2021年1月30日土曜日

スピンフィッシャー714zはワシの終着点かもしれん

 「ああ!また熱がァ~ッ!!」 

 魚が釣れないと症状が悪化することで知られている”スピニング熱”、この冬の苦戦の状況でぶり返さないわけがなく、もうこれは仕方ない。あぁ仕方ない。

 というわけで買っちゃいました「PENNスピンフィッシャー714z」は落札価格7250円+660円送料、「マイクロセブンCS」は落札価格3000円+510円送料。

 しかし、刑事訴訟法第203条に基づき弁解の機会を与えていただきたいッ!

 「714z」はしゃーないんです。この大きさのは「430ssg」を主軸にする心づもりっていうか実際10年以上そうしてきたんだけど、うっかりインスプールのリールに手を出してしまったら、714zをたまに使うのも楽しいかな、ぐらいのつもりがすっかり気に入ってしまってシーバス釣りでは押しも押されぬ主軸機、さすがに1台運用では心もとなく、当初予備機のつもりで買ってあった緑の「714」を部品取りとかに使うのはもったいないので、714zもう1台欲しいなと以前から考えてたところで、何度か入札するも競り負けてたんだけどやっと予算内の妥当な値段で確保したんです。衝動的にとかじゃなくて計画どおりなんです本当なんですよ、刑事さん。

 というわけで2台目(写真左)なんだけど、714zは弟機の716zと比べても人気薄で、ましてやカージナル33、ミッチェル408、大森コメットあたりとは比較にならない地味な存在だけど、はっきりいってこいつはデキる子です。なにが売りかって聞かれると、丈夫で整備性が良いっていう、なんだかボンヤリした感じのことしかいえないんだけど、実際使ってみるとこれが、まったくもって面倒臭いことが全然なくて楽で快適このうえないので惚れずにいられない。

 基本PENNなのでパーツからしてステンレスやらアルミやら真鍮やら錆びに強い材質が多く使われていて、海水で使っててほったらかしでもそもそも錆びたりする箇所が少ない。普段はラインローラーに注油さえしていれば他に錆びるところはなさそうだし、よしんば水没させて浸水しても、サイドカバーがネジ一つでパカッと開けられるので浸水してたらそこから水道水注いで”水洗い”で当面は大丈夫なぐらいだし、心配なら全バラししてパーツクリーナーで洗って改めてグリス塗って注油しても、なにせ単純な作りなのでたいした手間ではない。昨年使ったのを年末に全バラしようかと思ったけど、浸水させていないし調子も良いのでラインローラーとハンドル根元、スプール外して主軸に注油という普段の注油だけで放置することにした。けど、まず間違いなく今年もシーバスの時期が来て引っ張り出せば問題なく使えると思っている。浸水させると唯一錆びそうなのが主軸にハマっているボールベアリングだけど、これは外径16mm、内径8mm、幅5mmの規格品でいいので簡単に入手できるし数百円なので消耗品扱いで良いと考えている。

 という感じで手入れが楽なんだけど、実際の釣り場での使用もこれがまた”楽”なんである。これまで書いてきたことの繰り返しになるけど、ラインが後ろ巻きにならないようにとかラインローラーを水平にとか場合によっては微調整は必要だけど、使ってて糸ヨレが酷いとか巻き癖が付いてドバッと出るとかのライントラブルがほとんどなくて、巻き癖が少ないのはスプールの径が大きめなのも効をそうしているんだろうけど、径が大きいスプールはラインの放出性も良い感じで、スプール上下は単純なクランク方式なんだけどむしろクランク方式ゆえにスプールの上下幅が狭めなのが右手人差し指でラインの放出を調整するときやりやすくて、”スプール直径大きめ幅狭め”っていうのは小型スピニングでは正解の一つじゃないかと感じている。幅が広くなれば、ライン放出に伴いスプールに巻かれたラインの直径が細くなっていってスプールエッジにアタる角度がきつくなるのを防げるので飛距離が稼げるぐらいの利点はあるのかもだけど、その分スプール上下の機構が面倒臭くなって、かつ投げるときに右手の人差し指にあたるラインの角度が不安定になるので悪い面もあるのかなと思う。遠投投げ釣りなら利点が生きてくるかもだけどルア-の釣りではそこまで幅が広いことの利点は生きてこないから、逆に幅が狭くてライン放出の調整がキマって正確に投げられる利点の方が大きい気がする。このへんの直径と幅の違いについては、714zとほぼ同じギアと本体でスプールの径が小さい716zと同じ太さのラインで比べてみればハッキリするかもしれないけれど、とりあえず716zは使う予定が無いのでどなたか比較したことあれば感想教えて欲しいところ。ちなみに似たような関係の430ssと420ssではあんまり差を感じるほどじゃなかった。けど、これはそもそも使ったラインが420ssに適合するような細めの5ポンドだったので差が出なかったのかなとも思える。8ポンド2号ナイロンを714zでは使っているけど、2号ナイロンは716zにはちと巻く気がせん。さすがに巻き癖ついて不具合出るんじゃなかろうか?まあそういう感じで適正なラインの太さってのは各機種想定されるんだろうけど、714zは716zという最軽量機と似たような軽快さでもって2号ナイロンでスズキ狙っても大丈夫っていう本体シールの「ウルトラスポ-ツ」って標語どおりの機種なんだと感じている。逆に714zに細糸4ポンド1号ナイロンは問題なく使用可能なはず。

 でもって投げたら巻くんだけど、これは滑らかな巻き心地には定評のあるウォームギア方式なので、チョイ重めだけどカリカリ鳴る逆転防止の感触とも相まってワシャ好みである。巻きの重さとかって好みの問題が大きいんだろうけど、実際問題として軽すぎると”巻き感度”が悪いっていう話も聞くし、実際そこそこ高級機種の国産スピニングのスッカスカの巻き心地は使ってみて好みとしても嫌いだし、慣れもあるのかもだけどルア-が水噛んでる感触も分からん感じで使う気にはならんかったよねって話。基本魚が食った”アタリ”をとらえたければ竿先なりラインなり見たほうが早いと思ってるので、ルア-の尻にスナップつけて引いてても気付かず、魚が首振り始めるまで根掛かりと区別がつかない(つかないほうが早アワセがなくて良いと思ってそういう竿にしている)程度の感度を気にしない人間の書いてることだと思って読んではもらいたい。あてにならんがな。

 という感じで、特にこの点が優れてますって宣伝しろって言われると最初書いたように丈夫で整備性が・・・とかぐらいしか書くことないんだけど、もうちょっと頑張って書いてみてもPENNなのでドラグがまともなのがついてるとかも含めて、”まともに使えて長く使えて面倒臭いことが少ない”っていう宣伝文句としては破壊力に欠ける説明になってしまうのである。

 でも、使って良さが分かってくれば、このリールはこれはこれで一つの完成形だなと納得する。今回落札した個体の出品者さんも714z大好きだそうで、まあ同じような病気で同じような症状だなと思うんだけど、一生掛かっても使い切れないぐらい所持しているので整理するために売りに出しますとのことだった。流石に愛用者の放出品だけあって”当たり”の個体で、本体蓋が樹脂性でハンドル根元に注油の穴が開いている”中盤”時代のモノだけど、調整済みなのか元からなのかラインローラーはほぼ水平、ラインのスプールへの巻き上がりはやや前巻き、ベールの返りもガチャンと鳴らない強すぎない程度で適正で、そこそこ使い込まれていて小傷とかはあるけど、調整無しでそのまま使える良い塩梅の個体。値段は7千円台というのは相場だなと思うけどお値段以上のお値打ち個体かも。浸水跡とかあるようなら全バラして洗浄注油だなとパカッと本体蓋開けてみると、浸水跡はなく、多分出荷時に塗られたとおぼしき”芋グリス(干し芋みたいな色のやっすい茶色のグリスをそう言うらしい)”が残ってて、”PENNは基本ほったらかしで大丈夫”を証明するような状態だったので”ソッ閉じ”しておいた。スピニングリールなんて単純に作っておけば10年単位で外回りの注油だけで使えるってことよ。出品者さんあと何台かは出してくると思うのでインスプール初心者の方にはこの機会に「714z」を狙ってみることをお薦めしておきたい。714zはベール返しの部品を”熊の手”で曲げるのを防止するために両側から挟み込むように保護してあり熊の手対策は万全。左手でベールを返すのではなく、ハンドル巻いてベールを返す癖を付けるのには最適かと。かつ値段も綺麗な個体で大1枚前後、実用級なら相場はさっき書いたように7千円台と手頃なお値段。PENNの小型機、716z、420ssあたりは最近良いお値段するようになってきたけど、しょせんPENN使いは少数派なのでワシがどれだけネットの隅で頼まれてもいない宣伝書いてもたいして値段上がんないので、希少価値より実用性のリールであり続けるとおもっちょります。インスプールのスピニングなんて骨董的希少価値だけで実用性はないだろうと思ってたけど、使ってみると充分実用的で、そこらでシーバス釣るぐらいなら、部品数少なくて単純で面倒も少ないインスプールっていうのはありだなと実感しております。


 でもって、オマエなにまた大森買ってるねん?

 スイマセンつい出来心で入札したら開始価格で落札できてしまったんです。悪気はなかったんです堪忍しておくんなまし。 

 過去ワシャ、小型スピニングを性能で選ぶなら本体樹脂性の4300ss、キャリアーNo.1、ウィスカーSSトーナメント600の3機種を選ぶと書いた。でも大森から樹脂性スピニング1台入れるならむしろ人気のキャリアーじゃなくてマイクロセブンCシリーズだろうと昨年使ってみて思った。キャリアーが悪いってわけじゃなくてキャリアーは単純構造で軽量に振ってて、マイクロセブンCは樹脂性の軽量さを活かしつつも金属の補強を入れたりしてある程度丈夫に耐久性も良く作ってあって、ワシの好みなら後者だろうという話。この辺は好みであってキャリアーの軽さにこそ価値を見いだす人がいても当然だと思う。ただ、ネットオークションで値段が付くからありがたがってるだけってのならケッて唾吐きかけときたいってだけのはなし。まあ最近大森全般値段落ちてきたけどな。欲しかったけど落札相場価格見て諦めてた人はそろそろ買い時でっせと、”大森アナリスト”としてこれまたお薦めしておきたい。コメットとかでも1万5千円ぐらいまで落ちてきました。まあ多くの場合モノの価値が分かる人間が買ってたわけじゃない泡相場だったんだろうなとおもっちょります。コメットの落札価格が下がったところでコメットの価値自体が下がったわけでは全くないんだろうと思う。そんなもんてんで関係ないさね。

 この1台でマイクロセブンCシリーズ7台目。主軸で使うつもりもないし、丈夫に作ってあるからシール剥げるぐらいはあっても滅多に壊れもしないだろうから絶対一生掛かっても使いつぶせないけど、こんなに持っててどうするねんって自分でも思う。でも買っちゃうの。アタイ病気が憎いっ!いっそワシがカリスマとか天才的詐欺師とかなら当ブログを読んでマイクロセブンCが欲しいって人が増えて、1台何万円もするようになって売り払ってワシの老後の資金が潤うのにと口惜しい。

 マイクロセブンCシリーズ、分かる人には分かる名機ということで、たまに使って自分で楽しんでおこう。でもまた安く売りに出されていたら、なんか不憫で入札してしまうんだろうな。病気だから仕方ない。

 

 魚が釣れない、去年とは状況が違う、海水温が高い、雨が多い少ない、いろいろ言い訳はあるけど、まあそういうのも含めて対応して”来た魚を釣れ”っていうことに尽きるんだろうとは思う。思うけどそれがデキれば”突き抜けてる”ッテ話で苦労せんぞってくらいで難しいヤね。

 コロナ禍緊急事態宣言のおり、釣りも遠征の釣りとか全くできなかったりなんだりもあって苦戦中の同志も多いと思うけど、時化るときもアリャ凪ぐときもある。ってことで釣れない時を耐え、釣れる時合いが回ってきたらここぞとばかりに釣ってしまえるように、道具をいじるのも良いけど、なるべく釣り場で悪戦苦闘しておきましょう。

2 件のコメント:

  1. 720zが主役張るって思ってましたが
    714がインスプールの主役になってますか

    700系に手を伸ばしてるのを見ててそのままどっぷり逝くのは予想してましたw
    やっぱりワンタッチスプールシステムですか?

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  2. ドップリは予想どおりでしたね。

    ワンタッチはあんまり気にしてなくて、ドラグ調整は現場で竿の曲がりであわせてます。ドラグの使い方憶えたのがワンタッチが無い5500ssからなので昔は現場で秤であわせてましたが、慣れると締めるときの感触で合うようになってきたので最近は秤は使ってません。PENNはドラグの調整幅狭めなのでそこに入れておけば概ね大丈夫なところがあって、使いもしないドラグ値のあたりに細かく調整できたところで意味ねえじゃんと思ってます。

    720zは8f使う春使ってますが、メインが714zなのは7fの短竿との相性がいいのと、当たり前ですがギアとか一緒の430ssと感触が似てて手に馴染むってとこですかね。720zのほうが本体やや大きめです。あと720zのロケットベールのベールワイヤーはやや華奢で曲がるとベールの返りが悪くなったりPENNにしてはやや繊細です。714zは比べると丈夫ってのもあるのかな。どちらも好きですけど720zは使うのを楽しんでて、714zは実用的な道具として見てると言えるかも?

    なんでだろう?と考えてみましたがたいした理由はなくて正直よくわかんないですね。

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