2024年6月8日土曜日

豪州に学ぶ

 久しぶりにルアー方面でえらい症状が出てアタイとってもつらいの。

 ルアー方面でも今回症状が酷く出てるのはミノー関連で、なんでいまさらミノーやねん?っておもうでしょ?ワシも思うんだけどちょっと説明させてください。あれですね、ちょい前にチョロッとヨーヅリのミノーについて触れたんだけど、あれらのミノーを試投してみたり、いじくり回したりしているうちに、まずはヨーヅリ方面熱が出て、そこからはもう日和見感染的にあちらこちらに症状出まくって収拾つかない状態、一ヶ月の釣り具費用は3万円を上限にしてるんだけど、5月は軽くオーバーしてしまい、そこでブレーキ一旦かかりかかったんだけど、6月になって月初めでまた今月も3万円まではいけるッ!と考えると、まだ余裕ありッ!とタガが外れて3日時点で2万円を突破。平日は毎日郵便受けにミノーが入った封筒が溢れそうになってる。

上段左からギンガメッキ、ゴマフエダイ、クロホシフエダイ
下段オキフエダイ、ヒメフエダイ、ヒラセイゴ
 ミノーなんて普段からシーバス釣ってるんだからいまさら買うまでもないだろ?って思うでしょ、まあでも聞いてください。最近海水温上昇傾向は間違いなくあって、上がり下がりしながらなんだろうけど、確実に右肩上がりのグラフを描いているのは目の前の海を見ていても感じるところで、秋にアジ釣りしてて深棚から始めると、ヒメフエダイやらオキフエダイの幼魚がバンバン掛かってくる”フエダイ時合い”で始まることも珍しくもなく、初冬には港内で群れるハタタテダイとかが常態化し、メッキは越冬してるようで秋を待たずとも釣れるし、セイゴは今期ほぼヒラセイゴばかりで、感覚的に今現在、紀伊半島は屋久島ぐらいの海の環境になってきたと感じている。そうなってくると、シーバスメインに組み立ててたルアーの釣りも、死滅回遊だったメッキやフエダイ系が育ち獲物となることを視野に入れる必要を感じ始めてて、そうすると今シーバスで使ってるような、おとなしめのミノーよりやや”強い”動きのミノーが欲しくなる。

 そんなもん、実際にそういう魚が釣れ始めたら買えば良いやんけ、って話だけど、まあワシどうせそういう魚を狙うにしても川に入ってきたヤツとかを接近戦で狙うわけで、今時の重心移動搭載のミノーじゃないのが欲しい。なぜ近距離戦には重心移動搭載じゃない固定重心が良いのか、これまでも書いてきたけど、おさらいすると、動きの立ち上がりが早い、竿先とかで動かすときの追従性が良い、固定していないオモリの立てる音が無い、等で特に最初の立ち上がりの早さは決定的で、例えば重心移動で50m飛ばせる重量のミノーが55m飛ぶようになった場合、遠投性では一割得するわけであるが、逆に5mの超接近戦で立ち上がりが50cm後れれば一割損するわけであり、障害物狙って投げて、そのキワキワの大事な50cmを無駄にすることは一割という数値以上に致命的に駄目なんである。他にも典型的なのが”ナブラ打ち”で魚が多少離れていても追ってくる、あるいは動いてなくても良いところにぶち込めば食ってくるって状況なら良いけど、ややこしいナブラになればなるほど、食ってくるタイミングと位置はキツキツに狭い感じで、捕食行動起こしてるまさにその時に、目の前良い動きしてルアーが通過しないと駄目って時が結構あって、そうなると着水と同時にラインの張りで動き出すぐらいの”動き出しの良い”ミノーが必要になってくる。分かってるメーカーはそのへん知ってて、固定重心のミノーも作ってたりする。そういう今時の固定重心ミノー、例えばコモモⅡなんかを買っても良いんだけど、ぶっちゃけ今時のミノーってアイマとデュオあたりか、多くはそれらとパチモン程度の違いしかない後発しかバリエーションがなくて、ならまあその2つか安いヨーヅリ、ヤマリアあたりを買うかなってぐらいで、お買い物の楽しみがなくてアタイ寂しいの。

ロングA箱2+α、Fマグ箱2、フラットラップ箱2、インビン箱1
計約10kg
 まあ、アメルアとか今でも古くからある固定重心の”強い”動きのミノーを作り続けてるわけで、もちろんそれは買うまでもなく蔵にある。ロングAFマグフラットラップインビンシブルあたりなら売るほどある。あるけど、廃盤になったような昔のルアーにも、飛距離気にしなければ、動きが良かったり個性的だったり、色々と楽しめるのがまだまだ多くあったように思う。なので、古いヨーヅリやらアメルア、北欧モノとかを今のうちから弾数揃えておきたく物色しつつあるんだけど、ちょっと毛色の変わったところで豪州モノってのもなかなかに特色があって面白かったので、ヨーヅリネタ、アメルアネタはまだ収拾つかなくてとっちらかってて、ぶっちゃけこの円安のおりに米本国からの発送待ちとかもこれあり、ネタとしてまとめる段階にないので、チョイと今回は本流をそれて、豪州ミノーとついでにポッパーネタで行かせてもらいます、ルアー図鑑うすしお味第60弾。それではボチボチといってみましょう。

 まああれだ、豪州ミノーといえばバラムンディー狙いのが定番で、そういう意味ではこれまた、紀伊半島にも定着して欲しいと期待しているアカメなんかが狙えるようになったら好適っていう話もあるけど、その場合、ぶっちゃけ現地の釣り人もボーマーとかインビンシブルとか多用しているようで、まあ写真のバラボーマーや豪州釣り師御用達のボーン素材系のクロームカラーのロングA、インビンのバラカラーなんてのがうちにも転がってるので、豪州製ルアーを買う必要まであるのかという話ではある、でも買った。なぜならあっちの地元小工房で作ってたらしいキラルアーは木製本体に金属リップで北欧風に塗りが厚く格好いいっていうのと、木製っていうのには、なにやら固定重心でも特別な意味があるように感じているからである。

 以前にもキラルアー紹介したけど、パッケージ入りで保存してて動きを試したことがなく、今回、アメルアの得意な通販業者さんで、なぜか「世界のルアー」コーナーというところに在庫余らせてる感じで千円ぐらいで売ってるのを見つけて10センチ位の大きなリップじゃないシャローランナーのほうを2つほど買って、実際に投げてみた。まああれだ、動きはバルサのようなキビキビとした動きではなく、ゆったり大きめのグワングワンとバタバタの中間ぐらいの動きで、まあこの形の太目の木製ミノーならそういう動きだろうなという感想で、特筆するほどのことはない。バルサミノーのキビキビ感はなかなかプラ素材では再現難しいモノがあるけど、比重のある木製ルアーの動きは重量配分上手にすればプラでも再現可能であると思う。ただ、だったらプラで作っても同じかっていうと、そうでもなさそうに思う。固定重心のミノーの利点の一つにオモリが動くことで生じる音を排除できるっていうのがあって、スレてるときには効くような気もするけど、逆にスレてるからこそ派手にラトルで反射食いさせるっていう場面もあるわけで、音の要素がどう効くか嫌われるかは今一良くわからんところがある。ラトルや固定されていないオモリが音を立てるというけど、そもそもルアーに付いているフックやスプリットリングはカチャカチャと本体に当たったりしてけっこうな音を立てているので、それを排除しようとするとフックを固定するか、本体表面をシリコンとか柔らかい素材にする必要があり、実際その手のルアーは存在するし、ワシも自作シンペンとか表面塗装はシリコン接着剤だったりする。というわけで、ルアーが生じさせる音というのは良く分からんけど何か違いをもたらしているかもしれないぐらいには思っていても良いと思う。加えてあまり論点に上がってるのを見聞きしないけど、木製と中空のプラ製で大きく違うのが、本体内での音の響き方で、これはハリが当たったときの音の違いというような面はもちろん、外部の環境中にある音の反射の質が変わるというのも意味があるのではないかとワシャ思うんじゃ。魚群探知機で魚が映るのに”浮き袋”という気体の入った空洞があるのは大きく、今時の高性能な魚探はそうでもないようだけど、昔はイカとか浮き袋のない生物は魚探に映りにくかった。アブラソコムツやらバラムツやらも魚探に映らないので、船長さんが経験則で山立てして釣り場決めてたりしてたのを憶えている。奴らは深海から夜になると浮上してくるんだけど、浮き袋では浮力調整が間に合わずにパンクするので、悪名高いワックス成分で浮力を確保していて浮き袋がない。イルカじゃあるまいし魚探のように超音波を当ててくる魚はいないだろうけど、水中環境にある音がどう反射しているか?その音で潜水艦のソナー師のように相手を認識するってのは魚でもやってそうである。その際に中空の樹脂製ルアーと中身が詰まったバルサ含めた木製や発泡樹脂やレジン無垢とかのルアーとでは音の反射の仕方が違い魚の感じ方にも違いが出るのではないか?と思ったりしている。どちらが良いか悪いかはわからん、場合によっても異なるだろう、でも違いがあるようだと認識しておくのは必要だろう。

 とか考えたところで、結局ルアーの釣りは試行錯誤と経験則の釣りで、持って来たルアーしこたま投げまくって、どれが釣れたかっていう結果から、理屈よくわからんくても、どのルアーが良いかってのは分かってくるので、その際にどのルアーとどのルアーがどこが違う要素なのか?そこを認識していないと札切ったつもりで同じ札出してるだけってことにもなりかねず。コモモのパチモノがコモモと違う点みたいな、微妙な差を検証するよりまず先に、そもそも素材がなんなのかというような大っきな違いから把握して自分の頭の中で分類して、”何か変える”つもりなら、魚から見て聞いて感じて違いが出るぐらいの異なる札を切りたいところである。そういう意味で、木製の太目の固定重心ミノーってのは最近あまり見ないたぐいのものであり、どっかでハマってくれるんじゃないだろうかと期待している。

 で、タイガー系の色のキラルアーの他は何じゃらホイ、ッテ話だけど、一番上の銀に赤縞に黒い背中のはネットフリまでポチった小型のキラルアーでリップ大きめのフラットサイドミノーって感じで、フラットサイドっぽくパタパタ動くのかと思ったら普通にそこはウッドミノーっぽいグネパタぐらいの動き。まあ使えそうではある。真ん中の赤っぽいのは分厚い塗装に金属リップで明らかに豪州産っぽいけどキラルアーと比べると本体貫通しているワイヤーが細めで、別のメーカーの様子。そしてまた出ましたスペアヘッドのパチモン。これが前回は樹脂製だったけど今回は豪州ローカルルアーの様式に従ってってかんじで、木製本体金属リップに厚い塗装というパチモンであるにしてもなかなかに趣のある品で、スペアヘッド人気あるなーって感心する。本物のニールズマスター製のをそのうち使ってみるか。

 で、豪州ミノーはまあこんな所なんだけど、豪州ネタでもういっちょついでにいっときます。以前、日本のGTルアーのルーツについて、一つはハワイのピリーとかトローリングヘッドから着想したであろうレジン無垢のポッパーであり、もう一つは、ストライパー用の丸棒に穴開けてワイヤー貫通させたギブス社のルアーとか、あるいはアーボガストのスカッダーなんかを源流に、オーストラリアの有名ガイドであるバリー・クロス氏が製作していたポッパーがある。ってなことを書いた。そのバリー・クロス氏製作の「ダウンアンダースポーツフィッシングGTポッパー」かもしれないブツをネットフリまで入手したのでご紹介したい。

 そうそう、こんな感じでクマザサハナムロやタカサゴ(グルクン)みたいな赤ラインが入るのよね、ってところはワシの記憶と一致するんだけど、なんかもっと大型で口の切れ方が上が出てる斜め切りだったように記憶しているんだけど、この2個についても15センチと14センチでサイズ違いであり、小っちゃい方は丸っこい顔してて微妙に形も違うし、ワシが見たのはもう少し大きいモデルだったのか?写真載ってた「八点鐘」って釣り本作ってた出版社のサイトがもう閉鎖されてて確認しようがなくて、かつネットで検索しても上手く情報にたどりつけない。見た目はこんな感じで、フィッシャーマンの「クレイジースイマー」とかモロに影響受けて生まれたんだろうなと見て取れるし、このオーストラリアで購入したというポッパー自体はラインアイの輪っかが大きくてスカッダーの影響がうかがえる。まあ、ルアーってのはそうやって伝言ゲームみたいなことやってるうちに改良や最適化、派生が生じていくってのはお約束なので、ワシャパチモンだらけのルアー市場を見てゲンナリはするけど、それもまた必要なのかなと思ったりもする。

 これ、1980年代ぐらいの当時オーストラリアに通ってて、バリークロス氏のポッパーも見たことありますっていう人がいたら、そのものなのか違うのかご教授いただけると助かります。まあいずれにせよ豪州ローカルで日本の木製のGTルアーの原型になるようなポッパーが作られていたことは確かで、なかなかに趣のあるポッパーを手に入れたなと満足しております。赤ラインがキリッと引き締まった表情を作ってて格好いいし。

 てな感じで、いつになったら収拾つくのか、そもそも終わりなどあるのかという感じになってる”ミノー熱”とりあえず現状のご説明と、そのうちヨーヅリとアメルアはやりまっせという予告編的に今回書かせてもらいました。ということで締めはいつもの台詞でいきますか。

 アタイ病気が憎いッ!

2024年6月1日土曜日

ハムスター気分で楽しむオヤツ-ナマジのビンボ飯種編-

  我が家のオヤツの主力は季節ごとの柑橘である。ただ、夏の間は高級品である”ハウスミカン”しか出回らないので、秋の早生ミカンまでは柑橘がとぎれる。

 わし、甘みももちろん好きだし、しょっぱいのでもかまわないんだけど、ビンボ飯的には、安くもないジャンクな袋菓子をバカバカ食べるのはいささか贅沢が過ぎる気がしている。

 特売のバナナとかがあれば、バナナも大好きなので良いおやつになるけど、いつも特売品があるでなし、我が家においてはそこそこ高級なオヤツである。半額菓子パンあたりもちょっとした贅沢品。

 なんか良いのがないかなと思ってたんだけど、なかなか良いのを見つけたかもしれないので、ご紹介したい。

 ワシ、格闘技以外の野球だのサッカーだのの試合は見なくなって久しく、ワールドカップとかの大きな大会があると、さすがに気になるのでちょっと見るけど、それでもほとんどの場合試合全体を観戦するというより、試合後のダイジェスト版を見てお茶を濁している。プレミアム契約している「アベマTV」さんは、メジャーリーグ野球の中継には力を入れていて、試合翌日にはワシのような軽い視聴者のために、日本人選手の活躍を数分にまとめたダイジェスト版を配信してくれるので、「大谷選手昨日は打ったかな」とかゆるーく視聴している。そうするとたまに目に付くのが、本塁打打った大谷選手がベンチに戻ってきてハイタッチしてるときに、なんか粒状のものを頭上かけられている場面で、何だろなと思ってたら現地実況が「サンフラワーシード・シャワー」とか言っているようで、メジャーリーグの選手ってベンチでガム噛んだり、カボチャの種を囓ったりしてるって聞いてたけど、ヒマワリの種も食ってるんだなと気がつき、ちょっと興味が湧いた。

 オヤツとしては、ジャンクな袋菓子のように”旨すぎる”のは食べ過ぎてしまいあんまり良くない。経済的にも健康面でもよくない。対して、ヒマワリの種はチマチマと殻割ってハムスターよろしくカリポリと小っちゃい種子の中身を食べることになるので、手間が掛かってそれほど量が食えないけど、動画見ながらとかのオヤツには”手なぐさみ”的に暇つぶしながら口寂しさも紛らわすことができて良さそうに思う。

 ネットで売ってるかな?とアマ○ン様で調べたら、普通に売ってござる。主に米国産と中国産があって、食の安全的には中国産はほんのり不安があるけど、米国産はやれバーベキュー味だのサルサ味だのホットチリだのと殻に味付けてどうするねんって気がするけど、どぎつい味付けされたのばかりで辟易として、原材料ヒマワリの種と塩のみの中国産をお取り寄せしてみた。260g×4袋で1500円程度と、そんなにガツガツ食うものでもないし一袋3~4回分のオヤツになれば一回100円以下なのでまあ良いかなという感じ。実際には一袋5~6回に分けて食べきる感じなので予算的にも及第点。

 で、食べるのに殻を割るのが面倒臭いと思うかもだけど、逆である。殻割って食べるのが楽しい種類の食べ物である。食べる手順は色々な流派があるようではあるけど、入ってる袋にも描いてある方法がわりと簡単なので、その方法でカリポリやってる。

 まず一枚目写真の様に種の尖った方を縦に前歯でパキッと音がするまで噛む。そうすると種の尖った先がパクッと左右に開く。

 次に先が開きかかった種を唇で咥えたまま、根元の方を指で縦に摘まんで押しつぶす感じに力を掛けると、ペシッと先の割れ目が根元まで割れつつ、さらに割れた殻が潰れて割れて都合4枚の部分に殻が分かれる。

 そうすると3枚目写真の黄色の矢印で示してるんだけど、割れた殻の真ん中から種の中身が顔を出すので、これを舌先と上唇でメチョッと絡め取って殻だけつまみとって唇から回収ってのが写真4枚目、なので説明用の写真1~3枚目までの工程は実際には種の先っちょを口にくわえた状態で行っている。

 でもって、種の中身だけ写真に撮ったのが左上でこれが口の中に残るので、主に前歯で噛み噛みと噛みつぶしながら味わう。適度に油っこいコクもあり、ほんのり甘みも感じられ、小っちゃいけど”ナッツ”という風味で味はかなり良い。塩味ほとんど効いてなくて素朴な味わいも飽きが来なくて良い。 

 動画見ながらの手慰みがてらカリポリ割って食べていると、口寂しさも紛れてちょうど良い塩梅。大量に食べられるようなモノではないけど、栄養価というかカロリーは高いので、30分も食べてるとそこそこ小腹も満たされて虫押さえには充分。

 後は、残った殻をゴミ箱に捨てて手をパンパンと払っておしまい、って感じで30分ぐらいでこのぐらい食べるかな。まあ一気に沢山食べられないのはメタボ対策的にも経済的にもよろしいかと。

 でも、一気に沢山食べる方法も存在する。殻剥いた可食部だけのが売っているのである。しかもどういうことか殻付きより可食部の量を考えたら断然安く売っている。殻剥く手間より、殻付きのせいで容量が大きく、保管と輸送に費用がかかるのが大きいとかだろうか?ヒマワリの種自体は食用といっても、種子を殻剥いた状態で食べるのは全体から見たら微々たるもので、主として”ひまわり油”として消費されているので、その加工段階で脱穀的に殻を剥く機械化された工程があって、殻を剥くこと自体にはそれほど経費がかからんのかなと想像している。しているけどなんかモヤモヤッと腑に落ちない部分ではある。

 なので、殻無しも試しに買ってみた。同じヒマワリだと芸がないのでカボチャでいってみる。500gで1400円送料込み。ヒマワリだと殻無し500g千円ぐらいのが多いのでやや高級品か?

 これも動画見ながらとか囓ってみる。味自体はヒマワリより甘みが薄く、油のコクはヒマワリ以上、やや独特の癖のある風味があるけど気にするほどでもなく、こちらも美味しい。

 ただ、ポリポリと殻を剥く作業無しに食べるとどうしても量を食べすぎてしまう。基本的に小っちゃいだけで”美味しいナッツ”なので、簡単に食べられてキロ単位で買ってあると手慰み以上に食べてしまう。あと、殻剥く作業ができないので手と唇と舌が暇でつまんない。こういう状態で売ってるものは、お菓子作りにナッツとして使ったり、健康食品としてヨーグルトやシリアルに混ぜて使うのが正しい楽しみ方のような気がする。食い過ぎたら太る予感アリアリなくらい味が濃く旨い。

 という感じなのでで、実入りを考えるとやや割高になるけど、殻付きヒマワリの種をカリポリと割って食べるのを楽しむってのが、ビンボ飯的オヤツとしては正解なのかなと感じているところであり、すでにリピーター化してて、毎夜のようにカリポリと囓ってます。愛猫コバンさんが食べないたぐいの食物というのも都合が良く、最初の頃前脚でテシッて感じで手を出してきたけど、食えンと理解してからはちょっかい出してこないので安心。まあ鰹節厚く削ったのをオヤツにして2匹で奪い合うようにして一緒に噛み噛みするのも楽しいんだけど、カツブシそこそこ贅沢品だからね。

 ちょっと思うのが国産のヒマワリの種が売ってないかってことだけど、あるにはあるけど貧乏人にはちょっと手が出ない価格だったり、畑に蒔く用の生のものだったりしているので手が出ない。メジャーリーグ関連からブームになって、沢山売れるならばと、安く作ってくれるところが出てきてくれることを期待したい。

 いっそ、自分で畑借りて作るか?そして焙烙(ほうろく)買って炒るか?ヒマワリって夏休みの自由研究レベルで一本二本育てるならそれほど手間も無かった印象だけど、作物として畑に数植えると難しいところがあったりするんだろうか?あるんだろうなきっと。まあなんであれ、中国の農民さんたちも含め食糧生産してくれている方々に感謝してなんでもいただきます。わりとお薦めのオヤツです。

2024年5月25日土曜日

無敵な信号機

  先日の聖地巡礼の際には、ワシもともとバス釣り少年だったので流石に買い足すべきルアーもほとんどなく、ゴムが腐ったバズやスピナベのシリコンスカートを買い直して針金で止めたぐらいで”昔取った杵柄”的なルアーで間に合ったというか、そういうルアーで釣りたかったのよ。って話だったけど、そんなの一切関係なく変なルアーが目に付くと買っちゃうよね。まあ皆さんそうですよね。

 でもって、何度も紹介してきているインビンシブルなんだけど、前回ネタにしたときにそのカラーバリエーションの豊富さを讃えた際に、凝った模様入りのも良いけど、単色系や単色に銀鱗のみとかの単純な色も渋くて良いよねとか書いた、書いたら頭の隅に残って右の青に銀鱗と真ん中黄色一色が手に入ってしまい、青黄ときたら、赤も欲しいよねと思ってたら赤銀鱗もでてきて確保。青黄赤の信号機カラーの完成。っていうには黄色が黄色単色なのが”揃って”なくて、やっぱり以前競り負けた黄色に銀鱗は上限無視で突っ込んで競り勝っておくべきだったと悔やまれてならない。誰か蔵に眠らせてないですかね?物々交換で相応に価値のあるブツを提供できまっせ。心当たりのある方はご連絡を。
 実釣で使ってるのは主に8センチのDRのほうで、この12センチはあんまり使わないんだけど、3フックの嫌いなワシ的には2本フックの12センチミノーという形式がとても好ましくて、なんか買ってしまうのである。単色系は黄色以外でも値が安ければ手が出てしまう。緑銀鱗、蛍光オレンジ単色とかも所有。

 そして、たまに出てくるのがこういうレアキャラ。こんなんあったんや!っていう金属リップの12センチDRインビン。良い値段してた記憶があるけど問答無用で確保。後にも先にも出てきたのこれっきりで、迷わず確保しておいて正解。どうも国内入荷は無かった型のようで、値札シールは外国の店のもの。インビンはナマズ顔の平べったい頭の形状が効いてるのか、8センチも5センチもDRでも角度が平行に近い大きめの樹脂製リップで、金属リップじゃない。ニールズの金属リップは初めて見た。なんかバラムンディ用に良さげな雰囲気でオーストラリアとかの中古市場を探せば出てきそうな気もするけど、豪州版のネットオークションサイトって馴染みがないのでいかんとも。まあ追加してどうするって話ではあるけど豪州の古いルアーには別口で欲しいのもあるのでどなたか良いサイト知ってたらタレコミ情報お待ちしてます。

 でもってニールズマスターはインビン以外も要チェック。現行モデルに「ビックマウス」ってのがあって、ショップで輸入してたところはあったみたいだけど、流通量少なくオークションに出てくると3千円くらいにはなっててムギュウっと諦めざるを得ない。どっか通販してくれるお店で仕入れてくれないモノか?ということでチェックしているとオヤッと思うようなモノも出てきたりする。上のスペアヘッドはこの色好きなので確保したんだけど、その下のクランクベイトっぽいのは何じゃラホイ?コータックが輸入してた頃の小っこいフィンランディアに似てなくもないけど、やつは下あごに竜骨で、こいつはエラが張っている。そうスペアヘッドの小さい方ってのがあったらしいのですね(12センチの大きいのもあったらしい)。あんましらんかったし現在は廃盤。一個あればもうイイかなという気がするので買ってないけど、こいつはたまに出てきます。ひょっとしてスタルワートやハーカーの小さいのもあるのか?まさかね。

 でもって、わしヨーヅリ好きでして、まあB級ルアー好きには「アタックル」ブランドでブイブイいわしてたころの奇天烈ルア-達はやたら人気で、YO-ZURIは古くから海外市場で戦ってたこともあって、あっちのコレクターが「トンボ」の羽が残ってる完品とかにエラい値段つけよるとは聞いてたけど、Dab氏の「B級ルアー列伝」あたりから、我が国でもアホみたいな値段がつき始めたので、そっちはお好きな人に任せて、バス用では奇天烈連発だったけど、海用では堅いヨーヅリに信頼を置いていて、海用のが出てくるとこれまたマウスがスルリで手が出てしまうのであった。ポチチ。
 と言いつつ一番上のはバス用のペンシルで「TOP45」というお尻にラインを結ぶ逆立ちペンシル。たまに逆にフック付けて「名称不明」で売られているけど、このあたりは有名どころだから頭の側にフックが付くのは知っておいて欲しいところ。
 で海用のミノーに関してはヨーヅリは早くからエラい勢いで展開していたようで、2番目の「LジャックマグナムF」は金属リップのラパラCDマグナムっぽいのを樹脂で作ったらリップがもげるのでリップの下を樹脂で支えております、って感じになってるけど「Lジャック」シリーズはジグもあったけど、ミノーがラパラみたいにというかラパラのラインナップをリスペクトして(≓パクって)、Lジャックミノーのフローティング、シンキング、ジョイント、LジャックマグナムのフローティングとCDがあった模様。ラパラと違うのは金属リップのマグナムにフローティングがあるところ。かつFマグみたいなリップのもあって(ダイバーか?)しっちゃかめっちゃかでワシの頭の中で整理しきれてないぐらい。加えてLジャックミノーはその昔名無しでビニールパッケージで売られてた時代のミノーとほぼ同じタイプのがあって、さらに後年、反射板入れたモデルはタキオン名義で売られてたりして、箱入りじゃないと正直何がなにやらというかんじで、一番下のミノーは多分タキオンなんだけど、LジャックミノーFかもしれない。なんならオリムピックに提供してたらしい「カウントダウン」っていう名前のくせにフローティングがあるミノーの可能性すらある。ちなみにタキオンというと普通はもうちょっとハイロー顔というかリバーラント顔してるのが一般的か。ヨーヅリのミノーに一般もクソもねぇか?しかもハイロー顔には「パイク」ってのもあってさらにしっちゃかめっちゃか。
 そして、加速していくしっちゃかめっちゃか。Lジャックシリーズじゃなくて、3連結のトリマーシリーズって銘打たれているのもあって、その一つが3つめの「トリマー・トリプルダイバー」、っていうことはこれ以外もあったようで通常リップのトリプルミノー、金属リップのトリプルマグナムという展開だった模様(参考文献:Dab氏著「B級ルアー列伝参」)。まああれです、今でもヨーヅリ改めデュエルのミノーは普通に優秀なことからもうかがえるように、古いヨーヅリミノーも普通に優秀だろうと思ってます。主な売り先が海外だっただろうから、あんま変なの作ってないはず。そのうち使うかな?

 でもって、お次の3つは特に関連があるわけでも何でもない3つで、左からコットンコーデル「プレッツ」、ラパラ「シャッドラップ」、ABU「ドロッペン」の2連結改造品、ではないのですねこれが。左端のコーモラン製ピーナツ?は子供の頃にやっすいスプーンの次に買って、ちゃんと泳いだので感動した品なので思わず手が出ました。右端のドロッペン2連結は、この状態で売られてた「ドロップオレノ」というのがあったはずだけど、検索しても出てこない。大森コメット使いのアユ君が欲しがってた記憶がある。なんか情報お持ちの方がおられたらこれまたご教授願います。で、真ん中はシャッドラップじゃなければ何なのよ?って話だけど、これアメリカのKマートとかのスーパーで売られてたパッチモンで、ミスターツイスター「スポーツフィッシャー」という代物らしい。検索掛けたら日本製だとかなんとか。そのわりには国内市場に流れた気配がなくあんまり見ないブツではある。

 まんまシャッドラップの見た目で、ちょっとホイルの感じがラパラよりバグリー寄りかなと、言われれば気がつく程度にしか違いがないけど、リップを見ると、ご覧のようにジグヘッド付きのワームとかで有名なミスターツイスターの手の者だと分かる。なんでも他にノイジー、ポッパー、ミノー、クランクが揃ってたけど、それぞれジタバグ、フラポッパー、レーベルミノー、モデルAのパクリだそうな。米国でそんなことして訴えられへんかったんか?といらん心配をしたくなる。メイドインジャパン説が正しいとして、まあ日本もこんなんやってたんですわ、ってなもんで釣り具の世界は今も昔も洋の東西も問わず、パクリパクられの連鎖の歴史だっていう証拠物でございます。相当安く売ってたらしいけど、バルサにホイル貼りって、ラパラが世界中に売るから薄利多売で設備投資やらも回収できるんだろうけど、Kマートでなんぼ売ったところでそれより安くできるモノなのか?アメリカの市場規模とかスーパーマーケットでルアーが売ってる文化とかが肌感覚で分からんので疑問に思うところである。

 という感じで、インビンシブルはわりと本気で落としにいってるのでそれなりにオゼゼもかかってしまってるけど(いうてもしれてるけどな)、他のわけわからんブツは開始価格で安っすく確保とかがほとんどで、たいして金も掛けずに楽しくお買い物して遊んでおりますルアー図鑑うすしお味第59弾は、なんじゃらかんじゃらゴチャゴチャとした詰め合わせでいってみましたとさ。

2024年5月18日土曜日

あの日見た花の名前を僕はやっと知った

 その花は街のそこかしこに咲いていた。

 主に、歩道の脇、民家の石組みの塀沿いなどに地を這うような蔓を伸ばし、ちょっと立ち上がってピンクの可愛い花を付けている。

 「雑草という名の植物はない」と牧野朔太郎博士は言ったけど、この花はなんという名前なのだろうか?紀伊半島を代表する野の花じゃないだろうか?と思っていた。残念ながら野草の類いに関する我が知識はお粗末であり、憶えたいんだけど歳食うとなかなか憶えられない。自然界では全ての生きとし生けるものは繫がっており、魚のことを知りたければ植物のこともまた知らねばならないと気付くには、人が老いるに充分な年月がかかってしまった。でも知りたいと思うことは大事たと思う。

 今時 、写真撮って画像検索かければ似たような花が沢山候補にあがってきて、その中から該当する種を見つければ花の名前は分かるのかもしれない。でもなんかそれはいやだ、もっと相応しい花の名との出会いがあるように思う。例えば、地域の植物に詳しい人の知己を得て教えていただく、あるいは読んでいた書物でたまたまその花について書かれているなど。

 と思っていたら、先日この花のことを書いた記事がヤフー様からお薦めされてきて、その名を知ることとなった。やっぱりネットになってしまったかと、やや風情に欠ける出会いには落胆も感じたけど、偶然知ることになったという点で及第点はあげて良いかなと。まあヤフー様にはお世話になっております、いつもワシ用の面白い記事お薦めしてくれアザマスてって話だ。

 花の名は「ヒメツルソバ」。というのが和名でタデ食う虫も好き好きのタデの仲間で、言われてみれば花はソバっぽい、学名はPersicaria capitataでなんと原産地はヒマラヤ方面で元々園芸種が野生化した外来種で園芸界隈ではポリゴナムと呼ばれているらしい。などという基礎情報も名前を知れば調べるのもたやすくなる。だからこそワシ「君の名は」って問い続けるし、牧野博士は名台詞を吐くし、リンネ先生は名前を付ける方法を整理したのである。「化物語」でも「夏目友人帳」でも妖怪モノでは相手の名前を特定するということが、非情に重い意味を持ち”言霊”としても特に強いものとして扱われるけど、妖怪に限らず実在の生物でも名前の持つ意味は同様かそれ以上だとワシャ思ってる。アフリカの密林に棲む人を食う巨大なモンスターは「ゴリラ」という名前で縛られることによって、植物食で家族を大事にする愛すべき我らホモサピの親戚であると明らかにされていったし、南の島の夜の闇で怪しく目を光らせていた怪異は「イリオモテヤマネコ」という名を得て、その島にしか居ないその島の頂点捕食者で保護が必要なぐらい希少な猫科動物だと認識できるようになった。”名前”それは燃える命、とゴダイゴも歌ってた。

 そうか、ヒマラヤから来たのか、と思うとなかなかに感慨深い。外来種というと一様に”悪”であるというレッテルを貼りたがる原理主義者が湧いて胸くそ悪くなることが多いけど、そんなモン、種毎にというか地域ごとはもとより時代によっても違うし一律に扱うこと線引きをすることの難しさったら、国立環境研究所の担当部署のエラい人であった五箇先生が「ぶっちゃけ合理的に説明できる線引きなんて無理なので、法的には便宜的に世界的な物流が盛んになった明治以降と以前で分けただけです。」と”中の人”がそんな正直に言って良いものなのか?と余計な心配したくなるぐらいのことを言ってたぐらいで、もう全国的に生態系に組み込まれるぐらいになってしまってたら、駆除したらバランスまた崩れるぐらいで放置が良策で、新たに入ってくる種についてはどんな攪乱が巻き起こるか全く読めンので予防的に徹底的に水際作戦で侵入を防ぐべき、ってのが外来種の対策の両端にあって、前者はシロツメグサとか大多数のハス(植物の)、もっと極端にいうなら稲で、外来種がそんなに嫌いなら米食うな!って話である。後者はいままさに水際作戦で戦端が開かれているナガエツルゲイトウとかヒアリで、多くの外来種ではその間の状況にあり、ある場面では有益ですらあるけど、ある場面では駆除が必要な厄介者っていうのがほとんどのはず。野外への放出が禁止されて話題になってたアメリカザリガニなんてのが典型で、今や内水面で居ない水系を探す方が難しいぐらいで、ナマズやウナギなどの肉食の魚とか鳥とかの重要な餌生物として無くてはならない生物群集の構成員となってることが多いと思うけど、そういう捕食者が居ないような閉鎖水系では爆発的に増えて希少な植物とか根絶やしに食い尽くすこともあるやに聞く。てな種に対しては放置で良いところと、早急に駆除なり捕食者の導入なり対策を必要とするところとでは別の対応が必要で、その対応方法も新たな混乱を招かないような手法を慎重に選ぶ必要もあり難しさを孕んでいる。

 とはいえ、だいたい専門家が集まって知恵を出して決めると、そこそこ妥当で良い落としどころに落ちると感心している。アメリカザリガニもミシシッピアカミミガメも一律飼育も駄目な特定外来生物に最初っから入れるのではなく、継続して検討していくとした慎重さも良かったと思うし、検討の結果、飼っても良いけど野外放出は駄目よとした落としどころも絶妙の匙加減だなと思う。一律駄目としたら、そりゃ皆飼ってたヤツ殺すのも忍びないから野外に捨てるの目に見えてるわな。アメリカザリガニなんて昭和のガキだったワシでさえ、既に身近な存在だったので”自然”とふれあうにはもってこいの教材だったわけで、飼ってもイケナイ、一律駆除で殺さなきゃならない、ではもったいないし、子供らに歪な生命観を植えつけかねない。場所によって駆除が必要だってのは理解する、そういう所で駆除イベントをすると、子供達が嬉々としてアメザリ踏みつぶしてたりするけど、まあ子供のその種の残酷さは普通にあるのでそれも別にほっときゃ良いと思う。けど、それを大人が主導して”洗脳”するのは気持ち悪いと思わんのかね?って話。飼って可愛がるもよし、飽きて放置して死んでしまったときの”あの臭さ”を味わうのもまた生きモノ好きの通過儀礼でそれもよし。で飼育自体を実質禁止の扱いにしなかったのは英断だと感じる。

 で、専門家がそうやって慎重に事を進めるのに反して、アホの政治家どもはクソな政治的判断とかで自然側にも人間側にも混乱をもたらす。継続検討に専門家が決めたのを覆してブラックバスの特定外来生物入りをきめた今どっかの知事してる当時の環境大臣である自己顕示欲と権力欲の権化な婆様とか、当時の滋賀県知事の琵琶湖の生態系を守るために的発言とか、日本中に湖産鮎バラ撒いて、結果的には湖産鮎は再生産にあんまり加わってなくて鮎については開き直って良いのかもだけど、副産物的にバラ撒いたオイカワ、ハス、ワタカ、挙げ句の果てに冷水病を鑑みてまさに”お前が言うな”って話でクソであった。あと、岐阜の”川を仕切ってニジマス釣り堀”の崩壊して”野良ニジマス”の話も、生態系を守るために電気ショッカー船でスモールマウス駆除しますってやってる県の内水面関係者各位のやることかね、結局この人達は鮎で儲けられればそれで良しぐらいしか考えてねえんだろうな、と鮎友釣り偏重の歪んだ河川管理の有り様をまざまざと見せつけられ、って思ってたらそれ以前にアホでも分かるアホなことをやって自分で自分の首も締めてて心底感心した。スモール駆除も飯の種のアユを守るためと考えるなら彼らのやることにも理があると思ってたけど、アユさえ雑に扱って目先の銭しか追ってない。およそ河川の管理を任せるに値しない輩どもである。

 ってなわけで、ワシは外来種だからといって一律に嫌ったりはしない。ヒメツルソバはもう駆除とか無理なぐらい生えまくってる。ミツバチが蜜集めに飛び回ってるし、アスファルトの上にも張り出しててその下にミミズだって棲んでいる。いまさら駆除する必要も利点もない。ならば綺麗な花が咲いてるなと愛でておけば良いとワシャ思ってる。どのぐらい普遍的にはびこってて、どのくらい美しいか、試しにスーパーまで自転車で行って帰ってくるまでにカメラ持って、写真映えしそうな所でバシバシ撮ってきたので、お楽しみあれ。グダグダ言葉を費やすより”花もて語れ”っていうぐらいでその方がご理解いただけるだろうと思う。
















































2024年5月11日土曜日

聖地巡礼“ハトリーズを愛でる会” 妄想タックルボックス

 バス用トップウォータープラグの製作で、我々バスブーム直撃世代に種々の影響やら想い出やらを与えてくれた羽鳥静夫さんが2019年の秋にお亡くなりになり、ワシ追悼の意味も込めてカクーンでシーバス釣らせてもらったりした。

 その時分に、働いてた頃の職場の先輩達2人と、ナマジも紀伊半島に居ることだし、七色あたりに羽鳥さんの産みだしたプラグ持ってって「ハトリーズを愛でる会」という名の釣り合宿をしよう。時期は来年新緑の頃が気持ち良いんじゃないって話してた。しかし2019年の冬といえばあれである、そう”COVID-19”こと新型コロナウイルスが流行してしまい、気色の悪い、日本語としても違和感のある”自粛要請”の嵐の中で、その計画は「コロナが落ち着いたらな」ということで、一旦流れてしまっていた。

 「●●が落ち着いたらな」なんていうのは世間では行かないフラグでしかなく、「行けたら行く」ていどの信憑性だけど、釣りの世界では皆行きたいばっかりなので、無理筋でもなんとかして行くんである。我々もボチボチ落ち着いてた去年は都合がつかなかったけど、今年万難排してバスマン憧れの聖地池原七色なんてのもある紀伊半島(こっち来てバス一回しか釣ってないけどな)のわが家を合宿場として、七色ダムなんかも行ってしまおう、アジも釣って食ってしまおう、ネコと遊んでしまおう、という並々ならぬ意気込みで”GW明け決行”とあいなったのであります。

 ちゅうわけで、久しぶりにワチャワチャとバス用の道具引っ張り出してきたりしてると、妄想も膨らみまくりで箱1つに納めたいんだけど、収まるわけもなく、プラグと金モノだけで冒頭写真の様に3つ、これに一応魚釣れないと寂しいしなとワームも用意してとエラいことになっている。”フラデバ”も、とか手が伸び始めるのを自重するにはかなりの意思力を要した。竿を2本に絞ったのは我ながらエラいけど、正直釣り部屋ごと持っていきたいぐらいだった。

 まあ部屋ごと移動ちゅうわけにもいかんので、頑張って選抜してみた。とりあえず以前バス釣り行くならという妄想で用意していた黄色のダイワ箱をベースにハトリーズ増し増しで1箱。入りきらなかったハトリーズで1箱、その他使ってみたいのや予備で人箱、ワームで一袋という感じになっているので、順にその内容を紹介してみよう。

 まずは、竿とリールだけど、わが家にはハトリーズっぽい竿がない、バルサ50っぽい竿ならルー(ダイコー)の「スピードスティック」があるけど、ハトリーズっぽくはない、このどうでも良いこだわりが分かっていただけるだろうか?唯一スミス「スーパーストライク バトラックスウォーカーBAW-60ML」がスーパーストライクだしな、ということでギリ合格ということにして、リールは丸ABUがあわんグリップなのでABU「MAX」という平べったいのにした。ベイトがそんな感じで2号ファイヤーラインに4号フロロリーダーで運用。メインラインがPEなのは巻きモノには今一だけど、テキサスとトップには都合が良いのでベイトにはそっちを任せることにした。あとクソデカいのが来ても獲る気満々というところをPE2号に見ていただければと。で、スピニングはいつものナイロン2号にこれまたフロロ4号ハリスといういつものシーバスタックルに近い組み合わせで、竿は内房運河で愛用していた、というかその以前には陸っぱりバス釣りで、その一本で何でも投げて釣る竿として長く愛用していたフェンウィック「ランカーギアX LGX66SM-2J」。こいつで、巻きモノ系と小型トップ、軽いワームをやってもらうことにして、リールがまあわが家にスピニングはありすぎて迷うのよね。丸ミッチェルとかも雰囲気あって良いけど、ここはやっぱりワシゃ”PENN使い”だしPENNでいこうということにしてPENN「スピンフィッシャー720z」に決めました。ボールベアリング無しの低速機で一所懸命巻きモノ巻きます。まあシーバス釣ってたので問題無いかと。細かいことを考え始めると「もう一本パワーのあるのが欲しい」とかいらんこと思い始め、そこは底の無い沼でブクブク沈むことになるので非情な意思力を持って割り切る。

 そしてルアーに移ってメインのダイワ箱の上段。ゴチャーっと詰めております。まあハトリーズなんで水面系中心にという感じなんだけど、ワシのガキの頃はハトリーズなんて高級ルアーなかなか買えなくて、当時モノとしてはお腹が見えているブッシュペッカーぐらいで、ハッピーモールは30周年記念モデル。そしてハトリーズで一番好きなペンシルはと言えば樹脂製のカクーンを選んでしまう貧乏なアタイ。でも好きなの。っていうかカクーンでバス釣ってない。シーバスはそれなりに釣ってシーバスルアーとしては非常に優秀だと思っている。横浮きだとフッキングが良い、よね?じゃあオマエはハトリーズでバス釣ってねえんじゃん?と思われるかもだけど、釣ってます。右上の端の方にスーパーミスティーSPが写ってるけど、コイツは関東に居た頃霞水系でクランク巻きまくってた時の主力の一角でもう一角が一緒に入ってるピーナッツⅡ系、ミスティーシリーズはシーバスでも使いまくり。小型トップとしてはこの地のシーバスで一軍登録のリトルダイナマイトにキューティーデビル。リトルダイナマイトにいたっては80UPのランカースズキ様も連れてきてくれた超お気に入りで、バスも釣ってみたいところ。昔は小型ポッパーで今で言う”虫パターン”みたいなことをやるにはタイニーラッキー13を使ってたけど、コイツでもいけるかと。その他ダブルスイッシャーを集めてたときに入手したベイジングスパローも入れたし、なにげにワームヘッドのペコットだかいうのと、わりと得意なバズにしれっとハトバズが入ってるのがネタ枠かな。あとは、聖地に行くならバルサ50も投げておきたいとビッグラッシュウォーカーやら、バス用トップとして大好きだった、レッドペッパーJR、チャグバグ、ヘルレイザーなんてのも入れて、集中力切れたら金物系ダラダラ投げちゃ巻くんだろうなと、ゲイリーバズやバイブラシャフトの小さい方、スピナーにスプーンなんかも入れている。

 ダイワ箱下段は巻きモノ中心。使わなそうだけど昔良い思いしているバドとかTDバイブとかは入れてしまう。ピーナツⅡ系はワシの主力バスルア-なのでいくつか緑と黄色を入れている。あと、ミノーはフラットラップ8、インビンシブル8のツートップでチョイ潜らせるのにシャッドラップ7とスティッキーJr2も入れている。そして、秘密の部分には、フッコスペシャルと自作シンペンの”I字系”をぶち込んでいる。”聖地”七色ダムといったって、要するに人が沢山来るハイプレッシャーなダム湖なわけで、正直トップで何とかなる時間は限られていると思うし、巻きモノも”強め”のは嫌われるかもしれん。かといってテキサスリグでネチネチやってると効率は悪い。ということで、プレッシャーかかりまくりの東京湾のシーバスで実績大の自作I字系を密かに切り札として持ち込む。そんなもんで釣れたら皆I字系使ってる、って思うかもだけど、I字系一時期流行ったみたいだけど、既に廃れてるっていうのは、意外に使いどころが難しいからで、使いどころ分かってないとアピール力小さいので箸にも棒にもかからんのである。でも分かっててハイプレッシャーの湖でバス釣りすることになった神奈川で一緒にシーバス釣ってたKさんが、フッコスペシャルつかったら明らかに効いたと報告してくれているので、なんか流行ってるから投げてみるか?程度の使い手とは自作して育て上げたワシとしては程度が違うと自負している。まあ使わずに済めば楽で良いけど、切る札として持っておく。

 で、まったく収まりきらなかったのでハトリーズ追加箱。カクーンやらリトルダイナマイトの予備から、ラウドラットやらバフィートップやら、ついでにスティッキーはトップの0からわりと潜る3まで、シャッティーと小さめのハスティーもいくつか、ピーナツⅡDRが効くようならハスティーも投入するかな。ミノーにロングAを入れていないんだけど、ラトル有りで動きの良い固定重心ミノーの枠はスティッキー1でいけるかなという算段。リトルダイナマイトとバフィートップはただ巻きで使っても水面直下ヨタヨタと良い動きなので、ノンラトルの水面直下系ってバスルア-ではあんまないよな気がするので、シーバスに効いてバスに効かんって事もないだろうから裏技的に使えるかも。そこまで試してる余裕が果たしてあるかどうか?

 もいっちょオマケ箱は入りきらなかったお楽しみ系とスピナベやらインビンやフラットラップ等主力の予備。

 お楽しみ系としては、色塗り直したウッドのパイキーが試投してみたらグワングワンと大きく動く今時のルアーに無い動きだったので、余裕があったら泳がしてみたいのと、バズでブラッシュポッパーの良い色が中古で手に入ったので投げてみたいとか、仔バスやら渓流魚、ウグイやらも居るのが見えたら釣ってしまうべく、フラッタースティック4やらスプーンやらも入れてある。絞れてねえ~!

 最後、なんぼ聖地巡礼が主目的だとしても、魚を釣ろうとしない魚釣りはワシの中ではあり得ないのでワームも持ち込む。まあダムだとテキサスが基本だろうなとウナギみたいなのストレート系とザリガニ系、そして東北の根魚では定番パルスワームを用意。関東在住時に房総のダム湖ではほとんどの時間ゲーリージャンボグラブを投げていたんだけど、もう酢酸ビニール製とかの分解しないワームは使う気がないのでジャングラは使えない。ジャングラ何が良かったって、見えてる障害物周りをノーシンカーの”グラビンバズ”で狙って、沈めたければアユ玉かまして底取って、とか1つで何でもできる便利さが良かったんだけど、使えないとなると分解性のコンニャク系素材のワームでまともに動くグラブは見たことないので、底取るのと表層障害物周り狙いとを分けてやるんだろうなと、表層はスラッゴー系のを用意した。ウナギ系も表層ウネウネには使えるだろう。東北根魚用とかフロリダ遠征ターポン用とかで買ってあったのが蔵から出て来たので買わずに済んだ。封切らなければ腐ってないはず。マルキューさんなど、古い在庫に”熟成”と銘打って売ってるぐらいで、古くても魚は釣れるはず。

 クッソ、釣りの計画立てて準備してる時ってなんでこんなに楽しいんだろう?

 という感じで、これ書いていた時点ではまだワクワク準備中だったんだけど、記事上げる現時点ではすでに聖地巡礼後で、その時どうなったのか?釣行顛末記も来週末ぐらいには上げる予定なので答合わせ的にお楽しみいただければなと思っちょります。

2024年5月6日月曜日

あ~気持ちいい~!

 今日はアマゾンプライムビデオで、東京ドームでやるボクシング世界戦4連発。

 ワシ的には”足立区から来た”元k-1王者武居由樹選手のボクシング転向後8勝全KOだけど早すぎると言う声もあった世界挑戦がメインで、リングアナが紹介するのに息がよく続くなというぐらいのベルトと称号をもつモンスター井上選手が、言っちゃなんだけど日本人ボクシングファンは見たくもないメキシカンボクサーのルイス・ネリが闘うメインカードは”公開処刑したってくれ井上!”って感じでまあクイッとひねってくれるのをゆったり鑑賞させてもらえばいいと思ってた。

 武居選手は、序盤から独特の間合いでチャンピオンにペースを作らせず最後ちょっとピンチだったけど、逃げ切って戴冠。メッチャ気持ちいい。

 そしてワシ的には消化試合の井上VSネリ、日本の格闘技ファンがやってるの初めて見たけど、4万の観衆がネリにブーイング。アマプラボクシングの解説は軽量級だとワシの好きな長谷川、山中コンビなんだけど、ネリの何が嫌われてるかっていえば山中選手の最後2試合の相手だったけど、一回目はドーピング疑惑、二回目は計量オーバーというクソな野郎で昔もムカつくと書いたぐらいである。

 解説の山中さん、ブーイング起こって実況の人に話振られて、直接謝罪もあったようで、なんとも言えない感情が無いわけじゃないけど、今日は井上対ネリということに集中して解説する的な回答だったけど、ちょっと声が詰まってた。そりゃ4万の観衆が自分のボクシング人生にケチ付けた野郎に怒ってくれているんである。意気に感じるよね。

 で、武居戦までは観戦に集中したかったので、じゃましないように下で遊ばせてた愛猫も部屋に戻して、ゆっくりネコの毛並みでも楽しみながら見るかと、井上VSネリ戦観始めたら、1ラウンドいきなりプロ無敗日本人初パウンドフォーパウンド選出元バンタム級4団体統一世界王者現スーパーバンタム級4団体統一世界王者のモンスター井上尚弥選手、おそらくアマから通じてでも人生初らしいダウンくらって多分世界配信してるから世界中のPCの前で観てたボクシングファンひっくり返ったと思う。まだ1分以上あってよくしのいだという感じだったけど、ひょっとしてこれはまたも日本人にトラウマをネリの野郎が植えつけるのか?!と泡食って、変な声でて膝で丸くなってた愛猫もビビってるけど許せコバンそれどころじゃない!

 しかし、これがモンスターのモンスターたるところで、2ラウンドにキッチリダウン取り返してからは、ほぼ一方的にジャブ当てまくってボディーもフックも入り始めて公開処刑モード突入で一安心。6ラウンドコーナーに詰めてえげつないの2発入れてカウントいらずで試合終了。千両役者やのぅ。何回も最後のトドメ観てるけど気持ち良いったらアリャしない。コバンようるさくしてスマン。

 スポーツライターの山際淳司氏だったかが、軽量級の多い日本人ボクサーがメキシコから呼んだチャンピオンに返り討ちにされまくったので、国歌吹奏でメキシコ国歌のチャンカチャンチャンチャーンって感じのほがらかな旋律を聴くと嫌な気分になるって書いてたように記憶してるけど、もうちょっとでワシもメキシコ国歌嫌いになるところだった。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。

 まあ、終わりよければ全て良し!メキシコ国歌も嫌いじゃないゼ!!

2024年5月4日土曜日

三体+α

  見てのとおりの、ひでえ状態の大森が3台。良くこんな”ゴミ”を買ったなと思うかもしれないけど、これ一台いくらだと思います?

 なんとそれぞれ1円スタートで、3台とも入札者ワシだけ開始価格で落札。送料もまとめてもらって900円強がところで、丁寧に梱包してもらってあったのが申し訳ないような品である。見た目潮吹きまくりの緑青出まくりの酷い表面状態でベール周りの部品も腐蝕して使えるか不安な状態、可動部はほぼ潮噛みでギシギシとまともに動かずとトホホな”ゴミスピ”達だけど、「マイコン202」についてはスペアスプールだけでも手に入れば300円程度では安すぎる、実際樹脂製のスプールはすぐに使用可能なことが確認できて、既にチャチャッと掃除してライン巻いて釣り場に持ち込んで活用している。他は「オートベールNo.3」が2台だけど、とりあえず左右両用のNo.3サイズのハンドルが2本確保できれば、その時点で1台約300円はこれまた安いぐらいで、かつナンボ外観がボロくても内部のギア等は平気なことがほとんどなのが、逆転防止まで本体内に収める設計の大森スピニングの良いところであり、2台の良いところを寄せ集めて”ニコイチ”して1台稼動機にもっていって、1台は替えスプール要員兼部品取り、というところまでは持ち込めそうにも思う。そこまでいけたら万々歳の部類だろう。だめでも使える部品がガサッと手に入るはず。

 ということで、しばらくは各部にCRC666ぶっかけて浸透させて放置だなと、202のスプールだけ早速実戦投入しつつも、他は粉吹き状態の潮やら緑青やら拭き取れる部分はザッと拭き取ってやり、ハンドルやらスプールやら外した状態でネジ部や隙間にCRCをぶっかけて、個別にビニールに突っ込んでいつもの油漬け保管箱にて漬け込んでおいた。ハンドルやらスプール外した時の感触では、中身は問題無さそうではあり、問題ありそうなのはベールアーム、ベール支持部、逆転防止切り換えスイッチ、スプールといった外回りの酷い腐蝕で、これは錆を削ってエポキシ肉盛りやティッシュを瞬間接着剤で固めて穴埋め成形とかで対応可能なのか心もとない。あと見えているネジが潮と緑青に埋もれているのが多く、果たして固着を外して整備に持っていけるのか、ぶっちゃけ本体蓋が開かないとギアが生きてても部品取りもままならない。まあその時は本体関係は捨ててネジをドリルで破壊して蓋を開けるしかないか?塗装、銘板はいつものことで、使えそうなら適宜お色直しは最低限必要だろう。

 と、まあスプールとハンドルは外せることが確認できた時点で、それだけでも儲けもので、後はなんぼか部品が取れただけでも良しだな、と思っていたら、”縁は異なもの味なもの”とはよく言ったモノで、このタイミングで米国製塩水系ルアーの使い手であるMasahiroさんから、「オートベールNo.3」1台と、オートベール、タックルオートのNo.3,4あたりに使える部品をもらってくれないかとの申し出、なんとメールに添付された写真には、ちょっと修復苦戦するかもと思ってたベールアームも写っていて「いただけるのなら喜んで。という以上に天の采配を感じます。実は、オートベールNo.3の腐蝕が酷いジャンク個体が2台整備待ちで、部品の中にベールアームとか使えそうなのが見えてるので喉から手が出るぐらいタイムリーに欲しいです。」と返信、入れパクで食いついてしまった。ホント計ったようなタイミングでドンピシャ欲しいものが手に入ってしまう幸運。ありがとうそしてありがとう。これは”大森の神”の”3台とも稼動状態に直せ”とのご意志の現れだろう、という神託に基づき3台現役復帰を目指すこととあいなった。ちなみに小袋に分けて送られてきた部品をざっと並べてみると写真の様な感じで、2台から使えそうな部品を回収してあるようだ。大森分解整備ももう何回やったかわからんぐらいなので、部品見ればどこのナニか分かるぜワシ。そして、一緒にもらったタックルオートNo.3は整備の必要もないような綺麗で快調な個体。単に1台稼動品が必要というならこの1台で話は終わりなんだけど、そうじゃないだろ、ワシが調整してやらねば良くて部品取り個体、悪くて”複合ゴミ”の3台を、天の采配で部品も手に入ったことだし、見た目ボロいのはある程度は仕方ないけど、機能的に復活させるのはもとより、これまでの経験とちょっと試したいアイデアをぶち込んで、なんなら純正状態復活より戦闘力上げて仕上げてしまって、実戦導入して武勲を立てさせてみたい。などと鼻息荒く思うのですよ。

 ちゅうわけで、まずは「マイコン202」からいってみますか。

 本体蓋の塗装ハゲがたいしたことないように思えるほど、ベール周りが酷い。

 樹脂製のベールアームはもちろん大丈夫なんだけど、ベールワイヤー支持部は腐蝕して凸凹だし、ベールスプリングのところと、逆側ベール反転機構のところの”アルミの蓋”が酷い状態。左下のベールスプリングの蓋に穴が開いて隅の方に塩の結晶が析出して溜まってるのも酷いけど、写真右下のベール反転機構のアルミ蓋の下1/3ぐらいがボロボロに腐蝕して錆落ちてしまってるのは、さすがに始めて目にする惨状。我々塩水で釣りする連中が、帰宅後水道水ぶっかけたり、なんなら釣り場近くのトイレの水道でジャブジャブとか、とにかく塩気を水圧掛けてでも素早く取り除きたくなるのは、塩気は金属を滅茶苦茶腐蝕するからである。アルミに塗装もしてあってもこんなもんです。釣行後の塩抜きがいかに大事かお分かりいただけるかと。ほんと塩気はちょっとでも残すと腐蝕に繫がるので神経質にならざるを得ない。といいながら、塩抜きして袋にしまってあったカマス釣るのに使ってるフライリールのサイエンティフィックアングラーズ「システム2m78」がこの冬出した時にチョコチョコ腐蝕して塗装がはげ始めててオノレの注意不足を反省した。釣り終わってリール袋に入れて帰ってきてリール洗って袋に入れてしまってたけど、よく考えると釣り終わって塩水が付いているリールをリール袋に入れると、リール袋に塩気が残ってしまう。Oニーサンは袋は信用ならんので、竿とかは現地で真水洗いしてからメッシュ状の筒に入れて持ち帰るようにしていた。っていうぐらい塩気は金属部品の敵なのである。PENNとか異様に塩気に強いリール使ってると、そこまで細かく気をつけなくても平気だったりするけど、PENNが特別なだけだと思っておいた方が良い。真水でジャブジャブ洗うのは最低限必須だと思っている。それすらやらんとPENNでも錆びる。

 でも蓋ぐらいなら、蓋してそれこそ塩水があんまり入ってこないようにしてあれば良いので、強度はそんなにいらないので、プラの板と紙とテッシュと瞬間接着剤で蓋として機能するように穴を塞いでおいた。

 左のベールスプリングとベール折り畳み機構の入ってる方は、穴が大きくないので、とりあえず紙で穴を塞ぐように瞬着で貼って、その裏側を補強するようにティッシュを瞬着で堅めながら成形して蓋として機能するように厚さと形状を調整。右のベール反転機構が入ってる方は、蓋の下がごそっと落ちているので、適当なプラの板を切って、とりあえず紙を使って瞬着で平面になるように接着、そして裏面をティッシュと瞬着で補強しつつ成型。後は黒く塗れ。

 本体塗装も、腐蝕しているところから塗装が浮き始めているので、マイナスドライバーとかサンドペーパー使って剥がれるところは剥いでしまう。結構乱暴にガリガリやってます。

 パーツクリーナーで油やら汚れを落とした後、車用のタッチペンでヌリヌリと塗ったくって、腐食防止兼お色直しって感じ。ベールワイヤー支持部の凸凹はサンドペーパーで腐食部をなるべく削って、エポキシで凸凹ならして色塗っておく。

 とまあ外観は腐蝕だらけでボロボロだったんだけど、固着も無く、中身はなんにも問題無くてグリスも固化してないどころか濁りもなく、全体的に綺麗な状態でサクサクと、同機種も3台目なので慣れたもので、いつものようにグリスグッチャリで仕上げておいた。

 使用中のスペアスプールを填めてみて、巻きやらベールの返りやらドラグやらの感触を確認してみると、本体内部の調子は2台目のややボロ個体よりは良いぐらいで、ドラグもこちらの方がより滑らかな気がする。ボロい方2台で適当に交代させながら使っていけば、老い先短い我が釣り人生ぐらいは持ちそうでちょうど良いのかもしれない。なんにせよ1台目は無難に復活できてまずは良し。

 次はオートベールNo.3のマシな方からやりたいところだけど、甲乙付けがたいボロさで、ベールアームの腐蝕が激しいほうは再建がややこしそうだなと、ハンドルキャップが無くて、見えてるハンドル軸が錆びてる方(だからあれほどハンドルキャップが無くなったらゴムでもなんでも良いからキャップを付けておきなさいと言うておるのに)から手をつける。

 しっかしボロい。こちらはベールアームの腐蝕はたいしたことないけど、ベールワイヤー支持部は全面的に腐蝕でボロボロで、外すと割れるんじゃないかと不安になるレベル。スプールの腐蝕も酷いし、当然銘板とかちょっとマイナスドライバーでつつけば剥げる。

 本体蓋のネジとかもネジ山に緑青詰まってて外せるのか?と不安になったけど、千枚通しの先で緑青ほじりだしてから回してやれば普通に外せた。腐蝕が酷いベールワイヤー支持部もネジは問題無く外れて、一応強度的に問題無い程度には支持部も金属部分は朽ちずに残っている。本体内部はハンドルキャップないし浸水して酷いことになってるかも?という不安は杞憂で、特に固着も腐蝕も無く綺麗なモンである。ハンドル軸はキャップ外れてた左側だけ錆びてるけど、ハンドル突っ込んだらちゃんとネジ山は生きているようなので機能的にはどうにかなりそう。

 中身はだいたい良さそうなので、とにかくボロい外回りをどうにかしていく。

 腐蝕して粉ふいてるような所は、マイナスドライバーでこそげるだけこそぎ落としてサンドペーパー掛けておく、特に腐蝕が酷いベールワイヤー支持部はガリガリ削って地金を露出させておいて、凸凹をならす感じでエポキシで肉盛りしてラインが引っかからないような滑らかな形状に整えておく、ラインローラーは固着したまま使用されていてクロームメッキが剥げて糸溝デキてたので、早速いただいたスペアパーツが活躍。本体は腐蝕を削り落として、銘版貼り直したら塗装してお色直し。ベールワイヤー支持部と逆転防止機構のスイッチは銀のラッカー塗料でその他は黒のタッチペンで仕上げる。

 スプールがこの後追加の改造の予定で腐蝕剥がした程度だけど、全体として機能的にはほぼ完品状態に復帰させることができて一安心。

 ハンドルキャップがこれまたいただいた部品に1個入っててドンピシャに役立った。

 ハンドルノブが外せるタイプだけど固着してたのでこの時点ではとりあえず無理して外さずそのままにしておいた。

 実物を近くで見れば、色塗り直しまくりの、凸凹穴埋めまくりのボロ機だけど、こうやって写真で見るとなかなか良い感じに仕上がっている。

 自分でボロくしてしまってるのは、手入れがデキてなかったり、道具を大事に扱えてなかったりというのを表しているので恥ずかしいけど、ボロいヤツを入手して使えるように整備した機体の見た目のボロさはまったく恥ずかしくない。むしろ古い機種ならボロい方が経てきた年月相応の重厚さが出て格好いいぐらいに思っている。そして機能的には全く問題無く復活しており、ベアリングさえ錆びておらず大森ハイポイドフェースギアは、さすがボールベアリング2個も入ってる上位機種であるオートベールだぜって感じに滑らかに回り、ハンドルでベールリターンも軽くカコッてな感じの良い感触で返ってくれる。気分良いゼ。

 いい気分になったところで、この調子でもういっちょいこう。

 残りの1台もボロいけど、特に酷いのは前述したようにベールアームが腐蝕して崩れ落ちて、もはや形状が変わってしまっているところで、これは果たして修繕可能なのか怪しいところだけど、幸いにもいただいた部品類のなかに同型のベールアームがあったので、修繕しきれなかったら交換という手が使えるのは僥倖。ベールワイヤー支持部もボロいけどさっきの1台よりはマシなので何とかなりそう。こちらはハンドルキャップは残っていたので本体内に特に腐蝕等はなく、前の持ち主が”追いグリス”したのか、グリスグッチャリで状態は悪くない。


 ということで、問題のベールアームだけど、調べた感じ幸運にもラインローラー固定ネジがしっかり締めるられる程度には金属部分が残っているので、あとはラインが引っかからないように凸凹をならして、引っかかりのないようにエポキシを盛って成形してやれば良さげ。単純にネジを填めた状態でやや固まりかかったぐらいのエポキシを盛ってやって、時々ひっくり返したり角度調整したりして、良い感じの曲線になるように固める。固めたら、ネジを回してネジとエポキシを剥離させる。エポキシは表面ツルツルの金属や樹脂にはしっかりとは着かないことが多く、接着が主な目的なら接着面をサンドペーパーで荒らしておいた方が良いぐらいで、逆にツルツルの面からは剥離しやすいことを利用して、型にエポキシを塗布して割れないように剥がして必要な形にエポキシを成形するという小技は何かと使える手なので憶えておくと便利。ベールワイヤー支持部も凸凹削ってエポキシでならして、銀色に塗って、ベールアームは黒く塗って、使用可能な状態には修繕できたので、いただいたベールアームは温存しておける。
 このへんの予備パーツ、これさえあれば直るのに!っていう場面は結構あるかと思うところ。今回いただいた部品に限らず、使わなそうなモノや予備に余裕のあるような部品なら、送料と、モノによっては実費相当ぐらいで融通することもできると思うので、必要な部品が見つからなくてうちの蔵にありそうならご相談ください。可能な範囲で対応させてもらいます。

 あとは特に問題無く、いつものようにバラしたらパーツクリーナーで洗浄、銘板貼り直したり、塗装のはげをお化粧直ししたりして、グリス盛り盛りで無事終了、っていかなかったんだなこれが。

 組み立てていく過程で、ベールスプリングの所の蓋をネジ留めしようとしたら、キュッと締めたらポロッとネジの頭が落ちた。ここまで来てそれはないだろう、って焦りまくり。外すときに固着しててネジ切るのならまあ想定の範囲内であきらめもつくけど、外せたネジを締めるときにネジ切るってどうなのよ?なんとかならんのか?としげしげ眺めていると、なんか折れて残ってしまってるネジの頭が一部尖っている。この尖ってる部分をペンチの先で引っかけるようにして摘まんで回せないかという、薄い可能性にすがってみると、グリス塗って滑りが良くなってるので、尖りに引っかけてちょっとずつ回すことができる。ちょっとずつ回していってネジが摘まめるぐらいまで穴から出てきたらしめたもので、ペンチの先で挟んで回して無事抜けた。そして、ネジはもらった部品に同じのがちゃんとあったんですねぇ。よかったよかった。規格品のネジが合えばいいけど、リールのネジってインチ規格だったり古い規格だったりで、意外にネジ一本とはいえ無いとどうしようもないこともあったりして、部品詰め合わせはほんとにもらっておいて大助かりだった。

 てな感じでオートベールNo.3、二台目も良い感じに復活。こちらもスプール関係はまた別途改造予定だけど、元の機能は問題無く取り戻すことができたと思う。

 オートベールNo.3は、いまルアー青物狙い用で運用しているPENNの「スピンフィッシャー4500ss」の代わりに、PE3号ぐらい巻いてスミスの「ブローショット10f」と組ませる予定。なので、スプールはれいによってスプールエッジの形状調整と糸巻き幅のスプール上下幅との適合をやってしまって、ついでにドラグ回りを青物視野にいじってみようかと思っちょります。スズキぐらいまでなら純正のフェルトドラグパッドは調整幅も広く安定性もあって非常に優れたドラグなんだけど、岸から釣れるワラサ(ブリの若魚)とかの青物想定なので、そこそこの速さでドラグ回されそうであり、パッドが熱に強いカーボンの方が良いだろうとか、念のためドラグが熱をもった時を想定してのアレコレとか、着想はあるので試してみる予定。まあ、早くても秋までに間に合えばいいので、のんびりやる予定だけど、やる気と時間があれば前倒ししてやってしまうかも。

 その前に一つ、やっぱりちょっと気になったのが、オートベール2台のハンドルノブのネジ固着で、固着しててもここは普通ハメ殺しなぐらいで放置でも良いンだろうけど、削れたのかやや隙間が空いてカタカタするので、ちょっと気持ち悪い。

 固着を無理矢理外そうとするとネジ山が舐めたりネジがねじ切れたりとろくなことにならないので、放置が吉だとは思っているけど、マイナスネジを突っ込む頭の溝がかなり深いので、ネジ山舐めることはないだろうと、持ち手を横にしてテコで回すのがデキるドライバーなので、その方法でグイグイ回してみたら2台とも固着無事外れたので、隙間を埋めるのにちょうど良い厚さと大きさのジュラコンワッシャーを填めてカタつかないように調整。

 よしこれで、後回しにしたスプール以外は機能的に完璧な調整仕上がりぶり。実に良い感じである。

 というわけで、無事3台とも実釣可能な状態まで復活させることができて満足である。3台で9百円強だけど、これだけの戦闘能力のある機種を普通に揃えようと思ったらナンボ掛かるかって話で、実にイイ買い物だった(まあ、大森中型機で揃えりゃ安く上がるけどな)。

 それにしても、ボロ大森の”何とかなる率”の高さは素晴らしい。今回は予備部品をいただいたおかげで、糸溝ついたラインローラーやらねじ切ったネジのような修復不能な部分があっても対応できたというのはあったけど、ともかく本体内部がやられてることはほとんどない。腐蝕してないのもそうだけど、ギアの摩耗してるような個体にあたったことがない。外側は今回も苦労したように腐食しやすかったりする部分もあるけど、ちゃんと塩抜きして使ってれば大丈夫って話で、こういうリールこそ”100年使える”リールだろうと思う。オートベールで1979年発売、45年も前の設計のリールだけど、今でも普通に使えて、かつ面倒くせぇところもないから手入れとかも楽。多少手を入れたり修理が必要になるかもだけど、基本設計がしっかりしてて単純明快なので、あと55年ぐらい使えてもなんら不思議じゃない。

 残念ながら、ワシがあと55年も生きていると思えないので、それを見届けることができないのはいかんともしがたいけど、気候変動やら第3次世界大戦やらで人間の文明が崩壊していない限り、55年後の未来でもワシらの後輩の”スピニング熱患者”が「やっぱり大森のリールはイイ」ってクルクル回しているような気がするのである。