2024年11月2日土曜日

メリケンバスルアー代表といったらこのあたりのブランド

  米国製バスルアーといったら、ヘドン、アーボガストは外せないだろう。アーボガストじゃなくて、バグリーでは?ボーマーやレーベルではあかんのか?B級好きならマンズをゴリ押しするかもしれん。でも、もう一方のヘドンが米国バスルアー代表であるということには異論は少ないのではないだろうか。そのぐらいヘドンは少なくとも我が国では”バスルアー”を象徴するブランドである。

 アーボガストは個人的にほぼジッターバグ・ジッタースティックの印象である。あと使ったことがあるのはフラポッパーとスパターバグぐらいだけど、ジッターバグとその一族の威力だけでメリケンバスルアーの代表たり得ると思っている。

 これら2つのルアーブランドの最大のミノーは何か?アーボガストはそもそもミノーをあまり作ってこなかったので、冒頭写真の下の「アービー」の15センチ?サイズでたぶん問題ないだろう、ところがヘドンの最大のミノーはなにか?というのは歴史が長いブランドだけあってミノーも種々作っていて、なかなかコレっていうのを特定するのは難しかった。冒頭写真の上のミノーがその最大ミノー候補の1つなんだけど、コレ見て一発で何か分かる人は相当なマニアで、普通のバスマンとかだど「何コレ?」って感じかもしれない。このミノーは何者なのか、てなあたりに迫りつつルアー図鑑うすしお味第73弾、今回もハリキッていってみよう。

 ヘドンについて今更ワシがゴチャゴチャ書くのもはばかられるっていうぐらい、我が国にも熱烈なファンが多くて、下手なことを書くとつるし上げ食らいかねない。古典的で代表的なルアーを書くだけで「オリジナルザラスプーク」「クレイジークロウラー」「ラッキー13」「チャガースプーク」「マグナムトービート」「ダイイングフラッター」「ウンデッドスプーク」「タイガー」「タドポリー」「メドウマウス」「ビックバド」と馬鹿馬鹿しいぐらいに強力な打線となる。たぶん今あげたルアー達って全部ミリオンセラーだろうと思うってぐらい、古くからあるし今でも売ってる。釣れなきゃそうはならんでしょ?って話で、ともかく大正義アメルアブランドなのである。今更ヘドンのルアーについて書くのは勇気がいるぐらい、あちこちで書かれているし語られてきたルアー達である。

上から、ビックタイガー、プロウラー、タイガー
 そんな中でヘドンのミノーと言えば泣く子も黙るタイガーが日本じゃ大人気で、虎一家には13センチの「ビックタイガー」がいるので、あまり詳しくないバスマンならそれが一番デカいのかな?とか思って、マニア筋に鼻で笑われるだろう。ヘドンの作ってきたミノーといっても歴史が長いので古典的なものでもタイガーの他にヴァンパイヤ系、リバーラント系の猿顔勢、断面三角の「ヘッドハンターミノー」、横たわってへの字になって死にそうな小魚の「プロウラー」なんかがそこまで詳しくないワシでもぱっと思いつく。たぶん玄人筋に聞いたら最大ミノーとして上がってくるのはヴァンパイヤ系の「ウッドヴァンプ」の8インチモデルではないだろうか?マスキーやパイク用と思われるこのモデルがワシの調べた中で最大ミノー候補の1つであった。でも、冒頭写真のアービーじゃない方は猿顔じゃないやん?って思うでしょ。ついでにそこそこ詳しい人でも「なにこのミノー?」ってなるか「アレにこんなでかいサイズが存在したのか!」って驚くかだと思う。ヘドンにはきら星のように輝く人気ルアー達が目白押しだけど、そんな中で皆があえて言及を避けているようなマイナーなミノーがある。

 それはまぎれもなくヤツさ~♪ コーブラー♪♪

ラパラF9、コブラ10、キングコブラ、マグナムタイガー
 ってことでヘドン最大のミノー候補のもう一つは「ウッドキングコブラ」8インチ(約20cm)です。ジャカジャン。

 なんで言及が避けられていると感じるぐらいにマイナーなのか?それはひとえにヘドンなのにデキがアレだからである。ヘドン「コブラ」について言及されるとき、だいたい「ラパラに対する回答的な実験的ミノー」って感じで説明されがちなんだけど、北欧からのラパラの来襲は米国では第一次ラパラショックを引き起こしたのは有名な話で、それまでのウッドで重たくノタノタ泳いでいた猿顔のミノー達と全く異なる、細身で軽やかにキビキビと泳ぎ魚を誘いまくるラパラを目の当たりにして、レーベルはプラでその動きを再現しようとし、バグリーはバルサでラパラとはまた違う個性を持った「バングオー」ミノーを作り出した。そしてヘドンはバルサにホイルフィニッシュというラパラの手法で「コブラ」を作り出したんだけど、これが何というかデキがあれなんである。ぶっちゃけ素人ビルダーがラパラのまねしてホイルフィニッシュのミノーをこさえてみたレベルに毛が生えたような雑い作り込みで、それでも動きが良くて釣れれば売れるんだろうけど、たぶんその方向性ではラパラには勝てんかったんだろう。というわけで独自性を持ってラパラを進化させたようなレーベルミノーやバンゴーは今でも生産されているぐらいの名作となったけど、ヘドンの「コブラ」ミノーはヘドンファンは見なかったことにしているような鬼子となっているのだとワシャ感じている。

 コレ日本だけじゃなくて米本国でも同じような感じらしく、ウッドヴァンプの8インチなんてとても手の出る価格ではないぐらいの高値がついてるけど、「キングコブラ」8インチは送料抜けば2千円も出せば買えた。国内では滅多に出てこないけど、ネットオークションの過去事例調べたら送料含まず千円台とこれまたクソ安かった。普通サイズも試しに買ってみたけど、塗装はげがあるのもあって千円ぐらいで買えた。まあ手にしてみて、使うかっていえばコレ使うならラパラ投げとくよねって古今東西のルアーマンが抱いたであろう感想をワシも抱かざるを得なかった。ので動きとか見ていない。でもまあ、こういうニッチなルアーこそ我がブロクで紹介するにふさわしいと思うわけですよ。当時のヘドンのルアー設計陣がラパラショックを目のあたりにして「うちもあんなの作って、ラパラを超えてやるぞ」と作ってみたけど、ラパラの頂は想像以上に高く、「同じ方向から攻めたらあかん!」と方向転換して、名作「タイガー」シリーズを生み出したのはさすがというところか。何でも最初っから上手くいくわけなくて、模倣から始まって、試行錯誤のうえ独自性が生まれるっていうことなんだろう。凡百のルアーメーカーが模倣で目先のオゼゼ稼ぐための四苦八苦に終始して終わるのに対し、そこはさすがヘドンの開発力というところか。

 というような大正義ヘドンルアー達なんだけど、ワシいうほど使い込めていない。自信があるのはシーバスで投げ倒した「ザラパピー」とチビバス必釣の「タイニーラッキー13」ぐらい、クレイジークローラーも愛用してたのはタイニーの方だしで、オリザラで釣ってないし、ラッキー13でも5/8クレイジークロウラーでも釣ってない。良い魚釣った記憶があるのでオリジナルサイズのものは「ビックバド」ぐらいかもしれない。あとは、藻面をウェイキングと水面ちょんちょんでせめてライギョ釣った「マグナムタイガー」と、ナマズ釣りで良い仕事してくれた「ダイイングフラッター」ぐらいというていたらく。バス釣り少年の頃は高価なルアーをおいそれとは失したくないので舶来モノのルアーは投げづらく、そもそも野池の小バスには5/8オンスのルアーとかデカくて釣れると信じられんかった。それなりにバイト代とかで手元も暖まった青年の頃には、日本製のピカピカのルアー達に心とらわれてアメルアはちょっと野暮ったく見えてしまっていた。オリザラでは釣らなかったバスをレッドペッパーでは釣ってた。それでも、ヘドンのルアー達には、中坊の頃からタックルボックスに入っているだけで、たまに泳がせて悦に入るだけで心地よい気分にさせられてきた。ヘドンは今でもプラドコ傘下でブランド残っていて、新製品ブイブイ出してくるのについていけてはいないけど、手に入りやすいこともあって、とりあえずどんなモノか買ってるだけで、わりと蔵のスペースを圧迫している。今時のヘドンブランドルアーの進化具合とかもちょっと気になるし、復刻版とかもなぜか1個ぐらい欲しくなる。てな感じで、マイナー好きなワシとしては得意なブランドってわけでも無いんだけど、気づけば蔵にごろごろと転がっている。まあ、バスやったことあるルアーマンなら無視できないブランドであることは間違いないんだろう。

 フレッドアーボガストに関しては、さっきも書いたように、ひたすらナマズ狙いのジッターバグ、ジッタースティックの印象である。バスも夜釣りでなんぼか釣った。我が家の”釣りの上手い人”もジッターバグのナマズ釣りにはハマって、「ピポパポピポパポ、バフッ!・・・バフッ!!」というジタバグの口真似が持ちネタになっていた。シーバスもつれるだろうと今年導入してみたけど、いかんせん魚少なく投げる機会がなかなかつくれていない。フラポッパーはこれまたライギョ釣りで小さい方のを使って、野池の葦に引っかけてフラスカートをゆらゆらとかでバイト取ってた。最近一番小さい3gぐらいのをメッキ、チヌ狙いに、フライロッドサイズのをシーバス用に使い始めている。あと、スパターバグはバスもなんぼか釣ってると思うけど、これもシーバス用に運用始めたところである。

 アーボガストがアメリカ代表バスルアーブランドだという印象が強いのは、「トムとジェリー」でトムさんが用意したタックルボックスにジタバグとハワイアンウィッグラーらしきモノが入っていたから、ってのもあると思う。そのぐらい米国ではありふれて一般的なルアーブランドなんだろう。アーボガストは他に蔵には獅子っ鼻クランク「パグノーズ」やスカート付き(腐って既に失われてるけど)クランク「パグアイ」、イラストチックなお魚型バイブレーション「トゥルーシャッド」、迷走してた時期にでてた木製ルアー「ジャンピングスヌーカー」、海用の「スカッダー」と「ダッシャー」あたりが転がっている。今回フレッドアーボガスト最大ミノーと推定した「アービー」6インチ(約15cm)の他に候補としては、ミノーっぽいのは「フラダイバー」の大きい「フラパイク」が5インチで、「スヌーカーミノー」はデカいのはないし、への字の「ドラド」がミノーだとしても大型のはなさげ、ということでアービーの線で堅いのかなと思っちょります。上の写真の淡水用のルアー達と並べるとアービー6インチはでかく見えるけど、下の海用のダッシャー、スカッダーと並べると大きくもないという。淡水用と海用のルアーの大きさの違いがイメージつかめるだろうか?海用のはデカいんです。

 ということで、ヘドンとフレッドアーボガストという押しも押されぬ大人気アメルアブランドの紹介にもかかわらず、主役が「キングコブラ」と「アービー」というなんとも渋めというか人気薄の線になるのが”ナマジのブログ”品質。

 次回も人気バスルアーブランドが続きますので、お好きな人は引き続きお楽しみに。

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