このルアーこの角度で初見でなにか分かったら、多分あなたはもう手遅れな感じに病魔に冒されてます。
なんじゃコレ?っていう答合わせは後ほどということにして、まずはいつものことながら説明させて下さい。お願いします。
この地に来て始めての冬、港の堤防外側にカマスが回ってきて、それを追って良型の青物がやってきて、地元の上手い人達に混じって参戦しなんとか1匹ものにしたのもはや2年近く前になってしまいました。
2回目の冬、今期は堅く釣果を重ねようと思ったものの、そんなに甘いものではなく、港の外側にカマスの群れが付いた期間が短かったこともあり、サゴシ一匹ジャンプ一発でバラしたのみの貧果に終わり悔しい思いをしている。
ってなこともあって、来たるべき次の青物シーズンに向けて既に戦いは始まっており、戦力増強を図るべく、中古で安いブツは無いかとネットオークションなどを定期的に巡回しているところ。
狙っているのは、実績ルア-であるブル-アイランド田中版「ザ・スプラッシャー」はすでにしこたま在庫してあるので問題ないとして、ちょっと回ってくる魚の最大が思ったよりデカいということが判明したこともあり、道具立てを強力にして、より大型のルア-をという方針で弾を込めているところである。地元の上手い人達はカマスで泳がせの他はテトラの低い足場とかからダイビングペンシルで結果を出しているけど、ワシ膝が痛いのでテトラ上り下りがしんどくて、堤防の上から投げるのでダイビングペンシルがダイブさせにくい、っていうのと他人様と違うタイプで攻めないと、まともにやってて手練れどもに勝てるわけがないと思い、過去のカヤック青物とかの経験から、水中はミノーとシンペンに任せることにして、水面系ではルアー本体が浮き上がって水面から出そうになって滑走するぐらいの方が、魚にルア-を見切られない感じでブリ一家には効くような気がしているところ。ザ・スプラッシャーがまさにそんなルア-なんだけど、もうチョイ大型のとなると18センチのザウルス「ポップトプススイマー」はビンゴなんだけどマイナーすぎて補充全然できていない。ヨーズリの名作「サーフェスクルーザー」はしこたま買い込んだ。あと、何かヘッドが斜めに切ってあってジャークすれば水面滑走してくれそうなルア-って何があるかなと、候補としてギブス「ポラリス」なんかも増強の方針にしていて、今回の謎ルアーは、ギブスのルア-のオマケとして入手したモノである。 メーカー名のあたりが削れてて判読不明と説明されていたけど、体側に小さな鏡を並べてある独特の構造を知ってる人間なら一発でメーカー分かるはずである。同社の日本では一番知られていそうなルア-である「ジグザッガ-」にもこういう鏡付きのカラーがあった。そう、発泡樹脂充填という独特の製造方法で有名な「BOONE(ブーン)」のルア-で間違いない。コリャなかなかのレアものかもな、12センチ位あるので水面系で大きめのプラグは値段付くからいざとなったら売りさばけるだろうしオマケだけでも”買い”で問題ないなと、あっさり落札。届いてから名前を調べてみたら「サンダンスポッパー」っていう名前だと分かったのと同時に、BOONE社が今でも現役で作ってるモデルだと知って驚愕した。
さらに驚愕の事実は、動かないシンキングペンシルで元祖”I字系”といっていい怪作「ニードルフィッシュ」と我が家の蔵にも一個転がってた写真の「スピナーナ」と兄弟の「キャスターナ」も現役モデルと言う事実。どこから突っ込んで良いのか迷うぐらい突っ込みどころ満載だけど、まずはBOONE社が単独で生き残ってるところに失礼ながら驚いた。同社のウェブサイトをグーグル翻訳で見ていくと、日本じゃジグザッガ-はそこそこ人気だけど、発泡樹脂製ってところからして異端な感じで、スピナーナ、キャスターナ兄弟はダーターというかトローリングルア-としてまともな感じだけど、その他のメンツが、何をすれば良いのか昔のバスマンには理解不能だったニードルフィッシュ(コイツは木製らしい)や、トローリングで使う水面でバシャバシャやって魚の気を引く集魚板の一種である”飛行機”を小型化してバスプラグにした「ブーンバード」とかのキワモノルアーメーカーって印象が強くて、ヘドンやボーマーさえ統廃合から逃れられなかったなかで今も生き残っているとは驚き以外の何物でもなかった。でも、ウェブサイトでお勉強していくと同社の主力商品はカジキ用のトローリングヘッドとかの海のトローリング関連で、そっちでは堅いシェアと歴史を誇る会社のようである。ナルホド、ブーンバードはもともとトローリング用の”飛行機”作ってる会社だからこそ生み出せた怪作であったか。ちなみにブーンバードは廃盤のようだけど元ネタの”飛行機”自体は当然のように現役バリバリ。ついでにもいっちょちなみにジグザッガ-も廃盤で日本の中古市場だと良い値段している。
「ソフトベイトは我が社が元祖だぜ!」と誇らしく書いているので、日本人としては「チョイ待ったれや!ヤマシタ式のタコベイトの方が先だろ」とヤマリア社のサイトで確認すると、BOONE社はルア-作って60有余年と書いてるので多分1950年代とかの創業ぐらいとして、ヤマシタ(当時)が塩ビ製の「ゴールデンベイト」を発売したのが1948年とあるので、たぶんタコベイトをソフトベイトに数えるならヤマシタの方が本家だと思う。BOONE社が言ってるのはスヌークとか釣るのに伝統的に使われてるジグヘッド内蔵のエビ型ソフトルア-とかのコトかなと。
まあ、なんにしても立派な会社である。日本人が知ってるような古くからあるルアーメーカーで統廃合の波にのまれず単独で生き残ってるのって、あとはマンズとかバグリーぐらいか?そうそうギブスもなにげに生き残ってるな。海関係は堅いシェアがあればバス関係ほど世界的な流行廃りに影響受けないのだろうか?って考えて海に強い米国製ルアーメーカーって考えるとミローも思いついてミローもそういや残ってるはず。米国人の道具を見る目は確かなものがあるって感じてるけど、まあニードルフィッシュを現役で存在させているぐらいに使いこなしているってところからして、改めて尊敬するところである。ワシがフッコスペシャルとか作るより先に、もちろん日本のアホな釣り人連中が”I字系”とかいまさらながら言われて飛びつくよりはるか昔から”動きの無いルアーが効くときがある”ってのを体験して知ってるってのは偉いよね。
でもって「サンダンスポッパー」。名前の由来は体側の鏡が太陽を乱反射してサンがダンスっちまってるってところからだろうけど。この形にピンときたらストライパーって感じで、ストライパー狙いに使われているルア-だと見て取れる。などと書くと多くの読者が頭に?マーク状態だろうけど、右の写真でサンダンスポッパーの下2番目に並べたのは、クリークチャブ製のその名も「ストライパーストライク」ってぐらいで、このての形のルア-で米国人が狙うのはストライパーで間違いないと思うのであります。で、ついでにその下はグデブロッド社”ゴールデンアイ”「トラブルメーカー」のストライパーサイズ、そして下から2個はこれまたストライパー狙いの銘品で日本では黎明期のロウニンアジ狙いでも活躍したギブス「ポラリス」で下の大っきいのが18センチ位あって良い大きさかなと。他のはだいたい12センチ前後。でもって、コイツらに共通するのが斜めに角度をつけて切ってある頭にくぼみがついていて、引くと飛沫上げると共に浮き上がって水面から飛び出しそうな感じになるところ。実は自分の好み的にもワシがシイラだのロウニンアジだのポッパーで狙う釣りをやってた頃の流行的にも、この手の角度のついたカップを持ったポッパーよりは垂直に近いカップで水噛みが良く、ドボンと低周波な感じの音が出るのが出番が多かった。のでストライパーストライキングもポラリスも今ひとつピンとこず蔵の肥やしになっていた。ストライパーストライキングにいたってはシンキングポッパーという止める”間”で食わせることができない”忙しい”ポッパーでもありとりあえず習慣で2個買ってしまっていたけどちょっと後悔したモノである。
ところが、ここに来てポッパーやチャガーと言うよりいっそ日本風に”スプラッシャー”と呼ぶ方がしっくりくる、引っ張ると飛沫上げつつ水面上に躍り上がろうとするポッパーが案外自分の冬の青物狙いにハマってくれるんじゃなかろうか?って気がしてきて、まあ米国人の好みのルア-にハズレは無いだろうて、というのもあり、米国東海岸のストライパー用の古強者どもに、その”ストライパーの角度”のついたカップに、いっちょ期待してみるかなと、青物回ってくるのなんて冬になってからなのに、すでにいつでも準備はできているのである。
備えよ!つねに!!ということで塩味ちょい濃いめでお送りしました、”ルア-図鑑うすしお味”第47弾でございました。
浜酔人
返信削除お疲れ様です。そちらのコロナ渦状況はいかがですか。横浜は人口のわり医療機関が少ないようで、ワクチン接種も難儀しています。
私もボッパーが大好きです。リップル持ってサーフィスも持っています。
ルアーの水面での停止姿勢が肝ですよね。
ヤフオクメルカリ、ベリーズネットも徘徊しますが‼️最近はアリバイエキスプレスも見てます。
100%パクリのポッパーも数多くあります。
見ているだけでも、面白いですよ。
駅に着きました。ではまた
浜酔人さん こんばんは
削除こちらは小さな漁師町で人口も少なく人の出入りも限られており感染者は数えるほどしか出ておらず、いまのところ大丈夫な感じではあります。ただ、集団接種に申し込んで日曜に行ったら、日曜休診の近所のかかりつけの先生が注射してくれてて、今医療関係者の方々は本当に休み無しで対応されてるんだなと、改めて頭の下がる思いでした。
ポッパーの停止姿勢は、そこから立ち上がるときの挙動も含めて私も重要だと思ってます。ギブスのポラリスは縦浮き系なんですが、一本横浮きに改造して先日投げてみたら自分の思ってた感じになってこの冬一軍候補になりました。
とかやっってたら自分で作ってしまえば早いかなという気もしてきて、暇みて自作もやってみようと思ってます。
こんばんは❗
返信削除自作も良いですね🎵もう何年もしていませんが……
タックルハウスの二宮さんの、ホームページをご存知ですか⁉️
とても良い人で、いろいろな相談に乗ってもらってました。
ウッドのウェイト移動に伴う削り混みは、ご本人がやっていたそうです。
ではまた
おはようございます
削除ホームページは以前まとめて書籍になったのは読んでます。シーバスのリリースについて、リリース後に魚がどういう状態になるのかとか実際に飼育実験されてたのがとても参考になったのを憶えています。口の傷はかなり酷くても治るけど、体表を乾いた手で触って粘液はげるとそこから菌類におかされてしまうそうで、とにかく乾いた手でギュッと掴まないっていうのは意識してます。
見た瞬間にブーンのルアーだろうと思いました。
返信削除書いてあるジグザッカーの鏡付きを持っていたことがあります。やはり海用であったはず。
でもこのタイプをブーンが出しているのは知らんかったなあ。
そして何より、まだ会社が存在しているということに驚きました。
勉強になりました。
発泡ウレタンはその昔、バスオレノでも使われていましたね。
新素材開発の流れの中だったのでしょうが、その後、何らかの判断で、素材が変わりましてね。
最近眠っていた病気が発症しそうになりましたが、両手を合わせてやりすごします。
「見たことがある」じゃなくて持ってたってところが、さすがとうかなんというか・・・。お互い病状悪化には気をつけましょうね。
削除ちょうど私がバス釣り少年だったころのバスオレノとニップが発泡樹脂製で我が家の蔵にもたしか1個ずつ残ってるはずです。サウスベンドから移籍してエバンス製のころでしたっけ?ルーハーに移籍後はウッドに戻ってたのかな。
発泡ウレタン樹脂の、実際に発泡するときの事例紹介を東急ハンズの素材コーナーで見たことありますが、反応させるとものすごい勢いで膨らんで”型”を持ちあげるぐらいの勢いがありました。膨らみ具合を制御するのが難しいとかあったと聞きますが、ブーンとデュエル(ヨーズリ)はいまだに発泡樹脂素材のルアー作ってるということは海の大物狙いでは利点があるんでしょうか?謎です。
昭和53年に発行された則さん、山田さんの「ブラックバス釣りの楽しみ方」の中では、「2年前からプラスチィック製になった」とありますが、発泡ウレタンのことを言っているのではないかと思います。その頃に買ったバスオレノもニップアイディーディーも手元に残っていますが、発泡ウレタンです。
返信削除メーカーは記憶が定かでないですが、エバンスだった気がします。
素材の違いによるアクションや水との絡み方は、各人の好みの部分でもあるので一概には言えないけれど、個人的にはバス用のトップウォータープラグに関してはいわゆる「ウッド物」が好きです。バルサも除きます。
そういえばヨーズリのトビマルなんかも発泡ウレタンですね。
キビキビした動きを実現するために、生産の難しさを克服したということなのかな?
わからんことはいっぱいありますね。
エバンスに移籍して、しばらくウッドの後に発泡ウレタンに素材変更って感じでしょうか。
削除ヨーズリの発泡樹脂製ミノーはトビマルじゃなくてスイングミノーの方ですね。後に独立した津留崎氏が流れを引き継いだ感じで発泡樹脂製の”ツルミノー”を出してました。
アクションや水がらみについて、多くの人がプラスチックで木と同じ比重と重心バランスで作れば同じように釣れるルア-ができるはずで、ウッド製をことさらありがたがるのは馬鹿げているてなことを言ってたりしますが、同じ動きが出せたとしても明確に違う部分があると思ってて、それは”音”で空洞のプラ製とみっちり詰まった木とでは、ハリが当たった時とかの音の響きがまるで違うはずで、そういう意味で発泡樹脂充填はより木製に近い製品を金型使って大量生産で、っていう意図があったのかなと、つらつら考えてて思い至りました。
それがどれだけ効果があったのか、わからんことではありますが、効果があると信じて投げるルア-には魂がこもるんだろうなと思うところです。