2021年11月20日土曜日

ナマジ式マアジ螺旋仕掛け用コマセVer.4

 ナマジ秘伝のコマセには歴史がございます。今日は特別に皆様に、そのマル秘の製法を公開しちゃいます。っていうネタに一体どれほどの需要があるのか、疑わしいところではありますが、ま、世の中には変わった人もいるから、そういう人が「これぞ私が求めていた情報だ!」と喜んでくれるかもしれないので書いてみたい。少なくとも物忘れが激しくなってきた自分の備忘録にはなるさね。

 ワシのアジの釣り方は独特で、以前にも紹介しているけど、コマセ効かせながらののべ竿での餌釣りという、いわゆる”延べアジ”っていわれる釣り方の範疇なんだけど、コマセの量をけちりつつ必要な棚で効かせるために、”コマセ螺旋”というアユの餌釣りの「浜松式」と呼ばれる釣法でつかう簡易な”コマセカゴ”的なものをつかうのと、水中での魚の挙動とかが読みやすい自作ヘラ浮子と状況に対応するための頻繁なハリスとハリの交換で釣る、ヘラ釣りの応用のような釣りに加えて、魚を表層に湧かせて見釣りで数を稼ぐタナゴ釣りの応用的釣りで釣っている。いずれの釣り方も、コマセが適度にまとまって指で千切ったり螺旋に付けたりというのがやりやすく、水中では適度にバラけるけど、棚まではある程度持つ必要があるので、試行錯誤を繰り返しつつ徐々に改良を加え、今のところ自作のコマセは申し分ない使いやすいものになったと自負している。以下その試行錯誤の経緯など。

○Ver.0:アミコマセ単品 最初はアミコマセを単品で使っていた。魚を寄せて活性を上げる能力的には申し分なく強力なんだけど、いかんせんまとまりが悪いのでコマセ螺旋に付けにくい。かつ単価が安くはなくて、レンガ大のブロック1つで最近ちょっと値上がりして500円もしている。コマセカゴでバンバン撒くと2、3時間で1ブロック使うそうだけど、ケチ臭くコマセ螺旋に絡ませて使っても、5回の釣行ぐらいで使い切るのでどうにかならんのかとは思っていたけど、とりあえずコマセとしての能力は高いのでしばらくは我慢して使っていた。 

○Ver.1.0:アミコマセ+グルテン しかしながら、どうにも塩梅が悪い状況が生じてしまう。内側船だまりで5.4m竿で提灯にして深棚を狙ったとき、浮子が折れまくったり仕掛けが切れたりという長竿ならではの不具合も生じていたけど、コマセの方も浅い棚でバラけてしまい深い棚まで届いていない、という不具合が生じてしまっていた。なので、ヘラ釣りやってた人間の発想で、グルテンを混ぜて粘らせて棚まで持たせた。効果としてはあったんだけど、アミコマセに加えて市販のグルテンを使うとなると、またその分経費が掛かってきて、”オカズ釣り”という「遊びでやってるんじゃネェ」って言いつつ遊びでやってる釣りだとしても、あんまり金かかるなら、スーパーのお魚コーナーに行くたびに敗北感を感じてしまうことになりかねないので、経費削減策が求められることになった。この地ではアジなど1パック2百円かそこらで買える。

○Ver.2.0:アミコマセ+アジのアラ+糠 アミコマセが単価が高いので、とにかくなにか増量剤を混ぜ込んでしまえとなって、この地ではチヌのダンゴ釣法”紀州釣り”が盛んなので、米糠は釣具屋で手に入れやすい上にクソ安い。コレを主体に、アミコマセを配合しつつ、さらにアジの刺身とかを作ったときに余る頭とワタと皮などのアラを猫様用から流用して増量剤として使ったところ、格段に安上がりでコマセとしての効果もそこそこ高いものができあがり、このVer.2.0は割と長い間活躍してくれた。バラけやすいのが良いときもあり悪い時もありで、バラけて煙幕状に散って広範囲の魚を反応させる点は良かったけど、深棚を狙うときは、またれいによってグルテンを混ぜてまとまるようにしてVer.3.1にバージョンアップしてやらねばならず、ちょっと面倒くさかった。 

○Ver.3.0:アミコマセ+アジのアラ+パン粉 紀州釣りほどは米糠の量を使わないので、糠漬けも売ってる八百屋さんで少量売りの米糠を買うようになってたんだけど、たまたま米糠が売り切れてたときに、「放課後ていぼう日記」ってアニメでアミコマセの増量剤としてパン粉を使ってたのを思い出して、早速スーパーでパン粉買ってきて糠の代わりに使ってみたら、これがとても良い。なんといってもハンバーグのつなぎに使われるぐらいで、アジの頭のミンチとかアミコマセとかがまとまって、まさにハンバーグ種のようになって扱うのが楽になった。摘まんで千切って螺旋に付けるのも、そのまま足下に落とすのも非常に簡単。そして水中では適度に持つけど、ある程度魚が突いたりするとバラける。コマセ螺旋仕掛けだと、棚まで螺旋が届いて浮子が立ったら、縦誘い気味に仕掛けをヒョイヒョイとしゃくってやると、棚でバラける感じになる。バラけ方は水分量でも変わってくるので、堅めに作っておいてバラケさせたければ海水足してやるとかの調整も可能。これは実に塩梅が良い。ただ、これはコマセを使った釣りの宿命かもだけど、コマセに狂った魚が、コマセの粒子ばかり吸って固形物の刺し餌を口にしてくれなくなるときがあって、とりあえずVer.3.1でアジのアラを大きくしてみたら、ちょうど良い大きさに揃えて粗挽きとはいかず、大きな骨がそのまま残ってるとか塩梅が悪かった。のでVer3.2で冷凍塩鯖の細切れを入れるのは悪くなかったけど、冷凍塩鯖なんていう高級品はコマセに混ぜるより焼いて食えって話で納得いかず、Ver3.3ではボラを刺身にした後の皮とかどうだろうと細切れにして混ぜてみるも、皮が固くて包丁で切りにくいのを苦労して混ぜたのにたいして効果が認められず不採用。

○Ver4.0:アミコマセ+アジのアラ+パン粉+鶏皮 上記のような経緯があって、最終的には鶏皮添加。クソ安くて、ハリ持ちの良さを買って高活性時の刺し餌にも使ってる鶏皮を、刺し餌用と同じぐらいの細切れにして混ぜてやるという、思いつけばまあ妥当というか自然なところに落ち着いた。鶏皮細切れをコマセに入れるようになってから、刺し餌鶏皮への食いの良さがあがったように思う。コマセの粒子ばかり食って刺し餌に食ってこないっていう状況は、このVer.4.0で採用したコマセの工夫もある程度効いたかもだけど、ハリス細くハリ小さく(=軽く)で自然な感じに漂わせて食い込み良くすると劇的に改善することがあるということが判明したりもした。とはいえ現状では、ある程度まとまってくれて扱いやすく、コマセとして魚を寄せて活性を上げる能力が高く、固形物も混ざってるので粒子だけを吸うのを回避する効果が期待できる、という良い感じのコマセに仕上がったと思っている。

 でもって、作り方。

 まずは、なんとなく鶏皮はピンクに染めた方が良いような気がするので、食紅をカップ半分のお湯で付属の匙で5杯ほど溶いて濃いめの食紅液を作り、最終的に材料全てをぶち込んで混ぜ混ぜするバケツに入れておく。刺し餌としては視認性重視で黄色に染めても使いやすいかも。

 そして、冷凍して保存していた鶏皮100g程度を5×10ミリの細切れぐらいを目指して包丁で切る。切るときに完全に解凍してしまうと鶏皮は脂で滑って切りにくく、かといってガチガチに凍っているとこれまた包丁が入って行かず切りにくいので、電子レンジで自動解凍を選んで、表示が出た時間の3分の1ぐらいで取り出して切りやすい程度に凍結をゆるめてから切ると切りやすい。細切れの大きさは多少ばらつくのは気にしない。大きい切れ端は刺し餌用に回して使う時にハサミで切りながら使えば良い。

 そして、バケツの食紅液の中に、完全に解凍しておいたアミコマセ3分の1ブロックとともにぶち込んで混ぜ混ぜする。

 この時点で、大きな切れ端を中心にいくらか鶏皮を刺し餌用に、別に小分けして薄く伸ばした状態で冷凍しておく。使う際には適宜割って使う分を餌箱に入れて釣り場に持っていく。鶏皮は、小さくチョン掛けが食いが良いときもあれば、大きく付けて目立たせた方が効く場合もあり、大きめの切れ端はハリに掛けて引っ張りながら、適当な大きさになるようにハサミでチョンと切ってやるというのができるので、よく使う大きさのほかに大きめのもあった方が良い。

 そして、ここからがちょっと手間なんだけど、アジの頭と内臓をミンチにしていく。

 これはカチカチに冷凍してひとかたまりになっていた方が最初切りやすいので、冷凍状態で切っていく。ただし、欲張ってあまり沢山まな板に乗せると捌ききれないので気持ち少なめぐらいで何回かに分けて作業する。今回は写真一番上のように中ジップロックに5、6割ぐらい入れたものを3袋用意した。

 やることは、凍った魚のアラを包丁で薄く切り出して、縦横に切ってある程度細かくして、あとは二刀流でひたすらチタタプを繰り返して、たまにひっくり返したり端の方を真ん中に折り返したりしてしつこく叩いていく。「ドロヘドロ」のニカイドウちゃんになったつもりで、アニメ主題歌口ずさみながら♪

 多少皮とか、軟骨とか固形物が残っているのはそれはそれで固形物のまま沈降して食いを誘うので完全にミンチにすることを目指さなくて良いと思う。

 猫餌から一部拝借している形だけど、もともとアジを酢漬けにしたときとかに出る生ゴミだったわけで、コレを主体とするぐらいの勢いで沢山入れたいので、そうなるとかなり時間と労力が必要な作業になる。包丁2本でやるのは正直しんどいので、”エソ釣ってすり身作戦”が、エソ系も狙うと釣れないということで頓挫したので、購入にいたらなかった挽肉作れるような”フードプロセッサー”か”肉挽き器”を入手しても良いかも知れぬ。あれば捗るとはおもうけど、そんなに頻繁にコマセも作るものじゃないのでなかなか踏ん切りがつかない。

 アジアラミンチもできたら、バケツにぶち込む。

 今回、パン粉は市販の270g一袋のほかに、秋の長雨の時期に1時モノが腐りまくった時があって、夕飯に食べた味噌汁を次の日の昼前に温め直そうとしたら既に表面に白い膜が張って酸っぱい臭いを発してて「腐ってやがる」って驚いたのもあったけど、食パンがカビたのもあんまり無かった経験で、食い物無駄にするのは貧乏云々以前にお天道様からお百姓さんから、もちろん食べ物になってくれた原料の生物ほか関係各位に申し訳ない気持ちでいたたまれなかった。味噌汁は捨てるしかなかったけど、食パン2枚は冷凍庫で乾燥させておろし金ですり下ろせばパン粉にはできるなということで、今回使わせてもらった。

 パン粉が最後のピースなので、ぶち込んだら混ぜる。水はアジのアラから存外出るもので、最初に食紅を溶いた半カップでちょうど良いぐらいで追加する必要はなかった。混ぜてみて水気が足りなかったら足せば良いので水は最初少ないぐらいで混ぜてみた方が良い。水っぽかった場合はパン粉を追加すれば良いけど、パン粉使い切りで一袋ぶちまけた後だと難しいので最初は少なめが吉。

 不思議なモノで、パン粉入れて捏ねれば、なんだかハンバーグ種のような見た目にまとまる感じに仕上がる。仕上がったら、片手でギュッと握って団子を作って、団子2つを一つのビニール袋に入れてクルクルッと捻っておく。だいたいこの団子2つ入った一袋が3時間ぐらいの釣りで使う量で、コマセ多めに効かさないと食いが悪いとかだと2袋使う時もあるし、食いが良くてコマセあまり効かさなくても食って来て短時間で仕事が終わったりすると1袋使わないときもある。

 だいたい、15袋ちょいぐらい作れるので、蓋ができるパン粉の袋になるべく平べったくなるように詰めてから2段に重ねて冷凍庫で保存している。

 かかった費用は、食紅は数える必要が無いぐらいで数円、鶏皮は100gなら50円ほど、アミコマセは1ブロック500円の3分の1だから約167円、アジアラは無料と考えて、パン粉が250円ぐらい、で合計約470円。これを15回で使い切るとして、1回当たり約31.3円、刺し餌が鶏皮の他に400円のオキアミを4~6回で使い切るので4回として100円。アジ釣り一回当たりの餌代は約130円ってところ。さすがに魚が安いこの地でも、130円では半額札貼られるまではアジ1パック買えないぐらい。小アジで水揚げ目標60匹とか釣ってくると、1パック10匹200円ぐらいのが6パック分で1200円分の水揚げで、竿やバケツの減価償却費、ハリとイトの消耗品分を考えても、ちゃんと採算に合ってる気がする。素晴らしい。なかなか遊びの釣りで元はとれんものであり「魚が欲しいだけならスーパー行って買ってこい!」って常々思ってるけど、魚釣って楽しんだうえに、家計も助かっているとか最高である。一所懸命アジのアラを叩く甲斐があるというものだろう。

 ってなことを、書いてみたのは、コマセ一つ例に取ったって、色々工夫の仕方があるんですのヨってのをお伝えしたかったのと、さらにつけ加えるなら、それだけ工夫してもそれが決定打ってわけじゃなくて、釣り全体の工夫の一つの要素でしかなく、アジ釣りで一番”効く”工夫は”釣りで大事なのはハリとイト”ってぐらいでハリとハリスの状況に合わせたこまめな交換だと思うけど、それ以外にも場所やら時間やらは超重要だし、重箱の隅的な細かいところなら夏場は蚊取り線香焚くのが大事とか、バケツの上にハリ外し用のラインを1本張っておくと手返しが良いとか、家で準備してる段階から、帰って来て美味しく料理して食べてアラをコマセに回すところまで、全ての場面において、ちょっとずつ工夫を重ねるべきところがあったりして、そういう総合力、何でもありで全部つっこんで魚を釣りに行くっていうのが”魚釣り”の全体像なんだよってのを、ジジイの説教臭いけど書いてみたかったのよ。

 水辺で魚と引っ張り合いしてることだけが魚釣りじゃなくて、家に居て準備しているときから釣りは始まっていて、釣り終わって魚捌くのやら含めた後片付けもまた釣りであり、しからば、釣り人は常に”魚釣り”の渦中にいるといって過言ではなく、常に油断なく備えなえなければらなんのではないかと、思ったり思わなかったりするのである。

2 件のコメント:

  1. 今回の記事、響きました!継続的に釣りを楽しむ為の素晴らしい工夫だと思います。
    当方は鶏レバー、ハツの可能性に着目しております。これまでアジ、サバ、クロダイは釣れておりますが、冬場の落ちハゼに良いのではと期待しております。

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    1. よっちさん こんにちは

       あなた一人にでも響いたのであれば書いた価値があったというモノです。楽しんでいただけたのなら幸い。

       私レバーは鳥より豚派です、ハリ持ちが良いです。
       鶏レバーは魚に食べさせるのはもったいないので私が食べてます。安くて美味しいです。

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