2023年1月20日金曜日

鹿肉の煮込みア・ラ・アラスカ ーナマジのビンボ飯ジビエ編ー

  へっへっへ鹿肉いただいちゃいました。ということで普段は主な蛋白源は魚なので、久しぶりの獣肉であり嬉しい。

 美味しくいただくにはどう料理すれば良いか?悩み所である。単純に美味しいのが分かってる料理方法なら”刺身”で生姜醤油なんだけど、野生の鹿の場合はE型肝炎のリスクがあるので人様にお薦めするものではないと思う。劇症化は稀で死ぬリスクは少ないとしてもそういう危険性がある料理を安易に褒めちゃ駄目よとは思う。慣習的に猟師さん達が普通に刺身で食べている、鹿にE型肝炎の流行がないような地域で、それでも鹿も移動するし危険性はゼロじゃないと分かって、自己責任で食べる分にはご自由にだとは思うし、ワシも過去いただいてきた。”ノロが怖くて生牡蠣食えるか!”ってのと”フグは食いたし命は惜しし”の中間ぐらいの、アタる確率と罹患したときの被害の大きさかなと感覚的には思ってる。フグみたいに当たったらあっさり死ぬような猛毒ではないけど、ノロみたいに当たっても腹下しまくるぐらいで死ににゃしないウイルスほど病原性弱くないので下手すると死にかねんという認識でだいたいあってるかと。

 とはいえ、冷凍では不活化しないE型肝炎ウイルスも加熱すれば安全なので、加熱しても美味しい料理方法があれば、そちらを選択するのが無難というもので、お薦めするならそっちだろうとワシャ思うんじゃ。ということで”ジビエ料理”なんていうのは”ビンボ飯”ネタとしてはオシャレが過ぎると感じるような時代になって来たけど、田舎住みだと、害獣駆除の副産物として出てきたジビエ肉がお裾分けされてくるなんてのもありえるので、スカベンジャーナマジ的にビンボ飯カテゴリーに分類してみました。

 まあ手っ取り早く、焼き肉にしてしまうのは簡単でハズレはないと思う。狩猟マンガ「山賊ダイアリー」ではニンニク効かせてステーキで食ってたけど、鹿肉は脂の少ないあっさり目の赤身なのでステーキはがっつり食えて旨そうだなと腹が鳴った。よく、ジビエ肉はっていうかマトン(羊)でさえ「癖が強い」とか「独特の臭いが」とか言う輩がいて、カツオの血の臭いや磯魚の風味でも同じだけど、「そこが味わいどころだろ?」っていう食材の個性を全否定するような話で、なんでも美味しいって食ってしまうワシがバカ舌なだけかもしれんけど、なんだか幼稚な味覚だなと正直馬鹿にしてる。その違いが楽しめないのなら一生カロリーメイトでも食っておけと(あっ大塚製薬さん、悪口じゃないですよ僕カロメ大好きです、一年分送って下さっても困りません!)。牛肉には牛の風味があるし、豚でも鳥でも一緒なように鹿には鹿の味や香りがある。ただ、鹿肉は個体差はあるのかもだけど牛よりは癖がないぐらいでジビエ初心者にもその点ではお薦めできると思う。まあワシ、ジビエゆうても猪と鹿と蛇亀蛙とクジラとカモ・キジぐらいしか食ったことないけどな。

 という鹿肉を味わう時に、焼き肉は正直他の肉でやっても、同じじゃないけど似たような感じになるので、もっと鹿肉っぽさを味わえる方法はないかと、昔色々試して「これだ!」と腑に落ちたのが、今回ご紹介する「鹿の煮込み」である。鹿を料理するにあたって”モミジのお刺身”以外に何があるか、参考にするなら鹿を常に食べているような先住民族とかの狩人の料理方法に倣うのは良いかもと思ったんだけど、鹿食ってる先住民族の料理方法ってアイヌのそれがモロにそれなんだろうけど、昔は「ゴールデンカムイ」なんて連載始まってなかったから、調べることができなかった。でもって目を付けたのがアラスカのエスキモーのハンター達のカリブー(トナカイ)料理だった。鹿じゃなくてトナカイなのは気にしないことにした。椎名誠先生か写真家の佐藤秀明氏の著書で紹介されていたんだったと記憶しているけど、アラスカってごぞんじのとおり寒い土地なので野菜がほとんど穫れなくて日持ちのするジャガイモやらタマネギぐらいしか流通していないようで、それらとトナカイ肉を基本塩味でハーブちょいと入れるぐらいで煮込んだのが、良い出汁が出て実に暖まって美味しいというので作ってみたら鹿でもいけた。

 以下作り方。っていっても鹿肉をジャガイモとタマネギとちょいハーブ効かせて塩味で煮込む。以上。ってぐらいで簡単。

 材料はそんなわけで、鹿肉適宜(今回写真の半分の4~500gぐらい)、タマネギ1個、ジャガイモ2個、ハーブは常備してある生姜半欠けとコショウ少々だけでは寂しいので、一番”ハーブ”っぽい香りづけになるのは何かなと考えて今回はローズマリーを買ってきてこれも適宜、後はお鍋に具材が浸かるぐらいの湯と塩小さじ3ぐらい、具材炒めるときにサラダ油少々、と至ってシンプル。

 調理も簡単。

1.材料を切る

 鹿肉は半解凍状態ぐらいでごろっとしたブロック状に切り分け、タマネギは薄切りにして、サラダ油をひいた鍋にぶち込み、塩小さじ3、コショウ少々、ローズマリー適量、細切りにした生姜半欠け分を投入。


2.中火から弱火で炒めていきます。

 鹿肉の表面に火が通った感じになって、タマネギがしんなりしたぐらいまで炒めたらOK。


3.お湯(水でも可)とジャガイモ投入。

 ゴロゴロっと切ったジャガイモを投入し、具材達がヒタヒタっと浸かるぐらいの湯を入れて中火で煮立たせます。


4.灰汁を適当に取る

 灰汁は野菜から出る苦みや渋みのもとになるのは取り除きたいとこでだけど、今回ジャガイモとタマネギからはたいした灰汁は出ず、肉から出るのは主に肉汁のタンパク質が凝固したものなので、残すと見た目が悪くなるし、場合によっては臭いが気になるかもだけど、取りすぎると旨味も取り除くことになり、今回の場合、特に楽しみたい”野趣”が削がれることにもつながるので、ブクブクと盛大に灰汁が盛り上がってきても、なん回か灰汁を汁に溶け込ますつもりでかき混ぜて、それでも出てくる灰汁をある程度取り残しつつ取る感じでいきます。見た目より味わい重視ということでヨロシクです。

 で、灰汁がある程度落ち着くぐらい煮立たせたら、ここから”ビンボ飯”的煮込み料理の必勝法である”保温調理”に入る。煮込み料理で肉が軟らかく味が染みた状態まで煮込むには「弱火でコトコト」やってたら時間もガス代もかかってこのご時世こまります。ビンボ飯にはあるまじき調理法。かといって圧力鍋も贅沢だし。っていうときにこれはガス代節約しつつ長時間煮込むのと同様の効果が発揮できる”ビンボ飯”ならではのテクニックなので是非憶えていってください。やることは簡単。「保温調理」の名の通り鍋ごと保温して長時間温かい状態を保ってやるってだけ。具体的にはタオルとかで適宜くるんで、ハッポーの箱やクーラーボックスにぶち込んで放置。それだけのこと。コツというのも馬鹿臭いけど、熱い鍋を直でハッポーの箱に入れるとハッポー溶けたり変形したりするのでタオルで巻きつつ保温効果を高めるべく隙間も埋めてやると良いかと思っちょります。今回ちょうどクーラーバックに鍋が入ったのでクーラーバックを利用。

 で4,5時間放置して完成。が左の写真の状態。

 見た目は茶色くて正直イマイチ。”映え”的にはよろしくない。

 しかし、これで良いんです。なぜなら美味しいから!

 味付けといっても塩ぐらいで、こんな”原始的”な料理がたいして美味しいわけがない、と思うかもしれない。でも鹿肉の旨味の出汁がタマネギの出汁と相乗強化で”塩だけでこんなに旨味が!”というぐらいの味になってて、ジャガイモにその味が染みている。臭みもほとんどないので無くても良いぐらいだけど、生姜、コショウ、ローズマリーの香りも邪魔ではなくほのかに香って食欲をそそってくれる。丼飯余裕。

 塩味でこれだけ美味しいんだから、まあ肉じゃがみたいに醤油味にしても、カレー味にしても、トマト煮込みにしても、煮込みは全体的に鹿肉の得意分野なんだろうと思っちょります。

 肉料理で肉の旨味を単刀直入に味わう方法として塩ふって”焼く”という方法は、ステーキにせよ焼き鳥にせよ人気料理でその美味しさはみんな知ってるところだけど、塩味で煮てしまうというのも、これがなかなかバカにできない美味で、”肉を焼くには才能がいる”と美食家の開高先生が書きつけていたと思うけど、焼き加減とか結構難しめ。でも、肉を煮るのは簡単で誰にでもできます。味付けも後から調整できるし、煮込み足りなかったら再度煮たらよい。ということでジビエを野趣溢れる感じで堪能したいなら塩味で煮てしまうのをナマジ的にはお薦めします。

 旨いぞ!

2023年1月14日土曜日

ついでにもひとつキャデラック

 前回紹介したスーパー7の部品取り用としてのキャデラックⅣボロ個体は、結果からも明らかなように、購入時点ですでにある程度”ハズレ”で、ゴミを金掛けて米国から個人輸入するということになることが、予想というか予定されていたところであり、それだけだと悲しすぎるなと、お楽しみ用にもう一台ついでに(何が”ついで”なのか意味不明な供述をしており)とこれまたキャデラックの”Ⅲ”を確保していた。うんうん、しかたないしかたない。来た時点でグリス古くなって回転重く小傷とかはある状態だけど、機関はとくに異常ないようで分解清掃、グリスアップ整備で冒頭写真のようにそこそこ良さげな状態に復活。まあ一安心である。4,975円(送料別)もはりこんで、もともとのお買いモンであるⅣより金かかってるという本末転倒状態だけどまあ気にしないでおこう。

 このリール、形的には丸ミッチェルに似てて、ボディーは丸いベベルギアの形を反映しつつ、主軸が下がるお尻の部分が突き出してるのは基本一緒。ただだいぶ違うのが大きさで、単体の冒頭写真だと渓流とかに使えそうな大きさに見えなくもないけど、実際には重さ約570グラムと海用大型リールのサイズ感で4桁PENNだと金属ボディーの6500ssよりちょい小さいぐらいだろうか。デカリールであるⅣと比較しても右の写真のようにそこそこ勝負になる大きさ。

 でもって、使いもしないだろうから既に飽和状態で我が家の蔵に転がってるデカ大森を、さらにもう一個追加しようとなぜ思ったのかというと、これ1952年発売”ダイヤモンドリール第1号機”の候補の一つだとワシにらんでいるからである。大森沼の住人としてはちょっと興味あるよねって話で、ただ、正確な情報がなくて、このタイプのスピニングだったのは確かだけど、そもそも販売時の名前もブランドも不明、大きさも分からんということで、箱絵っぽいイラストからその正体を推測してるに過ぎないんだけど、候補として絞ったのは今回入手したコンパック「キャデラックⅢ」とオリムピック「ハリケーンNo.45」そして同「サーフライダー」でとりあえずコンパックブランドのに手を出してみたというわけ。他にもオリムピック「ハリケーンサターンNo.49」はハンドルちょい違うだけ、同「マーキュリー」もちょい脚が違うぐらいで似てる、と似たようなのは結構あってこれらのどれかがダイヤモンドリール第1号機なのか?それともダイヤモンドリールブランドで出ている機種が別にあり、これらの中にその同型機が含まれるとかなのか?現時点ではなかなか知りようがないので、引き続き情報気にかけつつ、とりあえず今回のキャデラックⅢは候補の一つという整理にしておくことにした。
 話脱線するけど、マーキュリーと言えば洋楽好きなら”フレディー・マーキュリー”だろうし、アニオタならちょっと前までなら”セーラーマーキュリー”だったんだろうけど、今なら断然”スレッダ・マーキュリー”ちゃんだろう。「ガンダム水星の魔女」の第12話ではドン引きさせられた。

 閑話休題、でもって分解していけばある程度癖とかで大森っぽいか?そうでないか?分かることもあるだろうし、いじったことがない機種なので面白そうなのもあり、はりきって分解清掃注油の作業に突入していく。

 まずは、スプール周り。
 70年前のリールだとすると、ドラグができすぎなぐらいに普通に今時のと同じようなのが入ってる。スプール裏のドラグの音だしは逆回転しない方式で凝ってるし、ドラグパッドとワッシャーを押さえる”蓋”もリールのオマケのドライバーの背中をマイナスドライバーとして使うようなーネジ切ってあってしっかり締めて留める方式。ドラグのバネはドラグノブの中に内蔵、そして、ドラグパッドは3階建て方式。
 ドラグの構造なんて昔っから変わってないって話。
 さすがに皮のドラグパッドは干からびて固くなってるけど、当時の状態のままをなるべく維持しておきたかったので、洗って古い油と汚れを軽く落としてグリス塗るだけにしておいたけど、カーボンのドラグパッドで似たような寸法のを入手して大きさ調整して換装してやれば、今時のリールと遜色ないドラグ性能になるはずである。古い日本製のリールだとドラグが分かってない設計のもたまにあるけど、コイツは既にドラグが分かってるリールである。そのへんちょっと大森臭がするところ。

 次に本体内ギア周り。
 パカッと本体蓋をあけると、丸いボディーに丸いベベルギアが鎮座してるのは丸ミッチェルでも見慣れた構造。
 スプール上下(オシュレーション)機構はハンドル軸のギアの上に突き出したピンで主軸に固定したオシュレーションカムを上下挿せる方式。なのでハンドル一回転一往復。
 ハンドル軸のギア上のピンは、”カラー”をネジで留めている方式で、カラーが回転して摩擦軽減してるのは後年の大森の左右両用じゃないリールでお馴染みの方法と似ている。
 ストッパーはハンドル軸の裏に歯が切ってある方式。
 ギアの素材はローター軸のは真鍮。ハンドル軸のはおそらく亜鉛だと思う。ハンドル軸のギアには当然のように焼き入れした綱だと思うけど鉄系の芯が鋳込んである。そしてその芯を受ける本体のハンドル支持部には真鍮のブッシュが入っている(写真でちょっと見えているのはガタ調整の銅製シム)。このへんのギア周りのしっかりした作りは大森っぽいといえばいえる。
 なにげに本体に本体蓋を填める端は段差になっててカパッと填まって、グリスシーリングしておけば防水性良さそう。

 でもってローター軸のギアを抜きたいんだけど、ちょっと抜きにくい。ローターを留めているナットを外しても抜けず、明らかにローターを回してローター軸のギアの上部から抜かなきゃなんだけど、ギアを固定しないとローターが回せず、ギア固定用の穴とか切り欠きとかがないので、ハンドル軸のギアを押しつけて回転しないようにしてギアをガリッと削ったりしないように慎重にローターを回して緩めると無事外すことができた。
 ハイ、全国のBBB団(ボールベアリングをボロクソに貶す者の団)の皆様、お待たせしました。このリールにはボールベアリングは入ってません。リング状の真鍮製の輪っかが”ブロンズベアリング”として入ってるだけです。実に良い感じです。
 ローター軸のギアは本体内に落とすように外して、上部のカラーを上から抜くような構造になっております。

 そして、独特なのがベールリターンの構造。
 写真上2枚がベールを起こして投げられるようになった状態。
 左のようにローター裏に本体から突き出す棒を”とおせんぼ”するように斜めに板が突き出す形の部品が配置され、これがローターの外までつながる棒につながっていて、棒の先が右写真の矢印の位置でベールアームの穴状の窪みに刺さって反転を止めている。
 ハンドル回してローターが回って”とおせんぼ”してた斜め板が本体から突き出した棒に蹴飛ばされると、下写真左のように、ローターの外でベールアームの窪みに刺さってた棒を内側に引っ張る。そうすると当然刺さってた棒は外れて、ベールアームが返る。写真下右は返った状態で矢印は棒が刺さってた窪み。
 やや機構が複雑だけど、確実に作動する仕組みになってる気がして面白い。

 あと、ラインローラーは固定式で、素材が濃い灰色っぽい金属でタングステンっぽい気がする。固定式なんだけど何故か芯に真鍮のスリーブが入ってて、真鍮のスリーブを延長するようなちょうど良いワッシャー的な部品を追加してやれば、隙間に落ちない太いナイロンライン使用が前提だけど、ラインローラー回転式にも改造可能なような気がする。ベールアーム側にはラインローラーが填まる窪みがあるのでライン落ちないだろうから、逆のベールワイヤーの終わり側に樹脂製のカラーでも成型して追加して隙間の上を覆ってやればある程度細糸でも落ちないようにできるかもしれん。とはいえとりあえずは現状維持で。

 パーツ数も少なく、整備性は良好。ベベルギアで1:3.5ぐらいの低速機なので巻きは重くない。ギアゴロ感もたいしたことなく、ハンドル回してのベールの返りは軽くて気持ち良い。このサイズのリールでラインローラー固定式は、さすがに対象となってくる魚が青物とかだろうから厳しいけど、回転式に改造して、ドラグパッドをカーボンシート式のに換装したら、巻き取りスピードの遅さはスプール径のデカさである程度カバーできるとして、ついでに巻きが軽いので一所懸命巻いたら何とかなりそうで、単純で丈夫に作ってあるしそこそこ使えそうに思う。
 っていうぐらい、基本設計的には良くできてて、1952年製にしては整いすぎてるような気がする。足の裏には「compac japan」表記があるので日本製なのは間違いなく、だとすると大森っぽくはあるんだけど、コイツは”ダイヤモンドリール第1号機”ではないのだろうか?もっと後の時代のとかの可能性もあるのか?
 さすがに70年前の機種でイラストでしか見たことないリールがなんだったかを断定するのは難しいのが正直なところ。なので、今回はその候補の一台ってことでお茶を濁しておきたい。

 実際に第一号機からこの完成度で、大森製作所が”栴檀は双葉より香し”だという結論になったらそれはそれでさすがというところだし面白いなと思ってるので、引き続き情報拾えないか、気が向いたらネットで沼の底のほうに潜ってってみよう。

2023年1月7日土曜日

アメ車っぽいけどアメ車じゃないキャデラック

 昨年の後半の大森熱から来る急性”デカ大森”欠乏症は今もちょっと続いているぐらいでたちが悪い。 とりあえず、昨年からの続きでコンパック「スーパー7」がスプール上下関係の亜鉛部品がボロボロだったので、ボロい同型機を買って”ニコイチ”化して1台稼動品に持っていきたいというのが作戦としてあって、セカイモンでお買いもんしてコンパック「キャデラックⅣ」というのの足折れ個体を確保して、無事クリスマス前ぐらいに我が家にやってきて、分解・清掃、そして合体できたのかどうなのか?っていう展開になっております。

 ということで、今年の”スピニング熱”関連一発目は「キャデラックⅣ」からいってみたいと思います。今年もご用とお急ぎでない沼の底の皆様にお楽しみいただければ幸い。とりあえず結果からいっときましょうか。

 この個体の部品を使って「スーパー7」を稼動品に持っていくことはできませんでした。

 はい、終了解散。

 ってわけにもいかないので、負け戦の解説なんていう言い訳がましいことを読んでいただきましょう。

 まずコイツら微妙に大きさが違います。右のキャデラックⅣのほうがちょい小さい。こんな似たような見た目で新しい金型作って新型ってことはないだろうと思ってて、まず本体は同じ金型で、スプール上下のためのオシュレーション機構も胴体の形が同じだから同じようなモノを入れるためにそうなってるんだろうと、今思えば自分の都合の良いように思ってた。人は真実や論理的、客観的なことがらを信じるわけではなく、自分が信じたいことを信じるとは良く言われることだけど、全くその通りと認めざるを得ない。

 でもってパカッと開けると、スパイラルベベルギアなのは同じとして、オシュレーション機構は、ハンドル軸のギアの上で主軸に固定されたオシュレーションカムが上下するという極めて単純な方式で、「スーパー7」のあのローター軸の回転を拾って力強く歯車回して、90度曲折して”タイヤ”はかせたカムが主軸を上下させるという凝った方式は全く捨てている。オシュレーションカムの裏側に玉が入ってて滑らかな上下動を助ける設計なのはちょっと凝ってるけど、方式自体はごく一般的なハンドル一回転で一往復の左右入れ替えできないギアに採用される方式で、肩すかし食らうと共に、ひょっとして大きさは微妙に違うけど、オシュレーション関係の部品は共通だったりして(そうあってくれ!)、という願いも空しく、この時点でスプール上下関係がボロボロの「スーパー7」、フットが折れてて全体的にボロい「キャデラックⅣ」という、個別の2台の使えない大型リールが我が家に勢揃いしてしまっている。沼の底のドロに足がハマったイヤな感触。

 仕方ない、キャデラックⅣの内部は特に問題ないようなので、外回りは何か考えてみるとして、とりあえず分解清掃してキャデラックⅣをどうにか使用可能なところまで持って行く方針とする。こうなるんなら足折れてない個体が数ドル上乗せで手に入ったものをと、死んだ子の歳を数えてしまうようなワシ。

 まあ、特に変わったところはなく、気をつけるところとしては、ローターがナットの他にギア上部に切ったネジで締められて止まっているので、本体側のローター軸のギアの底に切り欠きがあるのでそこにリール付属品のドライバーなど突っ込んで固定してローターを回して外してやる。外してやると玉が転がり出てきて、スラストベアリング機であることが判明。玉をなくさないように気をつけましょう。というぐらいか?特にビックリするような機構はなくてわりと単純にまとまってて、それはそれで良い。良いんだけどちょっと気になるのはローター軸のギアが真鍮の芯に亜鉛のギアをあわせているように見えるけど、強度的に大丈夫なのか?ハンドル軸のギアも同様でギア自体は亜鉛かアルミかっていう見た目。最終的に組み上げてグリス盛り盛りにして回してやると、わりとギアゴロ感強めで、スラストベアリングの締め付けがキツすぎたのか、ギアが摩耗してしまってるのか、それともベベルギア系ならスパイラルベベルギアでもこんなもんなのか?正直良く分からんところ。まあ気にすんなか?ワシが気にせんかったら日本ではほぼ気にする人間はいないはずだ。

 というかんじでギアゴロ感はあるものの、釣りできないほどの不快さはなくて内部はグリスマシマシで仕上げたのでとりあえすこんなもんかという感じなんだけど、外回りは折れてる足の他にも塩かぶってか結構ボロい。

 とりあえずラインローラーが腐蝕して固着してるのは取れそうにない。早々に諦めた。そして、ラインローラーに落ちるラインの輪っかをしごくワイヤーのガードを止めているネジがこれまた固着していてねじ切れて頭が取れた。こちらはワイヤーガードを固定することができれば足りるので、ベールアーム側に残ったネジをほじくるようにドリルで穴を開けて、ちょうど穴に入る200LBのナイロンショックリーダーを炙って頭を作って固定、反対側で切ってちょっと炙ってウレタン系接着剤でシーリング。ローターに固定式のベールアームでベールワイヤーだけが反転する方式とともに、ラインローラーに落ちる前にラインを一回しごくのはこの時代のデカ大森の”売り”だと思うので頑張って補修してみた。ベールアーム反対側の巻き数多いバネを使ったベール反転機構も、これで3度目なので外してグリス塗って難なく填めることができる程度には慣れてきた。

 ドラグ周りはとりあえず無事で一階建て方式。スプール裏のドラグの音出しのバネが紛失していたので、適当にステンレスワイヤーででっち上げておいた。

 折れてる足だけど、竿のシートにそのまま填めようとすると、竿のシートに刺さってた部分が残る形でポキッと折れたんだろうなというのが良く分かる。試したのはFujiのパイプシートだけどほぼ折れた側は刺さらないので”ダメだこりゃ”感が漂うけど、どうにかせんとゴミが増えただけという結果になってしまうので、まだ残ってる部分をシートにねじ込めるように加工する。まあ角を金ノコで落としてから、サンドペーパーで削って尖らせてという力技の工作。ゴリゴリ切ってガリガリ削る。

 おかげさまで、Fujiのパイプシートは足を樹脂でしっかり保持する感じなので、浅めに入るようになっただけでかなりしっかり固定はできる。無理矢理削っていけばもっと深く差し込めるようにはなるけどまあ今日はこのぐらいにしといたるワ。


 ということで、折れた足はなんとかシートにハメられるようになって、内部機関はギアゴロ感程度で使用可能、あとは固着したラインローラーなんだけど、これはスーパー7と共通部品なので、実際使うとなったらスーパー7から持ってくるという解決策はある。ということで苦しいながらも”ニコイチ”でなんとか1台稼動状態には持って行ける目処は立った。たったけど、この大きさのリールを実際使う場面はなかなか想定が難しい。糸巻き量的には大型青物とか狙う大きさだけど、丈夫なベール周りやどちらかというと滑らせるよりガッチリ止めて使うのに適したドラグを見ると、ドラグあまり出さずに魚とケンカして獲るような釣りのためのスピニングなのかなと想像してるんだけど、そういう少ないチャンスを逃したら後がない一発勝負的な釣りに、使ったこともないリールの性能を知るために使えるかってうと、正直よう使わんだろうな、ということで冷静に考えると3台もデカ大森買ってしまったけど、出番作れんよなこれ?と我に返るのである。

 まあ、ここらで手を引くのがこれ以上傷口を広げないためには得策で、だいぶお金も時間も情熱も突っ込んでしまって引っ込み付かなくなってきてたけど、投資でいうところの”損切り”でここら辺で一旦終了としたい。したいんだけど多分このベールアームがローターに固定されたインスプール大型機の最終形であろう「シェイクスピア2250」あたりがポロッとネットオークションとかに出てたら、自動的に手が滑ってマウスをクリックしてしまうんだろうなという予感はしてたり、してなかったりする。

 ”スピニング熱”はもう持病であり完治しない気配がアリアリとする。今現在整備待ちのリールが、ブログネタにするつもりがないPENN714Z、マイクロセブンC2×2の他に、大森関連が3台、その他ボロリールが5台と溜まってしまっているので今年もスピニング熱ネタはボチボチと書き続けてみたいと思います。沼の底の皆さま、ご期待ください。

 関係ないけど、キャデラックもスーパー7も車に同名のがあるけど、この時代は商標権とかそのへん大丈夫だったんだろうか?スーパー7はともかくキャデラックとかもろ米国製だしどうなんだろ?

2023年1月1日日曜日

2023卯 あけおめ

 

 新年早々不穏な画像で始まっております、ナマジのブログ。明けましておめでとうございます。今年もご贔屓に。

 これ決して、可愛いウサギちゃんを虐待して皮を剥いで記念に干物作って保存して、たまに眺めて臭いを嗅いだりして顔を剥がれた生け贄の断末魔を思い出してほくそ笑んだりしてるような、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第44条第4項第1号に定める「愛護動物」にあたる”いえうさぎ”をみだりに殺し、又は傷つけ、もって同法同条第1項に違反し5年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処するべき事案では決してございません。まあ分かるとは思いますけど毛鉤巻くときの材料でして”ヘアーズマスク”とか呼ばれているものです。ウサギの毛を使ったフライパターンとして有名なのは、ノウサギの耳毛で胴を巻いた”ヘアーズイヤーニンフ”がド定番。他には”いえうさぎ(アナウサギ)”の毛皮を細く切った”ラビットファーゾンカー”関連なんてのがこれまた定番。日本にはもともと耳の長いウサギっぽいウサギはノウサギしか居なかったのでどちらも”ウサギ”と呼ばれているけど、英語ではヘアーとラビットは別物扱いらしいなんていうウサギ蘊蓄。ちなみに耳の短いウサギなら日本にもナキウサギやらアマミノクロウサギなんてのがいます。(※北海道のウサギはエゾユキウサギというそうな、ノウサギの亜種じゃなくてユキウサギの亜種と再整理されたらしいけど知らんかった。ダーウィンが喜多は勉強になるなぁ。)

 ほかに釣り人に関係あるウサギ関連と言えば、シーバス野郎とくにヒラスズキ派なら小躍りするけど、他の釣りならウンザリする、風波の頭が白く崩れて飛沫となってる状態を指す”ウサギが跳ぶ”なんてのや、あとは弓角ブン投げるサーフトローリングとかで使う天秤兼水面かき回して飛沫で魚の興味をひくヨーズリの「スキップバニー」ちゃん、ウッディーベルの名作クランク「シャローラビット」なんかもあるか。

 まあうさぎ年もそんな感じで始まったわけですが、例によって一年の計はガンタンクということで、今年の目標など。

 まずは、昨日根掛かりやらかして反省したばかりなので、今年はルア-根掛かりしてなくしてしまうのをゼロにしたい。その他フグとかにハリス切られてしまうのも極力減らしていきたい。釣り座周りのラインゴミとか常に拾うようにはしてるけど、根掛かりとかでゴミを出してしまった場合は、罰則としてしばらく釣りの手を止めてゴミ拾いすることを己に課したい。

 そして昨年の反省としてはもう一つ、落っこちて怪我したので、あたりまえだけど事故せず安全にというのを目標に掲げておきたい。若い時みたいには体がいうこと聞いてくれないんだから、少しでも危なさが想定されたら「ヨシッ」とせずに、ちゃんと安全策をとるか回避することを心がけたい。

 釣りの目標的には、昨年の目標だったアカエイと港内良型根魚が積み残し課題なので引き続き。シーバスはM川攻略の糸口は掴んだので詰めていってみたい。そして今年はチヌももうちょっと頑張ってみよう。あとはいつもどおり来た魚を釣って楽しむということで良いと思う。釣りに関しては目標特に立てずともわりと勤勉に頑張るのよねワシ。

 それでは今年もよろしくお願いします。

 皆様のご健勝、ご活躍と世界平和をお祈りいたします。

2022年12月31日土曜日

2022年のベスト3(釣り編)

 ○釣り:1位「81スズキ様」、2位「ご近所アジ釣り」、3位「メッキ」

 1位は、とにかく今年はシーバスが釣れんかった中での超嬉しい一匹。シーズン中雨が降ったらとにかく行っておくという方針は今年もかわらなかったけど、とにかく行っても行ってもで、セイゴが釣れれば良い方で春はセイゴすら釣るのがままならん大苦戦。シーバスの増減には「アリューシャン低気圧指数」なんてのが指標になるような冬が冬らしいかどうかが関係あるようで、紀伊半島でシーバス不調だと遠く離れた東京湾でも大阪湾でも不調のようで、全国的にシーバスマン受難の年だったようではある。そういうなかで出た一発。また出方が派手で浅い所に突っ込んできてたのもあって暴れ方も半端なく、スズキサイズってそんなに暴れる個体は少ない印象だったけど、たまにいるアホみたいに暴れるフッコみたいに暴れてくれて心臓バクバクものだった。シーバス釣るのに高価な道具も胡散臭いテクニックも必要ない。確率上げてとにかく釣り場で竿振っておけ、というのが証明できたと思う。釣れないと釣り場に行く気力が削がれがちだけど、釣れてる時にしか行かないとか”判断”し始めるとそれが原因で”釣れる時に釣り場に居ない”ということが生じがちなので、機械的に釣れようが釣れまいが自分の中で設けた基準を満たしてる日は釣りに行っておけば、釣れる日を逃すことが減ると思う。

 2位は、我が家の主食と言っては過言だけど、主力のオカズであるマアジ。釣らねば1人と1匹が飢えかねないので気合い入れて釣っている。2月3月の6.2m竿出しての深棚良型狙いから、夏の豆アジ、秋の小アジと、棚変え竿換え仕掛け換えつつ釣り続ける”のべアジ”から、カマスと一緒に回ってる良型釣るためのスピニングタックルでの切り身フカセ、遠投カゴ釣り勢に混じってのチョイ投げ浮子釣りと、年間通じて5月の端境期を除いてオカズを生産してきた。今自分の釣りで一番深い所まで突っ込んでるという感触がある。特に”のべアジ”の堅さはなかなかのモノがあると自負している。アジなんて簡単だろ?と思うのは多分真面目にアジ狙ったことない人の感想。活性高い魚が入ってるときにサビキでボコスカ釣るのは簡単でも、そうじゃないときに堅くオカズを確保し続けるのはなかなかに難しいはず。普通の釣り人が”アジは釣れてない”と認識している日でも特に問題なく釣れるところまで来た。水揚げ目標達成率が異様に高いのは、そのぐらいの数は時合いが終わる前に余裕で釣れるようになっているからである。今年は大型も狙いたいと考えて切り身フカセやらチョイ投げやらも始めて、苦戦もしてるけど狙いどおりちょっと良い型も釣れている。螺旋浮子仕掛けの”のべアジ”は仕掛けも進化して、技術的にも特に対フグ戦略で、フグより上の表層に湧いたアジが食ってるのを寝浮子の状態でアワセて掛けるとか、フグのリリース方法の最適化とかだいぶ技術的な進歩があった。フグをリリースするのは”遠投リリース”であっち行け!と投げてたけど、多分もっと良いのは”釣れてすぐにその場に放流”である。その場で放流してビューッと逃げていくと、どうもフグの群全体が警戒し始めてスレて刺し餌を警戒して食わなくなりコマセだけ食う感じになる。マアジは関係なく刺し餌に食ってくる。コモンフグでの話でフグの群の規模とか状況にもよるんだろうけど、試して損はない方法だと思う。そこら辺に転がしておくのは論外。フグ対策が上手くいくと、他の釣り人が「フグばっかりで釣りにならん」と敬遠するような釣り座が”生け簀”と化す。フグ様々である。

 3位のメッキは、今年は秋にちょい良い型が近所にやってきてくれて初めて使うトリガースピンのリールとかフライとかも使って夕方チョロッと行って楽しく釣れて実にイイ釣りモノだった。大きくても25センチがとこだけど、さすがは回遊魚の子供、引きは鋭いしルア-への反応の仕方も良いし出方は派手だし実にイイ。これまで”回遊魚狙い”ということで、高速ジャーク&ジャーク中心に早ければ早いほど食ってくる早引き系で狙ってたけど、チヌも意識してゆっくりめに首振らせるぐらいのポッパーでの釣りもやってみたら、これはこれでパコンと出てくれて悪くない感触。大人のロウニンアジ狙いでもボカンとポッピングしてしばらく放置っていうのは定石なぐらいで、釣れてあたりまえといえばあたりまえ。海水温は上昇傾向にあるんだろうからボチボチ紀伊半島で越冬する個体が増え始めて、遠征いかなくても20キロとかのロウニンアジ狙いができるようになったりして?そうなったら終末感ハンパないな。


○残念だった釣り:1位「落下」、2位「ルア-根掛かり」、3位「特に無し」

 「語るに落ちた」っていう感じの1位。雨でコンクリの壁から手が滑って仰向けに落下。背中を痛打。一番痛かった背中の痛みは10日ほどで治まったけど、地味に脇腹が一月近くなんかの拍子に痛んで、なんでぶつけてもないそんなところが痛いのかと思ったけど、落ちて打った時に肋骨がたわんで脇のあたりにヒビが入っていたようだ。っていうぐらいに酷い落ち方で、頭でも打ってたらそのまま永い眠りについててもおかしくなく、そうじゃなかったからこうやってネタにできているけどちょっとヤバかった。ホント爺様になって、体も思うように動いてくれないし、握力やらの筋力も落ちてるし、器用さやらも失われてきていて、若い頃の感覚でできそうだと思っても簡単に失敗することが増えてきた。そういうモノだと認識して、怪我しないように気をつけていきたい。まったくの不注意であり猛省する。

 2位の「ルア-根掛かり」は今年もルア-根掛かりロスト”ゼロ”を目指して頑張ってたんだけど、ワームいくつかと、ハードルアーも2個やってしまった。ハードルアーは1件目メッキ釣ってて護岸の足下で反応してるんだけど食い切らないので、ジギングラップでショイショイッと足下上下で誘ってたらなんかパイプみたいなのが沈んでて根がかった。2件目はなんと今朝。最後の最後でやっちまった。シャッドキャロで投げてたベビーシャッド50SPのエース格のパールホワイトの個体でガックリ。なんか底からちょっと浮いた位置のロープに掛かったのかちょっと寄ってくる感触のある根掛かり。釣れないと棚下げがちだけどそれで根がかってたらマヌケ。何度も書くけど根掛かりなんて、金の無駄だし、水中にゴミは残すし、なにも良いことはない。釣りをする限り、例えばフグに切られるハリとか、根魚狙いの時の仕掛けとか、水中にゴミを出してしまうのは避けられない部分はある。あるにしても目標としては”根掛かりゼロ”を目指すべきで、フグが来たら切られにくい長軸の流線バリに変えて対応したり、根魚狙いのときは投げずに真下だけを狙うようにして根掛かりしてもすぐ外せるように心がけたりしている。”根掛かり覚悟”なんていう、釣具屋が儲かるだけでなんの利もないような愚行は厳に慎むべきだと思っている。来年こそは根掛かりゼロでいきたい。まずはハードルアーを一個もなくさないように、ってのが現実的な目標かな。

 3位は特に無しとした。こまごまと見ていけば釣りたいけど結果が出てない釣りモノとかはあるけど、それは継続的にやっていけばいい課題で残念ってほどでもない。釣りに行って”残念”って思うのは、事故やらゴミやらぐらいで、釣れなかったぐらいのことは釣りをするなら織り込み済みの話でたいしたこっちゃないんだと思う。


○ルア-等:1位「リトルダイナマイト」、2位「フラッタースティック」、3位「鳥皮(チキンリンド)」

 1位の「リトルダイナマイト」は今期シーバス狙いで大活躍。春の唯一のまともな釣果であるヒラフッコも、冒頭写真のランカースズキ様もリトルダイナマイトで釣っている。元々はバス釣り用の小型のポッパーでいかにも”ハトリーズ”な大口開けた表情が楽しい小型プラグなんだけど、ゆっくりただ引きすると、ダーターみたいに水面下には潜らず、やや下向きに開いた口が水を受けてなんとも絶妙な感じに水面に貼り付きながらユルヨタッとヘタクソに泳ぐ動きを見せる。これが川に突っ込んできたやる気のあるシーバスには効くようで、ハクとか水面系の小型魚と重なる要素があるのかなと想像してるんだけど、セイゴからスズキまでバコンとかゴボッとか心臓に悪い音をさせて食ってくる。ついでにウグイちゃんもバシャッと派手に食ってくる。釣れ方としては浮き上がる系小型シンキングペンシルの「海爆リップレス」のそれに近いように感じているけど、海爆リップレスは引き始めてしばらく水面直下に沈んでる時間もあるので、引き始めから水面貼り付きのこのルア-とは多少釣れ方が違うのでローテーションさせている。なんにせよ今や押しも押されぬ一軍レギュラーに育ってくれた。とうの昔に廃盤でやや中古でも弾数少ないのが難点ではあるけど、人気はあまりなくネットオークションとかに出物があればまめに補充している。本来の使い方とは全く違う想定外の使われ方だと思うけど、ルア-は使い手によっていろんな”顔”をみせてくれるのも魅力でそれを引き出すのも楽しみ方の一つだと思うので、こういう使い方もありまっせっていう話。

 2位の「フラッタースティック」はラパラ傘下のストームブランドものだけど、多分日本向け企画のシンキングペンシルで、10、7、4と3サイズ展開で発売されて、7センチには東京湾のバチ抜けシーバスの時期にお世話になったけど廃盤。4センチだけが今生き残っている。この4センチが海爆リップレスとは使い分けができる”浮き上がりにくい”小型シンペンで、竿をあおって速度を出す高速ジャーク&ジャークとかでも水面上に飛び出しにくくてメッキ狙いに重宝している。対メッキ用頼れる一番バッター。実売千円前後と新品でも安いうえに、動きも低速ただ巻きでのユラユラからツィッチでの平打ち、高速ジャークでのバタバタと暴れるところまで実に良い感じで、使える小型シンペンなのである。

 3位の「鳥皮(チキンリンド)」は、ルア-なのか餌なのか?まあ餌なんだろうけどアジ釣りで餌交換の頻度を押さえるためとかで使う場合と違って、今回取りあげた使い方としては、根魚狙いにワームの代わりにハリに掛けて足下に落とし込んで誘うというもので、だいぶルア-っぽくはある。これが超優秀だと気がついて、根魚釣りは一気に楽になった。ワームとか普通の切り身餌とかだと、フグに囓られてすぐに消えてしまう。ところが鳥皮は丈夫でフグの猛攻にもある程度耐えて根魚を誘ってくれる。値段も安いし短冊作って好きな色に食紅とかで染めて冷凍しておけばいつでも使える手軽さ。バス釣りでつかう脂付き豚皮である”ポークリンド”っぽくもあるので”チキンリンド”という呼称も提案してもらったけど、まさにそんな感じ。発見の経緯は、釣りの上手い人ががアジ釣っててコマセに反応しているガシ(カサゴ)を釣りたいというので、ルア-タックルにワームで釣り始めて、見えてた個体を皮切りにポンスカ釣り始めたのはいいけど、拾ったワームがすぐにフグにボロボロにされてしまい、かわりにアジ用に用意してた鳥皮で代用したらなんら遜色なく釣れるうえに、フグの攻撃にもかなり耐えると判明したというのが発端。ちなみに東北では岸からワームで根魚釣るの流行って”釣り系ユーチューバー”とかが釣り場公開してしまったりしてるので、帰省したときに釣ろうとしても釣れなくなってしまってるらしく、紀伊半島では根魚がまだ良く釣れるので喜んでた。紀伊半島の釣り場にはワームを瞬時にポンチで抜いたように歯形だらけにしてしまう各種フグたちがいて”防衛”してくれているので、フグが多い釣り場には根魚そこそこ残ってくれている。フグ様々である。”フグは福”というのはなにも下関だけの話じゃないと思う。


○釣り具:1位「新旧自転車」、2位「ゼブコ44クラッシック」、3位「のべアジ用遊動式オモリ仕掛け」

 1位の自転車は、ワシの釣りには無くてはならない道具で、とにかく小回りがきいて駐車スペースを気にしなくて良いので、ルア-でササッと探って反応無ければすぐ移動、という感じで機動力を生かして釣り場を巡ることが可能。釣り場探索にはこれ以上無いぐらいに役立つ。車乗ってた時代にも車に積める折り畳み自転車を積んで釣り場開拓にいそしんでたものである。川崎時代から愛用の先代は長年の酷使で足回りが文字通りガタガタになってて、本来鮮魚運搬用でも何でもない前カゴは塩水で錆びまくり、自転車屋さんで匙を投げられる始末。自転車は無いと困るなぁ、と思ってたらちょうど安く中古ママチャリが売ってたので、その素人が水色にペンキで塗った空色のママチャリを即金とっぱらい1500円なりで購入。新しいチャリでも、機動力活かして近所の釣り場を走り回って”足”で魚を釣っている。末永くよろしく。

 2位の、ゼブコ社「44クラッシック」は、クローズドフェイスリールって使ったことないけどどんなもんだろ?とスピニング用ロッドで使える”トリガースピン”型の竿の下に付けるやつを試しに買って使ってみた。なかなか面白かった。スプール上下もないような単純なリールだけど、単純明快で良い意味で安っぽく、釣れりゃいいじゃんという米国っぽい実用充分さが好ましく、トリガーだけ触っておけば投げられることからくる手返しの良さはたしかに利点だし、まだそこまで指が慣れてないけど構造上、トリガー引いてローターをカバーに押しつけてライン放出を”サミング”して飛距離調整も可能なはずで、確かに使いこなせば”使える”リールだというのは腑に落ちた。実際メッキ釣りに投入したけど良い感じに釣れた。なかなか楽しいリールなので今後もたまに使って遊んでみたい。

 3位の「のべアジ用遊動式オモリ仕掛け」は、ケン一の「ハリス交換頻繁にしてるけど、オモリの位置をずらせるようにしておけば良いんじゃないの?」という疑問から始まって、そんなもんアワセでズレて固定できないと思ったんだけど、じゃあズレたら元の位置まで戻せるように目印付けておくのはどう?っていうあたりで、頭の中で仕掛けができた。ズレないようにしっかりオモリを止めようとしても止まらないし、止まるようなキツい止め方してしまうと頻繁に位置をずらしているとラインが痛んでそこから切れる。でも、逆に考えるんだ!って”ズレて良い”と発想を転換してしまえば、アワセ入れるまで止まっててくれれば良い程度のユルい止まり方で間に合い。その方がむしろ道糸を痛めずに済む。それでも頻繁なオモリの位置調整で道糸が擦られるのは良いわきゃなくて、摩擦に強いフロロカーボンをオモリの可動域に使うことで、ある程度耐久性を持たせる対策をとる。という考え方でオモリとコマセ螺旋をパイプに乗っけて、パイプの上下をユルいウキ止めゴムで止めて、アワセでズレたら上の浮子ゴムまで戻す。という仕掛けで試釣。結果は上々。実質ハリスの上の方が太い道糸になるわけで、そのあたりで食い込みが悪くなるとか不具合が出でないか?というような心配は杞憂に終わり、ちゃんと長ハリスとして機能してくれた。ハリスを交換するより簡単手早く”オモリ下(=ハリス長)”を変えられる効果は大きく、ダメならすぐに元に戻すってのもありがちであり利点は大きい。欠点は同じハリスを使いっぱなしになりがちなので、傷が入ってるのに気付かずアワセ切れとかが生じるぐらいだけど、まあそのあたりはまめに確認しておけば済むかと。最初の試釣に持ち込んだ仕掛けで特に大きな改良は必要なく、実際の釣りで使うオモリの可動範囲にあわせて道糸のフロロの部分の長さを調整するぐらいで良い感じに仕上がった。っていうような細かな改善を積み重ねながら、釣りって上達していくので、良さそうなアイデアはダメでも良いから試してみる。10に1つでもものになったなら、ちょっとずつでも釣りの腕は上がっていくと思っちょります。


○スピニング熱:1位「シェイクスピア2062NL-2」、2位「マイクロセブンC1」、3位「ミッチェル314」
 1位のシェイクスピア「2062NL-2」は秋のスタメン4番打者を任せた信頼に応えてくれた感じで、冒頭写真の80upスズキ様に、50up”歳無し”チヌにとかっとばしてくれた。アメリカンなウォームギア機ということで、PENNで馴染みのある使い心地でもあり、手にしっくりくる感じ。釣りに必要な機能は単純な設計の中にもしっかり備わってて、スプール径大きめで投げやすくラインローラーも回転するしでライントラブル少なく、ドラグもパッドだけ百均フェルトで自作したのに3枚中2枚交換したら、まあ3階建てだし今時のリールに入ってるドラグとなんら構造的に変わらんわけだし、あたりまえに性能は良いものに調整できた。チヌに流れの底に貼り付かれても、スズキに浅場で大暴れされても、ドラグがドラグとしてのあたりまえの仕事をしっかりこなしてくれたからちゃんと魚が釣れている。60年代のインスプールのスピニングだけど、魚釣るのに充分な機能・性能を持っていて釣り場でなにも困らない。今のリールがどれだけ進歩したか?邪魔くさい余計なモノが付いた分のマイナス面を考えるとむしろ退化してるんじゃないかとさえ思う。
 2位の大森製作所「マイクロセブンC1」はこれまでも何度も何度も”不人気実力派”と書いてきたところだけど、使ってみて改めてデキが良いことに唸らされる。樹脂製で軽いし、そのくせしっかりした作りで壊れそうにないしで、使ってこれもなにも困ることがない。欠点もあるけど対応可能で、一番困るのは銘板剥がれてると2千円とかで買えてしまうので何台も買ってしまうことか?ちなみに今我が家にCシリーズ同型機も含めて13台もござる。どうすんのこれ?人気のキャリアーと比較しても、双方特徴があるけどどちらも良いリールだと思うぐらいで、ひけはとらんと思うんだけど、中古市場での値段は雲泥の差で、ものの値段とかは中身とあんまり関係ないところで決まるんだなと思ってしまうところ。キャリアーSSなんて値段落ち着いてきたとはいえ今でも万札飛ぶ価格が普通で、マイクロセブンCSだって負けちゃいないとおもうけど、我が家の4台のうち2台が3千円台、2台が千円台というゴミスピ価格だった。安く手に入れられてありがたいけど、ちょっとムカつく。正当に評価してあげて欲しい。
 3位の丸ミッチェル「314」はボロボロの個体を手入れして使って、ちゃんと写真のように魚が釣れる性能があると証明して見せた。ただ、なにも面倒臭いところのないシェイクスピア2062系とかと比べるとやや”ジャジャ馬”で最初糸巻き量が多すぎてライントラブル頻発した。でも、そのあたりのあしらい方を理解すれば、ボールベアリング不使用でも、ラインローラー固定式でも、ドラグも1階建ての単純なものでも、魚釣って遊ぶのぐらいできらぁ!って話で、このリールに関してはそういうちょっと不便なところもあるリールをあえて使って楽しんでいる。来年はさらにスピニングリールの歴史を遡ったような、純正マニュアルピックアップベールに換装したベールレスなベベルギア機である「304」で遊んでみたいと思っている。

 今年は、こんな感じでPENN以外のリールを使ってて、PENNは青物狙いで6500SSを使ったぐらいでほぼ温存している。”PENN使い”としてはいかがなものかと思わなくもないけど、最終的にはPENNに戻るにしても、いろんなリール使って釣りするのは楽しいので、しばらく”スピニング熱”は完治しそうにない。

 てな感じで、今年は実釣はアジ以外苦戦が続いたけど、最後スズキ様も釣れてなんだかんだで帳尻があったように思う。釣りって”運”だよりのギャンブルみたいに思われることもあるかもだけど、長期的には努力に比例した結果が出るし、釣る人間は釣るようになっていると思っている。一年振り返って楽しく釣りできたなと思うので良い一年だったのだろう。

 ただ体調がヨレヨレだったり、落ちたり、物忘れが激しかったりと、いよいよ耄碌してきたなという実感はあったりする。まあこれも順番で、生まれて死ぬまで生きていれば避けようのないことで、そういうモノだと認識して気をつけつつ、やれるようにボチボチとやるしかないのかなという諦念。しゃーないやね。

 来年は怪我なく、いい年になるよう祈っておこう。

 皆様も良いお年をお迎えください。

2022年のベスト3(エンタメ編)

©野田サトル ©トリガー
  今年も活字本は、「華氏451度」は年またぎで読了してその警句の鋭さに唸ったけど、それ以外はラノベ読んだぐらい。皇帝がいた時代の中国後宮を舞台に”薬屋”の少女が謎解きしたり陰謀に巻き込まれたりと活躍する「薬屋のひとりごと」はなかなかに面白かった。若い頃は年間に購入する文庫本だけで100冊はいってた”活字中毒”だったので、こんなに読まなくなるとは予想してなかった。まあ読まねばならん義務もないし読みたくなれば読めば良いだろう。ってことで今年も活字部門無しでいっときます。

○マンガ:1位「ゴールデンカムイ」、2位「ベルセルク」、3位「絶対可憐チルドレン」

 1位「金カム」は、堂々の大団円完結。一巻の時点で”こりゃ大ヒット間違いなし”と太鼓判押した作品が、予想どおりに大ウケして最後までその熱量を失わず完走してくれたので1ファンとして我がことのように嬉しい。何が面白いかっていうと色々と要素は上げ始めたらキリがないけど、登場人物が魅力的っていうのは外せない要素だったと思う。ヒロインであるアシリパさんの、アイヌの狩人としての凜々しく頼もしい面と、食いしん坊でお茶目な面の落差、そのアシリパさんに敬意を払いつつ大人として汚れ仕事は引き受ける”不死身の杉本”の誠実さは、物語の最初の方でアイヌに対する差別的な発言を受けたアシリパさんが「気にするな、私は慣れている」と言ったときに、そんなもんに慣れる必要なんてねぇ!と憤る場面で端的に表れていて、この場面で杉本に多くの読者は惚れ込んだだろう。他にも本作の裏ヒロイン阿仁のセクシーマタギ源治郎ちゃんと、敵も味方も差別せず騙す雌狐インカラマッちゃんコンビとか、女性にモテモテ柔道無敗ステゴロ無敵の大男でアシリパさんからも”チンポ先生”として懐かれていた牛山のラストバトルの格好良さにはワシも泣いたし、作中屈指のトリックスター脱獄王白石も良い味出してて忘れちゃならんし、なんと言っても”ラスボス”鶴見中尉の人たらしぶりと禍々しさその存在感の濃さよ!その過去の秘密を知る度にこの作品がよく練りこまれた筋書きに沿って展開していて、伏線やらパロディーやらの大ネタ小ネタを見逃さないように隅々まで読まねばならんと痛感させられたものである。本当はもっとマイナーな作品を挙げて”ちょっとやるオタク感”を醸し出したいんだけど、この面白さでは1位やむなしである。

 2位「ベルセルク」も、一応三浦建太郎先生の描く作品としては、先生の夭逝により未完ではあるけど、それなりにキリの良いところまできて一区切りとなった。三浦先生ありがとう、とまた書いておきたい。グッチャグッチャドロドロの魔が跋扈するダークファンタジーの世界で、それでもなお輝く美しい人間の魂が描き出されていたように思う。続きは先生の意思をついでアシスタントの人達が描き続けることになったようだ。それはそれで楽しみに読みたい。

 3位「絶チル」は、少年サンデーのベテラン作家「極楽大作戦ゴーストスイーパー美神」がオッサン世代には懐かしい椎名高志先生の長期連載作で、昔このマンガをネタに”マンガ論”を書いたこともあり思い入れのある作品で、美少女エスパー達が主人公の超能力バトルモノで、椎名先生昔っからおもいっきり萌えもバトルもギャグもシリアスもてんこ盛りで描くサービス旺盛な作風で、良い話しありバカネタあり、とにかく楽しめた。最後長期連載で敵がインフレしててどう決着つけるんだろうとハラハラ心配してしまっていたけど、ベテランマンガ家にいらぬ心配で、超能力バトルモノとしてなかなかに鋭く格好いい少年マンガらしい決着でこれまた大団円に締めてお見事と心の中で拍手した。2004年から2021年の永きにわたる連載で63巻で完結。途中アニメ化もあり(深夜アニメじゃなくて日曜朝アニメなのが笑える)、スピンオフ企画もアニメ化するなど地味に大ヒットしてる。椎名先生お疲れ様でした。

 という感じで今回は一区切り付いたマンガ縛りで3つ選んでみました。マンガはそこそこ読んでいて終わる作品があれば新しい作品も探しておかねばなので、ちょくちょくチェックしていて「虎鶫」「勇気あるものより散れ」「時間停止勇者」あたりは面白い作品が始まったという感じで楽しみにしている。その他では「ヴィンランドサガ26巻」が滅茶苦茶に良くて感動した。この作品では2度目だけど泣かされてしまい干からびかけてるジイサンの涙腺絞られてしまった。ネタバレすると面白くないので書かないけど老若男女問わず読むべき作品だと思う。NHKでアニメ第2期が来年放送されるようで、1度目泣かされた”農奴篇”まで行きそうでそっちも要チェックである。


○アニメ:1位「サイバーパンク:エッジランナーズ」、2位「アキバ冥途戦争」、3位「ぼっち・ざ・ろっく!」

 1位はもう、これでいいんだよ!っていう感じのSFアニメ。電脳技術が発展しそれを使った犯罪やらも存在する”サイバーパンク”な近未来の世界観、体をサイボーグ化して闘うという超能力バトルモノ要素、囚われのお姫様を悪の城から救い出すという物語の骨格、どれも手垢の付いたような今まで何度も描かれてきたし、今も描かれ続けているような要素で構成される作品である。主人公の得た超能力が”加速”ってのからして「サイボーグ009」からの伝統でなんにも目新しくはない。でも過去の名作と比べてもひけを取らないし、今年見たアニメの中ではぶっちぎりに面白かった。バトルシーンが格好いい、全編に漂う破綻への予感がやるせなくて良い、ハッピーエンドじゃない終幕がどうにも胸に来る。何が違うのか説明しきれないのがもどかしいけど、偶然じゃなくて狙ってやってる細かい積み重ねの累積で仕上がりが違ってきてるのかなと想像している。Netflixのオリジナルアニメで制作は「トリガー」。金かけて力のある制作陣が作ったのがもろに感じられる。ネトフリのアニメも金掛けたからといって全部が面白いわけじゃないけど、それでもチョイチョイと突き刺さるような傑作が作られているので、パトロンとしては来年も契約更新させてもらう所存である。いたく満足している。

 2位、3位は年末の最終回までオレの中でデッドヒートを繰り広げてくれて、もう甲乙つけがたかった。僅差2位の冥途戦争の方はアキバのメイドで任侠モノのパロディーをやるというヤッタケタな作品なんだけど、萌えあり笑いありドンパチあり不条理ありで良くこんなわけ分からんアニメ作ったなと感心する。楽しめる人間限られるけど分かる人間が見たらクソ面白い怪作。対して3位のぼっちざろっくの方は、王道の女子高生バンド青春モノで、その枠だと萌えアニメの歴史に燦然と輝く「けいおん!」があるわけだけど、個人的には今作の方が好み。コミュ障で一人でギターひいて動画サイトに投稿してた少女が、ひょんなことからバンドに参加して、不器用ながらも仲間と”THE青春”って感じの物語を紡いでいく。基本”コミュ障あるある”なギャグ多めだけどなんというか、白秋からそろそろ玄冬にかかる域にあるジ様の心に残る遠き青春の残り香を思い起こさせるような切なさも孕んでる。学校の体育館とかゴミ捨て場とか図書館とかが丁寧に描かれたシーンになぜか胸が締め付けられる。ぼっちちゃんが初めて路上ライブする場所がシーバス釣ってた高架下だったりして知ってる街並みが出てくるのも個人的に懐かしかった。こっちはコミュ障なオタクどもには受けたようで、ひょっとすると「スパイファミリー」「チェンソーマン」という秋のド本命ジャンプ勢より評判とったかも。なんというか”ぼっち”だって好きなことみつけてのめり込んで打ち込んだら、なんか沼の底の方で仲間もみつかるってのは人生の真理かもしれない。なんでも良いので好きなことを見つけて目一杯楽しむってのが重要だとジイサン若い人には言ってあげたい。君の旋律をかき鳴らせ!

 アニメは沢山観たので他にもいっぱい面白いのあった。もちろん「シン:エヴァンゲリオン」は最高の締め方で”庵野監督ありがとう”って感じだったけど劇場版アニメは別枠だと思うので外した。「パリピ孔明」「錆食いビスコ」あたりもクソ面白かったけど選には漏れてるってのが今のジャパニメーションの水準の高さを物語ってる気がする。他にも中国のコロナ禍再燃で外注してた作画が間にあわんくなったとかで2度目の放送延期に入ってる「異世界おじさん」が完走してたらベスト3に入ってておかしくない可笑しさで”異世界モノ”というもうネタ出尽くした感のある分野でもまだこんなにも面白い作品があるってことに驚きと喜びを感じている。


○ドキュメンタリー他:1位BBC「ワイルド・アラビア~神秘の王国~」、2位「魔改造の夜」、3位「さよなら全てのエヴァンゲリオン~庵野秀明の1214時間~」

 1位の「ワイルド・アラビア」はさすがBBCと唸らされる圧巻の映像美。アラビア半島の野生動物を追ったドキュメンタリーなんだけど、もうラクダの色っぽい眉毛から、トビネズミが跳ねるときに足の毛が砂をとらえるところまで、クッキリハッキリ魅せてくれる。ラクダと先住民の関係とラクダと石油長者の関係の対比とかも興味深く、そしてなんといっても夫婦共同で技ありの奇襲をかけるコシジロイヌワシのケープハイラックス狩りの映像が痺れる格好良さ美しさ。”西側”の我々が知らないアラビアの自然の美しさがそこには映し出されていた。眼福眼福。アマゾンプライムビデオで視聴可能なので生き物好きの皆様は是非ご覧ください。超お薦め。

 2位の「魔改造」はドキュメンタリーじゃないけど、NHKのバカっぽい企画番組で、モノホンの技術者たちが、しょうもない”お題”に社名に泥を塗らぬよう己が誇りに恥じぬよう全力全開で取り組む技術系バトル番組。太鼓を叩くクマちゃん人形は瓦を叩き割り、イジェクトされたDVDが射出されボウリングのピンを倒す。そこに何の意味があるのか?なくても技術者の魂が震えたならば、そして倒すべき強敵がいるならば、彼らは寝食を忘れて魔改造に没頭する。やってることは大の大人が本気で遊んでるだけなんだけど、そこにドラマも生まれれば感動さえ覚えるという事実。こういう真剣に遊びができる技術者たちが日本の”もの作り”の現場にいるということはとても頼もしく感じる。夜会のルールとして「失敗してもかまわない」というのが設けてあるところが、この企画を立ち上げた側が、人間の技術や知識の発達において失敗をおそれていては何も生まれ得ない。ということを良く分かってるというのがまた頼もしい。バカバカしいけど面白くて意義深い観る価値のある番組だとワシャ思う。

 3位の「さよなら全てのエヴァンゲリオン」は「シン:エヴァンゲリオン」製作現場の庵野監督に密着したドキュメンタリー。庵野監督伝説は奥さんのモヨコ先生や大阪芸大時代の同級生島本先生のマンガでも知ってたので、サッポロポテトバーベキュー味を口に流し込みながら作画作業する場面とか妙な既視感があって笑えたなんてのも楽しかったけど、アニメ製作の方法論からして凡百の監督とは違ってて、自分の頭にある範囲では限界があるので、それを破るために参加するメンバーにも限界まで”出力”してもらって、それらが化学反応起こして限界突破した作品にもっていく、っていうやり口に正直驚かされた。凡百の監督なら自身の理想が頭の中にあって、そこに向かっていくんだろうけど、庵野監督はスタート地点ではどこにも存在していない作品を、みんなの力を借りて顕現させるのである。天才だとは認識してたけど、やっぱりどうにも天才だと思う。できた作品が規格外なのは監督自身が規格外の天才だからだと納得した。NHK作成だけどこれもアマプラで視聴できます。

 てな感じで、今年もマンガにアニメにドキュメンタリーにと楽しめたんだけど、今年に入って、もう地上波民放TV局は大きなスポーツイベントの放映権料が払えなくなってきているという末期症状が顕著に表れはじめていて、ボクシングの「井上VSドネア」「村田VSゴロフキン」(敬称略)はアマプラ独占だったし、国内格闘技の何十年に一度あるかどうかの大イベントだったメインカードが那須川天心VS武尊の「THEマッチ2022」がアベマ独占でペイパービューで視聴権購入して観る方式、サッカーワールドカップもエラいぞアベマTVって感じでアベマTVで全試合無料配信ときて、地上波TV放送受信機が我が家に無くて唯一残念だった、格闘技やスポーツの生中継を視聴できないという不満は、むしろ”サブスク”と呼ばれる動画配信サイトを契約していないと生じる不満となりつつあり、視聴者舐めて馬鹿にした番組作りして、スポンサーにおもねって、くっだらねえバカのクレームに反発する気概もない腰抜けの地上波民放TV放送には、いよいよ”タダで見られる”っていう利点以外なにも残ってない状態になってきて、昔っからその視聴者舐めくさった鼻につく態度が気にくわんかったのでザマミロバーカと気分が良い。

 アベマTV、Netflix、NHKオンデマンド、アマゾンプライム、いずれも払った料金の価値は充分あった。来年もこの調子でよろしく。

 という感じで今年も、人様の作ってくれた作品で沢山の楽しい時間を過ごすことができた。微力ながらお金払ってパトロンとして応援していくので、これからも良い作品を力一杯創って欲しい。

 今年楽しんだ作品に関わるすべての表現者のみなさんに感謝。

※画像引用は野田サトル「ゴールデンカムイ」第31巻Kindle版、netflix「サイバーパンク:エッジランナーズ」第10話より

2022年12月24日土曜日

君の名は?エソ編そしてスカベンジャーナマジのビンボ飯

 ちょっと気になったんだけど、「君の名は?」って題名はナマジのことだしアニメからと思ってる人も多いかもしれないけど、”君の名は?シリーズ”は実はあのアニメよりも以前からあるシリーズで昔の実写映画のほう由来ね。さすがにワシも世代じゃないけど”マチコ巻き”っていうのがなんなのかを知ってるぐらいの知識はある。アニメの方のタイトルはオマージュなんじゃないの?しらんけど。タイトルにアニメの方は「。」が付いてるのは丸かぶりはマズいからか?(いまちょっとwikiったらリスペクトしつつ作った的な書きぶりなのでオマージュで正解っぽい、実写映画はラジオドラマの映画化なのね。)

 てな関係ない枕から始まってますが、今回のお題はエソ系。釣り人には十把一絡げに”エソ”と呼ばれ”外道”扱いされてるけど、高級練り物の原料としては良く知られていてそれなりに大型化する種は数がまとまれば商品価値もある魚。ただ「WEB魚図鑑」でも「エソ科魚類は表徴形質に乏しく同定が難しい分類群のひとつである」と書かれていて、正直メッキ釣ってて釣れてくる”エソ”は総合的に判断して「アカエソ」と一応同定しているけど、ミナミアカエソじゃないとした根拠は?と聞かれればそんなモンはない。だって、測線鱗数とかもかぶってて自分の中では別種とする根拠が分からんので同種扱いでいいやと思ってるぐらいである。DNAとかみないと分からんのならワシには分からん。

 ということで、あちこちカマス探してさまよってて底ベタ狙いで食って来た写真の魚、何エソなのか?調べるにはとりあえず持ち帰るしかないなということで確保した。試したい捌き方もあったので好都合。

 こういうのは下手に先入観いれるより知識無しに原則通りに検索図鑑で選択問題を解くような作業の繰り返しで愚直に行くのが間違いがないだろうなと、いつもの中坊徹次教授編著「日本産魚類検索 全種の同定」東海大学出版会(第一版)を紐解く。
 
 さすがにエソ科なのは間違いないと思うので、エソ科のページから始めると、まずは”胸ビレの外側と内側の軟条がほぼ同長”かどうかで分かれる。持ち帰った状態だと胸ビレ破れ傘状態で分かりにくいけど、内側の軟条もそれなりに長いのは確認できる。一応胸ビレの長さと位置は同定の鍵になるという認識ではいたので、釣ったすぐの写真も押さえてあり、やっぱり胸ビレの外側内側の軟条は長さに大きな差がないようだ、差がある場合はオキエソとかの仲間に、差が無い場合はさらに選択問題が続く。

 次は”胸ビレが著しく短く、その後端は腹ビレ起部にたっしない”かどうか、で明らかに長めで起部に達するほどなので、次に続く。ちなみに短いとトカゲエソとかの仲間。

 次から3つが”色”の話で、あんまりアテになんねえ”表徴形質”なのよね。”各ヒレに褐色斑がある”かどうか、であればマダラエソ、無ければ次の”尾鰭上縁に黒色点列がある”に続いてあればクロエソ、無ければ最後の”尾鰭下縁が白か黒か”で白ければマエソで黒ければワニエソとなる。あとワニエソ雄の背ビレの先端からはミョーンと糸状のものが伸びる。

 褐色斑は無い、尾鰭上縁の黒色点列も無い。ここまでは多分大丈夫。ただ、尾鰭下縁が白か黒かというのが写真でも現物でも文字通り白黒ハッキリしない。黒くはないし白っぽく見えるっちゃみえる。ということでマエソと一応同定して「WEB魚図鑑」でマエソワニエソのいろんな個体の写真を見て比較してみると、どうも体型に違いがあるように見えてきて、マエソの方が頭部より後ろが細く、ワニエソは頭部より後ろがやや太くなる感じで、痩せぎすなマエソ、マッチョなワニエソという全体的な体型からくる印象はそこそこ同定に使えそうに思う。根拠を示せといわれてもなんとも名状しがたい特徴ではあるけど、自分の中では今回の魚はマエソで9割方同定できたと思う。青物狙ってジグ投げてる人がたまに釣ってて地域ナンバーワンのスカベンジャー(掃除屋)を目指すワシがおこぼれにあずかろうとしてるのはワニエソで、ワニエソは50センチ60センチとデカくなるのも特徴のようなので、デカいのはワニエソでいいのかも。とりあえずマエソは初物であり嬉しい。これで今まで釣った魚は260種。生涯目標300種で食用として市場に流通する魚がだいたい300種とか言われてて、約4000種からいるらしい日本近海の魚種の一割にも満たないわけだけど、それでもそこそこ魚を知ったぐらいにはなるかなと思ってる。けど、すでに釣れそうな魚はそれなりに釣ってるのでなかなか厳しくなってきてる。あと40種、一年に2種追加していって20年。70まで生きてれば届くだろうか?まあボチボチいこう。そういえばフライで”アブラビレ”のある魚って久しぶりに釣ったな。脂ビレのある魚って代表例はサケマスじゃなくてナマズ目(全てじゃないけどないけどギギやらにはあって種類数は圧倒的に多い)、カラシン科とエソ系含むヒメ目で、ついでにサケ目だとワシャ思うぞ。

 でもって、エソ料理といえば肉量豊富なワニエソでも存分に堪能した”すり身”関連が圧倒的大正義というか”それ以外はまるでダメ”というのが、これまでの評価だった。ところが、その評価を覆す捌き方を工夫して”エソ料理界”に革新をもたらした方が居て、ちょうどその動画をYoutubeで見つけたのが昨年だったんだけど、好評のようで現在まで11万回視聴とご本人さんとしては大当たりのようで、今回探したらさらなる改良版「究極のエソの捌き方」を上げておられたので、それを参考に捌いて料理させてもらった。

 やることはそんなに難しくない。手法としては手開きでマイワシとか捌くときに、背骨を手で引っ張って外すと肋骨とかの小骨も背骨にひっついて外れる、あれに近い。ただエソの白身はマイワシのように柔らかい身じゃないのでそのままだと骨離れが悪いので、そのあたりが上手く工夫されている。

(1)まずは鱗とって背ビレをハサミでジョキッと切り取る。死後硬直で固まってる魚体をグネグネとグネッって柔軟体操させておく。

(2)ひっくり返して腹ビレの後ろから包丁を入れて内臓を取る感じで頭の手前まで刃が入ったら、そこでズドンと頭を落とす。

(3)腹に続いて尾鰭まで”切れてる”ように背骨まで包丁を入れて、腸などを動画ではスプーン使って綺麗にしてたけど、爪でもなんでも良いので掻き出すようにして綺麗にしておく。

(4)ここがキモ、背中側を上にして厚みのある出刃包丁などで、筒型のエソの体がコチのような扁平になるまで叩きまくる。すると身がある程度崩れて柔らかくなり背骨と一緒に肋骨が取れやすくなる。

(5)尾鰭側の背骨をプチッと切って端を包丁で押さえつつ、身の方を既に無いけど頭の方に向かって引っ張っていくと、小骨が付いた背骨と小骨が抜けた身に分かれる。

 あとは煮るなり焼くなりご自由に。という感じで特に難しいことはなく手順も普通の3枚おろしより簡単なぐらいで、魚料理したことある人なら苦労はしないだろう。ただ、鮮度が良すぎると骨から身が離れにくくやや難しいようで、今回も朝釣ってきたのを夕方捌いたら小骨がちょくちょく背骨から外れて身に残ってしまっていた。それでも単純に塩焼きにしただけでも十分美味しく。まあ味自体は悪くないのは想像できるとおりで、”美味しい白身魚”そのものである。叩いて潰しまくったので身がグチャッとなってて食感が悪くなってしまうのではないか?と懸念したけど、加熱するとまとまる性質が強いのが関係しているのかなんなのか、そんなこともなくて食感も悪くない。小骨もほとんど取れていて気になるほどではなかった。動画では塩焼きと天ぷらでお子さんが味わってたけど、確かに天ダネとしては良いかもしれない。いずれにせよこれは釣り人なら憶えておいて損はない捌き方である。

 常々思うのは、大間のクロマグロだの氷見の寒ブリだの日本海のノドグロだの、ご大層な値段がついてる魚を、なんも分かってないようなアホのマスコミが流すゴミ情報に釣られてありがたがってるだけの”食通”って単にそういう”情報を食べてる”だけのゴッコだよな。とワシャ思うのである。対して、こういうこれまでに無かったような工夫をこらして、あんまり評価もされてなかったような魚の美味を見つけ出してくる、こういう人こそ本物の”魚通”っていうもんだろうと、敬意を覚えるところである。

 まあ、大間のクロマグロだのの”高級魚”にはそういう”値段が高い”ことそのものに意味があって需要があることも分かる。金があって贅沢感を醸し出したいのなら食えば良いし、相手にわかりやすく”もてなし”を演出するにも好適だろう。でも我々釣り人なら、そういう金さえ払えば食える程度じゃない美味を知ってるはずで、泳いでる魚に値札付いてるわけでもないのに、市場価値が高い程度のことで”高級魚が釣れた”とかありがたがるのはバカバカしくて、小骨を綺麗に処理したエソ系の旨さや、ゴンズイやらアイゴやらの捨てられる魚の意外なぐらいの美味しさ、ベラやスズメダイの類いの小味の効いてる味わい、鮮度の良いマルソウダの刺身の血の臭い、活けのまま持ち帰った淡水魚の繊細、刺身で食える鮮度の魚で作った干物の滋味、そいういったものこそ珍重すべき我ら釣り人の特権的美味なのではないかと思うのである。
 ぶっちゃけワシだいたいなに食っても「うまいうまいっ」て喜んで食うけどな。