2018年11月17日土曜日

覚悟完了!PENNスピンフィッシャー”ウルトラスポーツ”714Z

 覚悟とは性能を凌駕する魂のことなり!

 ということで、714から三十有余年にわたり釣り人の魂と共にあった漢のリールである714Zの実戦導入の準備は整った。

 今回はその準備の模様など、古リールに興味のある人の参考になればと公開してみる。
 さあ皆さん思い切って踏み出して、共に深い沼に沈もうじゃありませんか。




 とりあえず、お手入れの基本は分解清掃からだと思うので分解して、クレ666吹きかけて歯ブラシでゴシゴシ、ティッシュでキュッキュから始める。
 ちゅうても単純な設計なのですぐバラせる。ローターの下は706Zと似たようなもので極めて部品点数が少ない。
 ローター周りもそれ程ごちゃついてはいないのでたいしたことはない。
 でも造りは無骨でも丁寧かつ丈夫な感じで、そこはPENN伝統の持ち味に加えて古い造りのリールならではの風合いかと。
 ラインローラーを止めてるナットがかしめてあり力掛ければ外せそうだけど戻せなくなるとまずいのでとりあえずラインローラー回ってるし外さず進める。


 古いグリス、オイルを拭き取って新たに主軸とボールベアリングにオイルを注し、グリスをギア周り中心にグッチャリとグリスで濡れていない場所がリール内部にないように盛って、ベアリングの上下もグリスシーリング。
 とりあえずこれで、組み立てればギア等内部機構関係はひとまずよしかなと思って蓋締めてハンドル回したら妙に重い。
 何か間違えたか?
 同じような内部機構の430ssは同様の注油等で軽快なのでどうしたもんだろうと考えて、ハンドル軸とそれを突っ込む長いスリーブはグリスじゃなくてオイルだったかな、この時代のは省略だけど元々はここにオイル穴空いてたぐらいだしと、また蓋開けてグリスぬぐってオイル注して戻して、しばらく回してなじませたら軽くなった。
 軽くなったといってもウォームギアなのでそれなりだけど、そこは味わいってことで。


 この状態でも、とりあえずは使えるといえば使えるんだろうけど、トゥルーテンパー先生の教えによると、ラインローラーの傾きがきついと糸ヨレがきつい。結構傾いてる。
 なので、ベールアームが返ったときに受け止める部分の樹脂製のクッションを嵩上げして水平近く調整。
 クッションは塩化ビニール製のパイプ輪切りにしたのが丈夫でいいのでそれを使った。トゥルーテンパーで経験済みなのでサッと対応できる。

 ついでに、ベール返りがガシャンと強い場合は開く角度をバネの穴の位置やらバネやらいじって優しくカションと返るようにすると部品長持ちするようだけど、強いのか弱いのかあまり他の例を知ってるわけじゃないので、とりあえず保留で様子見。



 あと、実戦においては物資の補給は必須。スペアパーツだのは壊れてからでも間に合うけど、スペアスプールの弾数は釣果に直結するので素早く確保しておいた。
 高級リール様をスペアスプール無しの一台きりで使うぐらいなら、使える安リール2台買ってスペアスプールも2個ぐらい追加したほうが実釣能力が格段に向上するはずだと思う。
 714Zは高級リール様以上に「故障しない」リールだと判断して、いざとなったら緑の714を2台目として運用するけど、基本1台での運用を試してみようと考えている。
 しかし今時の物流はすごいね。米国のMYSTIC REEL PARTS」にネットでポチッとナと注文して1週間とかからずモノが届く。


 これで使えるなと、ラインなど巻いてみる。
 ここで問題発生。ライン巻いたらえらい後ろ巻きというかテーパー状に巻けてしまった。
 これって実は90年代あたりのスピニングリールの標準らしいって話で、キャスティング競技や砂浜からの投げ釣り遠投のためのスピニングリールやらからきたテーパーの付いてるロングスプールがルアー用とかの小型スピニングにも流行ったことの影響で、既存の機種でもやや後ろ巻きに調整されて売られてたんじゃないとか聞く。
 確かに遠投性だけでみたなら、前に巻かれたラインが邪魔にならないので、ラインが放出されるときスムーズに出て行くので利点となる。
 手返しとか無視していい遠投競技なんかでは、とにかく1発投げられればそれで良い的な考え方でミッチェルとかにも”ウエディングケーキ”みたいな変態リールがあったし、日本製でも今でも続いてると思うけどアウトスプールのスカートぶった切った超長いスプールのとかがある。

 でも、ルアーの釣りでは繰り返し投げ続けるので、ラインが放出されやすいことによる負の側面である、ドバッとラインがダマで出て行ってしまったりする不具合が生じやすい。なのでルアー用のスピニングリールのスプールの歴史を俯瞰すると長くなったり短くなったりしつつなんとなく普通なところに戻ってきている。ダイワは近頃逆にテーパーを付けてトラブル防止を謳ってるけど、正直、羮に懲りて膾を吹いてるように見えて馬鹿臭い。普通でいいんだろこんなモンよ。普通の道具で普通に投げられねえんなら腕が普通より悪いってことだろヨ。ってなもんである。

 ということで、普通にまっすぐ平行に巻けてテーパーも逆テーパーもつかないように調整する。
 後ろ巻きになるのを調整するには、前に出すぎてるスプールを下げてやる必要がある。前に出すだけならスプールの根元に高さ調整で追加でワッシャーでも噛ませてやれば事足りるけど、下げるには逆に引き算でスプールの根元のワッシャーを薄くするか、それでも足らなければ主軸の後端のネジ止め位置を加工する必要が出てくる。後者なら金属加工の手段をもたない素人の手に余る。
 とりあえず様子見で、まずスプール根元のワッシャーを抜いて、直接スプールの底面と、スプールが刺さってる軸のスプールを受ける面が接触するようにしてラインを巻いてみたらほぼ平行に巻ける。金属加工までは必要なさそうで一安心。
 後はいかに薄くて丈夫で滑りの良い素材を見つけてきて、純正のワッシャーを代替する薄いワッシャーに加工するかというところだ。
 さすがにそのままワッシャー挟まず金属どうしが接する形だと、ドラグが滑るときに摩耗するだろうからまずい。ドラグパッドの大きなテフロンが押さえつけられる力でドラグの効きが調整されるので、ドラグパッドのテフロンシートよりワッシャーが滑りが悪いとワッシャーがドラグパッドの役割を奪ってしまう形になり、せっかくPENN純正の効きの良い安定したドラグがもったいない。
 同じテフロンのワッシャーなら直径が小さいので総体的に摩擦が小さく、径の大きいドラグパッドの仕事を邪魔しない。純正はテフロンのワッシャーである。
 通販でテフロンの薄いシートを探すと、条件に合うようなのがなかなか見つからなかったけど、代わりに使えそうなのを見つけた。
 パン生地こねたりうどん打ったりするのにベタ付かないクッキングシートというのが、ガラス繊維の薄布をテフロンコートしたもののようで0.13ミリと紙のように薄いけど耐熱性とかもあってよさげで、60×40を3枚もいらんけど値段も千円位なので必要な大きさの穴開けポンチと共に購入。
 届いてみるとこれがなかなか良い塩梅の丈夫な物で薄さも申し分ない感じなので早速ポンチで抜いて純正のワッシャー外したスプールの根元にグリスちょいと盛って装着。
 ドラグの作動は問題ないようで滑りも充分良いようだ。これでしばらく破れたりしないか確認しつつ使ってみよう。多分大丈夫そうな感触。
 これ素材としてなかなか優秀で、台所用品としてももちろん使えるけど、薄くて丈夫で滑りが良いという性質はリール改造の素材としてもあれこれ使えそうな予感。良い買い物だった。

 で、改めてラインを巻いてみたらちゃんと平行巻できてて、スプールナイロン8ポンド用2個とセイゴ釣り用の4ポンド1個を用意して準備完了とあいなった。
 すでに430ssgの代わりにシーバス釣りに行くときの控えとして持っていってるんだけど、トゥルーテンパー727が普通に6時間労働とかこなせるようになったので今のところ出番はない。
 バチ抜け時期は竿との相性から4400ssを使うので、多分初陣は来年5月ぐらいか。その前にセイゴ釣りで試投してみるか。
 いずれにせよ楽しみである。
 

 インスプールのリール使ってみたら、そんな特殊でもなくて普通に使えるし、単純で自分で整備したり調整したりという余地があるのも、道具いじる人間には楽しい玩具である。
 興味があるけど、アウトスプールに慣れてるからな、と二の足を踏んでいる人がいたら、一つだけ重要な点に気をつけて思い切って試してみて欲しい。
 たった一つのインスプール初心者の冴えたやり方、は「熊の手」対策が施されている設計のリールを買うことである。
 今使ってる、オリンピックのトゥルーテンパー727も準備完了714Zも、ベールを返す時に手で無理矢理返そうとしても返せない。ベールを開いた状態で引っかけて止めるための部品が分厚く、かつ、ローターから保護の出っ張りが突き出ている。
 オリンピック、PENNの70と71が付く系以外にもダイワの古いインスプールにもこういった熊の手阻止策は講じられているのが見て取れて、なんてことはない昔の釣り人も手で起こして壊しがちだったんだろうと推測できる。
 むしろ人気あって値段の付いてるミッチェル、カーディナルの両巨頭が玄人向けで、値段も安くて入手しやすいそれ以外にこそインスプール初心者向けの機種が多い気がする。
 右手の人差し指でライン放出調整してハンドル巻いてベール起こすのはすぐに慣れます。

 ミッチェルのベールを手で起こして壊して以来30年に及んだトラウマを克服し、今ここに声を大にして叫びたい。

 インスプールしましょ!!

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