2020年5月2日土曜日

おあげさんの実力


 人類史を紐解いてみると、農耕が果たした役割は非常に大きいことは論を待たないだろう。狩猟採取生活のころの方が、単位時間当たりの労働に対するタンパク質獲得量は多かったので良いもの食ってたって説も読んだことあるけど、タネをまいて計画的に生産できて、特に備蓄が可能な穀物を生産するようになって、人間は「もしもの時に蓄えておこう」という保険を掛けることができるようになって、蓄えるとソレを奪われないようにせにゃならんとか、余った分は売り買いできるとか、おとなしく獲れるモノを獲ってみんなで食ってりゃ幸せだったかも知れないのに、持つ者と持たざる者の差が生まれ争いも生まれた。現代でも世界経済を牛耳る存在に石油メジャーと呼ばれる企業群と並んで穀物メジャーなんてのがあるぐらいで、農業で計画的に生産して備蓄できる食糧の重要度は様々な意味で高い。
 などという小難しい枕から入ったけど、要するに釣りっていうのはプロの漁師が経済活動として営んだとしても、この21世紀において未だ引き継がれている純然たる狩猟採取活動の一種で、計画・安定なんてハナから期待するなという感じの出たとこ勝負であり、資源管理して持続的にっていうのは理想だし方向としては間違ってないんだろうけど、捕らぬタヌキのように漁獲物をアテにしているとスカくらってオマンマ食いあげるって話で、コロナ禍で”生け簀”とまで呼んでアテにしていた釣り場が実質封鎖になって、あっさりオマンマ食いあげてしまったワシがいかにして糊口をしのいだかっちゅうお話しじゃ。貧乏で食うモンねえって時には役に立つと思うので心して読むのじゃ。

 貧乏飯の経験は学生時代にたんまりと積んでいて、今も昔も基本は一緒である。まずは貧乏人は米を食えで、米炊いて自炊が基本であることは揺るがない。スパゲッティーやらうどんやら乾麺も安いけど米の方がなんでもオカズにしてしまえる万能性があって堅いのでまず米を炊く。
 そして安い野菜と、安い蛋白源をオカズに調理して食うんだけど、これがいま安い野菜の代表格キャベツと大根始め生鮮野菜が高騰しまくってて生け簀の封鎖と共に痛手だった。こういうときは値段安くて安定の”もやし”の連投でしのぐしかないとして、安い蛋白源とはなにか?と問われれば、それは昔っから変わらず鶏卵と各種大豆製品である。
 鶏卵ヘタするとワシが学生じゃったウン十年前と同じように1パック100円セールで売ってたりする恐ろしい価格の優等生。そのうえ美味いし栄養は”完全食品”とまで讃えられるほどだし、調理は単純に白飯の上にパカッと割って醤油かけて卵ご飯という簡単なモノから、卵白だけ泡立ててメレンゲにしてケーキを焼くとかの応用編まで多種多様な使い方ができる優秀さで、昼飯は特に食う獲物がなければ卵ご飯でいいやという感じじゃ。
 そして大豆製品、これまでワシャ大豆製品と言えば豆腐で麻婆豆腐、冷や奴、厚揚げをレンチンして鰹節とめんつゆかけて”即席揚げ出し豆腐”とかで堪能してきた。1丁50円から100円程度で食いでがあって腹持ちよくて味も良い。納豆もいい。


 でも最近見直したのが、なんかカスカスの腹持ち悪そうな雑魚キャラだ思っていた”油揚げ”が、なかなかにヤると言うことに気付かされて、何とかシロギスが釣れ始めてオカズ事情が改善されてきたけど、ソレまで一時期アゲ連投でしのがせてもらった。
 まずは、定番の味噌汁だけど、野菜の味噌汁に油揚げが入るだけで油っこさが付加されて格段に”オカズ値”が上昇する。
 ワシャ食通でも何でもないんで、飯なんぞ白飯に味噌汁で腹がふくれればとりあえず満足じゃ。
 で、この油揚げが割と汁気を吸って味付けが決まる、ッテことに気がついて色々とやってみた。


 簡単なのはフライパンでジュジュッと焼いてからめんつゆ掛け回してご飯に乗っけて冒頭の”油揚げ丼”なんだけど、これはちょっと惜しい気がする物足りなさがある。良い線行ってるんだけどもう一歩で化ける気配があるなと、化けさせてみた現時点でのワシの考えた油揚げ最強料理が”他人丼キツネ版”なのじゃ。ありがちな料理なので正式な料理名あるかもしれんな。
 親子丼の鶏肉をというかカツ丼のカツを油揚げに変換したもので、油揚げが汁を吸ってかつ適度に全体に油っ気がでて、卵と絡んで味も腹持ちも満足のいく一品に仕上がったと自負している。
 作る手順としては、フライパンにメンツユ適当に薄めて砂糖ぶち込んでお好きな味のタレを作って、その中に切ったタマネギと油揚げをぶち込んで煮立てる、写真のは日持ちしないもやしも余ってたのぶち込んでもやし入り版になっている。
 適度に火が通ったら卵を割り入れてグチャッと適当にかき混ぜて良い塩梅に火が通るチョイ手前で火を止めて蓋をして卵を好みの状態に固めて、あとは丼飯にぶちかまして食う。うまいゾ。

 これ油揚げをクソ安い鶏皮でやっても”廉価版親子丼”って感じで美味かった。ただ鶏皮は年寄りには脂っ気が多すぎてちょっとお腹下した。若い頃のようには鳥獣肉の脂が消化できなくなってきているようで寂しい。トンカツ屋でヒレカツ食ってるようなオッサンを密かに軽蔑してたけど、ひょっとしたらワシもうロースのトンカツはよう食わんかもしれん。
 貧乏飯っていっても、米と卵と大豆製品が買える程度の貧乏なら十分楽しめると思ってて、魚の供給が長期間途絶するようならシリーズ化して、他にもあまた学生時代に開発した貧乏飯レシピとかあるので紹介しようかと思ったけど、ありがたいことに紀伊半島は魚が多くてそこそこ釣るものはあるようなので、また不漁になったらその時に披露することとしたい。
 今ワシの月の食費は1万円台前半から1万5千円ちょいぐらいの間で落ち着いてきていて、魚釣って食ってるってこともあるけど、この程度の食費でも割と美味しいモノ腹一杯食べてます。

2020年4月25日土曜日

日本人の精神性は「欲しがりません勝つまでは」から変わっちゃいねぇんじゃねぇのか?

 我が家の”生け簀”こと近所の漁港に「釣り自粛」を求める看板が立ったことは、すでに”顛末記”でご報告のとおりで、まあ文句言ってもシャアないので渋々従うわけだけど、こういう人の楽しみを制限する側の人間の思考って、緊急事態だからって今回は言うだろうし、そうじゃなくても普段から安全面を配慮してとか、なんとなく正しそうな理由を錦の御旗に、正直制限かけたところで対した意味ねぇだろって状況でも、不要不急の”遊び”のことだから生け贄にして不満持ってる人達のガス抜きにでもなればいいやぐらいの認識で”いともたやすく行われ”ためらいもない感じがする。
 釣りごときに、人生のほとんどの情熱と、釣りしない人間からは想像できない時間を費やしてきた人間にとって、釣り場を奪われることがどれほどの苦痛で損失かということが全く想像できていないだろうと思う。当たり前だ、そっちが”普通”の感覚だもんナ。
 そのことは仕方ないと思っている。ワシが異端であり、迫害されてもなお求め続けて何とか釣りを楽しみ続けることが自分の聖戦だと思っているぐらいで、この程度のことどうにかできずにナニが”釣り師”だと思う。
 だから個別の案件として今回の近所漁港の釣り自粛については、いまさらガタガタ書くつもりもない。
 ただ、日本全体として「この緊急時に楽しいことをするなんて不謹慎である」っていう雰囲気が根強くあって、ホントに第2次世界大戦時の我が国の「欲しがりません勝つまでは」とか「贅沢は敵だ」とかと相似の精神性で、あいもかわらずまったくもって気色悪いったらありゃしない。
 今戦時下にも比べうるぐらいの非常事態だということは言っていいんだと思うけど、そういう非常時にこそ、我が国国民独特のいやらしい島国根性が露見してきて、「1984年」とかのSFに描かれた、気色の悪い監視社会型のディストピアが”ネットで晒す”って行為に代表されるような体制側でも何でもない一般市民の行いで顕現しつつあっておぞましいったらありゃしない。
 感染者の住所氏名特定して家に石投げるとか”島国根性の因習”と認定するに相応しい陰惨な行いだと思うし、営業停止を求められてた店が営業中なのを通報するってのはまあ”正義”様の行いなんだろうけど、それが行政機関に何百件ってくるってのは、あきらかにキチガイ沙汰だと感じるんだけど、そういう市民同士の監視・対立構造はもろに戦中の”隣組”だっけ、相互監視と連帯責任で自由を奪った気色の悪い仕組みが連想されて仕方ない。これ、体制側が煽ってるって部分はなきにしもあらずかもだけど、むしろ自然発生的だよねっていうのが尚更怖い。
 まあ、海外でも新型コロナウイルスが流行し始めた時に”欧米先進国”様でもアジア人差別があったみたいだし、我が国だけの話ってわけじゃないらしいのが救いようのないすくいだろうか。

 新型コロナウイルス感染症対策について、ワシごときが素人考えでどうこういう知識もないし、基本専門家やら政治家やらにお任せで、個別に腹立つようなことはあるけど全体としては、諸外国の状況やら対策やら見つつ、感染防止と経済活動を天秤にかけてというか利害ぶつかる人達の間で勝手にどっかで綱引きやって、この程度の対策になるべくしてなってるんだろうから、ほぼ人ごととして「頑張ってくれ」としか思わん。まあこんなもんでしょ。
 あと、医療現場の人とか生活必需品売ってる人やら運送業の人とかには当たり前だけど心底感謝する。もひとつ当たり前だけど、感染した人にはお気の毒にと思ってお見舞い申し上げるし、亡くなった方にはご冥福をお祈りする。

 そういう状況の中で、遊びで外に出るのは不謹慎だ、直接生活に関係ない娯楽に関しては経済活動もナニもかも自粛するべきだ、っていうイヤーな同調圧力を掛けてくる勢力があって、ワシャ真っ向からソレについては異議申し立てする。噛みつくから覚悟しやがれ!
 国中が非常事態になる事態の代表といえば戦争なんだろうけど、戦時中に花を作っていた農家が「非国民」となじられて、芋だの腹に溜まるモノを作るように指導されたけど、花を作ってた農家は「心にも栄養が必要なのに」って悲しんだっていうのが実話だか創作だか忘れたけど心に残っている。全くその通りだよなと思う。
 開高先生のエッセイでも市街戦とか泥沼の状況にあったベトナム戦争の時にも、攻撃が止むとどこからともなく市場には花が入荷して芳しいその花を市民達は楽しんでいた、って書きとめていたと思うけど、メシ食ってクソして死ぬだけが人生じゃなくて、美しいモノや楽しいことを享受してこその人生で、それは非常時だろうがなんだろうが、むしろそういう時こそ必要なんじゃないかと思う。
 感染爆発してどうにも奈良漬けの正念場の短期決戦ならともかく、現時点の日本での新型コロナウイルス感染症についてはイタリアで起こったような極端な医療崩壊も起こしておらず、アメリカのような感染爆発もまだ起きていない。運が良いだけで今後そうなるかもしれないけど、ワクチンとか治療方法が確立するまでながけりゃ数年の間、感染数0に抑えるなんてのは経済活動0にするわけにいかないし、北センチネル諸島でもなきゃ現実的じゃないから、それまでいかに爆発的感染拡大を起こさずに医療崩壊を回避して死者や感染者数を抑えて、かつ経済的な打撃もなるべく少なく済ますっていう長期戦なんだろうと素人でも分かる。そういう長期戦では息抜きもないと人間もつわきゃない。

 なにも、この疫病流行時に観客集めてお祭り騒ぎしろって言ってるんじゃない。スポーツが無観客試合になったり、コンサートツアーとかが中止になったり、夜の濃厚接待のあるお店が営業自粛を求められたりは申し訳ないけど仕方ないと思う。でも、人混みに行くわけでもなく、たいして感染の危険度もない、例えば気晴らしに出かけて人と接しないで帰ってくるようなサイクリングだの散歩だのまで自粛せにゃならんのかね?
 今の状況でも楽しいことを諦めないっていうのは絶対大事。
 今どきならスポーツとか音楽とか観客入れずにネット配信で有料にして儲けるってのは良いジャンって素直に思う。自宅待機で娯楽に飢えている人々の需要はあるだろうしダレも困んねえジャン。
 だから、まさに私めもお金払わせてもらっているアベマTVで先日「ロードトゥワン2」という格闘技の興行がネット配信のみで無観客で行われたので、やっぱめざとい人はいるんだなと諸手を挙げて歓迎して視聴させてもらった。
 ところが、実況の人もずいぶん説明に時間を掛けていたけど、無観客でさえ格闘技の興行を行うことにずいぶんと「賛否両論」あったようなのである。
 そら格闘技だから、濃厚接触は発生するけど、そんなもん事前に医師の検査とかである程度の安全性は確保するんだろうし、選手審判以外の人間は防護服に身を固めた物々しい出で立ちで、別の場所でモニターしてる解説の大沢さんと実況担当の人も長机2つ使って距離を離して中継していた。
 現時点で取れるべき対策を全て行った上で実施しています、という説明だったけどそこまで物々しく大仰にしなければ許されない状況なのかと強烈な違和感を感じた。
 テレビドラマとかも撮影中止しているとかネットニュースの見だしで目にしてたけど、その時はドラマなんて見もしないので関心がなかったけど、よく考えたらドラマ撮影ってそんなに不特定多数が濃厚接触する現場なんか?多分違うだろ?なんかあったときに叩かれるし、何もなくても視聴者様に「ドラマなんて必要不可欠でもないだろうけしからん」って叱られるからやりたくねぇって話だろうという気がしてきた。根性ねぇな地上波TV局は。
 そう思うとネットTVならではの自由さと挑戦性を遺憾なく発揮したアベマTVは立派だと褒めてつかわす。アベマTVは番組表の時間割り通りの放送は基本無料で視聴できるけど、ワシャ後からでも視聴できるプレミアム会員様であり会費払ってるけど、こういう挑戦にワシの払ろたお金が使われるっていうなら誇らしいぜ。今後も金なら払うんで頑張ってくれたまえ。
 試合自体は、コロナ禍で興行がなくなって試合中止になった選手とかを引っ張ってきたりしてて、急ごしらえ感があってショボい試合もあったけど、格闘技の試合なんて過去の試合以外しばらく見られないと思ってたので”時価”的に価値のある放送だったと思うし全体的にはとても面白くて楽しめた。
 最後、メインイベントを戦った、今回の仕掛け人らしい青木選手が試合後マイクを取って「オレは死んだって良いんだ、死にたくないヤツは家にいろ、負けたくないヤツは戦うな、でも生きるってことは目の前にあることと戦うってことだろ」って覚悟を語ってて、この人正直ちょっと嫌いな選手で、独善的なモノの言い方とか考え方とか、そういう”悪役”っぷりが売りなんだけど、今回の言葉には正直感動させられた。
 彼にとって格闘技がそうであるように、ワシにとっての戦いは”楽しく釣ること”だよなと凄く共感できた。
 たぶん、ネットとかで「今格闘技の試合”なんか”やってるときか?感染の確率0にはできないなら不要不急のことをやるべきじゃない」とか”社会正義の戦士”様にさんざん攻撃されただろうことは想像にたやすい。
 格闘技”なんか”、釣り”なんか”って口にする輩は、じゃあオマエらナニが大事でなんだったら必要だって思うんだ?経済か安全か健康か?そんなもんワシャ経済”なんか”感心ねえし、安全も健康も、最悪売れるなら売っぱらってでも「釣り」で手に入れたいモノがあるぞ。自分の大事に思うモノが一般的で共通認識を得やすいからって、少数者のやむにやまれぬ情念を一顧だにせず踏みにじって良いってもんじゃねえゾ。っていつも怒りを覚える。
 今回の興行は、そういう少数者である格闘技好きのためにやってくれて本当に良かったと賞賛する。もちろん感染のリスクはある、選手一人が死ぬ覚悟があるからといって、感染した選手が死ぬまでに他の人にうつす可能性を考えれば社会的には危険を含んではいたと思う。それでもなお、可能な範囲で感染の危険を避ける対策を取って、私のような格闘技ファンに楽しく興奮する時間を提供してくれた功績は大きく、危険の小ささと楽しさや利益の大きさを比較すれば、現在の状況であればこのぐらいは認められて良いと思う。この程度のことが許されないほどまだ切羽詰まっちゃいないって思ってる。
 正直、数日後どうなってるのかさえ分からん今の状況で、危険度が大きい”お楽しみ”は我慢するとして、まだそれ程危なくない遊びは楽しんでおかないと、ナニもしないうちにナニもできなくなっちゃうよって思ってる。
 要するに程度問題で、アホみたいに自粛すりゃ良いってもんじゃねえでしょ。様子見ながら行けそうな所までは行ってみようよ。その時の”程度”の見極め方にアンタの品格が問われるってところだろ?
 巣籠もり中に室内でできる暇つぶしを考えて、写真や動画撮ってSNSに上げてみんなで楽しむとかいう、とても正しく非の打ち所なく推奨されるようなことができる限られた”エリート陽キャ”様もいるんだろうけど、ワシらみたいな”底辺陰キャ”にゃそういうのはちょっと難しいンですわ。ワシ”釣り”取り上げられたらその場で干上がるような粘着質に執着してる依存症的な人種なんでね。やれるようにヤるしか仕方ないよね。あんまり人様に迷惑掛けすぎないようにはするけどお下品に好きなようにやらしてもらいまっさ。

 安全・健康とかを至上の命題のように掲げて怪我しないように長生きするように、危険を冒さず旨いモノも食わず、ストレスも避けて生きてる人間の人生って、ナニがおもしれぇんだろう?って常々疑問に思っている。いつもそういう人間の主張を聞いたり目にしたりする度に「コイツら、安全に健康に管理されて出荷される家畜と同等だな」と心底バカにしている。家畜なら黙って与えられた飼料だけ食っとけ。人様にエラそうに同調圧力かけてくんな。

 人間が本気になれるのは遊びと危険だけだそうである。絶望の中にもヒリつくような快楽が潜んでいるそうである。
 危険をさけて、なにも対価を支払わず、そのくせ何かを得ようだなんて虫が良すぎるって話。

 チョットぐらい不謹慎なことも楽しもうぜみんな。なにかちょっと犠牲にしてでもさ、っていうのが今回の私の言いたかったこと。異論はあるだろうけど、反論しにくい”正さ”ッポイ何かを掲げてモノを言ってくる声のデカい馬鹿にネットの隅っこででも抵抗しておく人間が居た方が良いと思って書いちょります。

2020年4月19日日曜日

そろそろ妄想から脱出したい 妄想タックルボックスカヤック編


 天候やら体調やらがイマイチでカヤック出撃が遅れているけど、そろそろ最初はチョロッと港の外まで出て、船体とリヤカーと自分の体の様子を見るだけでも良いので漕ぎ出したいところ。
 狭い船上に持ち込める道具は限られているので、絞らなきゃならんのだけどアレコレ妄想しながら準備しているとどうしてもルアーとか増えていくのは止められない。そのあたりはオイオイ絞っていくとして、まずはこんなモンかなという感じになりました。
 ルアーとか仕掛けとか準備していると抑えきれずタギってくるモノがある。楽しい。
 とくに久しぶりにロキネットの出番だなと思うと、この北欧産の大型のタモに見合う獲物を釣らねばなと気合いが入る。まあ最初はキスかカサゴからだけどナ。
 先代ロキネットは陸っぱりエイ釣りに行ったときに忘れてきてしまい紛失したんだけど指名手配かけてたら、中古屋で見つけてわざわざ確保していただき届けてもらったブツで、とても嬉しかったし、なんだかとってもゲンの良い二代目なのである。


 ルアーは固いのと柔らかいのどちらも用意。堅いのは朝一とかにとりあえずぶん投げるのかなというぐらいで、ナブラでもない限り当面は出番少なめかもしれないけれど、膨大な在庫から開幕一軍選手を選んでると楽しいので結構な数になってしまった。
 トップはメジロ連れてきてくれたザ・スプラッシャー140はややキスとガシを想定した竿で投げるには重いのでデュオ版の120を、ペンシルは、ダイビング系がジャンピンミノー大とソルティーレッドペッパー、首振り系がソリザラとバドンカドンク、春は餌が小さめってこともあるかもで内房のワカシには絶大な効果があったザラパピーと紀伊半島では好釣のレッドペッパーベイビーも入れてみた。このあたりの小型ペンシルも、カヤックはエンジン音しないせいか泳ぎの達者じゃない小さめの餌に付いたナブラがあれば超接近戦に持ち込めるので飛距離出なくても使える戦力となる。
 ポッパーはいつものチャグバグ小にポップクイーンとスリックポップも入れてみた。
 ミノーはあんまりシーバス障害物際狙いっていう状況はないと思ってるので、基本良く飛んで良く動くタイドミノースリムとフラットラップがあれば良いかなと思うんだけど、一応Fマグ微乳チューンと懐かしのフライングダイバーの赤はお守り的に持っていく。小さめのはアスリートシンキング7。
 あとはバイブレーション、ジグミノー、メタルジグ、クルクル系は沈めて狙う系なのである程度海底地形とか魚の付き場がわからんうちは出番ないかもだけどと一応入れておく。ジグミノーとクルクル系はナブラにも実績あり。あとイカが見えるぐらいにいたら投げるのに餌木一個、そして地磯に向かって投げてたらベラ系とか根魚釣れるンじゃないかと期待しているスプーン何枚か。珊瑚礁で効いて紀伊半島の地磯で効かないってこともないと思ってるんだけどどうだろうか?

 柔らかい方の、根魚狙用のある意味今回の主戦力であるワーム達。
 まあワーム自体はガルプのパルスワームの派手な色と東北の根魚には卓効のあった赤を中心にエコギアアクアのザリガニ系とかも適宜という感じ。まあワームはなんでも釣れるでしょ。
 むしろ肝は仕掛けの方で、東北でも使ってたナツメオモリ3~5号ぐらいのテキサスリグに加えて、根掛かり多いところを狙うのにテキサスで横の釣りを展開してしまうと根掛かり地獄にはまりかねねいので、カヤックだし真上に付けて上下で誘う釣りもやってみるべく胴付き仕掛けも準備した、ハリスには冷蔵庫に残ってた最後の”RTE”を投入。RTEは生分解性ナイロンだけど冷蔵庫の低温乾燥状況で保管してあったので実用上問題ない程度に強度は保たれていた。
 カヤックの上では作り直す作業領域が限られるのであらかじめ作って発砲やらダンボールの仕掛け巻きに巻いておく。仕掛け使い切ったらそれだけ海汚したってことなので釣り終了で退場する。ここでも難しいけど根掛かりゼロは目標に掲げねばなるまい。海底地形が把握できてくれば、むしろメタルジグとか着底を一瞬で済ませる系の早い釣りの方が根がかり少なくできるかも。フックだけ切れるようにするとかそのへん工夫もできるだろうし、そのへんも考えていこう。


 キス釣りは、一応2本バリの市販の船用キス釣り仕掛けも蔵にあったので用意したけど、基本は天秤に1本バリでシンプルにいくのがカヤックでは絡んだりの面倒がなくて良いように思う。
 餌はキス釣りには虫餌が欲しいところだけど、虫餌保存効かないし良い値段するしで、自分で掘ってくるとか考えてみても良いけど、とりあえずはオキアミでも釣れることは確認済みなのでオキアミでやってみる。ハゼ釣りで脈釣りするのにオキアミ餌は餌だけ取られそうで自信ないけど、シロギスは居食いより食ってひったくる系のアタリが多いので何とかなるんじゃないかと思っている。アグリースティックのグラスソリッド穂先が絶妙にアタリ拾って掛けてくれると期待している。シロギスが安定して釣れてくれるとありがたいんだけどどうなることやら。こればっかりはやってみんと分からん。

 狙う場所としては、まずはカヤック漕ぐ筋力やらも回復させねばなので、いかにも良さげな湾口の岬とかまでは行かず、絶対マイボート組がわざわざ立ち寄らない、港出てすぐの砂底と地磯のできるだけ岸ギリギリの浅い所を攻めたい。
 東京湾でも、そういう海と渚の間的な隙間がカヤックでは狙い所だったので紀伊半島でも同様に人様が釣り落としているような魚を拾いまくっていくことをまずは考えて釣ってみたい。
 天候と体調には注意して安全第一で。いざいざ尋常に勝負!

2020年4月12日日曜日

釣り人が竿を選ぶのではない、竿が釣り人を選ぶのだ


 選ばれてあることの恍惚と不安と二つ我にあり、などといってもその竿がアグリースティックならばたいしたことはない。
 カヤックに持ち込む竿は、”なんでも釣れまっせ”なアグリースティックにお願いすることにしていて、多分最初は根魚系を釣ったりキス釣りしたりぐらいの可愛らしい感じの釣りになると思うので、シーバスに使ってるアグリースティックエイリートのミディアム7フィートがそういう”なんでも竿”なので、ガイドの換装も済んでるし、予備竿として先代のアグリースティックライトのほうもついでにガイド換装してあるしで、いつでもいけまっセな状態で、リールはこのクラスには底取ってワームやらジグやらしゃくることを考えると久しぶりにPEラインの出番で、ファイヤーラインの1.2号を巻いた4400ssを投入予定である。
 で、たぶんこの地の海は、釣ってるうちにわりとシャレにならないドン引き系の獲物も狙えるようになってくると思うので、その時はデカシーバス障害物周りで狙ってたときのアグリースティック6.5fあたりを出すんだろうなと思ってたけど、予備竿も欲しいなと昨年ネットオークションとかチェックしていた。

 良いのがございました。「アグリースティックSPL1102 7'0LITE」ライトとか書いてあるけど嘘です。シイラ竿ぐらいの強さを想像していただければだいたいあってる。
 ライン指定が6~15LBと異様に広くなっております。竿先グラスソリッドでそこそこ小物も釣れるしバットど太いのでシイラカツオ青物関係やれます。っていうか不安定なカヤックの上ではドラグ値それ程上げて止めまくる釣り方は難しいので、多分このあたりが竿の強さの上限で、あとは巨大な獲物が掛かったらカヤック引っ張らせてやりとりするとかそういう方向性に突っ込んでいくんじゃなかろうかと思ってます。まあ1m、10キロぐらいまではこの竿あたりで普通のやりとりの範疇で何とかなるでしょう。リールは4500SSにPE3号かナイロン16ポンドの予定。
 ありがたいことに多分2000年代当初あたりの製品だと思うけどこの時代の海で使うようなアグリースティックにはちゃんとした酸化アルミ系の灰色のハードガイドっぽいのが付いていて、換装せずに使っても問題ないのは愛用していた6.5fで確認ずみ。
 それが某オークションでお値段なんと1000円スタート、多分ダレも入札せんから送料入れても3000円行くか行かないかだろうという予想通りに落札して、待つことしばしで発送されてきた現物を継ごうとしてみて唖然とする。

 「スカスカやんケ!!」

 どうにも継ぎが甘くなってるっていう話じゃないぐらいに継ぎの太さがまるっきりあってない。間違いなく別の竿の1番と2番である。長さも穂先の方がやけに長い。
 面倒くせェことになったなと思いつつ、出品者に連絡入れて送料向こう持ちで返品の手続きに入ったんだけど、ふと「そういえばこの業者さんもう一本アグリースティック出してたな」と思って、画像確認してみるとこちらは穂先の方が短くて、これまず間違いなく2本が混ざってしまっている。
 こうなったら仕方ないな(なにがしかたないのか分からんけど)と、倉庫のガラクタ整理を依頼された中古何でも屋さんらしい出品者さんに連絡して「今500円開始で出てるヤツと今手元にある竿は混ざってる。一番簡単なのは私がソレを落札してこちらで正しい組み合わせの2本にしてしまうのが早い。逆に私以外が落札すると必ずクレーム発生する」と話しを持っていったところ、先方もそうしていただけると助かるということで、500円で即決にして送料もちょっとオマケして送ってくれた。
 竿在庫が増えてしまうが仕方ないよネ。向こうもこっちも一番利がある処理だったと自負している。これはきっと我が家に来るべくしてきてしまったんだもんしょうがない。
 短い方の竿は「アグリースティックSPL1102 6'0LITE」となっていて、これは本当にライトって感じの竿でエリート7fミディアムの短竿版ぐらいの強さなんだけどライン指定は8~20LBとなってて20LBはさすがに無茶やろ?といういい加減なライン指定。でもガイドがダブルフットだったりしてPE2号とかでドラグ締めて短さも生かして根魚底から速攻剥がす釣りとかには良いかもしれん。

 アグリースティックはこの時代の、ハードガイド系のまともなガイドが付いている時代のが最強だと思っている。でも同時代の淡水用クラスのガイドはフットが弱くてリングが外れたりした。そのへんの違いとか人気のある竿じゃないので全く情報なくて結局手堅いのは現行モデルを買って、ガイド全部換装なのかなとワシも思う。
 アグリースティックもピュアフィッシング傘下にあるけど、そのへんどうにかしてくれと切に願う。アグリータフガイドはあかんかったヨ。

 とにかく丈夫で使用範囲が広い良いブランクスなので、ガイド取っ替えのめんどくささがあるにしても、基本陸っぱりやカヤックでは竿は1本しか出さないので、特にカヤック用としてはナニが釣れるかわからんうえに、ナニも釣れずにベラだのキスだのオカズ釣って帰らにゃならんッて時にも対応できて”コレしかない”というぐらいに惚れております。
 確実に”使う人を選ぶ竿”の部類だと思うしワシ選ばれてしもて難儀やなぁとも思うけど、短所の重くてダルいのの我慢とガイド交換さえ対処できればメチャクチャ優秀だということは間違いないと思ってる。あと現行モデルはだいぶ軽くてシャキッとしてきている。
 けど、日本じゃ売れないだろうしガイドだけまともなの付けたジャパンスペシャルをって言っても無理だろうな。ピュアフィッシングジャパンさんが在庫抱えて途方に暮れるのが目に見える。とりあえず我が家の備蓄は充実しているので良しとしよう。

2020年4月4日土曜日

出航準備は完了せり!



 そろそろ温かくなってカヤック出すには良い塩梅の陽気になってきた。
 振り返ると、2016年の秋に出したのが最後で、その時も2年ぐらい間が開いて久しぶりにカヤック出したけど魚釣れずって感じで、その後調子崩して愛艇であるカナダの名門フェザークラフト社製「JAVA」は物置でずっと眠っていた。
 というわけで、まずは保管中に劣化してしまったりして不具合生じてないかのチェックから始めて、準備を進めてきたわけだが、組み立てて空気入れてみたところどこも問題なく船体はすぐに使える状態で、大枚はたいて購入したけど長く使い続けることができて価値のある買い物だったなと思う。

 「JAVA」は空気の入った4本のチューブを浮力体に使いつつ、骨組みはアルミフレームの構造で、安っすい”ゴムカヌー”とは一線を画する、軽量な構造ながら必要充分な剛性を持ち、直進性や航行能力に長けたなかなかの性能を誇り、かつ体育座りで乗れるシットオントップ型で乗り降りが簡単で、右の写真のように折りたたんでの携行性にも優れるという、いろんな点で実に魚釣り向けのカヤックだと思っている。嘘だと思ったら過去のカヤック釣行とかで確認して欲しいけど、カヤック本体をゆうパックで遠征先の宿に送りつけてとか、車から離れた場所でも軽いので担いでいってチョットした場所があれば水に浮くことができるとか、機動性抜群の使えるカヤックなのである。

 このカヤックを移住先でも使うために、海のそばのなんなら有名な京都”伊根の舟屋”みたいな、裏口開けたらすぐ海的な物件も探したんだけど、さすがにそんな都合良い物件は見つからず、でも、今借りている家の1階はもと事務所スペースで、現在床を剥がしたコンクリ剥き出しの三和土状態の物置になっていて、ここをカヤック中心とした海遊びの基地とすべく、潮にまみれて帰ってきても良いようにブルーシート敷いて準備してある。冒頭写真のように、基地の中でカヤック組み立てても大丈夫なぐらいの広い作業スペースが確保できていて、とっても良い物件を借りられたモノである。雨の多い土地柄、この基地で洗濯物の部屋干しができるのも地味に評価できる。
 ただ、カヤックをおろす場所が漁港の岸壁なら歩いてもたいした距離じゃないんだけど、垂直岸壁から船出するには滑車かなんかを使った艇を吊りおろす方法が必要になりそうで面倒臭い。
 まあ、普通に考えるといつも釣りしているN川やI川の河口部なら軽いJAVAなら問題なく人力で上げ下ろしできそうな場所があるので、そちらから出航したいんだけど、若干距離があって背負子で荷物背負って自転車で何往復かするとかは面倒臭い。
 なんとかならんのか?と出航場所近くに物置小屋を置く場所を借りるとかも考えたけど、手続き諸々よくわからんので、もう一つ思いついた”自転車にリヤカーを引かせて1度に運ぶ”という方法でやってみることにした。


 農作業用とかで意外に需要はあるのか、ちょうど良い大きさのアルミ製リヤカー自体は通販で手に入るんだけど、自転車への接続器具が付いているモデルが少なく、たまにあると妙にお高い。仕方ないので今回は人力想定のリヤカーを買って、牽引用の自転車への接続は別途工夫することにした。
 具体的には右の写真の様な感じにとりあえずしてみたんだけど、問題生じたらまた改良しながら運用していくんだろうなと思っている。
 サドルポールにリヤカーのハンドルを引っかけるのに、自転車ハンドルなどにスマホを取り付けたりするためのパチンとガッチリとした金具で留める「アクセサリーホルダー」がちょうど良さそうなので、それとサドル下部でリヤカーのハンドルを離さないけど自由度はあるという状態にして、さらにリヤカーのハンドルの握りの真ん中へんが常にアクセサリーホルダーに引っかかってる状態を保つため、ハンドルにはクランプを2個噛ませて左右のズレをクランプの間のある程度の幅で収めるようにしている。
 着脱もアクセサリーホルダーの留めをパチンと外せば簡単にできて、通常自転車モードにも即時変身可能。ちょっと家の前を試しに走った分には何の問題もなさそうだけど、どうなることやら。
 積載量も、写真のカヤック関係の他に、釣り具と飲み物と獲物を収めるクーラーが入るぐらいの余裕はまだあって、カヤックにテント積んでちょっと”船旅”ってときでもリヤカー自体は積載重量80キロと言うことで上に積んでベルトで縛って運べばいけそうな気がしている。

 あと、ウェーダーの穴塞いでおきたいとか細々した準備はあるけど、べた凪の予報の日をまって出撃して新しい扉を開いてみたい。
 といっても最初は海底地形とかの把握のために、シコシコと底をとってガシとかまだ釣れていない噂のオオモンハタとかのオカズを釣りつつ、情報を集めて、ゆくゆくは鯛やヒラメの舞い踊り、青物、シーバス、大型根魚、可能ならサメまでたどり着きたいとか思ってると、思わぬ魚が射程距離内に入ってきて、また”来た魚を釣る”ことになるんだろうなという予感がしている。
 とりあえず、油屋さんのタンクのあるところとか近づいちゃダメそうな所もあるので、そういう接近禁止な場所の確認やら、漁業権の確認やら遊漁者の守るべき規則やらも勉強せねばなので、一度海上保安署に行って聞いてみるのが早いかもしれない。

 久しぶりなので体が持つか不安もあるけど、カヤックは膝はそれ程使わないので、ぶり返しつつある膝痛を回避するにも”座って”できる釣りの手札は増やしておいて損はないだろう。
 カヤック出さなくても、そこら辺で魚釣れてるって話もあるけど、出せばまた新しい展開が待っているに違いなく。事故だけは起こさないように安全第一で楽しんでみようと思っている。
 こちらに越してきて、昨秋感じてたんだけど、リアス式の天然の良港だけあって波風強い日が少なくて、この地はカヤッカーにとって祝福された土地なのかもと、ちょっと感じている。

2020年3月29日日曜日

気持ちよく一皮むけます



 マアジと柑橘類をほぼ毎日いただいておりますところなんだけど、あると便利な皮剥き器具が大活躍しているので、是非皆さんにもご紹介したい。

 まずは、写真右のデッカい毛抜きのような器具だけど、本来は魚の中骨抜きとして売られていて、私も当初アカカマスの中骨を抜くのに買ったんだけど、ワシ中骨ぐらい気にせず美味しくいただけてしまう人間であることが判明してしばらく放置してあった。ステンレス製のしっかりとした作りで値段も千円以上してたのでもったいないなと思ってたんだけど、これがマアジの皮剥くのに使ったら抜群に使いやすくて買って良かったと見直したところである。


 それまでは、まず3枚におろしてから指で皮を摘まんで引っぺがしていたんだけど、それだと結構お腹の辺りの美味しそうな部分が皮にひっついてしまって、もったいないので結局包丁使ってチマチマと回収したりとイマイチ効率的じゃなかったのでどうしたモノかと思っていて、アジを捌くのに頭落とした状態から皮を引っぺがしてスプーン状の金具で身をこそぎ落とすような器具が売られているのは知ってたので、とりあえず引っぺがしてみるかと試してみたら、思いのほか上手く皮が剥がれてあんばいが良い。
 右の写真のように、左手に頭落として腸を抜いたマアジを軽く握って、やおら”中骨抜き”の先端を皮と身の間に突っ込んである程度力任せに引っ張る、そうすると何故かあれほど皮にひっついてきて困った身が骨側に残って、皮はベリベリという心地よい感触を残して綺麗に剥げてくる。途中失敗しても再度つまみ直して引っ張れば大丈夫で、剥き残しができそうに思うけど、不思議なぐらいに綺麗に片面剥ける。
 片面剥けたらひっくり返して反対側も剥いて、頭腸抜き皮なし”皮剥きドレス”状態にしてから、あとは普通に三枚におろして刺身なりタタキなりナメロウなりお好きなように。
 皮剥きドレス状態からスプーンで身をこそげ落とすのも試してみたけど、特に新鮮で身が締まってると意外に難しいうえに身がグチャッとなりがちで、今のところは包丁でおろしている。おろすときにあばら骨避けてシュッとおろすのも上手にできるようになってきたけど、ワシさっきも書いたように小骨とか気にせず食べる方なので、あばら骨ごと最近は食べている。その方が歩留まりが良い。
 ちょっとコツをあげるとしたら、左手で握るときの握り方で、あんまりギュッと握ると身がグチャッとなりがちだし鮮度衛生面でもよろしくなさそうなので、軽く握って臀ビレ(裏返したら背ビレ)の棘を小指の付け根から手相で言う感情線のあたりに引っかけて、アジの身が手のひらにあまりベタッと接触しないように持つと、手のひら傷だらけになるけど良い感じにできると思います。
 いま近所漁港で釣れているマアジは20センチ弱が主体で、5,6匹捌けばオカズにゃ充分で、捌いた後包丁に脂が残るぐらいのいい脂のノリ具合で、いい加減飽きてきたと思っていても食べるとやっぱり美味しくてドンブリ飯が進むのであった。


 もういっちょは、以前にも紹介した柑橘類の皮を剥く器具で、昔は「ムッキー」の名前でダンボール買いしたハッサクのオマケとかで付いてきたんだけど、今その名前で別の商品が売られていて、こちらはその名前では呼ばれていないようだ、皮剥き用の”コトリ”とか呼ばれている。
 紀伊半島は柑橘類の栽培が盛んで、年中直売所で季節の柑橘が安く売っていて、まさに地産地消で美味しくいただいている。冬のミカンが終わってポンカン、ハッサクときて今は写真のキヨミという品種が主になっている。この地に越してきて始めて食べた柑橘だけどハッサクのような分厚い皮と大きな実にミカンのような柔らかい身が詰まってて、ミカンより酸味が効いててなかなかに美味しい(今ググったら温州ミカンとオレンジ掛け合わせて作出されたらしい)。
 皮剥きコトリの使い方は簡単、クチバシの部分を皮に差し込むと鳩胸の部分がつかえてちょうど実に届くか届かないかぐらいの深さに切れ込みが入れられて、皮を4つにパカッと割って、実を取り出して美味しくいただけるという仕組み。
 しばらく手に入らなくてペーパーナイフを深く刺さないように摘まんで皮剥きに使ってたけど、ネットフリーマーケットで出品されているのを見て無事確保。
 これ新品買おうとすると、前述のように果物屋さんがおまけに付けるような安い商品なので10枚セットとかになってて、ちょっと二の足を踏んでいた。
 単なる樹脂製のちゃちい道具なんだけど、とっても良い仕事してくれます。

 都会に住んでいると、金だしゃなんでも食べられるけかもだけど良いものは結構お高くて、田舎暮らしだと格段にお安く旬の美味しいモノが食べまくれて贅沢な食生活がおくれている。同じものを食べ続けるのが割と苦にならない人間なので安い、あるいは自分で釣ってくることができる食材を鱈腹食べていけば、とても良い塩梅なんじゃなかろうか。

2020年3月21日土曜日

長竿の物理


 竿は短めが好きである。短い方が取り回しが楽だし、操作が正確にできる気がするので、そもそも釣り方からしてほとんどの釣りで接近戦特化型なので短い竿ですむなら短めで済ましている。延べ竿でも3m台ぐらいまでは多少重くなるグラスロッドでも釣るのに問題なく、グラスの延べ竿ぐにゃっと曲げて小物釣りとか釣り味最高なので可能ならその長さの竿を使っている。
 アジ釣りも棚が一ヒロ半ぐらいと浅かった秋には3.3mのグラスの延べ竿で釣っていた。
 ただ、長竿じゃないと届かなければ長竿にせざるを得ず、最近の船だまりでの釣りでは棚が深く5.4mの小継ぎ渓流竿を使っている。
 長い延べ竿の出番って案外少なくて、距離を稼ぐ必要あるならリール竿の出番だと思うので、ほぼ深棚の釣りにしか使ったことがない。深棚の釣りでもリール竿を使えば良いんじゃないかと試してみたけど、軽いオモリの仕掛けを遊動式の浮子で素早く沈めるのが難しかったりして、へら浮子のトップで微妙な変化をとらえる釣りにはやっぱり延べ竿があってるという気がしている。
 今使ってる5.4mの宇崎日新「抜無双54」はもともと、関東のダム湖の陸っぱりワカサギ釣りのために買った竿で、最終的には6mの棚のワカサギ釣るために7mの鮎竿も中古で買ったりしている。
 ワカサギ釣りはミャク釣りだったけど、リール竿ではさっぱり分からんような6m水深の底で食ってくるワカサギ1匹のアタリが、両手で持ってる7mの鮎竿を通してとらえることができて、長竿独特のアタリが増幅されているような感度の良さを感じたものである。鮎釣り師に言わせると2m、3mのルアーロッドの感度がどうこうは鼻で笑うような話でたいして感度の良さが出せるわけがない。9mとかの長竿だと感度良いヤツになると囮がシッポ振って泳いでるのぐらい余裕で分かる。ンだそうな。
 なんにしろ深い棚で小技を効かせた釣りを展開したければ、断然リール竿より延べ竿だナと思っている。

 ただ、今の私のアジ釣りのやり方はヘラ釣りの応用なんだけど、ヘラ釣りでは水深2~3mとかの釣り場でしか釣ったことがなく、そうなると竿は短いのがつかえるので、8尺とか10尺しか使ったことがなく、5.4mはヘラ竿でいうなら18尺の長竿になるんだけど、そんな長竿で浮子を竿先近くに持ってくる”提灯”の釣りというのは初めての経験だった。
 そうすると実に面白いことが起こるのである。何が起こったかというと、浮子が壊れまくって、仕掛けがバツバツと切れたのである。
 深棚の釣りということで、浮子の浮力大きめでオモリ重くして素早く沈めようという意図で、浮子の足は軽い竹製で製作した。ヘラ釣りの時も底釣り用の浮子はそうしてたのでコレまで特に問題はなかったンだけど、これが折れまくりで最初はたまたま竿にあたって折れたのかと思ってたけど、直してもまた折れてかつ竿にあたってる気配はない。さらには折れるのなら竹はやめてカーボンにしようと、足の素材変更したら足は折れなくなったけど今度はトップが折れる。中空のトップを本体に接続するためにポリカーボネイトの芯を突っ込んで接着してあったんだけど、ポリカーボネイトの芯がひん曲がる。仕方ないので堅いグラスの芯を使ったらだいぶマシになったけどそれでも中空のトップは芯の終わるところあたりから折れたりして、芯の長さを長くしたり、中空トップを諦めてポリカーボネイトムクのトップにしたりしている。
 何が起こっているのか?
 多分アワセの時の道糸が引かれる速度が早くて、大きめ(=重め)の浮子が慣性力で止まろうとする力と道糸に引っぱられる力で浮子がへし曲げられて折れているんじゃないかと思う。
 ルアーとかを投げるのに、遠投性を求めるのなら振り切れる範囲で長い方が、同じ振り方をした場合に竿先の速度が出るので飛距離が出るのと同じで、長竿なのでアワせたときの竿先の速度も速いのだと思う。
 よくルアーロッドで飛距離を売りにしている製品があるけど、コレまでも何度も書いてきたけど、あんなもん飛距離が欲しけりゃ竿長くすりゃいいだけで、4.5mの磯投げ竿でジグぶん投げると10フィート3mぐらいのルアーロッドとは異次元の飛距離が出る。ワシャ飛距離が必要ならそっちで投げる。でも飛距離必要な状況って遠くでナブラが立ってるときぐらいで滅多にない。
 っていうぐらいで長い竿の先っちょは速度が出ている。
 そうなってくると、浮子が壊れる以外にも仕掛けが切れたりの不具合が出てくる。常識的に考えると一番細い0.5号のナイロンハリスが切れるはずで、実際ちょくちょくアワセ切れはあるんだけど、ハリスはしょっちゅう替えるのでいつも強度は新品同様のままで、かつバリバス「SVGナイロン」は丈夫で意外に切れなくて、道糸は2回の使用で交換してはいるけどヨタってたり傷がいってたりしたんだろうか、1.5号の道糸が切れることが何度かあって道糸の太さを2号にあげたところである。1.5号ってシーバス釣るのにも使ってる6LBでっせ!アジでアワセ切れするかよって驚くけど、実際切れたのである。
 あと、予想外だったのが松葉式のウキ止めが切れる。松葉式のウキ止めは自分で適当なナイロンライン使って作ってたんだけど、今までコレが切れたことはなく、最初切れたときにはアワせたら、魚は掛かって釣れたんだけど浮子が外れて海面に浮いてるのを見て、何が起こったのか理解不能だった。けど、浮子回収したら松葉式のウキ止めの、道糸に通す輪っかの部分が切れていた。瞬間的に道糸との摩擦で切れているようだ。ならばと、フロロの2号で松葉を作ってみたら、なんとコレも切れて驚いた。現在フロロの4号で作っていて今のところ切れていないけどコレで切れるようならウキ止め自作は諦める。
 
 今まであんまり長竿って使ってこなかったので”長い”ということから生じる物理的な特性の違いがもろに出てくるのに新鮮な驚きを感じている。理屈考えてみると、実際に起こってる現象だし納得するしかないんだけど、よく使う4.5mとそんなに違うとは思ってなかったので虚を突かれた感じである。
 と同時に、長竿で深棚から魚の引きを楽しみながらあげてくる釣り味の良さにもすっかり魅了されているところである。
 長い竿に、それほど釣りをする上での利点があるとは思っていなかったけど、長い竿を使うこと自体に、その釣趣やら使いこなす楽しさに、利点じゃないけど使う価値があるのかなと薄ボンヤリと思うところである。
 長竿もまったくもって悪くないと思う今日この頃である。
 片手で扱える軽めの6.3mも欲しくなってきて困ったものである。