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2016年6月18日土曜日

ラパラマグナム屋繁盛記リブート

 一応の終幕を迎えた後もダラダラと続いておりますルアー図鑑うすしお味はいつのまにやら第32弾。ラパラマグナム屋のその後について、もう、実弾は十分すぎるほど確保しているのにそれでもなんだりかんだっり買っちまったりしているので報告してみたい。

 ラパラジャパンのサイトを見ていたら、一時期フローティングステンレススチールマグナム14センチがカタログに載っていて、11センチも欲しいところだが、とりあえずはFマグ販売中止状態から復活したようだったので、2票入れるつもりで2個買ってみた。青鯖と緑鯖を買ったけどいぶし銀のようなメタリックさでなかなかカッコいい。メイドインアイルランドとリップに入っており、直近のエストニア製と思われるFマグには国名表記が無かったので、ひょっとするとアイルランド工場時代の在庫が残っていてそれを放出していたという可能性もある。
 現時点ではまたカタログ落ちしてしまっており、Fマグ生産ライン復活を引き続きお願いしたい。

  Fマグ9センチと7センチはあまり出番がないのかなと思って買ってなかったけど、11センチだと思って買ってきたら間違えて9センチだったというのをやらかし、そうするとあとFマグで買ってないのは7センチだけなのでコンプリートしようと買ってもた。
 Fマグ全サイズ18,14,11,9,7でこれでコンプリートで、緑鯖でそろえちゃいました。しかし、7センチは廃盤のうえ玉数少なく、ネットオークションでなんとか確保。
 よく釣具屋の壁に、ラパラの各サイズが額装して飾られていたりするが、全部赤頭とか黒銀でそろっててなかなかイカす感じで、そういうのをやりたかったのである。
 しかし、これでコンプリートと思ってたのに、つい最近どうみてもFマグの26センチもあるやつがネットオークションに出ているのを発見してしまった。ググってみると「スーパーマグナム」というらしい。80年代にでてたようだ。
 欲しかったが、好きモノがいるようでとても落札できるような金額じゃなかった。

 CDマグもめざせ全サイズコンプリートと行きたいのだが、これが「全サイズ」の定義自体からまず難しい。「ラパラ解体新書」でみると、26,22,18,14,12,11,9,8,7の9サイズとなっているが、うちの蔵に13センチというのが転がっているので、いろんな時代のをあわせると、どうも9サイズで全部ではないのかもしれない。13センチは「スリム」タイプで、我が家にあるのでは他に8センチもスリムっぽい。スリムがあるサイズはノーマルは無いのかあるのかのあたりも含めてよくわかんない。
とりあえずコンプリートにはならなくても、CDマグ最大の26センチは迫力あってカッコいいので使うアテは無いけど欲しいと思ってしまっていて、ネットオークションで落としちゃいました。
 普段使うFマグ11センチと比較していかにドデカいか感じていただければと思う。


 おまけは、ラパラリスペクトというかパクったルアー達。

 1個目は佐賀の漁具系優良ルアーメーカー「ヨーズり」さんもこんなんやっちゃってました。これまたプラで作ったFマグという感じ。
 もうね、このリップの形に堂々と[YO-ZURI JAPAN」と書いているあたりは「Fマグ」というのが既に「重心移動ミノー」とか「ディープダイビングミノー」みたいな一ジャンルに近いぐらい普及していたということなのかなとみてて思う。





 CDマグタイプの金属リップをそなえたトローリングミノーとしては、ミローやシスコキッドが有名どころ(日本じゃ?)で他にバスプロショップスもオリジナルブランドで出していたように記憶していますが、レーベルからこんなん出てたなんて不意打ち。
 レーベル「ジョーブレーカー」

 後発で似たようなルアーがいくつも出てくるあたり、ラパラマグナム軍団がいかに世界で愛され実績を上げてきたかがしのばれるというもの。

 頼りにしているので今後もよろしく。

2015年11月21日土曜日

ラパラマグナム屋繁盛記

 しばらく前にカヤックシーバス用に「Fマグ屋でも開店するんか?」という勢いでFマグ11センチと14センチを仕入れていたが、健康面の問題を抱え今年は出番が無く断腸の思いである。


  Fマグ屋状態を写真で公開して以降も中古屋とかで見つけるたびに買っていたので、今では小さめの段ボール二箱にギッチリ、計ったら3キロチョイあった。
 個数的には100以上、11センチ、14センチについては仕入れ具合は充分である。
 特に好きなカラーは青サバと青銀かな。青サバが大量に入手できているので心強い。
 さらには、最近Fマグはステンレスチールマグナムというメッキのようなカラーリングのが新品でも手に入るようで生産中止状態は抜けたらしくホッとしたところである。

 ラパラマグナム系については他にも仕入れており、結構在庫も豊富なので、今回そのあたりをルアー図鑑うすしお味25弾で取り上げてみたい。

 とりあえずは、Fマグ兄弟には9センチ7センチというような弟分もいたようですが、あんまり見かけないし使い道も思いつかないので仕入れていないけど、18センチの兄貴はデカ物狙いにはそのうち役立つだろうとなんぼか仕入れてきたところである。実戦を想定してフックに鉛線巻いたり、ナツメオモリ埋め込んだりという飛距離アップチューンも施したりして準備は怠りない。
 Fマグはワイヤー貫通式でぶっ壊されても魚は獲れるタイプのミノーなので、そのうちミノーをその重量やファイトで破壊するような獲物を狙ってみたいモノである。

 でもって、同じFマグ18センチの旧型で、リップが頭の先から突き出たオフセットリップじゃなくて下顎から突き出ているタイプ。
 緑サバカラーは都心の中古屋でエグリました。赤金は房総の釣り具屋で若い頃にエグリました。箱が壊れたようでガマカツとかのシールが貼ってある袋入りですがプレゼント券が付いていて、82年モデルということが分かります。90年代には今のオフセットリップになっていったようです。また、このころの赤金はマグナムでもホイルフィニッシュです。現在でもCDシリーズとかは赤金ホイルフィニッシュですが、マグナムの赤金は塗りです。


 CDマグナムも結構あります。14センチとちょっとスリムな13センチはコスタリカターポン様用に買ってましたがフロリダに行ったので出番無く、またどこかで出番が回ってくるのを待っている状態。






 CDマグナムはトローリング用として使われていて結構でかいサイズがあります。
 我が家にあるのは手に持っている22センチが最大で、後ろのは18センチ達ですが、最大26センチまでラインナップされているようです。
 




 でかいラパラというと、スーパーシャッドラップ14センチも外すことができません。怪魚ハンター御用達のルアーで、CDとFがありCDのほうが飛距離が出て人気ありますが、あんまり売ってるのみかけません。
 フローティングの方もオモリ埋め込んだりして飛距離アップチューンを施してあります。いつでも怪魚ハンティングに出かけられる状態です。

 最近、12センチでリップが金属でシンキングのマグナムシャドラップというのもアルのを発見して仕入れましたが、14センチほど迫力はなく、CD14を売ってくれた方が助かるのになと思ったところ。




 ラパラでマグナムというともう一つ、Xラップのマグナムダイブベイトというのがあって、これも試しに買っています。
 まだ実戦投入する機会が無く蔵に眠っています。
 でもまあ、Xラップあたりはラパラの系統のルアーというより、ストームやらルーハージェンセンやら吸収したアメリカンなメーカーの流れを汲むようなアメリカンな感じのルアーでラパラマグナムとは同列で語るべきではないのかもしれません。

 金融機関や自動車会社なんかの統廃合が進んで、年末控除に生命保険の会社名を書こうとすると枠からはみ出るぐらいに統合した社名を並べなければならなくてウザかったりするが、同じような統廃合は米国中心に釣り具メーカーにも見られたところである。

 先ほども書いたようにラパラがストーム、ルーハージェンセン、ブルーフォックス、ウィリアムソン、ラインのサフィックス、フックのVMCなんかを合併吸収していますし、アメリカンルアーを代表するようなヘドン、ボーマー、アーボガスト、レーベル、コットンコーデル、クリークチャブ、スミスウィックなんてメーカーはレーベルを中心にエビスコというアウトドア系の総合会社の釣り部門「プラドコ」ブランドに統合されてしまってます。
 PENNはかなり最近まで、フィラデルフィアに本社を置くPENN社として独立してありましたが、数年前に、ABUやバークレー、はてはシェクスピア、ハーディーまで傘下に入れたピュアフィッシングに統合されました。
 時代の流れを感じずにはいられません。

 なんとなく寂しくもあるのですが、ラパラは今でもラパラな部分を受け継いでいるし(Fマグも廃盤にはならなかったし)、ストームのウイグルワートの「不規則揺れ」をラパラで再現させるために幅広い帽子のつばみたいなリップを搭載した「スキャッター」シリーズとか開発してみたり、プラドコに多くのルアーメーカーが合流して、レーベルお得意のGフィニッシュカラーがヘドン、ボーマーなんかのルアーにも施されたり、ソルトウォーターグレードボーマーなんてのはボーマーベースにレーベルやヘドンからの移籍組的なルアーもあってなかなかに面白いことになっていると評価できるし、デカイ会社になって企業の体力が上がって製品が良くなる分には悪くないことだと考えておきたい。

 まあ、世界的な経済の大きな流れからはルアー生産の現場も逃れようがないというのが現実なのかもしれません。気に入らないからといって嘆いたところで仕方のないことなので、「気に入る」ルアーなどが売られていたら、いつものように一票入れるつもりで買っていくというのが一消費者にできる唯一にしてそれなりに影響力を持った手段なのかなと思います。

2016年4月17日日曜日

アーマーゾ~ン!(©東映)

 先週のNHKスペシャル「大アマゾン」の怪魚特集みましたか?凄かったですねェ。アルミボートにファイティングチェアまでこしらえてた凄腕ピライーバ釣りのオッちゃんのタックルがトローリングロッドもリールもPENN。分かってらっしゃる。
 ということで、妄想タックルボックス第3弾はアマゾン遠征用ルアーでいってみよう。
 昨年末、体調回復していた頃に来年はアマゾンに行こう、ガイアナとかいう国でいい釣り宿があるらしいから、そこに行こう。ということで病み上がりの「健康だから何でもできるぜ」的ハイテンションでツアー会社から情報収集したり、ルアー見繕って写真の「ロード・トゥ・ガイアナ」ボックスに放り込んでみたりしていた。
 結局、ツアー組むのにある程度人数が必要で、すでにツアー会社主催の秋頃の遠征ツアーは空きが無く断念したが今の体調を思うと流れててよかったのかも。
 近所に2、3時間釣りに行くのが精一杯のていたらくで、なにがアマゾン遠征じゃという感じだが、まあそのときの盛り上がった妄想の結実をここに公開しておきたい。いつでもその時その時の一番おもしろそうな釣りをするために計画して妄想して、釣り人としてなにが間違っているというのか?後悔や反省は全くしていない。

 ちなみに、ナマジ的にメインのターゲットはアマゾンの人喰いナマズことピライーバで、こいつは切り身ブッコミの餌釣りなので、別途サメ仕掛けを流用した道具を用意する必要があるのだが、釣り宿的にはピラルクーが有名なところで、ピラルクー用のルアーとそれからやっぱりアマゾン行ったらピーコックバスとかも釣っとけでしょう、ナマズ釣りの餌にも必要だしね。ということで、ピーコック、カショーロ、アロワナ等々をターゲットとしたルアーも各種セレクトしている。

 アマゾン行ってパボォンとかトクナレとも呼ばれるピーコックバス狙うとなると、まずは写真のような20センチぐらいあるスイッシャーを男らしくブン投げて、ズババーッとジャークしまくるというのがある。
 中古で買ったので名前はよくわからんけど、アマゾンリッパーとかそのあたりのルーハーものだったりオザークものだったりである。
 ウッドでやたら長いヒートンねじ込んで強度を確保している。ということはふつうの木製のバスルアーのヒートンはもげるくらいにピーコックは引きまくるようだ。釣ってみたいもんだねェ。

 トップだとほかに、ブラジル製ルアーであるドクタースポックが定番だそうで以前紹介したが2個確保。まあ、1オンスぐらいでうるさいラトルが入ってればいいんだろうなということで、プラドコもののスーパースプーク、チャギンスプーク、バドンカドング大、ボーマートップウォーターベイトと、日本代表でラトル音大のミスカルナと泡引きダイビングペンシルのローデッド140を入れてみた。日本の高級ダイビングペンシルは成績よかったという報告を目にしたことがあるのでローデッドは結構やるかもしれん。

 ピーコックをミノーでとなると、もうこれはロングAの16Aで決まりである。丈夫なポリカーボネイト製と魅惑のボーン素材製をそれぞれ用意した。本数的にはストックはもっとある。

 他にミノーは基本ワイヤー貫通もののXラップやらKテン、怪魚ハンター小塚氏おすすめのザファースストなんかも用意している。ザファーストの重心移動システムがジャークとかしたときに一番派手に音がでるそうだ。パテントもとのKテンとなにが違うのか不明だが確かに振ってみたときにもカコーンと良い音している。

 でもって、ピーコック以外にペーシュカショーロやらタライロンといった歯のきつい魚を釣るにはワイヤーリーダーが必要で、ワイヤーリーダー付けてもちゃんと動くミノーをとなると、やっぱりラパラのマグナムなのである。断言。Fマグは世界中で釣れると信じている。

 そして、スプーンは2オンスぐらいあるでっかいダーデブルから、バイト各サイズ、JOSさんがドラド用に忠さんに発注かけた27gのマスターを譲り受けたものなどなど、開高健直撃世代のおっさんとしてはアマゾン行くのにバイトは必携でっしゃろ。バイトも世界中で釣れるに決まっている。

 でもって、ピラルクー用ルアー。実際にガイアナ行ったSスイの店員さんが「これです」と言ってたのがこのスーパーシャッドラップ。上3つがシンキングでそのほかはフローティング。フローティングは縦に置いてるシャッドカラーのようにお腹におもりをぶち込んで非距離を稼げるように改造しておきたい。
 ピラルクーはぶっちゃけ大きさの割には引かない魚だそうだが、それでも2mからの巨魚なのでスーパーシャッドラップぶっ壊されるそうである。でもワイヤー貫通なので壊れても魚はとれるそうな。なんともはやダイナミックな話である。

 スーパーシャッドラップのほかにはFマグ18センチやらCDマグ14センチ、Kテン18センチにS字系も効くとのことなので、ポーランド製サルモスライダー12Fも用意してみた。

 ちょっともって行ききれないぐらいの量になっているので、どのみちメインのターゲットはルアーで狙わないので、ルアーは実際行くとなったらもっと絞ることになるだろう。
 普通アマゾンでナマズを釣るなら支流に産卵のためにのっこんでくる雨期で、乾期に水が引いて魚が濃くなっているところを狙うピラルクーやピーコックバスなどとは時期が合わないのだが、ガイアナのポイントは同じエリアのちょっと違う場所で同じ時期にどちらも狙えるそうで、事実日本から行った釣り人がピライーバの2m超えるような化け物サイズをしとめているし、そこまででかくなければナマズ軍団は結構手堅く釣れるような印象で、情報集めているときには既に釣った気でいたが、全くの妄想であったことよ。

 まあ、そのうちタイミングが巡ってきて挑戦できるときもくるさ、と気長に心に留めおくことにしよう。
 九州が地震で大変なときになにくだらん妄想してるンや、という気もするが、明日地震で自分が死ぬかも知れないから、それはいつでもどこでも誰でもそうだから、妄想でも釣りでもやりたいことはやれるうちにやれるだけやっておこうと思うのである。 

2018年3月3日土曜日

日曜大工のお父さんの復権を

 長年乗ってきたSUZUKIワゴンRを最近全く使ってないので車検通す費用ももったいなく思い廃車とすることにした。
 さまざまお世話になったね、ありがと。
 我が家では車は釣りぐらいにしか使っておらず、車はカヤックと双璧をなす高額の釣り具という認識であった。
 カヤック積んだりしてアクアライン超えていく釣りは、ずいぶん時間も手間もかけて開拓した釣り場が多い。車なしとなるとそれらを捨てざるを得なくなり、そう思うと断腸の思いである。
 なんだかんだいってワゴンR、永く乗ってて愛着もあったし。
 付随して、カヤックで攻める浅場の大型シーバスのためFマグ100個ぐらい備蓄してあるのがただの死蔵になってしまう。まあFマグには使い道またあるだろうけどね。
 雨後の内房の運河も手堅い釣れっぷりだったので、これからも美味しい釣果を収穫できる釣りだったはずで後ろ髪を引かれる。
 でも、体力的に不安があって帰り道の運転を安全に行える集中力に全く自信がない状態なので、しばらく車の運転は避けた方が賢明だろう。
 車がなければ、自転車と電車である。結構車なくてもやれるってところを示して行けたらなと思っている。

 自動車って、アクセル踏んでハンドル握るだけで、簡単に人をひき殺せるだけの大きな力が手にはいることにより、事故でも起こせば責任の取りようもないことになりかねず、心のどこかに不安を感じて運転していた。自分の体の延長線をこえた過剰に大きな力はとても制御しきれず恐ろしさを常に感じ、私は男子には珍しく、車の運転があまり好きではなかった。
 そういう有り体にいって「運転が下手」な人間は、人が制御できるぐらいの速度でゆっくりと行く自転車と、プロの運転手が運転する公共交通機関を利用するのが妥当なのではないかとも思う。街に住む限りはそれで不自由しないだろう。
 車と自転車で比較して自転車が好ましいのには、パンク修理だのブレーキワイヤー交換だの、基本的な整備程度は店に持っていかなくてもできるところ、自分で手を入れられるあたりにも大きな魅力というか安心感を感じるというところもある。

 今時の車なんて電子制御的な部分も多くて素人が修理するような余地はあんまりない。それじゃ私は道具としての愛着は感じにくいと思う。むしろ屋根に積んだカヤックから垂れた塩水で錆びて穴があいて防水テープでペタペタ取りあえず塞いだあたりに愛着は生じ得る。
 自転車はそのあたり、自分で整備するのが当たり前なので、愛着は湧きやすい。と、リールも自分で分解整備できなきゃつまらないと常々思っている人間の感じるところ。 

 私の父を思い出すとそうなんだけど、昭和の男は日曜大工で大概のことは片づける能力があった。
 パンク修理の方法や刃物の研ぎ方はじめ扱い方、簡単な木工仕事、横で見ながら身につけたものである。
 いま日曜大工って言わなくってDIY(ドゥーイットユアセルフの略だっけ?)って言うんだろうけど、なんか電気屋さんに頼んだら金が掛かることを自分でやるための方法とコジャレたインテリアとか作ってSNSとかでドヤる方法の2つに2分されるように感じていて、前者は必要性は理解するし自分もするけど大工というより電気屋だろうし、後者はケッという感じだと思っている。

 なんというか、日曜大工って必要に迫られて、有り合わせの道具使って、なんだかんだ間に合わせてしまうようなやっつけ感と即興性が味のうちで、デザインよく素材も吟味してとかやっちゃうとちょっと私の思う日曜大工とは乖離していくように思う。
 たとえば昨年、同居人からの、ゴーヤと朝顔でグリーンカーテン作りたいから、ネット吊して。という命令に、前の住人が室外機吊してた金具のナットを緩めてルアー作成用の太いステンレス線を巻き付けてナット締めて固定。2カ所でステンレス線でネットを吊した。ネットの下の方は柵にビニールひもで固定。って感じでありあわせの材料とかをつかって、見た目はアレだけど何とかしてしまうというのが日曜大工の腕の見せ所だろうと思う。材料レシピ通りに買ってきて作る料理じゃなくて冷蔵庫にある食材でなんか美味しそうなものをでっち上げるのに似てる気がする。
 
 なぜに、日曜大工の話なんてし始めたかというと、冬の間寒いと部屋にこもりがちで、へら釣りが始めたばっかりで浮子を中心にいろいろと作るものがあったり、ルアーいじったりというのが、冬の外に出るのもおっくうな時期の良い暇つぶしなので、自分の手でモノを作ることについてちょっと考えてみたのである。
 「モノ作り」なんていうと、なぜか凝り性な日本人は作務衣着て「匠」になりきって大層なモノを作りたがる気がするけど、そうじゃないいい加減な「日曜大工」仕事が、実はめちゃくちゃ面白くて実用的で、っていうのが今回書きたいことの趣旨である。


 ヘラブナ釣るのに浮子作りから入ったのは本当に大正解。
 ご存じのように私の作るへら浮子「ゆるふわ」シリーズは、羽浮子のように貼り合わせたり、カヤ浮子のように絞ったりというような難しい行程はいっさいない、バルサを削ってトップと足を突っ込んだだけの簡単設計である。
 これで浮子としての出来が悪ければ仕方ないけど、細かいところの詰めや耐久性とかは市販の良い浮子に負けるにしても、オモリを背負って浮いて、引かれればトップが沈むという基本性能において、全く問題なく使える性能を有している。
 道具もあるし材料もルアー作りに使っていたバルサにウレタン塗料に加えてトップを買うぐらいで、まったくありモノで間に合わせられている。
 自分の釣り場での課題や好みに合わせて、細かい調整や改良を加えて浮子を作って行くのは、浮子の持つ役割の理解が深まるとともに、釣りそのものへの理解も深まる。
 なので釣り方を試す度にドンドコほしい浮子を作りまくっているのだが、これまで40~50本ぐらいは作っただろうか、これを作らず買っていたらエラいことである。一本3000円とすれば10万円以上かかっていたはずで、これからも増えることを考えると作ってすませることができてホッとする。

 私の作る浮子もルアーも見た目はいまいちショボい。でも実用性は十分で実戦投入して成果を出せている。それはとても楽しいことで、「匠」の名品を作ろうとしがちな釣り人には、もっとゆるふわっといい加減に作ってもいいんですよ、と強くお勧めしたい。
 世の中には本物の「匠」が作った漆の塗りもきれいな高級浮子とかがいっぱいあるけど、私が私の釣りのために必要な機能を持たせて作った「ゆるふわ」な浮子は私にとってそういう高級浮子以上に愛着がもて、かつ自分用に作ってるだけあって使いやすい浮子になっており、もう高級浮子など買う気にならないぐらいである。

 日曜大工って、いろいろできるようになっておくと、道具と材料を使い回せるようになるし、技術も応用が利く。例えばさっき例に出したゴーヤのネットを吊すために使ったステンレス線はGTルアーの補修の為に道具入れにあったステンレス線を使ったところであり、ルアー作成の道具素材が浮子にも使えるのは書いたとおり。
 ルアーの壊れたところを接着剤で補修する技術なんかは、同居人の靴のヒールが欠けたときに応用したりしている。

 戦後派の私の父世代は、高度経済成長下でお金を稼ぎつつも、今ほどモノが何でもある便利な時代じゃなかったので、何でも作ったし直した。その技術をかろうじて受け継いでいる私も日曜大工の技術は釣り具作成修理の技術とも混同しながらもなんとか保てている。
 モノがバカスカ売れて、壊れれば買い直した方が早い、仕事はあるので買い直す金を稼ぐことは簡単だ。という大量消費廃棄文化の時代には日曜大工の技術なんて全く無用の長物だっただろう。
 でも、これから迎える超小子高齢化でかつ日本じゃ景気よく稼げる業種が得意の自動車製造ぐらいに限られてきて仕事が少ない、働き手が減る分は人工知能による効率化とか外国人労働力とかで経費削減しながら対応するという社会になってくると、金が稼げる仕事があんまり回ってこないような気がする。
 そうなると、まだ直して使えるモノを再利用するなんてのは、また必要性が高くなってくる技術なのではないだろうか。エコロジー(生態学的)の観点ではなくエコノミー(経済的)という観点から、そうせざるを得なくなるのはと思い、世知辛いとともにモノを大事にするという良いことにつながるのではと思う。
 ボロッちくなった家具に、サンダーかけて表面の古い塗装をはがして、改めて好きな色に塗り直してやる。一部の部品が破損して機能しなくなった道具を、3Dプリンターで部品作ろうが、木を削って部品作ろうがとにかく動くようにして使い続ける。
 なんてのが、仕事が減って稼ぎが少なくなるなか、余暇が増えたなら、楽しく生活していくための必須の技術になるのではないだろうかと思っている。
 
 そういういい加減な部分もある「日曜大工仕事」を楽しむために必要なのは、いい加減で見てくれの悪いのを許容するというか、むしろそこを愛でることができる感性が重要になってくると思う。
 例えば、最近作ったへら用の「タモの柄」。凝り性の日本人らしく作務衣着て気合いを入れて竹の火入れから始めてしまうとすれば、なかなか作ろうという気にはならないし、作ったとしても本物の匠の作ったものと比べたら、なんぼ身びいきしてみたところで見劣りしてしまいかねない。
 そこを、実用上問題なくて簡単に作れればいいや、と私のような日曜大工派は考えて、中古で安売りしていたグラスロッドの素材を使ってロッドビルディングの技術とか応用しながら作ってみた。
 割と簡単で安上がり。かつグラスの素材の持つそこはかとない昭和感はB級ぽくはあるけど、それなりに味のある逸品に仕上がったように思う。と作った本人悦に入れる程度にはお気に入りなのである。

 見た目を過度に気にし始めてしまうと、素人の日曜大工仕事で作ったモノなんて大したモノにはならないと感じてしまう。でもその程度でも例えば釣りに使えるとかの実用性は十分得られるので、見た目気にせず、ある程度いい加減さを許容しながら楽しんでいくと、日曜大工は実に楽しく心持ちを豊かにしてくれると思うのである。
 大量生産、大量消費、大量廃棄なんて、二十一世紀にまでなってやるべきことじゃないと思うので、景気よかった時期に手放していた「日曜大工」の技術をみんなもう一度取り戻してはどうか。
 見た目なんて気にせずに、手でモノを作り出すという、人間がもっとも得意とするところの根源的な楽しみをめいっぱい楽しんでほしいとお勧めしておく。

2016年4月10日日曜日

妄想タックルボックス

 毎日釣りのことばかり考えている。
 毎日釣りに行けば妄想も止まってくれるのだろうが、流石にそんなに元気なら仕事行けるってぐらいで、まあ、普通に仕事に行っているときも同じっちゃ同じだけど、釣りに行ってない日は釣りのことばかり考えている。いうまでもないが釣りに行っている日ももちろん釣りのことを考えている。だから毎日釣りのことばかり考えている。

 部屋にいても釣り具をいじるのはいくらでもできるので、こまごまとした修理や手入れちょっとしたルアーの作成などはネットショッピングとともに自宅療養の友なのだけど、次に釣りに行く時を想定して、タックルボックスの中身を考えて入れ替えたりするのが、これまたいろいろと妄想を喚起してくれて楽しい作業である。
 「このルアーにガバッと」、「食い渋ったときの抑えはこいつで」はたまた「こいつで絶対釣ったるねン」等々ネタは尽きない。

 基本的にルアーはウエストポーチに入るぐらいの小さめのタックルボックス1個分に絞っている。あんまりルアーの数が多くても迷ってばかりでフン切りがつかんし、デカいタックルボックスは移動のじゃまでしかない。

 春のシーバス用のルアーはもう9割がたニョロニョロ投げるのが分かっているので、小型かつ薄っぺらいタックルボックスで収まるし、入れ替えもあんまり必要としていないので捨ておいて、もう今から夏とか秋とかのシーズンを想定してシーバス用中心に「妄想タックルボックス」を用意してみた。春用の薄っぺらいボックスほどではないものの入れられるルアーの数には限りがあるので「1軍」ボックスに入れたのはいずれ劣らぬ実績のルアーやら期待の新人やらナマジ的超お気に入りルアー達である。


 まずは昨年出漁できなかったカヤックシーバス用妄想タックルボックス。
 メインはFマグ11センチ改で軽めの青鯖、緑鯖と重めの青銀の3つ。
 そして、大物用のFマグ14センチ改青鯖と実戦投入予定の大型新人「北欧のルドラ」ことインビンシブルの15センチがボックスの中でも既に存在感を放っている。Fマグ14センチと比べてもアピール度高そうだ。後は投げやすさとかそのあたり実釣で見ていきたい。
 他にはソルトウォーターグレードボーマーのウインドチーターミノーも試してみたいし、シーバス用にちょっといじくったスピナベも用意した。
 九州男児御用達のヨーズリハードコアミノーのS12パワーも入手したので試してみたい。ヒラスズキとか釣るためのワイヤー貫通構造の丈夫な男らしいミノーである。そういえば唯一の重心移動搭載ミノーだな。
 2個入れたレンジバイブは抑えといったところ。
 突然のナブラに対応するため忠さんスプーンバイト13gとクルクルも用意している。
 カヤックは陸っぱりに比べると荷物は沢山積めるので、予備のルアーとペンシルとかトップが入った「控え」ボックスも一応用意している。

 続いて、なんか黄色いこのボックスは、夏の湾奥クロダイ兼シーバス用。
 クロダイは黄色が好き!と鹿児島大学の川村軍蔵先生が著書で書いておられる。ルアーカラーなんてのはこれまた色々ありすぎると迷ってばかりでろくなことにならない。いつも書いているように派手と地味の2色ぐらいがちょうど良いと思うし、「このカラーが絶対!」というのがあれば、それに賭けるのも一興。ということで黄色に賭けます。
 Gyao!で釣りビジョンの番組がいくつか無料配信されている中で、クロダイルアーのスペシャリストが九州でクロダイ、キチヌを狙うのがあって、その中でもその人がパイロットルアーとして使っていたポッパーは半透明で黄色だった。やっぱり黄色なんだなと思ったところ。ついでにそのポッパーも入手。ザブラポッパーの黄スイカ色。クロダイ釣りにスイカ撒き餌で釣る釣法があるのなんかも踏まえたんであろう、なかなかに洒落た色で気に入った。
 他にポッパーは半透明黄色のポップXが中古屋で半額ぐらいで売ってたので、昔はプレミア付くぐらい売れまくったのにな、と思いつつ良いルアーなのは間違いなさそうなのでゲット。その他ペンシルやミノーはいつものザラパピーやらシュガーミノーやら黄色っぽいのをゴチャゴチャ。昨年実績のロングA黄葡萄色ももちろん入れた。
 海の底物をクランクで釣るというのをやってみたいとは前々から思っていて、ピーナッツⅡと最近は小型版のプチピーナッツというのもあるので、そのあたり黄色っぽいのをそろえてみた。
 あとは南の島でクロダイ系狙うときにポッパーとならんで定番のスプーンも、黄色く塗ったバイトとか用意してみた。
 湾奥のポイント、干潮時に牡蠣礁が露出するような浅場にクロダイが突っ込んでくるのを想定して、干潮から上げてくる時間をポッパーとクランク中心に狙いたい。上げて良いあんばいに潮が効いてきたらフラットラップの、この辺りの日中シーバス実績カラー青銀でシーバスも釣っちまおうとこういう塩梅である。
 みんなバイブレーション使ってるけど根掛かり酷そうなので、よっぽど周りが釣れているとき使うために1個ぐらいは入れておいた。
 昨年はシーバス狙ってて交通事故的に釣れてしまったが、後から考えるとまさに黄色のミノーで釣っており今年は6月7月狙ってみようかなと思うところである。

 お次は近所の橋の下パターン攻略用に選んでみました。基本的に次に紹介する内房運河用をベースに、ツイッチが効かせられるメガバスX80とサルモのスライダー7Fを入れてます。
 近所ポイント、夏はハゼ釣りシーズンなんだけど、潮が高い満潮時にはハゼの魚信が遠く、どっか満潮でも釣れる場所無いかとさまよって探していたら、内房側ではなく東京側で初めて橋の下パターンが成立しそうな「橋」を発見。その時はルアータックルもっていなかったので釣れなかったけど、イナッコが追われているような音がしていて魚は入っているようだった。
 春先にやりにいったら春の満潮じゃ潮が足りなくて、いくらなんでも浅すぎてダメだったので夏の大きく満ちる潮で再戦したい。
 ただ、この橋は接近できるのが下流側からのみで、基本アップストリームに投げて釣るしかない。シーバス春先にバチとか遊泳力のない餌を食ってるときは上手に投げて釣れるが、基本は下手から引いてくる方が良いことが多い。流れに乗って下っていく小魚はあまり追わないというイメージだろうか?ということで、エキスパートはアップストリームで釣るならツィッチかけて止めて食わせの間をつくれ的なことを言っているのでツイッチを意識してみた。まあ、橋桁にべったりついてるシーバスは上から流れてきたルアー普通に食うかもだけど対策は考えてみたところ。

 運河の橋の下、明かりの下用のボックスはいつも使ってるのでそれ程入れ替えなし。
 基本的に明るいうちの橋の下パターンでは、ザラパピー、フラットラップ8、ロングAのローテーションに、いるけど食わない対策で動きと音のないフッコスペシャル。と言う布陣。
 加えて、濁り用にスーパーミスティー、遠投用にコモモスリム95とニョロニョロ、水面かき回すためにチャグバグとシーバスでは苦手意識のあるスイッシャーの代わりにバズベイトという感じ。
 あと忘れちゃならない、昨シーズンからレギュラー入りの足場高いところ用のインビンシブル8DR。
 暗くなってからの明かりの下用はフッコスペシャルのみで良いと思っている。夜行くならタックルボックスいらない。小袋にフッコスペシャルとそれでも抑えに「セイゴでもいいから釣れてくれ!」な夜のためセイゴスペシャルのそれぞれ3つも放り込んでおけば一晩間に合うだろう。


 でもって、いつも同じルアーじゃつまんないだろうと、ルアーなんて迷わないように少数で良いと書いた真逆のことを考えております。妄想全開の運河用「2軍」ボックス。
 コレで釣りたいという思い入れがたっぷり詰まってます。
 まずはマーベリック。昨年ボーンカラーのロングAの水面使い「ウェイキング」テクニックというのを知ったときに。そんなもん最初から浮力の強いタイガーとかマーベリックとか使っときゃ良いジャンよと思ったのが発端。水面でシーバスに食わせる予定。昔はマリアのザ・ファースト7センチで同じようなことして釣ってました。まあこいつは釣れるでしょう。釣れたらタイガーも試したい。
 トップはペンシル、ポッパー、スイッシャーで、まだ釣ったことないルアーを入れてみた。ペンシルはポリカーボネイト製の丈夫なバドンカドングでまあコレも普通に釣れるだろう。
 ポッパーはクロダイ用に買った黄色スイカ色のザブラポッパーをこちらにも。シーバス釣っておけば、クロダイにも自信もって投げられるだろう。
 セイゴ対応とベイトが小さい場合の抑えとしてタイニーラッキー13も入れてみた。
 スイッシャーが苦手意識あるので、2つほどチョイス。バス釣りで一番好きでよく釣ったヘルレイザーをシーバスっぽく銀ベースに塗り直して用意。もういっちょは、ちょっと目先を変えて潜らしてまおうかということで、スピナーテールバンゴーも入れてみた。ペラモノは効くときはそればっかり釣れる時もあるので苦手意識を払拭しておきたい。
 そういえばバズも入れてた。シーバスはユラユラするフレアスカートいまいち好きじゃない説があるのでスカートはシリコンミノーみたいな感じに信越シリコンで固めている。
 手堅いミノー系はまあラパラFのプラスチック版みたいなもんであるレーベルミノーと、初めて買ったシーバスルアーだが釣ったことがないシーバスハンターを中古屋で見つけたので、ここで20年以上の時を超えボウズルアー脱却を願う。
 そして、なぜか今までブラックバス用という固定概念が強くてシーバスには投げていなかったクランクベイトもということで、ピーナッツⅡとピーナッツⅡDRサイレントを入れてみた。こうしてボックスに入れてみると釣れない理由がないように思う。
 なんかもう、ブラックバス釣り用のタックルボックスみたいになってきたのでついでにスピナベも入れている。コレもスカートは固めてある。 

 まあ、頭の中に死ぬほど渦巻いている妄想を現実世界に現出させるためには、健康面しっかり養生して、早く釣り場に行って投げまくれということだと思う。

2024年6月8日土曜日

豪州に学ぶ

 久しぶりにルアー方面でえらい症状が出てアタイとってもつらいの。

 ルアー方面でも今回症状が酷く出てるのはミノー関連で、なんでいまさらミノーやねん?っておもうでしょ?ワシも思うんだけどちょっと説明させてください。あれですね、ちょい前にチョロッとヨーヅリのミノーについて触れたんだけど、あれらのミノーを試投してみたり、いじくり回したりしているうちに、まずはヨーヅリ方面熱が出て、そこからはもう日和見感染的にあちらこちらに症状出まくって収拾つかない状態、一ヶ月の釣り具費用は3万円を上限にしてるんだけど、5月は軽くオーバーしてしまい、そこでブレーキ一旦かかりかかったんだけど、6月になって月初めでまた今月も3万円まではいけるッ!と考えると、まだ余裕ありッ!とタガが外れて3日時点で2万円を突破。平日は毎日郵便受けにミノーが入った封筒が溢れそうになってる。

上段左からギンガメッキ、ゴマフエダイ、クロホシフエダイ
下段オキフエダイ、ヒメフエダイ、ヒラセイゴ
 ミノーなんて普段からシーバス釣ってるんだからいまさら買うまでもないだろ?って思うでしょ、まあでも聞いてください。最近海水温上昇傾向は間違いなくあって、上がり下がりしながらなんだろうけど、確実に右肩上がりのグラフを描いているのは目の前の海を見ていても感じるところで、秋にアジ釣りしてて深棚から始めると、ヒメフエダイやらオキフエダイの幼魚がバンバン掛かってくる”フエダイ時合い”で始まることも珍しくもなく、初冬には港内で群れるハタタテダイとかが常態化し、メッキは越冬してるようで秋を待たずとも釣れるし、セイゴは今期ほぼヒラセイゴばかりで、感覚的に今現在、紀伊半島は屋久島ぐらいの海の環境になってきたと感じている。そうなってくると、シーバスメインに組み立ててたルアーの釣りも、死滅回遊だったメッキやフエダイ系が育ち獲物となることを視野に入れる必要を感じ始めてて、そうすると今シーバスで使ってるような、おとなしめのミノーよりやや”強い”動きのミノーが欲しくなる。

 そんなもん、実際にそういう魚が釣れ始めたら買えば良いやんけ、って話だけど、まあワシどうせそういう魚を狙うにしても川に入ってきたヤツとかを接近戦で狙うわけで、今時の重心移動搭載のミノーじゃないのが欲しい。なぜ近距離戦には重心移動搭載じゃない固定重心が良いのか、これまでも書いてきたけど、おさらいすると、動きの立ち上がりが早い、竿先とかで動かすときの追従性が良い、固定していないオモリの立てる音が無い、等で特に最初の立ち上がりの早さは決定的で、例えば重心移動で50m飛ばせる重量のミノーが55m飛ぶようになった場合、遠投性では一割得するわけであるが、逆に5mの超接近戦で立ち上がりが50cm後れれば一割損するわけであり、障害物狙って投げて、そのキワキワの大事な50cmを無駄にすることは一割という数値以上に致命的に駄目なんである。他にも典型的なのが”ナブラ打ち”で魚が多少離れていても追ってくる、あるいは動いてなくても良いところにぶち込めば食ってくるって状況なら良いけど、ややこしいナブラになればなるほど、食ってくるタイミングと位置はキツキツに狭い感じで、捕食行動起こしてるまさにその時に、目の前良い動きしてルアーが通過しないと駄目って時が結構あって、そうなると着水と同時にラインの張りで動き出すぐらいの”動き出しの良い”ミノーが必要になってくる。分かってるメーカーはそのへん知ってて、固定重心のミノーも作ってたりする。そういう今時の固定重心ミノー、例えばコモモⅡなんかを買っても良いんだけど、ぶっちゃけ今時のミノーってアイマとデュオあたりか、多くはそれらとパチモン程度の違いしかない後発しかバリエーションがなくて、ならまあその2つか安いヨーヅリ、ヤマリアあたりを買うかなってぐらいで、お買い物の楽しみがなくてアタイ寂しいの。

ロングA箱2+α、Fマグ箱2、フラットラップ箱2、インビン箱1
計約10kg
 まあ、アメルアとか今でも古くからある固定重心の”強い”動きのミノーを作り続けてるわけで、もちろんそれは買うまでもなく蔵にある。ロングAFマグフラットラップインビンシブルあたりなら売るほどある。あるけど、廃盤になったような昔のルアーにも、飛距離気にしなければ、動きが良かったり個性的だったり、色々と楽しめるのがまだまだ多くあったように思う。なので、古いヨーヅリやらアメルア、北欧モノとかを今のうちから弾数揃えておきたく物色しつつあるんだけど、ちょっと毛色の変わったところで豪州モノってのもなかなかに特色があって面白かったので、ヨーヅリネタ、アメルアネタはまだ収拾つかなくてとっちらかってて、ぶっちゃけこの円安のおりに米本国からの発送待ちとかもこれあり、ネタとしてまとめる段階にないので、チョイと今回は本流をそれて、豪州ミノーとついでにポッパーネタで行かせてもらいます、ルアー図鑑うすしお味第60弾。それではボチボチといってみましょう。

 まああれだ、豪州ミノーといえばバラムンディー狙いのが定番で、そういう意味ではこれまた、紀伊半島にも定着して欲しいと期待しているアカメなんかが狙えるようになったら好適っていう話もあるけど、その場合、ぶっちゃけ現地の釣り人もボーマーとかインビンシブルとか多用しているようで、まあ写真のバラボーマーや豪州釣り師御用達のボーン素材系のクロームカラーのロングA、インビンのバラカラーなんてのがうちにも転がってるので、豪州製ルアーを買う必要まであるのかという話ではある、でも買った。なぜならあっちの地元小工房で作ってたらしいキラルアーは木製本体に金属リップで北欧風に塗りが厚く格好いいっていうのと、木製っていうのには、なにやら固定重心でも特別な意味があるように感じているからである。

 以前にもキラルアー紹介したけど、パッケージ入りで保存してて動きを試したことがなく、今回、アメルアの得意な通販業者さんで、なぜか「世界のルアー」コーナーというところに在庫余らせてる感じで千円ぐらいで売ってるのを見つけて10センチ位の大きなリップじゃないシャローランナーのほうを2つほど買って、実際に投げてみた。まああれだ、動きはバルサのようなキビキビとした動きではなく、ゆったり大きめのグワングワンとバタバタの中間ぐらいの動きで、まあこの形の太目の木製ミノーならそういう動きだろうなという感想で、特筆するほどのことはない。バルサミノーのキビキビ感はなかなかプラ素材では再現難しいモノがあるけど、比重のある木製ルアーの動きは重量配分上手にすればプラでも再現可能であると思う。ただ、だったらプラで作っても同じかっていうと、そうでもなさそうに思う。固定重心のミノーの利点の一つにオモリが動くことで生じる音を排除できるっていうのがあって、スレてるときには効くような気もするけど、逆にスレてるからこそ派手にラトルで反射食いさせるっていう場面もあるわけで、音の要素がどう効くか嫌われるかは今一良くわからんところがある。ラトルや固定されていないオモリが音を立てるというけど、そもそもルアーに付いているフックやスプリットリングはカチャカチャと本体に当たったりしてけっこうな音を立てているので、それを排除しようとするとフックを固定するか、本体表面をシリコンとか柔らかい素材にする必要があり、実際その手のルアーは存在するし、ワシも自作シンペンとか表面塗装はシリコン接着剤だったりする。というわけで、ルアーが生じさせる音というのは良く分からんけど何か違いをもたらしているかもしれないぐらいには思っていても良いと思う。加えてあまり論点に上がってるのを見聞きしないけど、木製と中空のプラ製で大きく違うのが、本体内での音の響き方で、これはハリが当たったときの音の違いというような面はもちろん、外部の環境中にある音の反射の質が変わるというのも意味があるのではないかとワシャ思うんじゃ。魚群探知機で魚が映るのに”浮き袋”という気体の入った空洞があるのは大きく、今時の高性能な魚探はそうでもないようだけど、昔はイカとか浮き袋のない生物は魚探に映りにくかった。アブラソコムツやらバラムツやらも魚探に映らないので、船長さんが経験則で山立てして釣り場決めてたりしてたのを憶えている。奴らは深海から夜になると浮上してくるんだけど、浮き袋では浮力調整が間に合わずにパンクするので、悪名高いワックス成分で浮力を確保していて浮き袋がない。イルカじゃあるまいし魚探のように超音波を当ててくる魚はいないだろうけど、水中環境にある音がどう反射しているか?その音で潜水艦のソナー師のように相手を認識するってのは魚でもやってそうである。その際に中空の樹脂製ルアーと中身が詰まったバルサ含めた木製や発泡樹脂やレジン無垢とかのルアーとでは音の反射の仕方が違い魚の感じ方にも違いが出るのではないか?と思ったりしている。どちらが良いか悪いかはわからん、場合によっても異なるだろう、でも違いがあるようだと認識しておくのは必要だろう。

 とか考えたところで、結局ルアーの釣りは試行錯誤と経験則の釣りで、持って来たルアーしこたま投げまくって、どれが釣れたかっていう結果から、理屈よくわからんくても、どのルアーが良いかってのは分かってくるので、その際にどのルアーとどのルアーがどこが違う要素なのか?そこを認識していないと札切ったつもりで同じ札出してるだけってことにもなりかねず。コモモのパチモノがコモモと違う点みたいな、微妙な差を検証するよりまず先に、そもそも素材がなんなのかというような大っきな違いから把握して自分の頭の中で分類して、”何か変える”つもりなら、魚から見て聞いて感じて違いが出るぐらいの異なる札を切りたいところである。そういう意味で、木製の太目の固定重心ミノーってのは最近あまり見ないたぐいのものであり、どっかでハマってくれるんじゃないだろうかと期待している。

 で、タイガー系の色のキラルアーの他は何じゃらホイ、ッテ話だけど、一番上の銀に赤縞に黒い背中のはネットフリまでポチった小型のキラルアーでリップ大きめのフラットサイドミノーって感じで、フラットサイドっぽくパタパタ動くのかと思ったら普通にそこはウッドミノーっぽいグネパタぐらいの動き。まあ使えそうではある。真ん中の赤っぽいのは分厚い塗装に金属リップで明らかに豪州産っぽいけどキラルアーと比べると本体貫通しているワイヤーが細めで、別のメーカーの様子。そしてまた出ましたスペアヘッドのパチモン。これが前回は樹脂製だったけど今回は豪州ローカルルアーの様式に従ってってかんじで、木製本体金属リップに厚い塗装というパチモンであるにしてもなかなかに趣のある品で、スペアヘッド人気あるなーって感心する。本物のニールズマスター製のをそのうち使ってみるか。

 で、豪州ミノーはまあこんな所なんだけど、豪州ネタでもういっちょついでにいっときます。以前、日本のGTルアーのルーツについて、一つはハワイのピリーとかトローリングヘッドから着想したであろうレジン無垢のポッパーであり、もう一つは、ストライパー用の丸棒に穴開けてワイヤー貫通させたギブス社のルアーとか、あるいはアーボガストのスカッダーなんかを源流に、オーストラリアの有名ガイドであるバリー・クロス氏が製作していたポッパーがある。ってなことを書いた。そのバリー・クロス氏製作の「ダウンアンダースポーツフィッシングGTポッパー」かもしれないブツをネットフリまで入手したのでご紹介したい。

 そうそう、こんな感じでクマザサハナムロやタカサゴ(グルクン)みたいな赤ラインが入るのよね、ってところはワシの記憶と一致するんだけど、なんかもっと大型で口の切れ方が上が出てる斜め切りだったように記憶しているんだけど、この2個についても15センチと14センチでサイズ違いであり、小っちゃい方は丸っこい顔してて微妙に形も違うし、ワシが見たのはもう少し大きいモデルだったのか?写真載ってた「八点鐘」って釣り本作ってた出版社のサイトがもう閉鎖されてて確認しようがなくて、かつネットで検索しても上手く情報にたどりつけない。見た目はこんな感じで、フィッシャーマンの「クレイジースイマー」とかモロに影響受けて生まれたんだろうなと見て取れるし、このオーストラリアで購入したというポッパー自体はラインアイの輪っかが大きくてスカッダーの影響がうかがえる。まあ、ルアーってのはそうやって伝言ゲームみたいなことやってるうちに改良や最適化、派生が生じていくってのはお約束なので、ワシャパチモンだらけのルアー市場を見てゲンナリはするけど、それもまた必要なのかなと思ったりもする。

 これ、1980年代ぐらいの当時オーストラリアに通ってて、バリークロス氏のポッパーも見たことありますっていう人がいたら、そのものなのか違うのかご教授いただけると助かります。まあいずれにせよ豪州ローカルで日本の木製のGTルアーの原型になるようなポッパーが作られていたことは確かで、なかなかに趣のあるポッパーを手に入れたなと満足しております。赤ラインがキリッと引き締まった表情を作ってて格好いいし。

 てな感じで、いつになったら収拾つくのか、そもそも終わりなどあるのかという感じになってる”ミノー熱”とりあえず現状のご説明と、そのうちヨーヅリとアメルアはやりまっせという予告編的に今回書かせてもらいました。ということで締めはいつもの台詞でいきますか。

 アタイ病気が憎いッ!

2014年6月7日土曜日

破られた静寂 耳の物語

ツーテンの虎ファンさんが、九州に転勤になってライギョ釣るためのフロッグをいじっているのを見るにつけ、「九州いいな~、ライギョ釣りて~」と思うと同時に、フロッグをいじりたくなって、思わずいくつも買ってしまった。

 具体的に九州遠征が予定されているわけでもないが、ライギョ用の中空フロッグは虎ファンさんが「育てる」という表現を使っていたように、ウェイトを調整したりペラ付けたり、内部構造を強化したり、お尻に空気穴開けてフックホールはシーリングしたりと、釣りに行く前に手間をかけて楽しむモノであり、毛針を巻く夜が釣り師の純粋な喜びに数えられるように、フロッグ育てる夜もまた純粋に喜ばしいモノで、梅雨の雨音を聞きながらここ数日楽しんだところだ。

 フロッグは各種売られているけど、非常に個人の嗜好や釣り手との相性のあるルアーで、それはまあ他のルアーでもそうだとは思うけど、手をかけるのが前提でもあり、そういう思い入れの強くあらわれる嗜好品だと思う。

 私が好きなのは、今売っている中ではウィップラッシュファクトリー・ブランドで出ている「X.O.SR」。たまたま池の上の電線に引っかかっていて、同様に自分のフロッグ引っかけちまった時にとれないか揺すったらついでに落ちてきて、使ったら良く釣れて「拾ったルアーは良く釣れるの法則」を地でいくようなルアーだった。
 一番好きだったザウルスの「バギーウォーカー」は廃盤だったりするが、同じく廃盤のマンズの「ザ・フロッグ」は中古屋でよくみかけたのでいくつか確保していた在庫があり、そのモチモチとした触感を楽しみつつ育ててみた。

 手前のシングルフック外付けの白いまんじゅうは何だろう?と思うかもしれない。中空フロッグを使う意味はその障害物回避能力にあり、フックを外付けしたら意味なくなると普通思うだろう。
 しかしどうもオープンウォーターでもフロッグが効く状況があり、形状からくる水の押し方が効くんじゃなかろうかとかいろいろ仮説はあるけど、一つ面白い仮説に、フックの音がしないのが良いんじゃないかというのがあって、それを試すための1個である。障害物が無い場所では、あのフッキングしにくい、ダブルフックをボディーに一体化したスタイルは必要なく、フックはむき出しにしないと「出るけどかからない」状態になるのは目に見えている。フックはフックホールシーラーで固めてグラグラ動いてボディーに当たったりして音を出さない仕様にしている。

 ソフトな素材のフロッグではそれほど気にしなくて良いのかもしれないが、フックがルアーのボディーと当たる音、フックとスプリットリングの擦れる音は意外なぐらい大きくて、ロドリ誌上での実験企画だったと思うけど、「水中でルアーの音を聞いてみる」という極めてバカでかつ正しいプールでの実験があって、もちろん陸上の人間にさえ聞こえるバイブレーションのラトル音は水中でもうるさいぐらいに聞こえたんだけど、意外にフックの出す音が大きいと報告していた。ノンラトルのプラグでも結構騒々しいようだ。
 そう思って意識すると、それってあたりまえのように感じる。タックルボックスからルアーを取り出すときにフックがガチャガチャいってるのが、水中で音を出していないわけがない。

 私は特に大きなプラグをボックスから出すときの音が好きで、そのことを意識したのは田辺ノリピー大先生がアスワンハイダムかどっかにナイルパーチ釣りに行ったときの映像で、デッカいディープダイバーをガサガサカチャカチャと出してきたときの音に「うわー良い音してるな~」と思って、自分がそういうのが「お好きな人」だと認識した。
 それほどデカイプラグでもないけど、実に良い音を出してくれるのが、ラパラのFマグで、軽いドームウッド製のボディーにフックが当たると、どうにもこうにも良い感じに音がするのである。それだけでどんぶり飯おかわりできるぐらい興奮する。もしかして私って変?

 プラグの音としては、トップは別として真っ先に語られるのは、ラトルインかノンラトルかの違いで、その後はあまり語られないように思うが、もう少し突っ込んでいくと、重心移動の有無やそれが音を出すか出さないか(たぶんマグネット方式だと音が少ないはず)、フックがトリプルかシングルか、接続にリングを使うかPEとかを使うか、そもそもプラグが動いて音を出しやすいかそうじゃないかとか、リングとフックをフックホールシーラーなんかで固定してしまってガチャガチャしないようにするとどうなるか、なんてのは気になるところであり、ルアーのカラーごときは派手なのと地味なのと2種類あればいいやと投げやりに考えているが、音についてはもっと丁寧に考えても良いのかなと思っている。
 まあ、シーバスは基本何でも食ってくる魚で、Fマグのフックがトリプルだろうがシングルだろうがあんまり関係無い感じだが、それでも夜の運河でまったく音を出していないはずのフッコスペシャルが効くのは音も動きも極端に少ないからじゃないかと思っていて、音というのは気をつけていないと文字通り目に見えない要素なので、耳を澄ませておきたいと思うのである。

 耳から入る情報は時として目から入る情報以上に意味を持つ。それは魚だけでなく人間でもそうで、全盲の人はある程度コウモリのように音響反射で部屋の構造物を把握できて、消音壁に囲まれた部屋ではその感覚を無くしてしまうらしい。プロ野球の外野手が目隠しした状態で打球音だけでライトかレフトのどちらにボールが飛んだか聞き分ける映像を見たことがある。
 釣り場でも、耳を澄ませておくに超したことはない。捕食音や逃げ惑う小魚のはねる音をとらえることができたなら、続いて、ライギョの「バフッ」とかシーバスの水面でのエラ洗い、ドラグの逆転、なんかで静寂が破られる音を聞くことができるかもしれない。

 そうでなくても、風や雨の音を楽しむだけでもなかなかに良いと思うのである。
 鳥や虫、カエルの声が聞こえたらなお良し。

2018年1月7日日曜日

フラットラップ屋後継者問題

 フラットラップの生産中止については、おそらく世界中の愛用者が泡食っていると思う。まあそういう偏愛してた私のような人間もいただろうけど、今のルアーの市場では、このルアーの良さがあんまり評価されなかったのかと思うと寂しい。
 フラットラップの良さについてはこれまでも何度も書いてきた。「固定重心なのによく飛ぶ」「固定重心なので動きの立ち上がりが早い」「固定重心の軽いバルサ製ミノーなので動きがキビキビとしていて良い」「世界のラパラが作ってるので安いし手に入れやすい」「ワイヤー貫通式なので大物も安心」「バルサボディーなので修理がきく」あたりがパッと思いつく。思いつくんだけどそういう諸々の要素がありつつ結局のところ「良く釣れる」という結果論的に良いルアーなのである。愛用者として断言する。
 パッと思いついた要素のうち「飛距離」はアホでもというと失礼だが素人でも評価しやすい項目である。魚が一回もかからなくても飛びゃあいいんだから分かりやすい。私が釣具屋でもろくすっぽ魚よう釣らんような素人衆相手に道具売りさばこうと思ったら、アホでも分かる飛距離を売りにして「よう飛びまっセ!」と揉み手する。おかげで飛距離をうたい文句にした製品はルアーに限らず竿でもリールでも枚挙にいとまがなく、毎年「同クラス最高の飛距離(当社比)」とかいうのがでてくる。洗剤の「驚きの白さに」と一緒で別にたいして代わりばえもしないことがほとんどだと思う。飛ばないより飛んだ方がいいし飛距離が重要な場面もあるけど、そこそこ飛べば十分なことが多くて、飛距離と引き換えになにかを失うのなら別にそこまで欲しくないというところだ。何事も程度問題でどこまで飛距離を重要視するか、欲しい飛距離を確保したうえで動きの良さだの潜り方だのをどう特徴づけて釣れるルアーにしていくかってあたりがルアーを作る側の腕の見せどころだろう。
 でもまあ「動きの良さ」ってのは正直難しい要素だ。バルサミノーの軽やかなキビキビとした動きが良い時もあれば、今時の日本製ミノーのようなヨタヨタってるおとなしめの動きが良いときもあって飛距離のように単純じゃない。昼間に浅いところを泳がせてみればどんな動きかは見ることができるけど、それが魚にとってむしゃぶりつきたくなる動きかどうかなんてのはなかなか人間には知り得るものじゃない。結局、魚を何匹も釣って何となく自分のなかでどんな時にどんな動きが効くのか分かったような気になってくる程度である。
 「立ちあがりの早さ」は動きの良さと比べれば割と分かりやすく、かついろんな場面で重要になってくるけど、あんまり分かってない人が多いような気がする。障害物や対岸とかの際に投げ込んですぐに動き始めてくれないと魚が食ってくる範囲を通りすぎてしまうことになりかねない。ツイッチとかジャーキングなんかのルアーを竿で動かすときの追従性の良さにもつながる。
 重心移動搭載のミノーでもリール巻き始めたらすぐに動き始めるジャン充分早いジャンって思っている人はたぶん、固定重心のうえに軽いバルサでできているフラットラップやラパラオリジナルフローティングとかの本当に立ちあがりの早いルアーを使ったことがないか見る目がないかなんじゃないかと思う。なにしろ投げて巻きはじめる前にラインの張りで着水直後から動き始めているぐらいである。そのぐらい立ちあがりが早いと、渓流で上流に投げて釣りあがるような時には圧倒的な差になったりする。立ちあがり遅いと流れてしまってて動いてない時間が長い。流れてるだけで食ってくるときは良いけどそういうときばかりじゃない。ラパラフローティング7センチなんて軽くて飛距離は全然だけど上流に投げても流れの中でしっかり泳いでくる。結果釣れるので良いルアーということになる。
 この辺は私がシーバスに限らず近距離特化型のルアーマンなので、遠投して広く遠く探る釣り方のルアーマンとは評価の基準が違うということもあるので、まあ異論はあるんだろうと思う。でも釣具屋さん側が発信する情報ほど飛距離ばかりが重要な要素じゃない、ほかの要素の方が大事なことも多い、とは思うので、いつもしつこく書くのである。

 とまあ、オリジナルフローティング同様に動きの良さ立ちあがりの早さなんかは持ちながら、飛距離もそこそこ出ちゃうという実に良い案配に設計されたナマジ的史上最高ミノーであるフラットラップ廃盤の衝撃を受けて、さてどうするかと考えた。
 とりあえずはわが家の蔵にも在庫がまだあるので、今日明日どうにかしなければならないという差し迫った状況ではない。まずは、まだ売ってるところを探すのとネットオークションや中古屋で出物を探して弾数確保しておくかと探してみた。
 通販はどこも売り切れで、バスプロショップスとカベラスにももうなく、別の米国の通販で売れ残ってるのを見つけたけど米国カナダあたりの英語圏以外はファックスでやり取りしろとかなっててめんどくささに諦めた。
 Tベリーで安売りされてたとの情報があったので探したら10センチが10個ぐらいあった。即下品に買い占め。ネットオークションでもそれなりに追加できて8センチと10センチで50近くストックできた。けど、障害物際とか攻めまくって1年に5個とかなくすと10年でなくなりそう。とはいえ下品に買いすぎるのも良くないような気もしてきた。物欲にまかせて必要以上に手にいれているような気がしてならずやりすぎ感が漂う。いい加減にしろと自分でも思う。地球にやましい釣り人だ。
 かつ、中古は思ったほど弾数も多くなくて値段もあまり安くなってない。デカいのと小さいのは定価以上の値段ついてたりもする。2011年ぐらいから5年ちょいぐらいしか売られていないので中古市場では今後もそれほど弾数稼げそうにない。
 ラパラさんが再生産してくれればそれに越したことはない。ラパラ社はFマグも復活させたし、割りとマイナーなところのカウントダウンシャッドラップなんかも復刻してたりして、望みはないわけではないと思う。
 期待しつつも、再生産されなかったときのことも想定して、在庫がつきるまでに後継のルアーを見つけていこうということにした。あるもんでなんとかしろよという気がするし、新しいルアーとか試して、利点も欠点も把握していきながら、自分の得意ルアーに育て上げていくのってルアーマンの姿勢として正しいだろうし、何より楽しそうジャン。
 まあ、最悪納得いくルアーが見つからなかってもフラットラップを参考にバルサで自作するという最終手段もある。1からあれに匹敵するミノーを設計しろと言われたら無理だけど手本があればそれなりのものをまねて作れる程度の技術は持ってるはずである。あんまり先のことを気にしすぎても仕方ないし気楽に行こうぜ。

 というわけで、フラットラップ後継ミノーを探すべくまずは、どういうミノーがほしいのか整理してみる。
 まずは固定重心が必須。飛距離ほしくて重心移動が必要な時にはコモモやサスケ、ハードコアリップレスあたりにお出まし願えば問題ないと思っている。特にこの秋にいろいろ試して気に入ったハードコアリップレス90Fはさすがに飛距離を売り物にしているだけあってよく飛ぶし動きも派手目で好みだ。もっと飛距離が必要なら単純に大型化していくかピンテールとかの自重がクソ重いシンキングミノーが結局頼りになる。
 次にフローティングで、できればあまり潜らない方がいい。根掛かり馬鹿臭いしなんだかんだいって水面直下がよく釣れるというのもある。根掛かり気にしないでいい場所ならシンキングの固定重心ミノーは大正義ラパラカウントダウンやアスリートシンキングがある。こいつらはそこそこ飛距離も出るしこいつらのヌルヌル系の動きが効くときもあるけど欲しいのは軽いフローティングミノーのキビキビとした動きなので、フローティングであることも必須。水深30センチとかの浅場の釣りでもフラットラップは活躍してくれてたのでできれば水面直下系がありがたい。最悪リップ削って調整できるけど、最初から潜らないのもあるでしょ。
 動きはキビキビしていて欲しいんだけど、あんまりロール系か横振り(ウォブリング)系かは気にしてない。それより重要視しているの何というか振り幅小さく振動数が多いような忙しくバタバタしてくれるのがフラットラップの後継というなら理想だと思っている。なかなかプラスチックのミノーでは出せない動きなので、だからこそ効く場面があるのかもしれないけどそこまで贅沢はいわないでおいて、軽いフローティングミノーならではのキビキビ系なら良しとする。よくわからんけど私の目にキビキビ働いてるように映ってくれるならとりあえず良し。まあ動きとかは実際に使い込んでいかないと良いも悪いもわからないもので、判断するのは最終的には釣り場の魚であってオレじゃない。
 サイズは、私は残念ながら大物釣り師ではないのでレギュラーサイズの50センチぐらいのフッコを想定すると、7から10センチぐらいがちょうど良いかなと思っている。シーバス釣るにはマッチザベイトな大きさはあんまり関係ないとき多いと思ってる。むしろスレたら小さいルアーとかでかいルアーのアピールで勝負とかの方が釣り場では意識させられる。
 飛距離はあんまり期待してないけど、ラパラフローティングみたいに軽すぎてちょっとした風にひらひらと舞うようなのは塩梅が悪いのでそれなりに欲しい。フラットラップほどは飛ばなくても良いけどロングA並以上が合格点かな。飛んでるときにバランス崩して回転しなければ何とかなる程度。
 あとは、丈夫なの安いのがありがたいというのもあるけど、入手しやすいというのがかなり重要。今生産中で手にはいるというのも大事だけど、今後も作られ続ける実力があるのかも考慮しなきゃだし、ラパラFマグ生産中止の時に実感したんだけど、中古の弾数が多いと廃盤になっても入手はしやすかったりする。Fマグ生産再開したけど中古だけでも結構補充可能である。

 ということで、まずは手持ちのルアーで該当するようなのを蔵から発掘してきたりして、近所ポイント偵察がてら試し投げしてみた。
 候補は、インビンシブル8センチとロングAのいつも使ってる12センチの15Aじゃなくて9センチの14Aがまずは合格ラインかなと思う。今でも使ってるし今更テストしなくても実力は折り紙付き。後はどれぐらいフラットラップの能力をカバーできるかという所。
 とりあえず手持ちのルアーで固定重心のというと、昔使ってたり中古屋で叩き売られていたのでとりあえず買ってしまったヨーズリ軍団がある。トビマル10センチとクリスタルミノーF9センチは今復刻されているので手に入れやすいはず。スイングミノー9センチとその後継版みたいなGL工房のツルミノーもとりあえず試してみる。
 あとはレーベルミノー9センチとタイドミノーSSRもあったので試してみた。
 (写真上から順に、インビン、14A、トビマル、クリスタル、スイング、ツル、レーベル、タイドミノーSSR)

 結果としては、やっぱりインビンシブル8センチとロングA9センチが今回欲しい性能的には優れている。
 インビンシブル8センチは、バルサ製なので動きはまさに求めてたような忙しくキビキビした動きでラパラと遜色ない動きだと思う。飛距離も塗装が厚いせいかそこそこ飛んでくれて実に良いバランスに仕上がっているミノーだ。フィンランド本国でラパラを向こうに回して生き残ってきた実力は伊達じゃない。惜しむらくはサイズが小さめでその次のサイズがいきなり飛んで12センチになることで、9センチ10センチあたりがあればもう少し飛距離も出せるしフッコ狙いにはちょうど良いんだけどまあ8センチでも充分やれると思う。やや近距離向けスレた魚向けという感じか。入手のしやすさは今日本に正規代理店がないので新品の確保は難しいけど、歴史あるミノーなので中古の弾数は豊富で安い中古見つけたらとりあえず確保していきたい。
 ロングA9センチはサイズ考えたら良く飛ぶし、動きもツーテンの虎ファンさんが細長めのクランクベイトと評していたぐらいで、キビキビバタバタと良く動いてくれる。プラスチックのルアーでこのぐらい動きが良ければそりゃ売れ続けるだろうという感じ。今でも新品1000円ぐらいで売ってるし、中古もよく見かける。
 一応、ボーン素材と普通の透明な素材のも比べてみたけど、12センチのボーンカラーのように極端に浮力が強いというほどではない感じだった。超浅場では潜りすぎるかも。一番上がボーン素材、真ん中が普通ので、一番下が反射板入り。普通の透明素材のにも反射板入りとそうでないのがあって、反射板入りはラトルが顔の下あたりに入っているけど、反射板なしはボーン素材同様ボディーの広い空洞にラトル入っててカラカラ鳴る。
 一時期ソルトウォーターグレードボーマーのブランド名で生産されていたポリカーボネイト製の丈夫なモデルは今現在15センチ16A以上の大きなモデルしか売ってないようで、12センチ15Aの方は確保してあるけど9センチ14Aは買っておらず、買っときゃ良かったと後悔している。
 一つ考えなければいけないのが、ラトルの問題でロングAはラトル入りである。虎ファンさんとも議論したことがあるんだけど、カヤックシーバスでレンジバイブやフライングダイバーが強いのは固定重心でラトル音がないからかもと思っていた。でも、フライングダイバーって固定重心だけどオモリがゴトゴトいうルアーで、そう考えるとラトル音じゃなくて立ち上がりの早さとかが関係してるんだろうなという意見に落ち着いた。
 ミノーはラトルなくてもフックがボディーに当たる音とかも結構しているので、単純にラトル音がないから固定重心がスレには強いってことではなさそう。一撃必殺のつもりで投げたラトルなしのフラットラップがさんざん無視されたあとで15Aぶち込んだら食ってきたなんてことも経験していて、ラトルやオモリの音があるとスレた魚が食ってこないなんて簡単に言える話じゃないのだろう。でも音の違いは色の違いよりは釣果に影響しそうにも思うのでローテーションするときにはその辺意識しておいても損はないと思う。
 ということでロングAはロングAで良いミノーでボックスに入れとけなんだけど、フラットラップの後継という意味ではラトルのないのも探しておきたいところ。
 ヨーヅリ軍団のミノーがそれぞれ個性的で面白い。トビマルは正直重量アップした改造版しか投げてなかったので今回初めてじっくり動きを見たけど、今時のミノーみたいな振り幅狭い動きで、太さで重さを稼いで飛距離も出るしいかにも釣れそう。ちなみにこれだけラトル入り。逆にクリスタルミノーは頭起点にグワングワンと派手な横振り系でアピール度高い。フラットラップの後継という感じの動きではないけどコレはコレでなかなかに良いかも。お楽しみルアーとして2軍ボックスに入れておくか。
 スイングミノーが一番ロール伴った振動数多いキビキビ系の動きで動きは好みだけど、9センチの細身のミノーはやや飛距離不足でかつ、発泡樹脂製という変わった製造方法のせいか復刻されていないので確保も難しい。ツルミノーはヨーヅリから独立した津留崎氏がGL工房でスイングミノーを発展させたやっぱり発泡樹脂製のミノーで、太くして重量稼いで飛距離も確保してスイングミノーの弱点を克服してバランスの良い優等生に仕上げている。完成度の高い固定重心ミノーだと思うけど残念ながらこれも廃盤。中古で見つけたら買ってもいい良いミノーだと思ったけど主軸まかせるには廃盤だと辛い。 
 レーベルミノーは性能的にはオーソドックスな、まとまってるけど特別悪いところも良いところもない、ミノーってのはこういうモノという感じのミノー。だけど、今売ってるバリューシリーズとかいうのが新品で500円台とかのすざまじい低価格でちょっと心引かれるのだがレーベルミノーの代名詞の「クロスハッチ模様」という鱗模様がカラーにないので候補から外す。
 タイドミノーSSRもバランス取れた良いミノーだけどこれまた廃盤。これの12センチはボートシーバスでも良く釣れた。同じシリーズのタイドミノースリムが重心移動で良く飛んで人気だったけどSSRも良かった。

 ということで、結局手持ちの駒ではロングAとインビンシブルがやっぱり良いというオチになったんだけど、フラットラップの後継という観点で考えるとロングA以上に飛んでラトルなし、と超浅場を狙えるの、が足りてない気がする。
 うちの蔵に転がってないなら新しく買いましょか。ということになって、ネットで今時のミノーなど調べて候補を絞ってみた。フローティングの固定重心のミノー自体は結構作られてて、やっぱり穴撃ち用とか障害物際の釣り用のがある。ルアー作ってる側の人ならやっぱり固定重心のミノーの長所って無視できない要素で、一つぐらいそういうミノーも作ってみたくなるんだろう。でもあんまり多くはない。
 そんな中で、候補を絞って2種類ほど買ってみた。
 一つはやっぱり固定重心のミノーは得意なのかデュエル社の海外向け「ヨーヅリ」ブランドで出てる「3Dインショアサーフェスミノー9」は垂直系リップの付いた超浅場用。
 もいっちょが、バレーヒル社の邪道ブランドから出てる「ごっつあんミノー89F」。
 どちらも完全に固定重心のミノーの立ち上がりの早さを認識したうえで作ったような説明ぶりで、良く分かってらっしゃると安心する。早速試投してきたけど、なかなかに良い買い物かも知れない。
 「3Dサーフェスミノー」の方は、ワンマイナスとかの水面引きクランクをちょっとミノーっぽくした感じで、ゆっくり引くと水面引きできるし潜らせてもそれ程潜らず超浅場用としてバッチリな感じ。太めなので飛距離も充分出るし、動きも派手めでラトルも入ってていかにもアメリカ人好みな感じに仕上がっている。国内向けじゃない製品のようでパッケージも英語だし、ルアーの背中にも誇らしげに「YO-ZURI」のブランド名が刻印されている。国内でも通販で手に入るんだけど、これがまた安いのよ。新品700円台ってどうなのよ。ちなみに3Dってのはカラーリングが表面に施されているだけじゃなくてボディー内部に立体的にホログラムシートとか配置されているのに由来するらしい。これは超浅場に入ってるやる気のある魚がガッポリ食ってくれそうな気がする。ちょうどロングAの潜りすぎないヤツみたいな感じである。良いところにハマるピースかも。
 「ごっつぁんミノー89F」は、一転していかにも日本人好みの良くできた感のあるミノー。リップ小さめで飛距離もかなり出るし、動きは飛距離稼ぐのにやや後方重心なのでおとなしめだけど、それでも今時のミノーにしてはバタバタと良く動いてくれていい感じ。ラトル無しということでロングAとかぶらない。デザインも「魚そっくりでしょスゴイでしょ」的などうでもいい人を釣るためのじゃなくて、単純でスッキリしつつもルアーらしい表情のある好感の持てるものになっている。こことかコモモのアムスデザインとかの作るルアーのルアーらしさを、国内市場向けなのに横文字の名前付けて2番煎じか3番煎じのリアルミノーをご大層な値段で売ってるメーカーには見習ってもらいたいモノである。
 こいつぁフラットラップが無い場合の、最初に投げるルアーとして使えそうなぐらいの臭いがプンプンしてくるゼ。
 ローテーションでロングAとインビンシブルを織り交ぜて。飛距離が欲しければ重心移動搭載ミノー出して、超浅場なら3Dサーフェスミノーとかいう感じで行けそうに思う。
 実際には釣り場で投げてみて、使えるかどうか判断していく中で、思ったようにはいかない場合もあれば、意外な発見とかもあっていつものように楽しく苦労させられるのだろう。今から秋が待ち遠しい気がする。まあ、まだ始まったばかりの春の釣りしっかりやっとけよだけど。

 という感じで、今回ルアー図鑑うすしお味第38弾はラパラフラットラップ廃盤ショックを受けて、次世代のエース候補を探すべく、固定重心のフローティングミノーについてあれこれ書いてみました。

(追加註:2019年フラットラップ8カタログ復帰しました。祝!!)

2014年11月9日日曜日

大事なものには予備が必要だ

って、落合が言ってた。

 落合って誰や?と思うかも知れないが、SFマンガ「シドニアの騎士」に出てくるマッドサイエンティストである。この作品世界では、人工脳やクローン技術が実用化されていて、人工脳にバックアップされていた自我を、培養槽で育てたクローンに移植する方法など、不死の技術が確立されている。

 その世界で、主人公ナガテのジイちゃん(実際はクロ-ン元の本人)の斉藤は、自分が歴戦の英雄であり皆に「不死」を望まれていたにもかかわらず、それを拒否し、本人の許可無く培養されていた自分のクローン個体である幼いナガテを強奪し、地下に隠れて孫として育てる。
 アニメ化したときナガテ強奪エピソードで研究者に刀突きつけて脅して培養槽に案内させたときの「オレの所につれていけッ!」という台詞はカッコよくて痺れる名シーンだった。

 生物の進化のメカニズムを鑑みると、一般的には斉藤が正しい。進化は生物が永遠に生きる一つの個体として存在することを否定し、多様性をもち短命で変化し続ける多くの個体たちという存在の仕方を選んだように見受けられる。

 斉藤は自己のクローンを培養槽で育てることについて「そんなことでまともな人間が育つわけがない」と否定しているが、さらに言うなら遺伝的には自分と同じクローン個体であっても、新たな危機に直面して自分以上の存在に育ってくれることを期待して、あえて自身の自我を植え付けることは良しとしなかったのではないか、そういうことが理屈ではなく直感的にわかっていたから、自らの死期を悟って、自分は老衰で死ぬことと、次の世代に新たな可能性を持った新しい人間を残すことを選んだのではないかと勝手に解釈している。

 でも私は、マッドサイエンティスト落合と同意見で大事なものには予備が必要と思うタイプで、スピンフィッシャー7500SSの予備を買ってしまった(買ったのは正確にはJAPAN仕様のSSJ)。ちょっとだけ違う750SSは既に2台もっていて7500SSと多くはパーツも共有できるけど、7500SS自体はクリスマス島で活躍した一台だけだったので、新古でエンブレムがはげ落ちていたらしいエラー個体が中古屋に格安で出ていたこともあり、パーツ取りなどのために一台予備を確保した。
 変わり続けることが進化として正しいのなら、予備など買わずに、ダメになったら新商品を買えばいいことになる。スピンフィッシャーも既に第5世代の「V」シリーズが出ているので次壊れたらVか、7500SS壊れる頃にはさらに次の第6世代が出てて、そいつでも買うのが良いのかもしれない。

 でも、私は必ずしも変わり続けるその流れに乗ることだけが正解だと思えない。
 進化の議論で繁殖機会を廻る競争、捕食者と獲物、寄生生物と宿主の関係で攻める側も守る側も次々と速いスピードで変化し続けないと取り残されてしまうので、外から見ると異様なまでに達した進化の流れから逃れられなくなるということをさして、「その場にとどまるためには全力で走り続けなければならない」という「鏡の国のアリス」の登場人物の台詞から「赤の女王仮説」なんていわれる理論があったりするのだが、今の釣り具の進化は、まさに止まれば他のメーカーにおくれをとるから「走り続けなければならない」状態に陥っているように見受けられる。
 これは釣り具だけに限った話ではないように思う。家電でもパソコンでも車でも全く新しい機能がいらないぐらい充分な性能の製品が既にあるのに、次々新製品が出る。パソコンソフトなど新しいのが出る度にいらん機能が増えてジャマで不便になっているようにさえ思えるのだが、それでもオオツノジカの巨大な角や、剣歯虎の下顎突き抜く牙のように無駄に進化しているように私は思う。

 でも一方で、進化という観点でみて生物の世界でも、速いスピードで変化し続けるのが必ずしも勝者の条件ではないようにも思う事例も見受けられる。
 例えば、成体が幼体に若返りをおこし「永遠の命を持つ生物」というキャッチコピーのついたベニクラゲのように、「ボク進化とかもういいわ、適当にプカプカ浮いて暮らします。」という生き方もあれば、原型は4億年前に出現、ほぼ今の形になったのさえ1億5千万年前のジュラ紀とかいわれているサメの仲間のように、改良する余地無く完成されていて古い形のまま一大勢力として君臨している例もある。

 格闘家の前田明が中島らも先生との対談で言っていたと記憶しているが、総合格闘技の技の進化も、打撃をかわして関節技で対応する方法が確立されると、今度は関節技対策で打撃が進歩して、というように技の進歩はグルグルと同じ所をまわるように見えてちょっとずつレベルが上がっていく螺旋のような感じで進化をすると説明していて、なるほどと思わされた。
 ルアーでもなぜ今時、私がFマグ出してくるのか?圧倒的な飛距離で優位を誇った重心移動搭載型ミノーが、それが標準装備になってみんながそれを使い出すと、みんながロングキャストして狙うような釣り方ばかりになる。そこに近距離で良いのでキッチリ泳いで食わせる能力が高いFマグの生きる隙間が生じているのだと思う。ついでに重量アップさせてちょっと進化させている。まさにグルグルと螺旋状に進化している感じだ。

 私は釣り具の進化について、赤の女王に付き合って走り続けるつもりはない。
 サメのように進化の選択を生き延びて「使える」ことが歴史上証明されたような道具を使って、ベニクラゲのようにプカプカのんびり楽しみたい。

 多様性というのは、そういう戦略もまたあり得るということも含んで「多様」なんだと思う。一つの確かな正解があると思うことだけは、気をつけて避けていきたい。

※ Googleブロガーの不具合が続いているようで、昨日から表示できない状況がつづいてますが、とりあえず「予備」的な措置はとってあるようでURL末尾を「.jp」から「.tw」に変更すると閲覧可能となりました。しばらくリンクはこちらに張っています。復旧しだい戻そうと思ってます。