2017年11月18日土曜日

若き日の自分に勝てるか?まあ別に勝てんでもエエやンけ

 敵は自分自身!昨日の己に勝つ!とかいうのは他人と勝負して勝てない人間の逃げ口上のように感じるときもあったりするひねくれた私。
 その道の超一流が口にすれば、自分の最高が出せれば自ずと結果がついてくるという自信にあふれた台詞になるけど、二流どころが使うと他人には勝てないかもだけど自分なりの精一杯ができればいいじゃないのヨという言い訳を、やる前から吐いて予防線張ってるようにみえてやや白ける。
 とか書きつつも、私も昨日できなかったことが今日できるようになることは他人には分からなくても自分にとって重要な勝利だ、というような意味のことをこれまでも書いてきた。それが本心であることも確かだが、言い訳であることもこれまた否めない。なかなか凡人には他人を打ち負かすような有無をいわさぬ華々しい勝利なんて得られないからね。仕方ないよネ。

 というわけで、昨日の自分に打ち勝って昨日ツレなくて釣れなかった魚を釣り上げるために、あれこれ楽しく悩むのが常なのだが、最近蔵をゴソゴソしていて懐かしいルアーを発掘して、なかなか昨日の自分に勝つのも楽じゃない、と思い知らされたところである。

 写真のルアーは以前サイトの方のラパラのコーナーでも紹介した「ラパラF改」と呼んでいるラパラフローティングに錘埋め込んでゆっくり沈むぐらいに調整してリップ取っ払ったシンキングペンシルである。まだ本格的なバチ抜け対応シンキングペンシル「ニョロニョロ」が発売される前に私がバチ対応ルアーとして使っていたものだが、現物を蔵から久しぶりに発掘してしげしげと眺め、実に当時の若い自分が細かいところまで詰めていて思い切りもよく完成度が高いことに感心した。
 ニョロニョロ10周年記念が数年前だったから、それ以前、このルアーを使っていたのはかれこれ15年以上前になるだろう。
 今でこそ春のバチ祭りは東京湾のルアーマンにとってはお楽しみの年中行事だが、いち早くバチの釣りに注目して流行らせたのはフライマンで、その中核適役割を任っていたのが、雑誌でもバチフライの解説とか書いていたドクター小林氏だった。まだ彼が試行錯誤しているような段階から、私の先輩連中のフライマンは彼といろんなパターンの開発とかに精力的に取り組んでいた。
 ルアーでも釣れるという情報は散見されたけど、密かに狙ってる特殊な釣り方の印象で、リップ折ったルアーで釣るとかペラをへし曲げたスイッシャーで釣るとかの断片的な情報しかなくフライより遅れている印象で、もう20年近くも昔だろうか当初若い日のナマジ青年はFさんに安く譲ってもらったお下がりの8番フライタックルでバチ抜けに挑んでいった。

 何年か楽しんで、フライパターンも諸先輩のも参考にドクター小林氏の中期のバルサヘッドのパターンを自分なりに改良して、強度を上げて浮力を殺した割り箸製の「お手元フライ」を作って70UPのスズキ様も釣って、そこそこの上達を感じていた。
 しかしながらこれが、上手い緒先輩方と並んで釣っていると、とことん釣り負けるんである。ドクター小林のフライパターンもイロイロ進化して最終的にはビーチサンダルの素材にチヌバリ束ねたトリプルフックをぶら下げたグライダー(後にティムコから商品化)とかシンプルに一定の行き着くところに行き着きながらも、諸先輩はなお水中パターンとかの独自路線とかも追求していて、追いついたと思ったら置いていかれる状況で、なによりキャスティングとかの技術が違いすぎた。桟橋の支柱の際にきっちり投げ続ける正確性とか、もっと単純に飛距離とか、我流でフライフィッシング教書を読んで覚えた程度の技術ではどうにも対抗できなかった。
 ここで悔しくて釣り具屋さんの主催するキャスティングスクールとかに通って技術を磨くのが正道だったのかもしれない。
 だけど、邪道、わき道、回り道の大好きな天の邪鬼な性格が邪魔をしてそうはしなかったのである。
 「ワシ、毛針投げる技術はあんまりないけど、ルアーならバス釣り出身だし、飛距離も自分のインチキなフライキャスティングよりは出せるし正確性はそこそこイケてるはず。」ということで、バチ抜け戦線にルアーで参戦とあいなったのである。

 活性の高い初期とかにはザラパピーとかのペンシルでわりに釣れるのは知っていた。でもバチ抜け盛期になってあまり魚が強く吸い込まなくなると、出るけどかからなくなったり、そもそも出にくくなかったりするようになる。
 フライでも傾向は同じで、軽く吸い込むのの対策で一つの方向性としてはフライの下にちょっと間を置いてハリをぶら下げてハリが口の中に入りやすくするというのと、もう一つにはハリを一番後ろに持ってきて吸い込まれたときにフライがライン側に引かれても最後までハリが口に残りやすくしたりというのがあった。浮力が強いと吸い込まれにくくちょっと沈めるぐらいの方がいいときも多いというのも感覚的に学んだ。

 フライの動きや色はそれほど重要ではないというか、むしろ「ルアー的な動き」がないのが重要だと感じていた。細長い棒が真っ直ぐ進むときの水面の引き波や水中でも水を動かす「水押し」が重要で、いかにもな多毛類っぽい見た目やら色やら素材のウネウネした柔らかさはあんまり関係ないようだった。
 そういう見た目釣れそうなバチっぽい見た目に作った凝った労作は、ビーチサンダル流線形に切り取ってハリぶら下げただけのグライーダーパターンに完封されるのが常だった。バチ対応ルアーでも初期のものにはウネウネした見た目や動きのものが種々発売されたと記憶しているが早々に淘汰されていったのもむべなるかな。

 最初にだれでも思いつく、バチっぽいワームをジグヘッドリグで引く、というのは当然試してみたけどアタリがあってもほとんどフッキングせずバチルアーとしては不合格だった。
 ワームでも写真のようにハリをぶら下げる形か尻に持ってくるリグを工夫すると、かなり改善したけど正直めんどくせえリグの割にはワームなので耐久性がなく、もう一方のミノーの改造が上手くいったのであまり使わなくなる。今でも、手を焼くクルクルバチ対応にメバルワームを使う攻略方があるけど、メバルワームは小さいので吸い込まれやすくてある程度成立するんだと思う。でも重量もたせてシーバスロッドで扱えるようにと考えると吸い込まれにくくなりハリ周りを工夫しなければいけなくなる。そのあたりハリを一番後ろに持っていって解決図ったのが今年のバチシーズン使ったクルクルスペシャルである。

 ミノーの改造は、単純にはフローティングミノーのリップ折ってしまえばそれなりに使えるものができるのだけど、どうしても出てもかからないというフッキングの悪さは生じる。まずはフライでやってたようにハリを本体から離してぶら下げてみる。これでかなりフッキングよくなるのだが、ケブラー等強度のある編糸系ラインでハリをぶら下げるとハリが背中側にまわって引っかかる不具合が生じる。これを防止するために写真のF改では熱収縮チューブでラインがグニャグニャしないようにしている。
 ニョロニョロが出てきたときに中小型のには軸が長めのシングルフックが装着されていて、バチの釣りでは比較的小さいルアーに良型が食ってくることの対策も含め長軸のシングルフックとはよく理解して作ってるなと感心した。しながらもそのニョロニョロでもまだハリが華奢だと思うのでやっぱりぶら下げスタイルにして今はウレタン系接着剤で背中に回らないようにパリッと張りを持たせている。細かいところだけどハリとラインが釣りで一番気を使うところなので念を入れて丁寧にやってる。写真は中ニョロで上が買った状態、下が使用時。
 という今の私の主力バチ対策ルアーであるニョロニョロと違って当時のF9改には後ろのハリが付いていない。当時通っていた湾奥河口護岸のポイントではライズを狙って沖目に投げることが多くて理由は解らないけど前のハリにかかることが多く後ろのハリはハリ同士で絡むだけなので思い切って省略した。ニョロニョロにしてから後ろのハリにかかることが多いので後ろのハリもつけている。
 さらにルアー本体に浮力があるとフッキングが悪いので浮力を殺すためとついでに飛距離アップのために、オモリを埋めてゆっくり沈むぐらいに調整していた。ラパラフローティングはバルサ製なので穴掘って錘埋めたりするのは容易で、釣り具屋さんに教わって冬の本栖湖ブラウン狙いで投げたスローフローティングに改造したラパラF13ではついぞ獲物を得ることはなかったけど、シーバス狙いにその改造の知識が生きてくるのである。
 サイズ違いのF7改も干潟用にF13改も作ったけど、湾奥のバチ抜けにはF9改の飛距離やら存在感があっていたのかF9改の出番が多かった。フライマンと並んでも釣り負けないようになって溜飲が下がったものである。ハリが前一本でもよくかかったのは今考えるとゆっくり沈む程度の浮力がもたらす「水中での軽さ」で吸い込まれやすかったためかもしれない。まあホントのことはわからんけどね。

 ちなみにF改シリーズはウォブリングとかローリングとかのいわゆるルアーらしい動きは全くないただの真っ直ぐ進む棒のようなルアーである。私の中ではこの「全く動かないルアー」というのは、核心的な考え方の一つであるといっていい。
 これまでも書いてきたように「全く動かないルアー」はアピール度今一で魚を探す能力は小さいけど、魚に嫌われずに食わせる能力は大きいと思っている。でも動かないルアーは、ワームではそういう発想で売り出したスライダーワームとかにみれらるように珍しくないけど、プラグ系ではほとんど見かけない。動かない系のシンキングペンシルの代表であるニョロニョロでも多少は左右に揺れる動きがある。「ほっとけメソッド」とか「ドリフト」とか「動かさない動かし方」も各種知られているにもかかわらずである。
 これはそうしないと「売れない」からというのが理由ではないかと思っている。たぶんルアーを設計する人間なら動かないルアーの方が釣れる場面があるというのを知らないわけじゃないと思う。でもプラグは動かないと売れないから、と多少動かしているんじゃないだろうか。
 実際に水中での小魚の動きとか見ると、ほとんど動いたともわからないような微妙な鰭の動きで進んでいたり、全く鰭など動かさずに慣性でススッと動いていることも多いのは、スライダーワームの考案者であるチャーリー・ブリューワー氏のご指摘の通りだと思う。でも多くのルアーマンは大げさにバタバタ動かないと餌っぽくないと思ってしまうのである。バタバタ動くのはラウリ・ラパラ御大の観察通り死にかけた異常な魚なんである。死にかけた小魚の異常な動きは魚食魚にとって強烈な刺激なんだろうけど、刺激の強さ故にスレやすいので諸刃の剣だと感じている。だからすぐにネットで釣り場情報が飛び交い釣り場に人山ができがちな昨今では、スレに強い「おとなしめの動き」のミノーやシンキングペンシルが我が国ルアーマンの間に流行しているんである。なのに全く動かないプラグは買おうとしないんである。
 世の釣り人ってその程度にしか見る目がないということで、おかげで昔から動かないルアーで動くルアーでは釣れない魚を釣っていい目を見てきたし、これからも良い思いをさせてもらうつもりである。
 「動かないルアー」について、実は過去にはプラグでも例が結構あるんである。かつ自分で作って使ってみても良く釣れる。さっき書いたようにワームでは珍しくないし、ルアーじゃないけどフライならルアー的な動きがないのが当たり前である。にもかかわらず、なぜかルアーマンには動きのないプラグは受け入れられなかった。だからこうやって公開してもこれからも誰もまねしないだろうからと安心して書いている。
 過去の例として具体例をあげると、元々動きの悪いダイワのロビンのリップを切ってスローシンキングに調整したら冬のバス釣りに有効で、最初からそういう動かないプラグとして作られたミスタープロンソン、海の向こうでも輸入された日本ではウンともスンとも動かしようがないうえにそもそも沈むのでトップウォータープラッガー達を途方に暮れさせたブーンの怪作ニードルフィッシュ、なんかがある。あるんだけど大ヒットはせずに分かってる人間だけが使いこなす秘密のルアーとして歴史に埋もれていった。ニードルフッシュはその名の通り「サヨリパターン」の攻略用だと近年解釈されていて、そういう使い方もあったんだろうけど、私などはアメリカにもバチパターンのストライパーとか、こいつの「動かなさ」でしか食わせられない状況があったんだろうなと想像している。ニードルフィッシュとニョロニョロ大の収斂現象はそう考えないと納得できない。

 というわけで「良く動くルアー」「おとなしい動きのルアー」については、良いのがごまんと釣り具屋の棚にあるので買ってくることにして、動かないルアーは今でも自作しているのである。
 そんな私が自信を持って作って実戦導入している最新作が、写真のまだ名前のない自作シンキングペンシルである。
 近所ポイントのシーバスのボイル、ラパラCDLが相性良いのか食ってくる場面が結構あったのだけど、杭とかの障害物の上を通す必要があって割と早引きする必要がある。そうするとラインの張りが強いせいかハリがかりが悪くすっぽ抜ける気がする。ので、浮力小さめに割り箸とスズハンダで調整してこれまでの「お手元ルアー」のように作って、ちょっと割り箸一本のままだとCDLと比べて「太ましさ」が足りないなと、フライ巻くときの要領でフェルトを巻き付けてからコーティングして仕上げた。良い出来だと満足していたら、蔵から出てきた「F改」とほとんど機能変わらないことに気づかされて、ぜんぜん進歩がないなと落胆した次第である。
 昨日の自分は確かに狂的な強敵なのであった。

 まあでも、技術の進歩なんてのはそんなもんだという気もする。日産のフェアレディZが最新型と何十年前の古いモデルをチューンナップしたものとでゼロヨン勝負したら僅差で最新型が逃げきったという映像をみたことがある。エンジンぶん回して真っ直ぐ走るという基本性能においては、車という最新技術の固まりのような道具でさえ何十年と経ってもわずかな差しか生み出せていない。それでも基本性能以外の乗り心地やら安全性も含めたら格段に進歩してきたはずである。それに意味がなかったとは思わなくても良いのではないだろうか。
 私の新作シンペンもヤッスい材料費でちょちょいと作れて、釣る能力自体は進歩していないかもしれないけど、重さも大きさも思いのままに作れる自由度とか、これまで積み重ねてきた経験も生きてちょっとだけ進化している気がする。
 
 ちなみに私の中では既に定番で一軍起用のフッコスペシャルも「動かないルアー」である。公開してない秘密のルアー扱いは、ちょっとセコすぎる格好悪さがあるのと、釣る能力自体は動かないワームのジグヘッドリグと同等だと思ってるけど、釣る能力以外の部分であまり語られていないシーバスマンには意外なほどの利点になる要素があって、そこは秘密にして独占させてもらおうと思ってるところ、あしからずご容赦を。こちらも、鉛不使用化のついでにといろんなサイズを作ってみて、ネムリバリの効用とかちょっと試したりと日々進化させるべく努めております。

 という感じで、ルアー図鑑うす塩味第36弾はありし日を思い出しつつ「動かないルアー」についてひとくさり書いてみました。
 「動かないのもまた良い動きである」ってのはなんか禅問答っぽくってかつ小生意気で良い響きだと思う。

2017年11月11日土曜日

イワシ買わんの馬鹿

 スルメイカがサンマがサケがカツオが不漁でどうも本格的にこいつらはダメな時代に突入した臭い。数年前は大漁で安くて大いに食ってたのに困ったことである。
 獲れなくなった理由には海水温上昇だの乱獲だのいろいろいわれてるし実際にそういった要素も関係してるんだろうけど、そもそも海のモノというか自然のモノには豊作、大漁があれば逆にハズレ年とかもあって、いつも同じようには獲れなくて当たり前っちゃ当たり前なのである。
 じゃあどうするかって?獲れない魚がいる反面、豊漁の魚もいるんである。それ食っておくのが定石というものであろう。

 ここ数年ブリは若魚のイナダなんかも含めて特に太平洋側では豊漁で、昨年は本場富山湾で寒ブリ不漁の声も聞いたけど例外的で、なんでかってぐらいに獲れてるようで、サケ定置なんかでもサケ入らないなか、ブリでなんとか食いつないでるとか聞く。
 これが、脂の乗りだとかトロだとかうるさいマスコミに踊らされるグルメ様達のおかげで、氷見ブランドとかが有名な日本海側の脂の乗った大型魚は例外的で、それほど脂の乗り的には大したことがないイナダとかくそ安い値段で売っている。イナダ刺身用一柵380円とかもう買うしかない値段が恒常的で養殖ハマチより断然安い。
 養殖ハマチが駄目とは全く思ってなくて、最近の養殖ハマチはそれこそ脂が乗ってて美味しいと思う。脂の乗った刺身が食いたいときにクソ高いクロマグロ様のトロとどっちを選ぶかといったら断然養殖ハマチである。値段の違いは養殖の難しさとかに起因していて味の差じゃない。だったら安い方を選ぶ。
 でも、脂の乗りが悪いからって、養殖ハマチの半分ぐらいの値段にしかならないってどうかと思う。イナダの刺身はぜんぜんトロじゃないけど正しく青物の刺身の味がして、こんな旨い魚の味が分からないグルメ様達は可哀想な人たちだなと思う。たしかにトロのような魚を食べなれてない人間でも分かる、健康食品の宣伝にもあった「糖とアブラと」みたいな飢餓との闘いが長かった人類の本能を直撃する単純明快な旨さではないかもしれない。
 でも脂のコクなんてぇのは、足そうと思えば油を加える調理でもいくらでも可能で、揚げ物やらムニエルやら、刺身でもマヨネーズ追加とかで簡単に補える。マヨ醤油で刺身は下品だけど割と美味しいので結構好き。
 油加える料理、刺身系でよくやるのはハワイイ風の刺身のポキで、ちょっと塩を強めに振った賽の目切りの刺身にゴマ油をたっぷり目に後はお好みでネギだの唐辛子だの和えてちょっと冷蔵庫で置いてから食べると、酒飲めないのが恨めしくなる小味の利いた一品でございます。是非お試しあれ。
 正直せっかく獲れてるブリ一家がもうちょっと値段つかないと漁師さん困っちゃうだろうと心配で、天然モノのイナダワラサなんかをもっと食べましょうという魚食普及の文章など書いてるのである。あんまり値上がりしてしまっても困るけど、まあアホなマスコミが脂の乗ってないイナダの良さを分かって普及し始めるには優曇華の花が咲くまで待たなければならんだろうから、このブログを読んでる皆さんにこっそり特別に教えてしまいます。ってこんなマニアックなブログ読んでくれてる人たちには「そのぐらい知ってまっセ」な情報かもしれない。それはそれでウンウンと頷いてくれれば喜ばしい限り。


 でもってもういっちょ、今年これでもかっていうぐらいに食いまくってるのがマイワシ。私が魚を買ってる魚屋兼八百屋みたいなちっちゃいスーパーはいろんな産地の魚を仕入れてきていて、入梅イワシのころは近場の神奈川産、千葉産に混じって石川県産とかが健闘していて日本海側も獲れてるなと思ってたら、秋に入って北海道、青森産の大羽のぶっといのが入荷しだして、今ちょうど宮城産が並んでいる。どうもサンマ、スルメイカが大不漁でサバまで今一ななかマイワシが特に東北北海道の太平洋側は良いようで、資源状況の評価とか研究機関の発表見ても2010年以降親魚量増加し続けている状態。
 同居人の実家の気仙沼でもサンマ、カツオの不漁のあおりを受けまくっているようだけどマイワシだけは豊漁のようでよく食べているようだ。この辺、サンマは目黒に限るとか言っちゃうような陸の人間じゃない港町の人間はたくさんとれて旨い魚がいたら当たり前に利用できているようで安心する。
(小ネタ:南三陸では記録的なタコの豊漁らしい。アワビ食ってるという噂の志津川湾産のマダコとか食べたいところだ。サケ定置だのがダメだった中で海の街に明るい話題。)

 今年の太平洋マイワシの豊漁は直接的には産卵場所の四国沖とかの水温が低くて(海水温上昇ばかりが取りだたされるけど場所によっては逆もある、西の産卵水域の低海水温がマイワシを増やしスルメイカを激減させているとの説有り)稚魚の生き残りがよかったからじゃないかとか分析されているけど、いわゆる魚種交代が起こりつつあるのかどうかまではよく分からないということだ。
 マイワシやサンマ、アジサバなどの浮魚資源は気候の変動周期とかに伴って増減を繰り返して、その時々に多く獲れる魚種がころっと変わる現象が知られている。
 中でもマイワシは増加するとなったら爆発的で、前回爆発時最高は昭和63年で国内漁獲量が450万トンとマイワシだけで平成27年現在の日本の海面での総漁獲量355万トンを軽く凌駕する量が獲れていた。
 大昔からそういう爆発的な増え方を何度もしてきたらしいことが海底だった地層に眠る鱗の化石とかから知られている。
 増えるとなったらとても消費しきれないぐらいに増えるマイワシの大爆発に期待してしまうのは私だけじゃないだろうと思う。昔から大量に漁獲されたことのある魚なので消費方法も食料として生鮮加工各種当たり前として、昔は肥料として大量に使われたようだし、今なら魚粉として飼料としても有用な資源になり得るだろう。どのみちまた減少する資源なので爆発的に増えたとしても、それを見越して加工施設など設備投資をするのは博打的要素もはらみ、理想としてはなるべく長く中くらいの資源量を継続させたいと考えられているようだが、まあ増えるときは獲りきれないぐらい、使い切れないぐらいには増えるんだろう。そこをどう獲ってくるか、どう売りさばくか加工するか、そのあたりで儲けるのが水産関係者の腕の見せどころ博打のはりどころということだと思う。
 いずれにせよ今後のまだ分からんことを捕らぬタヌキの皮算用してみても仕方ないし、飼料にするほど獲れるようになるかなんてまだ分からないにしても、現時点の今年の豊漁でも生鮮で出回る分が庶民的な値段になるぐらいには十分で、3匹280円とかこれまた買わずにいられない値段だった。比べて今年割高だったサンマとスルメイカは加工した総菜で何度か食べたぐらいで買わずにずっとイナダとマイワシばっかり買っていた。

 マイワシは清少納言も好物にあげてるぐらい昔っから愛されてきた魚なので、ありとあらゆる食べ方があり、脂の乗ってない奴でも干物にしたり、酢締めにしたり天ぷらにしたりと旨い料理法には困らない。もちろん脂の乗った太ったのなら焼いても煮てもサンマがなくてもまあいいかと許せる旨さ。焼くのは遠火の強火とかやったことない人にはちょっと難しいのでお勧めは煮魚。普通に醤油味で煮てしまってももちろん美味しいけど、最近ハマっているのが「梅煮」で、醤油味をごく薄くしてちょっとびっくりするぐらいに梅干しと梅と一緒に漬けた紫蘇をぶち込んで梅味でスッパ過ぎるぐらい酸っぱくして食べるとめちゃくちゃに旨くてご飯がいくらでも進んで太る。煮汁をご飯にかけるというお行儀の悪い食い方もまた旨くて旨くてという感じ。2パック6匹ぐらい買ってきて作って、タッパに入れて冷蔵庫保存しておくと常備菜として最高の一品。ネットでレシピ調べると酢水で下煮して骨まで柔らかくとか難しいこと書いてるけど、そんなもん鰯の骨ぐらい食いながらはずせばいいし多少堅くてもバリバリ食うならなおよし。手軽に麺ツユ薄めて好みで砂糖も入れて、味付けのメインはドカッと梅干し。これでバッチリです。これまた是非お試しあれ。


 漁業なんてのは獲れるときに獲れるものを獲って売って食うのが当たり前で、しょうもない周回遅れみたいになってるマスコミ情報なんかに踊らされてると、高くてたいしたことないのを食わされる羽目になって「魚なんて割高で美味しくない」と思ってしまうかもしれない。けど、断じて違うんである。沢山とれれば旨くても安いときはあるのが魚っ食いの醍醐味なんである。そういう目利きも含めて楽しむ贅沢が食文化ってもんだろ?と旨い魚を海から離れた街で堪能しながら書いてみたところである。

2017年11月3日金曜日

中小企業が作ったミノー

 私が勝手に「日本2大漁具系釣り具メーカー 」と呼んでいるのが、本拠地を佐賀から福岡に移した我々昭和な釣り人には変態バスルアーメーカーとしてもなじみ深いヨーヅリ改めデュエル社と我が地元神奈川県は横須賀のヤマシタ改めヤマリア社の2社である。
 今回、ルアー図鑑うす塩味第35弾はこの2社の主にミノーについていつものようにグダグダと書いてみたいと思う。

 ヤマリア社の前身、山下釣具は「ヤマシタ式」と呼ばれる漁法の代名詞である塩化ビニール製のいわゆるタコベイトを発明し普及したという、由緒正しい日本の釣り具メーカーである。開高先生もどっかで日本が誇る釣りの技術としてヤマシタ式を例にあげてたと記憶する。元々は漁業の世界での発明だけど今日トローリングヘッドのスカートからタコ釣りテンヤの飾りまで遊びの釣りの世界でももはやタコベイトは世界基準となっている。日本人の「遊びの釣り」における発明においてコレと比較できるぐらい世界に広まったのは、他にK-TENの二宮氏の「重心移動システム」ぐらいしかないと思う。
 今ヤマリアのサイトではその辺の会社沿革も紹介されているし、創業者の山下楠太郎氏の著作「新しい釣漁業の技術」も公開されていてなかなかに面白く興味深く拝読した。

 時代は巡って平成元年、日本でもずいぶんルアーの釣りが浸透してきて、当時ヤマシタだったヤマリア社もルアーブランド「マリア」を立ち上げた。その時、最初に作ったシリーズが写真のミノー「ザ・ファースト」。今書いててそういう意味の名前かと改めて気付いた。大きめの動きで特にファーストリトリーブ向けってわけじゃなさそうなのになんでファーストなんだろうと思ってたけど第1弾的な命名だったわけね。
 有名な話だけど、最初に出た14センチと11センチはK-TENのタックルハウスとの共同開発で、ウッド製のミノーを作ってたタックルハウスがプラスチック版を作るにあたって樹脂製品の製造技術持ってたヤマシタに協力を求めてお互いのブランドでそれぞれ売ることで合意して作ったらしい。だから、14センチ11センチは当時のK-TENと型は一緒。でも内部の重心移動機構は先発のK-TENの鉄球と磁石を使った機構は使わずに円柱状のオモリがスライドする方式をとっている。このおもりがスライドするっていうのが実は裏技的に使えるというのを怪魚ハンターの小塚氏が紹介しているというのは以前にも書いたけど、メガバスが狙って、重心移動機構のオモリがぶつかる慣性でルアーをダートさせるという意図で作ったグレートハンティングミノー90+5に先駆けて、飛距離増加以外にルアーの動きに干渉する働きをも持った重心移動機構を搭載したミノーが意図せず生まれていたのである。
 まあ当時はそんな使い方されてなかったけどK-TEN同様シーバスマンには人気が出て、私のようなCD7やCD9を使ってた湾奥系の釣り人の要望にもこたえるべく9センチと7センチも追加となった。このサイズからはタックルハウスとは分かれて開発していて、ザ・ファーストの方が丸っこくて可愛い見た目となっている。特にフローティング7センチはクランクベイトのような見た目と動きで、コイツの高浮力を生かした水面引き、今でいうウェイキングが濁った運河で良く釣れて良い思いをさせてくれた。右下の目玉の剥げた固体がその頃の生き残りでなんとも懐かしい。

 ヤマリア製のミノーといえば、もう一つナマジ的に忘れられないミノーがフライングダイバー。それも赤。
 カヤックシーバスで大活躍してくれて、その役目をFマグに引き継いで今は蔵に眠っているけど、今でも充分釣れるルアーだと思うのでたまに投げている。
 もともとはボートシーバスの船長に岸壁下が支柱で支えられているタイプの護岸攻め、いわゆる「穴打ち」に良いよと勧められたルアーである。
 穴打ちではそこそこ飛距離が必要だけどそれよりも穴の奥にぶち込んで、支柱に付いているシーバスをいかに短い距離で食わせるかというのが重要になってくる。立ち上がりがモタモタしていては食ってくる範囲を過ぎてしまう。だから固定重心で平行姿勢でユックリ沈んでいって、目的の深さで引き始めるとオフセットのリップがしっかり水を掴んですぐ動き出すという設計。障害物の際の短い距離で食わせるためにはとても適しているのだけど残念ながら廃盤となった。


 ヤマリアはお世辞にも大企業ではない。工場の製造ラインにも限界はあるだろうし、売れなくなったモデルは割とすぐに廃盤になる。昔から生き残っているのはマールアミーゴ、ポップクイーン、ブルースコードぐらいだろうか。逆に中小企業ならではの小回りの良さと伝統の開発力で、市場のニーズやらも踏まえて積極的に新製品をぶち込んでくる。
 写真の上はツーテンの虎ファンさんが気に入ってたエンゼルキッスで振り幅広い系、大きいサイズ残して廃盤、下の細身のプリンセスMも廃盤。っていうぐらいに廃盤製品が多いのは寂しいと言えば寂しいんだけど、新製品ぶっ込んでくる挑戦精神に免じてオレは許す。特に最近では、小難しいこと言いがちな輩がさも難しい技術のように喧伝してたダイビングペンシルの世界に簡単な動かし方の映像公開してぶっ込んできたローデッドが抜群で、プレミア付いて1万円以上するようなルアー買わんでもローデッド買ってヤマリアの人の説明通り動かせばワシでも10キロやそこらのマグロなら釣れたわい、ザマミロという感じ。
 ザマミロは100g超級のダイビングペンシルの釣りという今や大流行の釣りを切り開いたルアーであるカーペンター社ガンマに対して敬意がなさ過ぎかと反省するが、我ら技術もお金も限られる週末釣り師に、安価で性能の良いルアーを提供し釣り方含め普及してくれたヤマリア社には創業者からの伝統である釣り技術の普及に対する企業精神と伝統をひしひしと感じるのである。


 でもってもう一方、九州の雄デュエル社は、もともとのヨーヅリ(ヨー「ズ」リだと思ってましたスイマセン)っていえば伝説となった「アタックル」ブランドの変態バスルアーの会社というイメージの他には、餌木とか弓角とか潜行板とかスキップバニーちゃんとかとかのまさに「漁具系」のイメージかも知れないけれど、実はコレが世界的には一番知られている日本のルアーメーカーなんである。何を馬鹿なことを、ダイワやシマノの方が有名に決まってるだろ?と思うかもしれないけど、ダイワやシマノは外国ではリールメーカーという認識のハズでルアーはそれ程有名じゃない。
 何しろスポーツフィッシング市場におけるメジャーリーグとでもいえるバスプロショップスのカタログにルアーが出てくるのは現在、ヨーヅリ、メガバス、ラッキークラフトで、後ろの2社は新参者でサーフェスクルーザーやクリスタルミノーの時代からバスプロショプスのレギュラーメンバーの座を守ってきたヨーヅリこそ海外では日本を代表するルアーメーカであると断言する。なにしろヨーヅリブランドの知名度が海外では高いので海外向けブランドとしてはいまだ「YOーZURI」という昔の名前で出ていますなぐらいだ。
 ということで、デュエル社も中小企業ではあるんだけど、相手にしている市場が海外もあってでかいので、ヤマリア同様廃盤開発のサイクルは短いんだけど、廃盤製品復活やら名前を変えて出ていますやらな商品も多い。
 上から2個がトビマル、3個目がクリスタルミノーという懐かしのルアーだけど今復活してます。今時のぎらぎらしたカラーとかも出てるし、クリスタルミノーにおいては重心移動搭載形のマグクリスタルミノーなんてのも出ている。往年のファンの皆様におかれましては箱買いのチャンスでっせ。
 トビマルの一番上の個体はガン玉詰め込みまくった「超重量版トビマル改」でほとんどアクションしないのに釣れました。今思えばリップ付きのシンキングペンシルを作ってしまってたわけで「あまり動かなくても釣れる」んじゃなくて「あまり動かない方が釣れることがある」というのに気づけていれば一儲けできてたのかもしれない。
 4番目のアイルマグネット105(とかなんとかいうやつのはず)は拾いもの。これの大きいのは九州男児がヒラスズキ狙うときの定番だそうだけど、たぶん今も違う名前で出てる。
 で、下3つが今時モデルの「ハードコア」シリーズのミノーで下から3つめがハードコアミノーパワーSというワイヤー貫通の丈夫な対モンスター用とうたわれているミノー、別にモンスター狙いに行く予定もないのに思わず買っちゃった。下2つはハードコアTTリップレスS90でこれも思わず買っちゃったけどコイツは近所でも投げてます。 

 左の写真、一見すると同じルアーに見えるけど、実は上がフローティングで下がシンキング。一緒やないケ!と突っ込んだところ背中の表示の他に「目」でも見分けができて赤い目がシンキング黄色い目がフローティングだそうである。芸が細かい。
 芸は細かいんだけど、正直この手のスリムなリップレスミノーの元祖であるコモモや同じメーカーが作るサスケ、リップレスミノーとしてはそれより古いタックルハウスのTKMLとかに比べると、なんというかどこにでもありがちな今時のジャパニーズルアーっぽいというかオリジナリティーに欠けるという気がしてた。でも動き的には余り潜らずキビキビ動く系で、欲しかった動きなのでまあ良いかなと思っていたけど、こうやって書いていてまさにこのルアーは「今時のジャパニーズルアー」っぽく作られているんだと思い至った。ホログラフを使った精緻なカラーリングに凝った造形、高機能をうたった磁石とタングステンを使った重心移動機構などトッピング全部乗せ状態のジャパニーズミノーになっているのは、外国のお客さんを念頭においているからなのだろう。それがすべてではないにしても、外国版の製品名に「SASHIMI」とか付けちゃうぐらいにはあざとい戦略性を持って攻めてるデュエル社である、そういうことを考えに入れてないとは考えにくい。
 そう思ってみると、なかなかに味わい深さが増してくる。世界中で売りさばくのでその分コストも軽減できるのか値段が1000円ぐらいと安いのも大きな魅力である。
 大手のデキの良いルアーやらベンチャー的な小規模工房からの挑戦的な製品もいいけど、こういうしたたかな中小企業の作ってるルアーもやっぱり魅力的だと思うのである。デュエルのルアーが九州で、ヤマリアのルアーが相模湾とかで人気な地元密着型な一面も好ましく思える。とにかくいろんなルアーがあって選べる楽しさって良いもんだ。


 最近、近所ポイントの攻略に苦戦しつつ楽しんでいるところなんだけど、「もうちょっと動きの派手なルアーないかなー」とか「細長いのを試してみたい」とか思いついたときに、じゃあそういうルアーを買いに行こうかと思うと、ふと、待てよそんなルアー我が家の蔵にあったんとちゃうか?と思ってごそごそやってると、目当てのルアーもだいたい出てくるうえに、忘れてたような懐かしいルアーも出てきたりして、心は思わずしばし追憶の彼方に旅立ったり、なかなかに楽しかったりもしたので、そんな中で出てきたルアーを中心に今回は紹介してみました。
 オッサンどもに懐かしがっていただければ幸い。若い人にはオッサンの想い出話に付き合ってもらって恐縮。でも若い人が今使ってる最新のルアー達も10年経てば想い出のルアーになって若い人もオッサンになるというものである。今日は明日には昨日になる、何事の不思議なけれど。

2017年10月28日土曜日

雨の日が好きな釣り人へ


  私は雨の釣りが好きだというのは以前書いた。調べてみると5年近くも昔のことのようだ。
 そのときに新調した合羽が最近染みてくるようになって、洗濯して防水スプレー振っても回復しなくなってきた。そろそろ限界かなと思っていたらポケットのチャックがぶっ壊れた。

 最近の雨具のチャックはチャック自体が防水になっているこのタイプばかりだが、正直あんまり好きになれない。昔の上から雨蓋をかぶせる方式より使う布地が少なくできて軽量化できるし縫製も単純化できるというのは理解できるが、雨蓋式ならチャックを締め切れてなくても大丈夫だけど、新方式のチャックだと雨が容赦なく入ってきてポケットの中ビチャビチャに濡れてしまったりする。物忘れの酷くなったオッサンには優しくない。
 5年やそこらで壊れる耐久性のなさも気にくわない。ポケットならまだ良いけど、前を閉じるチャックが壊れたら場合によっては生死を分けるような不具合を生じる。チャックの上を覆う布をボタンで留める方式なら最悪ボタンでは留められるので全開は避けられる。
 チャックなんて滅多に壊れないので想定しなくて良いとなれば良いけど、実際にチャックが壊れたので心配になってしまう。私は生死をかけるような場所に行かないとしてもだ。とはいえ今時このタイプのしか売ってないのでどうしようもないのか。

 とりあえず、モンベルショップに持っていって浸水も含めて直すといくらぐらいかかるか見積もってもらったら、1万円以上かかる感じで、かつ浸水は見える穴は塞ぐことができるけど針穴のような小さい穴を見つけて塞ぐことがむずかしく防水性の完全回復とまではいかないようだ。河原で藪漕ぎまくっているので茨とかで針穴沢山開いてそうなのは想像に難くない。
 仕方ないので買い換え。同じ「レインダンサー」の後継版を購入。だいぶ値上がりした感じで大3枚が飛んでいったが快適な雨の釣りのためにはいたしかたあるまいて。
 今回のは漁師さんが履いてるサロペットみたいな明るめの青。フードを畳んで仕舞うのがゴムで一カ所止めるだけになっててちょっとバラケそうで不満だがまあ洗濯ばさみで留めておくか。性能的には信頼しているので問題ないだろう。また5年ぐらいはよろしく。

 物入りってだいたい重なるもので、10年来愛用してきた左のゴムの長靴が穴開いて浸水するようになってきた。水遊び用の靴でジャブジャブと行くには寒い季節に、ウェーダー出すほどでもないチョットした河岸のぬかるみを歩く場面とか、厚手の靴下履いて防寒対策するときとかに重宝していたのだが寿命をむかえたようだ。
 目立つ穴をゴムのパッチあてて塞いだけど、その後もつま先あたりジワッと濡れるので、もう接着剤とか劣化しててつなぎ目とかから浸水し始めているようだ。
 この手のゴム長靴って、チェストハイのウェーダーのように透湿性とかが求められるほどでもなく、水が漏れずに丈夫なら何でも良いと思っている。思っているんだけど釣り具量販店に並んでいる安いゴム長はどうにも趣味の悪い配色で履く気が失せる。それなりの値段出すと格好いいのもあって、昔はアングラーズハウスの緑の乗馬長靴みたいなのを愛用していたけど、正直もっと安くて十分だよなと思っている。貧乏だった学生時代は皿洗いのバイト先で支給された白いゴム長履いて釣りしてたけど何ら問題なかった。ここ10年はホームセンターで買った鉄板入りの安全長靴がちょっと渋くて漢らしくて気に入って愛用していたのである。ちなみに昨年ぐらい乗馬長靴が街行く女性にちょっと流行ってたみたいだけど通気性ないから水虫になりまっセ、と老婆心ながら忠告しておく。
 さて次はどうしようかと思っていたら、釣り具屋で割と良さそうなのを見つけた。
 写真右のプロックスの長靴で、上部は防水布製で膝ぐらいまであって軽くウェーディングもできそう。ワシどうせ深くは立ち込まんし案外ちょうどよくハマってくれるかも。値段も3千円ちょいでお値打ち。
 プロックスの製品は安くて値段相応という感じで、ロッドケースは肩掛けベルトがすぐはずれた。でも致命的な本体ぶっ壊れたりはなく、プロックスの折りたたみ胡座イスと背負子タイプのカート付きリュックは今のところ問題なく使えている。あまり期待しすぎないで使ってみる分には良いメーカーだと思っている。

 とりあえずこれでこの秋冬、雨振っても快適な釣りができる準備ができただろう。
 装備も新調したし、雨の釣りがますます好きになるような良い釣りができることを期待したい。
 今夜も降るようだし、さてどうするか。

2017年10月21日土曜日

CD転じてCDLとなす 秋に旨いはサバとなす


 ラパラマニアはあまりCDL(カウントダウンリップレス)を買わない傾向にあると思う。
 CDLの有用性を認めていないわけではないのだけど 、まあなんというかCD(カウントダウン)使ってれば、自然とぶつけたりしてリップ折れたのがたまっていくので、わざわざ買うまでもないかなと思っていたりする。折れたリップを綺麗にニッパーで切り取ってやればCDのCDL化の完了である。実に簡単。
 左の写真で、上がCD9、真ん中がリップ折れてCDL9化した個体。一番下がもともとリップレスで売られているCDL9。
 動きは、あまり動かずユラッとする程度の動かない系のシンキングペンシルでやや太めのボリューム感。しかも軽いバルサ製で沈むのがユックリで浅い層を狙える。バルサ製で軽いんだけど、CDのように「軽くて飛距離がイマイチ」な感じはあまりなくて良く飛ぶ。ボディーからつきだしたCDのリップが、いかにしっかり水を掴んでルアーを動かしているかということと、いかに突起物となって空気抵抗を増やして飛距離を落とす要素になっているかというのが実感できる。
 正直「リップないとこんなに飛ぶンや!」と驚くぐらいで、飛距離とリップの空気抵抗の関係で今時のミノーがみんな小さいリップをつけて本体と併せた全体のバランスで動いていたり、むしろリップ付きは割合が減っていて、リップレスミノーやシンキングペンシルが隆盛を誇っているのも、CDとCDLを投げて比べてみると得心がいくところだ。
 
 CD7は最近出番がないけど、その昔コレを投げたりテクトロしたりして、東京湾とかのシーバスポイントを開拓していったので、今でも在庫がそれなりに残っている。
 青銀が好きだったので青銀は6個箱入りで注文したりしていて、右上の箱がその頃のラパラの「箱売り」の箱である。
 箱で買ったのは博多の釣具屋で、10数年前当時、ラパラって今人気盛り返しているけど、ちょっと重心移動搭載のジャパニーズルアーとかに押されて「過去のルアー」扱いされていた時期で「うちでは仕入れてないので問屋から箱単位で取り寄せになるけど良いですか?」と聞かれてもちろん問題ないですと買ったものである。当時1個800円。東京では安売りしていると600円ぐらいの時もあった。今回蛍光黄色を補充しに行ったら1250円もしていて、CD7も高価になったなと、時の流れを感じずにいられない。
 リップの折れたCD7は3個あったんだけど、一番釣れそうだった蛍光黄色を過ちによってなくしてしまい、2個になってしまった。橋の明暗とかパール系の見やすい色はもろ良い感じだし、青銀も悪くはなさそうだけど、2個では心許ない。
 近所ポイントのボイル、色々ルアー投げてみてセイゴの反応とか見ている感じではCDLの7センチと9センチが合っているように思う。まだ他のも試さねばならない段階だけど、とりあえずCDLはアテにしてよさそうだ。水面直下をユックリ引けるのとシンキングペンシルとしてもおとなしい動きが効いてるのかなと想像している。魚の居る目の前にルアーを通せる状況なら、おとなしめの動きのルアーの方が「嫌われる」可能性は小さいのではないかと感じている。
 なので、在庫不足を補うべく最初からリップの付いていないCDL7を買い足そうと思ったけど、今現在廃盤のようでCDLは素材を軽いバルサより比重のあるアバシ材に変更して飛距離アップを図ったカウントダウン”アバシ”(CDA)のリップレス(CDAL)が売られているようだ。当然普通のCDLより良く飛び良く沈むはずである。
 近所ポイントでは飛距離より沈んだ杭とかの上の水面直下を引けることのほうが重要なので、重い”アバシ”版では塩梅が悪いように思う。そもそも私は飛距離を重視しない近距離特化型のシーバスマンである。
 まあ、CDは廃盤じゃないしうちの蔵の在庫もそれなりにあるので話は簡単で、CD7のリップをニッパで切り取れば良いだけである。いくつかCD7をCDL7に改造した。CD9はまだ投げるけど、CD7はもうあまり実戦では使ってないので、リップレス化して使っていくこととしたい。

 リップを削ったり取っ払ったりする改造は、ロングAやラパラFでも良くやっていたけど、CDに関してはなぜかCDとしてまだ使える個体からリップを外すのは心理的に抵抗があった。まあ気にしないでいこう。
 切り取ったリップが、適度に柔らかくてニッパーで成形しやすく、かつ適度な丸みもあって、リップがもげたフラットラップの補修にもってこいなので有効活用させてもらった。

 ちょっと脱線するけど、今回リップレス買おうとしてラパラジャパンのウェブ上のカタログ見て、フラットラップがカタログから落ちていることに大ショックを受けた。一時生産中止になっていたフローティングマグナムが復活してたりして、また市場に弾がなくなったころに生産再開するのかも知れないけど、もしこのまま廃盤とかになると、さすがにまだ一生使う分は買い貯めしてないので困ってしまう。
 フラットラップはコレまで作られたミノーの中で最高のものだと信じている。ラパラ社もその意気込みで「永久定番」と謳って世に出したはずだ。もし売れなくて廃盤だとすれば釣り人の見る目がなかったとしか思えない。飛距離とキビキビした動きが両立してどちらも高得点。
 是非ラパラさん、我が家の在庫がなくなる前に再度生産をよろしくお願いします。その時によくもげるリップを改善していただければなお良し。空気抵抗との関係で小さいリップを前の方に付けることから必然的に弱くなるのは仕方ないとして、接着方法を下からくっつけるだけじゃない、シャローシャドラップやチームエスコに近いような前からグッと差し込んでちょっと突き出たオフセット気味にするというのはどうでしょう?


 というわけで2週連続の「ルアー図鑑うす塩味」第34弾は永遠の定番ラパラカウントダウンと見た目パッとしないけど実力派の弟分カウントダウンリップレスあたりでお送りいたしました。
 1250円で高くなったとボヤいてしまったけど、1500~2000円があたりまえになった今のルアー市場で、天然素材を使ってその値段で「釣れる」品質で提供し続けているのは凄いことだと思う。世界中に売っていて大量に作ることによる経費削減効果とかあるとしても、安いっちゅうのは釣り人にとってはありがたいことである。

2017年10月14日土曜日

急速潜航 ダイブ!ダイブ!ダイブ!!

 これまでシーバス釣りにおいて投げるペンシルベイトはサーフとかで飛距離がほしかったりカヤックで大型ねらいのときにサミーがでてくるときもあったけど、ほぼザラパピーでかたをつけてきた。
 ザラパピーはあんまり潜らないけど首振りは簡単で、暗い中でも一定のリズムで竿先チョイチョイしながら引いてやれば問題なく首振りながら魚を誘ってくれる。逆にただ引きでヌーッと引いてきてもなかなかにいい仕事をしたりもする。
 ザラパピーしばらく売ってなかったけど、今ちょうど生産再開している時期のようで釣り具屋に新品も売っていて根強い人気のほどがうかがえる。

 でも、最近試行錯誤している近所ポイントのイナッコボイルに対してはザラパピー全然バイトとれず、とりあえず飛距離アップにサミーかなと用意していたけど、いまいち届いても首振らせてるだけじゃ食ってくる気がせず、いっちょ潜らせてみるか?ということになり、今いろいろ候補を投げてみて試しているところである。

 というわけで久しぶりに帰ってきた「ルアー図鑑うす塩味」第33弾は、潜るというか「ダイビング」が得意だったりそうでもなかったりなペンシルたちでいきます。

 今日、海のルアーの世界ではダイビングするペンシルベイトは、青物にマグロにロウニンアジにと大人気で、マグロ釣ったヤマリヤのローデッドとか動かしやすいわお値打ち価格だわの優れものだと思うし、クラフトベイト社ダートベイトでは自己記録のロウニンアジ釣ったので自分の中で特別なルアーである。各社から縦浮きで竿先あおるとドボンと泡ひきながらダイブして、水中でギラッと不規則に揺らめいて浮き上がるというダイブジャーク用のペンシルが各種でている。

 ところが、シーバス用のペンシルとなると、まあバス用の流用で間に合ってしまうからわざわざ買わないというのもあって私が知らんだけかもしれないけど、あんまりダイブするのは見かけなくて、首振りメインのいわゆるドックウォークの得意なものが多いように感じている。
 今回のダイブするペンシル探しにおいてもそういうわけで、とりあえずバスルアーから探せばいいだろうと、いくつか候補を選んでみたところ。

 まずは、ダイブするペンシルとして真っ先に頭に浮かんだのがレッドペッパー。確かにこいつはジュポンと頭から水中に突っ込むのも得意だ。バスもよく釣れたしシイラとかにも効いたので、釣れるのは間違いないと思う。ただこのルアーを暗い中で投げる気にはあまりならない。こいつの動きは予測不能すぎて、暗い中ルアーが見えていないとどんな動きしているのか分からない。明るい時間で見えていれば、ある程度実際の動きをみながら潜らせたかったらどう引いたらいいかとか考えながら調整しつつ動かすことができるけど、それでも完全に制御するのは私程度の腕では難しく、そういう制御不能で予測不能な動きがこのルアーの強みだとも思うけど、暗い中で引いてたらどんな動きしてるのかまったく責任とりかねる。ので、とりあえず候補からはずした。

 いろいろと調べて、縦浮きダイビング系で入手が容易なあんまり特殊じゃないペンシルをと考えると、バスディのシュガペンとレーベルのジャンピンミノーに行きあたった。どちらもややマイナーだけど、いまでも生産されていて入手は可能である。シュガペンは香港でアフリカンクララ釣ったときのがあるし、ジャンピンミノーも通販で入手可能なので試しに買ってみた。

 シュガペン9センチは優等生で、首振りも得意だけど立たせた状態から強めに引けばダイブするし、高速ツィッチしてもダイブの動きは混ざる。まずは合格点で、実際にボイルに投げる機会があったときにも、なぜかかからない状態ではあったけど、バイトは派手に何発もあって、食わせる能力は十分とみた。あとはシーバスに食い損ねさせないような間のとり方とか詰めていけばいいように思う。飛距離も十分だしカラーリングも含め作りはバスディだししっかりしている。

 でも、その優等生なシュガペンよりなぜか惹かれてしまうのが、舶来もので新品でも1000円切るような、B級感が濃く漂うジャンピンミノーT10(あっ、ちなみに現在ジャンピンミノーはメイド・イン・チャイナです。プラドコも中南米工場から中国生産に切り替えたのだろうか?恐るべし「世界の工場」中国。中南米製なら曲がりなりにも「アメリカン」ルアーだと納得していたけど、中国製となると性能や品質に問題はないと理解しつつも、なんだかちょっとやるせない)。昔っからあるけど今でも生産してるってことは魚が釣れ続けているという証明だろうか。アメリカンなペンシルベイトとしてはオリジナルザラスプークに代表される首振り得意なものが人気でありかつ主流で、スイッシャーからペラ外しました感の漂う縦浮き系のペンシルであるツースピック、ボウィハウディーあたりはすでに生産されていない(ボディー共通のスイッシャーはまだ売ってるのでどうしてもほしい人はペラ外して改造してください。というか中古を探せばいいのか?)。
 ところが、昔々レーベル社が「うちの会社からもペンシルベイト出したいな。でも新たに金型起こすのめんどくせぇ。そうだ、ミノーのリップとっぱらってオモリ尻の方に入れてでっち上げよう」という開発秘話があって作ったとか想像できてしまうような、しょぼい見た目のジャンピンミノーがなかなかに知る人ぞ知る傑作ダイビングペンシルのようで、生まれては消える有象無象のルアー達を尻目に今日まで生き残っているのである。
 アマゾン(ネット通販大手じゃなくて南米の大河のほう)でもピーコックバス釣るのに有効らしく、現地のメーカーも似たようなタイプのを作っているぐらいに人気のようだ。
 日本にもファンがいて、某長崎のペン使いでアグリースティック使いなカヤック乗りの御仁が、クロダイ釣りに使って絶賛している。
 これは、オレも使わねばと買ってみた。投げてみて動かしてみたら「ペンシルなんてミノーからリップとって後方重心にした程度で上等じゃんヨ」という感じ。シュガペンにも通じる優等生な動かしやすさだけど、こっちの方がさらに潜らせやすくて、水面に出きらないなら潜らせろ、という状況ならこっちがより良い解答なのかもしれない。優等生シュガペンと予測不能レッドペッパーを足して2で割って懐かしさとか安っぽい現代アメルア感とかをプラスαした感じ。
 とりあえずメインで投げるペンシルはこいつと決めたところ。

 どのぐらい「ミノーからリップとって後方重心にしただけ」か写真でご確認願いたい。同じルアーじゃなくて下はレーベルミノーです。
 残念ながら、ミノーの方がちょっと前の時代の最後のアメリカ製ぐらいのモデルで、今ちょうど端境期なのか同サイズのレーベルミノーには悲しいことに私の好きな立体に鱗の線が切ってある系のカラー(クロスハッチ模様というらしい)が見当たらないので入手する気にならず、直接同時代のモデルで比較できてないけど、ジャンピンミノーが、わざわざペンシルベイト用に新しくデザインされたものではないんだろうナ感がおわかりいただけるだろう。

 ルアーの造形なんて、後発である日本のメーカーとか凝りに凝ったものにしていたりするけど、魚釣るにはこのぐらいのテキトウな造形でも充分っちゃ充分なんである。

 今のところこんな感じなんだけど、ぶっちゃけ潜らせるのが正解なのかって聞かれると全く自信がなく、ザラパピーよりボリュームあげるってのも試してみたいなと、バドンカドンクとビックラッシュウォーカーもそのうち投げてみたいと思う。
 バドンカは首振り得意なペンシルで、バラしたけど何度か魚はかけているので釣る能力に問題はないだろうと思っている。
 ビックラッシュウォーカーはダイブも首振りも自由自在のはず(そんな腕あるのか?)なので、自在に操ってバシュッと食わせて釣ったりしたら気持ちいいだろうなと妄想しているところである。

 ほかにも潜るの得意なペンシルにこんなんありますよとか、シーバス用のペンシルなら最近いいのありまっセとか、あったら是非教えていただきたいッス。
 昨夜もスカ食って難しさに頭抱えたりしてるけど、それでも久しぶりにいろんなルアーを試す楽しさを味わっているところ。 

2017年10月8日日曜日

足の延長線上にある道具

  自転車っていうのは、人類が生み出したものの中でも最も優れた素敵道具の一つではないかと思う。
 徒歩に比べると格段に長距離移動が楽。そんなに走行性能に長けていない折り畳み式の我がチャリでも5キロやそこらの往復なら鼻歌交じりの距離である。っていうかむしろ自転車で行くと鼻歌がでるぐらいに気分がよい。
 荷物を積めるとか100キロ単位の距離を行くとなったら車の方が便利だけど、車は駐車スペースとか維持管理とかめんどくせぇ上に、簡単に人をひき殺せる馬力が私には制御不能な感じが強くて根本的なところに恐ろしさを感じてしまう。
 自転車でも全力走行でぶつかったりしたら死亡事故もあり得るんだろうけど、通常走ってる分にはそういう制御不能な感じはなく、車の運転のように緊張せずにゆったりと自分の力を動力に走ることを楽しめている。風を体に感じながらというのも、バイクもそうだといえばそうだけど評価が高いところだ。
 工業製品なのでぶっちゃけそれほどエコではないのかもしれないけど、それでも油炊いて走る車に比べれば多少ましだろうし、経済的な乗り物だとも思う。

 釣りにおける自転車の有用性ってあんまり語られることはなくて、自転車で釣りに行くと楽しいということ以上に、自転車は釣りに有用な道具であるということは意識しておいても損はないように思う。
 わざわざ折り畳み式の自転車を買って、車に乗せて釣り場に持っていったりもするのはそれなりに理由があってのことである。

 徒歩にはない機動力が魅力だけど、それ以上に駐車スペースが必要ないのが大きな利点になる。車でポイント探していて良さげな水辺が見えていても駐車スペースがなくて結局入れずあきらめるなんてことはありがちで、特に新場所開拓の際には、いったん車を駐車スペースに入れてしまってから自転車で良さそうなポイントを虱潰しに当たっていくなんていうのは実に有効。
 内房の運河はこのスタイルでかなりくまなくチェックしてポイント開拓がずいぶんはかどった。
 歩いてもいいんだけど自転車の機動力にはかなわないし、バイクでも駐車スペースはどこでもいけるけど、いちいちヘルメットとかをはずすのも手間だし、ロッドを片手に運転なんてことはできない。ロッド片手に場合によっちゃサドルにまたがったまま2、3投してすぐ移動とかのせっかちな釣りには実に威力を発揮するのである。
 都会だと駐車スペースが近くにないポイントとか、明らかに「竿抜け」になっているような穴場もあって、テナガのノッコミポイントとか自転車の地元民ぐらいしかやってこないので都会の釣り場にはあるまじき広々とした空間で釣りを楽しめている。

 そういう近所の足にも遠征先の開拓の友にも活躍してきた折り畳み自転車2代目も、先代が盗まれてから4年ほど。結構な距離を走ったはずで、先日ツンツルテンになっていたタイヤから繊維が見えはじめて限界だったので交換した。径の小さいタイヤなので普通の自転車のタイヤより消耗激しいのかもしれないけど、良く走ったものだと感慨深い。
 これからもよろしく相棒、という感じである。
 今のところ一度も成果を上げてないんだけど、終了時に帰りながら自転車で川の護岸の柵越しにルアーを引っ張ってくるテクトロならぬチャリトロでシーバス釣ってみたいと密かに挑戦している。

 最近近所ポイントでハゼ追っかけてて気がついたんだけど、釣り場で盗まれた自転車って、売り飛ばされたり使われたりするんじゃなくて、どうもその場で川に放り込まれていることもあるように思う。なんのためにそんなことをする必要があるのか全く理解に苦しむけど、干潮時にあまりにも多くの自転車が川底に沈んでいるのを見るとそんな気がしてくる。盗んで目的地近くまで乗って、証拠隠滅に川に捨てているということも考えられるけど、鍵かけていたのにあっさり盗まれていることとかを考えると、単にその場で戯れに捨てているという可能性に行きあたる。 
 そうであれば自転車を暗い釣り場で盗まれないようにするのに、柵とか電灯の支柱にチェーンキーで繋いでおくのは有効かもしれない。河原に自転車止める人は実行してみてほしい。


 足周りの道具で今年活躍したのは自転車のほかにこの靴。
 アディダスのボートシューズで、遠征の時に船の上で履くために買ったんだけど、以前履いていた水遊び用の靴がボロくなって捨てたのでスライド登板で使ってみたら、実に良い案配。
 なにが良いって、靴の底に水が抜ける穴があいているのが良い。足の裏に水がたまらず水からあがって割とすぐにグチャグチャという感じから解放される。
 即乾性のズボンとあわせて、自宅から履いていてそのまま釣り場で川にジャブジャブ入っていって、帰りもそのまま履いてスーパーで買い物したりしても靴から水がビタビタ滴ったりせずに気にせずいける。
 昔フェルトソールのウェーディングシューズのままビタビタとコンビニで買い物していたら、バイトの姉ちゃんにモップ持って後ろに付かれたことがあり、ゴルゴ13じゃないけどいやな気がしたし申し訳なかったので気にはしていたのである。
 ご近所に釣りに行くのごときに換えの靴持って行くのは面倒なので大変重宝している。そろそろジャブジャブは冷たくなってきたので洗って干してまた来年もよろしくかな。

 釣り具って腕の延長線上にある竿やらリールやら仕掛けやらについては多く語られがちだけど、それ以上に足の延長線上にある移動手段含めた足周りの道具やら、皮膚の延長線上の合羽やら防寒着、日焼け防止策、虫よけなんかも重要で、良い道具とそうじゃない場合とでは釣りの快適さや面白さに雲泥の差がでてきたりするので、皆さんゆめゆめおろそかにしないようにしましょう。
 高価でかっこいい見た目の道具が必ずしも良いってわけじゃなくて、実際に使ってみて維持の手間や経費も含めた総合で評価しないと実戦じゃ役に立たないのは腕の延長線上といっしょ。
 「戦場にゃ一番手になじんだものを持ってきたいんでね」っていうガッツの台詞には私も深くうなずくところである。まあワシら釣り人がいくのは戦場じゃなくてせいぜい船上ぐらいだろうけどね。