1位は、とにかく今年はシーバスが釣れんかった中での超嬉しい一匹。シーズン中雨が降ったらとにかく行っておくという方針は今年もかわらなかったけど、とにかく行っても行ってもで、セイゴが釣れれば良い方で春はセイゴすら釣るのがままならん大苦戦。シーバスの増減には「アリューシャン低気圧指数」なんてのが指標になるような冬が冬らしいかどうかが関係あるようで、紀伊半島でシーバス不調だと遠く離れた東京湾でも大阪湾でも不調のようで、全国的にシーバスマン受難の年だったようではある。そういうなかで出た一発。また出方が派手で浅い所に突っ込んできてたのもあって暴れ方も半端なく、スズキサイズってそんなに暴れる個体は少ない印象だったけど、たまにいるアホみたいに暴れるフッコみたいに暴れてくれて心臓バクバクものだった。シーバス釣るのに高価な道具も胡散臭いテクニックも必要ない。確率上げてとにかく釣り場で竿振っておけ、というのが証明できたと思う。釣れないと釣り場に行く気力が削がれがちだけど、釣れてる時にしか行かないとか”判断”し始めるとそれが原因で”釣れる時に釣り場に居ない”ということが生じがちなので、機械的に釣れようが釣れまいが自分の中で設けた基準を満たしてる日は釣りに行っておけば、釣れる日を逃すことが減ると思う。
2位は、我が家の主食と言っては過言だけど、主力のオカズであるマアジ。釣らねば1人と1匹が飢えかねないので気合い入れて釣っている。2月3月の6.2m竿出しての深棚良型狙いから、夏の豆アジ、秋の小アジと、棚変え竿換え仕掛け換えつつ釣り続ける”のべアジ”から、カマスと一緒に回ってる良型釣るためのスピニングタックルでの切り身フカセ、遠投カゴ釣り勢に混じってのチョイ投げ浮子釣りと、年間通じて5月の端境期を除いてオカズを生産してきた。今自分の釣りで一番深い所まで突っ込んでるという感触がある。特に”のべアジ”の堅さはなかなかのモノがあると自負している。アジなんて簡単だろ?と思うのは多分真面目にアジ狙ったことない人の感想。活性高い魚が入ってるときにサビキでボコスカ釣るのは簡単でも、そうじゃないときに堅くオカズを確保し続けるのはなかなかに難しいはず。普通の釣り人が”アジは釣れてない”と認識している日でも特に問題なく釣れるところまで来た。水揚げ目標達成率が異様に高いのは、そのぐらいの数は時合いが終わる前に余裕で釣れるようになっているからである。今年は大型も狙いたいと考えて切り身フカセやらチョイ投げやらも始めて、苦戦もしてるけど狙いどおりちょっと良い型も釣れている。螺旋浮子仕掛けの”のべアジ”は仕掛けも進化して、技術的にも特に対フグ戦略で、フグより上の表層に湧いたアジが食ってるのを寝浮子の状態でアワセて掛けるとか、フグのリリース方法の最適化とかだいぶ技術的な進歩があった。フグをリリースするのは”遠投リリース”であっち行け!と投げてたけど、多分もっと良いのは”釣れてすぐにその場に放流”である。その場で放流してビューッと逃げていくと、どうもフグの群全体が警戒し始めてスレて刺し餌を警戒して食わなくなりコマセだけ食う感じになる。マアジは関係なく刺し餌に食ってくる。コモンフグでの話でフグの群の規模とか状況にもよるんだろうけど、試して損はない方法だと思う。そこら辺に転がしておくのは論外。フグ対策が上手くいくと、他の釣り人が「フグばっかりで釣りにならん」と敬遠するような釣り座が”生け簀”と化す。フグ様々である。
3位のメッキは、今年は秋にちょい良い型が近所にやってきてくれて初めて使うトリガースピンのリールとかフライとかも使って夕方チョロッと行って楽しく釣れて実にイイ釣りモノだった。大きくても25センチがとこだけど、さすがは回遊魚の子供、引きは鋭いしルア-への反応の仕方も良いし出方は派手だし実にイイ。これまで”回遊魚狙い”ということで、高速ジャーク&ジャーク中心に早ければ早いほど食ってくる早引き系で狙ってたけど、チヌも意識してゆっくりめに首振らせるぐらいのポッパーでの釣りもやってみたら、これはこれでパコンと出てくれて悪くない感触。大人のロウニンアジ狙いでもボカンとポッピングしてしばらく放置っていうのは定石なぐらいで、釣れてあたりまえといえばあたりまえ。海水温は上昇傾向にあるんだろうからボチボチ紀伊半島で越冬する個体が増え始めて、遠征いかなくても20キロとかのロウニンアジ狙いができるようになったりして?そうなったら終末感ハンパないな。
○残念だった釣り:1位「落下」、2位「ルア-根掛かり」、3位「特に無し」
「語るに落ちた」っていう感じの1位。雨でコンクリの壁から手が滑って仰向けに落下。背中を痛打。一番痛かった背中の痛みは10日ほどで治まったけど、地味に脇腹が一月近くなんかの拍子に痛んで、なんでぶつけてもないそんなところが痛いのかと思ったけど、落ちて打った時に肋骨がたわんで脇のあたりにヒビが入っていたようだ。っていうぐらいに酷い落ち方で、頭でも打ってたらそのまま永い眠りについててもおかしくなく、そうじゃなかったからこうやってネタにできているけどちょっとヤバかった。ホント爺様になって、体も思うように動いてくれないし、握力やらの筋力も落ちてるし、器用さやらも失われてきていて、若い頃の感覚でできそうだと思っても簡単に失敗することが増えてきた。そういうモノだと認識して、怪我しないように気をつけていきたい。まったくの不注意であり猛省する。
2位の「ルア-根掛かり」は今年もルア-根掛かりロスト”ゼロ”を目指して頑張ってたんだけど、ワームいくつかと、ハードルアーも2個やってしまった。ハードルアーは1件目メッキ釣ってて護岸の足下で反応してるんだけど食い切らないので、ジギングラップでショイショイッと足下上下で誘ってたらなんかパイプみたいなのが沈んでて根がかった。2件目はなんと今朝。最後の最後でやっちまった。シャッドキャロで投げてたベビーシャッド50SPのエース格のパールホワイトの個体でガックリ。なんか底からちょっと浮いた位置のロープに掛かったのかちょっと寄ってくる感触のある根掛かり。釣れないと棚下げがちだけどそれで根がかってたらマヌケ。何度も書くけど根掛かりなんて、金の無駄だし、水中にゴミは残すし、なにも良いことはない。釣りをする限り、例えばフグに切られるハリとか、根魚狙いの時の仕掛けとか、水中にゴミを出してしまうのは避けられない部分はある。あるにしても目標としては”根掛かりゼロ”を目指すべきで、フグが来たら切られにくい長軸の流線バリに変えて対応したり、根魚狙いのときは投げずに真下だけを狙うようにして根掛かりしてもすぐ外せるように心がけたりしている。”根掛かり覚悟”なんていう、釣具屋が儲かるだけでなんの利もないような愚行は厳に慎むべきだと思っている。来年こそは根掛かりゼロでいきたい。まずはハードルアーを一個もなくさないように、ってのが現実的な目標かな。
3位は特に無しとした。こまごまと見ていけば釣りたいけど結果が出てない釣りモノとかはあるけど、それは継続的にやっていけばいい課題で残念ってほどでもない。釣りに行って”残念”って思うのは、事故やらゴミやらぐらいで、釣れなかったぐらいのことは釣りをするなら織り込み済みの話でたいしたこっちゃないんだと思う。
1位の「リトルダイナマイト」は今期シーバス狙いで大活躍。春の唯一のまともな釣果であるヒラフッコも、冒頭写真のランカースズキ様もリトルダイナマイトで釣っている。元々はバス釣り用の小型のポッパーでいかにも”ハトリーズ”な大口開けた表情が楽しい小型プラグなんだけど、ゆっくりただ引きすると、ダーターみたいに水面下には潜らず、やや下向きに開いた口が水を受けてなんとも絶妙な感じに水面に貼り付きながらユルヨタッとヘタクソに泳ぐ動きを見せる。これが川に突っ込んできたやる気のあるシーバスには効くようで、ハクとか水面系の小型魚と重なる要素があるのかなと想像してるんだけど、セイゴからスズキまでバコンとかゴボッとか心臓に悪い音をさせて食ってくる。ついでにウグイちゃんもバシャッと派手に食ってくる。釣れ方としては浮き上がる系小型シンキングペンシルの「海爆リップレス」のそれに近いように感じているけど、海爆リップレスは引き始めてしばらく水面直下に沈んでる時間もあるので、引き始めから水面貼り付きのこのルア-とは多少釣れ方が違うのでローテーションさせている。なんにせよ今や押しも押されぬ一軍レギュラーに育ってくれた。とうの昔に廃盤でやや中古でも弾数少ないのが難点ではあるけど、人気はあまりなくネットオークションとかに出物があればまめに補充している。本来の使い方とは全く違う想定外の使われ方だと思うけど、ルア-は使い手によっていろんな”顔”をみせてくれるのも魅力でそれを引き出すのも楽しみ方の一つだと思うので、こういう使い方もありまっせっていう話。
2位の「フラッタースティック」はラパラ傘下のストームブランドものだけど、多分日本向け企画のシンキングペンシルで、10、7、4と3サイズ展開で発売されて、7センチには東京湾のバチ抜けシーバスの時期にお世話になったけど廃盤。4センチだけが今生き残っている。この4センチが海爆リップレスとは使い分けができる”浮き上がりにくい”小型シンペンで、竿をあおって速度を出す高速ジャーク&ジャークとかでも水面上に飛び出しにくくてメッキ狙いに重宝している。対メッキ用頼れる一番バッター。実売千円前後と新品でも安いうえに、動きも低速ただ巻きでのユラユラからツィッチでの平打ち、高速ジャークでのバタバタと暴れるところまで実に良い感じで、使える小型シンペンなのである。
3位の「鳥皮(チキンリンド)」は、ルア-なのか餌なのか?まあ餌なんだろうけどアジ釣りで餌交換の頻度を押さえるためとかで使う場合と違って、今回取りあげた使い方としては、根魚狙いにワームの代わりにハリに掛けて足下に落とし込んで誘うというもので、だいぶルア-っぽくはある。これが超優秀だと気がついて、根魚釣りは一気に楽になった。ワームとか普通の切り身餌とかだと、フグに囓られてすぐに消えてしまう。ところが鳥皮は丈夫でフグの猛攻にもある程度耐えて根魚を誘ってくれる。値段も安いし短冊作って好きな色に食紅とかで染めて冷凍しておけばいつでも使える手軽さ。バス釣りでつかう脂付き豚皮である”ポークリンド”っぽくもあるので”チキンリンド”という呼称も提案してもらったけど、まさにそんな感じ。発見の経緯は、釣りの上手い人ががアジ釣っててコマセに反応しているガシ(カサゴ)を釣りたいというので、ルア-タックルにワームで釣り始めて、見えてた個体を皮切りにポンスカ釣り始めたのはいいけど、拾ったワームがすぐにフグにボロボロにされてしまい、かわりにアジ用に用意してた鳥皮で代用したらなんら遜色なく釣れるうえに、フグの攻撃にもかなり耐えると判明したというのが発端。ちなみに東北では岸からワームで根魚釣るの流行って”釣り系ユーチューバー”とかが釣り場公開してしまったりしてるので、帰省したときに釣ろうとしても釣れなくなってしまってるらしく、紀伊半島では根魚がまだ良く釣れるので喜んでた。紀伊半島の釣り場にはワームを瞬時にポンチで抜いたように歯形だらけにしてしまう各種フグたちがいて”防衛”してくれているので、フグが多い釣り場には根魚そこそこ残ってくれている。フグ様々である。”フグは福”というのはなにも下関だけの話じゃないと思う。
1位の自転車は、ワシの釣りには無くてはならない道具で、とにかく小回りがきいて駐車スペースを気にしなくて良いので、ルア-でササッと探って反応無ければすぐ移動、という感じで機動力を生かして釣り場を巡ることが可能。釣り場探索にはこれ以上無いぐらいに役立つ。車乗ってた時代にも車に積める折り畳み自転車を積んで釣り場開拓にいそしんでたものである。川崎時代から愛用の先代は長年の酷使で足回りが文字通りガタガタになってて、本来鮮魚運搬用でも何でもない前カゴは塩水で錆びまくり、自転車屋さんで匙を投げられる始末。自転車は無いと困るなぁ、と思ってたらちょうど安く中古ママチャリが売ってたので、その素人が水色にペンキで塗った空色のママチャリを即金とっぱらい1500円なりで購入。新しいチャリでも、機動力活かして近所の釣り場を走り回って”足”で魚を釣っている。末永くよろしく。
2位の、ゼブコ社「44クラッシック」は、クローズドフェイスリールって使ったことないけどどんなもんだろ?とスピニング用ロッドで使える”トリガースピン”型の竿の下に付けるやつを試しに買って使ってみた。なかなか面白かった。スプール上下もないような単純なリールだけど、単純明快で良い意味で安っぽく、釣れりゃいいじゃんという米国っぽい実用充分さが好ましく、トリガーだけ触っておけば投げられることからくる手返しの良さはたしかに利点だし、まだそこまで指が慣れてないけど構造上、トリガー引いてローターをカバーに押しつけてライン放出を”サミング”して飛距離調整も可能なはずで、確かに使いこなせば”使える”リールだというのは腑に落ちた。実際メッキ釣りに投入したけど良い感じに釣れた。なかなか楽しいリールなので今後もたまに使って遊んでみたい。
3位の「のべアジ用遊動式オモリ仕掛け」は、ケン一の「ハリス交換頻繁にしてるけど、オモリの位置をずらせるようにしておけば良いんじゃないの?」という疑問から始まって、そんなもんアワセでズレて固定できないと思ったんだけど、じゃあズレたら元の位置まで戻せるように目印付けておくのはどう?っていうあたりで、頭の中で仕掛けができた。ズレないようにしっかりオモリを止めようとしても止まらないし、止まるようなキツい止め方してしまうと頻繁に位置をずらしているとラインが痛んでそこから切れる。でも、逆に考えるんだ!って”ズレて良い”と発想を転換してしまえば、アワセ入れるまで止まっててくれれば良い程度のユルい止まり方で間に合い。その方がむしろ道糸を痛めずに済む。それでも頻繁なオモリの位置調整で道糸が擦られるのは良いわきゃなくて、摩擦に強いフロロカーボンをオモリの可動域に使うことで、ある程度耐久性を持たせる対策をとる。という考え方でオモリとコマセ螺旋をパイプに乗っけて、パイプの上下をユルいウキ止めゴムで止めて、アワセでズレたら上の浮子ゴムまで戻す。という仕掛けで試釣。結果は上々。実質ハリスの上の方が太い道糸になるわけで、そのあたりで食い込みが悪くなるとか不具合が出でないか?というような心配は杞憂に終わり、ちゃんと長ハリスとして機能してくれた。ハリスを交換するより簡単手早く”オモリ下(=ハリス長)”を変えられる効果は大きく、ダメならすぐに元に戻すってのもありがちであり利点は大きい。欠点は同じハリスを使いっぱなしになりがちなので、傷が入ってるのに気付かずアワセ切れとかが生じるぐらいだけど、まあそのあたりはまめに確認しておけば済むかと。最初の試釣に持ち込んだ仕掛けで特に大きな改良は必要なく、実際の釣りで使うオモリの可動範囲にあわせて道糸のフロロの部分の長さを調整するぐらいで良い感じに仕上がった。っていうような細かな改善を積み重ねながら、釣りって上達していくので、良さそうなアイデアはダメでも良いから試してみる。10に1つでもものになったなら、ちょっとずつでも釣りの腕は上がっていくと思っちょります。
てな感じで、今年は実釣はアジ以外苦戦が続いたけど、最後スズキ様も釣れてなんだかんだで帳尻があったように思う。釣りって”運”だよりのギャンブルみたいに思われることもあるかもだけど、長期的には努力に比例した結果が出るし、釣る人間は釣るようになっていると思っている。一年振り返って楽しく釣りできたなと思うので良い一年だったのだろう。
ただ体調がヨレヨレだったり、落ちたり、物忘れが激しかったりと、いよいよ耄碌してきたなという実感はあったりする。まあこれも順番で、生まれて死ぬまで生きていれば避けようのないことで、そういうモノだと認識して気をつけつつ、やれるようにボチボチとやるしかないのかなという諦念。しゃーないやね。
来年は怪我なく、いい年になるよう祈っておこう。
皆様も良いお年をお迎えください。