2024年8月31日土曜日

DRとSRの狭間

  「根魚クランク」という方向性を模索しつつある現状。いろいろと失敗しつつ道具やら狙い方を詰めている段階。

 深い所は深いところでまた別途ネタにするつもりではあるけど、とりあえず”砂ゴロタ護岸”の浅い石積みをクランクで攻める時の、道具についてある程度こんな感じかなという感触になってきたので、ルアー図鑑うすしお味第68弾はそのあたりを整理がてらご紹介したい。

 砂ゴロタ護岸は、護岸に乗っかって釣りをするんだけど、その護岸のすぐ下には石積みが幅2~3mぐらいで入っていて、その沖側は呼び名の通り、ゴロタ混じりの砂底の海底になっている。

 積み石の深度は潮が高いと1~1.5mぐらいの時が多いけど、当然干潮時には干上がりそうになってるときもあるし、場所によっても深さは変わってくる。

 魚がついているのは、石積みから沖への深くなっていく傾斜と、石積みの上の石の脇やら隙間やら、時に石積みと護岸の間に入っていたりもする。沖側のゴロタにもついているだろうけど狙いにくいしあまり多くもなさそうで狙ってはいない。

 傾斜の部分を着底させて狙おうとすると2m~3m潜るディープクランクが必要になるけど、斜面に刺さる角度で着底させて引っ張ってくると、根掛かりばかりで仕事にならない。実際には活性の高い根魚は、頭上1mやそこらは平気で食いに来るように感じているので、傾斜部に限らず着底させることは必須ではないと思う。ただ、それでも可能な範囲で魚の居る棚に近づけた方が良いのは間違いなく、そうすると、クランクの潜行深度的には傾斜の一番上のあたりをかすめるようにして潜ってきて、積み石の上は着底せずに低層近くを引いてこられるのが理想である。

 積み石自体は目視十分可能なので、魚が身を寄せそうな大きな石とか大きな隙間とかを狙って、ルアーも目視して着底しないように引っ張ってくれば、魚を誘うのに都合が良いだろうとも思っている。

 なので、石積みが深いとき1.5mのときの潜らせるクランクとしては、一般的な小型ディープクランクや一部大型シャロークランクがそのぐらいの潜行深度で、逆に浅くなって50センチも潜らせれば上等となると、シャロークランクで概ね間に合う。

 とりあえず、ワシがしっかり使い込んで感覚が分かってるクランクベイトってダイワ「ピーナッツⅡ」のSRとDRで、この2つは深度50ぐらいと1.5mぐらいでちょうど両端を任せることができるので、ワシ的には”砂ゴロタ護岸”ポイントでの根魚クランクの主軸として考えている。考えているんだけど、こいつら2つだけでは、どうにもいろんな状況が生じるので対応しきれず、ここしばらくめぼしいクランクを買っては試し、試しては調整し評価し、という作業を行っている。

 まず、調整が必要になったのは、根魚クランクをやり始めた頃、追ってきたり反応する魚が小さいという問題があったので、じゃあとりあえずルアーサイズを下げてみるかと、ピーナッツシリーズは人気があるので各種派生モデルを展開していて、プチピーナッツDR、タイニーピーナッツDRというのはそういう小型根魚を狙うのには、潜行深度もちょうど良い感じに1m強ぐらいで扱いやすく申し分なかった。

 しかしながら、ちょっと大きめの魚が掛かると、小さいルアーでハリが小さいのもあって、バラしが連続した。ならばとルアーのサイズ上げたら、こんどはシーバスタックルでは制御不能な大きさのも掛かってしまい、根に潜られて切られてしまうという、お粗末きわまりない失態を犯してしまった。小型ルアーに今付けているシングルフック以上の大きめのハリを付けるのは、前後の絡みの無いように後ろ1本だけに絞れば、多少はまだ大きくできるけど限界もあり、シーバスタックルで間に合わないサイズの魚も狙うとなると、根魚狙いならベイトロッドに16ポンドナイロンとか巻いてグリグリするのが素直な戦略で、そうするとさらに太軸のフックを使わないとフックが持たなくなり、あまり小さいルアーが使いにくい。っていうか良型食ってくるなら、タイニーとか使ってる場合じゃないだろって話で、50センチ深度から1.5m深度ぐらいまでのクランクベイトを、50センチと1.5mの隙間をじょうずに埋めつつ選んで、水深など状況に応じて使えるようにせねばならんと考えた。

 潜行深度1.5mのディープダイバーでもゆっくり巻いたり、竿を高くしたりしてそこまで潜らないないようにできるけど、ある程度はそういう小技も使うけど、いちいちリズム変えて構え変えてってやってると釣り方が安定しないので、技術でどうにかするのはあえて諦めて、おおむねルアーの方で調整して自動的にいつものリズムやフォームで釣っていけるようにしてみたい。 

 というわけで、色々使えそうなルアーをネットで物色しまくって、いつものごとくスルルのポチチで確保、現場運用していけそうなのを選別してみた。

 まず浅い方の50センチ深度枠だけど、これはロングA14Aだののアメルアやらマグミノー70Fだののヨーズリものやらのフローティングミノー全般が使えるので、それだけで使える弾は多い。シャローのミノーの強い動きのは散々弾ごめしてある。クランクとしても、まあピーナッツⅡSRが中心だけど、障害物回避能力にたける名作ベルズ「シャローラビット」なんかも浅場で使うには使い勝手が良い。なんならネタ元のクラップシューター出してきてもいい。

 深い方1.5mはピーナッツⅡDRがメインとして障害物回避能力にたけるモノがないかと、リップ長いフューズ「クランクMAXjr」、四角いリップの「ファットラップラパラ5」あたりも試したけど、リップが石を叩いているぶんには根掛かり回避しそうなんだけど、蛎殻への根掛かりはリップより先にあるリーダーが掛かることが多くて、そのことが着底させてリップで底を叩くという、ディープクランクの得意技の1つを「コリャダメだ!」と放棄せざるを得ないと判断した理由である。逆にリーダーが掛かってる場合、浮力のあるルアーだとライン緩めるとルアーがスルスル浮いてきて回収できることもある。

 てなことがあるので、1.5mから50センチの間を埋めるべく、潜行深度の違うクランクを探すことになった。

 結果今のところ、ピーナッツⅡSRよりは潜る、潜行深度1m弱級ので良さげなのは、スミス「ハスティー1」、ダイワ「BHシャッド」、ボーマー「ファットA B04F」。ハスティー1はどうということのない小型細身のクランクだけど、ハスティー1~4まで大きさ違いで深度が選べるので便利かなと思ったらば、3ぐらいから平べったい幅広リップでグリグリ潜るのは頼もしいんだけど、ちょっと重くて4は恐ろしくて買っていない。この1は巻きも軽く深度もやや浅めだけど安定した泳ぎで優等生な感じが良い。BHシャッドはポッパーもミノーも名作なBH(バスハンター)シリーズでリップの短い方が深度的にはピッタリで、かつ動きもパタパタと大きく派手目でクランクに負けない感じで期待できる。ファットAはその名のとおり太目のクランクで浮力も強くピンポン球みたいに浮いてくるので、根掛かりしそうになったりラインが蛎殻に掛かったときにルアーだけ浮いてきて回収ってのがやりやすい。サイズが4センチとやや小さいのでハリは後ろにシングル1本なるべく太いのをという運用。どれも廃盤のようだけど中古の弾数は豊富で入手も容易なのはありがたい。根掛かり0を目指してなくさないつもりで運用するつもりだけど、どうしても根回りで釣ってると慣れるまで根がかりや、魚に根に潜られるのはありそうで、安く中古が手にはいるってのは重要な要素。

 逆にピーナッツⅡDRよりちょっとだけ潜らない潜行深度1.5m弱級で良さげなのはボーマー「ファットA B05F」ラパラ「ラトリンファットラップ5」ハルコ「ソーサラー52」ダイワ「デカピーナッツSR」。ファットA5は先ほど紹介した4と似たような感じで大きい分もうちょっと潜る。根掛かり回避や外しがやりやすそうなのも共通。ラトリンファットラップはラパラにしては珍しく樹脂製でラトル入り。丸っこくて可愛らしくラトルの響きもカラカラと良い音。根魚、基本持ち帰られてしまうので釣れるのはスレてない個体でラトルとかに反応は良いように思う。岩陰でカニとかカサコソ近づいてくる音には敏感に反応してそうな生態からもラトルは効いてくれそうに今のところ思っている。動きの派手さという視覚的な要素はもっと効いてるだろうにしてもだ。ソーサラーはオーストラリアっぽい派手な色のが食われて石の下に潜られ殉職。急遽赤金の背中を蛍光オレンジで塗っておいた。リップ大きめで頭の方起点でシリをしっかり振るオージー好みな感じのクランクでラトルも小さいのがカランカラン良く響く良いルアーなんだけど、リップが脆いのと入手がやや難しいのが難点。そこいくとデカピーナッツDRの入手の容易さよ!新品でも千円しないぐらいだし、中古だともちろんもっと安い。最近のダイワのリールとか悪口ぐらいしか書くこと無いけど、ワシの2号ナイロンの10年来の愛用品である「ジャストロン」、初代からの付き合いの「リールオイル2」、そして安くてよく釣れる「ピーナッツ軍団」という、安定して供給される高品質な普及品については、褒めるしかないというか、お世話になってます感謝!という感じである。やっぱりクランクは大きいとグリグリ潜ってく傾向にあり、SRと言いつつもデカピーナッツは1.5m弱ぐらいは潜ります。大きいのでフック大きくできるし、サイズでアピール力稼ぎたいときには好適。

 っていうぐらいが、今のところ合格点かなと1軍箱に入れて浅場狙いの時には実戦投入しているところであります。

 他にも色々試してはいて、「トラブルシューター」はピーナッツⅡDRと潜行深度あまり変わらず、入手もややムズいので1軍からは外れる。レーベル「クランクR」は安くて良いけどこれも潜行深度がピーナツⅡDRとかぶり、中古弾数少なめなので不可、レーベル「ウィークローフィッシュ」は小さすぎ。まあ何か使うところ出てくるまで蔵に。ハトリーズ系でシャッティー1、スティッキーjr2あたりは潜行深度的にはちょうど良い感じだけど、クランクと比べるともう一つ動きに迫力がない。迫力あるアピール力をとバグリー「B2」を投入するも、以外に潜っていって1.5m以深で根がかった。回収できて良かったけど、新品で買ったしこれは根掛かりしそうなところで使いたくない。じゃあ「キラーBⅠ」はどや?と試すと、これはB2ほどの迫力がなくピンとこず。まあ、これらも含めて、蔵にはいろんなクランクやらミノーがあるので、1軍は1軍で固めつつ、適宜”お楽しみ”ルアーは持ち込んで楽しめるのではないかと考えている。

 あと、今のところ、グリグリと巻き続けて食わせているけど、居る岩が特定できたり、”止め”が効くような状況があったら”サスペンドも効きますよ”との情報いただいているので、サスペンドならマジェンダの60,80SP、ベビーシャッド各種のSPあたりは在庫しているので即使用可能。様子見て投入してみたい。

 で、ロッドとリールなんだけど、最初の方にも書いたように対シーバス用の7fアグリースティックに大森タックルNo.2(スプールエッジ形状調整、ベイルレス版)では間に合わんサイズが一回来てどうにもならなかったので、16LBナイロンにリーダー5号フロロのベイトリールタックルを用意した。2種類用意していてリールは樹脂製本体のABU「MAX」というマグブレーキの機種。樹脂製本体は海で使う場合錆に強いってのと、マグブレーキはは非接触型のブレーキシステムなので雨で浸水しても摩擦とか関係ないので効きが安定しているというのが雨の日向けで良さげ。竿が、フェンウィックの「ランカーギアX LGX66CM-2」が適度なパワーとグラスコンポジットのネッチョリ感で巻きモノには好適で、コイツを主軸としつつ、聖地巡礼の時にHさん改め”ひじさん”からお土産にもらったバスプロショップス「マイクロライトIM6グラファイトML60MC-4」が割と良い感じの4本継ぎのベイトロッドで、マイクロライトシリーズといえば黄色のグラスロッド愛用中で、その費用対効果の高さ手堅い品質には信頼を置いているので、コイツがあればスピニングのパックロッドとセットにして、ベイトで根魚クランクやったあとに、スピニングに持ち替えてシーバスとかの手も広がるので2番手ロッドとして運用開始中。前述のランカーギアに比べてややパワーはおとなしめで、グリップがシングルハンドなのでグリップエンドを腹とかに当ててファイトするときに、やや力がかけにくいかも?と思って、竿をのされた場合にブランクに手を掛けて竿を起こすときの目印にグリップテープ巻いておいた。このグリップテープに右手を伸ばさざるを得なくなるような獲物が食うことを期待したい。

 という感じで、道具も詰めつつ盛り上がってはいるんだけど、何が駄目だったのか分からんというのはあるけど、お盆過ぎからこちら根魚クランクまったく駄目で、メッキはチョロチョロ釣れてるけど根魚行方不明状態なので、1つ考えられる要因として酷暑で表面海水温が風呂のようになってたのもあって、台風で時化て海の中が秋っぽくなったらまた活性上がるのか、根魚が浅い石積みとかゴロタ回りとかに入るのは夏だけなのか?分からんところではあるので地道に情報収集しつつ楽しんでみたい。

 にしても今回の台風はなんなのか?足は遅いし前線刺激してなのか九州上陸するぐらいで神奈川で土砂崩れとか痛ましい災害起こしてて、最初の頃27日直撃の予報だったのが、31日8時時点でまだ紀伊半島まで届いてない。明後日になっても紀伊半島まだ予報円の中にあって明日の天気すら全く読めない。なんか今晴れて日が差してきた、どないなっとるんんじゃ?物理現象である天気すら気候変動の影響もあってか過去の情報からの推定が成り立ちにくくなってきているようで、さらに複雑な生態系の要素が絡む魚の動向など読めるわけがない。そう思って、今まで以上に”来た魚を釣る”に徹して、来たチャンスをすれ違いざまにモノにするぐらいでないと次は無いのかもしれない。根魚クランクはそういう意味でチャンスを逃しすぎている。反省し肝に銘じておきたいところである。

2024年8月24日土曜日

フューズ 起爆装置たり得るか?

  海外物の悪漢小説なんかで、敵の下っ端をつかまえた主人公が情報を聞き出すために銃を突きつけながら「早くしゃべったほうが身のためだぜ、オレの引き金は軽いぜ」とか脅すというシーンはありがちだけど、こういうすぐに撃っちまうこらえ性のない輩からの連想で、性の営みにおいてこらえ性がなくすぐに撃っちまう輩をあっちのスラングで「ヘヤートリガー」と言うそうな、髪の毛の重さで発射してしまう敏感な銃の引き金。で、逆に天井の染みを数えていればすぐ終わると聞いていたのにいつまで経っても終わらなくていい加減眠くなってしまうような輩は「ロングヒューズ」と言うんだそうな。導火線が長すぎてなかなかドカンと爆発しない爆弾のイメージか。導火線の意味から転じてヒューズには起爆装置の意味が生じ、いまでは一定以上の電流が流れると溶けて断線する安全装置の呼び名となっており、ボカンと爆発させていたのが、そうさせないようにと回路を切断する装置にと、同じ呼び名の装置の役目がほぼ逆転していて、なかなか面白い。

 で、デュエル社フューズ(FUZE)シリーズは、当然ながら釣果なりなんなりを爆発させるための起爆装置となるべく開発されたルア-達という意味の命名なんだろう。なかなか中二的センスで嫌いではない。

 実際に、海水温上昇対策と称して派手なミノーを選定する作業の中で、フューズ「マッディーミノー」になんか分からん良い魚が食ってきたことに端を発し、クランクによる底物・根魚狙いという”根魚クランク”にハマっていくことになり、マッディーミノー自体、ちょっと代替品が見あたらないぐらいの暴れん坊ミノーで個性的なルアーであることも有り、ワシの釣りに新たな火を付けてくれた起爆剤となってくれているのは確かである。

 マッディーミノーがこれだけ個性的なルアーなら同シリーズの他のルア-も気にならないと言えば嘘になる。気になったならまあ買うのである。っていうか買った。人気もなくクソ安いので、いつものとおりスルルのポチチである。ということで、今回”ルアー図鑑うすしお味”第67回は、デュエル社”フューズ”シリーズで行ってみます。

 フューズ軍団構成員としては、我らが「マッティーミノー」を筆頭に、水面系の「バナナボート」がペンシル、「ZZポップ」はその名の通りポッパー、潜るのが「クランクMAX」ディープダイビングクランク、「ロケットシャッド」が重心移動搭載のリップ長めのシャッド。「ジャミングバイブ」がバイブレーションで、バイブは後に「ソニックブレード」という細身のものも追加された。魚型のバイブのはやり始めがこの頃だったのだろう。「マッディーミノー」「バナナボート」「クランクMAX」「ジャミングバイブ」にはそれぞれjrサイズが設けられ、クランクMAXには逆にマグナムサイズも設けられたようだが、最終的なラインナップはそれで全部かやや心もとない。が、気にしても仕方ないノでそうだったとしておこう。ついでにワームもフックとセットで展開して出していたようだけど、これもここでは気にしないでおきたい。

 で「マッディーミノー」「マッディーミノーjr」については以前書いているので省略。まあ良く暴れる特殊な派手アピールミノーであるとだけ書いておこう。

 他の構成員達も個性派揃いの攻めたルアーではなかろうかと期待したけど、そこは肩すかしをくらった。ただ、悪いデキではないように思う。「バナナボート」は斜め浮きのペンシルで、jrも含めて首振りもダイブもそつなくこなす優等生で、使いやすいペンシルに仕上がっている。ただこのルアーじゃなければ、という特別な特徴は無いように思う。でも優等生なので、バナナ型の形状と口の窪みは「L-ブルー クイックドッグペンシル100F」に引き継がれていっている。っていうか金型一緒か?

 「ZZポップ」は意外に使ってみると芸達者で楽しい。短い体躯を生かしての、飛沫吐きながら移動距離の短い首振りが得意で、小場所でじっくり狙うのならその性格が生きてくるのではないだろうか。ただ、そういう使い方しそうな水面系の釣り人にはあんまりウケけそうな見た目ではないところが欠点か。個性を分かって使う分には楽しめそうなルアーではある。

 「クランクMAX」シリーズは、「オーソドックスなフォルムに、遠投性、ヒラ打ち、障害物回避性能を加速させる新機構「多段バラレルチャンバー」」を内蔵した、となってて何か重心移動的なラトルがジャラジャラ入っているけど、それがどうしたんだ?っていうぐらいに普通のディープクランク。ちなみにカタログ数値だとオリジナルが65mm、18gで潜行深度3.5m、ジュニアが55mm、12gで潜行深度2.5mだけど、そんなに潜ってない感じ。そして実際に使ってみると、「バスフラッペ」やら「フォーミュラット」の昔からの伝統のヨーヅリディープダイバーの長いリップに障害物回避性能を期待したけど、普通に根がかって特に回避してる感じがしてこない。ただ、蛎殻への根掛かりはルアーよりもリーダーが挟まる系の根掛かりが多いので、海水での使用に向いてないだけで通常の湖沼の石とかには根がかりにくいのかも?そのへんは分からんところではある。人気もなく安いのでガサッと買ったけど、砂底とか底を切って使うとか、根掛かり想定されない使い方で使うんだろうな。使えなくもないけど、特にどこかが優れてるってことははなく凡庸と言って良いかも。中古の値段が安いのは美点。  

「ロケットシャッド」は重心移動搭載で飛距離が売りのようだけど、まあこれも凡庸なシャッドかな。あんまり使い方がピンとこない。リップが長いのでグリグリ潜るのなら使い道もあるけど、1.5mぐらいしか潜らないようなので使いどころがイマイチ思い浮かばない。

 バイブレーションの「ジャミングバイブ」「ジャミングバイブjr」は低速時と高速時で動きが違うゼみたいなことがカタログに書かれているけど、低速時と高速時で動きの質がブレないなら凄いけど、変わるのが普通じゃないの?って感じで、ちょっと不安定で千鳥気味なアクションは面白いけど、もともと陸っぱりでバイブレーション使わないので、とりあえず買っただけって感じ。

 「ソニックブレード」は、ラトル音小さめのソリッドな感じの小型バイブで、マールアミーゴやレンジバイブより小型で細身にして差別化して隙間産業的に売りに出したのかなんなのか?これは昔から持っていて、東京湾の陸っぱりチヌ、キビレ狙いでソリッド系の小型バイブレーションで底を引いてくるっていう釣り方があるらしいので、中古屋でそれっぽいルアーを見つけて、名前も知らずにこれで良いかと買った代物で、実際にはキビレ狙うような東京湾の河口エリアで、ゴミだの蛎殻だのが沈んでるのにバイブレーション底引きとか金をドブに捨てるようなモノでアホかと思ったので、結局使わなかったので蔵に残っていた。 

 という感じで、90年代にもなってくると、各社自社製品だけである程度全分野カバーしたがるようになってきていて、フューズシリーズにもバス釣りのルアーが一揃い揃っている。ついでに竿まで出してた。その昔はダイワの村越氏とか深場を狙える重いジグがダイワにないので、仕方ないのでスピードジグ2連結とかやってたけど、各社が全タイプをおさえてる必要なんてあるんかね?と常々思う。例えば忠さんスプーンの「アートフィッシング」さんなんて、スプーンしか作ってないような”スプーン屋”だけど、だからこそスプーンについては信用できる。一揃い揃えるために、あからさまなパクリルアーを製品ラインナップに加えるとか見てて見苦しいしね。ある程度餅は餅屋で良いの作れるメーカーに任せて、ただでさえ狭い市場に我も我もと参入せずとも良いのにと思う。

 って感じで、90年代のバスプームの頃、自社製品の爆発的ヒットの起爆剤となるべく世に出されたフューズ軍団だけど、それなりには評価もされ売れたようではあるけど、爆発はせんかったようである。それでも「マッディーミノー」のような攻めた設計のルアーを世に出したし、バナナボートみたいに後世のルアーに引き継がれていったものもあり、頑張って作って売った価値はあったのではないだろうかと愚考する。

 ワシ的にはマッディーミノーはアタリだと思って今後活躍してくれるだろうと期待しているし、その他のルアーも悪くはないので、それなりに使って楽しめるだろう。バナナボートとZZポップはシーバス釣りとかでわりと遊べるかも。クランクMAXjrはそこそこ数買ってしまったので、根魚クランクに使用してみよう。

 使ってみたら、意外な実力を発揮して見直すような展開が、待ってはいないのかもだけど、普通に釣りはできるだろう。別に他のルア-達を使ってもいいからコイツらをあえて使う理由に乏しいけど、コイツらを使うのがまずい理由も特になさそうなので、なんかデュエルっぽいっていうかヨーヅリっぽいコイツらの個性を楽しむために選んでもバチはあたらんだろう。

2024年8月17日土曜日

米騒動と帰ってきた幸袋

  前回米が高くてまずいネタでひとくさり書いたところ、その後に「南海トラフ(地震)臨時情報 注意呼びかけ」が来て、米だの水だのの買い占め騒ぎになったところもあったようで、なんか場所によっては米不足というか商品棚から米が消えてるようだ。ワシ、間の悪いことに米がちょうど切れて買い出しに行ったら、「安い銘柄の米に変えよう」と書いてたその銘柄が、前回買った高くなってたいつもの銘柄米より高かった。しばらく麺類でも食って値段落ち着くまで我慢すべきか迷ったけど、米ぐらい食いたいときに食いたいので買った。

 新米も出始めて、米の量的不足は無いはずである。不足があれば政府備蓄米の古米の出番のハズで、なんならミニマムアクセス米もそういう時の米の供給ルート確保の意味もあったはずで、米が不足するとエラいことになるというのは「平成の米騒動」でおもいしったところであり懲りていて二重三重に策は講じてあるはずで、買い占めによる一時的な品薄感はあっても米が不足するなんてことはあり得ないと思っている。

 実際に、ネット上では米農家の言として「不作でもないのに米がないなんておかしい」という意見を紹介している記事が散見される。米が数量的にあるのは間違いない。ちなみに昨年猛暑で米のデキが悪かったというのも、等級が落ちた程度で量的にはとれているらしい。なおのこと米はあるはず。あるハズの米が小売りの棚に無い、あるいは値段が高騰しているっていうのは、ハッキリ言ってバカヤロウどものせいである。多分、買い占めするような短絡的で自己中心的なバカと、これを機会に値段上がるまで流通絞ってから売り抜けて儲けてやろうというバカのせいだと推測できる。あと転売ヤーもいるのか?賢い消費者のみなさまは不安にならずにちょっと待っておけば大丈夫です。いま泡食って買いに走ったりすると値段が釣り上がるのに荷担してバカを儲けさせるだけです。冷静に対処して日本人の主食である米で泡銭を稼ごうとしやがった大馬鹿野郎の在庫米の価値を暴落させて米の恨みの鉄槌をくらわしてやりましょう。江戸の”打ち壊し”の昔から米の恨みは深いんだゼ。買い占めに走ったバカどもは、精米した米がそれほど日持ちしないということを知らないバカばかりだろうから、マズい飯食わざるをえなくなる自業自得のマヌケづら見て笑ってやりましょう。

 コロナの時のマスク買い占めとかもそうだけど、人の生命とか生活とかにかかわるよな商材を独り占めしたり、それで泡銭稼ごうとしたりする人間のあさましさって、やってる本人達なんとも思わないのかね?思わないからできるんだろうけど、心の底から軽蔑に値するよね。そういうあさましさに生まれついて育ってしまったら人生つまんねえだろうなと思うけど、やってる本人達目腐れ金稼いで存外幸せなものなんだろうか?他人の考えてることはよく分からん。

 でも、そういう浅ましい輩もいるけど、そんなヤツばかりじゃないって米買いに行って思わされることがあった。日本に来た外国人観光客が都市伝説的に言うことには「日本では財布とかパスポートを落としても戻ってくる」というのがあって、まあそういう外国人観光客をカモにするスリだのボッタくりだのも居る程度には、我が国も民度が低いわけで、そりゃ観光地ではどこでもそうでそんなもんだろうから、財布が戻ってくるかも疑わしいもんだと思ってた。

 でも落とした財布戻ってきた。少し前に落として一応交番にも届けたけど巾着型の小銭入れで連絡先が分かるようなモノも入ってないので帰ってこないだろうと思って、すでに同じ型の小銭入れを入手して使ってたんだけど、その小銭入れを見てレジのおねえさんが「同じような財布落としませんでしたか?」と聞いてくれて、落としました!と言って見せてもらったら、まさにワシの落とした小銭入れ。日本では、少なくともワシの住んでる紀伊半島の港町では財布落としても戻ってきました。届けてくれた人もレジの人もありがとうね。感謝感激。

 小銭入れなのでたいした金額入ってたわけじゃないけど、小銭入れ自体が同じタイプのを使い続けて既に3代目という愛着のある品だったので、帰ってきてくれて心底嬉しかった。小銭入れ自体は買い直してはいたんだけど、留め具の木彫りの魚とか、そういうエスニックな民芸品を扱ってる店が我が街にないので手に入らず、ネットでもそもそも何という商品名で検索かけて良いのか分からなくて買えなかったので、とにかくよかったよかった。世の中にはクソ野郎もいるけど正直者の善い人もいるっていうのは救いのある話である。

 小銭入れは、大学生の頃からオーストラリア土産のカンガルーの金玉袋のを使っている。世間一般ではいわゆる”いやげもの”扱いかもしれんけど、日本人のオーストラリア土産としては定番らしく、現地でも”SACHIBUKURO(幸袋)”の名で売られている。カンガルーの革って軽くて丈夫でサッカー選手用のスパイクなんかにも使われていたそうで、金玉袋も結構丈夫でかつ縫い目が無い革のキンチャク袋でちょっと面白い。以前友人とその話題になったときに「金玉袋なら縫い目が無いのは逆におかしいだろ?」という議論が勃発したけど、カンガルーの金玉は左右わりと独立してぶら下がっていて縫い目のところは使ってないのではないか?という推理に落ち着いた。そうすると1匹の雄カンガルーから幸袋2個作るんだろうな。どなたか真相をご存じの方おられたらタレコミよろしくお願いします(金玉と縫い目の関係が分からんオボコなお嬢様方におかれましては彼氏ができた時にでもじっくり観察してみてください)。

 ちなみに紙幣は真鍮製の札挟みに挟んでいて、札挟みの方は大学生の頃から同じモノを使い続けている。最初はたしか銀色のメッキがされてたような遠い記憶。カードは普段一番使うのを除いてカード入れにまとめている。っていうスタイルになったのは、大学構内で車上荒らしに遭って、その時の財布が小銭も札もカードもまとめて収納できるタイプで、貧乏学生だったので金銭的にも痛かったけど、カードや免許が悪用されないように紛失の届けを出したり再発行の手続きをしたりがとにかく面倒臭かったので、カードやらは別にまとめてあまり持ち歩かないことにして、そうするとかさばる財布を持つ意味がなくなるので一番単純な方式として札だけ札挟み、小銭はジーパンの小銭入れポケットということにしてたら、ジーパン以外の小銭入れポケットがないズボンの時に小銭がポケットの中でジャラジャラするし、こぼれそうで不安にもなるので、小銭入れは欲しいな思ってどっかから革巾着を見つけてきてしばらく使ってたら、そういう目的ならイイのあるよと幸袋をくれた友人がいて、そこから30年以上のつきあいという感じである。車に貴重品を置くなというのは基本だけど、よもや大学の構内でやられるとは思わず油断していた。世の中にはやっぱりクソ野郎がいるのである。

 とはいえ、今住んでる我が街にはクソ野郎は少なそうで、善い人が多いので貧乏生活楽しみながら幸せに暮らしていける。ありがたいことである。ワシャとても善い人間とは言いかねる人種だけど、善い人間になれるように努力ぐらいはせねばなと、帰ってきた幸袋を見て思うのである。

2024年8月10日土曜日

夜漬けてもアサ漬けーナマジのビンボ飯大根大量消費編ー

 米がまずい。しかも高い。 米はミニマム・アクセス米除いてほぼ国内生産のはずで円安でも関係ないだろと思うけど、調べたらインバウンド需要で観光客向けの米消費が伸びてるのと昨年は猛暑で米のデキが悪かったことが主な原因らしく、円安若干関係あったりしてバタフライ効果というか風桶というか、今の時代全てのものが関連してて無関係では存在し得ず、田舎でのんびり貯蓄削りながら隠棲しようとしても経済動向とかには影響されざるをえないようでウンザリする。まあ、米が多少高いぐらい株価暴落を受けて「新NISA」で”追証”くらったような人達に比べれば屁でもないだろうけどな。しっかしNISAってなんか政府がお薦めしてたような印象があるけど、そんな追証くらうような可能性のある先物取引な投機的金融商品を素人に買わせる政策って、まあ買う方の責任と言えばそうだろうけど、有り体に言って詐欺かペテンかで正気の沙汰じゃないよな。追証というモノの存在を初めて知ったのは沙村先生の傑作マンガ「ハルシオン・ランチ」で主人公の化野ゲンさんがFXで追証喰らって無一文になってホームレス生活しているっていう設定だったので、追証ってなんぞ?って検索して、アズキ相場の昔から先物取引なんていうクソ博打はあいもかわらず民草の敵だなと思ったモノである。

 まあ米の値段が高いのはこのご時世仕方ない。とはいえ値段上がったうえでマズいってのはどういうこっちゃ?品薄なので品質が悪いってのなら我慢するけど、明らかにそうじゃなくて精米度合いが下がってて、以前なら無洗米じゃないけど研がずに炊いてぬか臭とか全くないぐらいだったのが、買って封を切った時点でぬか臭い。当然炊いてもぬか臭い。微妙なぬか分の体積を稼ぎたいというよりは電気代と時間(≓人件費)を節約してるのかなと思うけど、セコい、みみっちい。まあ米研いでから炊きゃ良いんだけど、もう10年単位で研がずに炊いてきたのでいまさら面倒くせぇことしたくない。人は便利に慣れるともとの面倒臭さには戻れない。じゃあ無洗米買うかっていうと近所の薬局というていの安売りスーパーには手頃な無洗米が売ってない。米は地元産のを食べることにしてるのもあって通販で探すのも煩わしいし、遠くまで買いに行くのは米5キロは地味に重くてやってられん。どうせ研がなきゃならんなら、以前試してみたらやや糠臭かったちょっと安い別品種の米にしようか検討している。円安はちょっと戻しつつあるけど、輸出産業やら観光業やらは儲かってたんだろうから、良い面もあったはずで結局良いんだか悪いんだかワシャ分からん。なるようになりやがれだけど米がまずいってのは地味に効いた。

 物価高はワシだけ喰らってるわけじゃなくて皆平等に喰らってるわけで、ウダウダ言ってても仕方ないので、こういうときこそ”ビンボ飯”の腕の見せ所である。

 ワシ、大根は好物と言ってよいぐらいに好んで食している。定番商品でなくてはならないので、スーパーでは季節関係なく年中売ってて、お天気次第で多少値段上げ下げはあるけど安い食材である。かつしなびてくると半額札貼られて叩き売られてるケースも多いし、直売所では元からクソ安く売ってたりするので、日持ちもするし安いときに買って主に味噌汁の具として活躍してもらってる。しかし夏場は味噌汁そのものが日持ちせず、あら熱とれたら冷蔵庫というのを心がけていても、たまに変な匂いがして明らかに悪くなってるときがあって捨てざるを得なくなると慚愧に堪えず、夏場はあんまり味噌汁作らない。ジイサン一人暮らしだと味噌汁なぞ一回作って煮返しつつ2日3日食うのが手間も掛からず便利。ミソの風味など知ったことかだけど具がグダグダに煮崩れた味噌汁もまたオツというもの。

 なので、夏場はソバとか冷や麦をオロシダレでたぐる時ぐらいにしか出番がなく、せっかく安く売ってても冷蔵庫にまだ在庫があると買う必要が無い。なんか大根を大量消費する方法はないかと考えた。サッと頭に思い浮かんだのは名作マンガ「ばらかもん」の”このもん”である。大根を軽く干してから甘辛いタレに漬け込んだ漬け物で、作中登場人物達がむさぼり食っていた。検索すると再現レシピもあったけど、どうも五島列島の本場モノの再現レシピは、紀伊半島でもそうだけど、田舎では砂糖ドカドカ使うのが上等とされている傾向にあり、甘すぎるということをレシピ紹介者は書いていて、ややマイルドにしたレシピを紹介していた。甘いのは飯の友としてはイマイチだなとは思ったけど、漬け物という線は悪くない。ただ本格的に大根干してタクワン漬け込むかっていうと面倒だし、そんなにタクワンばっか食ってられん。なら浅漬けならどうよ?とレシピを検索したらいくらでもある。作り方も簡単で基本は切って塩ふってしばらく置いて、塩気を洗い流してから味付けという作業工程で面倒ってほどでもない。味もいくらでも変化の付けようがあるようで、とりあえず塩昆布使うのと鰹削り節使うのが、普段使ってる材料で間に合いそうなので作ってみた。どちらも簡単で美味しく、これだけで飯のオカズになるぐらい。これはイケるという感じなのでご紹介したい。

 いうても簡単!

 1.まず、大根を食べるだけイチョウ切りにする。タッパに入れて塩を適当に振ってガシャがシャッと塩がまんべんなく回るように混ぜる。保存性を良くしたければここで時間を掛けて塩辛くしてしまう。

 2.15分ほど寝かして、大根がちょっとシナッとなって水分が出て来たら、ここでザルに空けて余分な塩分をざっと水道で洗い流す。一回流すので掛ける塩の量は適当で良い。

 3.タッパに戻して味付けする。塩昆布味のほうは、ご飯にかけるならこのぐらいかなという感じで塩昆布をぶち込み、タラーッとゴマ油を掛け回してガシャガシャと混ぜておく。鰹節のほうは、削り節を全体に絡むぐらいに振りかけて、メンツユを適宜掛け回して、これもガシャガシャ。どちらも混ぜたら5分も馴染ませたら食べられる。美味しい。

 味は薄けりゃ食べるときに追加で醤油掛けても良いので、調味料の量はご飯の友ならこんなモンかな?ぐらいの目分量でよい。逆に味濃くなってしまったら沢山のご飯で食べましょう。

ー以上ー

 という感じで、塩で締め?てる間含めても30分もあれば完成でなんら面倒臭い工程もなく。大根がパリポリと食感も良く沢山食べられる。お薦めです。

 一つ注意してもらいたいのは、浅漬けは塩分ガッチリとか乳酸発酵とかを効かせて保存食として作られているわけではないので、消費期限はわりとすぐ来ちゃう。作ったらその日に食うか、残ったのを翌日ぐらいは良いけど、何日も保存はしない方が安全。ワシ、まあ漬けモンやしいけるやろと大量生産して3日目ぐらいで、ちょっとお腹痛くなって、他に下手人も居なかったので原因は浅漬けかなと思っちょりマス。最初の塩で締めるときにもっと塩辛く締めれば、3日ぐらいはいけるように思うけど、どちらかというと保存食的な漬け物というよりはサラダの一種としてササッと作ってササッと食べきってしまうのが無難かと。大根の浅漬けだけでは食卓が寂しいとかタンパク質が足りんという贅沢を言う人は、納豆でも豆腐でも追加して豪華に食べてください。

 味のバリエーションは、レシピサイトとか見てると無限にありそうなので、安い大根が手に入ったらお好みの味で是非お試しあれ。

 安くて旨くて簡単はビンボ飯的正義なり。

2024年8月3日土曜日

誤爆

  買い増し決定したヨーヅリ系ミノーの購入を目的に検索条件”ヨーヅリ”とか”デュエル”なんてことをして探していると、当然目的以外のブツにも目がいってしまって、またいらんものを買ってしまう。アアッあたい病気が憎いっ!

 まあ、軟質素材でできたヨーヅリ「ゾンビミノー」に手が出てしまったのは、使いどころあるかもしれんぐらいで、傷は浅いぞしっかりしろ、って感じではあるが、着水音の小ささやハリの音がしないこととか、特殊な変態系ルアーなので特殊な出番があるかもしれんし、ないかもしれん。いずれにせよ使おうと思えば使えなくもないので、この程度の誤爆は被害が少ない。

 しかし、ヨーヅリから流れて誤爆したんだろうけど、オマエはなぜヤマシタの”烏賊スッテ”なんぞ買う必要がある?烏賊を釣るとしても船には乗らんだろう?ワシがスッテは使わんってのはワシなんぼアホでも分かってる。じゃあ何で買ったのか。聞いてください、商品名があまりにもけしからんかったので成敗してやったデスよ。その名を「おっぱいスッテ」。漁業用の”自動イカ釣り機”っていう楕円形のドラムに縄巻いて、回転パターンを色々調整・操作しつつイカ角なんかを海中に踊らせる機械用、本職用の”イカバリ”の大ヒット作に胴が柔らかくて「イカが抱いたら離さない」で有名なオッパイ針というのがあったんだけど、それとのコラボ企画なのか何なのか、おっぱいスッテ、漢字交じりで書いたら「おっぱい吸って~!」っていきなりいやらしくなるセクハラ系ネーミング。ヤマシタのコンプライアンス的にはどうなのか、担当者に問い詰めたいところである。ヨーヅリの方は名前の付け方のセンスは独特で、最近はLG(ライトゲーム)ポッパーとかワシの大っ嫌いなローマ字略称系が多くて、つまらなくて腹が立つぐらいだけど、以前なら海外ウケ狙いもあってか、ちょっと面白いネーミングが昔からの伝統ではあり、SASHIMIシリーズとかのもろオリエンタリズム全開のものから、アタックルシリーズとかハードコアブランドとか独特の厨二なセンスの名前とかが、デュエルと社名が変わっても、そこはかとなくヨーヅリ臭が漂う名前は残っていて魅力的ではあった。ヤマシタ(ヤマリア)はそのへん同じ漁具系ブランドでも湘南の海の香りのする小洒落たメーカーでネーミングは無難だと思ってたけど油断してたらこの仕打ちで裏切られた気持ち。ちなみに今回買った「おっぱいスッテ」の色はピンククマノミで色もそこはかとなく色っぽい。

 でヨーヅリというと、アタックル時代に代表される奇天烈ルア-産出メーカーであり、ゾンビミノーもその昔のケロちゃんベビーやら金魚やらの流れをくんでいるように思う。我が家には古いのはミカンみたいなバイブレーションのジョグラーぐらいしかないけど、羽がすぐにブチ壊れるトンボにタランチュラ、回転するオケラに背泳ぎする蛾?と昔はブイブイ言わせてた。いまでも爪だけ妙にリアルなソフトベイトのザリガニルアーとか変なノ作ってる。あとアークミノーのケミホタル搭載可能とかも地味に奇天烈系。

 こういう変なB級ルアーって、気合い入れて企画したけどトンボ・タランチュラのように強度不足で壊れてしまうというようなトホホな品も多いけど、意外に実釣能力高くて活躍してしまうのもあったりして、ゼンマイ仕掛けで足だのヒレだのが動くパワーパックシリーズとか実弾として愛用している水面系の釣り人もけっこう居る。ヘドンのビックバドなんて、最初見たときは誰でもバドワイザーの販売促進用の宣伝グッズで、よもやあれでバスが良く釣れるなんて思いもしなかっただろうし、作った方も釣果を狙ったのか怪しいとさえワシャ思ってる。

 というような意外に実力者の多い奇天烈ルア-にあって、まったく釣れそうにない、”B列伝”のDab氏をして、「いまだかつてないスケールの超弩級大馬鹿ルアー(引用元:「B級ルアー列伝弐」p34)」と称させるほどのブツにチュドーンと誤爆して買ってしまいました。”B列伝入り”したルアーはにわかに値段が高騰する傾向があるので、もっと値段するもんだと思ってたけど、B列伝は現在第四巻まで出てる、そのうちの第弐巻に登場ととそこそこ紹介されてから時間も経ってるので、値段も熟れてて2個で2000円ぐらいだった。2個もいるんかい?って問題はあるにしてもだ。

 その名は「ホバールアー」。B級ルアーもいける口の皆様なら「あ~、あれ買ったンだ」ってうっすら呆れてもらえるかと。
 ワシも池でバスがトンボにバシバシ跳びついて食ってる場面に出会ったことがあって、こういうときはトンボルアーがあったら、せめてクレイジークローラーの小とか”羽モノ”があったら気分出るのになと思いつつ、普通にスイッシャーとかグラビンバズとかで釣った。欲を言えばフライロッドが手元にあって、トンボパターンが用意してあれば最高に気分がでるだろう。
 なので、水生植物の葉っぱから伸びたつぼみかなんかの蔓の上にとまっているトンボをバスに襲わせたい、跳びつかせたいというルアー制作者の気持ちは良く分かる。わかるけど、そのためにトンボ型ルアーを作ったのではなく、”水生植物の葉っぱとそこから出た蔓の先にトンボが止まってる”状態をまとめてルアーにしてしまっているというのが非凡なバカバカしさである。気持ちは分かる分かるけど、トンボを動かそうとしたら葉っぱの部分を動かさざるをえず、バスは葉っぱ食うだろそりゃ?って誰だってそう思う。オレだってそう思う。実際Dab氏の報告によると公式動画ではしっかり葉っぱにバイトしていたらしい。ウーンこの面白さ。誤爆もやむなしである。しかも制作者自信満々に”オリジナル(本物)を使ってね”とパクリ商品が出ることを心配してやがる。ほかにいろいろ心配した方がイイと思うよ。

 魚を水面から跳び上がらせて食いつかせたい、っていうのは古くからあまたの釣り人が挑戦している技術で、テンカラの名手が空中で誘って渓魚を釣っている記事を読んだことがある。曰く「こうすればよく釣れるというような技術ではないけど、これで釣れれば面白いというような技術です」とのことで、正しく釣りを楽しんでおられる感じがして好印象だった。記録だとか大物だとか効率的だとか、そんなもんだけが釣りの目的じゃないよ、面白く釣るってのも目的になり得るんだよ。というのは真理だと思う。

 その他にもフライ系の雑誌記事で目にしたんだけど、あるフライマンがテッポウウオを是非釣りたい、それもフライをわざと水上の枝の上とかに落とすなり引っかけるなりして、テッポウウオに必殺技の水鉄砲を繰り出させて撃ち落とさせてから食わせて釣りたい、と書いている方がいて、テッポウウオどこに行けば釣れるんだろう?って悩んでおられて、是非「パラオの川に行ってください」と教えてあげたいと思った憶えがある。パラオの満潮時にならないと船が入っていけない川にボートで入って行くと、マングローブが両側に繁るような熱帯の川にメッキとかフエダイとかもいるけど、テッポウウオがいっぱいいて、普通にミノーやら投げて釣ることができた。件のフライマンがまだ心にテッポウウオを泳がせているのなら、是非パラオの川にガイド船探して行ってみて欲しい。

 釣れればイイっていうなら、ラパラとか釣れるのわかってる堅いルアーだけ使ってればいい。でも面白く釣って楽しみたいってなったら、ルアーはアレコレ選んで投げたくなるモノ。アタイ病気が憎いっ!ってことなんだろうか、それとも正常な嗜好なのだろうか。ワシにはよくわからんわい。って感じでルアー図鑑うすしお味第66弾は最近誤爆して入手したルアーネタでいっておきましたとさ。