アメリカにはパンフィッシュと呼ばれる魚がいる。ちょうどフライ「パン」に乗るぐらいの魚の意味だと聞いているけど、具体的にはお馴染みのブルーギルやクラッピー、パンプキンシードなんかのサンフィッシュ科の平べったい魚をそう呼ぶようで、アメリカのルアーメーカーはバスルアーをサイズダウンしたようなパンフィッシュサイズのプラグをラインナップしていたりして、逆にストライパー用のビックサイズのもあったりするのと併せて、大小眺めてみるのはなかなかに乙である。
パンフィッシュサイズのプラグはそれほど大きくない鱒類を釣るのにもちょうど良い大きさなので、日本ではトラウトルアーとして認識されているようだし、日本でもこのてのサイズはおもに管理釣り場のマス釣り用に作られていて、メバル釣りへ流用されたり、やっぱり日本でもギル釣りに使われたりと、結構小っちゃいルアーも楽しまれているところである。
ということで、ルアー図鑑うすしお味第23弾は小っちゃいルアーを取り上げてみたい。
小型魚用のルアーとして3グラムとかのマイクロスプーン、マイクロスピナーはむしろ小さいのが当たり前なので、今回それらは除いたプラグを中心に紹介する。いずれも2~5センチの可愛いヤツらである。
小っちゃいプラグといえば、老舗中の老舗がレーベルでしょう。
なぜバッタ型のクランクである必要性があるのか分からないが、通称「レーベルのバッタ」は管理釣り場はもちろん、天然モノのイワナにも卓効有り。ある釣り人がバッタで尺イワナ2連発して「バッタポイント」と名付けられた淵が東北のとある里川にある。谷の田んぼの中を流れる小支流でイナゴとか多いことと関係あるのかどうだか不明だが、イワナにバッタが効くことは間違いなさそう。
写真右下のミノーは1インチ2.5センチぐらいなのだが、それでも立体に鱗模様が切ってあって、まったくもってレーベルミノーなのである。
次は、ちょっと渋めのアメリカンルアーっぽいところを3つほど。上からヘドン社タドポリー。グデブロッド社バンピングラインド、クリークチャブ社ダーターでございます。
タドポリー、バンプあたりはオリジナルサイズを開高先生も愛用していた名品ですが、小っちゃいのもちゃんと作られています。
小っちゃすぎるとイマイチバランスが取りにくいのかやや渓流ではひっくり返っちゃったりしてあんまり使っておりません。
大きさの比較物がないと、ザラパピー、レッドペッパーベビー、ワンダー7、ファントム14グラムとかの「普通」のサイズと違いが分かりずらいですが、全部5センチ内外のサイズで、ザラポーチ、レッドペッパーマイクロ、ワンダー5、ファントムⅡ小なのです。
管理釣り場ではトップもよく使いますが、普通の渓流でもイワナは魚食性強いというか、食い意地張ってるのでペンシルとか使えますマイクロペッパーでは釣ってます。
小さいメタルジグは渓流では意外につかいでがあります。大場所で遠投したり、流のある淵でスプーンが流の抵抗で浮いてしまうような時にも底まで探れます。ジグミノーでも良いですが、渓流行くには1個入れておくと出番があると思います。
ミノーは各社から各種出ていますが、一番上がいつもカヤックシーバスで10センチを使っていたマリアのフライングダイバーの5.5センチ、ラパラのCD3、シュガーミノー3センチと、さらに小さいバスディのソリッドミノー。
縦になってるジョイントミノーはオリンピックのインチビック。これは後期型でリップがプラスチック。たしか古いのはリップが金属でした。80年代ころ重めのシンキングで小さいミノーってこれぐらいしか手に入らない時代であったと記憶しています。
90年代くらいからラパラCD5やらシュガーミノーが出てきてセイゴ釣りがはかどるようになった想い出があります。
日本のメーカーも、管理釣り場のマス釣りが流行るのにあわせて、今では膨大な種類のそれ用プラグが出ていますが、上のスミスのエルフィンシリーズあたりが元祖的存在なのかなと思います。ちなみにセミのクランクです。
もういっちょ、リアフックが無くて透明なシッポがジョイントされているのはデュエルのキリーフィシュ。キリーフィシュってメダカのはずだけどパーマークついてます。まあ、あんまり気にしてないのでしょう。気にせず買いました。
管理釣り場のマス用が多い日本製の小型プラグですが、ザウルスは真面目にギルを釣るために得意のトップのプラグを作ってました。その名も「ギルラ」。
2センチぐらいの超小型ルアーですが、それでもこのルアーをバッコシ咥えることができるギルは20センチオーバーとかの良型で、10センチ前後の群れてるギルはチュパチュパ吸いまくるわりにフッキングしないので、下のようにダブルフックを外してフライをぶら下げるという鬼畜にせせこましい釣り方をしておりました。
最後、小っちゃいルアー界で最強のポテンシャルとルックスを兼ね備えていると私が思う、レーベル社タドフライ。
オタマジャクシというか人魂のようなラブリーな見た目にとどまらぬ、小さいがゆえに魚に嫌われないという、釣る方の実力にも定評のある逸品。
すれた管理釣り場で浮かべておくと、ペレットと間違えてマスが食うという使い方をしておりました。
ギル釣りではまたも、後ろにフライをぶら下げてセコく釣っていた形跡が残っています。
「そこまでして釣りたいのかオノレは?」と聞かれれば、そこまでしてでも釣りたいとしか答えようがないです。
レーベルは小っちゃいシリーズとして他にもヤゴだのカエルだのも作っていて、この分野のリーディングカンパニーだと思います。
30センチを越えるようなGT用のペンシルから、2センチぐらいのギル用ルアーまで、ルアーってありとあらゆる種類がありますが、その辺の多様性もまた、ルアーの楽しさの一要因なんだろうなと、小っちゃいルアーいじりながら思ったところです。
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