ワレこの円安やのに何セカイ○ンでお買いモンしとんじゃ!?
という、皆様のツッコミが聞こえてくるかのようですが、待ってください、今回は違うんです。仕方なかったんです。そのへん定例ではございますがご説明させていただきます。
まずこれ、買ったのこんな円安が進む前、年明け2月かそこらにポチッとしたのであって、ロシアのウクライナ侵攻が2月の下旬だったと思うので、買っといて良かったと胸をなで下ろしてるぐらいで円安でエラい割高とかにはなっちょりません。
そして、今回はリールを買ったのではなく、リール周りの部品購入です。そりゃリールも部品の在庫とかなければ運用ままならんですから必要経費でっせ。ちゅうことで皆様におかれましてはなにとぞ広い寛容の心を持ってして、大目に見ていただけると助かります。
あと、ついでにア○ゾンで買ったマキシマの青グリスも写ってますが、1樽使い切ったので2樽め突入です。これは”グリスシーリング”するには必需品なので経費経費。
でもって、魚については近所で釣ってきて自分で料理して食べるという”地産地消”を実践するナマジが、はるか大平洋を越えて米国から何を購入したのかというと、この春から集中して実戦投入している”丸ミッチェル”関連の部品ございます。
なんとか運用も軌道に乗り、激渋2022春シーバス戦線の中なんとか小マシなヒラフッコゲットした「314」のハンドル周りと、”丸ミッチェルジャンク込み5台購入”の際に、欠品部分を寄せ集めたようになってしまい、ハンドル、スプール、ベール周りがないダルマ状態の「304」のためにハンドル、スプール、ベール周りを結局買ってしまいました。本体フレームが歪んでるとか致命的な損傷があれば、”部品取り”と割り切ってそのままの状態で放置しておけるのだけど、まだ使えそうな本体、ギア、主軸があれば、部品買って1台組み上げたくなるというもの。これは仕方ないですよね?みなさんも同じような経験ありますよね!?ってポチポチやってたら結局、れいによって関税掛かってこない1万5千円前後まで老後マネーを突っ込んでしまいました。ワシの未来はどうなるんだろう。心配じゃのう。
だがしかし、明日ミサイル降ってくるかもしれんのに、先のこと考えてどうする!!マニアは欲しいと思ったモノは欲しいと思ったそのときに買っておけ買っておけっ!!また今度なんて思っても次も売ってるとは限らんのじゃ!と思っちょります。
でもって、具体的に買ったモノを紹介しつつ運用状況などご紹介していきますと、まずは314関係。
ミッチェルのハンドルノブは樹脂製でひねり入りのが一般的だけど、これ摘まみやすさに定評あるけど、耐久性はイマイチで削れてきてスカスカになるらしく、穴を拡張してルーロンとかの樹脂製スリーブかまして強化してやる方法もあるみたいだけど、とりあえず替えのノブがあればだいぶ持つかなということで買いました。なぜハンドルごと買ってるかっていうと、今付いているハンドルのノブを止める棒が固着していて外せません。このノブがすでにスカスカし始めてるんだけど、使用に耐えなくなったらハンドルごと交換。ということでハンドルごと購入。ついでに替えノブも確保。これで長期運用大丈夫。一安心。
と思ったんだけど、現物確認してて問題発覚。
ハンドル交換してみてクリクリ巻いてみるとなんか、ノブがスカスカでガタつく。ハンドルノブを留めている棒を抜いたら「この野郎、写真に写らんからっていい加減なもん売りくさって!」という感じで、純正の部品じゃなくて、単に太さが合うネジを突っ込んで固定しているだけで太さが全然細くて合ってない。世界中どこにでもこの手のクソしょうもない輩はいるものである。見えてないところの不具合なんぞ文句言っても「写真で判断してくれって書いてあるでしょ」って話だろうし、セカイ○ンは基本返品手続きはやるけど、交換のための交渉とかは請け負わないという方針のようなので、いまさら返品も現実的ではなく、仕方ないので何とかする。
太さ的に、蔵にある真鍮パイプを突っ込んで何とかする方針で、ある程度削ったり逆にセキ糸巻いて隙間埋めて接着剤で固定とかも考えてたけど、これがなんとネジはギリギリ入るぐらいで、ノブはちょうど良い隙間ができるぐらいの奇跡的な太さの真鍮パイプで、長さ確認して金属鋸で切って、高さをテフロンワッシャーで微調整するだけで何とかなってしまった。普段の行いが良いからだな(普段の行いが良けりゃクズ部品掴まされたりしねぇっちゅーの)。
という感じで、長期運用を見据えた部品体制が整いつつある314だけど、とりあえず次に使いたい304が控えているので、ネットオークションで売る時用の良い写真も撮れたし、水没したのでその処理も兼ねて、全バラしフルメンテグリスシーリングのうえでしばらく蔵で眠ってもらうこととした。水没後にパカッと本体蓋開けたら、グリスグッチャリの上に水溜まりのように水が乗っていて、グリスシーリングを突破して部品にまでは到達してなさそうな見た目で、使用中ならティッシュで水分拭き取って”ソッ閉じ”して年末大掃除の時にでも全バラフルメンテでも良さそうな感じ。ただ内部の錆がひどい個体なので、グリスが茶色に濁っており錆とかの金属粉が混じったままで回すのはいただけないので、ちょうど良いタイミングぐらいでグリス入れ替えできたのかもしれない。ちなみに自作の”オシュレーションスライダーⅡ”はまだ割れてなくて大丈夫そう、耐久性見たいので保管にまわる314には予備の新品を入れて、使ってたのを304に移植する方向で。
でもって、2月にポチって4月までには我が家に到着してたはずの部品をなぜ今になって確認したり組み込んだりしてるかっていうと、単純明快魚釣れなかったので今頃になったという話。314で早々に良い魚釣って314系売りに出して、次は304で良い魚釣って304系売りに出すという獲らぬ狸の皮算用をしていたんだけど、シーバス絶不調でアテが外れてしばらく蔵に袋に入って転がったまま放置。で、やっとダルマ状態の304を組んでやろうってことになった。
部品を探すにあたって、ハンドルは問題なく304用の純正部品が手に入った。スプールは304用のを手に入れても良かったけど、314との2台運用になることを考えるとスプール共有してしまえると何かと便利で、かつドラグが填めゴロされている304用よりドラグパッド交換とか調整簡単な314用が好みでありワンタッチも便利なので、314用スプールを一個追加で、全部でスプール三個体制にした。当然ながら主軸をワンタッチ対応の314用のに交換せねばならずこれも確保。一番苦労したけど、結果今回一番の目玉となったのがベール周りの部品で、ベールスプリングは簡単に手に入りそうだけど、ベールアーム、ラインローラー、ベールアームを固定するネジが揃わない。困ったなとオークションを眺めていたら面白いモノを発見。なんとミッチェル純正の”マニュアルピックアップ用部品一式箱入り新品”が売りに出ている。もちろん流れる様にクリッククリックで確保した。
最近丸ミッチェルを使ってるのは、PENNや大森のように”丈夫で使いやすいから”という実利面で使ってるというのとは微妙に違う。丸ミッチェルPENNのようには耐塩性優れていないし、大森のようにギアが滑らかというわけでもない、ラインローラー固定式はさすがに回転式よりはトラブル多めだし、ドラグもPENNや大森と比べてしまうとちょっと頼りない。でも、このリールはスピニングリールの歴史において重大な意味を持つミッチェルという会社の歴史を感じることができるリールである。そういう”スピニングはどこから来てどこに行くのか”的なことを考えつつ、ちょっとジャジャ馬だけど要領押さえて慣れてくれば、楽しく魚釣るには問題ないぐらいの性能は充分持ってて、そういう使うこと自体を楽しむ事ができるリールだと思っている。そういう中で314はこれまで使ってきたどのリールよりも、リールの歴史を遡った機構をもつ1台だと感じて好ましく思ってもいた。さっきも書いたけどラインローラー固定式、ボールベアリングなんて不使用、ギアはスピニングリールの始祖イリングワースⅠの時点でそうだった、回転を90度変えるならまずは基本だろう”かさ歯車”を使ったベベルギア方式。プラナマティックが付いてるのはちょっとモダンだけど、結構古典的な設計。っていう314から、”もう一声”って感じで304のベールを”フルベールアーム”取っ払った固定式のマニュアルピックアップ方式のいわゆる”ベールレス機”にしてしまうと、さらに歴史を遡った”原始的”なスピニングリールの方式になる。”
ベルせか”によると、フルベールアームは1932年ハーディー社「アルテックス」の登場を待って世に出た機構だけど、ハーフベールを飛び越えてさらに古い形式のベールワイヤーなしでベールアームが固定式のマニュアルピックアップ用の部品を実装すると、306は一気に先祖返りして、始祖イリングワースの第3世代1913年登場の「イリングワースⅢ」とちょうど似たような仕様になる。マニュアルピックアップではあるけど、ドラグも付いているし、ベベルギアで、スプール上下機構はハンドル1回転1往復方式で搭載と、今のスピニングにも通じる機構が出そろってきた萌芽の時代のスピニングっていう感じになる。もちろんボールベアリング不使用、ボールベアリングなんぞは低速機にはいらんのです。さすがにこれ以前、つまりイリングワースⅢより古いスピニングとなるとイリングワースⅡにはスプール上下機構がなかったり、他社製品はローターじゃなくてスプールを回す方式だったりして、ちょっとばかし異質すぎて使いこなす自信がない。マニュアルピックアップは現代でも米国じゃ
PENNスピンフィッシャーⅥの6500番台にマニュアルピックアップ機が用意されているぐらいで、トラブルの原因にもなりえるベールワイヤーやらベール反転機構のないシンプルな設計はそれなりに利点もあって、我が家にも
706Zなんてのがあるぐらいだし、扱いに習熟しておいて損はないだろう。そうすることで、きっと歴史を感じつつ楽しく釣りができるんじゃないかとも思う。最新鋭のスピニングリールなんでどうでも良いけど、自分が扱える最古の形式のスピニングリールとはどのようなモノか?なんてのにはおおいに興味がある。ということで、ダルマ状態の304を使えるようにしたいだけだったのが、純正のマニュアルピックアップ部品の登場で100年から前のスピニングリールの持っていた機能を追体験できそうで、ちょっと面白いことになってきた、と心ときめくのである。
組み上げるの自体は、すでに本体は分解清掃済みだったこともありリールは単純設計だしで簡単。
本体蓋外して主軸を抜いてローターも外して、グッチャリ青グリスでグリスシーリングしながら組んでいく。主軸はスプールを314のワンタッチ式のにするので、314用のモノに交換、オシュレーションスライダーは使ってた314から回収したモノを組む。ローター填めてマニュアルピックアップの部品は本来ベールアームが収まる位置の角を出っ張りで位置決めして固定する形なので、そのような位置にベールアーム固定ネジで固定。本来ベールワイヤーの反対側を固定するためのネジ穴には、蓋をする用途の小さいネジが付属しているのでそれをネジネジッと填めてやる。ドラグは上面のパッドは赤いファイバーワッシャーだったのでPENNの4500SS等用のカーボンドラグパッドに換装。台座との接点等ドラグの擦れる面にはドラググリス塗布で整備しておく。後は適宜全体的にはみ出したグリスをリール表面に塗りたくって組み上げ完了。
組み上がったら早速ラインを巻いて実戦導入の準備。れいによって下巻きを手動でやや極端に前巻きにしてやって、その上に道糸いつものダイワ「ジャストロン」2号を巻いていく。巻いていくんだけどここで問題発生。なんとあと少しで巻き上がりというところで、ハンドルが巻けなくなり、逆回転してみたら巻けるようにはなったけどスプールが上下していない。自作オシュレーションスライダーⅡが割れてしまったようだ。巻いてるときに若干感じてたんだけど、やっぱりスプール上下が密巻きに近い”プラナマティック”の時は行きつ戻りつしながらゆっくり上下していて、上下動にかかる力は少なくて済んで軽い感覚があったんだけど、306の単純1回転1往復方式は忙しくスプールが上下してて上下動に力を使ってる感じがあった。自作オシュレーションスライダーにこだわって、使用する樹脂をわりと脆い印象のUV固化レジン樹脂から2液性性エポキシ樹脂に変えて”Ⅲ”を作成しても良かったけど、面倒臭くなって純正の樹脂製オシュレーションスライダーに戻しておいた。ライントラブルの原因となる巻き形状の問題は、下巻き手動前巻きによる調整のみとして、あとはライントラブル起こるようなら素直に糸巻き量を減らすのが効くと学習済みなのでその方向で対処しよう。
でもって、実際に1回釣り場に持ち出して魚釣ってみたんだけど、ミッチェル式の逆転ストッパーを普段外しておく方式と、マニュアルピックアップ方式は実は相性が良いようだ。普通にストッパー掛けたまま使ってたスピンフィッシャー706Zは投げるときにラインをラインローラー部分から摘まんで外さねばならんかったりして面倒臭かったけど、逆転ストッパーをオフにしてあると、投げるときは上の写真の様にラインを人差し指で引っかけてから、ハンドルをチョイと逆転させてやるとラインローラーからラインが外れて投げる体制に入れる。逆に投げてから巻き取りに入るときには、ライン放出を右手人差し指で調節したその人差し指で、写真下のようにラインを引っかけてスプールの下面ぐらいまで引っ張り込んでやってからローターを正回転させればラインローラーの先の”ピックアップピン”がラインを引っかけて拾ってくれる。この時実釣の場面では、ラインを人差し指で拾い損ねることが結構あった。そういう時は竿先をちょっと立ててラインを出しつつ人差し指でラインを拾うというのが簡単な方法だった。多分このあたりがマニュアルピックアップの”投げて巻く”お作法かなと思うんだけど、もっと適切な方法を知っている方はぜひご教授お願いします。
ちょっと、ライン拾い損ねてもたつく場面はあったモノの、初陣では初めて使ったにしてはそれ程イラつくような場面もなく、そこそこまともに釣りができて(実際魚は釣れた)、まあ100年前の釣り人達はこの段階の設計のスピニングリールでちゃんと魚釣ってたんだろうから、できなきゃおかしいわなという感じ。慣れればもう少しライン拾いそこねとかなくなって”普通”に釣りできるようになるかも。今年はもう梅雨明けしてシーバスは秋まで基本お休みで、秋には秋に使いたいリールも待ってるので、マニュアルピックアップ仕様304の本格的な出番は来春になるかもと思ってたけど、ここに来て”戻り梅雨”でお湿り期待できそうな状況で、”雨降ったらシーバス狙い”で引き続き習熟していって良い魚釣って、304系の在庫の価値を上げて売りさばきたい。まあそういう下世話な話なしでも、スピニングリールの歴史を遡る旅的な”遊び”は面白いんだけどね。
結局、ボロい314を2千円がとこで入手したことに端を発して、ズブズブと丸ミッチェル沼にハマって、これまでに、いったいいくら使ったんだって話になるけど、まあ楽しめているので良しとしておこう。
<宣伝告知>ガルシアの黄色いシールが貼られている「314」とプラナマティック搭載の「CAP」は7月3日~10日ヤフオクに出品予定です。ちょい強気の価格設定とネッチョリとした”釣り書き”で、なんぼかでも老後マネーを回収できたらなと思っちょりますので、興味のある人は覗いてみてください。お願いしやす。安い値でしか売れやンというのならワシが墓場まで持っていく所存。