今ちょうど、TAKE先生が、お師匠さんである、日吉産業、シマノを中心にリールを設計してきた”リール・ガイ”原氏の手記を元にまとめた「リール風土記」を興味深く読んでるところである。ワシとしては1960年代の日本のリール作りの黎明期の、メーカー下請け関係の相関図が見えてくるお話し(特にオリムと下請け周辺)が読めるかと期待してたけど、そのへんの関連性はもっと後の時代の70年代80年代の「相関図」はあったけど、サラッとしたモノでむしろ原氏がOEM(相手先ブランド生産)関係とかの出張仕事で訪れた、その時代時代のそのお国ごとのリール工場を中心に、それに限らない、文化、歴史的背景、気質、空気感というものが感じられる、読み物として純粋に面白いお話で楽しく拝読させていただいている。
という中で、件の検索ワードに原氏設計でTAKE先生も激賞していた韓国日吉釣具製のルー「ゴールドスピン」が出てきた。「状態が悪いです」と念押しされているけど、ワシそういうのこそ直して稼動品に持ち込んで使ってみたい、次の使い手に渡したいって思うタイプなので、昔ちょっと興味持ったときに調べた感じでは国内販売は前身のスピードスピン(国内名「スピニッドRD」)も含め少なかったためか、弾数少ない上にエラいお高い値段で諦めた記憶がある。でも今回は部品取り個体含めた2台セットで1000円開始と弱気の値段設定のうえ「状態悪い」と念押しされているので、ビビって日吉沼の住人は手ぇださんのと違うか?という読みのもと1200円で入札しておいたら、へっへっへ日吉沼の野郎どもはチキンだぜ、開始価格1000円+送料720円で確保。この金額ならどうにもならんかっても現物触って「お勉強」させてもらえただけでも上出来。でもまあ”ニコイチ”ぐらいはできるだろ?って安易に考えていた。
届いてみて現物を確認。まずはハンドル無しでラインローラー欠損の個体の方は、まあ達磨さんみたいな状態なので部品が無い事にはどうにもならんということはあるけど、ローター持って回してみる限り、回転もおかしくないし逆転防止も正常、ドラグも生きてる。つまり中身は正常であり、銘板もハゲチョロゲのこっちの個体から部品引っ張れば、見た目小マシなもう一台の方は復活させられそうに思う。まあぶっちゃけ部品取り要員として待機ってところか。おそらく前の持ち主もそういうつもりで購入して、ニコイチ組むのも手間が掛かるので諦めて一緒に手放したとかだろう。で、ルーとブローニング(ブラウニング)の両ブランド併記の見た目綺麗な個体。まずは致命的な固着が無いか、外せるところはとりあえす外してみるかとスプールポンと外して、ハンドル外そうとして、ネジ込み式のはずのハンドルが回ってくれない。「これが「状態悪い」の正体か!」とややビビる。ねじ込み式のハンドルがたためる位置、つまりギアの軸の中途半端な位置で固着しているとなると、最終的に外せなかったら、ネジたたっ切って右巻専用機にするぐらいしか手がないので「コリアいかんわい(韓国製だけに)」とガックリしかかる。
しかかるんだけど触ってクルクルハンドル回したりしてると、なんかハンドルがスコスコと出たり入ったりする。ちゃんとハンドル回す位置にも収めることができるけど、固定されてなくてスコッと伸びたりもする。なんだこりゃ?と首を捻る。固着してたらハンドルがスコスコ伸び縮みするわきゃない。「ひょっとして共回り式に改造されてるか?」とハンドル反対側のキャップをクリクリ回して外すと、やっぱりネジが付いていてハンドルがスポッと抜けた。ええーっねじ込み式のバンドル軸のギアを共回り式に改造してるのか?こういうむちゃくちゃをするのはアメ人だろ?って過去の持ち主を犯人に仕立て上げてみる。ハンドルの芯は共回り式に良くある6角形のもので、削って太さ調整したような跡ものこっていたので、元々のハンドルかハンドル軸のギアをぶっ壊した持ち主が、ハンドル軸のギアの軸に鋳込んである真鍮部分を引っこ抜いて、横幅があうような他の共回りのリールからハンドル軸ギアの軸一式を引っこ抜いてきて溶接して無理矢理使えるように改造したんだろうというのが、ハンドル引っこ抜いた時点でのパソコン椅子探偵ナマジの最初の推理。でも、まだ謎を解くには必要なパズルのピースが揃っていない気がする。何しろ本体蓋さえ開けてないので本当にギアの芯を入れ換え溶接とかしてるのかわからんし、関係者を集めるにはまだ早い。 で、パカッと蓋を開けてみました。ハンドル軸のギアに溶接の跡などなく、亜鉛一体成形鋳造品ですねこりゃ。あれっこういうモデルだったってことか?としげしげと見てみると、そういえばキャップの鹿さんマークはブローニングの商標だったような気がする。謎は全て解けた。日吉沼の関係者を集めてくれたまえ。ゴールドスピンの「ルー&ブローニング」のモデルにはハンドルねじ込み式じゃなくて共回り式のがあります。
一応確認のためにイーベイとか覗いてみたら、やっぱりルー&ブローニングのゴールドスピンのハンドルキャップは鹿さんマークが入ってる同じ形のもので、そういう仕様のモデルが存在したということで間違いなさそう。多分経費削減のためかなんなのか真鍮の軸を鋳込むのをやめて亜鉛鋳造一体成形で済む共回り式に変更したんだろうけど、ゴールドスピンはねじ込み式という先入観で、居もしない米国人の犯人をでっち上げてしまうところだった。先入観で判断するなど探偵失格であります。で共回り式ならとキャップを締めてハンドルクルクル回して動作確認してみると逆転防止が効かない。まあこれは最悪もう一方の達磨個体から引っ張ってくれば良いので何とかなるはずだけど、逆転防止の不具合は多くの場合、単に組み間違いで空ぶってるだけっていうことが多いので、とりあえずどんな逆転防止機構になってるのか見たいし、部品の融通が必要か否かとかの2台の整備方針を固めるためにも必要なので、とりあえず逆転防止が出てくるまでバラしてみた。
結局ローター外さないとわからん位置に入ってて、ローター軸のギアの回転で正回転時ストッパーの歯車から爪を離して浮かせて”サイレント”化して、逆回転になると爪を歯車に掛ける方向に回るので逆転が防止されるという方式だと判明。あれです、ダイワのウィスカートーナメントSSと一緒のような方式です、っていえばスピニング熱患者さんたちにはお分かりいただけるだろうか?あれがボディー本体内に入ってる感じ。でもって、部品が壊れたりはしてなくて、案の定爪を動かすための所定の隙間に、ストッパーの歯車の根元にグルッと巻いてから伸びているワイヤーの先が収まってないという単純な組み間違いで、所定の位置に入れてやって組み直したら逆転防止復活。他に不具合もなくドラグもちゃんと効いていて、この時点で特にグリスが固まってるとかもなくて普通に使えそうな完動品に復活してしまったんでやんの。安く落札してしまって申し訳ない気がしてきた。 となると達磨個体はパーツ取り要員のお役御免である。となるとこっちも稼動品に持っていきたくなるのがワシの悪い癖。こいつは見えてるハンドル軸は真鍮製っぽくてネジが切ってあるのは見えている。これが我々”スピ熱”患者が「ゴールドスピン」と聞いて思い浮かべる、大口径スプール、適切なスプールエッジの形状と巻き幅、ネジ込みハンドル、真鍮軸を鋳込んだ亜鉛ハイポイドフェースギア、樹脂スリーブ入りラインローラー、堅牢な逆転防止機構、丈夫な3回巻きベールスプリング、手の感覚に馴染むリアドラグ、という仕様のものなのだろう。ラインローラー欠損してるけど樹脂製スリーブは残ってるので証拠がそうであることを示している。蓋パカッと開けてハンドル軸のギアを確認すると写真のとおり軸が真鍮なのが確認できた。ハンドル軸ギア以外中身一緒に見えるので、ギア交換できるか試してみると、ギアだけだと交換できないのでなんでだろ?って調べてみるとブランド相乗り共回り版の方は隙間調整のためか、写真の右の方に写ってるワッシャーと、ネジ込み版では蓋が填まる位置の、本体に切った雌ネジに真鍮のリング状ネジが填まってて、それらも一緒に交換すれば交換できるようだ。ということで共回りの方のハンドルを達磨個体に持ってくるコトはできるけど、そうすればルー&ブロウニングの方がハンドル無しになるので意味がない。ハンドル以外死んでる個体とか売りに出てないかと、またイーベイを覗いてみると逆にハンドルが折れた個体はあったけど残念ながらハンドルをパーツ取りできるような個体は無かった。ってアッブネェところだった、あったらまた買ってた。 まあ、ネジ込みハンドルでパーツ確保が比較的容易なわが家の蔵に沢山あるような機種で流用可能なのを探すかと、大森関係、PENN関係をラインローラーも含め試してみると、大森はダメ。PENNはハンドルは430ssgのが一回転ぐらい入ってピッチが合わないのか止まってとりあえず巻けなくもない感じで他はダメ、一回転ではしっかり固定できないだろうから現実的じゃないなと断念。他にねじ込み式のハンドルのリールってなかったっけ?っと考えて、そういえばベールアームの樹脂が割れて部品取りにしているフルーガー「メダリスト1626Z」があったなと蔵出しして試してみるとハンドルネジ込みしっかりできる。かつラインローラーがスリーブ外して直づけになるけどちょうど填まる。そういえばコイツも韓国製だったしな、ハンドルはネジはピッタリだけど軸は隙間が空いてしまっててそこを埋める工夫がいるし、ラインローラーは糸オチ防止のワッシャーと止めるネジが必要になるけど「コリァいける!」という感じになってきた。ちなみに以前メダリスト1626Zのネジ込みハンドルの形状がやや写真で見るスピードスピンのと癖が違うと書いたけど、アレは嘘だ、いま写真見るとそんなに違うように見えなくて見間違いだったようで、メダリスト1626Z(シェイクスピア「アルファ040」が同型機)は韓国日吉製という可能性が高くなったように思う。このピッタリ具合は、韓国共通の規格があるってこともないだろうから同工場製とみるのが自然。 でもって、ラインローラーはネジはM2.6の規格品である大森マイコンSSの本体蓋ネジが部品売りに出てたのを確保してあったのが上手く填まってくれて、糸落ち防止のワッシャーは微妙に大きめだけどPENNの4500SS用のが使えることが判明。スリーブ入りにはちょっとこだわりたかったけどとりあえずラインローラーが稼動する状態には復帰できたので仮置きとしておく。なんか手があればスリーブ入りに復活させるけど当座はこれで充分で実釣にも耐えるだろう。まずは上首尾の部類。 でもって、ハンドルの方はというと、ネジがガッチリ填まった状態で、ハンドルの軸部のカバーは本来、本体からの出っ張りを覆って水や埃の侵入を防ぐようになってるけど、違うリールから引っ張ってきたのでそうはなってなくて、傘状に開いたカバーと本体からの出っ張りの間にはスコスコに隙間が空いていて、悪いことに左側にはこのリールには2個しか入ってないボールベアリングのうち1個が入ってて、しかもシールドタイプじゃないので軸の脇から覗くと、玉が丸見えで浸水したら一発で錆びそうなことになっている。
とりあえず隙間を塞ごうということで、間に接触して回転を妨げることないようになんか入れて、上手に水とか入りにくくできないかと考えて、そういえばキャップが無い「タックルオートSS」のキャップとして使った椅子の脚に被せるエストラマー樹脂製のキャップが良い大きさで、伸び縮みもするし上手く填まらんかな?と試してみるとビンゴ。先細りの形がちょうど隙間に入っていくかんじで長さを調整してハンドル回転時にアタらないギリギリに調整してギュギュッと本体の出っ張りに被せる。そして玉が丸見えのボールベアリングにはPENN方式で硬質フェルトから切り出したワッシャーを填めてオイルを染ませて防水防塵という感じで抜かりなく仕上げてみた。
ハンドル回してみると、軽やかに回ってくれる。けどなんんかおかしい?なんだろうってよく見てると、スプールが上下してない。こっちの個体はオシュレーション(スプール上下)もダメだったかと、やや不安になりつつ分解していくと、ゴールドズピンもリアドラグにする関係で主軸が回転するので、主軸に直接ネジ穴を開けてオシュレーションカムをネジ止めする方式ではなく、オシュレーションカムの前後に主軸に溝を掘ってCクリップで止めている、ってのは大森マイコンシリーズと同じ。ただマイコンSSのように主軸を外してからでないとハンドル軸ギアが外れないという知恵の輪状態にはなっておらず、先にハンドル軸のギアを抜いてから露出したCクリップを外せばいいので扱いは楽。楽なんだけど小さいCクリップは外したときにどっか飛んで行きがちで、Cクリップが片方欠損しているのがオシュレーション不調の原因だった。まあこんなもん止まればいいので細いステンレス針金で縛って写真の様にグリグリッと捻ってから短く切って邪魔にならない位置に曲げてしまえば問題解決。 という感じで現時点で1台は共回り仕様がちょっと残念な子だけど、まあまあ美品で完動品。もう一台もなんとか稼動品に持ち込めて2台あるので換えスプールあり体制まで組めてえらいこっちゃという仕上がり具合である。共回りになると重くなるのではと思ったけど、そうでもなくてどちらも260g強で大差なかった。ガタつきも部屋でクルクルした程度では特になく、あんまり気にしないで良いのかも。1,720円でこれだけ充実した内容が許されていいんだろうか?今回欠損部品の補完もパーツ取り要因から引っ張ってきてるので追加投資はしていない。久しぶりの大当たりの買い物と言って良いのではないだろうか。これだからジャンクリール漁りはやめられん。
この状態でもあんまりグリスの固化とかなくてそのまま使えそうなんだけど、まあ我が家に来たからには、全バラ清掃グリスシーリングであと数十年戦えるように仕上げておきたい。ということで手間かかった元達磨個体は使うかもなので、こちらから全バラしして青グリス大盛りで対塩水用に仕上げていきたい。
まずはスプールは、リアドラグ機の場合ドラグも入ってないし特にいじるような要素はなくて、綺麗に拭いておくぐらいしかすることはない。樹脂製スプールなので防錆も気にしなくて良い。上部にクルクル回して窓にラインのテストポンド数を表示させるという、あると便利な機能がついてるけど、まあ飾りの部類かと。ワシャ裏に油性ペンとかで書いてるわい。エコノマイザーが標準装備なのはとてもありがたい仕様。大口径スプールだし逆転防止が堅牢だしで太い糸使っても大丈夫だけど、サイズ自体は260g台とルアーの釣りなら岸から何でも釣って良い大きさで細糸使用もドラグも良いのが付いてるので対応できるだろうから、細糸を大口径スプールに巻くにはエコノマイザー実用的で便利。釣りがよく分かってるリールという感じがする。実際イーベイにはスペアスプール3個付きとかで売りに出てるのもあったりして、スペアスプール体制がっちり構築してアレコレ使い回しで活躍したんだろうってのが偲ばれる。蓋開けてローター外してズンズンバラしていく。ローター下に大森方式に似た簡易ローターブレーキが入ってる。ローター軸のギアにはボールベアリングと堅牢な逆転防止の歯車が填まってて、その下部の溝に逆転防止をサイレント化しつつ機能させるためのバネが収まっている。ベール反転のスプリングは場所取ってるけど確かに3回巻きは見るからに丈夫そう。
まずは写真一枚目のように、本体お尻のところに填まってるCクリップを外します。
そして写真二枚目のように次はドラグノブを回転させて抜きます。さっきのクリップはドラグノブのネジの上の方に填まっててドラグ緩めていったらノブが落ちたということがないようになってます。大森リアドラグと違い、ドラグはドラグノブの中じゃなくて本体内に位置してます。
三枚目の赤丸の固まりがドラグパッドとかを一まとめにしたユニットでドラグノブを外してから傾けて外します。
外してお尻の方、填まってる黒いゴムっぽい樹脂のあたりにあるCクリップを外すとユニットからドラグパッドやワッシャーが抜けてバラけます。
バラけた状態が下の写真。
イマイチ分かりにくいかもな構成だけど、下段右端は回らない本体壁と主軸と一緒に回る、本体ユニットをまとめている上段右端の亜鉛パーツ、の間で仕事するドラグパッドで弾力ある樹脂製。で下段右から2枚目の茶色いのは薄いカーボンかグラスの編み込みシートを樹脂で固めたもので割りと良く滑りかつ薄くて場所を取らない素材。下段同じ素材のドラグパッドが3枚続くけど、上段に並ぶ主軸と回る亜鉛パーツ、本体壁に直線で接して回らない金属ワッシャー、主軸と回る穴が長方形のワッシャー、もいっちょ本体壁と接して回らない金属ワッシャー、の4つの交互に回る回らないが来る間に挟まれてドラグの仕事をするようになっている。つまりユニット外側の1枚も含めて4階建てのドラグになってます。薄いパッド使って本体内の限られたスペースに性能の良いドラグを入れるべく頑張った感じ。で、ドラグのことがよく分かっている貴兄におかれては、「アレが無い」っていうのと、下段左の回らないワッシャーに上下挟まれて回ってないからドラグパッドの仕事をしてなさそうな黒いのはなんじゃ?っていう疑問を覚えるかもですが、この黒いゴムっぽい樹脂製の輪っかを二重円に並べた部品がどうもバネの代わりに弾力で調整幅を出しているようで、バネは入ってないけどドラグ締めてくとちゃんと徐々に締まっていってキュッと締まる良い塩梅のドラグノブの感触になってます。どういう理屈か分からんけど良くできてます。
ということで、全バラしもできたので、ドラグはカルズの紫のドラググリス塗って湿式で仕上げて、他はいつもの青グリス盛り盛りで主軸やらラインローラー、ボールベアリングにはダイワリールオイルⅡ。組み上げてハンドル回してみると、逆転防止の爪がグリスの粘度で動きが悪くなって、逆に爪を動かすワイヤーはグリスで滑りやすくなって爪を押す力が弱くなったのが原因だろうけど、逆転防止がカカッとかいって1つ2つ歯を空ぶってしまうようだったので、爪周りにオイル注して滑りを上げて、ワイヤーの方は一旦外して主軸にしがみつく輪っかをギュッと絞ってより強く爪を押すように調整したらバッチリ決まって、ベールの返りも軽く回転も素直でスムーズ、ドラグもちゃんとノブがキュッと締まったあたりでスプールが回りにくくなる良い塩梅で申し分のない整備状態に仕上がった。 ルー&ブロウニングのブランド相乗り共回り版のほうは、売ることも想定してグリスはおとなしめにしてABU純正でこれまた快調に仕上げておいた。だだ、あとは仕上げるだけという状態からで、かつ同じようなリール2台続けてなので楽勝鼻歌気分だったけど、組み上げて動作確認してると逆転防止が効かなくなって、またバラして組んで再度動作確認。するとまた逆転防止が効かなくなって、一回目はたまたま組み方がおかしかったのかなと思ったんだけど、2回続けてということは、なんか調整してやらんといかん状況。バラしてバネの先を正常位置に入れて、組み上げずにローター軸のギアまで突っ込んだ状態でギアの頭摘まんで回して逆回しして確認すると、回してるとバネの先が填まってた場所から簡単にスルッと一山越えて外れてしまう。原因分かったので山越えしないようにバネの先を下に曲げて調整。摘まんで回して問題無いのを確認して組み上げようとしたら、主軸にオシュレーションスライダーを止めるCクリップが填まらず跳ねて床に落ちてしまい悶絶。爺さん細かいものが見えなくなってきてるので床に這いつくばってなんとか見つけて、予想外の長期戦にやっとこさっとこ終止符を打って無事正常化完動品。とはいえコイツは売るっていっても、ネジ込みじゃなくて共回りですって正直に書いて売りに出すと、ゴールドスピンに手を出そうとするようなややこしいスピ熱患者は「ねじ込み式以外は父さん認めんぞ!」とか頑固なこと言いだして売れんかもだしで、せっかく良いリールらしいので使ってみたくもあり、これもまたしばらくは蔵に眠らせるか?スプール径が大きいリールが使いやすいってのはPENNの716zのスプール径大きくしただけの714zの使い勝手のよさや、大森No.2サイズの楽ちんな感じからも想像できる。できるんだけどリアドラグ機は愛用してた大森マイコンTBシリーズがあるから、そいつらより優先して使いたいかって考えるとちょっと微妙なのよね。安売りするぐらいなら死蔵しておくけど、興味があって使ってみたいって人は、相場がわからんのでそのへんご教授いただければ売っても良いし、なんかワシが好きそうで適度にジャンクで整備しがいのあるリールと交換なら相談にノリノリで乗りますので、ご連絡お待ちしております。コメント欄でもメールでも狼煙でもお気軽にどうぞ(註:輿入れ済みです、あしからず)。
春のシーバス苦戦中なのでスピニング熱は悪化の一途で、まだまだ整備待ちのリールがござるというのに、新たにまたしょうもないモノを買ったりもしております。順次ネタにしていきますので闘病中のお仲間な皆様におかれましてはお楽しみに。