2024年6月29日土曜日

ヨーヅリミノーの系譜

 株式会社デュエル(旧ヨーヅリ)の沿革をウィキってみると、その創業は1967年に疑似餌の製作工場としてスタートしている。その後有限会社洋釣り具製作所となり佐賀に工場を移転し、1976年から本格的に海外へ販路を開拓し、翌77年には株式会社洋釣漁具と改組、89年には商号を「株式会社ヨーヅリ」に変更、95年に、たしかイタリアのトローリングリールブランドだったかのデュエルを買収だかしたように記憶しているけど、最初別会社としてデュエル株式会社を設立のの後、97年にはヨーヅリとデュエルを統合し今の株式会社デュエルの形となる。本社も佐賀から福岡になっていて、ワシが九州に居た頃は本社が博多の通勤途中にあって、ビルに入ってって「こちら小売りはしてないんですか?」と突撃して、やんわり追い出された記憶がある。その頃とは本社の場所自体は変わっているようだけど、今も博多の地から地元の九州男児から世界の釣り人までを魅了するルアーを発信し続けているようだ。実際のルアーの生産工場はフィリピン、ベトナムに持ってるそうだけどな、ラインは今現在でも国内生産と知って逆に驚いた。いずれにせよ疑似餌作って半世紀以上の老舗である。

 「アオリーQ」で有名な餌木を昔から作ってるってのもあるけど、潜行板やらウサギ型のいわゆる”ヒコーキ”などトローリングというよりは曳き縄の釣りの、職漁師仕様の漁具を扱ってるっていう印象がワシには強くて、ヨーヅリになるまえの「(株)洋釣漁具」の社名はしっくりくるモノがある。現在のウェブカタログみていると、弓角もスキップバニーちゃんも、小っちゃいタコベイトの「ワームカット」とかも、もう作ってないようで時代は変わったなと昭和のジジイはちょっと寂しい。かわりにタイラバ系とかインチク系とか漁具系の流行り物はおさえてるけどな。

 今回ヨーヅリミノーをネットオークションとかでかき集めてみて、一番古かったのが左の写真のミノーで、他にプリズムシート内蔵のキラキラのやジョイントものもあったけど、シンプルなこの色にしてみた。名前は特になく、サイズがかすれてるけど10センチと書いてあるようだ。

 ミノーとしてはなんてことはない感じで、約10センチのやや太目のボディーに立った角度のリップが突き刺さってて、プラのミノーなんだけど形状的にはラパラCDっぽい。しかしながらはコイツフローティングなんである。太目で立ったリップとなると、タイガー・・というより後ろフックのアイの位置からいってマーベリック的な水面使いで楽しそうなミノーである。あるけど、さすがに新品袋入りで一個しか持ってないので、使う勇気がない。資料として蔵に寝てもうらうことになりそう。

 趣深いのがまずは”札”の部分で、お馴染みの「YO-ZURI」表記の上に、イカを象った意匠で「YOFISHING」と記されているYO。

 でもって、裏面見ると海外向けも展開していた品らしく、メイドインジャパンの文字とイカマークに加えて「FOR COMMERCIAL FISHING」、つまり漁業用となっているのが興味深いところ。

 ラパラマグナムとかが曳き縄漁師に使われてたってのは、日本に限らずあったようだけど、そういうプロの使う漁具として売ってますっていう方針だったのか、宣伝戦略だったのか、いずれにせよ曳き縄でガツンと良い魚を掛けても大丈夫なようにか、単にラパラを参考に素材をプラに置き換えただけなのか、ワイヤー貫通式の構造になっていて、そこはプロ仕様を謳っても良いぐらいの美点だと思う。海外に売ってた気配がアリアリの包装なので、1970年代後半ぐらいの、海外へ販路拡大してた頃の製品ではないかと思われる。ネットで同様の包装の製品を探ってみると、他にソフトベイト的なドジョウやイカが確認できた。ドジョウに関しては隠れたロングセラーじゃなかろうか?90年代ぐらいまでタチウオ仕掛け、タチウオテンヤと一緒の棚あたりで売られてたのがあったように思う。

 というように70年代後半に始まったらしいヨーヅリミノーは、80年代の第2次ルアーブームのあたりで爆発的に増殖し始める。

 おそらく順番的に、先陣を切ったのは以前チョロッと取りあげたLジャックミノー軍団あたりだろう。当時の(今でもか)ミノーのお手本であるラパラ軍団を、プラで再現してるんだけど、その際のヨーヅリ的解釈が独特で、そこそこの数買ってみたけど、結局はこれはあんまり頼りにならないなということにあいなった。性能的には特に問題があるようには試投段階では思えなかった。なら何が頼りにならないかというと、フローティングの中古の弾数が少なくてかつ、フローティングとシンキングの見た目での判断が難しいからである。Lジャックミノー軍団には通常のリップが付いたLジャックミノーのフローティング、シンキングがありジョイントもそれぞれあり、ラパラFマグのようなオフセットリップが付いたLジャックダイバーのこれまたフローティングとシンキングがあり、さらに金属リップのLジャックマグナムにもなぜかフローティングとシンキングがあるという、ラパラ軍団をさらにややこしくしたような軍団構成になっている。ちなみにラパラのオフセットリップのはフローティングマグナムでシンキングはないし、金属リップはカウントダウンマグナムに採用されており金属リップのフローティングはないという役割分担だけど、ヨーヅリがパクるにあたってはガン無視されている。デキ自体は悪くない。Lジャックミノーはその後反射板入れてタキオン名でも売ったようだし、オリムでも名前変えて売ったようで、ラトルの入ったレーベルミノーみたいな感じで、かつ、貫通ワイヤーのリグをここでも踏襲していて、丈夫で基本性能を押さえたミノーになっていると思う。しかし、先ほど書いたように、フローティングとシンキングの見分けが箱無しだとつかない。マグナムは目が小さいのがフローティングっぽいので見分けられるカモだけど、その他はどうにも外見ではわからん。買う前に質問するのも500円かそこらのルアーについて細かいこと聞くのは、結果買うなら良いけど「じゃあいらないです」って断りにくいノーといえない日本人なワシである。ということで結局これだけ集めて、フローティングは買い増しした分ではLジャックミノーでは当たらず、ダイバーとマグナムで一本ずつという惨憺たる結果になってしまった。シンキングはシンキングで使いどころはあるんだろうけど、ワシには今のところ用が無い。フローティングは中古市場の弾数もそれほど豊富じゃないようなのもあわせてLジャック軍団は諦めた。

 多分ずいぶん昔から蔵に転がっている、上の方の巨大ミノーたちもLジャック軍団の一員なんだろうな。もちろん全く使うアテはない。ていうかデカいジョイントのほうはデカさのわりに重さがなくて投げられん。それこそ曳き縄用想定なんだろう。2番目の方は7インチ級でまだ常識的(いつどこの誰の常識か?)。

 Lジャック軍団より、独自性を打ちだした”ヨーヅリオリジナル”なミノー達もおそらくLジャックより後に出たんだろうけど、だとしても同時に存在したくらいのタイミングで80年代に最初の世代が生まれているのだろうと推定している。それはスイングミノー、クリスタルミノーの登場であり、そのぐらい古いのだろうというのが”金バリ”付きの個体が散見されることから推定できる。

 という時期である80年代にヨーヅリは”アタックル”ブランドを展開し、バス部門では頭のおかしい奇天烈ルア-を爆誕させまくっていたけど、ミノーはタキオンやらパイクといった、反射板を内蔵しているのが新機軸なミノー達をぶち込みつつ、スイングミノーやクリスタルミノー、トビマルといった実釣能力の高い”ヨーヅリミノー”をも生み出しつつあったんだろうとみている。ちなみにタキオン買ったらコイツらもシンキングでLジャックミノーに反射板入れただけの方じゃなくて、丸っこい小さい形状の可愛いのはハリをシングルの軽いのにしたら何とか浮いた。

 で、90年代真ん中になるとデュエルブランドを立ち上げて、新機軸のルアーはそっちで展開していく。1996年のカタログが手元にあるのだが、デュエルとヨーヅリでは別冊になっていて、デュエルではバスルア-として”フューズ”ブランドを前面に押し出していて、バナナボート(ペンシル)、ZZポップ(ポッパー)、今回買ったマッディミノー(ミノー)、クランクマックス(ディープクランク)、ロケットシャッド(ディープシャッド)、ジャミングバイブ(バイブ)と一通りそろえてジュニアサイズとワームもなんぼかという布陣。正直このシリーズは評判もとれず売り上げもそんなに良くはなかったように思う。海外展開ももちろんありで(米国ではフェンウィックブランドで!)、安いのでそれなりには流通しただろうけどあんま評判聞かないし、その中では良くできてるというマッディーミノーを”濁水対策ミノー”といううたい文句に期待して入手してみたけど思ったほど暴れず迫力不足だった(この個体がハズレだったかも)。しかし試し投げ中に魚が食うということが起こってしまい、ちょっと買い増し決定。ルアーにおいて魚が食うのは正義。一方、トラウト用として”アイル”シリーズがフローティング、シンキング、リップレスとこれまた一揃いなんだけど、こっちは細身でシュッとしつつもジャパンミノー伝統のセッパリ形状をやや踏襲して重心移動をぶち込み良い感じに仕上がっている。こちらはこの時期のデュエルを代表するようなシリーズになっていって、この年海でもデビューで”ソルティーアイル”が海のアイルデビューと紹介されている。で、もひとつ90年代のデュエルの海用ミノーとしてはCSミノーが一時期雑誌広告もバンバン打って売り出していた。「高性能トラッド」を謳い形状的にはラパラCDに近く、重心移動搭載したCDの線を狙ったルアーだったと思う。一時期よく売れてたけどいつの間にか消えたように記憶している。ワシの蔵にもなんぼか転がってるかと思ったけど見あたらんかった。ルアーでは良くある現象だけど、大ヒット作が長寿ルアーになるとは限らない。ぶっちゃけCDの方が釣れるから一回試してみて「こんな感じか」で終わる。次はCDを買う。釣果であれにはなかなか勝てんだろ。

 一方、同96年のヨーヅリカタログには、定番のクリスタルミノー、左写真のトビマル、に加えここでアークミノーが”NEW”っと登場、ということはその前身であるスイングミノーがお役御免。あとはミノーとしてはマイナーな断面3角のデルタソード、タチウオ用の夜光3色のみのサーベルミノーはデルタソードの色違いっぽいかんじ、ってのがあって、海でもライトなルアーが流行りつつあったのを反映して、淡水用からピンズミノーがソルトっぽい色にお色直ししてピンズミノーSWとなって新登場のほか、トビマルをシンキングにして小型化していったようなエンペラーミノー系統が配色系統の違いで3シリーズも用意されていて、加えてさらに小っこいクランクみたいなこれも淡水用先行だった気がするLミノーもラインナップ。

 ってのが90年代中盤までのおおよそのヨーヅリミノーの展開具合だけど、その後ぐらいから、さらに新世紀に入ると商品開発の間隔が釣り具でも短くなり、新たなシリーズが生まれては消え、また生まれしていく、トラウト用ミノーで始まったアイルシリーズに何が違うのかよく分からんけど特許技術のマグネット式重心移動システム搭載のアイルマグネットミノー誕生、そこから派生した写真のマグダーターとかいまだに九州男児御用達のようで、ヨーヅリブランドでマグダーターとしてもいまカタログモデルだし、デュエルブランドからは新生アイルマグネットTGダーターとなってでている。まあ金型一緒で鉄球が磁性タングステン球に変わったとか、そういう経費削減したお色直しはヨーヅリお家芸。

 アームズシリーズとかちょっと価格お安めシリーズのミノーとかピンズミノーに重心移動乗っけたなって顔してるし、クリスタルミノーも自社魔改造により重心移動搭載のマグクリスタルミノーになってたりする。と同時に重心移動無しも健在が嬉しい。クリスタルミノーは中古の弾数多いのに加え新品も買えるので弾切れ起こしそうになく安心。

 そして、先進の技術を突っ込んだ”売り出し”モデルはハードコアーブランドから近年は出しているようで、ワシもタングステン重心移動システム搭載のハードコアTTリップレスミノー90FSRとか、とりあえずコモモ以外のリップレスミノーとして備蓄している。気合い入った新製品はハードコアブランドって感じか。たぶん写真の中にはタングステンじゃない鉄球の入った旧モデルも混在している。金型一緒、塗装の印刷も一緒、経費削減してても、なんか新しくて釣れそうな雰囲気を醸し出してくる、それがYO-ZURIの市場戦略。

 と同時に、海外向けイカ野郎向けにはYO-ZURIブランドは強いので、いかにもメイドインジャパンな奇天烈ギミックをぶち込んだのとイカはこのブランドで出る印象。デュエルブランドの立ち位置がイマイチ分からんけど国内向けか?本体表面にホロシ-トを張るのではなく、ボディー内に立体的に配置したようなヨーヅリブランドの”3D”シリーズとか見たことあるようなルアーのお色直しだったりしても、ちょっと手が出てしまう感じで3Dインショアサーフェスミノーとかはこの地でも活躍してくれている。こういう新技術の見た目のルアーって海外の釣り人から見たら、いかにも”メイドインジャパン”っぽくって良いンじゃないでしょうか?ヨーヅリブランドのルアーは国内では積極的には売ってないようで、通販ぐらいでしか見かけないけど、モノは良いので新品700円とかアホみたいな値段付いてたりするので買って損はなし。でもこのシリーズ今カタログ落ち。まあまたお化粧直しして再販かかるでしょう。

 見た目の奇天烈ギミックでは、ボディーに細かいギザギザ山が刻んであって、山のこちらと向こうで色が違うのでの後ろから見るのと前から見るので色が違うという、なんじゃそれ、な”SASHIMI”シリーズとか、今でてるのでは”L-ブルー”シリーズのレンズフィニッシュとかもそう、もっと素材から奇天烈で、昔出てた金魚とかケロちゃんベビーみたいなワームほどじゃないけど柔らかい柔軟性のあるプラ素材を使用した”ゾンビ”シリーズとかもあった。ゾンビシリーズ惜しむらくは、ハリ音とかしないという嫌われにくい特性は、シーバスとかでこそ生きるだろうに、やっかましいほうが釣れがちなバスルア-方面で展開してたのがもったいない気がする。

 てな、アタックル時代から続く奇天烈方面の伝統を守りつつあるのも嬉しいけど、もう一つ嬉しい伝統なのが、海のルアーでは本気で行くぜ!なワイヤー貫通構造のルアーが最初期の名も無きミノーから始まって、いまだに用意されていることで、ワシんちの蔵にあるのでは、写真のハードコアミノー120Fパワーがそうなんだけど、こいつはすでに一世代前で、現役だと新生アイルマグネットシリーズのTGミノー、TGダーターはワイヤー貫通構造なんですよ。ってところに別にエイト管だからってクリスタルミノーがぶっ壊されてハリだけ持ってかれるとか思ってないけど、それでも想定外のことが起こる、何でも起こり得るのが”海の釣り”なので、想像もしなかったような”強い”魚にルアーを破壊されても、ワイヤー貫通なら魚はあがる!っていうのが心にあれば、そのルアーを魂込めて投げることができるのではないだろうか。などと妄想が捗るのである。

 ヨーヅリが守ってきた伝統、それは時に奇天烈と釣り人の目に映るぐらいの挑戦的な試み、そして海に投げるルアーには一ッポン筋を通したのを用意しておく、ってのが貫かれているのではなかろうか、などと贔屓の引き倒し気味に書いてみました、ルアー図鑑うすしお味際63弾。YO-ZURIミノーの歴史を急ぎ足でササッとかいてみましたとさ。まあヨーヅリはこれからも安くて頼りになるルアーを作り続けてくれるだろうってことは、これまでの歴史を見ればまず間違いなかろうて。

2024年6月22日土曜日

ヨーヅリミノーのワシ的2強

  酷い症状が出ていたヨーヅリ方面、とりあえず自分が何を押さえておくべきか固まってきて、実際に弾数も確保して、何とか症状が治まってきました(ヨーヅリに関しては)。

 結果から書くと、ワシが今後の海水温上昇にともなう紀伊半島”南の海化”に備えて確保しておくべきヨーヅリミノーは、「スイングミノー」「クリスタルミノー」の2つを中心に、トビマルとかもなんぼかぐらいで、あとハードコア勢の現役モデルは今使ってる「3Dインショアサーフエスミノー」とかリップレスミノーとかもそこそこ在庫しているので間に合うかなという今のところの結論にいたり、じっさい最初の2種類はガッチリ買い込んで弾数確保できてめでたしめでたしなんだけど、そこにいたる紆余曲折、手に入れたルアーから分かったこと、グダグダと考えたことなどヨーヅリミノーに関して2回ぐらいに渡ってアレコレと書いてみます”ルアー図鑑うすしお味”第62弾、ご用とお急ぎでないヨーヅリ好きの皆様どうぞごゆっくりと楽しんでいってください。

 では、今回備蓄決定した「スイングミノー」と「クリスタルミノー」についてひとくさり書かせてもらいます。どちらも中古を探していると写真のような80年代ぐらいの”アタックル”版とみられる金バリ仕様のが散見されるので少なくともその頃から販売されており、クリスタルミノーとトビマルは90年代の重心移動ミノーが全盛の時代になっても生き残り、なんとクリスタルミノーは現在でもカタログに乗ってるというすざまじいロングセラー、国内で現在そんなにクリスタルミノーが使われているように思わないので、ヨーヅリを高く評価しているお客さんはむしろ欧米やら海外なので、海外の根強い愛好家が買い支えているのだろうとは思う。思うけど凄い。Kテンやアスリートを抑えて国内最長寿ミノーではないだろうか?シーバスハンターも古いけどあれはシリーズであって初代とⅡ,Ⅲは別物だしな。

 というクリスタルミノーと同時期の80年代ぐらいに発売になったんだろうと思うけど、スイングミノーは90年代にはカタログ落ちして、よく似た形状のアークミノーというのが代わりに登場している。写真だと一番上がスイングミノーで2番目がアークミノー、3番目がツルミノー。アークミノーはケミホタルをお腹にぶち込めるという”これぞヨーヅリ”なけったいな機構が売りなんだけど、そんな機能使わんっていうよりも、形は似ているけどスイングミノーとは全く別物になっているのでワシにはちょっと響かなかった。アークミノーは今時の樹脂製ミノーとほぼ同じ作り方で、それだとスイングミノーの独特の良さが消えてしまう。スイングミノーは知ってる人はご存じのとおり発泡樹脂素材で作られていて、ワイヤー貫通構造の硬派なミノーなのである。スイングミノー自体はヨーヅリのカタログからは落ちてしまったけど、ヨーヅリから独立した津留崎氏が自分の立ち上げたメーカーで飛距離を出しやすいように太らせて重量増したような「ツルミノー」にその設計思想的な部分は引き継がれ、ついでにスイングミノーも復刻してたみたいで、津留崎氏のGL工房製のどうみてもスイングミノーな「ツルミノークラッシック」がちょくちょく中古でも出てくる。中古屋とかで知らずに買ってた写真の下2本の目が大きいのが多分それ。

 で、発泡樹脂製のスイングミノー、軽い樹脂素材で作ってるので動きが滅茶苦茶良い。ロール強めペラペラッという感じの軽快な動きで超釣れそう。特に11センチフローティングが個体差なのかもだけどややジャジャ馬でミノーのくせにたまにバランス崩してヒラっと千鳥りやがる。実際九州男児御用達の人気シーバスルアーだったようで、磯ヒラとかもこのルアーの15センチとかで実績ガンガンあがってたそうな。で滅茶苦茶動きが良いルアーにはありがちなんだけど、軽くて飛距離がイマイチっていうのと細いボディーを発泡樹脂素材で作ってるので強度もイマイチって書かれていることが多い。確かに投げてみると飛距離はイマイチかもだけど、ラパラフローティングほどではなく、ワシみたいな近距離特化型の釣り人には動きの良さの魅力の方が断然大きい。強度はさすがに物理の話なのでどうしようもないけど、ワイヤー貫通式なので本体が折れても魚はあがる。そのへんはラパラと一緒。ツルミノーを太らせたのは強度確保もあるんだろうと思う。そういえば昔、フィッシャーマンの鈴木氏とヨーヅリ時代の津留崎氏がロウニンアジ釣りに行くビデオで、当時ナイロンラインだったんだけど、津留崎氏サーフェスクルーザーでナイロン時代には限界近い大きさだった30キロオーバー釣ってて、サーフェスクルーザー、ロウニンアジにポッキリ噛み折られてた。でもこれまた貫通ワイヤー構造なので魚はあがってた。ちなみにサーフェスクルーザーも発泡樹脂製で現行モデルは樹脂が”破壊不可能”を謳う丈夫なのに変更されている。

 で、スイングミノーだけど、こいつはなんなら今使うか?っていう9センチから来たるべき未来に向けて11センチ、13センチ、15センチとフローティング中心に買ってみた。ついでにツルミノーもいくつか。

 動きがよくて、貫通ワイヤー方式でデカいのがいきなり来たりしても何が何でも魚はあげる方式なのがいたく気に入ったんだけど、なにげにカラーリングの面白いのが多いのも気に入っている。ヨーヅリ伝統の技だと思うけど、カラーリングを変えて売るっていうのが80年代から炸裂していたんだろう。初期の頃のシンプルな青鯖模様とかも味わい深く、出品者の方は内水面中心のルアーマンなのか「ブルータイガー系」と表現してたけど、まさにそんな感じで、青に横縞が入るというありがちな魚の模様を象徴化記号化したようなデザインでなかなかよろしい。それ系ではゼイゴを点々と黒で書いただけやんけなアジカラー、と青っぽい色に黒点のマイワシカラーのあたりのわびさび感というか、今時の鱗まで立体で表現しちゃうような”人が釣れるリアルカラー”の対極の、デザイナーさんが仕事した感がよろしいのではないでしょうか。逆になんかリアルミノーって流行ってるんだって?って自社でも影響されてその手のカラーも導入するにあたって、他ではあんまり見たことない手法をぶち込んでくるのがヨーヅリ品質。写真の下から2番目、マイワシのリアルカラー、ホイルフィニッシュとリアル系プリントの合体技で、アルミ箔になんか図鑑から引っ張ってきたような魚の絵をカラー印刷してルアーの表面に貼り付けてある。ハッキリ言っていわゆる”不気味の谷”に落ちてしまっていて、本来立体の目が入る窪みに充血したような赤い目の絵がハマっているのとかキモくて最高。まあでも普通のホイルフィニッシュとか定番の赤金とかがやっぱり釣れそうには見えるね。

 固定重心で動きは最高、ラトル無し、本体空洞じゃなくて発泡樹脂製と嫌われる要素は少なめ。欠点の飛距離はワシにはあんまり関係ない。実際試投した際にも問題無い飛距離が出てた。いままで使ってこなかったことが悔やまれるぐらいワシ向きのミノーのような気がする。一般的にはツルミノーの方が完成度高く良くできてる傑作ミノーな気がするけど動きの良さに全振りしたかのようなスイングミノーの潔さがワシ好み。

 で、お次が「クリスタルミノー」。カタログにはアクションは”タイトウィグリング”となってて、ワシいつから言いだしたのかウィグリングってなんね?ってきっしょく悪い言葉だなと思ってるんだけど、要するにローリングのことらしく何でわざわざ分かりにくくかつウォブリングとも混同しそうな言葉を使いたがるのか理解に苦しむんだけど、まあ言葉の問題はさておき、タイトはネーだろこの動きは?って実際に投げてみると思う。小さいサイズほど顕著だけどおもいっくそグワングワンにロール気味に暴れる感じで、頭の方起点のグワングワン系の動きはちょっとタイガーを想起させる感じで、そりゃ海外で人気なのも頷ける。

 ちょっと面白いのがフローティングはラトル無しなんだけど、シンキングはラトル有りで、シンキングは昔カヤックシーバスで使えるかなと日本の釣具屋では売ってないのでバスプロショップスでまとめ買いしたんだけど、今一パッとしない動きで立ち上がりもモタクサしてて気に入らなかった。シンキングタイプは、フローティングに金属のボールぶち込んだだけじゃないのか?と疑ったけどカラカラ鳴らしてみた感じさすがにそれはなかった。でも重くした分動きが確実に悪くなって、ワシの求める”強い動き”のミノーはフローティングが必須条件なんだろうなと再認識。フローティングにはオモリなんか入ってねえんだろうなって感じで軽いんだけど、スイングミノーに比べると太目のミノーなのと、名前の由来にもなっている両側面に張ったなんとなくクリスタルなプレートの重量もあるのか飛距離はそこそこ出る。かつ浮力強くてトップウォーターミノーイング的にチョンチョンやって頭突っ込ませても良い動きしそう。まあワシただ巻きでグワングワンさせるんだろうけどな。ということでスイングミノーは細いので沈めるにもオモリそんなに使わなくていいのかシンキングも良い動きしてたけど、クリスタルミノーはフローティングが傑作でシンキングは凡作かなと思いましたとさ。

 で、スイングミノーとクリスタルミノーに共通した美点、それは中古価格が安いことで、もともとが安いヨーヅリのルアーで我が国じゃ人気もそれほどない一昔前のミノー、送料込みで安いと500前後の投げ売り価格。かつスイングミノーは数売れてたみたいだし、クリスタルミノーは長期政権だしで中古の弾数が多くて実弾補充が容易。安くて手に入りやすく性能よくてちゃんと個性的で使ってて楽しそう。文句なかですばい。

 ついでに、今回買い増しの対象としなかったけどワシ的にはヨーヅリミノー御三家が一角と認識しているトビマルについてもひとくさり書いておきたい。

 以前もどっかで書いたけど、九州時代にトビマルにはお世話になったけど、ノーマル状態ではなく、初冬の荒れた玄界灘の浜で体斜めにしないと後ずさりさせられるぐらいの向かい風に向かって、トビマルのボディーにガン玉しこたまぶち込んで”超重量トビマル”にして、たまに動く程度のヘビーシンキングミノー(当時そういう代物は無かった)化して使ってたので、ノーマル状態で泳がせたのは、”フラットラップ廃盤ショック”のおりに後継ルアーを探すときが初めてであった。その時の感想は「今時のミノーみたいな振り幅狭い動きで、太さで重さを稼いで飛距離も出るしいかにも釣れそう。ちなみにこれだけラトル入り。」と書いている。そう、見た目太目のミノーなのでブリブリと激しく泳ぐかと思ったらそうでもないのが意外だった。なぜそういうアクションになったのか、ちょっと面白いブツを手に入れてなんとなく想像がついた。そのミノーは「スイングマレット」という。ほぼ形状はトビマルで多分名前とラトルの位置か個数が違うだけのトビマルの旧版と考えて良さげ。で、コイツが半透明で、オモリの位置を見ると動きがおとなしい理由が分かる。拡大写真で見てとれるように後方にオモリがハマっていて、それが仕切りも兼ねててお尻にラトルルームがある。後方重心なので飛距離は出る。何せ改名したらトビマルって名乗るぐらいだから。でも名前に”スイング”って入ってるってことはスイングミノーは既にあって、その派生として軽くて飛距離がイマイチなスイングミノーの欠点を補うために、全体的に太らせて浮力を稼ぎオモリを入れても動くぐらいにしたうえで、後方重心にして飛距離を出す設計。なので泳ぎの派手さは損なわれてしまっている。そこでアピール力不足を補うためにラトル入れたのかなと。ちなみにトビマルの130のほうはラトルは本体の前方にも回るようになっててカラカラ鳴ってる。Kテンで重心移動が生まれるまでは、飛びのよいミノーは後方重心で動きの良さを犠牲にせざるを得なかったという事例の一つで、もいっちょ代表的な飛距離出るけど泳ぎ下手のミノーと言えばダイワのロビンがあったりする。重心移動は偉大な発明なんである。ワシャあんま使わんけどな。で、トビマルは当時の”よく動くミノー”が求められていた市場では動きの弱さは弱点だったかもだけど、今時のおとなしい動きのシーバスミノー全盛の視点で見ると、その動き釣れそうなんである。っていうか当時も良く飛ぶので釣れると思われてたんだろうけど、むしろおとなしめの動きが効いてたってこともあったのかも。ならば今現在ラトル抜いておとなしい太目ミノーっていうありそうでなさげな隙間をついたら化けるかもしれない。ラトル抜くのは簡単である。なにせ昔逆にガン玉しこたま詰め込んでたぐらいで、ドリルで穴開けて抜くなり入れるなり好きにして、テッシュネジって詰め込んで瞬着で固めて適宜削って防水にエポキシでもかけておけば完璧。

 ガサゴソ蔵探ってたら当時の超重量トビマルがでてきて、ついでに浜に漂着して砂に塗装削られてしまってるのを、だれかが鱗シールで復活させたけど根掛かりロストして、さらにそれをワシが拾ったというブツも出てきてので、重量比較してみた。右が重量変えてない砂浜が削ったトビマル26g、対してワシがガン玉詰めまくった超重量トビマルが52gで倍増。このぐらい重量上げてやらないと、向かい風でミノーが吹き戻されるような、そんな季節風の吹きすさぶ玄界灘の釣りだったのだ。当然波も荒く砂浜の砂が舞あげられてサラシのように白濁りしているので、ジグでも飛距離は足りるけどアピール力が足りない。これだけ重量上げるとトビマルもジャークしても動いてるんだか動いてないんだかだったけど、動かなくても釣れました。これは使えると、手持ちの大型ミノーを片っ端から超重量化していったところ、重心移動のスペースに空気が残るのでザファースト130Fはひっくり返って用を為さず、固定重心のアスリートシンキングはトビマルよりもジャーク時ちゃんと泳いでくれて使用可能となり、ラパラFマグの腹に穴開けまくって茄子オモリを填めまくった”乳牛チューン”はジャークとかで速度上げてやればキッチリアクションして、さすがラパラと感心したものである。

 ということで、トビマルも今回の課題の”強い動き”のミノーからはずれるけど良いミノーでまあ安いしどっか使いどころはあるかなとチョロチョロポチりました。

  とまあ、実弾補充強化ミノー+αについて書いてみました、ルアー図鑑うすしお味、次回第63弾は引き続きヨーヅリミノーネタで、今回紹介した他にも色々買ったので、ヨーヅリミノーの歴史的な流れと、昔から変わらぬ伝統とをちょろっと書き記しておきたい。お楽しみに。

2024年6月15日土曜日

泳ぐポッパー水面編ほか

 先週ご報告したように、ミノー方面で酷い症状が出ているわけだけど、ミノーだけで済んでいたのかといえば、そんなわけはなかったんじゃ~!
 なんじゃら水面系もゴソゴソと買ってしもておったんじゃ。
 アタイ病気が憎いッ!

 ということで、今週もルアー図鑑うすしお味でいってみますところの第61弾は水面でゴニョゴニョっとする系でございます。


 水面タダ引きでシーバス釣れるようなユルヨタな動きをするポッパーとして、ハトリーズのリトルダイナマイトは予想もしなかったぐらいに優秀で、かなりの信頼をおいて一軍起用しているところだけど、リトルダイナマイトのように水面に航跡を残すぐらいの水面貼り付くような棚を引けるルアーって、ウェイキング用のミノーやクランクではあるけど、動きのおとなしめのシーバス好みのってなるとなかなか見つけにくい。今時のシーバス用のリップレスミノー系を丁寧に調べていけばありそうではあるけど、どれも似たような感じでいちいち買って調べるのも、単価が安くないこともあってどうにもやる気にならない。本当に水面に貼り付いて潜らないのって意外に少なそう。

 なら発想の転換で、水面に乗り上げても良いからただ巻きで多少泳ぐヤツってないかなと、候補を考えてみると、まずはズィールのゲーリーウィッチが思い浮かぶ。人気のルアーだったので中古の弾数もそれなりに豊富で、早速小さいのを入手して投げてみたところ、まずまず想像してた感じの動きで合格。他にこの手の、古い言い方でウォーカーベイト的なのってないかなと、ネットやら本棚のルアー図鑑やらを調べたところ、冒頭写真のルーハージェンセン(元はサムグリフィンだっけか?)「ウォブルポップ」がポッパーとしても使えるけど、ゲーリーウィッチ同様ただ巻きで水面泳ぐ系だとのことで、試してみたところこれもワシの欲しい動きで泳いでくれるルアーと判明して、ルーハーモノは中古が安いということもあってコイツをちょっと今年の課題ルアーにしようかなと機会があるごとにシーバス狙って投げている。今のところ芳しくない成績だけど、もうちょっと我慢して起用してみようと思ってる。ペンシルをタダ引きしてるときに食ってくるような日には向いてないかもだけど、ペンシル首振らせてると出るような日ならパコンと出て然るべきだろうと考えている。その場合、首振らさなくてもタダ引きで良いってのは楽ちんである。

 で、このウォブルポッパー、使ってみると案外にしっかり水を掴んで首振って泳いでくれる。なんというかジタバグほどでもないけど近いモノがある。ならジタバグも試しておくか?とついでにジタバグも試すべく、春は水面系は5センチとかの小型のが効くという気がしてるので小さいの買ってみた。ウォブルポップがいけたら次はジタバグだな。多分いけると思う。バスが釣れてシーバスが釣れないルアーって基本ないと思ってる。夜釣りで水面引くならジタバグでしょ。

 ってやってると、”アーボガスト”とか”ノイジー”とかで検索かけて出物を探すので、いらんものも目に入ってしまい、マウスがスルルのポチチで滑ってしまい目的のルアー以外も我が家にやってくる。

 バラクーダ時代のダルトンツイストが塗装ひび割れてるからと安く出てたので思わずポチチ。性能的にはルーハー時代のでもかまわないんだろうけど、ペラの裏の刻印の格好良さだけはどうにもならんね。ダルトンスペシャルは多数在庫してるんだけど、ツイストは意外にコイツが初めてだったりする。実釣で愛用してたジッタースティックとキャラがかぶるから買わんかったのかな?ペラ付きのノイジーはダルトンの方が先だったとか紹介されてたような気がするけど、ジタバグのカップは特許とってあったので、そのへん権利関係はどうだったんだろう?まあジタバグのカップにせよ、クレイジークロウラーの羽にせよ、いまだにパクられまくってるから気にするなか?ジタバグのカップの特許は期間終了で今現在パクったとしても権利関係的には問題ないんだろうけど、安易なパチモノにエラそうなご託並べて売ってるルアー業界っていうのをみると、エエンかそれで?って思うっていう話。モノを作る者の矜持とかないの?令和の時代にもなってジタバグ丸パクリのルアーを日本のメーカーが出してるのとか見るとさすがにゲンナリするよね。

黄色ルアー、緑フライ
 で、話戻して写真に写ってるなんかシングルフックのカエル顔の3匹がなにかというと、よくアーボガストのフラポッパーの紹介で、フライロッドで投げるミニサイズまでラインナップされていたって書かれてる、そのフライロッド用のフラポッパー。プラの新品箱入りのがたまに出てくるけど、良いお値段してるので手が出なかったけど、コイツはフラスカートなんてとっくの昔に腐って溶け落ちてて、本体にこびり付いてたり、塗装も剥げチョロげてたりと状態が良くないのでまとめて安値スタートでネットオークションに出てたのをサクッと落札。真ん中の緑のが、小さくてもアーボガストガエル色でとってもステキ。3つともちゃんと目がくぼんで飛び出るアーボガスト目になってて可愛い。どうもコルク製のようでかなり古い時代のもののようだ。ちなみにフライロッドで投げるには意外に大きくて、ルアーロッド用の多分一番小さい3センチのやつと比べると口の大きさはフライ用の方が大きいぐらい。素材がコルクなので軽いのはフライ用のほうではある。

 とはいえ、これだけ状態が悪いと売ってもまあ2束3文だろうし、程度の良くない黒は色塗り直して使うかなということにあいなりました。

 塗装をアートナイフでバリバリという感じで剥がすように削っていくんだけど、アーボガスト目の凹凸をなんとか残せないか頑張ってみたけど、なにぶん小さいブツなので無理でございました。残念。

 まあ、塗装剥がしてサンドペーパーで表面整えて、白のタッチペンで下地を塗って、黄色のペンキにドブ漬け。

 目ン玉はオーソドックスに筆の後ろと竹串で判子押す方式の書き目でいきます。

 で黒でカエルっぽい斑模様も書き込んでウレタンクリアーでコーティングして、塗装的には終了なんだけど、フラポッパーなのでここから重要なスカート部分にとりかかる。

 本来ならディック・コティス氏の意志を継いで、平べったいゴム繊維の”フラスカート”で決めたいところなんだけど、最近あのほっとくと腐ってとろけるゴムスカートってあんま売ってないようで、通販で扱ってるのを見つけることができなかった。でもまあプラドコ傘下のアーボガストブランドじゃ、フラポッパーも新型のバージョン2.0と銘うたれて、ゴムスカートじゃなくて鳥の毛とかでなんか今時っぽい格好良さをまとって新生してたりするので、昔ながらのゴムスカートじゃなくてもいいだろう、と妥協してスピナベとかのシリコンスカートの素材を使って、ついでに腰元にはニワトリの毛も巻いておいた。良い感じに釣れそうなルックスになってるんじゃなかろうか。

 ついでに、3センチのルアー版も1個使用できるようにシリコンスカート装着してみた。シリコンスカートは入手しやすく、わが家の蔵にも何色か在庫してあるので、下側オレンジ、上黄色と緑という本体の色目に合わせた配色で決めておいた。軽くて投げにくいけどいい音するので、メッキ狙いとかで投げてみたい。首振りとかまったく苦手だけど、GTポッパーみたいにボコンと鳴らしてしばらく浮かせてると小っちゃいトレバリーがパコンと出るという妄想。 

 ルアーの大きさの比較用としてよくオリザラが使われているけど、左の黄色い見切れてるのがまさにオリザラで、3センチフラポッパー(G730)、とフライ版フラポッパーがいかに可愛らしい大きさか見てとれるかと。一番上のがワシがメッキやらセイゴ釣るのに投げてるウレタンフォームヘッドのポッパ-フライで、コイツが重量0.5g、フライ版フラポッパーが1.9g、3センチフラポッパーが2.6gで、3センチフラポッパーはカタログ上は約5g(3/16oz)となってるけど大嘘こいてます。まあそのへんは5/8オンス級とか、その程度の数値なのでメリケンルアーのカタログ数値にいちゃもんつけてもしょうがないわな。フライ版フラポッパーは通常ワシが投げてるポッパーよりは重量も空気抵抗も大きいのでちゃんと投げられるか、やや不安ではあるけど、梅雨明けまでは雨が降ったらシーバスの予定なので、どっかで一回フライロッドも振っておかねばだな。

 とまあ、今回のブツたちに関しては多くは投入予定のある実弾でもあり良しとしておこう。

2024年6月8日土曜日

豪州に学ぶ

 久しぶりにルアー方面でえらい症状が出てアタイとってもつらいの。

 ルアー方面でも今回症状が酷く出てるのはミノー関連で、なんでいまさらミノーやねん?っておもうでしょ?ワシも思うんだけどちょっと説明させてください。あれですね、ちょい前にチョロッとヨーヅリのミノーについて触れたんだけど、あれらのミノーを試投してみたり、いじくり回したりしているうちに、まずはヨーヅリ方面熱が出て、そこからはもう日和見感染的にあちらこちらに症状出まくって収拾つかない状態、一ヶ月の釣り具費用は3万円を上限にしてるんだけど、5月は軽くオーバーしてしまい、そこでブレーキ一旦かかりかかったんだけど、6月になって月初めでまた今月も3万円まではいけるッ!と考えると、まだ余裕ありッ!とタガが外れて3日時点で2万円を突破。平日は毎日郵便受けにミノーが入った封筒が溢れそうになってる。

上段左からギンガメッキ、ゴマフエダイ、クロホシフエダイ
下段オキフエダイ、ヒメフエダイ、ヒラセイゴ
 ミノーなんて普段からシーバス釣ってるんだからいまさら買うまでもないだろ?って思うでしょ、まあでも聞いてください。最近海水温上昇傾向は間違いなくあって、上がり下がりしながらなんだろうけど、確実に右肩上がりのグラフを描いているのは目の前の海を見ていても感じるところで、秋にアジ釣りしてて深棚から始めると、ヒメフエダイやらオキフエダイの幼魚がバンバン掛かってくる”フエダイ時合い”で始まることも珍しくもなく、初冬には港内で群れるハタタテダイとかが常態化し、メッキは越冬してるようで秋を待たずとも釣れるし、セイゴは今期ほぼヒラセイゴばかりで、感覚的に今現在、紀伊半島は屋久島ぐらいの海の環境になってきたと感じている。そうなってくると、シーバスメインに組み立ててたルアーの釣りも、死滅回遊だったメッキやフエダイ系が育ち獲物となることを視野に入れる必要を感じ始めてて、そうすると今シーバスで使ってるような、おとなしめのミノーよりやや”強い”動きのミノーが欲しくなる。

 そんなもん、実際にそういう魚が釣れ始めたら買えば良いやんけ、って話だけど、まあワシどうせそういう魚を狙うにしても川に入ってきたヤツとかを接近戦で狙うわけで、今時の重心移動搭載のミノーじゃないのが欲しい。なぜ近距離戦には重心移動搭載じゃない固定重心が良いのか、これまでも書いてきたけど、おさらいすると、動きの立ち上がりが早い、竿先とかで動かすときの追従性が良い、固定していないオモリの立てる音が無い、等で特に最初の立ち上がりの早さは決定的で、例えば重心移動で50m飛ばせる重量のミノーが55m飛ぶようになった場合、遠投性では一割得するわけであるが、逆に5mの超接近戦で立ち上がりが50cm後れれば一割損するわけであり、障害物狙って投げて、そのキワキワの大事な50cmを無駄にすることは一割という数値以上に致命的に駄目なんである。他にも典型的なのが”ナブラ打ち”で魚が多少離れていても追ってくる、あるいは動いてなくても良いところにぶち込めば食ってくるって状況なら良いけど、ややこしいナブラになればなるほど、食ってくるタイミングと位置はキツキツに狭い感じで、捕食行動起こしてるまさにその時に、目の前良い動きしてルアーが通過しないと駄目って時が結構あって、そうなると着水と同時にラインの張りで動き出すぐらいの”動き出しの良い”ミノーが必要になってくる。分かってるメーカーはそのへん知ってて、固定重心のミノーも作ってたりする。そういう今時の固定重心ミノー、例えばコモモⅡなんかを買っても良いんだけど、ぶっちゃけ今時のミノーってアイマとデュオあたりか、多くはそれらとパチモン程度の違いしかない後発しかバリエーションがなくて、ならまあその2つか安いヨーヅリ、ヤマリアあたりを買うかなってぐらいで、お買い物の楽しみがなくてアタイ寂しいの。

ロングA箱2+α、Fマグ箱2、フラットラップ箱2、インビン箱1
計約10kg
 まあ、アメルアとか今でも古くからある固定重心の”強い”動きのミノーを作り続けてるわけで、もちろんそれは買うまでもなく蔵にある。ロングAFマグフラットラップインビンシブルあたりなら売るほどある。あるけど、廃盤になったような昔のルアーにも、飛距離気にしなければ、動きが良かったり個性的だったり、色々と楽しめるのがまだまだ多くあったように思う。なので、古いヨーヅリやらアメルア、北欧モノとかを今のうちから弾数揃えておきたく物色しつつあるんだけど、ちょっと毛色の変わったところで豪州モノってのもなかなかに特色があって面白かったので、ヨーヅリネタ、アメルアネタはまだ収拾つかなくてとっちらかってて、ぶっちゃけこの円安のおりに米本国からの発送待ちとかもこれあり、ネタとしてまとめる段階にないので、チョイと今回は本流をそれて、豪州ミノーとついでにポッパーネタで行かせてもらいます、ルアー図鑑うすしお味第60弾。それではボチボチといってみましょう。

 まああれだ、豪州ミノーといえばバラムンディー狙いのが定番で、そういう意味ではこれまた、紀伊半島にも定着して欲しいと期待しているアカメなんかが狙えるようになったら好適っていう話もあるけど、その場合、ぶっちゃけ現地の釣り人もボーマーとかインビンシブルとか多用しているようで、まあ写真のバラボーマーや豪州釣り師御用達のボーン素材系のクロームカラーのロングA、インビンのバラカラーなんてのがうちにも転がってるので、豪州製ルアーを買う必要まであるのかという話ではある、でも買った。なぜならあっちの地元小工房で作ってたらしいキラルアーは木製本体に金属リップで北欧風に塗りが厚く格好いいっていうのと、木製っていうのには、なにやら固定重心でも特別な意味があるように感じているからである。

 以前にもキラルアー紹介したけど、パッケージ入りで保存してて動きを試したことがなく、今回、アメルアの得意な通販業者さんで、なぜか「世界のルアー」コーナーというところに在庫余らせてる感じで千円ぐらいで売ってるのを見つけて10センチ位の大きなリップじゃないシャローランナーのほうを2つほど買って、実際に投げてみた。まああれだ、動きはバルサのようなキビキビとした動きではなく、ゆったり大きめのグワングワンとバタバタの中間ぐらいの動きで、まあこの形の太目の木製ミノーならそういう動きだろうなという感想で、特筆するほどのことはない。バルサミノーのキビキビ感はなかなかプラ素材では再現難しいモノがあるけど、比重のある木製ルアーの動きは重量配分上手にすればプラでも再現可能であると思う。ただ、だったらプラで作っても同じかっていうと、そうでもなさそうに思う。固定重心のミノーの利点の一つにオモリが動くことで生じる音を排除できるっていうのがあって、スレてるときには効くような気もするけど、逆にスレてるからこそ派手にラトルで反射食いさせるっていう場面もあるわけで、音の要素がどう効くか嫌われるかは今一良くわからんところがある。ラトルや固定されていないオモリが音を立てるというけど、そもそもルアーに付いているフックやスプリットリングはカチャカチャと本体に当たったりしてけっこうな音を立てているので、それを排除しようとするとフックを固定するか、本体表面をシリコンとか柔らかい素材にする必要があり、実際その手のルアーは存在するし、ワシも自作シンペンとか表面塗装はシリコン接着剤だったりする。というわけで、ルアーが生じさせる音というのは良く分からんけど何か違いをもたらしているかもしれないぐらいには思っていても良いと思う。加えてあまり論点に上がってるのを見聞きしないけど、木製と中空のプラ製で大きく違うのが、本体内での音の響き方で、これはハリが当たったときの音の違いというような面はもちろん、外部の環境中にある音の反射の質が変わるというのも意味があるのではないかとワシャ思うんじゃ。魚群探知機で魚が映るのに”浮き袋”という気体の入った空洞があるのは大きく、今時の高性能な魚探はそうでもないようだけど、昔はイカとか浮き袋のない生物は魚探に映りにくかった。アブラソコムツやらバラムツやらも魚探に映らないので、船長さんが経験則で山立てして釣り場決めてたりしてたのを憶えている。奴らは深海から夜になると浮上してくるんだけど、浮き袋では浮力調整が間に合わずにパンクするので、悪名高いワックス成分で浮力を確保していて浮き袋がない。イルカじゃあるまいし魚探のように超音波を当ててくる魚はいないだろうけど、水中環境にある音がどう反射しているか?その音で潜水艦のソナー師のように相手を認識するってのは魚でもやってそうである。その際に中空の樹脂製ルアーと中身が詰まったバルサ含めた木製や発泡樹脂やレジン無垢とかのルアーとでは音の反射の仕方が違い魚の感じ方にも違いが出るのではないか?と思ったりしている。どちらが良いか悪いかはわからん、場合によっても異なるだろう、でも違いがあるようだと認識しておくのは必要だろう。

 とか考えたところで、結局ルアーの釣りは試行錯誤と経験則の釣りで、持って来たルアーしこたま投げまくって、どれが釣れたかっていう結果から、理屈よくわからんくても、どのルアーが良いかってのは分かってくるので、その際にどのルアーとどのルアーがどこが違う要素なのか?そこを認識していないと札切ったつもりで同じ札出してるだけってことにもなりかねず。コモモのパチモノがコモモと違う点みたいな、微妙な差を検証するよりまず先に、そもそも素材がなんなのかというような大っきな違いから把握して自分の頭の中で分類して、”何か変える”つもりなら、魚から見て聞いて感じて違いが出るぐらいの異なる札を切りたいところである。そういう意味で、木製の太目の固定重心ミノーってのは最近あまり見ないたぐいのものであり、どっかでハマってくれるんじゃないだろうかと期待している。

 で、タイガー系の色のキラルアーの他は何じゃらホイ、ッテ話だけど、一番上の銀に赤縞に黒い背中のはネットフリまでポチった小型のキラルアーでリップ大きめのフラットサイドミノーって感じで、フラットサイドっぽくパタパタ動くのかと思ったら普通にそこはウッドミノーっぽいグネパタぐらいの動き。まあ使えそうではある。真ん中の赤っぽいのは分厚い塗装に金属リップで明らかに豪州産っぽいけどキラルアーと比べると本体貫通しているワイヤーが細めで、別のメーカーの様子。そしてまた出ましたスペアヘッドのパチモン。これが前回は樹脂製だったけど今回は豪州ローカルルアーの様式に従ってってかんじで、木製本体金属リップに厚い塗装というパチモンであるにしてもなかなかに趣のある品で、スペアヘッド人気あるなーって感心する。本物のニールズマスター製のをそのうち使ってみるか。

 で、豪州ミノーはまあこんな所なんだけど、豪州ネタでもういっちょついでにいっときます。以前、日本のGTルアーのルーツについて、一つはハワイのピリーとかトローリングヘッドから着想したであろうレジン無垢のポッパーであり、もう一つは、ストライパー用の丸棒に穴開けてワイヤー貫通させたギブス社のルアーとか、あるいはアーボガストのスカッダーなんかを源流に、オーストラリアの有名ガイドであるバリー・クロス氏が製作していたポッパーがある。ってなことを書いた。そのバリー・クロス氏製作の「ダウンアンダースポーツフィッシングGTポッパー」かもしれないブツをネットフリまで入手したのでご紹介したい。

 そうそう、こんな感じでクマザサハナムロやタカサゴ(グルクン)みたいな赤ラインが入るのよね、ってところはワシの記憶と一致するんだけど、なんかもっと大型で口の切れ方が上が出てる斜め切りだったように記憶しているんだけど、この2個についても15センチと14センチでサイズ違いであり、小っちゃい方は丸っこい顔してて微妙に形も違うし、ワシが見たのはもう少し大きいモデルだったのか?写真載ってた「八点鐘」って釣り本作ってた出版社のサイトがもう閉鎖されてて確認しようがなくて、かつネットで検索しても上手く情報にたどりつけない。見た目はこんな感じで、フィッシャーマンの「クレイジースイマー」とかモロに影響受けて生まれたんだろうなと見て取れるし、このオーストラリアで購入したというポッパー自体はラインアイの輪っかが大きくてスカッダーの影響がうかがえる。まあ、ルアーってのはそうやって伝言ゲームみたいなことやってるうちに改良や最適化、派生が生じていくってのはお約束なので、ワシャパチモンだらけのルアー市場を見てゲンナリはするけど、それもまた必要なのかなと思ったりもする。

 これ、1980年代ぐらいの当時オーストラリアに通ってて、バリークロス氏のポッパーも見たことありますっていう人がいたら、そのものなのか違うのかご教授いただけると助かります。まあいずれにせよ豪州ローカルで日本の木製のGTルアーの原型になるようなポッパーが作られていたことは確かで、なかなかに趣のあるポッパーを手に入れたなと満足しております。赤ラインがキリッと引き締まった表情を作ってて格好いいし。

 てな感じで、いつになったら収拾つくのか、そもそも終わりなどあるのかという感じになってる”ミノー熱”とりあえず現状のご説明と、そのうちヨーヅリとアメルアはやりまっせという予告編的に今回書かせてもらいました。ということで締めはいつもの台詞でいきますか。

 アタイ病気が憎いッ!

2024年6月1日土曜日

ハムスター気分で楽しむオヤツ-ナマジのビンボ飯種編-

  我が家のオヤツの主力は季節ごとの柑橘である。ただ、夏の間は高級品である”ハウスミカン”しか出回らないので、秋の早生ミカンまでは柑橘がとぎれる。

 わし、甘みももちろん好きだし、しょっぱいのでもかまわないんだけど、ビンボ飯的には、安くもないジャンクな袋菓子をバカバカ食べるのはいささか贅沢が過ぎる気がしている。

 特売のバナナとかがあれば、バナナも大好きなので良いおやつになるけど、いつも特売品があるでなし、我が家においてはそこそこ高級なオヤツである。半額菓子パンあたりもちょっとした贅沢品。

 なんか良いのがないかなと思ってたんだけど、なかなか良いのを見つけたかもしれないので、ご紹介したい。

 ワシ、格闘技以外の野球だのサッカーだのの試合は見なくなって久しく、ワールドカップとかの大きな大会があると、さすがに気になるのでちょっと見るけど、それでもほとんどの場合試合全体を観戦するというより、試合後のダイジェスト版を見てお茶を濁している。プレミアム契約している「アベマTV」さんは、メジャーリーグ野球の中継には力を入れていて、試合翌日にはワシのような軽い視聴者のために、日本人選手の活躍を数分にまとめたダイジェスト版を配信してくれるので、「大谷選手昨日は打ったかな」とかゆるーく視聴している。そうするとたまに目に付くのが、本塁打打った大谷選手がベンチに戻ってきてハイタッチしてるときに、なんか粒状のものを頭上かけられている場面で、何だろなと思ってたら現地実況が「サンフラワーシード・シャワー」とか言っているようで、メジャーリーグの選手ってベンチでガム噛んだり、カボチャの種を囓ったりしてるって聞いてたけど、ヒマワリの種も食ってるんだなと気がつき、ちょっと興味が湧いた。

 オヤツとしては、ジャンクな袋菓子のように”旨すぎる”のは食べ過ぎてしまいあんまり良くない。経済的にも健康面でもよくない。対して、ヒマワリの種はチマチマと殻割ってハムスターよろしくカリポリと小っちゃい種子の中身を食べることになるので、手間が掛かってそれほど量が食えないけど、動画見ながらとかのオヤツには”手なぐさみ”的に暇つぶしながら口寂しさも紛らわすことができて良さそうに思う。

 ネットで売ってるかな?とアマ○ン様で調べたら、普通に売ってござる。主に米国産と中国産があって、食の安全的には中国産はほんのり不安があるけど、米国産はやれバーベキュー味だのサルサ味だのホットチリだのと殻に味付けてどうするねんって気がするけど、どぎつい味付けされたのばかりで辟易として、原材料ヒマワリの種と塩のみの中国産をお取り寄せしてみた。260g×4袋で1500円程度と、そんなにガツガツ食うものでもないし一袋3~4回分のオヤツになれば一回100円以下なのでまあ良いかなという感じ。実際には一袋5~6回に分けて食べきる感じなので予算的にも及第点。

 で、食べるのに殻を割るのが面倒臭いと思うかもだけど、逆である。殻割って食べるのが楽しい種類の食べ物である。食べる手順は色々な流派があるようではあるけど、入ってる袋にも描いてある方法がわりと簡単なので、その方法でカリポリやってる。

 まず一枚目写真の様に種の尖った方を縦に前歯でパキッと音がするまで噛む。そうすると種の尖った先がパクッと左右に開く。

 次に先が開きかかった種を唇で咥えたまま、根元の方を指で縦に摘まんで押しつぶす感じに力を掛けると、ペシッと先の割れ目が根元まで割れつつ、さらに割れた殻が潰れて割れて都合4枚の部分に殻が分かれる。

 そうすると3枚目写真の黄色の矢印で示してるんだけど、割れた殻の真ん中から種の中身が顔を出すので、これを舌先と上唇でメチョッと絡め取って殻だけつまみとって唇から回収ってのが写真4枚目、なので説明用の写真1~3枚目までの工程は実際には種の先っちょを口にくわえた状態で行っている。

 でもって、種の中身だけ写真に撮ったのが左上でこれが口の中に残るので、主に前歯で噛み噛みと噛みつぶしながら味わう。適度に油っこいコクもあり、ほんのり甘みも感じられ、小っちゃいけど”ナッツ”という風味で味はかなり良い。塩味ほとんど効いてなくて素朴な味わいも飽きが来なくて良い。 

 動画見ながらの手慰みがてらカリポリ割って食べていると、口寂しさも紛れてちょうど良い塩梅。大量に食べられるようなモノではないけど、栄養価というかカロリーは高いので、30分も食べてるとそこそこ小腹も満たされて虫押さえには充分。

 後は、残った殻をゴミ箱に捨てて手をパンパンと払っておしまい、って感じで30分ぐらいでこのぐらい食べるかな。まあ一気に沢山食べられないのはメタボ対策的にも経済的にもよろしいかと。

 でも、一気に沢山食べる方法も存在する。殻剥いた可食部だけのが売っているのである。しかもどういうことか殻付きより可食部の量を考えたら断然安く売っている。殻剥く手間より、殻付きのせいで容量が大きく、保管と輸送に費用がかかるのが大きいとかだろうか?ヒマワリの種自体は食用といっても、種子を殻剥いた状態で食べるのは全体から見たら微々たるもので、主として”ひまわり油”として消費されているので、その加工段階で脱穀的に殻を剥く機械化された工程があって、殻を剥くこと自体にはそれほど経費がかからんのかなと想像している。しているけどなんかモヤモヤッと腑に落ちない部分ではある。

 なので、殻無しも試しに買ってみた。同じヒマワリだと芸がないのでカボチャでいってみる。500gで1400円送料込み。ヒマワリだと殻無し500g千円ぐらいのが多いのでやや高級品か?

 これも動画見ながらとか囓ってみる。味自体はヒマワリより甘みが薄く、油のコクはヒマワリ以上、やや独特の癖のある風味があるけど気にするほどでもなく、こちらも美味しい。

 ただ、ポリポリと殻を剥く作業無しに食べるとどうしても量を食べすぎてしまう。基本的に小っちゃいだけで”美味しいナッツ”なので、簡単に食べられてキロ単位で買ってあると手慰み以上に食べてしまう。あと、殻剥く作業ができないので手と唇と舌が暇でつまんない。こういう状態で売ってるものは、お菓子作りにナッツとして使ったり、健康食品としてヨーグルトやシリアルに混ぜて使うのが正しい楽しみ方のような気がする。食い過ぎたら太る予感アリアリなくらい味が濃く旨い。

 という感じなのでで、実入りを考えるとやや割高になるけど、殻付きヒマワリの種をカリポリと割って食べるのを楽しむってのが、ビンボ飯的オヤツとしては正解なのかなと感じているところであり、すでにリピーター化してて、毎夜のようにカリポリと囓ってます。愛猫コバンさんが食べないたぐいの食物というのも都合が良く、最初の頃前脚でテシッて感じで手を出してきたけど、食えンと理解してからはちょっかい出してこないので安心。まあ鰹節厚く削ったのをオヤツにして2匹で奪い合うようにして一緒に噛み噛みするのも楽しいんだけど、カツブシそこそこ贅沢品だからね。

 ちょっと思うのが国産のヒマワリの種が売ってないかってことだけど、あるにはあるけど貧乏人にはちょっと手が出ない価格だったり、畑に蒔く用の生のものだったりしているので手が出ない。メジャーリーグ関連からブームになって、沢山売れるならばと、安く作ってくれるところが出てきてくれることを期待したい。

 いっそ、自分で畑借りて作るか?そして焙烙(ほうろく)買って炒るか?ヒマワリって夏休みの自由研究レベルで一本二本育てるならそれほど手間も無かった印象だけど、作物として畑に数植えると難しいところがあったりするんだろうか?あるんだろうなきっと。まあなんであれ、中国の農民さんたちも含め食糧生産してくれている方々に感謝してなんでもいただきます。わりとお薦めのオヤツです。