2024年12月28日土曜日

役作り

 蒐集家、コレクターの欲望はきりがないものである。何でも欲しがるクレクレタコラだと、収拾がつかなくなるのはこのブログの読者様方なら、大なり小なりご存じでしょう。ご自身が深い沼の住人であるならもちろん、周りにブクブク沼に沈みかけているご友人の1人や2人は居ることでしょう。

 ネットで見た事例で一番やばかったのは、ストームの「ホットN」を全色揃えようとしている御仁で、ルアーマンなら「ストームとバグリーはやばいでしょ!」ってヤバさが分かると思うけど、もう歴史のある古いルアーでかつ現役でラパラ傘下ストームブランドでも売られているから、クラッシックかつベーシックな色だけでも相当な種類があるけど、それこそサーモン用のメタリックカラーとか、地域限定版とかレアカラーも山とあるうえに、現時点でも新色追加とかあるだろうから、まさに”底なし沼”の様相を呈していた。そっちの沼は危ない。

 そして現実で一番やばかったのはツーテンの虎ファンさんで、ハンドル名のとおりヘドンの「210」とかルアーの蒐集もやばかったけど、それ以上にダイレクトリール中心に両軸がやばくて、ワシ自分のことを棚に上げて「そんなに沢山もってても使い切れないでしょ?どのぐらいあるんです?」と聞いたら「分からんけど、毎日違うリール使って何年かもちそう」とのたまわれてたのでひっくり返りそうになった。ワシなんて蒐集家としては下の下で、いつも書くけど沼の浅いところでピチャピチャ泥遊びしているに過ぎないと思う。毎日違うリール使ったら1年もたんからな。JOS師匠もそういえばスプーンマニアで、スプーンの本が出るときに取材協力とかでお宝公開してた。今現在フライマンだけど集めてるのはスプーンってのが蒐集の世界の恐ろしさの一端を表していると思う。

ABSに感謝を込めて
 ワシ基本的にルアーとか大量に買い込むのは「使いたいときに売ってなくて困るのがイヤ」というのがあって、意外に実用品を買ってるように自分では思ってる。自分では正常だと思ってるのが真の異常者だという意見も目にするけど、ワシは大丈夫だろう。フラットラップが廃盤になるときに実店舗、通販手当たり次第にあたってかき集めていたり、同様にFマグがカタログ落ちしてた時期に死にものぐるいでかき集めてたり、送料掛かるからまとめ買いせにゃならんと、箱買い勢ならお馴染みの6個単位で買いまくりのロングAだのレーベルだのがモノによってはキロ単位で備蓄してあるけど、買えなくなったらこまるから仕方ない。実際に箱買いでお世話になってた「アメリカンバスショップ(ABS)」さんという通販業者さんが今年で一般向け通販はやめるとのことで、釣り具業界厳しいとは聞いてるけど、結構な老舗通販ショップがなくなるぐらいで、欲しくても買うところがなくなるとか、作ってるメーカーが潰れるとか普通にあるご時世なので仕方ないのである。ちなみにABSさんの閉店半額セールではこれまでの感謝も込めてぶっ込ませてもらいました。これまでありがとうございました。

 とはいえ、読者の皆さんもうすうす感じてるかもだけど、ワシも若干収集癖が見られることがまれによくある。例えば、インビンシブルのよく使う8センチじゃなくて12センチの青黄赤の信号機色を揃えてみたくなったり、ストームのシッポ生えたクランクベイト「タビーズ」を揃えてみたくなったり、4桁PENNの使いもしない8500ssも買って全サイズ揃えたけど一度も使ってなかったり、まあちょっとぐらいは誰でもアルよねって程度には、人並みにはワシも収集癖あるのかなと思ったり思わなかったりしてます。今回はそんな感じで、別に必要ってわけじゃないんだからねってブツなのに思わず買いそろえてしまったルアーネタで行ってみます、ルアー図鑑うすしお味第78弾。なんというか、麻雀までいかないけど花札みたいに猪鹿蝶とか雨四光とか、集めてみたら風流だろうなって感じの役を狙ってみた、そんな感じです。


 で、最近買ったルアーといえば、根魚用のクランクベイトが多かったわけで、そっち方面の候補を検討していて、すぐに廃盤になりそうな国産の小規模メーカーの最近のモノは申しわけないけど候補から外して、今でも作ってるロングセラーやら、古くても当時のベストセラーで中古の弾数が多いのでなんか良いのがないかと、書籍にあたったり、ネットの海をさまよったりして探し回っていた。その結果が冒頭写真の有様。新しい釣りを自分で試行錯誤しつつ始めるとなったら、まあこうなります。ルアーの整理にお味噌のパックは使いやすくてお薦めです。

 当然、昔バス釣ってたころにお世話になったクランクベイトは信頼できるんだけど、まあワシあんまりクランクベイトって色んなの使ってきたわけじゃなくて、ぶっちゃけバスハンター、ピーナッツのダイワ安価良品シリーズと、さっきも書いたタビーズにクランクなのかバイブレーションなのかよく分からんミスティーとかぐらいで、あんま知識がなくて、逆にいまさらながらマグナムディープクランクのお勉強とか、なかなかに味わい深く楽しめた。そんななかで、そういえば得意にしていたクランクがもう1種類あったなと、思い出したのがレーベルの「ベビーブリーム」である。みたまんまブルーギルのルアーで、一世を風靡したレーベルお得意のナチュラルプリント柄の「ベイトフィッシュシリーズ」の一員で、なんというか今でいうフラットサイドクランクみたいな形状で、ゴトゴトラトルであんまり潜りすぎず2m行くかどうかぐらいで、使いやすいよく釣れるクランクだった。ただ、こいつリップが差し込みリップを接着剤で止めただけでそれなりに型の良いのを根から引っぺがす必要性が出てくる根魚釣りには使えんなと、弾込め候補からは外した。外したんだけどベイトフィッシュシリーズにはベビーブリームと同じ形の色違いクラッピー柄の「ベビークラッピー」、やや細長い形状のバス柄パーチ柄の「ベビーバス」「ベビーパーチ」が存在した。そういえば売ってたな。ベビーブリームはブルーギルの別名パンフィッシュブリームから来ててギル模様だし、ベビーバスもバス模様なので、日本にも居るからいいけど、日本にいないクラッピーやパーチの柄のルアーなんて釣れるのか?とナマジ少年は思ってた。今と違って素直でひねくれてなかったのである。今考えればベビーブリームもベビーバスもバスがギルや仔バスだと認識して食ってきてたかどうかなんて怪しいモノで、良い動きと音とそろってて、状況に合ってたら、クラッピー柄だろうと、パーチ柄だろうと普通に食ってくるだろうと思う。まあでもギル食ってるバスをギルルアーで釣るっていうことの楽しさは、ルアーの楽しみ方としては正しいように思うから、ベビーブリーム投げてバス釣ってた少年時代も楽しかったからよしとしておこう。よしとしておくんだけど、この手の”リアルプリント”ってなかなかに趣深くて、そんな人気もないし、珍しくもないから中古の値段も手頃だしいっちょ揃えてみましょうか、という気分になって。箱入り美品とかじゃなければ千円もしないぐらいなのでサクサクと集めてみましたレーベル「ベイトフィッシュシリーズ」4種コンプリート。釣れそうな顔してやがる。リップの補強考えて実戦投入してみようかしら?

 お次も、クランクベイトでこれは実戦投入の弾として集め始めたら、よけいな蒐集欲がムクムク湧いてきて、思わず星取り表まで作って中古買いあさってしまった。スミスの「ハスティー」シリーズです。深度別に機種を揃えた”システムクランク”の我が国では元祖的なシリーズで、1~4まで潜行深度が深くなるにつれ本体も大きくなる4種類のサイズが用意されていた。ハスティー1がワシの根魚タックルだと潜行深度が50~100cmの間で浅い石組みの上を通すのにちょうどよく、ハスティー3はカタログ数値だと3.5m潜るとなってるけど、8号リーダー付けて海水で使うと3m弱しか潜らない。ただ、3m前後が近所漁港では根魚の実績が多い水深で、ハスティー3は動きも良くカラーも豊富で3m弱のチョイ浅めのポイントや、わざと底を切ってやや魚の上方を通して根から離れさせて食わせる用途で重宝している。ハスティー4はリップのお化けのような特異な形状でリップからボディーの背中にかけて全体で水を掴んで暴れまくる感じで、動きはとても派手で使いどころはあるように思ってるけどまだ実績はない。むしろボートからやるサケ釣りとかでウィグルワートやホッテントット、タドポリーの代打が打てるんじゃないだろうか?実にいい顔してるルアーで見てるだけで楽しい。そしてハステー2も普通に良くできたクランクベイトなんだけど、潜行深度とキャラクターがピーナッツⅡDRとかぶりまくってて、ワシピーナッツでできる仕事はピーナッツに任せたいと思うぐらいに信頼しているので、ミスティー2の出番は残念ながらなさそうである。なさそうなんだけど、4種類ある上に、カラーも豊富でスミスさん良い色揃えてござる。全色揃えるのは無理にしても、何種類かは同じカラーで4サイズ揃えてしまいたくなった。何しろ使う目的で買ってたら、2のサイズ以外既にそろってたりしたので、これはついでにいっとくしかないなと思ってしまったのである。結局メタリックな”火の玉ハスティー”って呼ばれたらしいカラーのうち緑系と赤系、他に緑系のベーシックなのをと3色で4サイズ揃えることができた。三色同順というか四暗刻か?すごく良いルアーだと思ってるけど廃盤になってて、でもよく売れたルアーなので中古の弾数は豊富。昔よく売れたってことは、よく釣れた実績大のルアーなわけでそれが中古で安く売ってるなら買って使えば釣れるに決まってる。

 最後、ABU「ハイロー」は一見ナニが違うのかよく分からんように思うかもだけど、こいつらは実は産地が違う。もちろん古いのは本国スウェーデン製(med inじゃないところがやや怪しい)、ワシがシーバス用とかで買ってた時代は台湾製、そして意外なことに「Made in Japan」の時代があるんですねこれが。ABUマニアなら常識かもだけど、カーディナルCシリーズとかのリールは日本製のが結構あるのは知ってたけど、ルアーも作ってたとは知りませんでした。というわけで3つの産地と思わせておいて、最後世界の工場中国製が、実は背景に隠されているのにお気づきいただけただろうか。同じサイズで揃えたいところだけど、いまハイローって定番品としては作ってなくて、企画モノ的にこの20センチのデカいのとか、もうちょっとまともなサイズのジョイントとかが最近売られてた。ABU(ABUガルシア)のブランドがなくならない限り、たまにハイローは作られるだろうと思うので、次の生産国はどこになるのか?出たらいくつか買うんだろうなとは思っております。

 てな感じで、かわいらしい”役”を作ってたりするところだけど、実は狙ってる役満級の役はあって、一つはルアー関係なんだけどここ5年ぐらいで2回ヤフ○クに掛かったけど、2回とも競り負けて手に入ってない。2回目は根性で1万5千円ぐらいまで頑張ったけど、相手降りる気なさそうなので尻まくって逃げました。もういっちょはリールなんだけど、これはそもそも出てこない。イー○イでもヤ○オクでもメ○カリでも見たことがない。出てきたら相場もクソもないのでそれなりの金額突っ込む覚悟はしているけど、出てこんものはどうしようもない。生産された期間が短いのと、それほど注目を集める機種じゃないので出てこないんだと思う。高くても出てくればチャンスもあるんだろうけど出てこないとどうしようもない。まあ気長に待ちます。出てきて確保できればまたネタにしますので、うっすら期待しておいてください。

2 件のコメント:

  1. 3枚目の画像見て、あまりの懐かしさで悶えました。
    40年前にシリーズ全部揃える為に小遣い貯めた記憶があります

    このベビーシリーズシリーズ集めるよりウィRのシリーズ集める方が、子供心にも判ってたんですが、
    矢鱈とカッコいいから集めてしまいました。

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    1.  この辺のルアーは再販もされてないし、我々世代には刺さりますよね。
       サスペンドRは導入検討してますが、意外に弾数少なくて出てこない。大事にされてる理由が分かります。
       サスペンドのディープクランクって意外に少なくて、我が家にあるのはバスハンターSPとマッドペッパーサスペンドぐらいで、もうチョイ潜るのも探してます。DB3ドレッジは良さげだけどれいによって強度面が、って楽しく悩んでます。まあ最終的には穴開けて水でも入れて調整してもいいんですが。

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