2015年11月14日土曜日

釣るためだけが目的でつくったワケじゃないルアー達


 写真を見て、なんか見たこと無いようなルアーが多いなと思われるかも知れないですが、それもそのはず。
 こいつらは不肖ナマジが作ったルアー達です。
 というわけでルアー図鑑うすしお味第24弾は、自作ルアーの紹介。

 ハンドメイドのルアーって、売っているのはおおむね高級品なので、最初は自分で作れれば安上がりかなと思うものですが、これが手間暇かかるし塗料だのなんだのをそろえるとお金もかかるしで、全く費用対効果的には割に合わないことが多いです。
 サイトの方で紹介した、割り箸使った「お手元ルアー」とか秘密の「フッコスペシャル」とかは、いい加減にササッと作っているので、実弾として実戦投入しても問題無いぐらいに費用対効果も良いハンドメイドルアーになっていますが、普通にバルサなりほかの木材なりを削って成形して、針金のリグを挟み込んだり、ヒートンねじ込んだり、塗装して色塗ってウレタンクリアーでコーティングしてという、いわゆるハンドメイドルアーと聞いて思い描くような物を作るととてもじゃないけど、根掛かりしそうなポイントでは投げる気にもならないぐらいにコストのかかったモノになってしまいます。
 それでも、中学生こころから今でも、たまに思い出したようにハンドメイド熱がぶり返して作りたくなったりするのは、世界中のどこにもない新しいルアーを作り出すそのこと自体に楽しさがあるからだと私は思っています。

 でもって、久しぶりに熱がぶり返して、完成させたのが左の2つ。といっても最初の木を削るところからのスタートじゃなくて、下地のコーティングまでして熱が冷めて放置していたのを完成させたところ。
 永年にわたり、たまにルアー作ってきて、カラーリングはあまり凝ったものにすると塗料を何色もそろえなければならないし、工程が増えるとその分失敗するしで、ろくな事にならないのを学習したところ。ついでにそろえたカラーも次の発熱時には乾涸らびていて無駄になるのがオチ。手作りっぽく木目調をそのまま残して背中とお腹にスプレーでカラーを振って、あとはコーチドック模様でもカエル模様でも筆で手書きしてしまうと、それなりに格好が付く。というのが気にいっている。

 一応、過去にはホイルフィニッシュなんてのにも挑戦して、それなりのモノができているように自負してます。
 ホイルフィニッシュはそれほど難しくなく、いかにもハンドメイドルアーという感じになるので割とお奨めである。
 ホイルを普通のアルミホイルじゃなくて接着テープになっている台所の隙間貼り用のものを使うのが簡単ホイルフィニッシュのキモかな。
 昔使っていたウレタンコーティング剤が何年も経つと茶色く変色するタイプなので、大学生のころ作ったこいつらは結構茶色くなっているが、その辺の古き良き時代感も悪くないと思う。

 左のペラモノも大学生ころ作って、結構バス釣ったルアーである。
 上二つの銀ラメを散らすと結構それっぽい感じに仕上がるというのも、手間がそれほどかからず好きなカラーリングである。
 下2つのお尻にペラのついたペンシルは、「ブラックバス釣りの楽しみ方」に紹介されていたフルーガージャークが全く売ってたりするのも持っている人も見たこと無いので似たような味のを作ってみようとしたモノである。似ているのかどうかは本物知らないので分からないが、結構釣れて一番下のは高い木の上に引っかけてしまったので、もう一度同じようなスタイルで作ったヤツである。
 ハンドメイドルアーはなくすと困るのでボートで使うトップがほとんどだったけど、それでも結構無くしてしまったのはある。
 これらのルアーを見ても分かるように、塗装はテキトーなのが自分の作ったモノには多い。早く使いたくて塗装が早くおわる方向に技術を進めてきたような気がする。


 次の3つは、それぞれラッキー13、バスオレノ、ボーマージャークベイトをイメージして、オリジナルサイズよりも小さめで使いやすい大きさで作っているのだが、今考えると、ラッキー13もバスオレノもJrサイズがあって、わざわざ作らなくても良かったような気がするが、作った時は作りたかったのだろう。
 ルアー作りたい熱はいつ何時、どういうきっかけで、どう発病するか不明の熱病である。治療法はとにかく木を削ることだと思うところ。



 次のコーチドック模様の2つ。
 上のミノーはバルサ50スリンキーに触発されてお腹の膨れたミノーを作ってみたところで、たぶん高校生か中学のころのもの。
 カラーもバルサ50ちっくに型紙切ってスプレーしている。目玉に黒目が入っていないのは、実はこのルアー、目を入れてコーティングする前にスイムテストの段階で50UP釣ってしまって、そのままお蔵入りさせたので制作途中で止まっているのであった。
 下のサクラが背中に咲いているポッパーは、大学受験のころ作っていたルアーで、合格記念にサクラサクバージョンにしたモノである。
 受験勉強の息抜きにしては、力の入ったデキである。当時、勉強机の一番上の引き出しをあけると、作りかけのルアーと道具が入っていた。アホである。

 右のルアーは、小型のいわゆるチマチマサイズのルアー達で、大学生のころダム湖にゴムボート浮かべて良く釣ったルアー達である。特に上二つ。
 当時、小さいサイズのトップが良く釣れるということでズィールのチマチマシリーズが流行っており、高校時代からケン一が愛用していたのだが、同じルアーを使うのも芸がないと思ったのと、ズイールのルアーもわりと高級品だったので貧乏学生は作った方が安いんじゃないかといじましく考えて自作したところである。安上がりには全くなっていなかったと思うが、魚は釣れておおいに楽しかったので、結果オーライであった。

 そして、残っている範囲で一番古いのが、この2個。どちらも中学生のころ作ったモノで、これ以前にもいくつか作っているはずだけど出来が悪かったので捨ててしまっている。逆に言うとこいつらは出来が良くて良く釣れたうえに根掛かりもさせずに生き残った強者である。
 上の頭でっかちのスイッシャーは、ジッタースティックやダルトンツイストをイメージしてバルサで作った。バルサなのでお尻のヒートンがそのままでは抜けてしまうので、ヒートンを固定するためプラスチックの板をバルサボディーに内蔵している。アクションも意図したとおり首振りながらペラが回ってくれて完成時、魚釣った時、メチャクチャ感動したように思う。こいつのコーチドック模様は、たぶんガンプラマニアでルアー作るのも得意だったF師匠に塗ってもらったはずである。懐かしい。
 下のミノーも良く釣れた。7センチぐらいのサイズだけど、小さいミノーって当時は田舎には売って無くて、ラパラの5センチ7センチとかももっと後年の管理釣り場とかの流行までは目にしなかった。でも、小さめのバス釣るのにロングAの12センチとかではデカイのは感覚的に分かっていたので、売って無ければ作るしかないということで作って、実際良く釣れた。野池のインレットとかに群れている30センチ無いぐらいの小バス釣るのによく使ってた。

 引っかけて無くしてしまったりしたのも結構あるけど、残っている自作ルアー達を眺めていると、いろんなことが思い出されて楽しい。
 最初にも書いたように、単にルアーを安上がりに手に入れるという費用対効果を考えるなら、全くハンドメイドというのは割に合わないと思う。
 でも、自分で工夫して苦労して楽しんで作ったルアーで釣って楽しんで、その思い出をまた楽しむということまで含めるなら、ルアーのハンドメイドというのは、苦労するだけの価値のある楽しい遊びだと心の底から思う。
 ルアー作りたい熱に冒されたなら、あきらめてルアーを作ることを皆さんにもお勧めしておきたい。

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