ということで、お借りしたリールを紹介する、人の褌ネタもこれで最後の第3弾となりました。人様のリールをお借りすることで、買う必要なくリールをいじって楽しめてとても安上がりで助かったんだけど、実はそれが呼び水になって”スピニング熱”がおもいっきりぶり返してしまっていて、現在整備待ちのボロリールが7台、海外からの発送待ちが2台と久しぶりの激しい発作でエラいことに。ブクブクと沈んでおりますそんな沼の底から今日も楽しくお届けいたします。
まあでも、分解していくと”筒状”だったゼブコ「44クラシック」なんかよりは、とっても普通で、アルミのスプールを覆ってるカバーを外すと、ラインを引っかける棒が飛び出すローターがハマってて、ローター外すとスプールが見えて、ドラグはスプールの上に合成皮革製みたいなのが乗っている。このへんの構造は特にゼブコのと変わらないので、クローズドフェイスリールの基本的な仕組みなんだろう。ドラグパッドの乗っているスプールの頭が、なぜか歯車になっていて、ドラグパッドの端の方が歯車のギザギザでちょっと痛んでる感じで、何がしたいのか?やや不明だけど、これは後々の重要な伏線となるので記憶しておいていただきたい。
で、ドラグの方式は、写真一番下の銅製のでっかいEクリップみたいな部品が、ドラグ調整つまみで上下して乗っかってるスプールをドラグパッドに押しつけたり緩めたりする仕組み。普通にドラグは機能する感触。
”蓋”のネジを外していくと、同じ大森製の「マイクロ7DX」なんかと同じように、本体が足の付いた枠とハンドルとギアの入ってる部分と蓋に3分割される。ギアの方式は単純なフェースギア方式で、ネジが一本蓋と本体等を固定すると同時にプッシュボタンの根元が刺さる棒になってるのが上手に兼業させてるなという感じだけど、蓋が上下対称なのといい、ハンドル位置も真ん中で、明らかに剥き出しにしたローター軸のギアの左右どちらから填めても機能しそうである。
じつは、このリールはハンドル蓋ごと左右入れ替えにより左右の交換が可能と事前情報があったので「なるほどこれを反対に付ければ良いだけだな」と左右交換してみた。
結果、飛行機を取り入れた意匠の「クリッパーⅣ」の機種名が背面飛行になってしまってるけど、左右入れ替えできて、もともとは右巻仕様だったのが左巻きにできた。このリール、ストッパーはハンドル軸のギア裏に付いてるんだけど、ストッパーオフと正回転のみ、逆回転のみのストッパーが設けられていて、左ハンドルの時は右ハンドル時の正回転時にストッパーがかかる”逆回転のみ”にハンドル根元のレバーを入れると左ハンドルで正回転でハンドルを回すことができる。ただ、その時はラインが出ていく。
ありゃ?って感じだったけど、単純にギアごとひっくり返したら正回転でローターは逆に回る。なので、最初「左ハンドルにしたら巻くとき逆回転しなきゃならんから巻きにくいじゃん!」って思ったけど、ちょっと考えたらラインを一回引っ張り出して逆巻きに巻き直したら解決。って思いついて人心地ついた。けど、後で写真整理していて「そういうことだったのか!?」とパソコン椅子探偵真実にたどり着いた。
謎は全て解けた!伏線を回収しておかねばである。このリールではドラグパッドが歯車の上に乗っている。ドラグパッド乗せておくだけなら平面が良くて、端をギザギザの歯車にする必要はない。でもこのリールを左右ハンドルを交換したときに、スプールが上下というか裏表同じ形であれば、ひっくり返して逆回転に巻いたスプールとして使えるのである。なので、本来下側にドラグの”音だし”のために設けられている歯車が右巻時には不要だけど上にも付いていたのである。これならラインを逆に巻き直しする必要なく、工程としては①ハンドルを蓋ごと左右交換、②スプールを裏返す、③ストッパーレバーは逆の方に入れる。という感じでロゴはひっくり返るけど右巻から左巻きに交換可能となる。ちょっと「ダムクイック110」のハンドル左右切り換えにも似てるけど、あちらはハンドル軸のギアが斜めに切られているウォームギア方式なのでスプールは逆転しなくてもそのまま使えるのが違いか。
という感じで、このリールは主軸がハンドル軸のギアの真ん中を通るフェースギア方式だけど、左右にハンドル切り換え可能で、そのための小技も仕込んであって面白い機種でした。この時代っていろんな方法が考えられたリールの基礎を固めていった時代だと思うけど、なかなかに工夫がこらされていて、その後左右切り換えなんてのはそれこそ大森製作所が開発に大きく貢献したといわれているハイポイドフェースギアなら、逆転防止とかそのままでハンドルだけ換えればいいようになって、蓋ごと交換方式は消えて無くなった設計だけど。当時の工夫、挑戦する姿勢とかが偲ばれて楽しめました。
って、終わるにはちょっと尺が短いかなという感じもあるので、クローズドフェイスリール周りの小ネタをチョコチョコと。クローズドフェイスリールって、釣り終わってラインをスプールに巻き取って片付けると、次回ラインを引っ張り出すのにカバー外してラインを拾い出さなければならず、意外に面倒臭い。なので、普通は先を8の字結びにするなどして輪っかにしてフットとかにひっかけて巻き込まないようにしてることが多いと思う。ワシも普段そうしてたけど、古いクローズドフェイスリールをいじってたら、そういえば、昔はライン巻き込まないように”キャスティングプラグ”結んでたりしたんだよな。ってジ様は思い出すのじゃ。”キャスティングプラグ”っていうのはゴムカバーで当たっても危険性が少ないようにしたキャスティング競技やキャスティング練習用のオモリで、昔はABUのとかが釣具屋のルア-コーナーには売ってたりしたモノだと遠い目でまたこれも思い出すのじゃ。黄色いのとかね。ゴムで覆ってあるので巻き込んだときにクローズドフェイスリールのライン放出リングにも優しいのもちょうど良かったんだろう。で、ついでに誰かがそのキャスティングプラグには”自動ハリス止め付きヨリモドシ”を付けておくと、仕舞うときにライン結ばなくても良くて手間がなくて良いよ、と紹介してくれてたのを思いだして、キャスティングプラグは持ってないので、手頃なルア-で代用しておいた。コーモラン「パクパク」はとぼけた顔してすすけた色合いも良い塩梅。
でも、わし結構ライン巻き取るときスナップつけたままだったりするのよね。っていう場合は、ふつうにアイにスナップ接続すれば良い。クローズドフェイスリールのリール袋には一個、片方に自動ハリス止めを付けた手頃なルア-を入れておくと良いかなと思っちょります。
でもって、オマケついでにもう一つ小ネタ。ルア-の釣りで使うスナップって結構重要で、意外に良いのを見つけるのに苦労するんだけど、最近スゴく良いのを見つけたので、これまた売れずに廃盤となるとイヤなので勝手に宣伝させてもらっておく。ルア-交換は頻繁にする方なので、スナップは必須だと思ってて、まずは強度面で必要充分に丈夫なのが大事なんだけど、そこは売ってるやつでそれほど酷いのはない。なのでそこそこ太いラインでごっついルアー投げるときは左端のクロススナップ方式のを愛用しているし、クロスしてない普通のでも大きめのはそこそこ安くても丈夫で使えるのが多いので困らないんだけど、シーバス以下メッキとかまでの小型のスナップが悩ましい。初期状態では問題ないんだけど使ってると引っ張られて変形して”コリャダメだろ?”って感じになってしまう。写真の左2列目3列目がアイに通す側じゃなくて軸側に掛けているワイヤーの部分が外れてしまったり間が狭くなってしっかり掛からずユルくなってるのがお分かりだろうか?こうなると強度的に信用できない状態で交換せざるを得ず、なんとかならないかとペンチでか締めてから使ったりしてもダメなときはダメで、結局値が張るけど”溶接スナップ”が最適かなとも思ったけど、ややお高いのよね。まあワシってばルア-を根掛かりとかでなくすのは年に一個二個とかの人なので、気にすんな必要経費だって気もするけど、試しに買ってみたバスディの「ウルトラライトスナップ」というのが抜群に良かった。丈夫で変形もしないし、小さく作られているのでワシの使ってるような古めの竿ならガイドも通るので、現場で老眼で苦労しながらスナップにライン結ばなくて良くてこりゃ助かるわい。右端の二個がそれで右の写真がパッケージ入り新品。買いだめしてます。
良いモノだと思うので、廃盤にならないように皆さん買ってみてくださいとお薦めしておく。
てな感じで、アレコレ書いてきましたが、改めて愛機達を貸してくださったレクエル堂サンには感謝を、ありがとうございました。ちょっとオマケ付けて返させてもらいますのでお楽しみに。
今整備待ちのリール達の多くは、稼動状態に持ち込めるか怪しかったり、そこは端から諦めて、中身覗いてみたいので手に入れたまごうことない”ゴミスピ”とかボロいのが多いので、ちょっと手間食うかもですが、ボチボチと整備進めてブログネタにしようと思っておりますので、お好きな方はしばしお待ちください。
釣りがわりと調子良い時期に入っと思ったらアクシデント発生のうえにスピニング熱も悪化、弱り目に蜂、アタイ病気が憎いっ!っといつもの台詞で締めておこう。