2024年1月27日土曜日

わが家では酒ではなく米が盗まれていく-ナマジのビンボ飯酒盗編-

  釣り場で仲良くなった地元の釣り人から、ワシが魚料理する人間と知ってるので「友達がカマスで塩辛作ったら旨かったって言ってたよ」と教えてもらった、塩辛って、いくつかタイプがあってカマスの内臓ってたいした量じゃないから、切り身を麹とかを使って浅く漬け込んだものを想像したけど、どうもそうじゃなくて内臓の塩辛でいわゆるカツオとかで作る”酒盗”のカマス版のようである。


 「フッ、まだそんな手が・・・ 残っていたとはな・・・」

 カマス料理は様々試してきたけど、その発想はなかった。考えてみれば、カマス1匹1匹の内臓は少なくても、まとめて干物作るときとかにはそれなりの量が出る。右の写真で15匹分ぐらいである。ワシ、浮き袋のプルプルした食感とか好きなので、出汁が出ることもあって味噌汁にぶち込んだりしてきたが、その他の多くの内臓はコマセ用として利用していて、食用には回していなかった。塩辛というのはさっきもちょっと触れたように、麹を利用して魚介の身を分解してアミノ酸とか美味しい成分を引き出して作る、イカの”白作り”のようなものもあるけど、基本的には魚介の内臓の消化酵素(+場合によっては微生物)を利用して、魚介の内臓や身を分解熟成させて作る食品である。なので作り方は簡単で、後者の場合内臓ごとぶった切った切り身などに、腐敗細菌が増殖しにくいように10%以上とかの塩をぶち込んでその名の通り塩辛く仕上げた保存食である。保存食なんだけど、タンパク質が分解されてできた濃厚な旨味が感じられ、調味料として使えるぐらいの濃い味なのでしょっぱさと相まって、飯が進む代物であり、カツオの内臓で作ったそれは酒が進むアテであり「酒盗」と名付けられている。塩辛といえば「イカの塩辛」が各種地方色もあり代表的だけど、沖縄では藻を食い始める前の腹が綺麗なアイゴの仲間の稚魚”スク”を飽和食塩水で丸ごと漬け込んだ「スクガラズ」なんてのもあるし、三陸他で食べられる日本版アンチョビー、カタクチイワシに塩ぶち込んで置いただけの「塩イワシ」なんてのもあり、洋の東西問わず保存しようとして塩ぶち込んだら、なんかしょっぱいけど良い味に熟れたモノになったという食べ方が存在するっていうのも当然の成り行きだとおもうけど面白い。マニアックなところではアユの内臓を使った「ウルカ」そのなかでも精巣だけをつかった「白ウルカ」、塩鮭作る時にハラワタを出したあと、背骨にこびり付いている背ワタ(腎臓)をスプーンでこそげ落として集めて作った塩辛「メフン」もヒンナだし、ナマコの内臓の塩辛「このわた」、シオマネキの塩辛「ガン漬け」などなど色々ある。東北在住時、スーパーとかでホヤの塩辛とかイサダアミ(ツノナシオキアミ)の塩辛とかいかにも三陸っぽい塩辛も売っていたのも思い出される。てなかんじで各地で様々な材料で作られてきたのが分かる。要するに沢山取れて塩漬けにしてみた、とか内臓が余ったので塩漬けにしてみた、とかが各地でいろんな素材でやられてきたっていうことなんだろう。懐かしのホヤの塩辛はあまり熟成をすすめさせたものではなく、浅い熟れぐあいで、プレーンのに加えシソ味、キムチ味とかあって、ホヤ自体大好物だったけど、シソ味塩辛はあれば必ず買うぐらいに良い味だったのも懐かしく思い出される。で、塩辛自体調味料としても使えるんだけど、ちょっと発展すると東南アジア圏のナンプラーやニョクマムのような魚醤に繫がる。震災で能登で作られるイカ内臓の魚醤である”いしる”の熟成タンクが倒壊して仕込みができないとか聞くと心が痛む。魚醤文化は遠くローマ時代にも見られたそうで「ガルム」とか呼ばれていたそうな。

 ということで、沢山獲れた魚が余ったら、内臓とかが加工で沢山出てきたら、内臓ならそのまま切り刻んで塩ぶち込んで熟成させてしまえばいい、切り身を使うなら内臓も混ぜるか麹の力とかを借りるかして熟成させてやればいいって話で、何を使っても悪いってことはなく、アカカマスの内臓でも作りたければ作って良いのである。

 というわけで、カマスの干物を作って出てくる内臓を使った塩辛「カマスの酒盗」を作ってみた。

 カマスの干物作るときにワシの場合背中から開いて、鰓ワタ取って、残ってる⑥生殖腺、⑤浮き袋、④腸管をとって、最後に埋まってる心臓をつまみ出してって感じなんだけど、①の鰓は硬い骨があるのでコマセ用に回して、④の細い腸管は内容物をしごきだそうとすると切れてしまうのでこれもコマセ用にまわし、他の内臓を使う。

 特に重要なのは②の幽門垂と③の胃だとおもっていて、ここに消化酵素とかが含まれていて、その分解能力で塩辛として熟成させる。特に幽門垂は硬骨魚に特有な腸と膵臓の消化液分泌能力を合わせたような器官であり肝臓じゃないけどキモだと思ってる。

 ⑦の肝臓の右下に胆嚢(苦胆)が写っているけど、肝臓ごと気にせず使っている。魚種によってはこれ潰すと苦くてどうにもならんものもあるけど、アカカマスの場合ちょっと苦みが入ってむしろ味わいが深くなるぐらいだと思っている。

 胃袋は消化液を含んでいるのに加えて、食感も良い部位なので大事だけど、中に餌が入ってる場合があるので丁寧にしごきだして洗っておく。越冬群であり多くの場合空胃だけど、餌釣りの人が使ってる去シーズンから冷凍庫に入ってたキビナゴだのが入ってることはあって、それは食いたくないので手間だけど外せない工程。

 そうやって、チマチマと原料を集めると、15匹分で3枚目写真ぐらいの量が集まる。塩辛って塩分量考えるとそんなに大量に食っていい食べ物じゃないので、このぐらいの少量生産でチョイチョイと箸でつつきながら飯を食うぐらいで良いんだと思う。適宜ぶった切って、柚子の皮なんかも刻んで香りづけに入れて、塩を15%ぐらいになるようにサバッと振りかけて混ぜる。容器は雑菌が付かないように煮沸消毒したモノが望ましいけど、プラの容器を再利用したので煮沸はダメだろってことで焼酎をちょっと入れて蓋して振って消毒して使った。塩分濃度は、ちょっと舐めてみてややしょっぱすぎるかな?ぐらいで材料から水分とかが染み出すと薄まってちょうど良くなる。塩辛い分には大根おろしに乗っけたり、大量の飯や酒で相手するなど何とでも対処できるが、塩分濃度が足りなくて腐敗した場合は目もあてられないので、塩辛は塩辛く作るべきである。干物は今時風に保存食というより食味重視で味がギュッと濃くなれば上出来程度の甘塩で一夜干し風に作って早めに食べているけど、塩辛は昔ながらにしょっぱく作ってます。そういう食い物だと思ってます。3日ぐらいたまに清潔なスプーンでかき混ぜつつ熟成させたら食べ始めて大丈夫。

 できあがりの見た目は冒頭写真の様に魚屋のゴミ桶が腐ったような感じだけど、匂いに腐敗臭は無く、良い感じに塩辛っぽい香りになってきて食欲をそそる。

 ほかほかご飯に乗っけても、見た目は汚物っぽくてまったく”バエない”けど、味はまさに酒盗という感じで、浮き袋や胃袋のプニュコリ感といい、肝臓や幽門垂のドロッと溶けて濃厚でしょっぱい旨味も実にイイ味で飯が進むのである。

 貧乏でも珍味を食って良いンです。むしろ無駄なく食材を利用するという点で、実に真っ当なビンボ飯だなと、自画自賛しております。塩辛作りは難しくはないので興味があればいろんな素材を使って楽しんでみてはいかがかとお薦めしておきます。

2024年1月20日土曜日

すぐそこにある死

  人間なんてちょっとしたことで死ぬ。交通事故で死ぬし病気でも死ぬ。そういうのに気をつけていても災害が起きたら死ぬ。準備して気をつけてたところで結局は運が良ければ助かる程度でしかないと、震災や土石流やらのたびに痛感させられる。寝てたら家ごとグシャっとやられたらどないせぇっちゅう話で死ぬしかないわな。能登半島中心とした北陸の震災ではそのことを改めて思い知らされている。

 まあでも準備して”そなえよつねに”でちょっとでも生き残る確率上げておくべきではあるんだろう。次回津波注意報とか出たら愛猫を連れて避難所まで練習のつもりで行ってみよう。わが家には神棚があるんだけど”神仏は尊んで頼らず”って昔の剣豪も言ってたのにならってワシ神には頼らんつもりなので、神棚には非常用持ち出しのリュックを載せている。神に頼るより現実的だろう。いざというとき失敗したらそれこそ命取りなので練習しておいて然るべき。

 で、冒頭写真の救命胴衣とベルトポーチタイプの救命浮輪たちだけど、もう10年から買い換えてなくてボンベ交換もしていないので、年末Y君に「古いのを膨らむか試したら膨らみませんでしたよ」と買い換えの必要性を説明してもらったので、さすがに買い替え時だなと、とりあえず救命胴衣は左端の新しいの買って、右の腰に付けてる浮き輪が出てくるポーチはお気に召す小型のがみつからなかったので炭酸ガスボンベの交換で対応することにした。

 まずは浮き輪のガスボンベの交換だけど、トリセツ読んでガックリ。

 「ガスボンベは使用しない限り期限はございません」だそうな。どうも自動膨張式のだと、濡れたらハリが紙の部品を突き破ってガスが吹き出すようになってるけど、その装置が劣化したりするようで定期的な交換が必要なようだ。もちろん雨の日に釣りに行くワシが濡れたら膨らんでしまうような自動膨張式の救命具は使わんので、ボンベ交換とか必要ないようだ。クソッはやまったか?と思ったけど意外にそうでもないことがこの後判明していく。

 とりあえず買ったし新しい方が良いだろうということで浮き輪のボンベは交換したんだけど、そうなるボンベが1つ余る。せっかくなので古い救命胴衣は一回実際に膨らましてみるかということで、試しに紐引っ張ってみた。モデル不肖ナマジ、仗助を意識してポーズとってみたけど挨拶してるようにしか見えんな。左使用前、右使用後。

 シューッという音がして、ちゃんとガス出るじゃんと思ったんだけど、最初ボンベの入ってる右側が膨らみ始めて、全体が展開していくんだろうなと思ってたら、シューゥ・・プスッて感じで終わってしまう。ありゃやっぱりガス抜けてたのか?期限無いとか嘘こきやがって、って思ったけど実際に落水した時にもこの時点で慌てる必要はないと思ってて、長時間漂流中に抜けてきた空気を入れるための吹き口があるハズでそれを咥えて膨らましゃいいだろうと吹き口の筒をボンベと反対側に収納されているはずなので探すけど無い。ナンボ安モンでもそれがないってことはないだろ?と膨らむべき部分もおっぴろげてあれこれ調べてみて驚愕の事実が判明。

 なんと吹き口の筒が根元から剥がれ落ちて無くなっている。丸い穴のところに接続されていて、その下の汚れてすすけてるところに筒が収まってたんだろうけど、どっかで落としたのかいつ落としたのか、影も形も無い。

 あっぶねぇ!これウェーダー履いて立ち込みするときに使ってた救命胴衣で、まあワシ立ち込むっていっても膝下ぐらいまでしかしないので、冷静に浅い方に移動していけば腕立て伏せして息吸えるようにはなるだろうけど、コケてウェーダーに空気が入って足が浮いて底につけられない状態で、余裕こいて紐引っ張ったらば膨らまずでパニくったら膝下水深で死んでてもおかしくない。ゾッとして背筋冷えた。死に神が鎌かまえて、はよコケないか待ってたんとちゃうか?

 ボンベが無期限で生きてても胴衣自体が経年劣化でダメになる場合があるんだと、定期的な買い換えが推奨されている理由に得心がいった。正直メーカーサイドが売りたいから言ってるだけで、買い換えんでも腐るもんじゃないし大丈夫だろうと油断しまくってた。そのへんちゃんと説明してくれよって話で超重要な話なので恥を忍んでアホ面晒して皆様に情報共有させていただくしだいである。

 こうなると、同じように長期使用の浮き輪の方も怪しい。でも試しにボンベ使うとボンベ1本2千円からするので、何度も使える手じゃないので「こういうときこそ吹き口から吹いて膨らまそう」って思いついて膨らましてみた。

 こちらは問題無く膨らんでくれて現役続行決定。ロゴが消えるぐらい使ってるけど丈夫にできてる。コイツは安モンじゃなくてパズデザインの良いヤツで、ブランドへの信頼を裏切らない上等の品質だと褒めてつかわす。口で吹いて膨らませるのは何度でもタダでできるので定期的にやっておきたい。わが家ではシーバスシーズン始めにはやるとして、他に正月恒例行事にしようかと思う。畳んで収納するのに苦労するかと思ったけど折り目付いてるしそんなに難しくなかった。空気抜くのも吹き口は逆流防止弁付いてるけど筒に棒突っ込んで突起を押してやると抜ける。

 っていうことで、救命胴衣の点検、適宜買い換えはメッチャ重要で、「ボンベが生きていてもガワが経年劣化でダメになっていく」っていうのと「点検は口で吹いて試せばボンベ消費しなくてもタダで可能」っていうのは、今回気付いた重要な事項なので皆様今日は憶えて帰ってください。安全第一で楽しい釣りを、今日も元気に無事故が土産。ってことでよろしくお願いします。

2024年1月13日土曜日

いや~ん!エッジ!!

  昨年は色々とリールを改造したわけだけど、まだ実釣で全然試験してない改造方法があって、何かと言えば大森スピニングの”なで肩”なスプール形状をFRP板とかを使って形状調整し、ピシッと下面が平らでエッジの効いたスプールにする改造である。まあ、ワシ飛距離よりトラブル防止を重視しているので、なで肩エッジで糸巻き量少なめ運用でも良いかなと思わなくもないけど、ラインがスプールエッジに当たるのが、エッジ効かせて角だけとかになると、当然発生する摩擦は少なくなり飛距離向上のほかにもラインが傷むのが遅くなる、っていうのと糸ふけが良くなるので、軽い仕掛けを落とし込むのにラインの出が良いってのが利点としてあるようで、特に後者は切り身餌にガン玉ぐらいの軽い仕掛けで落とし込んで釣る冬の良型アジ狙いや、これまたガン玉うって鳥皮で足下狙う根魚釣りとかでは、ラインが抵抗少なく出ていく利点が生きてくるのではなかろうかと思うので、実戦導入して試験してみたい。

 ということで、昨年末に年末進行でワシャワシャ分解整備していた、タックル系タックルオート系で、まずはスプールエッジにラインが引っかかりそうな酷い腐蝕がある「タックルオートNo.2」はせざるを得ない。その他、候補としては「タックルno.2」「ニュータックルNo.1」「タックルオートNo.1」「タックルオートSS」があったけど、試験してみて”耐久性ダメでした”とかの結果になるとよろしくないので全部やっちまうわけにいかず、まあ最悪FRP板とか追加した部分を引っぺがして磨き直せば良いんだろうけど、まずはせざるを得ないタックルオートNo.2に加えて、既にタックルNo.1が改造済みでスペアスプール体制が組めるニュータックルNo.1、ついでに改造有り無しの比較もするために、この春の主力機として想定しているマニュアルピックアップ化した「タックル5No.2」と、色違い同型機の「タックルNo.2」をマニュアルピックアップ化した上でスプールエッジ形状もいじる。ということで、冒頭写真の様に3台できました。というところ。タックルオートNo.1はタックル系同様の寸法で改造可能だけど、タックルオートSSはそもそもなで肩の部分が小さく、糸巻き幅もほぼスプール上下幅なので、計測した時点であんまり改造する意味なさそうだなという感触ではあった。

 逆にタックルオートNo.2は改造の意義が大きそうで、スプール上下が12mmしかないのにちょっと少なめにライン巻いた糸巻きの幅が16mmと4mmも糸巻きの幅が広くなってる。こりゃグズグズになりそう。ちなみにタックル系、タックルオートともにNo.1サイズはスプール上下幅は13mm、糸巻き幅は11mmで実はタックル系ではNo.2サイズでも同様の幅になっている。タックル系のNo.2サイズはNo.1サイズのスプール径を大きくしたような機種でスプール大きめのスピニングは使いやすいの法則にあてはまると思ってたけど、その感覚はあっていたようだ。2号ナイロンだとNo.2サイズの方がしっくりくる。ただスプールエッジ改造すると糸巻きの径が実質大きくなるので、そうなるとNo.1サイズでも2号ナイロン快適に使えそうではある。

 でもって、基本的な改造方法は前回同様でFRPを必要な大きさの輪っかに切り出す(写真1枚目)、スプールにハメて(写真2枚目)、下に糸巻きの幅の厚紙とかの”アテ”を入れて高さを均一に斜めッたりしないようにしつつ(写真3枚目)、ティッシュでつくった紙縒りを隙間に巻き付けて瞬間接着剤を染みこませて固定、を2回ぐらいやって大まかな構造を固めて(写真4枚目で、この時点でラインをなんぼか巻いて塩梅を確かめているところ)、ロッド回しで回しつつエポキシを盛ってやり、固まったらドリルで回しつつサンドペーパーでFRPの角の面取りやら上部エポキシの形状をならすなどして(写真5枚目)、最後塗装。

 ただ、3台やったうちニュータックルNo.1はサイズも同じなのでやり方前回同様なんだけど、タックルオートNo.2とタックルNo.2は糸巻きの縮小幅が大きくてスプ-ルの芯の方までFRPが入るので、輪っかが幅広くて1箇所切り込みを入れた程度ではスプールに填められない。真っ二つに切るとどう考えても平面が保ちにくいので、1/4ぐらいをピザみたいに切り出して(写真2枚目)、切ったところから填め込んで、最後切ったピザを填める形にした。この方が格段に平面に仕上げやすいし強度的にも丈夫だと思う。ただどこまで耐久性とかが稼げているかは、1箇所切り込み方式も含め、ある程度現場で運用してみないことにはどうにも分からんので、あとは実戦導入あるのみである。

 スプール上部の色は、前回は輪っか状にもとのアルミ色を残したけど、今回はタックル系は黒でタックルオートは銀で塗りつぶした。こっちの方が表情キリッとして良い気がする。まあそのへんは趣味の問題で表面滑らかになって防水防錆性が上がってればよし。やや不安だった銀色のラッカー塗料が意外にアルミに違和感ない発色なのはちょっと儲けものかも。アルミのお色直しには使えるかも。小皿にプシューッと出して綿棒でヌリヌリしてます。

 という感じで、この冬から春にかけての体制は、カマスアジ根魚等の1号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整済みのタックルNo.1とニュータックルNo.1、シーバス用の2号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整有りのタックルNo.2と調整無しのタックル5No.2でどちらもマニュアルピックアップ仕様でラインローラーはポリアセタール樹脂製。スプールエッジ調整の有り無しで糸巻き量が直径にして44mmと41mmと差が出ておりその分の”スプール大きめ効果”的なモノは期待できるし、実際に使ってみてスプールエッジの形状をいじった効果が感じられるかどうか、ボチボチと試してみてまたご報告できたらなと考えております。

 耐久性がそこそこあって、釣ってる間にポロッと剥がれたりしないのであれば、タックルオートNo.1のボロいのもスプールエッジ形状調整してやりたい。そのうえで同型機2台あるので、ボロいほうは替えスプール要因兼部品取り兼予備機にして、セットで釣友にあげる予定。できたらスプール調整有り無し両方使い比べてみて感想聞いてみたいと思っている。そのとき、いまタックルオートNo.1とかのサイレント化部品を開発中の御仁がおられるようなので、おそらくハンドル軸に填める樹脂製の部品と、そいつが押し上げる突起が付いた逆転防止用の爪のセットだとおもうけど、それを組み込んで消音仕様にして、スプールエッジ改良までした最強魔改造仕様のタックルオートNo.1にして渡したい。くだんの釣友は”瞬間的逆転機構”がローター内に特に防水機構もなく鎮座しているスピニングをちゃぷっと海水に漬けてしまったらその後ジャリジャリし始めたそうで「これ買ったらそれでもう買い直さんでいいトラブルもないってリールはなんなの?」ってボヤいてたので、今時のフルに防水化してある、普及機レベルのある程度の値段の国産大手機種を買うか、昔の、浸水したところですぐには不具合生じないし(何なら海中で使っても大丈夫だと思う)、後々中で塩が結晶化したりしても簡単にバラせて整備すりゃ元通りの、PENNだの大森だのの瞬間的逆転防止機構が付いてない時代の実用機を、ベールスプリングだけ予備用意して使うかどっちかだと言ったら、昔ので良いというので、大森の基本的な良さが詰まったタックルオートをチョイといじったらご要望にそえるのではないかと考えているところである。「金出すよ」とは言われているけど、1500円落札と1300円落札のボロリールで友人から金せびれるかよって話で、戦闘能力というか実用性抜群に仕上げる自信があるけどロハでいい。そうやってタダであげてでも数減らさないと、スピニングが蔵に積み上がってどうしようもないの。アタイ病気が憎いっ!

2024年1月6日土曜日

正月からどうなってるんだ?めでたくない!!都合の良い神などいない証明

 「祈るな!祈れば手がふさがる!!」と引用したすぐ、舌の根もかわかんうちにあれだけど、震災、飛行機事故、火災の被害にあい亡くなったかたの、ご冥福と、被災された方の日常が早く戻ることを、正直祈ることぐらいしかできることがない。まあ少額ながら寄付ぐらいはさせてもらっているにしてもだ。

 そういうなかで、被災地で不足する物資に空腹を抱え、眠れる夜を過ごしている方々のことを思うと、被害が特になかったからといってお屠蘇気分で楽しいことをやりまくりっていうのは、なんか罪悪感が漂う。苦しんでる人がいるのにお気楽に遊んでて良いのか?っていうのは多くの人が思うだろうし、”不謹慎警察”に目を付けかねられない。

 ただ、逆を考えると、被災して大変な目にあってる人が「オレがこんなに苦しんでるのに楽しく遊びやがってけしからん。」なんて普通思わないでしょって話で、不謹慎だ何だと、あんまりそういうことを言うと、まるで被災者が他者の幸福をねたんでいることを前提にしているようであり、それはそれで失礼ではないかと思う。自分たちが苦労している状況が良くなることは切実に願っているだろうけど、他者の幸福にケチ付ける気などサラサラないというか、そんな余裕はないだろうと思う。”不謹慎警察”など無視して良いと思う。

 被災者の苦労を思い、できることをしてあげたいと思い、今は個人で動くような時期じゃないだろうから、とりあえず金はあったら困らないだろうから寄付ぐらいが個人でできる限られたことで、災害救助などの専門家にまずは任せつつ、お祈りするぐらいしかやることはないだろう。手がふさがってなくてもいまは使いようがない。なら祈ってもいいだろう。

 そういう状況で、ハッキリ言って日本に住んでいれば地震関連は特にだけど、明日は我が身である。いつ自分が被災してもおかしくない。ただ、現在は幸運にも被災していないなら、いつ被災して死んでも良いぐらいの覚悟で、やりたいこと、やるべきことはやっておくべきで、それを不謹慎というようなヤツは、自分だけはいつまでも安全だというマヌケな勘違いでもしているのだろうか。

 災害で亡くなった方を思うとき、その人生が突然意図しない形でぶった切られてしまった無念を思うと、胸が苦しい。東北の大震災では知人や縁者が何人も亡くなっている。個別のお顔を思い浮かべると、さらに胸の苦しみはしんどいものとなる。せいぜい生きている自分はやりたいこと、やるべきことをしっかりやっておかねばならないと、思わされる。そうしなければせっかく生きているのに、死んだ人はもうやりたくてもできないのに、なんか間違っていると強く思う。

 だから、私は全力で釣りにも行く、旨い魚料理も食う、猫と遊ぶ、それが今自分がやりたいことであり、かつやるべきことだと信じるからである。

 ただ、個人が仲間内だけで楽しくお正月を過ごしているのぐらいは何の問題も無いと思っているけど、被災者の目にも自ずと入ってしまうような楽しみは、ちょっと時期をずらすなりするのが賢明なのかなとも思う。春の一般参賀のとりやめとか、確かに中止したことがメッセージとして、悲しみや祈りの気持ちを表しているようでもあり、妥当な判断であったんだろうと思う。

 当ブログも、新春お年玉企画とかめでたいのを用意していたんだけど、不特定多数の目に触れるのがネットのさだめなので、ちょっとそれは延期かな。いつもこの時期は干物生産とかで釣行顛末記は貯め気味だけど、正月の楽しい釣りの記事とかは遅れてるのを、ちょっと被災地も落ち着いたぐらいで出すぐらいでちょうど良くなるのかなと思っている。

 被災地が落ち着いてきたら、次は被災現場の作業ボランティアが募集されるだろうから、時間と体力がある人は是非行ってあげてください。がれきの撤去なんかでも意外と重機でガサッとやれない手作業人海戦術が必要な場面も多いので重宝されると思います。ってのが東北でのボランティアに行ってきた経験からのアドバイス。ワシ体力的にもう無理なので若い人にお任せする。あとは私の出番は”買って支援”の段階ぐらいまでないかな?

 ボランティアでも現地に行ってお金を落としてくるのでも、気をつけて欲しいのは、人が亡くなり、財産が失われた現場で「震災の爪痕はこんな感じでーす」とか記念写真とったりしないように。ボランティア参加時の注意事項の一つだったけど、さすがにそれやられたらムカつくってのは分かるよね。

 まあ、心の隅に苦しんでいる被災者がいることを忘れずに、さしのべる手があるなら可能な範囲でさしのべて、それはそれとして自分の幸福は追い求めたとしても非難されなきゃならんような話じゃない。という線を基本にナマジのブログは運営していきます。空気読みつつ空気読まんでいくぜ!!

2024年1月1日月曜日

2024新春来福富貴安楽献寿歳旦

 人生の真理は「アンパンマンのマーチ」にあり。

 元旦から何言ってんだ?一年の計はガンタンクじゃねぇのか?といぶかられるむきもあろうかと思うが、アンパンマンのあの主題歌の「何が君のしあわせ 何をして喜ぶ 分からないまま終わる そんなのはいやだ!」というのは全くその通りであり、作詞は原作者のやなせたかし氏なんだけど良く分かってらっしゃると唸らざるを得ない。なんか自分の顔を食べさせる主人公のアニメがあると話題になってて初めて視聴したときに「これはちょっとヤるかもな」と予感させるに充分なモノがあった。実際あのアニメはやりおる、ホノボノとした世界観に時折狂気じみた着想が散りばめられていて油断ならず、敵女幹部(ドキンちゃんのことね)が主人公に恋心を抱くとかの日本アニメの伝統的な様式美も押さえつつ鋭いデキで、よく言われるように子供は”子供だまし”を喜ばないという好例で一緒に鑑賞した親御さんもハマる面白さだからこその大ヒットだったのだと愚考する。

 世の中に、自分の幸せがなんなのか分からず、その大事な事を他人任せでなんか流行のものを追っかけて喜んだ気になってる抜け作のなんと多いことか。

 ワシも声を大にして叫びたい「そんなのはいやだ!」

 ということで、ワシの幸せはまあ色々あるけど圧倒的に釣りと猫が大きい。魚を釣って猫を愛でて喜ぶ。それが分かっていれば今年もいろいろ不安なご時勢だけど、おおむね安泰だと思っている。

 思っているけど、まあ個別具体的な短期的な目標はあったほうが良いンだろうなとも思うので、今年の目標などつらつらと考えてみる。

 とりあえず最近気になってるのは自分が着実に老いさらばえつつあるということで、一休み和尚の狂歌「正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」がめでてえ気分に釘を刺してくることからも明らかなように、意外にみんな気がついてないかもだけど、人はみんな歳をとって死んでいきます。正月から何書いとんねんかもだけど、ワシも歳食って体力気力が減退するのは40代頃から感じていたけど、近年注意力やら集中力やらが欠けてきて、一瞬前の自分に「何でオマエはそんなことをしたんや!」と叱りつけてやりたくなるような失敗を犯す頻度が増えてきた。これ釣友も同じようなことを言っていてジイサンあるあるなんだと思う。外蹴り大森機のラインローラーナットをネジ切ったり、クーラーバックから使い残しのコマセを出すのを忘れて家中に腐臭を漂わせたり、昨年こたえたのは20年来の愛用品であるボガグリップを釣り場に忘れて来て紛失してしまい、円安のおり中古でもえらい良い値段していて老後資金にちょっぴり打撃を喰らい悶絶した。

 っていうぐらいで、注意力が散漫になってきているので、最近釣り場を撤収する前には一回付近をグルッと指さし確認してから撤収するようにしている。万事そのぐらいの用心深さで事にあたるようにというのを今年の全体的な目標としたい。

 釣りについての個別の目標としては、とりあえず懸案事項のブッコミ泳がせのハモをまずは何とかしておきたい。冬場の夜釣りは寒くて粘れないので温かくなったらやっつけよう。そしてシーバス昨年は記憶に無いぐらいの不漁だったので、これが単なる不作年だったのか海水温上昇とかにともなう恒久的な変化で、最悪狙いモノを変える等しなければならないのか、とにもかくにも釣り場で情報集めなければ判断する材料も無いので、今年も”雨が降ったらシーバス狙い”で春シーズン、秋シーズン地道に釣り場に立とう。後はいつものことだけど来た魚を釣るということか。

 もいっちょ、今年何とかしたいのは増えすぎたリールを何とかするということで、売っぱらっても進呈しても何だって良いので、90台に納めるはずだったのに気付けば199台もあるリールを整理して100台ぐらいまでってのはすぐには無理でも、終活のつもりでどうにかしていきたい。

 ということで、今年もよろしくお願いします。

 皆様のご健勝、ご活躍とかもろもろお祈りいたします。


 ちなみに冒頭写真は辰年ということで、年賀状用に”ドラゴン”級を釣っておこうと狙ってたのですが、この程度が精一杯でしたというお粗末。まあ”背ごし”オイシイからいいんだけどな。