2015年11月30日月曜日

アタマの中でカラーンコローン

 水木しげる先生のご冥福をお祈りします。

 93歳ということで大往生ではあるんだと思うが、やはりちょっと寂しい気分。

 今の日本のストーリーマンガの手法って手塚治虫が確立したというのが定説で、手塚治虫が「漫画の神」と呼ばれているわけだが、それ以前にも紙芝居やら貸本やらで今の形式のマンガ以前のマンガの原型の時代から活躍されていた、それこそ生ける神の一人が水木先生だったという私の認識である。
 手塚治虫、石ノ森章太郎、水木しげる、永井豪の4先生あたり(白土三平先生も入れたいがややマイナーか?)が「神」といっていい、マンガを作ってきた作家だと私は思うのだけど、よく水木先生がマンガのネタにしてネットでも紹介されているように、水木先生が忙しくとも10時間は寝て長寿を全うされたのに対し、手塚、石ノ森両先生は寝る間を惜しんで描きまくって早くに亡くなられている。私が神とあがめるマンガ家は、あとは豪先生を残すのみとなった。病院の帰りに本屋に寄ったら豪先生、デビルマンのスピンオフでシレーヌメインのマンガ描いていてご健在のようで何よりである。

 水木先生、エピソードには困らない人で、「ゲゲゲの鬼太郎」のあまりの人気ぶりに手塚先生が嫉妬して妖怪モノの「どろろ」を描いたとかいう話も有名だが、たぶん豪先生の「ドロロンえん魔君」も水木先生に対抗して描いたんじゃないかと私は思っている。

 ゲゲゲの鬼太郎は、5回もアニメ化しているお化けコンテンツで、1回目の白黒版は年代からいって見ていないけど、2回目のカラー版と夢子ちゃんが出てきてネコ娘がヒロインの座を奪われる屈辱にまみれる3回目とをリアルタイムで見ている。実写版の映画も結構よかった。アニメ4回目、5回目、それに墓場鬼太郎はたまに見た程度だが、山陰に出張のおりには、鬼太郎グッズの店で鬼太郎ノートやらキジムナー手拭いやら買うぐらいには鬼太郎ファンであり、今日はアタマの中で鬼太郎のOP・ED、それから「悪魔くん」のOPの「エロイームエッサイム、エロイームエッサイム」という歌詞がグルグルしている。

 「悪魔くん」は見た記憶がほとんど無いし、内容も憶えていないのだが、なぜか主題歌はフルで歌えそうなぐらいに憶えているのでおそらく視聴していたのだろう。
 後に澁澤龍彦先生の「黒魔術の手帖」を読んだら、ホントに西洋の黒魔術では「エロヒムよエサイムよ我が呼び声を聞け」と唱えると知って、水木先生の創作じゃなかったんだなと意外に感じた。いわゆる「日本の妖怪」って水木先生の創作のモノも多いと聞く。水木先生監修・イラストの妖怪図鑑とか小さいころに夢中で読んだ記憶がある。

 脱線するが、なぜか主題歌はフルで歌えるものに「魔女っ子メグちゃん」のOPがあるんだが、たぶん姉さんが見ていたのを幼少のみぎり一緒に見ていたのだろうと思う。「ハルシオン・ランチ」のあとがきで沙村広明先生が「ああ・・・ノン(註:主人公と魔法の国の王女の座を争うライバル)が好きだ」「トランプをモチーフにした服のデザインも「魔女っ子メグちゃん」の影響かと。」と書いていて、困った人だなァと思ったものである。

 水木先生のマンガとしては、片手を失ったラバウルでの戦争の時の話とか読んだけど、まだ読んでない作品でキンドル版が出ているのも結構あったはずなので、この機会に読んでみようかと思う。まずは「河童の三平」あたりからか。
 作家は亡くなっても、作品が愛され続ける限り作品の中に生き続けると良く言われるが、水木先生ぐらいになると、そういう意味では遠い未来までも生き続けることだと思う。
 水木先生、面白いマンガ、素敵な妖怪達の紹介、ありがとうございました。 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿