2024年10月19日土曜日

米国製ミノープラグって言ったら、まずはこのあたりでしょう

左四天王、右通常?サイズ
 このあたりはルアーマンなら誰でも知ってるだろうし、古くからシーバスやってる爺様たちなら実際に使ってたっていう人もいるかもしれない。

 ワシ的にデカアメミノー四天王を選ぶなら、ボーマー「ロングA17A」17.5cm、、レーベル「ミノー7インチ」17.5cm、コットンコーデル「レッドフィンC10」17.5cm、バグリー「バンゴー7インチ」17.5cm(長さは目安程度で見ておいてください)だろうと思う。まあ、バス釣りでも実績のあるミノーのソルト用、あるいはパイク・マスキー用の大型のモノなので、釣れて当たりまえのラインナップ。

 ワシ的には、デカい餌、たとえばボラとかコノシロとかを食ってるシーバス用にというのが念頭にまずあり、次に海外遠征で頼りになるのはこのあたりの”世界基準”のルアー達だろうということで備蓄していたのが大半で、最近の海水温上昇対策の流れて購入していたモノもある。

 デカい餌食ってるシーバスがデカいルアーで釣れるっていうのは楽しみ方として面白いかもだけど、実は14センチとかそこまで大きくないミノーでも食ってくることが多い、とか身も蓋もない事実はあるけれど、いずれにせよ、デカいミノーをということを考えたときに頼りになるのは、北欧系のラパラマグナムとかもあるけど、アメルアならこの辺だろうと思っている。レーベル、バンゴーはカタログ落ちでやや入手難だけど、レッドフィンC10は最近再生産もされ、歴史あるルアーで製造されていた期間も長いので中古の弾数的にはそれなりにあるので、今でも入手は十分可能だろう。いわんやおや、現役モデルのロングA17Aをや、って感じでロングAの7インチ(約17.5センチ)サイズは、今でも現役で世界中で投げられている、このクラスのミノーの世界的標準機だろうと思う。

 ボーマーというメーカーは今はプラドコ傘下の「ボーマー」と「ソルトウォーターグレードボーマー」の2ブランドになっているけど、古くは爆弾形の金属リップのディープダイバーで身を起こし、フレッド・ヤング氏が「ビックO」で火を付けたアルファベット戦争に参戦し数々の記録を打ち立ててその地位を確固とした名作クランクベイト「モデルA」と、その派生だと思う「ロングA」シリーズで確固たる地位を築いた。ロングAはツーテンの虎ファンさんいわく「ロングAは細長めのクランクベイトや」というのが的を射ていた表現だと思う。太めでキビキビよく暴れてよく釣れるジャークベイトとして米国ではスミスウィック「ログ」派と2分する人気を誇るミノーとなった。ミノーだったりライブリーだったり、クランクベイトだったりジャークベイトだったりという呼び名は、使い方によるというか好みによる整理の仕方でしかなく、雑にミノーと捉えておけば良いんだろうと思っているけど、ロングAはライブリーとして水面ちょんちょんで魚を誘うこともできれば、竿でビュッとメリハリ付けてやればジャークもこなし、グリグリ早めのストップ&ゴーとかでブリブリとしてメリハリのある動きの強さで食わせるならラトル音響かせてクランクの仕事もこなし、ただ巻きでよたよたとシーバスミノーとして使ってももちろん問題ない。いろんな使い方に対応できる千両役者で、13A、14A、15A、16A、17Aというサイズ展開や、シンキングやディープダイビングタイプといった派生タイプの多さからも、いかに評価を受け愛されてきたか分かるというモノ。

 その他にボーマールアーといいえば、最近小さめの「モデルA」、「ファットA」を使い始めているけど、意外に付き合いがなかった。シーバスの”バカ貝パターン”に効くだろ?って小判形のメタルジグ「スラブスプーン」は東京湾とかでずいぶん気合い入れて投げたけど成果なく、中坊の頃に入手した「ジャークベイト」はジャークして水中ドックウォークさせるためのルアーとは思いもよらず、使い方分からず蔵で死蔵、リップシャッドは箱入りで所有してたけど使う前に小遣い稼ぎに売ってしまった。ロングA除くと、魚釣ってるのは「スピードシャッド」ぐらいで、これは高校生の頃40UPのバスとか釣ったので思い出深い。他にも「ボーマーポパー」とか「ウォータードグ」とか、ぱちモノ続出してたぐらいだから良いルアーなんだろうけど、縁が無かった。

 まあ、ロングAについてはその分お世話になっている。シーバスメインで主に15Aと16Aで、固定重心で動きの良い派手な泳ぎでラトルも入ってるという、活性の高い魚が居れば一ッ発で勝負が決められるアピール力で、なんども良い魚を連れてきてくれた。意外に他のルアーにスレた魚にやけくそでぶち込んだらバコンと食ってきたとかもあって、スレたらルアー小さく大人しくだけが取り得る戦略じゃなく、逆に派手にかき回してアピール力で食わせてしまうというのも時と場合によりあり得るというのを知ったのもロングAでの釣果で、思い入れも深いしなかなかに優秀なミノーだと思って頼りにしている。

 って感じで、ボーマー史上最大ミノーは17Aなのは常識だよねっと思ってたら、ソルトウォーターグレードボーマーブランドから「サーティファイドデプス」というのが出てるようで、こいつの大きい方が8インチで実は四天王が一人17Aはボーマー最大ではなかったと判明。早速入手しようと思ったけど5千円以上もしやがるので新品購入諦めて6インチの中古のが安かったのでそれでお茶を濁しておいた。えらい潜るトローリング用ミノーらしいので根魚用に使えるかも。

 コーデルのレッドフィンは、その昔ジョイントを買ってそのグワングワンの暴れぶりが気に入らずお蔵入りしていたけど、海水温上昇対策で”強い”動きのミノーをとなったときに再評価して弾数そろえたのは以前書いたとおり。コーデルと言えばまずは「ビックO」なんだろうけど、拾ったのをリペイントしたやつで学生時代なんぼか釣った程度であまり思い入れはない。そしてもう1つの大ヒット作がバイブレーションプラグの「スポット」で、このスポットのシンカーの固定がヌルくてズレてカタコト音を立てたのが”ラトル”ルアーの始まりだという説は有名。まあほかのルアーでも同じような現象が起こってたって説も読んだことあるけどな。スポットシリーズは売れたので派生展開しまくりで、各種サイズ違いはもちろん、長細いのやらフローティングやら浮き上がる「トップスポット」、「ジョイントスポット」なんてのもあった。他には購入した水面狂を戸惑わせたシンキングポッパーの「ニアーナッシン」は今なら海で使えそう、水面系ならダブルスイッシャーの「ボウイハウディー(ペンシルも有り)」に「クレイジーシャッド」、けったいな設計の「ウォーキンスティック」、ベビトーのぱくり系の「チョップスティック」あたりがコーデル組の主な構成員だろう。「レッドフィンC10」はサイズが大きくてアピール力が高いのに加えてフックが2つなのもワシ的にはポイント高い。3フッカーは前のフックがライン拾いがちで邪魔くさいし、デカいハリが乗せにくいので、大きいサイズになると2つフックになるのは、ロングAもレッドフィンもレーベルも一緒で、バンゴーだけ3つフックで四天王では少数派になる。

 レーベルミノーってバスルアーとしては地味だし、シーバスミノーとしてもマイナーだしで、四天王のなかでも最弱!って感じでその辺はワシ好みではある。たぶん「ラパラをプラ素材で」っていう設計思想で作られていて、それはかなり成功しているので動きは良いけど飛ばんってのが長所短所でラパラフローティングと一緒だけど、さすがにデカサイズは重量それなりにあるので飛ぶと思う。思うけど弾数揃えにくいのであんま投げる気にはならん。レーベル9センチはバス釣り少年の頃愛用してたので大人になって箱買いしたけど出番なく蔵に備蓄されている。レーベル軍団と言えば、ミノーシリーズ、革命児「サスペンドR」含めたウィーRシリーズ、ナチュラルプリントが当時は最高に”リアル”だった「ベビーブリーム」とかナチュラルシリーズ、モノホンのザリから型どりしたという売り文句のクローフィッシュシリーズあたりがバスマンにはなじみ深いだろうけど、なんと言ってもバスマンなら「ポップR」は外せないだろう。トップ好きならレーベルミノーのリップ無しにオモリ突っ込んだような「ジャンピンミノー」も好きかもしれない。ダイブも得意な縦浮子ペンシル。あと忘れちゃならないのがバッタとか「タドポール」とかのちっちゃい系とキワモノっぽい見た目のわりに超ロングセラーの「バスンフロッグ」あたりか?今では各種ルアーブランドを吸収して巨大グループを形成しているプラドコの大元になった樹脂関連会社の釣り具部門がレーベルだったとかで、ナチュラルプリントやらサスペンドやら新機軸の技術も開発してきた老舗ブランド。そもそもプラ製ミノーの元祖がレーベルミノーだろって話だろうし、実力は間違いないところ。デカいのもそのうち投げてみるか?

 とここまで書いて、レーベル最大のミノーが「レーベルミノー7インチ」ではないことに気がついてしまった。ボーマーに引き続きなんたる失態。そういえばレーベルも海のトローリング用にラパラのCDマグタイプの「ジョーブレイカー」っていうのを出していて、8インチ20センチサイズがあったはずで、最大はそっちだな。まあいいや今更買う気もないやね。ジョーブレイカーそこまで大きくないのは蔵に転がってます。

 バンゴーのデカいのは、ワシがデカいミノー好きなの知ってるツーテンの虎ファンさんが蔵に転がってたからやるよ、とくれた頂きモノでこのサイズは現行ドミニカものは作られてないはずで貴重なモノかなと、バグリーのルアーの美しさといったら、アメルアはもちろん、日本製ルアーでも樹脂性ルアーの成形時のバリが残ってて当たりまえの80年代に、ツルンと継ぎ目やら分からない綺麗な仕上げでカラーバリエーションも豊富で実に眼福なルアー達であった。一時エルサルバドル製だかになったときは、ホイルもしわだらけで目がズレてて福笑い状態のとかが出荷されてて泣けてきたモノだけど、今のドミニカ製バグリーは往年の美しさを取り戻している。好き者はフロリダのウィンターヘブン工場時代のがどうたらこうたらリグが真鍮でどうたらこうたら小うるせぇけど、ドミニカで綺麗なバグリー品質の製品が作られ続けていて、ブランドが存続していることに感謝せねば嘘である。ワシ一票入れる意味で3つほど買ったからな。バグリーのルアーは80年代でも2000円ぐらいしていてバス釣り少年には”高値”の花だったので、潜りもののキラーB2とかは眺めるだけにして、あまり根掛かりの心配しなくて良い「ラットフィンク」がお気に入りだった。っていうぐらいであんまりバグリー製ルアーを実釣で使い込んでこなかったんだけど、シーバスに「バンゴーディープ」、根魚に「ダイビングB3(DB3)」は投入していてボチボチ結果も出ている。中空でカンカラとラトルやハリの音が響く樹脂性ルアーと、中身のみっちり詰まったバルサ含めた木製ルアーでは魚の誘い具合に違いがあるように思っていて、木製ルアーが明らかに効くときや、樹脂性ルアーと変化をつけたい時には有効な札だと思っている。塗装はオモリ埋めた前フックのあたりとか割れてくるし、リップの接着は抜ける、それがなくてもでかい魚にネットの中とかで壊される恐れありとかの脆さはあるけど、それを補う魚を誘う力の強さとルアーとしての魅力がバグリーのルアーにはあるなと最近よく使うようになって改めて感じている。バグリー軍団には数多くの団員がいて、なんと言ってもバルサの浮力を生かしたクランクベイトが得意で、B1~B4の”バルサ”シリーズ、DB3を代表とするダイビングバルサシリーズ、にキラーBシリーズ、ラトル入りのチャッターシリーズ、変わり種のETシリーズやらママキャットシリーズなど各種豊富に取りそろえている。レーベルとは仲が良かったとかなんとかでリアルプリント系も得意で「クレイフィッシュ」や各種北米小魚シリーズもある。水面系も役者揃いで前述のラットフィンク始め「ICU」「スピナーミノー」「ポップンB」「007」「リトルジョン」「ラトリントゥイッチャー」に忘れちゃならない元祖スピンテールミノー「スピナーテールバンゴー」ときたもんだ。あとなにげに日本の会社とのコラボ企画もあって、シマノとか上州屋のルアーも作ってる。バグリー製シマノはえらい値段になってるのがあるけど、上州屋のハリーシリーズとかゴミ捨て価格で笑える。上州屋御用達ブランドのスズミの竿とか愛用してるし気にいっているけど、上州屋ルアーをモノがいいからといって買うかと言われれば、ワシも買わんという不思議な現象。量販店で安くて品質もそこそこ良いモノを提供してきたことはもうちょっと評価してやっても良いのかもだけど、どうにもアレなんだよな。

 ちなみにバグリーの最大ミノー候補として「ダイビンバンゴーB8インチ」というマスキー用らしいゲテモノじみたデカブツがあったんだけど、バンゴーBシリーズはどちらかというとバンゴーミノーというよりキラーBを引き延ばしたクランクみたいな形状なのでバンゴー7インチを最大ミノーということにしておきましたとさ。

 という感じで、今回ルアー図鑑うすしお味第71弾はデカアメミノー四天王とその実家ブランドについてあれこれ書いてみた。四天王は四天王でワシの中では普遍で変更はないけど、歴史あるブランドだとそれ以上のデカミノーも作られていたりして温故知新。

 デカアメミノーネタは今後もボチボチ書くのでお好きな人は引き続きお楽しみに。

2 件のコメント:

  1. 根魚相手だけでアンバサダー増強は無いと思ってたのですが、
    大型ミノー増強なら納得です。

    此方は120mm以上の効き目が良くないですが、
    昔のジョイントミノーにチカラ入れてスピニング班の方も充実させてます。
    ラパラも最近18cm生産再開して大型ミノー将来明るいですが、
    ジョイントは微妙です

    別立ての手段も模索しています。

    バングオーで良いサイズ掛けたらきっちりタモ出しお忘れなくw
    バグリーの残骸確認すると殆どヒートンやばいですし青物なんか来た日にゃすぐ壊れると思います。
    ダイビングバンゴーBは35年前は貫通ワイヤーでしたが基本貧弱ですのでタモは絶対だと思います

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    1.  デカミノーの出番はまだ先のようなので、アンバサダーの増強は当面の根魚対応が主眼ですよ。
       ただ、このあたりのデカミノーは投げるときにベイトの方がサミングで飛行姿勢が安定して投げやすいってのはあるので、ベイトタックル増強はデカミノーの出番が来たときにも役に立つかなと思います。

       バグリーはリップとヒートン補強して、取り込みはタモ出してってのを徹底しておきます。

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