コロナ禍の混乱で、”先進国”っていう、いろいろと理想的、合理的な国が欧米とかにはあるらしいっていうのが幻想に過ぎないっていうのが白日の下にさらされたわけで、我が国でもマスクやらの買い占めや発病者はおろか医療従事者への差別なんてのがあって、なんじゃこの野蛮人どもは?とゲンナリさせられたけど、買い占めはどこの国でもあったようだし、欧米ではここぞとばかりのアジア人蔑視とかが顕在化してて、グローバルスタンダードに人間ってクズだな、と思わされた。まあ、そういう中でも「自分のような年寄りより未来ある若者を優先してくれ」と、人工呼吸器を外させた聖職者がいたとか、キリスト教って押しつけがましくてわりと嫌なところもあるけど、ちょっと人間を見直したくなるような人も居てくれたことは救いである。彼の魂が彼の信ずる神の元に、と願わずにいられない尊さを示してくれた。呼吸器官をやられて息が苦しくなって死ぬって嫌な死に方の上位だとおもうけど、その文字どおりの死ぬほどの苦しみを受け入れる隣人愛、ワシャようせんわい。クズどもの見本となるべくこういう人にこそ長生きして欲しいけど、長生きすると件の隣人愛は成立し得ず見本を示せないという矛盾がもどかしい。
てな枕話をなんでしてるかっていうと、先週もギブスのルア-を買い支える頑固な米国の釣り人を賞賛したりしてたし、ワシ”日本の釣り人は見る目がねぇ、米国の釣り人は使える道具を分かってる”ってのを何度も書いたりしてきたけど、今回”先進国幻想”と似たようなモノで米国だろうと欧州だろうと、釣り人もピンキリで全体としては我が邦と50歩ヒャッポダなと思わされる事例が出てきて、古くからフライの釣りやってる人ならある程度認識してるかもだけど、正直ここまでとは思ってなくてケン一と2人して驚いたので、皆様が釣具屋に騙されないために、健全な釣り具業界の発展のために、ちょっと書き記して公開しておくべきかなとおもっちょりますので、ご用とお急ぎでない方は読んでやってくださいませ。
まずは、ケン一とワシの往復書簡というかメールのやりとりを読んでやってくんなまし。ケン一五月の後半に九州にライギョとチヌを狙いに遠征にいってて、チヌはともかくライギョはもう古い話にはなるけど土地勘あるので、釣り場情報提供したりしてたときのやりとりで、遠征なので持って行けるモノが限られるので絞る作業において、ロッドに合わせてラインをどれを持っていくかの選定作業が難航した様がうかがえるんだけど、フライロッドにどのフライラインを合わせるかっていう話は、番手決まってるんだし、フローティングがシンキングかシンキングなら沈降速度のタイプはどのぐらいにするか、ぐらいで難しくないように思うんだけど、これが竿一本新調してたりするのもあって、混沌とした状況にハマってしまい、結局、フライラインの先の太い部分の重さを量って比較するという根本的な作業を経て混沌から抜け出して問題が収束するという”一仕事”だったようなのである。以下そのときのやりとり。
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<ケン一>
準備、めずらしく6日前に残すところコマカイ補充(カラビナ・靴下・目薬)だけになって目途付いた。
あとはとにかく巻くべし、巻くべし!
ちゅうても一日一本か良くて二本巻けたらいいほうやけどな。
今日は仕事で早く帰れて、ついさっきクロダイ用ラインの先端9mの重さはかってみた。
Rio トロピカルフラッツプロ WF-6-F 11.80g/180グレイン
エアフロ リッジクリアティップ WF-6-F 15.0g/238グレイン
SA テクスチャードグランドスラム WF-7-F 13.15g/210グレイン
AFTMA規格では 6番が160グレイン(10.4g)基準でプラスマイナス8グレイン(0.5g)
7番 185グレイン(12.0g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)
8番 210グレイン(13.6g)基準、プラマイ8グレイン(0.5g)
9番 240グレイン(15.5g)基準、プラマイ10グレイン(0.7g)
量った結果をAFTMA規格にあてはめていくと、
Rioフラッツプロ6番180グレインはやや軽めの7番。
エアフロ クリアティップ6番238グレインは触った感じからしてもうめちゃくちゃ太いんやけど、予想通り重さもしっかりあってほぼ9番(!)。
SAグランドスラム7番210グレインは8番そのもの。
今どきのフライライン、AFTMA規格に長いこと慣れ親しんだ人間にはかなり表示番手よりも重くなっていたのだった。
この春先にクロダイ用に買った8ft6番のグラス竿に合わせるライン迷っているとこ。
ほんとは実際使うリーダーとフライ付けて試し振りしとかなアカンのやけど、遠征前最後の休日の昨日そこまでようせんだ。
ニゴイ狙いでRioフラッツプロ使ったけど、ほんのちょっとライン軽すぎる気がした。
ならば多分相当重いはずのエアフロクリアティップ6番と、グランドスラム7番も持って行きゃどれかはハマるはず、と思って替えスプールに巻き替えたりしたんやけど、SAグランドスラム7番(という名の8番)でやるべし、と気持ちの整理ついたとこ。
でわまた。
<ナマジ>
DTぶった切ってシューティングヘッドつくるときに、比較対象がそもそもメーカーによって重さ違うなとは感じてたけど、おもいっきり違うもんやな。
多分遠投性でいったら、竿の番手より軽めの重さのラインを使う方がイイはずやから竿のメーカーが安易に同番手で堅いパワーのある竿にしてってだんだんズレたとかそんなんかな?規格があるのに無視するなって思う。詐欺師ばっかの釣り具業界は相変わらずってことか。何でも自分で測ってみんとあかんな。
明らかに堅い6番竿とかで困惑してたの横目で見てたけど、そういうのがないように規格があって消費者を守ってるはずなのにな。
これ、案外知られてない事実かもだからブログネタに使わしてもらっていいか?買ったら思ってたのと違ったってみんな困るはずで、知っててそういうつもりで選べばだいぶマシになるような気がするので書いておきたい。ひょっとして今時のフライマンはみんな知ってる?それなら良いンやけど。
<ケン一>
エアフロのリッジクリアティップ6番が軽めの9番って、さすがに酷いと思ったけど、実は同じリッジクリアのWF-8-Fも持っていて、もしかしたらスプールテレンコしててオレの間違いじゃないないか?と心配になったのでたった今WF8Fも重さ量ったったがな。
リッジクリアティップWF-8-Fの先端9m、ジャジャーン、堂々の17g、263グレインでAFTMAでは軽めの10番相当。
ラインストック・スプール管理ちゃんとしてました!
SAなんかは、ブーストとかマグナムとか名前付いたシリーズには「半番手重めの設定」などと書かれているけど、ホンマに半番手だけか?と思わされる。 でもまぁエアフロ・Rioは半番手重め(ちゅうか2番手重めやっちゅうの)とかの註釈も一切なしやでSAの方がまだ良心的か。
「ライン昔より重なった」ぐらいのことは長いことやってるフライマンなら知っているはずやけど、実際どんだけ重いんか秤で量って、ッてまでする人は案外少ないかも。
ちなみにライン9m先端量るのはぐるぐるコイルにしてデジタル秤に乗せるだけ、という素人計測なので誤差はあるよ。
竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。
竿買うなら本当はライン通して試し振りさせてもらうんが一番やけど、そんなんショップのイベントにでも行かんかぎり無い。
せめて店頭で触ってから決めるべきなんやろけど、大都会●●ではそうもイカン、というのが実情。
ヤフオクとかネットで買う時は、なるべく所有しているのと同シリーズにするとか、友達のを振らせてもらったことあるヤツとかにしているつもりやけど、それでもTFO6番は7番気持ちよく使っていたのになんでかバキバキ8番相当、思ってた番手のパワーからは大外れの竿やったりした。
まぁとにかく竿メーカーもラインメーカーも適当過ぎ。片手投げの竿でこれではダブハンの世界はもっと魑魅魍魎なんやと想像する。
というわけで田舎もんは買い物一つちょっとギャンブルになるのはしょうがない、と諦めている。
というのもひっくるめてブログネタどうぞ。
<ナマジ>
重くなってるって知ってても、さすがにここまでとは認識してないやろな。ネタいただきます。
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という感じ。わやくちゃでございますがな。
ラインが各メーカーで全然重さ違ってて、AFTMA規格ガン無視なのもたいがいにしとけだけど、同じロッドのシリーズで7番より6番がパワーあるっていうのはどうなのよそれ?何万円もする竿買うのに、番手はあてにならん、あわせるラインは規格無視でグッチャグチャの重さ、こんなん30年がとこフライやってる人間でも何買って良いのかホント分からん。近くに竿触らせてくれるお店があればともかく、田舎の人間にはケン一書いてるとおり買い物一つが博打ひと勝負になってしまっている。
”AFTMA規格”ってなんぞ?ってフライやらん人は思うかもだけど、シェリダン・アンダーソン、田渕義男共著の「フライフィッシング教書」では「”AFTMA”(アメリカ釣り具製造業協会)と呼ばれる連中により、フライラインの規格統一システムが作られている。このおかげで、フライラインの選択は、以前よりずっと楽になった。」と紹介されていて、まさに業界団体が、メーカーごとに規格が違ってては購入する顧客が困るので、統一的な規格を設けて顧客の利便性を図った規格だったはずである。なんかネット検索かけてると、すでに廃止されてるような記事もチラホラあったけど、だからといって慣習的に”#”で表される番手を釣り人としてはAFTMA規格にのっとったものと理解して購入、使用しているはずで、現在のこのグッチャグチャ状態は、明らかに消費者が正しい品を選ぶことの妨げになっている。古い規格遵守で作られた#8(新品では絶滅危惧種かもだけど、少なくとも中古や蔵の在庫には存在する)とメーカーが勝手に1番とか2番相当も重くしたラインが存在するのである。どれ買えばええねん?って話である。
ケン一が魑魅魍魎と称したダブルハンドロッド用の、いろんな細分化された新しい投げ方用の規格として古い時代のAFTMA規格では用をなさないのかもしれない。ダブハンのややこしい投げ方用のラインは番手表示無しで重さ表示(なぜかグレインなんていう大麦測るときの重さの単位でピンとこねえけど米国はヤード、ポンドなのでその並びらしい)になっていたりする。それはそれで分かりにくくとも正直で紛らわしさがない利点はある。
「#8」とあればAFTMA基準の8番だと長くフライマンは理解して使ってきている。にもかかわらず、#6表示で9番相当のラインやら、#6表示で同メーカーの#7表示よりパワーのある竿やらが実在する。メールのやりとりで、「竿メーカーが「飛びますよ」ってアピールするために安易に堅ったいパワフルな竿に低番手指定して客が混乱しているのはあるかもしれぬ。」っていうのは#6表示の竿を買って実際には#8相当だったという釣り人としては当然口に出るぼやきだろう。
竿が耐久性削って薄っぺらくして、竿自体の太さ重さから旧来なら#6相当って番号振って「#6とは思えないパワーによる遠投性」とかやり始めると、各社負けじと後に続くと6番の竿が#7でも#8でも投げられるパワーを持つことになる。となるとラインも軽いと逆に風に弱いとか竿が曲げにくくコントロールがききにくいとかが出てきて、ラインメーカーもじゃあ重くしておくか、ってな具合で重くしていく。その時にSA(サイエンティフィックアングラーズ)のようにちょい重めに作ってますって書いてあればケン一も書いてたようにまだマシで、ふつうなにも書かない。こんないい加減なことAFTMAとしても指導入れるなりしろよ、と思うけど、規格自体やめたような気配なので、どうにもできずがこの有様か?
昨年から20年使ったダイコーの8番のフライロッドを引退させて、ロッキーマウンテンアウトフィッターズの8番を導入。使ってみて、新しい竿良く飛ぶので、さすがに20年使ったダイコー竿は腰抜けてたんだなと感じてたけど、実はそうじゃなくてダイコー竿は昔のAFTMA規格遵守の竿で、今時の8番であるロッキーマウンテンの方は8番と言いつつ、昔の9番とか、実質そのぐらいの番手が上の竿だっていうだけなのかもしれない。番手上げてライン重くすれば当然遠投性は上がる。でも竿とラインが重くなって取り回しはその分しんどくなるのを、カーボン薄っすくしたり高弾性にしたりなんだりで、持ったときの軽さは耐久性とかを犠牲にして確保してある。で、軽くてパワーがあって折れやすい今時の竿がいっちょ上がりって感じだろうか?
いずれにせよ、今のフライロッドとフライラインの番手の混乱具合は、AFTMA規格ができる以前にまで退化している実態にあるようだ。せめてシングルハンド用の場合ぐらいはAFTMA規格に準拠して表示して、それよりパワーなり重さがあるならそう説明しろよ?って話だけど、ごたごたの混沌のなかでわけの分からん品物売りさばくなら、単に堅くした竿を「同じ番手でも良く飛びまっせ~」ってやって馬鹿を釣った方が早いだろうからな。
そうなってくると、結局何買ったら良いのかって、いつもの同じのを買い続けることができるならその間は良いんだけど、廃盤だの新しい竿買っただので、新たなラインを買わなきゃならんときは、竿とライン振らせてくれるような親切なお店が近くにあれば良いけど、田舎じゃそんなの望むべくもなく、そうじゃない場合は、結局、ややこしいダブルハンド用ラインがそうであるようにグレインでもグラムでも良いのでその竿に適合する重さを把握しておいて、重さで目処をつけておいて微調整するしかないって状況のようである。重さ表示無いようなら自分で測るってのが結局必要になってくる。最終的には何でもそうかもしれないけど、今回ケン一がそうしたように”実測”重要。メーカー表示のカタログスペックなんぞいくらでも嘘が入り込む余地があるけど自分で測っちまえば誤差ぐらいあったとしても自分の責任下において正しい情報が得られる。
軽ければポリリーダーのような重さを足せるリーダーを繋ぐなどして、重ければぶった切ってチューブ状のブレイドラインで繋ぎ直すとか、ランニングラインに繋いでシューティングヘッド化するとか、多少の調整はできる。ポリリーダーを最初ブレイデッドリーダーと勘違いして買ってしまったときに、なんでこんなフライラインの切れっ端みたいなものが売られてるのか?疑問に思ったけど、特にダブルハンドの世界では規格もクソもあったもんじゃないので微調整ありきで必要性があるんだといまさらながら納得した。
ただ、そういう一手間面倒くせえ作業をできる”お好きな人”たちはそれで良いとしても「アニメの”スローループ”見てやってみたくなりました」とかいう、素人がこの混沌の状況下で、正しいロッドとラインの組み合わせをはたして手に入れられるのか?はなはだ疑問である。基準が無視されているにもかかわらず、普通6番の竿には6番のラインをというのが常識ではあるから、間違った組み合わせになる可能性がごく普通に生じている。
フライフィッシング業界、ちゃんと新規参入者を確保したいのなら、基準がワヤになってて玄人衆が四苦八苦してるような状況を整理し直すところからやらんと、マニアックな層から高っかいお布施をまきあげるようにしてご無体に高額な製品売るだけでは商売ジリ貧でっせ。
っていうのを、道具を見る目があるとワシは思ってる米国の、頑固だと思うフライマンが使う道具でこの体たらく。釣り具業界はグローバルスタンダードに詐欺師ばっかなんか?
くっだらねぇ商売してると、そのツケは高くつくよ。
玄人衆のフライマンの皆様、ラインがイマイチしっくりこないって時は、ヘッドに相当する部分の重さ測って、竿ごとにちょうど良い重さがどのへんか把握しておくと良さそうに思います。メーカーやブランドごとにここまでバラバラだとまでは多分皆様明確には把握してなかったのではないでしょうか?
知ってた、そりゃまた失礼いたしました。ワシはけっこう驚きました。このネタが皆様の楽しい釣りの一助とならんことを願っております。