずお天気良く、穴の開いた部屋着を繕ったりと雑用をこなしつつ明日の出撃に備えて休息しております。
明晩、釣るや釣らざるや?
2019年11月17日日曜日
ダイワ・シマノ 二強の転換点
お待たせしました。みんな大好き久しぶりのスピニングリールネタです。
なんかナマジらしくない高級そうなリールだなと思われたかもしれませんが、そのとおりで知人からメンテナンスを頼まれたリールで預かり物です。
ワシにリール預けるなんてイイ度胸してるやないか、あんたんところのリール丸裸に剥いて写真ネットに晒したうえにグリスでグチョグチョにしてしまうけど良いンやろなグッヘッヘ。預けたアンタが悪いンやで。
左はシマノの「92’ツインパワー2000」、右がダイワ「トーナメント-X2500iT」でたぶん1996年発売かな?
このあたりのリールって今時ほとんどの人が興味ないかもだけど、ちょうどスピニングリールに”邪悪な部品”である瞬間的逆転防止機構が搭載される直前直後のリールで分解して比較していくとなかなかに味わい深いモノがありスピニングリールの歴史のお勉強にもってこいの教材だったので今回ご紹介するわけであります。
左の92’ツインパは分解清掃しようとして逆転防止周りのパーツの組み方が分からず組めなくなったのでヨロシクとのこと。
この時代のツインパワーはステラ登場でシマノの旗艦機種の座を譲って2番機となったものの小売り価格22,200円は今みたいに5万超えるようなリールがざらな時代とは違って高級品だったはず。
で、当時流行の樹脂製本体、ベアリングはラインローラーにもドラグにも入ってて、ラインローラーは大口径溝有りタイプ、ベールスプリングは軸にぐるぐる巻いたコイル方式でスプール上下はシマノお得意のウォームシャフト方式と当時の”トッピング全部乗せ”的な機能に加えて、ハンドルノブがウッドのようでいながら実はたぶん中抜きしたらしい軽いものになってたり細かいところも結構凝ってる。
でもって問題の逆転防止機構はローターの内側に歯を切ったリョービ「メタロイヤル」みたいなマルチポイント方式。コレを消音化するためにローターの回転で正回転時に逆転防止の”爪”を押し上げる写真下のこのパーツがどこに填まるのか、初見では分かりにくいと思うけど、マルチストッパー方式自体も経験済みだし、消音化に軸の回転を利用する方式は大森でもお馴染みだし、ローターの回転を利用するのはダイワの逆転防止にもあったのでだいたいどこにどう組むかは想像できて、あとは立体パズル的に裏表順番に填まりそうな方向から試していって無事組み立て成功。
ついでにギアとか金属のパーツのグリスの古いのはパーツクリーナーで洗浄して、思いっきりいつもの青いグリス塗りまくって”グリスシーリング”。
これが、回転の軽さやら無視して耐腐食性重視でグリス塗りまくったにも関わらず、普段PENNスピンフィッシャーというそのあたりは大味なリールに慣れてるってのもあるんだろうけど、回転が滑らかで軽い。
この’92モデルからシマノのスピニングにはローターの回転バランスを徹底的に取ったSBL(シマノバランスロックシステム)というのを採用したということだけど、たしかにこれは回転性能良いってワシですら分かる。
樹脂製なのは耐久性では劣るかもしれないけど軽くて塩水による腐蝕に強いのは大きな利点だし、”悪の権化”瞬間的逆転防止機構も搭載されておらず、かつリールの回転する部分でいちばん大きなローターの裏側に歯を切った逆転防止機構は遊びも少なく実用的で、次に紹介するトーナメントーXで瞬間的逆転防止機能を糞味噌に貶すことになると思うけど、水辺で使う道具として多少浸水したところで正常に機能するだろう逆転防止の方式は理にかなっていると思う。
良いンじゃないのコレ、今までシマノのスピニングで一番良いと思ったのはあんまり興味ないので適当に放置してても全く不具合生じさせなかった「NAVI」が最高で、ツインパなんて高級品クソどうでも良いしナビより不具合多いしとバカにしてたけど、コレは「樹脂製で瞬間的逆転防止機構が搭載される直前に小型スピニングの最高到達点がある」というワシのあまり賛同を得ることのない見解にガッチリ合致して”シマノはNAVI最強説””を覆すかもしれん。2万円超えは安い買い物じゃないけどこれなら金払う価値ある。
でもって、対照的に瞬間的逆転防止機構が搭載された直後、当時のダイワの旗艦機だと思う「トーナメント-X2500iT」。
衝撃的な登場を果たして金属本体の高級スピニングという方向性を決定づけた「トーナメントEX」の子孫でEXの4万円超えもヒエーッと恐れいったものだけど、こいつはさらに高級で52,300円。ワシャよう買わん。依頼主もよう買わんで釣り止める人からもらったようで、かなり使い込まれたのかやや傷も多く歴戦の強者っぽいのは良いンだけど、グリスが固まってるのか回転重く、それ見たことか!なんだけどラインローラーのベアリングも錆びてるのか固まってた。
まあ、中のギアとか逝ってるわきゃないだろうとは思うので、全バラし洗浄グリスアップで何とかなるだろうと引き受けた。錆びてるベアリングは最悪交換すりゃ良いのよ。
当然金属本体で、ラインローラーはツイストバスターとかいう大口径のもの、ベールスプリングはコイルバネ、ベアリングはEXからラインローラーにもドラグにも入っちょりマス(どっちゃもいらんがな)、スプール上下はシマノっぽい?ウォームシャフト方式。
ちょっと変わってるのが、ギアが両方黒く表面処理されていて、おそらく腐食防止なんだと思うけど、この時代はリールへの浸水はある程度想定していたということか?あるいはなんか格好いいから黒く塗ったのか?
そしてなんといっても”諸悪の根源”インフィニットアンチリバースが搭載されている。写真のローター裏っかわに付いている赤い樹脂製の輪っかみたいな部分がそれ。
リール自分で分解清掃とかする人なら「オイオイそこに濡れたらあかん部品持って来たらあかんやろ?」と反射的に思うだろう。私もそう思った。ローター内部って回転する部分だから気密性保つの難しくて普通に水侵入する。水没しなくても雨降った程度で浸水しててもおかしくない。
水辺で使う道具としてナマジ基準では不合格。
今の高級機種に搭載されている瞬間的逆転防止機構のように樹脂で囲って防水性確保と作動の切り替えを可能にしている方式じゃなく、この頃のダイワのインフィニットアンチリバースは既製品ッポイ一方通行のベアリングを使ってるんだけど、普通にそれまでの逆転防止機構があった場所であるローター内に鎮座していて特に防水でも何でもないから、水かぶったり浸水した時点で、注油しない状態で機能する乾式のインフィニットは滑って逆転し始めるはず。かつ、正常作動時PENNの第4世代みたいに逆転機能を省略してしまえば良かったのに写真下のようにインフィニットを乗せたまま逆転させる歯車と爪をわざわざ付けてるので逆転防止周りが大げさでじゃまくさい。
油グッチャリで作動する湿式は浸水には強くてPENN第4世代430ssgとか別に浸水してても正常作動すると思うけど、湿式は湿式で油切れや低温による油の粘度の増加により作動しない不具合がでてきたりして、常々遊びが少なくてしゃくったときにガチャガチャ音がしない程度の利点で面倒くせぇ部品入れるなよと思っているししつこく書いてきた。
じゃあなんで430ssg使ってるんだって聞かれたら、小型スピニングでは誤作動起こしても逆転防止機構なんてハンドルから手を放さなければ問題起きないし、タモ使う時とかハンドル離すときにも右手人差し指でローター止めてやれば何とかなるので許容できるのと、以前も書いたけど逆転防止周りをベアリング1個にまかせて逆転スイッチも省略して、おもいっきり部品数少なく単純にした”経済的”な設計が良いなぁと思ってるからである。遊びが少ないとか使ってて利点感じないけど全体として使ってて調子良いしナ。
トーナメントに関しては、おそらくこのあたりの水かぶったら誤作動するだろうリールでさんざんクレームが来て、この後「防水性能」とか元々いらんだ機能に金かけたアホみたいな値段の高級リール様につながってったんだろうと見て取れる。
浸水させるような使い方するな、というのも一瞬もっともに聞こえるけど、ローターの裏からの浸水って、防げるような位置じゃない。ので、そもそもこの位置には濡れちゃ困るものはおいちゃいけない。濡れて困るんだったらまだマシな本体内部にしまっとけって話。
全バラしグリスアップ終わったけど、ローターの所のベアリングが錆びててシャーシャー鳴ってる。ここのベアリングは水辺で使うなら錆びるだろって箇所で基本消耗品だと私は思ってる。なのでダイワオリジナルでも何でもないJIS規格のベアリングで間に合うのでモノタロウで買って交換で復活。歴戦の勇者なので多少回転の滑らかさとか新品同様とはいかなかったけどまずは及第点かと。
ラインローラーのベアリングは洗浄してグリスとオイル入れたら回ってるようなので、ここはそこまで回転滑らかじゃなくても回っとけば良しなので交換せず。
ボールベアリングも”防水性能”とか言い始めると特殊な封をしたボールベアリングとか金かかる話になってくるので、そんなもん耐腐食性に優れたグリス入れて多少重くなっても”巻き感度”が上がったぐらいに思って我慢して、それでも錆びたら交換する消耗品扱いで良いと思うんだけどどうなんだろう。ベアリング今回も300円かそこらで買えたし、水没させてもがっちり”グリスシーリング”してあれば割と平気だったりする。
今期430ssgチヌが暴れたときと釣り場でコケたときの2回水没させてるけど、具合悪くなってないので年末まで全バラし洗浄注油はなしでいけると思っちょります。よい子は真似しないでね。
リールのグリスに必要なのは回転性能向上とかギアの摩耗を防止する潤滑性より、浸水した時にサビさせない耐腐食性が重要だと、滅多にギアまで逝ったリールなんて中古で買っても目にしないし”グリスシーリング”されてた古いリールのギアが全く無傷で、ベアリング錆びてるのだけ交換すると滑らかに回り出すのとか経験すると実感するところである。
エギングの人がシャクリを繰り返すエギングではヤワなギアは持たないとか主張してるのをたまに目にするし、そのあたりからギアを守るために潤滑性の良いグリスをとかなってるんだろうけど全く意味不明。餌木ってしゃくるときに高負荷掛かるのはギアじゃなくて逆転防止機構のほうでしょ?ギア使う巻き取りはしゃくった後の道糸にフケが出てるときのはずでむしろギアはあんまり酷使しないんじゃないの?ギアが酷使される釣りって昔の芦ノ湖マス釣りの”グリグリメソッド”みたいにリール巻いてルアーを高速で動かす釣りなんじゃないの?エギングってワシが知らんだけで巻きながらシャクッってるんか?それならそれで瞬間的逆転防止機構はなくてもガチャガチャ鳴らなくなるからエギングでもいらなくなるのでどちらにしても分かってないようにしか見えない。
という感じで、この2台ちょうどスピニングリールに瞬間的逆転防止機構が付く直前と付いたすぐの機種であり、比較できて面白かった。
やっぱり瞬間的逆転防止機構がついて、そいつを正常に作動させ続けるために”防水性能”やら言い始めてからスピニングリールの方向性がおかしくなったという思いが裏打ちされた。
ボールベアリングが思いっきり錆びる箇所であるラインローラーに入っているのも邪魔だけど、ローターのベアリングが錆びるのまで防止するのが適当かとか考えると、やっぱり錆びる箇所のベアリングは消耗品と割り切りだなと思う。
ラインローラーの方はいやなら樹脂製スリーブに換装という手もある。さすがにローターのベアリングは720Zのような低速機はともかく巻きが重くなりすぎるのでボールベアリング無しは無理だと思うので消耗品扱いにしておくのが合理的っていうものだと思う。ドラグのベアリングなんて全く必要性が不明だけど錆びても関係ないと思ってるのであまり気にしないでおこう。
ダイワのリールだろうと容赦せずグリスシーリング。本来見えるはずのベアリングの上部が見えないぐらいグリスグッチャリだけどこのぐらい盛ります。この盛ったグリスで浸水防ぐってわけじゃなくて、使ってると盛ったグリスは上から重なる部品にも押されるし回転するしで端に追いやられてベアリングの隙間は水ぐらい浸入するんだろうけど、グリスまみれのベアリングの球がかなり錆びにくくなって、そこから先の本体内部にはなかなか浸水しないので、浸水被害は最悪でも長期的な使用でベアリングのみ錆びてくるだけ、って感じになると思っちょりマス。
どうでも良いような逆転防止の遊びの少なさのためにアホみたいな進化をしてしまってる今のリールに大枚はたくのはアホやと正直思ってる。
さんざん詳しい人がネットでそういうこと書いたりしているけど、いくらでも情報が手に入るような現代でもそういう”まともな情報”はみんな読まないのかね?「ググレカス」って思うけど、やっぱりマスコミっていうか釣りメディアの力って大きいよねって思う。
そういうくだらねえ情報垂れ流すメディアに反旗を翻し、ダイワもシマノもなっちょらん。本来必要なかったはずのくっだらねえ機能山盛りの製品を、限界までその性能・機能を使いこなせる人間などほとんどいなくて、金かかった道具を自慢したいだけの鼻持ちならねぇ層の釣り人に売りつけることばっかり考えとらんと、もっと長く釣りの楽しみを享受できるうような製品を作って世に問えと、いかがなモノかと批判的な記事を徹頭徹尾舌鋒鋭く書き殴る予定だったんだけど、2台のリールの製造年とか調べようとして検索してて、ちょっとダイワさんシマノさんに謝って褒めちぎらざるを得ないような情報に行き当たった。「オマエもググレカス」って言われそうでアタイ恥ずかしい。でも読んで欲しいの。
両社製品の公式の修理や部品取り寄せのいわゆる”アフターサービス”については、新製品が出たら旧製品の部品取り寄せは、販売店通じて問い合わせても、ほんの数年で「在庫もうありません」という、オマエらちゃんと倉庫の隅まで部品探したんかい?と文句言いたくなるような印象で、それがイヤでPENNリールジャパンの時代から修理も部品取り寄せも抜群に速く、ピュアフィッシング傘下になった近年でも「ミスティックリールパーツ」という修理・部品販売を請け負う別会社が他ではあり得ないほど充実している”PENNブランド”に一生スピニングリールはお世話になると決めたぐらいで、正直儲けにもならんアフターサービスは新しいモノ好きの日本の釣り人相手に充実させる必要性もないだろうから両社においては改善などするはずもないと思い込んでいた不明を恥じて、ここにひらにお詫びしたい。すんませんでした。
メチャクチャ改善してました。
シマノ「カスタマーセンター」にはなんと80年代半ば?ぐらいからの歴代のリールの展開図が公開されている。そして、販売店通じて部品在庫問い合わせてくれれば、あれば取り寄せ可能ですよとのこと。ちなみにパズル解いた「92’ツインパワー2000」の展開図もあって、はじめっからこれ見とけば苦労してパズル解かずにすんだワイ。
これピンとこない人もいると思うけど、昔のリールの展開図なんていう修理するのとかにとても欲しい情報って、なかなか古い製品のは出てこなくて、ダイヤモンドリールをいじりまくってた時期とかカタログを中古で手に入れようかと思ったら、そういう需要が多いのかカタログごときが数千円の値段でネットオークションに掛けられていたりしたぐらいで、金だして買っても良いほどの情報なんである。
こんなもん公開してしまったら部品取り寄せが実際どの程度在庫あるかは分からんけど、古いリールをいつまでも修理して使われてしまって会社に得になることなんか正直ないように思うのでシマノさん太っ腹だなと感服した。
このシステムはどうも今年から運用のようで、私のように驚いている古いシマノリールのマニア氏がいた。その驚きよく分かります。
ダイワに至っては、さすがにあんまり古い機種はなくウィスカートーナメントSSがギリギリ入ってなくて残念至極ではあるけど、トーナメントEX以降ぐらいの機種について、部品在庫表があってどの部品が取り寄せ可能か分かるようになっているという、PENNブランド並のアフターサービスの充実ぶり。
こちらはアフターサービス部門を切り離して別会社にしているようで「スポーツライフプラネット」というPENNブランドにおけるミスティックリールパーツのような存在のようだ。ナルホドこの方式ならあんまりダイワの新製品売るのには足しにならないアフターサービスでも、それが本業なので営業利益をあげるにはサービスを充実させるしかなく、そういう仕組みを許容したダイワ(現グローブライトか)本社も含め、古い製品の愛用者も大事にする姿勢を打ち出したことに賞賛を贈りたい。ダイワさんエラい。
2016年からアフターサービスサイトをリニューアルとなっているので、たぶんその頃からそういう体制だったんだと思うけど全然知らなかった。無知は罪であると反省する。
実際に部品在庫があって修理ができるかっていうと、古い機種の部品はもう無いモノも多いんだけど、姿勢が大事なんだと感じるところ。
せっかく高いお金を出して買ったリールが、数年後の新製品発売の後には修理すらままならず、故障でもしたらゴミにしかならないっていうのと違って、部品在庫が後々まできちんと管理されてて、ある程度修理しながら使い続けるという選択肢も取り得るとなったら、両社の製品の潜在的な価値が増すと考えるのは私のような同じ道具を使い続けたい少数派だけなのだろうか?
たぶん違うと思う。中古のリールを売り買いして面白く感じたのは丸ABUとPENNスピンフィッシャーは中古で買ったときの値段ぐらいで中古で売れるという事実。
国産の高級リールは型落ちすると異様なぐらい値段が落ちる。ABUやらPENNやらは部品供給が安定しているので修理して使い続けられるから生産が終了しても価値があり続けるし、そうじゃない国産高級リールはこれまで生産終了したらガタッと価値が下がってたんだと思う。
コレから両社のアフターサービスがこの方向で良くなっていくのなら、長く使いたいと考える釣り人も両社のリールを購入するようになるかもしれないし、中古の古いリールもゴミにならずに道具としての役目を充分まっとうできるようになるんじゃなかろうか。そうなって中古市場が潤ったりするのは両社にとっては直接の利益ではない。でも、釣り人の底辺をただでさえ人口減少で釣り人減っていくなかで広げる一助になって、釣り具業界全体としては健全な発展とまではいかなくても延命措置の一助にぐらいにはなるんじゃないだろうか。
いずれにせよ両社のアフターサービスの改善・向上には絶賛と言って良い賛辞を送りたい。
シビれるゼ!やればできるじゃん!!
もし、お宅の蔵に「部品一個あれば直るんだけどな」っていう両社製品があったなら、新しくなったアフターサービスを試してみる価値は充分あると思う。
そうやって想い出のリールがよみがえってまた使えるようになったなら、それはとても楽しいし素晴らしいことにちがいない。
2019年11月10日日曜日
膝が痛いぐらいは釣りを諦める理由にならないバカにつける薬もない
煮つけたゴンズイの煮汁が朝、鍋の中で煮こごってる様子を見て「寒いからワシの膝の軟骨とか関節内の汁もこごってもうてるンやろな」と思うような季節。寒くなりましたねぇ皆様いかがお過ごしでしょうか?
一応私恒温動物である哺乳類のはずで体温一定に保たれているはずなんだけど、やっぱり寒いと膝だの何だの関節はギシギシいってくる。まあそういうお年頃なんだけどさ。
でも逆にいえば膝が悲鳴上げるまで釣りに行って歩き回ることができるぐらい体力・気力は回復してきているって話でまあ悪くないんじゃないかと思う。
昨日今日とケン一が遊びに来てたので二日間みっちり釣ってやっぱり疲れたし膝も痛いけど、そのぐらい釣りに行けるっていうのはとても良い傾向だと感じている。
足が先に壊れて行動に制限がかかるのはコレが実は2度目で、前回は東北に赴任したすぐに、あまりにも渓流で魚が釣れすぎるので、平日も仕事前やら後に時間があれば自転車で5分の釣り場でヤマメが釣れるので行くし、休日は当時の愛車ジムニーを駆ってあちこちでかけて、なるべく多くの釣り場を回りたいので釣り上がって車に戻るときはウェーダー履いたまま駆け足で戻ってというようなアホな釣行を繰り返していたら2ヶ月ほどして右足の足首、爪先を上げる方向にまったく力が入らなくなって、なんとか歩くぐらいはできるけど沢を登るなんてのは不可能になってしまった。ちなみに冬はそれなりにおとなしくしていたけど年間150日とか釣りに行ってた。
当時のあからさまにとち狂った自分は足が動かなくなってしばらく渓流を釣り上がる釣りができなくなっても割と平気で「これで心おきなく苦手な一箇所で粘るような釣り方に精を出せる」と、爪先下げることはできるのでアクセルは踏めるし、とりあえず釣り場まで行ってコケないように注意しながら目星を付けていた淵上に陣取って、JOS師匠に教えてもらった深い淵の攻略方法のとおり、淵の下流側にラパラF7を投げて流して、ゆっくりゆっくり時間をかけて逆引きをネットリと何度も繰り返した。
釣れましたね尺ヤマメ。
その他にも、体調悪くなって車の運転しんどくなったときに始めたテナガ釣りに始まる江戸前小物釣り師修行は自分の釣りの中で”小物釣り”が重要な釣りに育って、今日もお客様とハゼ釣って楽しめたし、リハビリで座ってやれる釣りをと始めたヘラ釣りの技術はアジ釣りとか浮子を使う釣りに生きているのはもちろん、全ての釣りで”ハリとイトが大事”っていう基礎の基礎を再確認させてくれた。
仕事辞めるときにkazuさんが「人生万事塞翁が馬」と励ましの言葉を贈ってくれたけど、まさにそんな感じでピンチの後にチャンスありで、制限がかかったらそれを何とかする工夫の中でまた新しいものが見えてくるって期待している。
今回膝が痛くなったのは、使いすぎに加えて間違いなく加齢によるガタが来てるって話なので、膝は消耗品と考えて大事なここ一番の勝負に取っておいて、当面はアジ釣りとかの座ってやれる釣りを文字どおり腰を据えてやってみたい。
実は一つ挑戦したい釣りがあって、ボラを手に入れるのに釣り場に浮いてたら拾うっていうのはあるけど、冬になったら昔から各地の川漁師がやってた”ボラ掛け”をやってみようと思ってたんだけど、チヌ釣りで当地の釣り師は”紀州釣り”という米糠とオキアミ、赤土等を配合したチヌダンゴで餌を包んでドボンと投げ込むダンゴ釣法をよくやってるんだけど、その”外道”で先日おこぼれちょうだいしたようにボラが釣れるんである。
もらったボラは本来の食性である底生デトリタス食が顕著に現れてて腸管には泥がみっしり詰まってた。バチ食ってるボラやなぜかカタクチに狂ったボラをルアーで釣ったことはあるけど、泥食ってるボラ釣るには当地の昔の一本釣り漁師がやってたように、米糠を漁場に何日も撒いて学習させていわゆる”飼付け漁”で糠ダンゴを餌に釣るしかないのかなと思ってたけど、飼い付けるまでもなく当地のボラはチヌダンゴを充分学習しているハズである。ダンゴ餌の応用で何とかなるんじゃなかろうか?そもそも飼付け漁は漁業権あったりするはずで素人がホイホイとやって良いのか調べるのも面倒くせぇ。
今考えてるのは、チヌダンゴは結構釣り餌としての製品買うとお高いし、オカズ釣るのにそんな金かけられるかよと思う無職48歳なので、シンプルに米糠のみを基本にまとまりが悪ければ小麦粉を重さが欲しければ土でも砂でも混ぜてみる。
そして付け餌は、ダンゴぶち込むときはウドン系で行くとしてダンゴは毎回は投入しなくて良いと思うので、ダンゴ無しの投入時はヘラブナ釣りのグルテン餌に米糠配合したもので行けば、仕掛け自体はヘラ釣りと同じでたぶんアタリの取り方とかも同じで行けるはず。ヘラとボラの食性はかなり近いものがあるとイナッコがジャミの釣り場でイナッコのナジんで戻してからの実に良い感じのツンアタリで実感している。吸い込み捕食のツンアタリを取るならヘラ浮子で取るのが一番合理的だと思うので、消し込みまで待って口の横に掛けたいチヌの仕掛けよりヘラ釣る仕掛けを適合させていった方が最適解に近いんじゃなかろうか?
もっというなら新たに紀州釣りそのものを習得しようとしたら、時間掛かるしあまた居る名手達の後塵を拝し続けなきゃならんのは目に見えている。そういう地道な努力は余計な回り道をさんざんヤッタ後で充分まにあう。まずは手持ちの札を切れるだけ切っとけでしょ。
市販のチヌダンゴの基ではなく米糠主体のダンゴとグルテン主体の餌の利点は餌取りが少ないっていう所もあると思う。ここ2回ほどアジ釣りではキタマクラに徹底的に苦しめられた。フグ系もさすがに米糠はあんまりお好みじゃないだろう。
食性からいってボラ以外の外道として釣れそうなのはチヌとコッパグレぐらいで、まあボラ釣りでチヌとグレなんてのはド外道ではあるけど美味しい魚だし勘弁してやるゼ。釣れてもかまわないから良きにはからえ。
近所で釣った魚のうちボラ、チヌ、グレの3種は腸管がグルグルと長く渦巻いていて植物質の餌が消化できる魚だとみてとれる。他に想定できる植物食の傾向の強い魚としてはアイゴとかタカノハダイか?アイゴはこれまた美味しいので歓迎だし、タカノハダイも臭いという悪評の割に臭い個体さえ引かなければ美味しいらしいのでとりあえず釣ってみたい。
やる気満々ですでに米糠は入手済みである。悩んでるのが竿でボラの突進力を考えるとリール付けた磯竿が無難なんだけど、ヘラ釣りのやり方でっていうとリールあると重くて片手でアワセが決められない。フカセの延べ竿のチヌ師が居たぐらいだから延べ竿でいってみたいんだけど、水深4mからの漁港で底をとるとなると5mぐらいの長尺のコイ竿ぐらいが欲しくなってくるので、また竿増えるのはどうなのか?とちょっと浅いところで13尺のヘラ竿は丈夫そうなので試してみて、感触掴んでから検討してみようかなとか思案中。
てなこと考えてたら「野球のマシソン選手が東京オリンピック後手術して人工膝に」っていうスポーツニュースの見出しが目について「人工膝ってなんぞ?そんなモンがあるならワシも欲しいけど、でもお高いんでしょ?」と記事読んでみたら、どうもそんな甘っちょろい代物じゃなくて、手術とかも何度もしてメチャクチャ限界まで酷使した膝を東京オリンピックのカナダ代表の試合までは水抜いて痛み止めとかでごまかして使って、その後車椅子じゃなくて、走れないけど歩くことはできるぐらいにするために膝関節をまるっと人工物に置き換えるような大手術らしい。
何億って稼ぐ一流のプロ野球選手とその日食うオカズを釣る程度の底辺釣り師とでは比較にならんのかもしれんけど、そこまでしてもオノレの誇りとか仲間のためとかで投げ抜く覚悟は見習うべきなのかもしれん。一流ではないとしても一流になりたいと願うのならナ。
そういう話と比べれば寒くて膝痛い程度は我慢しとけって話だろう。爺さんはみんなそういうもんなんじゃ。
以前も書いたけど、釣りに行かない言い訳なんて探し始めればいくらでもあって、天気が悪い潮が悪いに始まって、忙しいだの疲れてるだの金が無いだの釣り場が遠いだのなんでも言い訳にはなる。でもそれら全てに「オレは釣りに行きたい」という気持ちが勝るなら、全ての条件をひっくり返す算段を練って釣りに行かなければならない。その気持ちが釣りに行くために必要なたった一つの理由だからだと思うのである。
とはいえ疲れたので2日ぐらいはお休みします。それでは皆様おやすみなさい。
2019年11月2日土曜日
幸福の紀伊ろいルアー
所変わればってやつで、当地に来てから自分の中では対シーバス最後の切り札的存在であった、フッコスペシャル、セイゴスペシャルが不振を極めている。
釣れんがな!
もともと、博多湾の港湾部の叩かれまくったセイゴフッコを仕留めるために釣り”の上手い人”の指示で作成し、東京湾の運河やら河川やらで細かい改良やらを加えながらワシが叩き上げてきた自信作だったんだけど、特徴としては動かない音がしない目立たないの三無主義で、おるところは分かってるのに食わせられん。っていう魚に投げるような地味すぎるルアーではあった。
とはいえ、博多湾も東京湾もシーバスの魚影は濃く、それなりに適当に投げてれば目の前通って食ってくることもあったりして、夜の内房の運河とかでは切り札なのに最初から投げたりと信頼をおいて使ってきたところである。
当地にもスレたシーバスが居る状況はある。漁港内は釣り人多いのでシーバスすれっスレでルアーガン無視だったり、挙げ句の果てにはコマセに付いてコマセだけ吸って刺し餌は直前で見切る選球眼の良さを発揮しやがったりもする。
ただ、スレてるのは釣り人が集まる漁港だけで、その他のポイントではルアー投げてる人を先日初めて見たという有様で、全然スレてない。
数は東京湾と比べるとさすがに少ない気がする。ということも関係するんだろうけど、ルアーは今のところ濁りがあって高活性なら普通にフラットラップやペンシルでバコンと食ってくるし、そうでないときはシンペンやリップレスミノーあたりのヨタつく系のおとなしめの動きのルアーが堅いように感じている。
他に感じることとして黄色が強いッテのがある。いままでもルアーの色なんて派手なのと地味なのの2種類ぐらいあれば良いと思ってたけど、明らかに派手なルアーが効く場面が多くて、コレは夜のシーバスに限らず、真っ昼間澄み潮のメッキとかでも、蛍光黄色系のフラッタースティックやシュガーミノーが追っても食わないときに”変えると来る”で魚を連れて来たことが結構ある。
紀伊半島は黄色が効くんじゃないか?って単なる親父ギャグとしてだけでなく割と真剣に考えるようになった。
そう思ったきっかけが、写真のバスディ海爆リップレスで、上の夜光黄色系が下の赤金よりもアタることが多いのである。赤金もダメってほどじゃないけど黄色ほどアタらない。
コリャ黄色系が良いんだなと頭に印象づけられると、自然投げるルアーにも黄色系が増えて、投げる機会が増えると釣れる機会も増えるという循環に突入し、持ってるルアーを全て黄色く塗ってしまいたくなる。
実際塗ってみたのが上の集合写真である。
オリジナルの尻が白いのはデザインだと思うけど、模倣の方の尻も白いのは浮子のトップとかに塗る用の蛍光黄色の塗料は、単体では発色が弱く、下地に白を塗ってから塗る必要があって、下地に車が錆びたときに買った錆止めペンキが一缶ほとんど余ってたのでそれで白く塗って、蛍光塗料はマニュキュア式の蓋に付いた筆でペタペタ塗るんだけど、全身塗ろうとすると一旦半分塗って乾燥後ひっくり返して残りの半分っていう手間が面倒臭いので「こういうデザインなんですっ!」って顔してシッポの方摘まんで摘まんだあたりより上にペタペタと一回塗りで済ましている。こういうツートン系の色使いでレッドヘッドじゃないのって好みだったりもする。
オリジナルは夜光だそうだけど普通の蛍光黄色でも遜色なくアタっている。
その土地その土地で効くとされる”ご当地カラー”なんてのがあったりするけど、黄色本体に白のシッポのツートンカラーを勝手に「紀伊色」と呼称してご当地カラーと勝手に喧伝していきたい。
しかし不思議なもので、塗装作業していると目のシールを貼るまでは単なる樹脂片にしか見えなかったモノが、目が入るととたんにルアーとして生き生きとした表情を持ち始める。目は口ほどにとかいうけど、たぶん捕食者にとって餌認識の上でも眼点って重要なんだろうなという気が改めてした。シール目剥がれやすいけど剥がれたらマジックで黒く塗るだけでも良いので目は入れておいた方がイイと思う。
コモモの”パックマン目”なんて貼った瞬間コモモになるからね。
ラパラには”書き目”だろうと思うンだけど、蛍光黄色に黄色じゃ”白目”部分がハッキリせんなとオレンジにしたらちょっとボーマーっぽくなったりして口ほどにものを言うとります。
てな感じで秋のシーバス戦線やら忙しく釣っておりますが、早いもので11月になり、さすがに温暖な当地でも朝夕肌寒さを感じるようになってきております。
私、なるべくお金を使わず幸せに生きていきたいと考え、月の食費二万円以下を目標にしておりましたが、10月は見事目標を達成しました。パチパチパチパチ!
10月は合計1万と7,085円、鮎迷人からお米の配給を受けたとはいえ、5キロの米を買っていたとしてもプラス2000円強ぐらいでちょうど2万円以下に収まっている。
ひとえに、マアジの水揚げが安定してくれたので浮いた分が大きいし、地味に効いたのが、お腹空くので夜ポリポリ食べてた袋菓子をやめて、夜のおやつは基本食パンで、ジャムやらツナ系のスプレッドやらを塗ってトーストにして食ってたことで、トースト毎晩のように食べている。さすがパンは主食として通用する実力者だけあって、腹もち良くて値段も比較的安い。今のところ塗るのでお気に入りはピーナツペースト。
食費削ることができても美味しくないモノしか食べられないんじゃ幸せじゃないけど、釣りたてのアジで作った自家製干物とか不味いわけがないって話で、うまいもん腹一杯食ってます。
自転車で走り回って釣り場で歩き回るからか体重全然増えていかないので、ガッチリ食ってる分は消費しているのだろう。
自転車漕ぎすぎたのか膝が痛くてジョギングが再開できていないけど、筋トレもボチボチ始めていて、秋冬で体力つけて春にはカヤックも出して大海原は無理としても近所の湾内ぐらいはチョロッと漕ぎ出してみたい。
こんな感じで、これまで移住生活は順調な感じで進んでいてハッキリ言ってこんなに楽しくて良いんだろうかと不安を感じるぐらいである。相次ぐ大雨で被災されて苦しんでいる人もいるのに申し訳なく思ったりもする。
まあ、苦しいときもやってくるだろうから楽しめるときに楽しんでおきたい。
2019年10月27日日曜日
パイプを制するモノは世界(小物仕掛けの)を制す
小物釣りもマハゼにマアジにと絶好調に突入している。
仕掛け作りも楽しくて、あれこれ工夫してやってる。自分の備忘録がてら公開してみるので皆様の参考になれば幸い。
まずは4.5mの延べ竿で狙うハゼ釣り仕掛け。これは基本今までと同じで以前も書いたとおり肝は自動ハリス止めにパイプ突っ込んでハリスがオモリの方に絡まないようにしてあるのと、オモリが遊動式なんだけど完全な遊動式ではなくて、少し上に”止め糸”で止めをいれてあること。
止めがないとあわせたときに魚が既にあらぬ方向に走っていて仕掛け全体が大きく曲がっていてアワセが効かないなんてことになりかねない。
長めの竿だとある程度重いオモリで振り込んだ方がやりやすく、また側溝のポイントは流れもそれなりに強いのでオモリはバス用のタングステンシンカー3.5gを選んでいる。”鳥の口に入る大きさの鉛は使わない”は今後も徹底したい。
ビーズが2個付いているのは上はオモリの穴が大きくて止め糸のコブが抜けてしまうのでその抜け防止。下は硬質のプラスッチック製で、せっかくタングステンという堅いオモリを使うので音鳴らしてみるかなと入れてみた。あんまり効果は実感していない。むしろタングステンの金属光沢はハゼの好みらしく赤いオモリ以上に”オモリアタック”は多い印象。
自動ハリス止めに固定するパイプ付きのハリスは各サイズ用意して釣り場に持ち込んでいる。釣り場で作ろうとすると老眼なのでイィーッとなる。
先日、根掛かりしたのを外そうと引っ張ったら、ハリスじゃなくて1号の道糸で切れてちょっと途方に暮れた。
0.6号ハリスだとそういうことはなかったんだけど、ハゼが大きくなってきたのでハリの大きさを上げたらハリスが0.8号でとうぜん1号の道糸よりは弱いと思い込んでたけど、今時のナイロンハリスは強くて、実際にルアーの前と後ろのアイに結んでどちらから切れるか引っ張ってみたら1号の道糸から切れた。
コリャいかんと、0.8号の太さで5LBの強度をうたっているレグロンで試してみたら、レグロンの強さは嘘じゃなかった。ハリメーカーが使ってるハリス用の0.8号より強い。ということで、ハゼ用の新しい仕掛けはレグロン0.8号で作っている。
続いてマアジ狙いの延べ竿用螺旋仕掛け。
ヘラ釣りの仕掛けとアユの餌釣りの仕掛けの混ざったような代物。
螺旋はアユの餌釣り「浜松式」で使われてるけど、普通の釣り人にはコイの吸い込み仕掛けに使われてるのが馴染み深いだろうか。
螺旋を使ったアジとかの仕掛けが紹介されているのは見たことがないんだけど、通販とかで探すと、普通に海の小物用としてアミコマセを想定して売られている。
正直、アジ釣りっていうとコマセカゴにアミコマセみっちり詰めてガンガン撒いて、アジを狂乱状態にしてサビキに食わせる”カゴサビキ”が一般的だけど、それって単純に仕掛けもコマセもよく売れるから釣具屋が薦めてるだけだろうと、いつものようにうがった見方をしている。
でもって、延べ竿で1本バリでチマチマと釣ろうと思うと、コマセなしの電気浮子仕掛けでこれまで釣ってきたんだけど、螺旋使えば少量ずつコマセ効かせられて、かつコマセカゴより軽くて浮子も小さくできるので、仕掛け全体が繊細に仕上げられて食い込みも良くなるしでコレはいけるやろと導入してみたら今のところ上手くいっている。
日中や灯りの下では、電気浮子よりトップが細くて、細かいアタリが取りやすいヘラ浮子も使ったんだけどなかなか塩梅良かった。
ヘラ釣りの技術は浮き釣り全般に通じるモノがあるので修行して”ゆるふわ流”初段とっておいて役に立っている。コマセを螺旋にギュッとまとめるのもヘラのバラケのハリ付けの要領で左手でチョイと摘まんでやっつけている。
この仕掛けで肝になるのが、サビキ仕掛けと違ってハリスが長く取れることによって、ヘラで言う”ハリスの倒れ込み”でフワフワ落ちていく刺し餌を食わせることができたり、違和感なく食い込ませたりできるところだと思っている。
ハリスの長さやオモリの重さ、コマセの効かせ方の調整とか、ヘラ釣りと同じような技術がアジ釣りでもやっぱり効果あって、ヘラ釣りせっかく基本を身につけて面白くなってきたところなのに、こっちじゃ釣り場が遠くて残念に思ってたけど、アジ釣りで充分補完できそうな感じになっている。
この仕掛けもハリスを接続する螺旋の下の部分にはゴムパイプを被せてあって、ゴムパイプの中にハリス接続用に太めのフロロのラインが通してあり最後8の字で輪っかにしてある。ハリスの方も8の字で輪っか作って一回ぐるっと通す”ループトゥーループ”で接続する。これでハリスが螺旋とかに絡むのが劇的に回避できる。
もいっちょアジ釣りの仕掛けでフカセ仕掛け。
写真じゃ何が何だか分からないと思うけど、上の方は見やすい蛍光ピンクのナイロン1.5号、その下道糸の主な部分はとりあえず感度と沈みやすさを重視してフロロの0.8号、フロロの先は例によって8の字作っておいてハリスと接続。
接続部分にはウレタンパイプを被せて結び目とかハリスが絡む部分を極力減らしてみた。止め糸で3箇所ほど目印を作っている。ハリスにスズ製ガン玉を打って使用。
まだ一回しか使ってないけど、正直道糸は透明のナイロン0.8号通しでも目印打てばいけそうに感じた。ハリの重さだけではあまり沈んでいかないのでガン玉打つので沈みの良いフロロにこだわる必要もないのかもしれない。ガン玉をハリスに打つ限りにおいてはハリス先行で沈むので仕掛けが絡むことはあまりなさそうでパイプも要らんかも。
仕掛けは不必要なモノがついていると絡んだり切れたり不具合の元になるので、究極的には”竿先とハリを1本のテグスで結んで終了”っていう完全フカセ仕掛けなら問題起こる場所が最小限にできるはず。
ただ、実際にはそれだと道糸のどこで切れるかわからないので、道糸とハリスは分けて、切れてもハリスだけ交換で済むようにした方がいいし、沈み方の調整にガン玉は必要だと感じたし、目印ぐらいは付けた方がよさそうにも思う。
いずれにせよその程度の単純な仕掛けでもアジ普通に釣れます。まあ、状況にもよるんだろうけど。
というのが現在使ってる3種類の仕掛けなんだけど、とにかく小物仕掛けにおいて”パイプ”が絡みを防止する能力には絶大な信頼をおくところである。沈むときに天秤のようにオモリとハリスを遠ざけてくれる。
こういう、細かいところだけどちょっと違うだけで全然結果が違ってくる、っていうのは釣りでは良くあることなのでチマチマと改善を続けていきたい。
仕掛け作りにおいては、どういう工夫を加えるか、っていう部分より、どれだけ無駄を省いて単純化できるかっていうところが重要だったりもするけど、パイプはわざわざ入れるだけの価値のある部品だとおもっちょります。
仕掛け作りも楽しくて、あれこれ工夫してやってる。自分の備忘録がてら公開してみるので皆様の参考になれば幸い。
まずは4.5mの延べ竿で狙うハゼ釣り仕掛け。これは基本今までと同じで以前も書いたとおり肝は自動ハリス止めにパイプ突っ込んでハリスがオモリの方に絡まないようにしてあるのと、オモリが遊動式なんだけど完全な遊動式ではなくて、少し上に”止め糸”で止めをいれてあること。
止めがないとあわせたときに魚が既にあらぬ方向に走っていて仕掛け全体が大きく曲がっていてアワセが効かないなんてことになりかねない。
長めの竿だとある程度重いオモリで振り込んだ方がやりやすく、また側溝のポイントは流れもそれなりに強いのでオモリはバス用のタングステンシンカー3.5gを選んでいる。”鳥の口に入る大きさの鉛は使わない”は今後も徹底したい。
ビーズが2個付いているのは上はオモリの穴が大きくて止め糸のコブが抜けてしまうのでその抜け防止。下は硬質のプラスッチック製で、せっかくタングステンという堅いオモリを使うので音鳴らしてみるかなと入れてみた。あんまり効果は実感していない。むしろタングステンの金属光沢はハゼの好みらしく赤いオモリ以上に”オモリアタック”は多い印象。
自動ハリス止めに固定するパイプ付きのハリスは各サイズ用意して釣り場に持ち込んでいる。釣り場で作ろうとすると老眼なのでイィーッとなる。
先日、根掛かりしたのを外そうと引っ張ったら、ハリスじゃなくて1号の道糸で切れてちょっと途方に暮れた。
0.6号ハリスだとそういうことはなかったんだけど、ハゼが大きくなってきたのでハリの大きさを上げたらハリスが0.8号でとうぜん1号の道糸よりは弱いと思い込んでたけど、今時のナイロンハリスは強くて、実際にルアーの前と後ろのアイに結んでどちらから切れるか引っ張ってみたら1号の道糸から切れた。
コリャいかんと、0.8号の太さで5LBの強度をうたっているレグロンで試してみたら、レグロンの強さは嘘じゃなかった。ハリメーカーが使ってるハリス用の0.8号より強い。ということで、ハゼ用の新しい仕掛けはレグロン0.8号で作っている。
続いてマアジ狙いの延べ竿用螺旋仕掛け。
ヘラ釣りの仕掛けとアユの餌釣りの仕掛けの混ざったような代物。
螺旋はアユの餌釣り「浜松式」で使われてるけど、普通の釣り人にはコイの吸い込み仕掛けに使われてるのが馴染み深いだろうか。
螺旋を使ったアジとかの仕掛けが紹介されているのは見たことがないんだけど、通販とかで探すと、普通に海の小物用としてアミコマセを想定して売られている。
正直、アジ釣りっていうとコマセカゴにアミコマセみっちり詰めてガンガン撒いて、アジを狂乱状態にしてサビキに食わせる”カゴサビキ”が一般的だけど、それって単純に仕掛けもコマセもよく売れるから釣具屋が薦めてるだけだろうと、いつものようにうがった見方をしている。
でもって、延べ竿で1本バリでチマチマと釣ろうと思うと、コマセなしの電気浮子仕掛けでこれまで釣ってきたんだけど、螺旋使えば少量ずつコマセ効かせられて、かつコマセカゴより軽くて浮子も小さくできるので、仕掛け全体が繊細に仕上げられて食い込みも良くなるしでコレはいけるやろと導入してみたら今のところ上手くいっている。
日中や灯りの下では、電気浮子よりトップが細くて、細かいアタリが取りやすいヘラ浮子も使ったんだけどなかなか塩梅良かった。
ヘラ釣りの技術は浮き釣り全般に通じるモノがあるので修行して”ゆるふわ流”初段とっておいて役に立っている。コマセを螺旋にギュッとまとめるのもヘラのバラケのハリ付けの要領で左手でチョイと摘まんでやっつけている。
この仕掛けで肝になるのが、サビキ仕掛けと違ってハリスが長く取れることによって、ヘラで言う”ハリスの倒れ込み”でフワフワ落ちていく刺し餌を食わせることができたり、違和感なく食い込ませたりできるところだと思っている。
ハリスの長さやオモリの重さ、コマセの効かせ方の調整とか、ヘラ釣りと同じような技術がアジ釣りでもやっぱり効果あって、ヘラ釣りせっかく基本を身につけて面白くなってきたところなのに、こっちじゃ釣り場が遠くて残念に思ってたけど、アジ釣りで充分補完できそうな感じになっている。
この仕掛けもハリスを接続する螺旋の下の部分にはゴムパイプを被せてあって、ゴムパイプの中にハリス接続用に太めのフロロのラインが通してあり最後8の字で輪っかにしてある。ハリスの方も8の字で輪っか作って一回ぐるっと通す”ループトゥーループ”で接続する。これでハリスが螺旋とかに絡むのが劇的に回避できる。
もいっちょアジ釣りの仕掛けでフカセ仕掛け。
写真じゃ何が何だか分からないと思うけど、上の方は見やすい蛍光ピンクのナイロン1.5号、その下道糸の主な部分はとりあえず感度と沈みやすさを重視してフロロの0.8号、フロロの先は例によって8の字作っておいてハリスと接続。
接続部分にはウレタンパイプを被せて結び目とかハリスが絡む部分を極力減らしてみた。止め糸で3箇所ほど目印を作っている。ハリスにスズ製ガン玉を打って使用。
まだ一回しか使ってないけど、正直道糸は透明のナイロン0.8号通しでも目印打てばいけそうに感じた。ハリの重さだけではあまり沈んでいかないのでガン玉打つので沈みの良いフロロにこだわる必要もないのかもしれない。ガン玉をハリスに打つ限りにおいてはハリス先行で沈むので仕掛けが絡むことはあまりなさそうでパイプも要らんかも。
仕掛けは不必要なモノがついていると絡んだり切れたり不具合の元になるので、究極的には”竿先とハリを1本のテグスで結んで終了”っていう完全フカセ仕掛けなら問題起こる場所が最小限にできるはず。
ただ、実際にはそれだと道糸のどこで切れるかわからないので、道糸とハリスは分けて、切れてもハリスだけ交換で済むようにした方がいいし、沈み方の調整にガン玉は必要だと感じたし、目印ぐらいは付けた方がよさそうにも思う。
いずれにせよその程度の単純な仕掛けでもアジ普通に釣れます。まあ、状況にもよるんだろうけど。
というのが現在使ってる3種類の仕掛けなんだけど、とにかく小物仕掛けにおいて”パイプ”が絡みを防止する能力には絶大な信頼をおくところである。沈むときに天秤のようにオモリとハリスを遠ざけてくれる。
こういう、細かいところだけどちょっと違うだけで全然結果が違ってくる、っていうのは釣りでは良くあることなのでチマチマと改善を続けていきたい。
仕掛け作りにおいては、どういう工夫を加えるか、っていう部分より、どれだけ無駄を省いて単純化できるかっていうところが重要だったりもするけど、パイプはわざわざ入れるだけの価値のある部品だとおもっちょります。
2019年10月19日土曜日
ご近所チヌ資源管理計画
チヌ釣りの際のリリースするか確保するかの基準について、私的規則を決めました。
「2匹目が釣れたら2匹目を確保」
以上、って感じに単純明快になものにした。
キャッチ・アンド・リリースについては以前にもサイトの方で書いた。その時と考え方はあんまり変わってないんだけど、ぶっちゃけ仕事もあって”週末釣り師”だったころは持ち帰って捌いて料理して余さず食べるって、次の日ゆっくり家で飯食えるかどうかも分からんのに面倒くせぇ。っていう要素が大きく、かつ釣り場の魚はちょっとでも多い方がイイよねって単純に思ってたところがある。
今現在状況はずいぶん変わってて、毎日釣りに行ってもかまわない無職という身分であり時間はそれなりに自由にでき、一方で食糧確保は重要な案件となりつつあるのでよっぽどの大魚でもないかぎり持ち帰っても余らすようなことにはならないので、持ち帰りたいのは持ち帰りたい心境。
とはいえ、釣り場を荒廃させてしまったりしたら元も子もないので考えなしに何でもかんでも持ち帰るというのもおそらく間違ってるんだろう。
ただ、キッチリと資源量調査をして科学的に妥当な持ち帰り数を設定するとかワシ個人じゃできるわけもない(科学的根拠に基づいた資源管理も完璧ってわけでもないし)。
まあ、マアジみたいな浮き魚やらマハゼみたいな小型魚は数が多いんだから釣り人の持ち帰り量とかあんまり気にしなくて良いんだろうなとはザクッと思っている(移動性少なそうなゴンズイは要注意かなとも思ってる)。
悩ましかったのが件の”チヌ”ことクロダイで、この地にはえらい数が多いようで港でも河口でも砂浜でも護岸でも地磯でもどこにでも出没して、これまで5匹かそこらしか釣ったことのない人間が何を心配する必要がある?っていうぐらい数自体は居るんだろう。
当地でも釣りモノとして人気で筏釣りや港での浮きを使った釣りを主体に多くの釣り人が楽しんでいて、それなりにお持ち帰りされていてこの数である。食費浮かせるのに全部持って帰って良いんと違うか?と思わなくもないけど、どうも自分の釣り場の、ルアーに食ってくることがあるような浅場に突っ込んでくる個体っていう条件に絞るとそこまで数が多くないように思う。かつ見えてるヤツらみんなデカくて40は越えてる感じで、そこまで育つのに10年から掛かってるって話だと、今まだルアーで釣る方法がそれほど当地ではやられてないのでワシぐらいしか狙ってないけど”チニング”なんてヘンテコな言葉作って流行らせようとしている釣り業界の目論見もあって遅かれ早かれルアーでも狙われるようになるだろうから、そうなると見えてたヤツが抜かれていって居なくなるのは早いと予想している。
今時、世界の果てのジャングルの奥地に釣りに行っても船外機に日本の釣り具メーカーのステッカーが貼ってあるぐらいで釣り人の腕は長く地球上のどこに居ても届く。
新たに開拓したと思った釣りモノでも、そのうち同じように気がつく釣り人がいて秘密はバレて広まり、釣り場には人山が立ち、魚はスレて数を減らしていく。
いままで何度か経験してきたことであり、どこに行こうが逃げられない。
ただ、逃げ切れないにしても抵抗して、少しでも良い釣り場を維持していきたいと願う。
そのために、少しでも釣り場の魚を減らさないようにオールリリースにするべきか?
実は違うんじゃないかと思う。既に魚が減ってしまった状況なら、その方がイイしなんなら釣りしない方が望ましかったりもするんだろうけど、現状私の釣り場にはチヌいっぱいいる。
ほっときゃ誰かが見つけて、割と簡単に釣れるということを知ってしまい人山コースなのは目に見えている。
チヌ釣るの現時点で苦戦しまくってるけど、そんなもん1シーズン目っからワシ程度のつたない釣り人がもう5匹も釣ってる時点で上手いヤツらにかかったら”簡単”に釣られてしまうだろうとは想像に難くない。
実際やってることは魚見つけてルアー投げてるだけっていう酷く簡単なことで、釣れるという認識があったらそんなに難しくない状況だと思ってる。今は当地では”見えてるヤツにルアー投げても無視されるだけ”っていう認識だから見逃されているってだけの話だと思う。
私も、ケン一から”釣れる魚”だと聞かされていたから、釣り方掴むまで時間は掛かるかもしれないけど釣れるハズとある程度確信を持ってルアー投げてた。私が釣れたのは今回はケン一やJOSさんのような何年も掛けて開拓してきた釣り人から、クロダイ系はルアーフライでの釣りの対象となるという”根拠”をもらったから釣れたのである。おかげさまでとしかいいようがない。
魚が多すぎる釣り場の悲劇的な結末として思い出すのは、昔東北で、解禁中毎週末必ずと言って良いほど通ってオールリリースで楽しんでたイワナの支流。
元々見つけた段階で魚影も濃く型も良かったけど、土曜の朝一はそこに入るのでたぶんその後では釣りにくく毎週オールリリースの人間しか釣ってない状況に近くて魚が残り、2年目以降はあからさまに異様な魚影になって、案内したりすると驚かれる状況になっていた。その川も東京に戻ってしばらくして行ってみると、1度目は魚籠持った釣り人が何人か居てイヤな予感がしたけど2度目には釣り人いなくなってて、魚も釣りが成立しないぐらいに居なくなってた。
今考えると、もう少し魚間引いてやって難しい釣り場にしておくべきだったのかもしれない。
あんまり釣り場に魚が沢山いて釣れすぎると、考えなしになんでもかんでも持ち帰るようなよからぬ釣り人を含め多くの釣り人を呼んでしまってかえってよろしくないと最近思うようになってきた。
当地において今後自分のシーバス釣り場に人山が立つようなことはないと楽観している。だって、魚そんなに居ないし既にルアーでさんざん狙われているしで、20年以上シーバス釣りやってきたワタクシが恥ずかしながら40以上の大きさの魚、予定外のヒラフッコ入れてもまだ4匹しか釣ってないっていう「チヌより難しいやんケ!」な状況なので、来るなら来てみろテメーらにゃ釣れやしねぇから、ぐらいの不遜な心持ちでいる。
川崎のご近所ポイントでも春のバチ抜けは、やり方分かっちまえば素人でも釣れる釣りなので見つけた最初の頃はウハウハだったけど、後半は人山立って大苦戦をしいられた。でも、条件良い日を選んで1匹2匹釣るのがやっとの魚少ない秋には釣り人いるのは橋桁周りぐらいでノビノビと釣りを楽しめた。
っていうくらいで魚釣れすぎるのもどうかと思うよ実際。ちょっと難しくてスカ食いながら釣るぐらいの方が熱くなれるし人山も立たないしで良いんじゃないでしょうか?
で、そのちょっと難しくておいそれとは釣れないんだけど、ワシが暇に飽かせて通える分の情報量で優位に立って釣りを成立させて楽しめる程度に”間引く”にはどのぐらい持ち帰れば良いのか。釣りしながら考えてしまい魚釣れなかったけど、良い方針を思いついた。
それが、最初の方で書いた「2匹目を確保」である。要するに釣りに行って自分の技術で1匹釣れるけど、複数は釣れないぐらいの難しい釣り場にしておきたければ、単純明快複数釣れたらその分持ち帰れば良いんじゃなかろうか?
これなら、机上の空論かもしれないけど自分が上手くなっていくにしたがい、資源に与える影響が大きくなっていきさらに難易度が上がって、常に1匹釣れるかどうかぐらいになりゃせんだろうか?
まあ基本理念はそういうことで、実際には3つも4つも釣れることは想定してなくて2匹目だけ持って帰るで良いだろうって話。
割とスッキリした整理だと自画自賛するんだけどどうでしょう?
1匹も釣れなきゃつまんないと思うけど、数釣りするような小物じゃないなら簡単に釣れすぎるのもいまいち攻略しがいがないというかツマランと思うよ。
結局、自分のような面倒くせぇ性格の釣り人は、今の技量で釣れるよりちょっと難易度の高い獲物が釣りたいわけで、釣れなきゃ釣れない中で楽しむんだろうけど、釣り場の状況が悪くなっていき「昔は良かった」的なことしか言えない老害じみた釣り人にはなりたくないので、少しでも釣り場を良い状態に保つにはどうすれば良いのかっていうことを、どうやったら魚が釣れるのかってことなんかより、時に真剣に考えてみたりする秋の夜長。
つらつら書いてみたけど、まったくもって”自分の釣りのため”だけを考えている。みんなの釣り場を!とかそんなヌルいことを考えてる余裕なんて全くない。なんてゲスいんでしょう。自分だけ釣れればそれで良いっていうのか?って聞かれたらぶっちゃけもちろんそれで良いって思っちゃってる自分の身勝手さと他人に釣らせる魚はねぇゼっていう底意地の悪さが露呈していて、我がことながら何とかならんのかと思わなくてもないけど、そんなもんだよね実際。
アジやらハゼならみんなで並んで仲良く釣れば良いと思うし、そういうことができる釣りモノの素晴らしさってのはしみじみと感じるところだけど、貴重な獲物を独り占めしたいという実にあからさまに正直な欲望もまた私の中に真実として存在するのである。
アタイちょっぴり恥ずかしい。でもそれがアタイってやつなのヨ。
2019年10月12日土曜日
神秘的なリール部品
PENNスピンフィッシャーの4200と4300の大きさがだいぶ集まった。
上段左から714Z、430ss、4300ss。
下段左から716Z、420ss、4200ssで、右端の中段?が今主軸機で使っている430ssg。
こいつらは、糸巻き量的には420ssで4LB150ヤード、430ssで4LB300ヤードというカタログ数値でいわゆるウルトラライトからライトタックルでのルアーの釣りに好適な大きさで、特に4300ssの大きさは汎用性が高くて渓流からバスからシーバスとかの軽めの海の釣りもこなす万能選手で4機種とも愛着もある名機達だ。
4200の大きさは4200ssがややスプール径小さすぎる気がしてあまり好みじゃなかったんだけど「フェンウィックGFS55Jのリングシートに似合うPENNがどうしても欲しい~」と駄々をこねて716Zは購入。この時も4200ssほどスプール径が小さくなくて使いやすそうで、インスプールのモデルだからかな?ぐらいに思ってたけど、この度ボディーが金属鋳造製の公式第3世代(ミスティックリールパーツさんの整理では第2世代)の420ssを入手(JOSさん感謝!)して使ってみると、4200ssで感じたほどのスプール径の小ささはなく、とても使いやすく実際に好釣である。
若干ドラグの効きが小型青物釣るには滑り出しが引っかかる感じがあったのでドラグパッドを純正のテフロン乾式からカーボン湿式に換装してドラグも今時のリールと比べても負けやしないゼなものになっている。カーボンのパッドは4400ss用のを耳切るとちょうど良い大きさになる。
という感じで使ってみて感じるのが、後継機のハズの4200ssと420ssがなんかやけに使用感が違うなというところ。
420ssは430ssと似たような使用感だし、端的に言えば430ssのスプール部分を小っちゃくしただけの設計に見受けられる。
事実420ssと430ssのハンドル軸のギアは品番「8-420」で共通である。使用感似てて当然。さすれば430ss愛用していたので使いやすく感じたのもまた当然。
ところが、4200ssになると、設計ががらりと変わってくる。以前どこかで書いたけど、どうも4桁スピンフィシャーになって最初にギア方式を伝統のウォームギア(中型以上ではハイポイドギア)から変更して大森的なハイポイドフェースギアを採用したのは、この4200ssだったようである。
他のモデルは4桁になっても最初はハイポイドギアでその後ハイポイドフェースギア化というのが多く、同じ4桁スピンフィッシャーでも製造時期でギア方式が違ったりする。最後までウォームギアだったのが4300ssで、4桁化の時に設計し直してメインギアが小さくなり左右両用になっているけど、その設計は430ssgに引き継がれている。
話を4200ssに戻すと、716Zから420ssになった際にはアウトスプール化しつつもギア方式とかはほぼ一緒、サイレントドック採用でカリカリ鳴らなくしたぐらいか?
ところが、420ssから4200ssはギア方式から変更したので、当たり前だけど内部設計も全く違っている。
写真の左が716Zで真ん中の420ssとギア方式やらクランクの形式が同じというのが良く分かると思う。
対して右の4200ssについては、ギアがハイポイドフェースギアになり、スプールの上下はハンドル軸の歯車を介して上下させるカム方式で、逆転防止機構はローター軸のギアの直上、本体内部に設けられている。
ちなみにサイレント化はハンドル軸のギアに噛ませたワイヤーの部品が逆転防止の爪を正回転時押し上げる方式。
という感じで、内部設計をあらためてしげしげと眺めてみると”4200ssはPENNが作った小型ダイヤモンドみたいなスピニング”だと思えてくる。
ハイポイドフェースギアでローター軸のギアの上に逆転防止を持ってくるってあたりが大森っぽいと思ってしまうのは単なる思い込みだろうか?単に当時の流行か?
シェイクスピアSIGUMAシリーズとかで、小型で単純、軽量なスピニングを米国で売りまくってた大森を見て、PENN社としても「うちも小型機はああいう軽量軽快なのを目指そうか?」と思っても不思議じゃないように思う。
4200ssはあきらかに軽く作ることを目標とされて作られている。ライン巻いてグリス込みの湿重量だけど、716Zが255グラム、420ssが253グラムと金属本体なのもあって小型機としてはやや重めなのに対して、4200ssはグラファイトボディー化の効果も遺憾なく発揮して198グラムと大幅に軽量化されている。
まあそうはいっても、今試しにタックルオートSS測ったら187グラムと本体金属なのに素晴らしく軽くて、軽く小さくは大森にはかなわないなと思うものの、PENNスピンフィッシャーの海でも余裕を持って使える丈夫さを考えると、その分多少重くなってるのはPENNらしい個性だとも思えてきて、まあいいやんケと思えてくる。
軽量小型化のためだと思うけど、スプールの大きさ自体も写真のように変えている。径も違うし高さも違う。左が4200ss。
それらも合わさって、全体的に小さくまとまった可愛いリールになっている。
4200ssはあんまり使いどころのないミソッカス扱いしてたけど、なかなかにこれも味わい深い1台である。見直した。
ただ使うとなると、やっぱり420ssのほうが手に馴染みがあるしどうにも格好いいリールなので420ssを新天地での小物釣りには使うことにした。
3桁と4桁スピンフィッシャーの間には部品互換性がけっこうあって、スプールが共有できるってのが実用性高いんだけど、420ssをいただいて、4200ssのスプールを替えスプールにできるなと思って填めようとして、上手くカチッと止まってくれないので、互換性ないんだなとちょっと残念に思った。どちらの機種もすでに替えスプールの在庫はミスティックさんところにもないのでちょっと困った。
ただ、互換性ないわりにはスムーズにハマってくれて、寸法的には入らなくもない感じなんである。
ちょっと頭に引っかかったので、なんとかならんやろか?とあれこれいじりつつ調べてみたところ、どうもこれハマらないのはスプールの径やら高さの問題じゃないようだ。4桁スピンフィッシャーの小型機種のワンタッチッスプールを止める爪の方式には大きく分けて一般的な金属タイプと、終盤にでた樹脂製タイプがあって、金属タイプなら3桁とも互換性あるけど、金属タイプに適合したスプールは樹脂製の爪では止まらず逆もまた止まらないようなのである。写真の白い樹脂の部品が新型の爪(2021.8追記:パーツリストで見る限りどうも金属タイプと樹脂タイプどちらも同じスリーブでイケるよう。互換性無いような設計にはPENNはしないってことか。結局4200ssのスプールが420ssにハマらないのは高さの問題のよう)。
420ssにハマる新型の爪が装着できる主軸か、逆パターンで4200ssにハマる金属爪の主軸が部品として手に入ればスプール使い回しできそうなんだけど、どちらの部品も在庫がないようである。後者は初期4200ssに採用されていたので間違いなく製造されていたはずだけど、前者は多分4300ssのが流用できるだろうというやや博打的な買い物になる。けど、どっちゃにせよ現時点で入手不能(後から気づいたけどこの方式だとスプール交換するのに軸毎交換が必要で釣り場で交換は非現実的)。
どうにかならないかと、スプールの径的には4200ssを引き継いでいるはずの420ssgなら替えスプール含めパーツ在庫まだあるようなので、主軸とスプールが移植できないかとかも430系使って検討してみたけど、ワンタッチと普通のスプールじゃ座面の高さが違ってて合わない。
万事休すか?爪の形状だけなのになンとかならんのかいな?と頭を捻っていたら、爪がハマるスプールの真ん中にハマってる部品”スプールスリーブ”っていうやつだけ手にはいらんかな?とミスティックさんの在庫を確認するもこれまた欠品。
実はこの部品、716Z,714Z,420ss,430ss,4300ssには共通なのである。4200ssだけ小型化のためにスプールの高さも低くしたので若干短いのである。くそミソッカスめ。
となると420ssの替えスプールが売りに出されるのを気長に待つしかないなということに落ち着きかけた。海外のネットオークションだと売りに出てるのあったけど、海外発送しませんとなっててアタイ悔しいの。
ところが、何を考えたのか自分でも良く分からんけど、ちょっとぐらい長くても改造する方法あるンと違うか?とか思ったのか、420ssのスリーブに4200ssから持ってきたスプールを填めてみた。
結果填まった。ちょっとボタンの部分が飛び出してるのは、そこにラインが巻いてしまうという嫌な不具合を誘発しそうで怖いけど、とりあえず使えなくもなさそうであり、高さ違うけどスプールの上下幅も問題なく許容範囲で、元々互換性は保って設計していた臭い。流石や。
いずれにせよもしもの時の替えスプールぐらいの役目は果たしてくれそうである。
420ssのスリーブも欠品だけど、同じスリーブを使ってる716Zの替えスプールが安く某ネットオークションに出ていたのでサクッと確保。とりあえず420ss替えスプール有りの体制が整ってバンザイである。
まあ、あとはスプールとか主軸の欠品してたのがミスティックリールパーツさんで在庫復活するのを気長に待ちつつ、ネットオークションでスプール出てたら見逃すなってところだろう。
在庫復活なんてあるのか?といぶかしむ筋もおられるかと思うけど、どっかの釣具屋が潰れて倉庫から在庫出てきたとか、復刻版発売にともなってとかだと思うけど、在庫復活することが実際にあったんですよハイ。
714Z、716Zを運用して行くにあたり、壊れそうな部品はベールスプリングは在庫あったので確保してあるし、ベールワイヤーはベールアームの穴の位置を変えて返るときの衝撃を弱くして長持ちするように手を入れたし、あとはワンタッチを止める主軸の金属の爪が折れることがあるようなので(だから新型4桁のワンタッチの爪は交換可能な樹脂製なんだろう)主軸の予備だけ欲しいなと思ってたんだけど、ながらく欠品だったのがなぜか先日復活しているのを発見。
ついでに他の部品も含めて確保。
ワンタッチの爪折れ問題はPENN社の方でも把握していたようで、今回買った金属製の中でも2種類あるのが見て取れて、1種類は写真じゃクロっぽく写っちゃってるけど、馴染みのある銅製の爪のやつで、左のはどうもステンレス製の爪のようである。耐久性は大幅に増したんじゃないだろうか?
それでも金属の爪は折れるということで、最終的な形は樹脂製の爪を交換しながら使うという方式になったんだろうと推測できる。
スピンフィッシャーが、長く売っていく間に顧客からの修理の依頼やらを受けて情報集積して細かい改善を重ねた”たたき上げの実用機”であるってワシが書くのはこういうことですワ。不具合修正するより先にニューモデルが出るような促成栽培のポッと出の一発屋とは年期が違うんですワ。
ちなみに他に買った部品にも主軸が見えてると思うけど、本当は5500ssの主軸が欲しかった。なぜなら5500ssの永年使ってる個体で消耗品以外で唯一壊れたのが主軸に填まってる真鍮の台座の部分で、ドラグ効いてライン出て行くときに力の掛かる部分であり、そこが金属疲労で割れるのが、ギアが摩耗するとかより早かった。ので、予備あれば欲しいなと思ったんだけど、やっぱり同じような壊れ方するのか、5500ssの主軸は欠品だった。
購入できた4500ssや4400ssの主軸は逆にその大きさのリールで釣る魚ではドラグそれ程負荷かけないので壊れないということなのかもしれない。
ミスティックさんちの在庫見てるだけでなかなか想像を広げて楽しめるのである。
最近、実釣に忙しくて道具いじってる暇も道具ネタネチネチと書く余裕もなかったけど、今日は台風でこもってたので久しぶりにネチっこく書いてみました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
台風被害にあった方々にはお見舞い申し上げます。こちらはだいぶ降りましたが峠は越えた様子、これからの進路にあたってる方々は逃げるときはケツまくってためらいなく逃げてください。
※2021追記、コロナ禍の物流の混乱等を受け、「MYSTIC REEL PARTS」さん海外発送を止めてしまっています。
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