まあ、見たまんまのレーベルミノータイプのミノーで、そもそもビル・ノーマン氏はレーベルで働いて、暖簾分けなのか喧嘩別れなのかよく分からんけど、その後に独立した経緯もあるようでまんまそっくり。それ以外にも今回箱買いしてるのでミニカタログがついていて、レーベルの「ハンプバック」っぽい「ハーフバックミノー」やらなんかも出していて、真似しているのか対抗心があるのか、ミノーの他にもレーベルのルアーに似たようなルアーをぶつけている。ホッパーストッパーの「ヘルキャット」の方はまだレーベル得意のクロスハッチ模様とは違いウロコ模様を描いているし、2個にはリップを支えるリブがあるところなんかも独自色はある。あるけど、ラパラが北欧からやってきて、レーベルが樹脂素材でラパラっぽいスリムで軽くてよく動くミノーをって作って成功し、その後ニョキニョキと雨後の竹の子のように似たような樹脂性ミノーが各社から出てきて百科騒乱という、ルアーの世界ではありがちな展開だったことが容易に見て取れる。ルアーの世界に限らず、釣り具の世界に限らず、どんなモノでも革新的なブツが生まれると、その安直な模倣から、一手間くわえて改良されたもの、逆にダメになったモノ、安っぽい廉価版、いろんな試行錯誤の上に一段上に進んだようなモノが現れて、またそれが模倣されて、っていう流れはお約束というモノだろう。いつも書いているように、そういうぶっちゃければ”パクリ”に該当するようなルアー達も、選ぶ楽しさを与えてくれるし、そこから次の段階へと改良が進んでいくこともあるので一概に悪いとは思っていない。ただワシの好みとして、安易な”マルパク”にご大層な能書きたれて偉そうに売ってござるルアーには唾を吐きかけたくなるし、大手が小規模工房が開拓したような分野にいけシャアシャアと後出しジャンケンでデキの良いのをぶち込んできてたりするのを見ると、いい加減にしろと思う。恥ずかしくないのか?ないから節操のないことができるんだろうし、金稼ぐってのはそんなの気にしてられんことなんだろうけど、なんとも浅ましく思えてしまう。
ビルノーマンといえば、クランクベイトの名門という印象で、古典の範疇に入る「リトルN」とかは馴染みがないけど、河川のビワコオオナマズ狙いで派手な動きのディープクランクが効くということだったので、ザ派手なアメリカンディープクランクな「DD22」と「DD14」を用意していって、見事人生初”ビワダイ”はDD14を流れに流していたら、携帯に電話が掛かってきて話してたらガンッと来てしまい「来やがった、一旦切る!」とファイトしてゲットしたのを憶えている。他に、当時人気が無かったのか安く買えた「ラトルー」というクロスハッチ模様が切ってある中型ペンシルは、安いのに結構良い動きでよく釣れた。2個あったはずだけど蔵を探したら1個しか出てこなかった。その後、アイの位置が変わったりして、この先端にアイがあるタイプは結構良い値段で中古市場では売り買いされていたりする。もっと買っときゃ良かった。 とかいいつつ、むしろノーマンのルアーにお世話になってるのは今まさに現在進行形で、まあビワダイ用になんぼかストックがあったのと、派手に暴れてアピール力が強いのを知っていたので、根魚クランクを始めてチョイ深いところを攻める必要が出てきたときに、DD22とDD14は真っ先に引っ張り出している。ビワダイ用にそんなに買った憶えがなかったので、中古だと安いのでずいぶん買い増ししたけど、今回蔵をあさってたら、河川のビワダイ狙い2回ぐらいしか行ってないはずなのにやたらと在庫してあったのが出てきて、根魚クランクは基本根掛かりをさせない方法を確立しつつあるので、おそらく一生掛かっても使い切れないぐらいの備蓄はありそうで頼もしい限りである。ちなみにDD22もDD14も現役で今でも売ってます。そういえばビルノーマンもノーマンルアーズと名前を変えその後”親元”のレーベル母体のプラドコに”里帰り”していて歴史の流れを感じさせてくれる。今回の「シャイナーミノー」7インチはぶっちゃけレーベルミノーとかぶるし、箱入りで状態も良いしで、実釣用というよりは売れるものなら1個売っぱらって突っ込んだ資金をなんぼかでも回収したいところ。
左から当時モノ小、復刻版初期、復刻版後期 |
で、なんでこんなバイブレーションプラグにラトルが入る以前の古風なバイブレーションを使ってたのが残ってるかというと、若い頃職場のバス仲間と行ってた釣り場の一つに印旛沼があってワシのへルレイザーを杭に捧げたのは印旛沼につながる小河川で陸っぱりだったけど、バイブレーション使ってたのは本湖?の手こぎボートの釣りで、当時の印旛沼は往年の菱藻の沼の面影は既になく、そういった水生植物が枯れたモノが底にヘドロ状に堆積し、ボートを泊めるアンカーは鉄の棒をヘドロに突き刺すという独特なモノで、そんなヘドロ底では植物が微生物に分解されるために酸素が使われて低層は酸欠状態で、泥なんかもろ還元的な環境になってて、ワームなんか使うとくすんだ鉛色だったシンカーがピカピカになって戻ってくるという信じがたい現象が起こる有様で、底にはバスは居なかった。というわけでヘラ釣りのために沈めたオダとかの上に浮いているバスをバイブレーションで狙うのと、さすがにヘドロ底じゃない岸際の葦原をスピナベとかで狙うのがパターンで、ワームはあんまり効かなかった。その時に活躍してくれたのが魚型のバイブレーションの元祖ザウルス「バイブラザルス(ずっとバイブラザウルスだと思ってた)」とダイワ「TDバイブレーション」でTDバイブレーションにはノンラトルタイプがあって、バイブレーションにはラトルがあった方が良いだろうと漠然と思ってたのに、なしでも釣れるやんけってなって、なら古いノンラトルだった時代のバイブレーションでもいけるやろ?と代々木の中古屋で買ったのがスイミンミノーだったんだと思う。今考えると当然なんだけどラトルなしでも釣れるときは釣れる。ない方が良いときもあるような、あった方が良いときもあるような、そのへんは違いはあるようには思うけどな。あと印旛沼のボート屋のババアが因業ババアで1人乗りで借りようとしたら「休みの日に1人で乗られると儲けが少なくなって・・・」とかぶつくさ文句言いやがって貸し渋りやがって、腹立ったので2人分の料金たたきつけるように払って「文句ねぇだろ」と啖呵切ってやった。思い出したら腹立ってきた。とバイウーブギからだいぶ脱線したけど、脱線ついでにもういっちょ小ネタで、GT用のルアーに「梅雨ブギィ」という名前のがあって、作ってる人そのあたりのルアー好きだったんだろうなと想像している。
で、今回買った「ストライパーへルキャット」、細身の13.5センチは正直あんま大きくない。もっとデカいのがあるのか?国内にも入ってはきてたようだけど中古もあんま見かけないのでマイナーな存在かと。米本国ではどんな感じだろうとストラーパーソンズあたりを覗いてみたら、お好きな人は居るようでボーマーやレーベルを試してダメなときにへルキャットが効いたことがあるとかなんとか、まあどこの世界でもマイナールアーを手持ち札にしてる釣り人はいるってことでしょう。というわけで、悪くもなさげなのでまとめて安く買えたし実釣想定してフック付けて試し投げしてみました。まああれです、軽くて投げにくいぶん動きは良いタイプのミノーです。使いどころはあるかと。あと面白いのが2個がリップの後ろに支えるリブがあるんだけど他のには無くて、黒い1個はリップがもげたらしく自作の「HELLCAT」の銘無しのリップが填めてある。そういう事例が苦情としてあがってきてメーカー側でリブ付けて改良したんだろうなと思うとまた趣深い。 昔「へルレイザー」を”地獄光線”って中二な名前だなと言ったら「アレは扇動者」って意味があるらしいよと言われたけど、へルレイザー、ヘルベンダー、へルキャットとへル軍団を構成しているところをみると、地獄の意味もあるダブルミーニング的な名前なのかなと思ったり思わなかったり。ちなみにへルキャットは「性悪女」的なスラングだそうで、なるほどなという感じ。戦闘機にもなかったっけ?ちなみにヘルベンダーはそのまんまでアメリカオオサンショウウオのことでもあります。地獄の配送業者的な意味もあるのかもだけどボーマーの「ウォータードック」が釣りの餌にも使うような普通サイズのサンショウウオの呼称なので対抗意識で名付けたんでしょうな。てな感じで、どこまでが許せる模倣で、どこからが許しがたいゴミくずパチものなのか?そんなのは人によって気分によって違うって話なんだけど、ほんとに古今東西ルアーの世界はパクリとは切っても切れない関係なんだなとあきれつつも感慨深かったりする、ルアー図鑑うすしお味第75弾はメリケンデカミノー6回目、ビルノーマンとホッパーストッパーのレーベルミノーっぽいそれでいってみました。
次回でメリケンデカミノー関連とりあえず最終回の予定です。引き続きお楽しみに。
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