2022年1月15日土曜日

岸壁大型根魚泳がせ竿

 

 今年の目標に「港内の良型根魚」っちゅうのをあげたわけで、竿もそれ用に組んどりますって書いてたのが、完成いたしました。ジャジャーン!パチパチパチ!

 どうでしょうか?そもそもの発端が「PENN77シーホーク」ちゅうPENN社の歴史で最初期から作られてた機種のうちの一つであるらしいダイレクトリールを手に入れて、こういう低ギア比の”ダイレクト”っちゅうぐらいで、逆転防止もなく魚が引っ張ったらハンドルが逆転するような”直撃的”な機構のリールで、良型根魚と根に潜られないように力勝負とかしたら、さぞかし気持ち良いだろうなと妄想した、というのが事の発端で、そういう意図なら力を掛けやすい短竿で、かつ体に優しく折れにくいグラスロッドでいこうと思って、昔いただいたヘドンのソリッドグラスのマスキーロッドが良いんじゃなかろうかと付けてみたんだけど、どうにもコレではパワー勝負ができそうにない感じだった。シングルハンドのグリップでキロ単位の根魚を根から剥がせるほどワシの左手握力スゴくない。岸壁で足使って攻める事を考えると、ジンバル使って竿立ててというのも現実的ではなく、その条件で力技でいくなら、グリップエンドを左脇に挟んで、竿をファイト時は斜めに水面に向けて、バットで魚の引きをためつつリフティングパワーを稼いで、利き手の右手でグリグリ巻いてしまうというのが良いのではないかと考えた。

 まあ我が家の蔵には、竿が120本からあるわけで、適当な竿がないかといえば正直あって、ライギョ釣りに使ってたバスプロショップスブランドの2本継ぎマスキーロッドの短い方はガッチリ条件にあてはまる。カーボンロッドなのでちょっと固いけど及第点だと思う。

 でも、新しい事に挑戦するときには、新しい道具も欲しくなっちゃうっていうのに”抗えぬ~”なワシ。で、素材はこれまた我が家の蔵には条件に合致する竿がだいたい組める程度には転がってる。ブランクス本体は竿を2本継ぎに改造するときとかのジョイントのために買ってあったソリッドグラスがそのまま使えそう。バットは丈夫だけど竿先付近はそこそこ曲がるので活き餌を食い込ませるには良い柔らかさに仕上げられるだろう。ガイドは最近の小口径ガイドとか、リーダー結んだら通らないようなモノはまったく用がないので、古い折れ竿とか安くで中古屋とかでたたき売られてたのを買ってガイド外して確保してあったステンレスフレームのSICガイドがそれなりに揃ってる。穂先のほうのブランクスに密着する片足ガイドは酸化アルミ系の”Oリング”のを通販で買った。Oリング安くて助かる。ガイドが最近小口径なのは、リーダーとメインラインを接続する方法を”結び目が無い”摩擦系ノットである”FGノット”にしてラインシステム組む事を想定しているんだと思うけど、ワシャFGノットのような結び目を1回も作らないノットは肝心なところで抜ける危険性があると思ってるので使わない。1回電車結びを作る”電車FGノット(オリジナルは「監督さんの、新・組あわせノット」)”なら、長時間のやりとりとかで継続的に力が掛かった場合でも、結び目が締まっていく方向に力が働くので、絞め殺して切れることはあっても、滑っていって抜ける事はほぼ想定しなくて良い。摩擦だけで止めているノットは、短時間なら問題ないように見えても、だんだんと滑っていって最悪最後に抜ける。抜ける前に勝負が付いたら良かった良かったとなるけど、長時間のやりとりになるような大事な魚でこそ”抜け”が発生しやすく信用できない。フィジーでガイドが結んだ、綺麗にできてる”FGノット”が10キロ無いようなバラフエダイ3匹釣ったら、ショックリーダーの端ギリギリまで滑っててライターで炙った玉で何とか止まってた有様で、これもっとデカいのが来てもっと長時間やりとりしたら抜ける可能性おおいにあるなと直感的に理解した。多分その感覚は間違ってないはず。たいした引きじゃない短時間で勝負が付く魚相手に使うならともかく、一生に一度あるかどうかの大勝負にそんな危なっかしいノットはワシャ使わない。なので竿に付けるガイドは実際使うリーダーで、今回使用する道糸はナイロンなので電車FGノットじゃなくてビミニツイストでダブルラインにしてからフィッシャーマンノットにしたラインシステムだけど、それが通るか試して内径を決めた。小口径ガイドに何の利点があるのか知らんけど、多分また感度と飛距離という特に古いガイドで困ってもないワシには関係ない項目だと思うのでもう一生縁がないだろう。

 グリップが、折れたオフショアジギング用の竿のグリップとグリップに刺さるバットの根元部分のブランクスが残してあるので、このブランクスをそのまま利用してそこに用意したソリッドグラスを突っ込んで、グリップ着脱式に仕上げて持ち運びしやすい仕舞い寸法にしたい。このグリップがもともと付いていた竿は船からの対サメを想定して中古で買ったんだけど、部屋でテスト中に耐破壊強度にはまだまだ余裕がある加重であっさり折れくさった。中古ではあったけど、ガイドを止めてるスレッドとかにもヒビとか入ってなくてそんなに使われてないはずだったけど折れたモノは折れた。グラスの新素材で軽くて従来のグラス素材並みの強度を謳ってたけど、結局軽さを売りで作るとどうしても使用を想定した強度ギリギリの軽さに仕上げるだろうから、余裕を持った昔のグラス竿のような丈夫さは求めようがないのかもしれない。試験でギリギリの強度で合格した程度では釣り場じゃ”想定外の自体なんて想定済み”だから結局折れる。まあ釣り場に行く前に折ったけどな。カタログ上の軽さなんて”軽く扱える”こととは道具全体の重量バランスとかも重要なので、あんまり関係なくアテにならんのにそれを重視してる馬鹿な釣り人が多いから、丈夫な竿など作ってくれなくなるって話。売ってないから自分で作る。

 まあゆうても簡単だけどな。投げる必要があればそれなりにガイド位置とか似たような竿参考に慎重に決めるけど、今回足下に仕掛けをたらす用途だから、ブランクスの曲がり見て適当な間隔で良く曲がるところに多めに、曲がらんとこにには少なめにで、曲がったときにラインがブランクスに当たってしまったりしない程度に付けてあれば充分なので、マスキングテープで仮止めしながら位置決めて、バットからはみ出した分のソリッドグラスのブランクスは金鋸で切って、折れたバットとソリッドグラスの隙間をスレッドで傾斜分を埋めてエポキシで接着。

 で、ガイドをスレッド(セキ糸)で止めて樹脂でセキ糸を固めるんだけど、通常”ガイドラッピング”の際には2液性のエポキシ塗料が使われてきたんだけど、最近大手メーカーの作ってる竿ではほとんどの場合、紫外線で固化する樹脂、いわゆる”UVレジン”が使われるようになってきたとのこと。UVレジン、百均でも売ってて扱い方習熟しておけば、樹脂製部品の修理やら作成にも応用効きそうなので、この機会にと導入してみた。まあ、だめでも300円なので被害は少ない。何種類かあったけど、真ん中の黒いボトルのが良い感じに固まってくれた。左のチューブのはややべたつきが残った感じ。


 結論から書くと、コレ便利。最初通販で安いUVライトを買ったらイマイチ固化の速度が得られなくて、ケン一が釣具屋で夜光のワームとかに蓄光させるために売ってる「根魚権蔵君」ってのが良いと教えてくれたので、買ってみてついでに安モノも同時に使って2灯式でやってみたら、裏表”ロッド回し”で回しながらの固化作業なので時間倍かかるはずだけど、4分ほどでカチッと固くなってくれる。エポキシだと最低1日は放置せねばならず。今回のようにダブルフットのガイドにあらかじめ下巻きをして、それをエポキシで固めてからその上にガイドを乗っけてセキ糸で固定してまたエポキシっていうダブルラッピングっていう作業となると、1日おいただけでは表面ベタついてるときとかもあって、2日おいてから次の作業とか時間が掛かる。それがUVレジンだとものの数分で固化してくれるので、ガイド数にもよるけど、やろうと思えば一晩で作業を終わらせることも可能で、商業的に大量生産するなら時間の短縮はもろに経費削減に直結するはずで、現在主流となってるのも納得の素早さである。強度面とかどうかは使ってみないとまだ分からないけど、市販の竿で使われてるぐらいだし百均だからといって、それほど品質劣るとも思えないので大丈夫かなとは思っている。まあ樹脂で固めるのはセキ糸がほつれないようにという用途が主で、セキ糸はグデブロッド社がなくなってから愛用してる”錨印”の丈夫なヤツなので1回使ったら樹脂が割れてバキバキとかの不具合がなければそれで良しだろう。百均UVレジンの良いところは、なにより少量で売ってるのがありがたく、多分竿2本ぐらい組んだら使い切るんだろうけど、竿なんてそんなにしょっちゅう組むもんじゃなしで、2液性のエポキシだとだいたい全部使い切れずに冷凍庫保管でも片方が固まってまだ沢山残ってるのに使えなくなるのがお約束で、そのあたりのお手軽感も実に良い。割れたガイド一個だけ交換とかの場合なら尚更ありがたいだろうと思う。グラスソリッドのブランクスってそのままだと使ってると繊維がささくれ立ってくるような話も聞くので、念のためウレタン樹脂を塗布しておこうかと思ったら、昨年ルア-コーティング用に買って使ってこれまた冷凍庫保管してたヤツがやっぱり固化してて使えず、って感じで使い切りの小容量って地味にありがたいのよね。ちなみにグラスソリッドの表面は普段使ってる2液性エポキシ接着剤(コニシのクリア)をティッシュに含ませて薄く塗布しておいた。コニシのクリアは少量で良い値段してるけど常温でも勝手に固化しなくて優秀。

 さて竿も完成したし、リールにライン巻いておくかと、独逸のアンデのナイロン20LBが目方売りで買ってあるので20LBラインを道糸にする。PEの太糸巻いて力勝負というのも考えたけど、根がかったときに切るのが難しくなるのと、ナイロンのほうが伸びて衝撃を吸収してくれて体に優しいだろうという判断。20LBって9キロぐらいあって、ジンバル無しで脇にグリップ挟んで引っ張り合いして、この竿なら10キロの圧はかけきらないぐらいだろうから、この辺が妥当なところかなと思う。あんまりライン強度上げすぎるとドラグが無いだけに怪我しかねない。ショックリーダーは50LBで多分活き餌が沈むぐらいの軽めのオモリを天秤かクレーンサルカンでぶら下げる仕掛け作ってという感じかなと思っている。切れるとしたら根ズレでリーダーのほうだろうとは思う。まあそのへん含めやってみて詰めてくんだろうな。20LB引っ張り合いで切るような事があったら道糸50LBに上げて直結か?50LBの道糸は体に悪そうだな。

 でもって、リールに皮パッド装着。なにせドラグもなんにもないリール。唯一の制動機構であるクリックブレーキだけではどうにもならんので、左手親指によるサミングでブレーキをかけるか、右でハンドルをガシッと止めて魚の突進を止めざるを得ないんだろうけど、良型根魚突進時、右手からハンドルを離して竿のフォアグリップ握って耐えるとかが想定され、そうなると左手親指が頼みの綱なんだけど、皮グローブはめてりゃ良いけど、そうじゃないと親指の皮剥けかねない。なーんて大物が掛かってくれれば良いなと夢想しつつ。昔のトローリング用のリールにもあったような、スプールに親指で押しつけてブレーキかけるための皮パッドを装備してみた。実際使うかどうかは別にして、気分盛り上がるよねって話です。普段は竿尻方向に垂らしておいて”いざキャバクラ”ってときにスプール側にパタンと返して親指でグイグイ押すわけですよ。多分、餌がパクッといかれてちょい竿先送るときに右手親指あたりで皮パッドを返してからの、竿先持ってかれるのを確認しつつ、根から引きはがすような膝使ったストロークの長い渾身のアワセを食らわせる感じかな。窓からペットボトルでも垂らして練習しておかなならんな。

 ちゅう感じで、今年の目標に向かって着々と準備は進んでおります。こうご期待。

2 件のコメント:

  1. いよいよ挑戦開始なんですね!
    どんな戦いになるのか今からワクワクします。
    水温の上昇が待ち遠しいですね!

    そういえば、かなり昔に観た「ビッグフィッシング」で、磯の巨魚釣りでは両手で竿を掴んで引っ張り合うと体ごと持って行かれるから、腰を落とし、片手を体の後ろに垂らして矯めると言っていた覚えがあります。
    事故には気を付けて思い切りやりあってくださいね。
    楽しみにしてます!

    返信削除
  2. 1発目はスカ食らいました。まあそんな簡単ではないですよね。
    何年かかかっていいので、ぐらいの覚悟でいきます。

    返信削除