2025年11月29日土曜日

アナタのお名前なんてぇの?

 ルアーも買っちゃうよね。まあ、根魚クランクで使用中のベクトロンとかビースイッチャーの弾込めは良いとして(良いのか?)、使うアテもないけったいなルアーもなんか欲しくなってしまうとマウスがスルスル滑ってしまうのである。クリッククリック。

 古いルアーで実弾補充したいモノとか人気もないと、売りに出されるときに「名称不明」となってることもありがちなので、名称不明を検索条件にして毎朝チェックしている。すると、なんか変なブツが引っかかってくるのである。

 冒頭写真の明らかにミロールアー製のブツは、説明ではペンシルベイトとなっていたけどアイの位置が頭部上方にあるので、売る人が知らんだけでバイブレーションかシンキングのジャークベイトの類いだろうなと思って確保、もういっちょ見る人が見ればそれとわかるヨーヅリ系の、今度は逆にアイが顎の辺りにあるように見えるペンシルは、多分尻尾側のアイにラインを結ぶヨーヅリの怪作ペンシル「トップウォーター45」のデカいバージョンがあったのだろうと思って確保。

 ところがぎっちょんちょん、ミロー製のブツはホントに浮いてペンシルベイトだった。調べたらミロー「93MRプロボーカー」という名前らしい。試し投げしてみたら、まあそうなるよねって感じで頭突っ込んでダイブする系でダーターとペンシルの混血みたいな感じでなかなか面白い。フローティングのジャークベイトってところか。ボーマー「ジャークベイト」と同系列だな。

 もいっちょのヨーヅリ製とおぼしきブツもワシの予想に反して頭を上にして浮かぶペンシルで、ここまで極端な顎の辺りにラインを結ぶペンシルというと、他にはコットンコーデル「ウォーキンスティック」ぐらいしか思いあたらないっていうぐらいの異端。動きはわりと普通でこのぐらい細長ければレッドペッパーみたいな小魚逃走系の動きを想像するけど、どっちかというと足の短いドックウォーク系でヒラヒラッとした動きが混じる感じ。まあ顎にアイがあるのはザラ系でも首降り得意だしそうなるのか。で、こいつの名前がというか本当にヨーヅリ製なのかもネットの海に潜ったぐらいでは判明せず。知ってる人がいたら是非ご教授願いたい。なにしろヨーヅリはOEM(相手先ブランド生産)もそこそこ多くて、オリムピックに提供してたラパラ型のミノーはヨーヅリでも「Lジャックミノー」の名前かそれ以前に「タキオン」の名で売られていたし、シマノのディスコフローラとかの昔の凝ったバスプラグもヨーヅリ製と目にしたことがある。まあ、ヨーヅリ製だというのも思い込みで、どっか別の製造元かもだけど、とにかく正体不明なので情報提供お願いします。

 で、名称不明じゃないけど安い出物があったので思わずコレも手が滑ってしまったバークレイ「フレンジーミノー」。あれだ、強い動きの出せる太いミノーをって探してたときの余熱がまだ残ってたのか、そういえばコイツも太いしアメルアだからブリブリ泳ぎそうだなと確保。子持ちししゃもみたいなデブ腹に重心移動兼ラトルの玉が入ってて、リップもデブ腹に合わせて太ましくて、そこそこやりそうな気配。とりあえず発売当時も呆れかえった精細さにとことん欠ける目が死んでる不気味なリアルプリント柄は1個ぐらい持ってても良いかも。2個セットだったから無駄に2個も入手してしまったけどな。

 真逆におとなしいミノーとして、既に廃盤らしいけど、こんなのあったの東京湾でシーバス釣ってた頃に気づいておくべきだったってのが、これまたヨーヅリ改めデュエル製の「ライブベイトリアルミノー」で、コイツ”変態ルアーメーカーヨーヅリ”お得意のやや堅い軟質樹脂製のミノーで、キンギョやケロちゃんベビーゾンビミノーとかに使われていたような素材でできていて、コレはハリ音もしなさそうでかなり静かだと思う。プラグのやかましさ静かさって素材で考えると、やかましい順から、中空のラトル入り硬質樹脂製、中空じゃないラトル入りの木製または発泡樹脂製、中空のラトル無し硬質樹脂製、中空じゃないラトル無し木製または発泡樹脂製、中空の軟質素材製、中空じゃない軟質素材製ぐらいになると思うけど、木製(バルサ)のラパラ系とはまた違った効き方をしてくれて、ついでに橋の下のややこしいところに投げて橋桁とかにぶつけても割れにくそうで切る札になっただろうなと思って、まあ紀伊半島でも持ってればそのうち出番あるかもと、いくつか確保。

 最後は、なんでこんなモノを買ったのか?ワシも理解に苦しむ。ルーハージェンセン「ウッドフロッグ」。こんな5インチもあるキワモノかゲテモノみたいな見た目で実は・・・なんてことはなくて見た目どおりのキワモノのゲテモノ。ルーハーにオザークマウンテンが吸収された頃のブツで、オザークブランドで出してた模様。まず一目見て投げにくいだろこんなもん、って感じでかつ両足のフックがラインに絡みそう。っていうか一応脚の可動域は考えてるみたいだけど、それでも両足のフック同士も絡みそう。ウシガエル一呑みにするようなデカパイクやマスキーを想定しているんだろうけど、よくこんなもん真面目に売りに出す判断ができたもんだと、アメ人の飛び具合に感心する。実釣性能に極めて疑問が生じるキワモノのゲテモノにもかかわらず、”出落ち”的に受けたようで日本でもそこそこ売れたのか、はたまた1回投げたらお蔵入りになってルアーマンの不良在庫化しているのか、中古の弾も珍しくない程度にはあって、この手のマニア受けしそうなブツのわりには、実釣性能がなさ過ぎるのに弾は少なくないというアンバランスもあってか安い。パッケージ無しでボロめなら千円代で買える。コイツで爆釣する方法なり魚種を見つけて、たんまり買い込んでから情報出して転売で稼げないかと一瞬思ったけど、コレで魚を釣る戦略が立てようがなくて2秒ぐらいで諦めた。本棚の飾りとしてはバカっぽくてなかなかに良いけどな。将来、「この状況はウッドフロッグしかない!」と閃いてパッケージを開ける未来が存在するのか?そんな世界線があったら是非行ってみたいものだ。

 という感じでルアー図鑑うすしお味第84弾は最近買った買わんでも一切問題ないルアー達で行ってみました。どうだアタイの病気が怖いか?

2025年11月22日土曜日

ギア比を上げてハンドル長を伸ばす馬鹿

 この秋、生け簀ポイントのアジは堅く、シーバスはセイゴの湧きがよく、って感じではあったけど、狙ってる良型のシーバス、根魚に関してはぜんぜん釣れてない。

 釣れてないと、当ブログの読者のみなさまなら予想がつくと思うけど、悪い病気が悪化して、何じゃらリールやらルアーやら買うてございます。アタイ病気が憎いッ!

 とはいえ、写真のスクイダー140はこの夏従来型PENN両軸機にハマった結果、両手投げ用の主力機に据えたので、既に2台あるけど1台は金属スプールでキャスティング向きではないので、キャスティング用のスプールをもう一個確保したいというのもあっての確保であり、実質運用体制の整備であり”使うあてもないリール”をボンボコ買っているわけではないとご理解とご了承をいただきたいところ。加えて、ちょっと興味のあった使ってる状態で折りたたんで短くして高速リトリーブ、伸ばして長くして力をかけて巻くという、2スピードの切り替えができるハンドルがついていたので、チョイボロい個体で相場より高いかなという値段だったけど、スプールとハンドルだけでも価値あるだろうと確保した。まあ高いゆうても3500円くらいで知れてるけどな。

 ハンドル伸ばして長くした状態は、いわゆる”パワーハンドル”を装着したのと同じ状態になる理屈だけど、最近のベイトキャスティングリールを見ていると、エラい変なことになっていることに気がついた。中古市場で高ギア比の6:1以上(最近は7:1以上もあるんやな!)とかのベイトにパワハンがついているのは分かる。巻き取りスピードが魅力でハイギアのリール買ったはいいけど、使ってみたら巻きが重くてしんどいので別売り社外品とかのパワハン付けて、巻きは手で回す距離が大きくなった分遅くなるにしても、自分好みの状態にもってくってのは普通にあり得ることだろう。ところがどうも最近のハイギアのベイトリールには最初から長くてゴツいパワハンがついて売っているようだ。ア・ホ・カ?もうね、カタログスペックでギア比と巻き取りスピードを大きく書いてはったりかますためだけのこけおどしでしかない。そんなもんギア比上げてハンドル長くするなら、ギア比下げて普通のハンドル付けておいた方がハンドルはもちろん、ギアやフレームなんかに掛かる負荷も小さく理にかなっている設計のハズである。無理矢理ギア比とハンドル一回転あたりの長さだけ稼いで、それが快適に釣りをするための、道具としての最適の設計なわけないだろ?

良い魚一匹釣っておくとエラそうなことを書きやすい
 当たり前中の当たり前だけどギア比低くて軽く巻けるなら、ハンドルなんて短くて華奢で構わない。当たり前の”テコの原理”のはなしでっせ。今使ってるABUの「ブラックマックス」はギア比5.1:1と今時のハイスピードなベイトキャスティングリールに比べれば頼りないスペックで、本体は樹脂だし、ハンドルも今時のこけおどしパワハンみたいにゴツくないし、見た感じこれが今時のリールより働きそうには見えないかもしれない。でも適切な”高すぎない”ギア比はディープダイバー巻くのもちょっと大きめの魚を寄せるのにも不足ない性能を有している。今時のリールがハイギアにしたのをパワーハンドルで”殺して”同様に機能するようにバランスさせたら、無駄なことやってる分、ギアやらハンドル、本体に負荷が掛かって耐久性減少やら歪みの発生とかの問題が生じるはずで、そうならないためには過剰に素材強度とかを上げねばならず、アホかという話なんである。お分かりいただけるだろうか?テコの原理が間違ってないかぎりカリスマのワシが書いてるこの事実が間違ってるとは考えられない。

77シーホーク
 ギア比が3:1とかの時代のABUでも従来型PENNでもハンドルは、一見すると華奢でちんちくりんな感じのが付いている。でもあれはあれで低ギア比で軽く巻けるので間に合うから無駄に長かったりゴツかったりしてないってだけなのである。しつこく同じような例を書くけど、ワシのPENN「77シーホーク」と今時の6:1を越えるようなギア比のゴツい見た目のエラそうな機種とでゴリ巻き勝負の綱引きやったら、スプール径一緒にそろえた場合、ハンドル長がシーホークの2倍以上あるか、相手がワシより2倍以上腕力のある人間でない限り、華奢な見た目の単純なシーホークが勝つ理屈なんである。ハイギアのリールに長くてゴツいパワハンを、あとから調整のために付けるのではなくて最初から付けるのは、ギア付きの自転車でギア上げて漕ぐのが重くなったらペダルを伸ばしてパワーペダル?にするような愚行である。意味ねぇじゃん。無駄無駄無駄無駄無駄~ッ!(©DIO)。しばらく見ぬうちにベイトキャスティングリールがアホなことになってて、ベイトリールはスピニングほどややこしくないのでそこまでアホなことにはなってないだろうと思っていたら虚を突かれた。油断も隙もないもんである。だれか途中で気がついて指摘しなかったのかね?した人が居てもアホの方が多くて黙殺されるだけか。ほんと日本の釣り具市場はいかに日本の釣り人がアホかの見本市みたいになってて笑わされる。一切係わりたくない世界だな。

 というわけで、ワシャ温故知新で今でも戦闘能力十分な従来型PENNに両手投げの両軸は任せることにして、確保した140を整備して体制充実をはかるとしよう。って思ったら、重大な問題発生。樹脂製スプールが欠けてやがる。ボロめの個体だとは思ってたけど詳しく見てなかったので気づいてなかった。PENNが使用不能なぐらいに壊れていることなど想定してなくて油断してたけど、ちゃんと説明写真にも欠けは写っている。そしてどうも巻いてみると、普通に巻けていると思ったら、なぜか引っかかり始めて巻けなくなる症状も出ている。欠けているのは引っかかったところで力まかせに巻いて欠いたのだと思われる。マジかコレ下手するとスプール軸かフレームが歪んでいて、さすがにそれは直しようがなく、せめてスプールが生きていてくれればハンドルとスプールが生かせるので上出来。逆にフレーム生きているけどスプール軸曲がってると、替えスプール欲しくて確保したのが主な目的の一つなのにスプールの無い本体が1台増えるだけでスプール増えずで、変速ハンドルは試せるにしても痛い。

 なのでとりあえず既存の2台に欠けたスプール填めてみたりしてまずはスプール軸が曲がったりしていないか確認する。結果セーフ!スプールの軸は問題ないようでちゃんと滑らかに回転する。あとは欠けた部分を適当にふさげば良い。ラインが巻かれる部分じゃないので強度はそこまで気にせずともよいので、ラインが落ちて噛んでしまわないように、またサミングするときに指を乗せるフランジ部分でもあるので指を乗せて問題なく回転にブレーキをかけられる程度に仕上がれば良い。

 ということで、こんなもんサクサクと工作。まずは内側に仕切り板的に適当なプラの板を切ってフランジの曲線にあわせて瞬間接着剤で貼り付ける。貼り付けたらそこに肉盛りしていくようにティッシュをよって瞬着で貼り付けて固化促進剤で固めて、その上にまたティッシュを盛って瞬着で固めてって作業をして大まかに盛り上げて、後はアートナイフとサンドペーパーで本体に填めて干渉しないか確認しつつ成形していって、最後プラカラーで茶色くそれっぽく塗っていっちょ上がり。ヨッシャ、これで第一優先の当初目的であった替えスプールの確保がなんとかなった。金属加工はワシには難しいけど、樹脂製部品で力がそれほどかからない部分であればいろいろとやりようはある。コレまでの経験が着実に身についてきていると感じるところである。

 とりあえずのスプール確保と問題なさげなハンドルは確保できたとして、本体はどうにもならんのか?できれば復活させたいところ。本当にフレームが歪んでいるのかっていうのに、かなり違和感を感じる。なぜなら従来型PENNのフレームはちょっとやそっとでは歪まないっていう感覚があり、かつ、なんか元のスプールでもちゃんと回るときがあって少なくともその時は歪んでなさげに思うし、金属製のスプールを試しに填めたらちゃんと回って、巻いていても元のスプールのように途中から引っかかり始めて回らなくなるということがない。金属スプール専用機にしてしまうというのも手だけど、なんか惜しいところまで来ていて、解決策があるように思って、元のスプールを填めてクリクリ巻いて、引っかかるようになるのはなにがきっかけで起こるのか、何度も試してみた。するとどうも右側に傾けた時に巻くと引っかかり始めて巻けなくなる。逆に左に傾けて巻くと普通に巻けて引っかからない。これ、スプールが左右にぶれる状態で右にぶれると引っかかるンだなと見当がついた。実際に正常な2台は左のメカニカルブレーキを締めてスプールがカタカタ遊ばないようにすると、右には行かなくなるのに、今回入手した個体はその状態からなおスプールを押すと右にガタつく。ならスプールが右にいかないようにすれば良いだけだなと思うのだけど、これが意外に難問。丸アブなら右側にメカニカルブレーキの摘まみがあるので締めれば済むけど、スクイダー140は右側はハメ殺しで締めることができない。シム板を入れて調整できれば良いんだけど、ハメ殺しされている右側軸受けにはボールベアリングが填め込まれていて外せず、シム板入れるっていっても軸受け穴の大きさの板を用意せねばならず難しい。

  悩みまくって、とりあえず全体整備して最後に考えることにしたけど、コレっていう案が思いつかないので、遅くなったし一旦寝た。寝床に入っても眠りに落ちるまで考え続け、朝起きてまどろみの中でも考え続け、スプールのがたつき幅を測って、軸受け穴に入る太さの適当な樹脂棒を見繕ってきて、その幅に輪切りにした樹脂棒から切り取った調整用シムをハリに刺して突っ込むという方法で行こうと方針を固めた。固めたんだけど、実際にぶち込もうとして填めてあるベアリングと刺さる軸の形状をよく観察すると、軸の先が穴の底に届いているわけではなくて、ベアリングの上に軸の段差の部分が引っかかる構造のようである。ならその引っかかるところを嵩上げしてやらないと、穴の底からの距離はがたつき幅より大きいだろうから、一発勝負でほじくり返してのやり直しがしにくい穴の底に適切な厚みをもった調節用シムを入れるのは難しい上に、ベアリングの上部で軸の段差を受けないとベアリングの回転を使ってない形になるかもという懸念もあって、ベアリング上部にハマって軸がちょうど通るサイズのテフロンワッシャーを重ねてガタつき調整を行ったところ、0.3mm2枚でちょっと足りず、3枚でビンゴだった。ちなみにノギスであらかじめ測ってあったガタの幅は1mmでだいたいあってた。なんとか本体も使える目処が立った。

 もいっちょついでに全体整備するときに、革の片面を樹脂で固めたドラグパッドが1枚劣化していて崩れたので、前々から興味があって素材を用意してあった”革製ドラグパッド”の自作もしてみた。まあやることは簡単で、軸に合わせてポンチで穴開けて、ドラグパッドの直径に合わせてハサミで切り取ってグリス塗って填めるだけである。1mm厚の3枚だとちょっと厚みが出すぎて填まりきらなかったので、1枚薄手の0.3mmにして入れてみた。PENNの革ドラグは結構優秀なドラグなので期待したけど、ナニが違うのかそこまで優秀な感じには仕上がらなかった。そこそこ調整幅もあるけど、やや止まりが悪い感じで高負荷かけにくく、使えなくはないけどって程度。まあコイツはバックアップ機で替えスプール要員なので、出番が来るようなことになったらHT-100のカーボンパッドとかに換装して実釣仕様にしてから使えば良いだろう。

 っていう感じで、我が家に来なければ”燃えないゴミ”に分類されていてだろう個体を、使用可能な1台に復活させることができて非常に満足している。ぶっちゃけもっと程度の良い安い個体も出てくるけど、こういうワシが買わなきゃゴミっていうやつこそ買うべきだと感じている。程度の良いヤツは別の欲しい人のところに行って、従来型PENN両軸機の実力を知らしめてやって欲しい。

 などと思ってたら、変速ハンドル単品で箱入りでネットオークションに出てきて、1600円+送料で落札。入札者ワシだけ。この変速ハンドル、ハンドルノブの軸がPENN純正のトービート型みたいに金属で細軸じゃないので社外品だろうとは見当つけていたけど、箱情報はやっぱり役に立つ。PENNの輸入元でもあった「大和精工株式会社」製でございました。製品名は「ペンリール用変速替ハンドル」で定価360円という時代を感じさせる一品。大和精工株式会社の名前は1958年から1969年ダイワ精工株式会社に社名変更するまで使われていたはずなので、このハンドル、おそらく1960年代の製品でワシより年上という歴史ある逸品でございました。箱がもう風化寸前で開けたら蓋が取れ畳もうとしたら他のところも分解しと半世紀以上の歴史を感じさせるに充分。この変速替ハンドル、リールについてた方を使ってみたら、力を込めて巻き始めると自然とハンドルが展開していく方向に畳まれていて、オオッてなるんだけど、意外にちょと力入れたぐらいで開き始めて、実釣では強度的な部分とか含めてどんなもんか使ってみないと分からん感じではある。でもギアで2スピードを実現しているトローリングリールとかより機構的に単純なのは好ましく。使える性能ならちょっと便利かもしれない。巻きが重くてディープダイバーには向かないなと評価した「ジグマスター505HS」でもやれるようになったりして?などと妄想しております。

 50年とか前の設計の古いリールの方が今時のこけおどしリールより実釣能力高いとか普通にありそうで、まあどの世界でも工業製品全般にいえることだろうけど、しっかりした基本性能は初期の頃にある程度完成されていて、その後は付加価値付けて売らんがためのくっだらねえなくてもかわまん無駄邪魔機能の追加と、飾り立てたカタログスペックぐらいしか変わってないんじゃないかと、全部が全部そうじゃないにしても、そういう部分が少なからずあるなとワシャ思うんじゃ。

2025年11月15日土曜日

見せてもらおうか、チャットGPTの性能とやらを

  先週修理と発送の様子をネタにしたロッドは無事タイ王国の釣りの上手い人の手元に届いたようで、早速近所の海に釣りに行ったようで釣果報告が来ている。夜討ち朝駆けとやりたい放題の様子。

 右のヒメジ系は以前ネタにしたこともあるヨメヒメジ。左のアカマツカサ系というかエビスダイ系のは似たのが多くてやや自信ないけど、別写真とかもあわせて見るとおそらくテリエビスだろうと同定した。やや低い体高が一番の特徴でニジエビス、ヒメエビスと迷うけど背びれの膜の色でテリエビスとみた。

 っていう同定結果を伝えたところ、釣りの上手い人はネットで簡単に使える生成AI(人工知能)の代表的なものであるチャットGPTに写真示して聞いたところホウセキキントキだと回答しているとのこと。キントキ系は鰭の付き方が特徴的だからまったく違っていて別系統だろ?似てるのは夜桟橋とかから釣れて色味が赤白ってところぐらいでアホかと。おそらく現時点のAIの写真判定って大まかな形と配色程度しかみてないんだろうと思う。最近ネットフリマとかでルアーの釣書をAIに書かせてると思われる事例が散見されるようになってきて、「緑と黄色で小魚の形が特徴です」とか、まるで意味をなさない情報しかなくて、そんなもん見れば分かるから説明ない方がマシって思わされるけど、生き物の同定でも同様に、素人が良くやるなんか色と形が似てるからコレだろうっていう「見分け方」のレベルで、まったくアテにならないどころか、危険ですらあるので注意喚起しておきたい。具体的になにが危険かというと、生物でも食べることを前提とした場合に、間違えると食中毒やらで下手すると命取りになるからで、例えばツムギハゼ釣ってコレ食えるのかなと写真でAIに問い合わせて「マハゼです、日本各地の沿岸や河口部に生息し、天ぷらなどで美味な魚です」って回答を信じて死んでもだれも責任取ってくれないし取りようもないって話で、もっとヤバいのが先日もネタにしたキノコの世界で、この秋もツキヨタケが猛威を振るってるけど、あんなもん裂いて黒い部分を確認しても、食べられるキノコと混生してたりして全部裂いてる暇などないだろうしで混じってしまい当たるぐらいの難しい判定を、学習するといってもネットにある情報を広く一般的に集めることしかできないだろうAIに、個別具体的な事象についてそれぞれ判断ってのは無理があるだろう。結局責任を持って判断できる人間、多くの場合は識者に頼ることになるだろうけど、最終的にその者を信じるかどうか含め自分自身の判断でないと同じ死ぬにしても納得イカンと思うけどどうだろう。ネットの言うことを鵜呑みにして死んだらバカくせぇと思うよねって話。

 ただどのぐらい現時点で使えるのか使えないのか、あるいは質問の仕方しだいでどうにかならないか?ちょっと興味が湧いたのでチャットGPTは自分のパソコンにソフトを落とさなくても使えるようなので試してみた。お手並み拝見ってところである。

 まずはワシがテリエビスって同定したやつ。この写真の方が各鰭が開いていて同定には向いているだろう。実際のやりとりの際の画面を取り込んだのを適当に切り貼りしてます。問おう「この魚は何ですか?」 

 





 








 で回答は、以下


















    






   

  

 言ってることがだいぶおかしい。ミギマキとは似ても似つかんやろって突っ込みは捨ておいて、最初ミギマキに似てるといった舌の根も乾かんうちに、「より正確に言うと、~ではなく、~エビスダイ科の魚である可能性が高いです。」と、まあAIに舌があるのか知らんけど、どっちやねんっていう煮え切らない回答ぶり。まあ最終候補にヨスジエビスっていうエビスダイ系っぽい名前が出てきたのは上出来か?でも、どんな魚だっけってヨスジエビスを検索してもそんな和名の魚はヒットしてこない。学名はこういうとき極めて役に立って、お作法どおりの斜字体じゃないにしても書いてあるので大西洋の魚のだというのが分かる。っていうか手元の「魚の分類の図鑑」調べたらエビスダイ科って日本じゃ呼ばないはずでイットウダイ科のことだろうけど、英語圏のネット情報から学習していて英語名の直訳で和名とか科名をでっち上げてる気配がある。あと、整理された特徴だとこんなもんイットウダイ科のほとんどがあてはまるし、他にもいっぱいあてはまるだろう。同定の基準たり得ない。

 とりあえず、エビスダイ科は日本語ではイットウダイ科のことだと解釈して、追加の質問というか突っ込みを入れてみた。
























  

 

 はいそのとおりですって、素直な回答と「とても鋭いご指摘です」と使用者に忖度した言い回しをいただいた。けど、テリエビスの特徴が、だからその程度では同定できないんだってっていう状態なのは変わらずで、まあこりゃダメだ。一番下に「必ずしも正しいとは限りません」と逃げ口上を書いてあるけど、もっとデカく書いておいて欲しいお粗末さと言って良いだろう。

 とはいえ、エビスダイ系なんていうややこしいマイナーな魚ではネット上の参考情報も限られるだろうし、この1件をもってダメ判定はかわいそうだろう。ということで2問目。スズキ(セイゴ)でいってみました。


 おおっ、写真からの情報での判定としては充分及第点あげていい回答。学名も斜字体になってる。やっぱり日本語の情報がネットに多い事柄ほど回答の精度があがるんだろう。沢山データを取り込んで学習すればするほど”かしこく”なっていくという学習型のAIの特性を考えれば当然か。ただ、和名としてマルスズキを使っているのはこの場合減点。釣り人が普通にヒラスズキとの対比としてマルスズキの呼称を使うのは、既に巷間に流布しておりワシャ問題ないと思ってるけど、分類学的には最近”標準和名”は最初に何らかの形で報告を上げた学者が提唱したのを使うという、標準ってなんだ?っていう根本から考えておかしな慣習になっていて、スズキでも何でもないニュージーランドとかにいるカウアイArripis georgianusの標準和名にマルスズキを提唱したマヌケがいて、マルスズキっていうと混同が起こりかねないのである。マルスズキって図鑑には載ってなくてもそう呼ばれてる魚が既に居るならややこしいことになるって分からんだんかねって話。あとヒラスズキは磯でしか釣れんわけじゃないし逆も真なり。一般的なイメージに引っ張られすぎ。

 ついでにもういっちょ、引っかけ問題で遊ばせてもらう。

 面白いぐらい、ものみごとに引っかかってギンガメアジとの回答。ツッコミ入れると「とても鋭い観察ですね」とおべんちゃらを言いつつ、したり顔で解説を入れてくれるのが、むしろ人間くさく感じるぐらいで趣深い。
 
 存分に楽しませてもらったのでお礼を言ったら、ご丁寧な返事をくれたけど、まあ釣れた魚が何か分からんくても今のレベルのAIには聞かんわなというのが正直な感想。


 







 

 ネット上には、魚の同定に特化したアプリケーションソフトも出始めたように見受けられるけど、ベースが学習型AIなのは良いとして、「みんなで精度を上げていきましょう」っていう方式であり、その方式は結局は責任の所在が明確ではないので、ある程度は便利に使えるモノにはなるだろうし、普通の利用者にはそれで充分なんだろうけど、最終的には以前も書いたけどみんなで情報持ち寄るウィキペディア方式では情報の正確性には限度があると思うところ。誰かが責任もって、中坊博士監修の検索図鑑の同定ポイントをAIに学習させた上で最新の論文とかで明らかになった事項など情報を更新していく方式でないと、とどのつまり”自身の名に賭けて”書いてないお気楽なフワついた書き込みが精度を下げていくのは避けられないと思う。ワシの書いてる記事も匿名ではあるけど、ネット上のナマジという人格はそれはそれでもうある程度独立して確立された人格になりつつあるので、ナマジはナマジの名に恥じぬように書いているつもりである。あと、チャットGPTとやりとりしていて一番問題だと思ったのは、注意書きはあるにしても、分からんことを素直に分からないと言わずに適当な回答を生成してしまうところにあるようにも感じた。いつも口を酸っぱくして書いているけど、生物の世界では線引きができない事象がでてくるので「分かりません」っていうのも一つの立派な回答だと思うので、そこはAIなら設定でどうとでもなるだろうから今すぐ改善した方が良いのになとネットの片隅で思いましたとさ。ソクラテス先生も孔子先生も草葉の陰から同意してくれるだろう。キノコの世界では「分からないキノコは食わない」というのが判断方法の原則の一つになっていることもむべなるかなである。

 とはいえ、この手の技術の進歩の早さって驚くぐらいで、そのうち文句なしに使えるモノになっていくだろうってのは想像に難くない。なにしろ先行している画像映像生成の分野では、生成AIが作った映像が加工無しの映像と区別がつかないレベルにまで来ていて、ネットニュースやらで流れる映像にAI生成のものが紛れ込んでいても見てる側から判別しようがない。元データで加工の痕跡とか調べれば分かるのかもだけど、そんなもんすぐにそれもごまかすような技術は考えられるだろう。視覚だけじゃなく全ての感覚が人工知能の作り出した”仮想現実”にすり替えられている世界を描いた傑作SF映画「マトリックス」の世界に、我々はすでに片足ぐらい突っ込んでる気がしてならない。自分が見ているモノが現実なのか誰かの作り出した生成物なのか、これは夢なのか現なのか?胡蝶の夢みたいな話で知りようがないという悪夢じみた現実が既に眼前にある気色悪さ。「この目で見たモノしか信じない」とかほざくバカは視覚的心理的トリック程度でいともたやすく騙されるわけだけど、見たモノも聞いたモノも”フェイクニュース”まみれでまがい物だらけっていう世界で、なにを信じたら良いのか?結局騙されるときはどうやっても騙されるので、その中でも自分が生きてきて学んだものやゴーストのささやきや論理的な思考、全てを動員して”多分大丈夫・・・かな?”、”これで騙されているなら仕方ない”という感覚が得られれば御の字ぐらいと考えておくしかない気がする。あぐらの上の愛猫の温もりがもし夢マボロシだとしてもオレはそれでも今このときの喜びのためなら騙されていても仕方ないと諦める。

 何しろホモサピは自分の信じたいモノを信じる生き物らしいので、信じる者は騙されているのである。すべてを疑え!

※この記事上げて数時間後、自分で読み直していて「GPT」を「GTP」と書いていることに気がつき修正。まずはテメエのオツムを疑えってか?ロウニンアジ用のポッパーじゃねぇっちゅーの。GPTはGenerative Pre-trained Transformerの略称だとか、だからローマ字頭文字の略称は嫌いだっちゅうねん。

2025年11月8日土曜日

サービス、サービスぅ!

 竿は基本直せるなら直す。まあ、竿に限らずだけどな。ワシ、余裕があって道具で遊ぶ状況だと、いろんな道具出してくるけど、持ってける道具が限られているとか、ギリギリの勝負で余裕がないとかだと、基本使い込んで手に馴染んでる道具しか使いたくない。なので、釣れていて問題が生じていない道具は、多少不具合生じてもなるべく直して使う。何しろワシ好みの道具は中古市場や海外市場にはあったとしても、国内の新製品市場にはほとんどないので、買い替えるっていったってワシのお眼鏡にかなうのを探してくるだけで一苦労で、ご存じのように予備も確保はしているけど、直せるモノなら直したい。

 っていうのとは対照的に、釣りの上手い人である元同居人は”弘法竿を選ばず”で道具なんぞ何でも良いぐらいで雑に扱って竿折ったり、リール壊したりしてきたけど、珍しく、冒頭写真にも写っているパックロッドは気に入っているようで、いまタイ王国で仕事してるんだけど、竿先折ってしまったので直らないか?と打診があった。シマノの安物のパックロッドでどうということのない竿だけど、仕舞い寸法と小技の効く6フィートの短竿っていうのが使いやすいらしく、タイに赴任する前にも、長期休暇であちこちに旅するときとかにトランクにぶち込んでおけるので、ちょっとした水辺とか機会があればすぐに投げられる機動力の良さで、冒頭写真のようにいろんな魚を釣った想い出があり、思い入れが生じているようである。実は長年使っていて、一度穂先部分のソリッドカーボンの繊維が縦に割れ始めて、さすがに寿命だなと穂先をグラスソリッドに変えて修繕済みで、穂先折れたくらいは最悪全取っ替えで、そこまで酷くなければ竿先詰めてガイドつけ直すだけの簡単な作業である。ただ、そうはいってもタイから日本に送って日本からタイに送り返すと、3~4千円はかかる。正直そのぐらいのお金を出せば、タイにも黄色い店が進出してるぐらいなので、パックロッドぐらい適当な竿が買えてしまうだろう。ただ、そこは釣りの上手い人も、いま調子よく使えている竿を換えるよりも、同じ竿を使い続けた方が使い勝手が分かっているので良いという判断で送ってきた。

 折れた状態を確認したところ、トップのすぐ下で折れているので、ちょい詰めてそのまま残ってる穂先を使って直して問題なさそう。

 まずは、トップガイドをそのまま使いたいので、軽くライター炙って残ってる穂先をペンチで引っ張って抜く。上手く抜けてくれたのでそのまま使えそう。もし上手くいってなかったら、ギリギリで穂先を切って、径の細いドリルでグリグリとトンネル掘って工事する予定だったけどすんなりいった。まあ、エポキシ接着剤は熱で溶けてくれるので上手く行きやすい。たまにガイド換装のときにどうにも取れなくて、チョイ短くなるけど切って詰めて対応せざるを得ないことがあるけど、接着剤なにつこてくれてるねんって話。この竿に関しては元の状態はワシが組んだものなので当然トップガイドはエポキシ使ってる。

 で、ガイドの位置が2番目も変わってくるので、2番ガイドが止まる位置を太らせるのと、トップガイドを填めるのにこれまた適当な太さにするために、様子見ながらスレッドを巻いてガイドがスムーズに固定できて、かつ振り出し竿なので2番ガイドを止めるために太らせた部分がつっかえずに上手く収納できる太さになってるか確認して、トップはエポキシで、2番の位置止めは瞬間接着剤で固めて、トップに関しては目立つように蛍光黄色に塗っておいた。

 接着剤の固化のため1日おいて、ライン通して曲げて問題ないか確認しておく、っていう作業は2番の位置決めるときにもやっているので念のため。穂先をソリッドグラスにした関係上、かなりの先調子になっているけど、曲がりが一カ所に偏って負担が掛かるとかは見られないので、まあこんなもんかなと。

 竿の調子がどうとか、ましてや感度やら軽さやら、どうでも良いたぐいの竿で、とにかく仕舞い寸法がコンパクトで邪魔にならないので、旅先に持っていく荷物に入れて邪魔にならない。持って行くから出番も生じて、結果いろんなところでいろんな魚が釣れる。っていうのが強みの竿なので、金かけてでも直す価値のある竿だったのだと思う。

 で、修理終わったので送られてきた時の塩ビ管に詰めて、ついでに空きスペースにルアーとかも入れて、まあ国際郵便で送るのかなと検索して、今時は郵便も事前にネットで必要事項記入して打ち出しして窓口に持って行くってできるようで、2キロ以下で大きさも一定以下だと、「国際eパケットライト」ていうのが安いのでそれで行く。このサービスは窓口で手書きはなくて、ネットでの手続きが前提となる。これが思わぬ面倒の種になった。なにが起こったかというと、竿1本にルアー8個とか書くのが面倒くさかった(あと、地味にFishingrodって通じないことがままあって、Fishingpoleで通じたりするのでややこしい)のでfishingtackle(釣り具)1式とまとめて記載して持ち込んだら、窓口のお姉さんに駄目出し食らって、中身確認できるように蓋にテープ貼らずに持って行ってたので「中身確認して問題ないこと確かめてください」と言ったけど、国際的な航空便の検査が厳しくなってるので正確に書いてくれと杓子定規なことを言われて、だから中身みてもらってけっこうですって言っても結局「規則ですから」と見てくれず今時役所でもそんな説明ないぞと思いつつもこりゃアカンと、手書き修正は受け入れてくれないので戻ってチマチマと初見だと分かりにくく入れにくいシステムにチマチマと入れ直して打ち出して持って行って、再度「なんで中身も確認してもらって良いのにダメなのか、入れたらいかンようなモノ入れるヤツがまともに記入するわけないだろう?規則でそうなってるって規則はそっちが作ってるんだろ?その規則を作った目的はなんなんだ?きちんと必要性を理解できるように説明してくれ」とウザいクレーマー以外の何物でもないことを言ってしまった。結果窓口のオネーチャンじゃなくて上司が出てきたけど「釣り具だと相手国の税関で突き返されることがあり得る」とか言うけど、なぜ「釣り具」表記だとダメなのか根本的な理由がまったく理解できない、間違いなくどこかでX線かけるワケで、その時に竿だのルアーだのが写って「ああ釣り具だな」と確認できる以上のことがなぜ必要になるのか、まったく分からない。かつしつこく繰り返すけど中身見ますかって言ってるのに見ようともしないくせに、書いた品と中身が一致するとなぜ思えるのか?書類さえ整っていれば良いっていうだけなら心底くっだらねぇ、危険物も関税も関係のないものを送るのが見えきっている利用者にまでややこしいことを言うのは止めて欲しい、と実際にはもっとネチネチチクチクとクレーマーそのものとして嫌がらせしてやった。そのぐらいしないと現場で処理されてしまいなにも改善せず、まったく国際物流の安全性に寄与しない”利用者に面倒を強いるだけ”の仕組みが継続されるので、腹立ったというのが1番の理由だけど、問題として上に上がってマシになることも期待して本来の刑法的な意味の確信犯として良いことだと思ってやった。「むしゃくしゃしてやった」けど反省はしていない。ホントかどうかしらんけどこちらから言い出したワケじゃないけど「上にも伝えさせてもらいます」という言質も得たし、まあ今日はこのぐらいで許しといてやるわ(©池乃めだか)と切り上げた。

 しっかし、いまどきこういう体質の窓口業務とかが維持されてるのって、ド○モと郵便局とエラそうなラーメン屋ぐらいだよねってぐらいで、役所がさんざん役所タタキくらって改善しているのに、民営化した元国営企業様は昔の悪い役所仕事が蹈襲されていると感じずにいられない。郵便局の因習”懲罰自転車”とかの記事目にしてドン引きした人も多いだろうけどまさにそういう感じ。一方役所の手続き窓口って引っ越しすると住民票移したりなんだりでお世話になるけど、昔と比べて格段に簡単迅速丁寧になったと思う。仕事しててトラブル多発でクソだった企業にはデ△タ航空、富□通、みず×銀行と色々あったけどドコ○は中でも弩級だった。仕事内容は守秘義務あるだろうから書けんけどまあ酷かった。でもプライベートでの話なら書けるので○コモについても怒りに我を忘れついでにクソッぷりを書いておくなら、当時ドコモの光回線をネット用に使ってたんだけど、いい加減固定電話の契約を解除して回線をもっと安いところにしようとしたら、電話加入権の解除を伴うので、契約者である父親の押印した同意書と印鑑証明を送れとか言い出して、頭にくるを通り越して恐れ入りました。なぜ電話加入権の解除にそんなややこしい手続きが”昔は”必要だったのかというと、電話加入権って言うのは何万円だかを入れて確保した権利でそれで借金できる抵当権があったぐらいのもので、解除したときは入れてたお金が返ってくるという仕組みのはずだった。それをドコモのクソは勝手に「今後解除してもお金返しません」っていう弩級のクソムーブをカマしやがって、集団訴訟とかで「電話加入権は返金を保証する権利ではない」とか原告負けてるのを見て、この国の司法はホント終わってるって思うぐらい、口約束でも一般的な認識でも「電話解約したら戻ってくる」っていう当たり前を認められないから、裁判員制度なんていう恥ずかしい専門家にいちゃもんつける制度を設けられるんだって分かってるかね?ていうぐらいの自らあり得ないことに”なかったこと”にした権利について、金が絡むからちゃんと契約者と使用者が違ったら契約者の意思確認を本人確認担保しつつやりましょうねっていう手続きだったんだろう。金も返ってこん、当然抵当権もクソも無くなった権利の解除になんでそんな面倒なことせにゃならんのじゃ?心配ならオマエがワシの父ちゃんに電話確認でも取ってくれって話だろ?ワシがまだ学生の時に父ちゃんが下宿の部屋に電話引いてくれたのを時代が変わるまでそのまま引き続きで使ってたのが悪いのか?で、追加でさらに腹が立ったのが、AUだったかKDDI系の通信会社からネット回線お安くしますよと営業電話が掛かってきて「いや~変えたいのはやまやまだけど、契約者の父親の同意書と印鑑証明送れとか言われてて、歳食った父にそんなしょうもないことで役所まで行かせたくないんですよ」って言ったら「おかのした!」って感じで、手続きこっちでやりますからと請け負ってくれて、そんなんできるわけないだろ?ドコモ様相手やぞ、と思ったらあっさり変更できて、できるやんけ!印鑑証明がどうとかなんやったんや!!っていうクソオブクソな対応でございました。

 何度も書いてるけど、規則とかって「規則だから」守らなきゃならないんじゃなくて、守らなきゃならない事柄があってそれを守るために必要な道具として定められているわけで、その規則が守ろうと担保しようとしていた事柄は何か?それに対して道具である規則が適切であるか?そこは規則を作る側も良く理解して欲しいし、窓口とかも規則が守ろうとしていることをこそ守るように運用してほしいものである。とジジイは口うるさく小言を書いておこう。

2025年11月1日土曜日

キノコ逍遙

  紀伊半島は雨が多い、そして暖かい。川崎在住時には公園で食えるキノコを採りまくってた”キノコんちゅ”でもあるワシとしては、とうぜん紀伊半島のその気候ならキノコもモコモコ生えてきて、採り放題食い放題だろうと思っていたけど、まあキノコはよく食べているけど、それは買ってきた地場産の椎茸とエリンギであり、キノコ採りはぜんぜんである。なぜならちょっと前にも書いたとおり、紀伊半島の山林では林業が盛んで、山はだいたい私有地で許可無く勝手にキノコとって良いと思えず、さらに言うならスギやヒノキの林に生えるキノコはなくもないけど多くはないと聞くので手が出にくい。

かつて狩った獲物
 っていうかワシ、キノコほぼ独学で同定して食っていて「キノコは玄人の案内なしで採ってはいけない」という不文律を破りまくってるけど、独学ゆえに「あそこに生えるキノコは経験上似た有毒種ではない」とかの安全に食べられるキノコを見分けるための実践的知識が乏しいので、確実に同定できると自信が持てて、かつ間違って似た有毒種を食べた場合でもお腹下すぐらいの被害で済む種に限定して狩っていた。ヤマドリタケモドキは太い柄と大きな傘の”いぐち”と呼ばれるキノコの仲間で、ドクヤマドリタケとかの有毒種が報告されるまで「いぐちに毒無し」とか言われてたぐらいに、有毒種が少なく、かつ発生する地域や標高が限定的なので、ヤマドリタケモドキ自体柄に網目模様が出て判別しやすい種であるし、「ニガイグチ」が似てるけど、とても食えないぐらい苦いらしいので食中毒は起こしにくい。タマゴタケは赤い傘に黄色い柄と見た目はまったくの毒キノコなのに無毒で美味しいという素人でも狙い目のキノコで、間違うとしたらベニテングダケの傘の白いつぶつぶが落ちた個体とかだけど、ベニテングダケはあたっても腹壊して酔っ払うぐらいで死にゃしない。柄が黄色か白かしっかり見ておけば間違いもおこさないだろう。つい最近も自宅敷地内に生えたドクササコ食って食中毒のニュースが流れていたけど、ドクササコ死亡例はhぼないらしいけど死ぬほど体中痛いらしく、痛みに耐えかねて自殺した人が居るとか伝説になってる。けど、そっくりさんのカヤタケという食べられるキノコもある。ミスったときに腹痛程度で済まないカヤタケは独学キノコんちゅなワシとしてはそれっぽいのを見つけても手を出さないというような方針を貫いていた。

 というワシが狩ることができるキノコであるヤマドリタケモドキとタマゴタケはドングリの森の落ち葉の林床からモコモコッと生えてくるキノコなので、当地でそういう場所が見あたらないので、キノコ狩りはしていなかった。やろうと思っても膝に使用制限がかかっていた状態だったので、川やら歩き回るので精一杯でキノコまで膝を使う余裕もなかった。

 ただ、近所の整形外科で教えてもらった膝痛体操を続けて股やらふくらはぎやらの筋肉を鍛えたら、最近膝はだいぶ調子が良い。くわえて釣り場に行く途中にある神社の駐車スペースの隅の落ち葉から、神奈川の公園でも見慣れたキノコであるテングタケがニョコニョコと生えているのを見つけて心がときめいた。

 もちろんテングタケはTHE毒キノコっていうぐらいの代表的な毒キノコで、炙って置いておくとハエが食べに来て毒に当たって死ぬとか、そういう使われ方をしていたぐらいの毒キノコで、主な毒性分はムスカリンとイボテン産、ムッシモール。中毒すると吐いて下してという胃腸系をやられるのと、精神にも影響が出て酔っ払うとのこと。

 学名はAmanita pantherina、中島らもファンなら先生が各種向精神性の薬物について書き記した名著「アマニタ・パンセリナ」を思い出すだろう。先生勘違いしてベニテングダケの学名だと書いてたけど、テングタケの学名(のカタカナ読み)です。テングタケについては毒性が強いし食べたという話は聞かないけど、ベニテングタケ(Amanita muscaria)については、白土三平先生が(疎開先の)長野では冬の食料が乏しいので、ベニテングタケも塩蔵して毒抜きして利用していた、オレは炙って食べる、旨みの強いキノコであるとか著書で書いておられた。ベニテングタケはわりと食べる話を聞く。ネットでも食べてみた系の記事で挑戦して、イボテン酸は強い旨み成分のアミノ酸なので美味しいけど、その後吐いて下して酔っ払ってという体験談が拾える。あんまり良い”酔い方”しないようだけど、まあこの手の向精神性のオクスリって”セッティング”と呼ばれる条件が整わないと、悪酔いするだけの”バットトリップ”に終わるというのはお約束だろう。アタるかどうかビクビクしながら食っても羽化登仙とはいかんわな。向精神性のオクスリなら何でも一緒、酒でも天にも昇るような酔い心地の甘露にもなれば、胃袋口から吐き出して丸洗いしたくなるような二日酔いもある。ベニテングタケは以外に古くから嗜まれてきたようでロシアの少数民族のシャーマンが霊的体験のために使ってたとも聞くし、バーサーカー(狂戦士)の元祖であるヴァイキングの連中も、恐怖感を吹き飛ばすべくキメて戦場におもむいたとか、幸村先生の「ヴィンランドサガ」でもそういう表現は出てくるし、「スーパーマリオブラザーズ」のパワーアップキノコもそういうベニテングタケ伝説に基づいているとワシャ分析している。実は人間以外だと意外に食うやついるようで、ちょっと前に北海道でエゾジカやエゾリスがベニテングタケをモリモリ食べてることが報告されて、酔っ払わないのか何らかの抵抗力があるのか?雪の下からベニテングタケをほじくり出してトナカイが食べている映像を見た記憶もあるけど、そのトナカイの目は血走っていてキマってたように思う。北の方のベニテングタケはキマる成分配合なのか?ベニテングタケ一種類じゃないかもって話で、シベリア・ベーリング地域から各地に広がっていく過程でいくつかのタイプに分かれていったらしい。まあ、日本のベニテングタケ、テングタケでは気持ちよくなれないから食べちゃダメって考えておけばいいんだろう。日本でキメられるキノコといえばシロシビン配合のワライタケが馬糞とかに生えてくるけど、麻薬原料植物に指定されているので、中毒リスクに加えてしょっ引かれるリスクもあるのでダメ絶対!って話だな。しっかし、キノコはどう考えても植物じゃねーだろ、正確に言葉を限定するために詰めすぎて麻薬の原料になりそうなのはガマの毒もキノコ(真菌類)もあるのに植物ってまとめてしまう文系のお賢い人のアホさが露呈してしまっているように感じるのはワシだけか?シロシピンは幻覚剤の代表格で、その昔マヤ文明の末裔のメキシコ先住民のシャーマンであるマリア・サビーナ婆ちゃんが幻覚キノコの扱いに長けていることで名をはせていて、ディズニーだのジョンレノンだのも彼女の案内でトリップしたそうな。まあ米国内で違法なLSDやってますとは言いにくいので、アリバイ作りの面もあったんだろうなと思うけど、ディスニー映画「ファンタジア」やビートルズの「Lucy in the Sky with Diamonds」が幻覚剤の影響で花開いたサイケデリックカルチャーの代表として後世に伝わっているとかいないとか。武一先生の「コブラ」でソード人の敵方の仕掛けてくる精神攻撃が、視覚と聴覚を入れ替えるというやつで、音が見えるというブッ飛んだ世界をマンガで表現していて、武一先生の発想力に恐れ入ってたけど、後年、幻覚剤の見せる”ビジョン”でそういう事例があると知って、先生直接キメたのか文献で知ったのか、いずれにせよコブラもまたサイケな作品だと言えよう。ホントか?

 っていう、いろんなエピソードを頭にうかべて心ときめかせたっていうだけではなく、テングタケってワシの狩るキノコ二種と発生時期、発生場所が似ているので、これは探せば生えてるのではないか?とキノコんちゅのゴーストがささやくのよ。ってことで、長袖長ズボンにバフガードと帽子に軍手、30%ディードに蚊取り線香で武装して、神社の周りの鎮守の森を探索することにした。神社の敷地内でキノコ採りして良いかどうかは後で確認とるとして、まずは偵察である。

 とりあえず、駐車場の隅にはテングタケ以外にもモコモコ生えていた。

 写真上の、シメジみたいな茶色くていかにも食えそうなキノコに素人は手を出してはいけない。なぜならこんな見た目のキノコには有毒種も食用種もなんぼでもあるからである。食菌のハタケシメジに見えると言えば見えるし、代表的な毒キノコであるカキシメジにも見えるっちゃみえる。その2つ以外にも素人目に似たような種類はいっぱいあって、まず分からん。東北時代に地元の人に連れられてキノコ狩りに行って、ムラサキシメジとクリタケを収穫してとても楽しかったのを憶えているけど、クリタケそっくりさんのニガクリタケという毒キノコとどう判別してるのか聞いたら「見分け方はあると言えばあるけど、基本的に例年生えてくる場所で出てくるの以外は手を出さない」と仰っていて、そういう経験則も交えて総合的に安全策で行くべきなのが、中毒と隣り合わせのキノコ狩りという楽しみなのだろうと思わされた。公園に生えた白いキノコをバーベキューで焼いてくって中毒とか論外だけど、そのぐらい慎重にいかないと最悪死ぬ。白いキノコって悪名高い「殺しの天使」ドクツルタケとシロタマゴテングタケの致死毒ツートップに始まり毒キノコ列伝状態で、外来種で九州時代にベランダのプランターに生えたこともあるオオシロカラカサタケなんてのは最近公園とかで普通に見られるようになったらしいけどバーベキューで食うなよって話で、バカに生まれたやつは罰ゲームの多い人生を歩まなきゃならんってことだろう。賢い皆様は君子危うきに近寄らずでおねがいしやす。白いキノコで食えるのもあるけどワシなら絶対手をださん。曖昧模糊として線引きが難しい多様性に富む生物を相手にミスったときに死ぬリスクがある判断を、せんでもいいのにあえてする必要性は感じない(ワシ専門の魚ならある程度リスク込みでやれる自負はあるけどな。)。

 で、下の写真のころっと可愛いのが、どうも柄は太いし表面網目模様あるし、そこそこ大きいしでヤマドリタケモドキのように思えるけど、ここから成長できなくなってしまったようで、大きくなったら収穫しようとちょくちょく見てたけど、結局この大きさのまま腐ってしまった。でも、この駐車場で出るときは出そうに思うっていうのとテングタケが出るところと時期はやっぱりワシの狩る二種も可能性高そう。秋の初めというか夏の終わりのキノコのような気がする。いつも蚊取り線香で蚊と闘いながらの狩りだった印象。写真の時点で10月半ばで”夏の終わり”ってのも、夏以外のなにかが決定的に終わってる気がしてならんけどな。

 で、参道の階段を上ってお参りしたりしつつ、鎮守の森の林道を蚊に追われながら”キノコ目”になりつつ探っていく。

 まあ、キノコ自体は生えている。そりゃ鎮守の森はその地域の元の植生が残ってることが多いってぐらいでスギヒノキばかりじゃない。なんか紀伊半島っぽい常緑照葉樹とやっぱりスギヒノキに混じってドングリのなる木があるようで、足下に小さいのが転がってたりして、落ち葉も林の中はフカフカと積もってる。ただ、素人には同定が難しそうな地味なキノコがほとんどで、どうにもこうにも。

 サルノコシカケは、薬用とかで売れるかもと帰宅してからメルカリとかで調べてみたけど、千円するかどうかで鎮守の森でノコギリ引いて良いかどうかの確認の前にやる気が失せた。ちょっとオオッとなったのは、右の白くなった腐りかけのキノコで、大きさから言って”いぐち”の仲間の可能性が高いなと思ったけど、傘裏が棘状になってる特徴的には、香り高くて有名で、地域によっては珍重するコウタケの可能性もあったりして?ちょっと崩れかけで色も抜けてるので分からんけど真ん中が凹んでるのも特徴に一致する、コウタケ出るなら頑張ってみようかなと思わなくもない。

 とはいえ、食べられるキノコがワシャワシャ生えるという感じでもないので、たまに気が向いたら健康のために山道歩くかなという程度の低いテンションでいいのかな。写真撮れればいいや。食べるのは椎茸とエリンギがあるしな。と久しぶりにひと狩りするつもりがカラぶったので「あのブドウは酸っぱいに違いない」と言う狐。

2025年10月25日土曜日

もっとデカく!!

  前回は”おとなしい”クランクの話だったけど、今回は逆に”漢らしい”デカブツの話で引き続き根魚クランクの話です。ルアー図鑑うすしお味83弾、行ってみましょう。

上から10XD、バレット7+、ストリーク4
 水深3m前後を攻めるためのディープクランクはそこまで大きなボディーを必要としない。海でぶっといリーダー背負わせてるけど主軸の5XDやらベクトロン60は7センチとか8センチとかのボディーの普通のクランクベイトの範疇である。海水で4mぐらい潜る、淡水での5mダイバーもマッドペッパーマグナムやDD22など、ちょっと大きいけどしょせん淡水魚釣るためのルアーでデカブツってほどでもない。これが、淡水で7m以上、海水で5m以上潜らせようとなると話が違ってきて、その手のマグナムディープクランクとして我が家の蔵に備蓄されている弾は、ストライクキング「10XD」、ブーヤ「ストリークフォー」、デュエル「バレットクランク7+」という2オンス級50グラムオーバーの10センチ近いグラマラスボディーなブツで、すでに試投は済ませている。単純に使いやすいのはバレットクランク7+で、独自の重心移動システムで飛距離が出るので深く潜らせるには好都合。で、そのリップの形状が今時流行の急速潜行ディープダイバーのお約束のしゃくれたリップではなく、ヨーヅリ時代からの伝統である根元をキュッと絞った長さのあるリップで、国産品にも安易なしゃくれリップのパクリが多い中、独自の設計で一番機能的なマグナムディープダイバーに仕上げているのは、さすが世界のヨーヅリ(デュエル)と感心する。で、多くのパクリを生むことになった源泉だと思うクランクベイトの老舗ストライキングブランドが誇るXDシリーズの長兄「10XD」は飛距離こそややバレットクランクに後れを取るものの潜行深度は遜色なく、しゃくれリップのディープダイバー家元のデキの良さに感心する。そしてブーヤーは後発なので特色を持たせるために発泡樹脂ボディーに貫通ワイヤー構造という変態な仕様で、みちっと詰まったボディーが奏でるラトルサウンドはなんか良い音色なんである。潜行深度的には前述の2つにやや後れを取るけど、音が良いという長所は捨てがたいモノがある。あと独特の目の作り出す表情も良い。こいつらはカマスの時期にカマスの群れの下についてる根魚やら底物を狙うのに使いたいと思ってたんだけど、カマスの時期にはまずカマス釣っておけだし、余裕が出ても次に青物狙いで、底物まで手が出なかった。青物狙いのスピニングタックルではマグナムディープクランクは抵抗重くて巻きにくい。ということもあって”従来型PENN両軸機”で両手投げの練習を始めているところである。PENN「スクイダー140」ならたぶんグリグリと巻いてデカいクランクを深くまで届かせることができるのではないかと期待している。

スーパ-シャッドラップ、SKTマグナム、ビックM4.0
 っていう、必然的にデカくなる超深場狙いではなくても、デカクランクって使えるんじゃないかって40cmあるようなハタ系が釣れてくると思ってしまう。釣れたらお持ち帰りされてしまうので、基本的にスレた魚はワシがスレさせた魚という例外を除いて居ないはずである。であればアピール力強化でデカクランクで勝負決めるというのは一つの方向性としてあるのではないか?と妄想してしまう。蔵になんかないかとゴソゴソしてみるとクランクではなくシャッドかもだけど、14センチあるスーパーシャッドラップはいくつか在庫がある。ただカウントダウンモデルはともかくフローティングはそこまで潜らないからイマイチか?ってことで淡水で4mぐらい潜るマグナムクランクは無いかと調べたら、けっこう普通のシャロークランクっぽい見た目のものでも、でかい図体だとリップもデカくてけっこう潜るようで、一時流行ったのが廃れたのか、中古の値段も安いのでいくつか買ってみた。ラッキークラフトの「SKTマグナム」は11cmで14f潜るとなってて、メガバス「ビックM4.0」は12.6cmで4m潜るとなっててこのあたりはちょうど良いかなと。で現物がうちに来て持った瞬間SKTマグナムはいけそうだと直感する。重くて太くてミチッと詰まってる感じがしてノンラトル。気に入ったので投げる前から買い増しした。

 で、そこまでマグナムではないけどデカくて派手な存在に、これまで投げてきた中で、リップがクソデカいけど、それが潜行能力ではなく暴れる方向に効いているっていうやつがいて、こいつらもアピール力的には強烈だと思うのでSKTと共に今後投げてみたいと思っている。具体的にはアーボガストのマドバク兄弟長兄の「マドバグG27」と和製システムクランクの草分けスミスハスティーシリーズの長兄「ハスティー4」の2つである。過去に紹介したことの繰り返しになるけど、G27はとにかくデカい”お好み焼きのコテ”に例えた金属リップが、ハスティー4ではボディーのおでこの曲線と一体化して幅広のフラットフィッシュ系のようになってるデカリップが、大きく水の抵抗を受けて、時につんのめるようにしながら激しくガコガコと暴れるのである。こいつらで釣ったら多分それだけで自慢になると思う。っていうか他人に自慢してもポカンとされるだけだろうけど自分の中で気持ちよすぎる究極の自己満足が得られるだろう。

 ってなるとちょっと竿がデカリップモノはもとよりビッククランク用には専用のものが欲しくなる。買いました。まあワシの買う竿なので中古で4千円とかの安竿で、信頼と安心のバスプロショップスオリジナルのごっついグラスの2ピースロッドというワシの好みのど真ん中の竿で、「パワープラストロフィークラス2056 76H」というグラスで作ったライギョ竿みたいなバカ竿。7フィート半の重いグラスロッドなのになぜかグリップが短めでバランス悪いのはご愛敬。アメ人がナマズとか釣る時にそんなもん気にするかよって話だろう。逆にそれが引き手サミングの両手投げには塩梅良いので、従来型PENN両軸機と組ませるべく、親指の根元を乗っける座布団をリールシートに設けて、フォアグリップを延長する形でブットいバット部分にテニスのグリップテープ巻いておいた。これでぶん投げる練習してみよう。飛距離出るようなら青物兼底物狙いの時もこの組み合わせで行けるかも?

 ってな感じで妄想を膨らませていると、どうしても気になってくるというか投げてみたくなるのが、クソデカトローリングミノーで、以前ボーマー「サーティファイドデプス25」やマンズ「S25+ジョイント」はベイトタックルで投げてもクルクル飛行姿勢が安定せず飛距離出ずこりゃダメだという感触だった。しかしさらにデカい「サーティファイドデプス30」や「S30+」なら単純に重量増で飛んできゃしないだろうか?そしてまだ投げたことがないラパラ「Xラップマグナムダイバー30」はどうだろう?などと意味不明な供述を繰り返しており。病はさらに深まっていくのであった。秋深し隣はナニを病む人ぞ。アタイ病気が憎いッ!!

※長竿で投げたときにクルクル回ってしまったサーティファイドデプス25だけど、6.5fのいつものアグリースティックGX2で投げたら飛行姿勢安定して飛距離出る上にDD22より潜る。買い増しが難しいけどイケそうな感触。30もいけるかも。

2025年10月18日土曜日

おとなしく音無し

  音の少ないルアーの強さってあるように思う。少なくともラトルじゃらじゃらのルアーとは魚の反応が違うことは間違いない。どちらか一方が常に良ければ迷う必要も無いけど、状況によって違うようにも思うので、派手なのと地味なのはとりあえず両方試してみるべきだと思っている。まあ派手なのと地味なのの両極端の間には無限のグラデーションが美しく存在するわけで、そんへん細かく細かく突っ込んでいくと収拾つかなくなるので、あまり釣りの現場では細分化はしないつもりだけど、釣り場でワシが使う、派手なの1つと地味なの1つは究極の選択としてコレとコレってのを選ぶことになる(実際には2つには絞りきれずもうちょっとユルいけど)。そのために釣り場で余裕のある状況をみて、いろんなのを試して、これがオレの「派手」、これがワシの「地味」っていうのを決めていく作業をして、そいつらに託すって話だと考えている。

 というわけでルアー図鑑うすしお味第82弾は、先週に引き続き根魚クランクの話でグダグダといっておきます。

ビースイッチャー4.0ほか
 実際の魚が釣れるか釣れないかにおいて、クランクベイトが地味か派手かなんてのは、そもそも地味なクランクベイトでもワームとかと比べたら派手に決まってるので「そんなもんクランク食ってくるような活性のある魚ならどっちでも食ってくる」っていう切り捨ても一つの戦略かもしれない。ただ、やっぱりたいして濁りも出てなくて、日が傾いたとはいえまだ沈んでない明るさのある中とかだと、ちょっとアメリカンにど派手なクランクでガコガコ鳴らしながら攻めるのは、それがハマれば勝負早いしその可能性は当然あるんだろうけど、なんか気持ち的には、まだ夜の帳が降りてないなら、も少し地味におとなしく静かに小さく行ってみたくなるのも、また釣り人心理というものだろう。あといつも40cm越えるような良型が接岸してるとは限らないので、20センチぐらいのなら個体数も多いだろうし小型のクランクなら充分食ってくるので、そういうのも釣っておきたいといういじましい想いもあったりして、1軍ボックスにもおとなしめのクランクは常備している。ただ、前回同様50LBナイロンのリーダー背負って海水中3mの深さに潜行してもらうとなると、おとなしく、静かにはともかく、小さくっていうのはなかなか難しく、該当するクランクが限られまくる。最初に使ってたのは上の写真の下から2列目、スミスの同じボディーデザインで潜行深度を変えた”システムクランク”の長兄「ディプシードゥーMAX」で、これはサイズもピーナッツⅡ(上写真下列がピーナッツⅡサイレント)とかの小型シャロークランクに毛が生えた程度で動きの質的にもおとなしめ、ラトルは入ってるけどうるさいってほどではなく、実際に魚もよく連れてきてくれたし能力的には問題なかった。ただ、深く潜る小型クランクベイトって需要が少ないのと、泳ぎの安定性確保が難しくちゃんと泳がないのがあったりしたらしく廃盤で、兄弟の1,2,3は現行カタログモデルだけどお兄ちゃんは中古も弾数少なく入手に難がある。でお次にコレはどうだろうと試したのが上の写真の真ん中列メガバスの「X200ディープ」で、これは潜行能力も充分で、やや細身で小さめのボディー、おとなしめの動きと音で優秀。弾数も人気あったので中古がいくらでも入手できる。実績もあって文句はない。無いけどどうせならノンラトルのがないか?といらん欲が出てしまう。今年根魚あんまり釣れてない中、上写真2列目右のノンラトルの樹脂製クランクであるサンシャインフィッシング「ベクトロン60」が良い魚を引っ張ってきてくれていて、強度面で問題抱えているバグリー「DB3」(写真だとベクトロンの横)の後継として投入したけど、動き自体はブリブリと大きく、DB3とはまた違う個性ではあるけど期待以上の働きをしてくれている。っていうのがあるのでノンラトルはやっぱり効く場面があるよなって話で、小型でおとなしい、淡水でなら3.5m~4mぐらい潜るクランクベイトという、技術的にも深く潜るにゃデカいリップがいるからそれを支えるデカいボディーが必要なのに、ボディーは小さくとかやり始めると安定させにくいだろうし、そこまで潜らせて地味にいきたいならワームでも使ってろって話だろうから需要も多そうに思えない。まあでもいろんなルアー作られているし探せばなくもないんじゃないか?とネットの海にドブンと浸かって探してみたら、ございましたその名をジップベイツ「ビースイッチャー4.0」でその名の通り4mダイバー。小さいので50LBのリーダー背負ってちゃんと潜ってくれるか心配しつつ試し投げしてみたけど、小さいのに飛ぶし、潜りも安定してピッチの細かい振動みたいな動きでグイグイ急速潜行して3.5mぐらいは潜ってくれる。これぞワシが求めていたモノだと久しぶりにヨーヅリとか以外の国産ルアー新品箱入り買いました。ジップベイツって中小メーカーだけど、チヌポッパーの釣りを牽引した「ザブラポッパー」とかのブランドで、オリジナリティーのある先駆的なルアーを作ってる印象で好感持てる。音がしないのは重心移動の磁性タングステンのオモリが棒に刺さって前後して、着水後は磁力で前の位置に固定されてカタカタ暴れないようになっているそうで、同じような仕組みダイワやデュエルでも見た気がするけど特許技術だそうである。細かいところで方式違うんだろう。なんにせよ凝った機構を搭載した高性能なジャパニーズルアーって感じがしてワシっぽくないなという気もするけど、性能的に優れているので1票入れざるを得ない。ルアーが良く釣れるか魚にそっぽ向かれるかは、なかなか使い込まないと分からないものだけど、ディープダイバーについては、まず欲しい潜行能力があるかないかが大前提でありキモなので、この高性能さは買いである。おそらく状況にハマってくれさえすれば期待した仕事をキッチリこなしてくれるだろう。コレで釣れんかったら釣り人の責任というもの。

上からフューズ3つに下ハスティー3
 もう一つ、おとなしいディープクランクで試したくなって投げてみているのがデュエル「フューズクランク」。3.5mぐらい潜る5XDよりチョイ潜らず、潮位が低いときや根がある上を通したいときには、スミス「ハスティー3」を使っていて、こいつはカタログ数値で3.8m、太いリーダーで海水使用だと3m弱ぐらい潜る感触。ハスティー3は性能的にもバランス良く仕上がってるし、カラーも豊富で不満はないけど、たまには違うのも使いたいなと、カタログ数値で3.5mの潜行深度のディープダイバーであるフューズクランクが買って使わずに放置してあるなと、実釣に連れだしてみたけど、これが、ヨーヅリ伝統の長くて根元が絞ってあるディープダイバー用のリップのおかげか、効能宣伝文句のとおり軽い引き抵抗でシュルシュルと潜っていくのは良いんだけど、軽い引き抵抗の分ラインが張ってなくて、水中での挙動も着底も分かりにくいスカスカした巻き心地でこりゃダメだと一回駄目出しした。でも、後になってつらつら考えていると、ラインテンションが抜け気味で手元感度が悪いっていうのは、逆に考えれば”魚の方にも違和感与えにくい”ってことじゃなかろうかということに思いが至って、ハタと膝を打って、これはひょっとして面白い手札になるかもしれないと検証作業のため実戦投入してみることにして投げている。ちなみにコイツもハスティーもサイレントじゃない。

 「ラインが張ってない”感度が悪い”状態で食わせると食い込みが良い」は自分の長い釣り歴の中で確信を持っている真理の一つだと思っている。分かりやすい明確なアタリを出そうとすればするほど、魚にも明確に違和感を抱かれて吐かれて弾かれる。これを強く意識し始めたのはヘラ釣りがきっかけで、ヘラ釣りでアタリが大きく出るときには既にヘラが違和感覚えて逃避行動とり始めてるって話で、そうならないように軽い仕掛けやわざと底に這わせた状態でラインを緩めてやる。そうすると当然アタリが明確に出にくくなるところを、微妙な小さなアタリ、時にアタリとも言えない変化でアワセると、向こうも違和感感じにくい状態なので口にハリが入ってる時間が長く、急いでアワせなくても余裕で間に合うというのに気がついて、先人達が小さくチクッと入るようなアタリを出すようにと言っていることの意味が身に染みて理解できた。コレはもちろんヘラ釣りの応用発展でやっている”延べアジ”ではまったく同じことが言えるし、フライで食い込み悪いときはハリス細く長くしたり、ルアーでは竿を柔らかくダルい調子のモノにしてラインを伸びのあるナイロンにしてってやると、アタリ弾かれにくくなっていく。今年シーバス狙いで20センチ無いような当歳魚の湧きがいいので、いつものアグリースティックよりさらにダルい調子のマイクロライトグラスにしているけど、柔い方がアタリ弾きにくいということは明確に感じる。加えてそういう”感度の悪い”竿でもきちんと食わせていれば手元にすらアタリは感じるモノで、竿先とかライン変化とかも見ればかなり微妙なアタリもとれる。マイクロライトグラスは黄色いので星明かりでも竿先の動き見やすい。世の中の釣り人は感度感度とうるさいけど、どんな道具使ってれば感度の良さが不足していると感じるのか不思議で仕方ない。ヘッタクソなだけだろって正直思ってる。

 ということで、ラインが張らない巻き抵抗の軽いフューズクランクで食わせると、食い込みが良くてしっかりハリ掛かりするのではないかという気がして、手札にできるように使いこなしてみたいと思っている。実績データが少ないので偶然という気もするけど、どうもヤイトハタは口の外側とかに掛かりがちでバレがちな気がするのでヤイトハタの多い状況で切る札にできたら釣りが面白くなると妄想している。チャイロマルハタとヤイトハタはそっくりさんで、同定に悩むようなことも多い似た魚種なんだけど、混ざって接岸することもあるけど、どちらかというとヤイトが釣れるときはしばらくヤイトが続いて、チャイマルが続くときはやっぱりチャイマルということが多いように感じる。似たような魚種だけど微妙にやっぱり性格も違うのだろうか?感度の悪いクランクを使う上で、水中での挙動はまあディープクランクがきちんと動いてないってことはないだろうから気にせず、となると問題は着底が分かりにくいということだけど、ポイントごとの水深の把握は既に終わっているので、根掛かりさせないように着底はさせないということを、普段から意識しているけど、それをより徹底して対応するのだろう。底から1mぐらい切っててもやる気ある魚なら余裕で食ってくる。底から30~50センチとかなら理想的かなと考えている。

 「ビースイッチャー4.0」「フューズクランク」の2つは、たまに切る札どまりで終わっても良いけど、ひょっとすると1軍打線入り、もしくは代打の切り札的なルアーになってくれるかもしれないと期待している。ラトル無しのディープダイバーってDB3がまさにそうだけどバルサ製なら珍しくないし、古いメタルリップのディープダイバー、たとえばホットNやヘルベンダーとかもあるけど、バルサ製は強度問題があるし、メタルリップ系はトローリングなら必要な深度に達するかもだけど投げて巻くと意外にそこまで潜ってくれない。ましてや太いリーダー背負わせて浮力が強くなってしまう海水ではって話である。そういう中でビースイッチャーは貴重なレアキャラだと思うので新品も買って1票入れておいた。もう一方のフューズクランクは中古がクソ安いし、おそらく巻きの軽さは現行のデュエルのディープダイバーにも引き継がれているようにリップ形状を見るとみうけられるので、現行モデルでもよさげで確保が楽。

 ルアーの釣りって、やってるとだんだん釣り場に持ち込むルアーの構成は単純化していくものだけど、百花騒乱、ありとあらゆる工夫やペテンや個性を盛り込んだ市場にあふれるルアー達を選ぶ楽しさってのは間違いなくあるので、今日もネットの海で良さげなルアーにマウスが滑るのをヤメられない止まらないのである。アタイ病気が憎いッ!!