釣れてないと、当ブログの読者のみなさまなら予想がつくと思うけど、悪い病気が悪化して、何じゃらリールやらルアーやら買うてございます。アタイ病気が憎いッ!
とはいえ、写真のスクイダー140はこの夏従来型PENN両軸機にハマった結果、両手投げ用の主力機に据えたので、既に2台あるけど1台は金属スプールでキャスティング向きではないので、キャスティング用のスプールをもう一個確保したいというのもあっての確保であり、実質運用体制の整備であり”使うあてもないリール”をボンボコ買っているわけではないとご理解とご了承をいただきたいところ。加えて、ちょっと興味のあった使ってる状態で折りたたんで短くして高速リトリーブ、伸ばして長くして力をかけて巻くという、2スピードの切り替えができるハンドルがついていたので、チョイボロい個体で相場より高いかなという値段だったけど、スプールとハンドルだけでも価値あるだろうと確保した。まあ高いゆうても3500円くらいで知れてるけどな。
ハンドル伸ばして長くした状態は、いわゆる”パワーハンドル”を装着したのと同じ状態になる理屈だけど、最近のベイトキャスティングリールを見ていると、エラい変なことになっていることに気がついた。中古市場で高ギア比の6:1以上(最近は7:1以上もあるんやな!)とかのベイトにパワハンがついているのは分かる。巻き取りスピードが魅力でハイギアのリール買ったはいいけど、使ってみたら巻きが重くてしんどいので別売り社外品とかのパワハン付けて、巻きは手で回す距離が大きくなった分遅くなるにしても、自分好みの状態にもってくってのは普通にあり得ることだろう。ところがどうも最近のハイギアのベイトリールには最初から長くてゴツいパワハンがついて売っているようだ。ア・ホ・カ?もうね、カタログスペックでギア比と巻き取りスピードを大きく書いてはったりかますためだけのこけおどしでしかない。そんなもんギア比上げてハンドル長くするなら、ギア比下げて普通のハンドル付けておいた方がハンドルはもちろん、ギアやフレームなんかに掛かる負荷も小さく理にかなっている設計のハズである。無理矢理ギア比とハンドル一回転あたりの長さだけ稼いで、それが快適に釣りをするための、道具としての最適の設計なわけないだろ?
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| 77シーホーク |
ということで、こんなもんサクサクと工作。まずは内側に仕切り板的に適当なプラの板を切ってフランジの曲線にあわせて瞬間接着剤で貼り付ける。貼り付けたらそこに肉盛りしていくようにティッシュをよって瞬着で貼り付けて固化促進剤で固めて、その上にまたティッシュを盛って瞬着で固めてって作業をして大まかに盛り上げて、後はアートナイフとサンドペーパーで本体に填めて干渉しないか確認しつつ成形していって、最後プラカラーで茶色くそれっぽく塗っていっちょ上がり。ヨッシャ、これで第一優先の当初目的であった替えスプールの確保がなんとかなった。金属加工はワシには難しいけど、樹脂製部品で力がそれほどかからない部分であればいろいろとやりようはある。コレまでの経験が着実に身についてきていると感じるところである。
とりあえずのスプール確保と問題なさげなハンドルは確保できたとして、本体はどうにもならんのか?できれば復活させたいところ。本当にフレームが歪んでいるのかっていうのに、かなり違和感を感じる。なぜなら従来型PENNのフレームはちょっとやそっとでは歪まないっていう感覚があり、かつ、なんか元のスプールでもちゃんと回るときがあって少なくともその時は歪んでなさげに思うし、金属製のスプールを試しに填めたらちゃんと回って、巻いていても元のスプールのように途中から引っかかり始めて回らなくなるということがない。金属スプール専用機にしてしまうというのも手だけど、なんか惜しいところまで来ていて、解決策があるように思って、元のスプールを填めてクリクリ巻いて、引っかかるようになるのはなにがきっかけで起こるのか、何度も試してみた。するとどうも右側に傾けた時に巻くと引っかかり始めて巻けなくなる。逆に左に傾けて巻くと普通に巻けて引っかからない。これ、スプールが左右にぶれる状態で右にぶれると引っかかるンだなと見当がついた。実際に正常な2台は左のメカニカルブレーキを締めてスプールがカタカタ遊ばないようにすると、右には行かなくなるのに、今回入手した個体はその状態からなおスプールを押すと右にガタつく。ならスプールが右にいかないようにすれば良いだけだなと思うのだけど、これが意外に難問。丸アブなら右側にメカニカルブレーキの摘まみがあるので締めれば済むけど、スクイダー140は右側はハメ殺しで締めることができない。シム板を入れて調整できれば良いんだけど、ハメ殺しされている右側軸受けにはボールベアリングが填め込まれていて外せず、シム板入れるっていっても軸受け穴の大きさの板を用意せねばならず難しい。
悩みまくって、とりあえず全体整備して最後に考えることにしたけど、コレっていう案が思いつかないので、遅くなったし一旦寝た。寝床に入っても眠りに落ちるまで考え続け、朝起きてまどろみの中でも考え続け、スプールのがたつき幅を測って、軸受け穴に入る太さの適当な樹脂棒を見繕ってきて、その幅に輪切りにした樹脂棒から切り取った調整用シムをハリに刺して突っ込むという方法で行こうと方針を固めた。固めたんだけど、実際にぶち込もうとして填めてあるベアリングと刺さる軸の形状をよく観察すると、軸の先が穴の底に届いているわけではなくて、ベアリングの上に軸の段差の部分が引っかかる構造のようである。ならその引っかかるところを嵩上げしてやらないと、穴の底からの距離はがたつき幅より大きいだろうから、一発勝負でほじくり返してのやり直しがしにくい穴の底に適切な厚みをもった調節用シムを入れるのは難しい上に、ベアリングの上部で軸の段差を受けないとベアリングの回転を使ってない形になるかもという懸念もあって、ベアリング上部にハマって軸がちょうど通るサイズのテフロンワッシャーを重ねてガタつき調整を行ったところ、0.3mm2枚でちょっと足りず、3枚でビンゴだった。ちなみにノギスであらかじめ測ってあったガタの幅は1mmでだいたいあってた。なんとか本体も使える目処が立った。 もいっちょついでに全体整備するときに、革の片面を樹脂で固めたドラグパッドが1枚劣化していて崩れたので、前々から興味があって素材を用意してあった”革製ドラグパッド”の自作もしてみた。まあやることは簡単で、軸に合わせてポンチで穴開けて、ドラグパッドの直径に合わせてハサミで切り取ってグリス塗って填めるだけである。1mm厚の3枚だとちょっと厚みが出すぎて填まりきらなかったので、1枚薄手の0.3mmにして入れてみた。PENNの革ドラグは結構優秀なドラグなので期待したけど、ナニが違うのかそこまで優秀な感じには仕上がらなかった。そこそこ調整幅もあるけど、やや止まりが悪い感じで高負荷かけにくく、使えなくはないけどって程度。まあコイツはバックアップ機で替えスプール要員なので、出番が来るようなことになったらHT-100のカーボンパッドとかに換装して実釣仕様にしてから使えば良いだろう。っていう感じで、我が家に来なければ”燃えないゴミ”に分類されていてだろう個体を、使用可能な1台に復活させることができて非常に満足している。ぶっちゃけもっと程度の良い安い個体も出てくるけど、こういうワシが買わなきゃゴミっていうやつこそ買うべきだと感じている。程度の良いヤツは別の欲しい人のところに行って、従来型PENN両軸機の実力を知らしめてやって欲しい。
などと思ってたら、変速ハンドル単品で箱入りでネットオークションに出てきて、1600円+送料で落札。入札者ワシだけ。この変速ハンドル、ハンドルノブの軸がPENN純正のトービート型みたいに金属で細軸じゃないので社外品だろうとは見当つけていたけど、箱情報はやっぱり役に立つ。PENNの輸入元でもあった「大和精工株式会社」製でございました。製品名は「ペンリール用変速替ハンドル」で定価360円という時代を感じさせる一品。大和精工株式会社の名前は1958年から1969年ダイワ精工株式会社に社名変更するまで使われていたはずなので、このハンドル、おそらく1960年代の製品でワシより年上という歴史ある逸品でございました。箱がもう風化寸前で開けたら蓋が取れ畳もうとしたら他のところも分解しと半世紀以上の歴史を感じさせるに充分。この変速替ハンドル、リールについてた方を使ってみたら、力を込めて巻き始めると自然とハンドルが展開していく方向に畳まれていて、オオッてなるんだけど、意外にちょと力入れたぐらいで開き始めて、実釣では強度的な部分とか含めてどんなもんか使ってみないと分からん感じではある。でもギアで2スピードを実現しているトローリングリールとかより機構的に単純なのは好ましく。使える性能ならちょっと便利かもしれない。巻きが重くてディープダイバーには向かないなと評価した「ジグマスター505HS」でもやれるようになったりして?などと妄想しております。50年とか前の設計の古いリールの方が今時のこけおどしリールより実釣能力高いとか普通にありそうで、まあどの世界でも工業製品全般にいえることだろうけど、しっかりした基本性能は初期の頃にある程度完成されていて、その後は付加価値付けて売らんがためのくっだらねえなくてもかわまん無駄邪魔機能の追加と、飾り立てたカタログスペックぐらいしか変わってないんじゃないかと、全部が全部そうじゃないにしても、そういう部分が少なからずあるなとワシャ思うんじゃ。








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