という状況で、今後も上げ下げあるだろうけど海水温上昇傾向は間違いなく続くはずで、対策が必要と準備し始めたら、想定外に早く影響は現れ始めているようで、準備あながち早すぎるということはなく、いきなり結果が出始めたというのが今年の釣りの総括だろうか。ということで今年のベスト3”釣り編”をいってみます。
○釣り:1位「チャイロマルハタ65」、2位「ポッパーチヌ」、3位「越年メッキ」
1位は、今年一番良い思いをしたのは”根魚クランク”で、大型越年メッキやらフエダイ系やらの来襲に備えて、シーバスミノーみたいな大人しい動きじゃない”強い動き”のミノーをという選定作業中にいきなりそこそこの魚が食ってきて、しょうもないミスで切られたあたりに端を発して、雨がらみの状況でアカエソがロケットのように飛び出すポイントに根魚が入り、それを狙うのに一定の棚を、巻くだけで引いてくることができるクランクベイトが最適だと考えて試行錯誤が始まり、近所漁港の水深3mラインも攻略対象に入れて屈辱的なミスも何度か食らいながらもなんとか40、50の根魚まではどうにかできる目処が付いたところで、ドカンと一発食ってくれて自分のやってきたことが一つの正解だったと改めて確信が持てた。まあこの記事とか読んで「クランクベイト投げて巻くだけなら簡単そう」と真似する人には老婆心ながら警告しておきたい、その程度の洞察力では釣れなくて海中にクランクベイトをゴミとして残すだけなのでやめておけって話である。とにかく苦労したのは、根ズレ対策のリーダーシステムは過去の経験からなんとかしたけど、むしろクランクベイトを根掛かりさせないための、ポイントごとにあわせたルアーごとの潜行深度の把握である。カタログスペックの潜行深度は14ポンドナイロン直結のかつ最大値で場合によっちゃトローリング想定してたりもして全くあてにならんうえに、リーダーは8号で太いし海水でそもそも水の比重が違うので浮力も違ってきて、実際に自分の使うタックルで投げて巻いてみないとどこまで潜るか分からない。なぜそこまで慎重に潜行深度を気にするかというと、海での根周り狙いは着底即根がかりに近いぐらい根がかる。最初ディープクランクのリップは根掛かり回避能力もそこそこあるので多少は底に当てても大丈夫だろうと思ってたけど、甘い甘い干し柿より甘い。何しろ蛎殻がリーダーが引っかかりやすい複雑な形状で下手すると牡蠣が閉じてリーダー食うこともあるぐらいで、長いリップの根掛かり回避能力なんてまったくあてにしないほうがよい。逆に多少上を通しても根魚は食ってくる、っていうか上を通すことで食ってから反転させた方がアタリ明確で向こうアワセでフッキングも良いし、根を切る上でも有利に働く。ということで潮位変化も勘案してどのポイントでどのクランクベイトを投げるべきか、その中でどうも同じクランクベイトでもラトルの有無や動きの質で食い方が違ってくるようなので、ルアーのローテーションもさせたいところであり、ひたすら良さげなクランクベイトを買っては試し、釣っては評価しという作業を繰り返した成果なので、ひょいと素人さんに真似できるとは思っていない。逆に言えばワシしか今のところ近所でこういう釣り方ができる釣り人が居ないので雨や宵闇にまぎれて”独り占め”できている。来年も同じ状況が生じるとかどうかは正直分からない。ナルホイヤ。分からないけどハタ系ではなくてもフエダイ系が来るとか条件の良いポイントにはなんらかの捕食者がやってくるのは期待して良いと思っているので来年も精進してみたいと思う。釣れてる報告だけ読んでると簡単に思うかもだけど、どれだけスカ食ってるかも顛末記の方には報告しているので、まあやってみようと思う人は覚悟してやってみると良いとは思う。その価値は充分以上にあるだろう。 2位「ポッパーチヌ」、は2年越しの復讐戦で見事完勝。まあ案内してくれた和光さんも去年は状況良くなくて断念して、今年満を持して連れていってくれたぐらい気合い入ってたので、ほぼワシ言われたとおり釣っておけば良くてありがたい限りだった。なんにしろ釣り場に向かう道中とかでも、見える釣り場という釣り場はほぼ探索済みで、そういう足使って端から端まで探った中で今状況の良い釣り場を組み合わせて潮時も考えてくれてたので、釣行記読むと簡単そうに思うかもだけど、これまた「紀伊半島にいってポッパー投げたらチヌ釣れるんだ」と行ったところで、おそらく釣れないので勘違いしないように。それでも釣りたければ、和光さんのように端から端まで、日を変え条件変え探索するつもりでやるしかないと思う。まあそれが魚釣りってモノだとワシャ思ってる。あらためて和光さんに感謝を。死ぬほど暑くて苦戦続きだった今年のクソ夏ぶっちぎり1番の釣りでした。 3位「越年メッキ」、まあ海水温が上昇するといままで死滅回遊だったいわゆるメッキ達も生き残り始めるわけで、普通なら無駄弾のはずのヤツらが年を越し始めて、秋じゃなくて初夏ぐらいに手のひら超えるぐらいに育って良い引きを楽しめた。冬になったらカマス釣ってて25センチ級のロウニンメッキも釣ってて、確実に育っている。紀伊半島でGTと呼べるような大型ロウニンアジが釣れる日もそう遠くはないと予感させられる。今年はシーバスはさんざんで、そのこと自体はここ数年の傾向なので驚きはしないけど、釣れてくるシーバスがほぼヒラスズキ(ヒラセイゴとヒラフッコだけど)になってしまった。この状況から考えて、いま紀伊半島の海は「屋久島」ぐらいの環境になっているとワシャ思ってる。種子島、屋久島と言えば北限のGTポイントとして大型が出ることで名をはせたぐらいであり、紀伊半島GTは夢物語でもなんでもなく現実になりつつあると思っている。まあ大型に育つのに年月が掛かるのですぐにとはいかないだろうけど、死ぬまでにはお目にかかりたいものである。一見無駄な死滅回遊がここにきて意味を持ち始めていて、気候変動とかゆゆしき問題で食糧危機とかに繋がる話でもあり恐ろしくもあるけど、それでも変化に対応して勝ち筋を見いだしていく生き物のしたたかさには感心するとともに、一筋の光明を見る思いがする。○残念だった釣り:1位「根魚クランクルアーロスト」、2位「ハモ」、3位「クソ夏の豆アジ」
1位はほんと恥ずべき失態。今年魚の口にルアーを付けて切られてなくしたのが3個、根掛かりロストも5個ぐらいあって、近年まれに見るぐらい海にゴミを出してしまった。自らに課した罰則”根掛かりロストはしばらく釣り止めてゴミ拾い”を行うのは普段のゴミ拾いとは違い屈辱的で情けなかった。根掛かり自体はルアーごとの潜行深度、ポイントごとの深さを把握しきれてない時に、切れてなくてもヒヤリハットな感じのけっこう危ない根掛かりも起こってて「こんなにゴミを出しそうな釣り方は止めた方が良いんじゃないだろうか?」と悩んだぐらいである。その後かなり情報蓄積できて根がかりほぼなく釣れるようになったので良かったけど、来年はさらに精進して根がかりロスト0を達成したい。なるべく根魚の上方を通して食わせたほうが有利なのは前述のとおりなのでそれがキモだと思う。根掛かり覚悟の釣りなどクソ食らえである。
2位の「ハモ」はもう2年も泳がせでピチピチの活アジで狙ってるのに釣りきれていない。秋は根魚クランクが盛り上がってしまってぶっ込み泳がせやってる暇がなかったのもあるけど、それにしてもヘッタクソである。岸壁直下の泳がせも含めてここ数年”泳がせ釣り”には挑戦しているけど、アカエイ以外のまともな釣果が上がってない。ルアーだとそれなりに経験値があるので、根魚クランク苦戦したとはいえ初年度から結果が出てるのと大違いで、泳がせは霞水系でアメナマ釣ったぐらいしか経験がないので、上手くいかなかったときの、その原因もよく分からなければ対策として切る手札も持ち合わせが少ない。まあ地道に経験値積むしかないんだろう。急ぐわけでもないのでしつこく続けていこう。
3位の豆アジは、冒頭書いた通りの有様で、我が家の食糧事情的には危機に直面した。愛猫はカリカリも喜んで食ってくれるので良いと言えば良いんだけど、気候の変動が食糧生産という”生物資源”に頼っている人の営みに与える影響の身近な事例であったわけで、同じようなことが今後も起こりうるのはナマジ家の食糧事情も世界の食糧事情も本質的には同じはずで、死ぬまでに今年の米騒動程度ではすまない食糧危機はあるんだろうなと想定はできてキン○マが冷える。
○ルア-等:1位「ストライクキング:5XD」、2位「ダウンディープラトリンフラットラパラ7」、3位「コモモスリム95」
1位の「5XD」はみんな大好きピーナッツⅡの親元であるストライクキング社が放つ、ズドンと潜ってキビキビ動いてあまり引き抵抗が重くない超優等生ディープクランクで、今年一番の魚も連れてきてくれた。形状的にはボーマーの「ファットフリーシャッド」に始まるフラットサイド気味のやや側偏した形状のディープダイバーで、リップがちょっとしゃもじのようにしゃくれているのが特徴。この形状がリップの水噛みを向上させているんだと思う。ボディーほぼ一緒でリップがしゃくれてなくて平面な「プロシリーズ5」という同社のクランクベイトがあって、そちらが先行品のようだけど、カタログスペック的にも実際に潜らせてみても5XDのほうが急角度で潜っていき深く潜る。おそらくこのストライクキングXD(エクストラディープ)シリーズは現在最も進化したディープダイバーだと思う。日本のメーカーからも真似したようなのがいくつも出てるけど、おそらくコイツが一番できが良い。深く潜るルアーってボーマー「ボーマーベイト」やらヘドンの「クラブウィグラー」の昔から追求されてきた分野だと思うけど、いまだに進化を続けているっていうのを考えると、釣り人の探究心というか業の深さを感じざるを得ない。なんにせよ頼りになるルアーである。2位もディープクランクで、ラパラがバルサじゃなくてプラ製のディープダイバーを作ったらこうなりましたという、なかなかの個性派。やたら長いリップに水を噛む形状の工夫として、こいつはスプーンのような窪みをもうけてある。コイツも急速潜行能力が優れていて40クラスの根魚を何匹か連れてきてくれた。実績十分で備蓄もそれなりに増やしたけど、ミョーンと長い差し込み式のリップがごつい道具立てで扱うと折れるということが判明して、食わせる能力的には文句の付けようがないけど、強度面の不安で出番を減らしている。でも大活躍してくれたので2位に入れてその貢献を称えたい。
3位は、いつもお世話になってるアムスデザインのアイマブランドで出てる名作シーバス用リップレスミノー。おとなしめのアクションで適度に動いて、東京湾でも紀伊半島でもシーバスをよく誘ってくれる。こいつのオリジナルサイズの「コモモ125」がすべてのシーバス用リップレスミノーの元祖であり、リップレスの空気抵抗の少なさと重心移動システムにより飛距離が安定し、水面直下という”おいしい”棚を攻められる設計から、ルアーの新しいジャンルを切り開いた歴史的なルアーである。パチモンありがたがってる釣り人が多いのでコモモこそがオリジナルだと書いておきたい。渋かった今年のシーバス釣りにおいて、ちょっとマシなヒラフッコを連れてきてくれたので、長年にわたる功績も含めここに称えるものである。
○釣り具:1位「アグリースティックGX2 USCA662MH+ABUアンバサダーブラックマックス」、2位「タックルNo.2マニュアルピックアップ仕様」、3位「バスプロショップス:マイクロライトIM6グラファイトML60MC-4」
1位は、根魚クランクの今のところの主要タックルで上の方の写真にも写ってるやつ。竿は、感度だ飛距離だ軽さだとか魚全く釣れない釣り人でも評価可能な項目なんてクソ食らえな”世界一の安竿”アグリースティック、多少重く多少だるい調子も魚が掛かればその良さは歴然。なにしろ頑丈で折れる気がしないし、竿先の方はソリッドグラスだけど、バットのほうはカーボンでガツンと芯が入ってる感じで、ガッチリ魚の引きを受け止めてリフティングパワーを発生させる。リールも樹脂製で安っぽいけど、そこはABUのリール作りの上手さが生きている。丈夫でドラグも充分優秀。樹脂製でマグネットブレーキ方式なのは錆びないし雨の中で使って浸水させてもブレーキの挙動に影響が出にくく使いやすい。ワシが根魚釣るのに必要とする性能を問題なく備えている。しかも中古でクソ安く手に入れていて、両方で一万円もかかってない。竿は送料が高く付くのであれだけど、どちらも3000円ぐらいの本体価格。ラインシステムも通らんような小口径のガイドがついた折れそうな華奢な竿やら、分解整備面倒くさそうな高機能なリールやらは魚釣るのにはいらんのですよ。
2位は、既にブログネタにして長々と書いているのでここでは詳しくは書かないけど、要するにシンプルで要点を押さえてある道具を、さらに技術で補えるところは省略して使うとトラブル少なくて快適なんですって話。ワシの大森は格好いい(結論)!3位は、”ハトリーズを愛でる会”の時にひじさんからお土産でいただいた竿なんだけど、久しぶりに”ガングリップ”のシングルハンドのベイトキャスティングロッドというのを使ってみて、根魚根から引っぺがすのにグリグリ巻く用途でも意外に普通に使えるのと、投げるときに独特の味わいがあるので、使ってて楽しい竿だった。初の根魚40UPもコイツで釣ってます。4本継ぎで携行性が良いのもポイント高く、シーバスロッドもパックロッド持ってって、釣り場で交換して使うってのもできて便利で良い塩梅。
○デカアメミノー熱波:1位「フルーガー:マスタング」、2位「ボーマー:ロングA17A」、3位「ギブス:ダニー」
今年の夏はデカアメミノーが熱かった。中でも1位のマスタングの格好良さにはちょっと痺れた。歯のきつい魚からボディーを守る金属板を装備し、リップもアイを固定しつつ3カ所でネジ止めする丈夫な仕様。お尻のフックハンガーも回転しつつボディーを傷つけないように工夫されてて、設計思想というか”おっきな魚を釣るんです”っていう意気込みが見て取れる素晴らしい仕事ぶりで惚れ惚れと見惚れてしまう。手間も錢こもかかったけどその価値はあったと思う。2位の17Aは、まあロングA大好きなので仕方ないと言えば仕方ない。ナニが格好いいかって、フックが16Aも15Aも3本仕様なのに、一番大きいサイズの17Aは2本仕様になってるところが、ボーマーさんさすがと納得するのです。デカいミノーででかい魚を釣るとなると、フックも太くて丈夫なのを付けたい。そうなると2本フック仕様でないとサイズの大きなフックが乗らないのである。バスとかが横咥えしたときにハリ掛かりしやすいように3本フック仕様にしてあるのと違って、17.5センチのビックミノーをガボッと丸呑みするような魚を想定しているのである。まあ格好いいわな。
3位のダニーは、一応家にあるのがギブス社製ではあるけど、丸棒に金属リップのこの形状のルアーのカテゴリー名自体が”ダニー”というそうな。ボーマー「ポパー」とかクリークチャブ「ダーター」とかそんな感じか?なんにせよ、丸棒に金属リップという単純な造形だけど、ワイヤー貫通方式で丈夫な大物仕様になっていて、東海岸のストライパー野郎どもは、なんか素人をだまくらかすための魚っぽい見た目をしたミノーなんぞに興味はなくて、こういう無骨なルアーに信頼をおいているというのを知ると、やっぱり格好いいと思わざるを得ないのである。
てな感じで、今年は新規開拓の根魚クランクが苦戦しつつも良い結果が出せたのをはじめ、海が地球温暖化の影響なのかなんなのか?とにかく確実に変わってきていて、いやでもそれに釣り人も対応せざるを得ないということを思い知らされた。
アラブ世界のことわざに「人は誰も同じ川に二度入ることはできない」ってのがあるそうだけど、釣り場が毎回違う顔を見せてきて完全に同じ状況など起こらないってのは知ってたつもりだけど、それにしても大きく予想以上に早く変わっていく海をはじめとした環境に、驚きと不安と恐怖と、そして諦念を覚えずにいられない。
結局、目の前の海の状況がそうであれば、そのように釣るしかワシにはすることがない。
その二度同じ状況が来ない、かつ速度を速め変わりゆく海で、今年もなんとか釣りを楽しむことができた。来年の釣りがどうなるか分からないけど、釣りだからきっと楽しいだろう。そう思っておこう。
それではみなさま良い年、良い釣りの日々をお迎えください。
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