2015年9月27日日曜日

バルサゴジュウ

 「BALSA50」の読み方がバルサファイブオーだということを知ったのは大人になってからだった。非常にショックを受け10年以上バルサゴジュウと呼んできたのに、恥ずかしいし、しっくりこないし、驚いた。
 田舎のルアー少年にとってはBALSA50はバルサゴジュウなんである。

 私が「少年」だった、80年代当時、バルサ50シリーズの2800円という価格はものすごい高級ルアーだと感じていた。
 DAIWAのバスハンターとか安価良作ルアー達が500円台、舶来もののアメリカンルアーでも1000円台だった時代に、2800円は超高級ルアーとしてあこがれの的であった。

 なので、当時をルアー少年として過ごした世代は意外にバルサ50シリーズを実弾として釣り場で投げてはいなかったのではないかと思う。
 その反動で、大人になってから「大人買い」したオッサンたちもいただろうけれど、あこがれのルアーとして、いくつかボックスにあるけれど、あんまり投げずに大事にコレクションしていたのが実態ではないだろうか。

 ということで、タックルボックスの肥やしになっていた私のバルサゴジュウ達を紹介したい。
 
 まずは、バルサ50「オリジナル」。なぜブランド名を冠するルアーがトップウォーターを得意とするブランドなのにクランクベイトなのか、トップ使いするということもできるっちゃできるが、イマイチ腑に落ちない少年ナマジだったが、今思うとクランクベイトって一番バスルアーらしいプラグのように感じて納得している。
 私のオリジナルはリップに50の浮き彫りがあって、西岡さんのサインがある時代のもの。入手時には既に売っているのはリップに50の文字がないタイプに変わっていたので、ちょっと古いのを「珍しい旧型やで!」という友達の言葉に釣られて買った。それでも釣りをやめるとかでずいぶん安く売ってくれたように記憶している。
 こいつもたたき売ってもらった。というのは写真に移っていない側にぶつけて塗装が剥がれた部分があって「コレクションには向かないけど、動きはおかしくなってないし、実際投げるんなら安くしとくし良いと思うよ」と格安で譲ってもらったように思う。でももったいなくてあんまり投げていない。裏に青島さんのサイン入り。このルアーは「ラージマウス」という名前でいま紹介されているが、当時は「ラージマウス・ザ・○ッキー」という名前で売っていた。○ィズニーからクレームが付いたのだろうか。

 似たような登録商標関係でのルアー名の変更ではズイールの「ラスカル」→「アライ君」とか、渋いところでは忠さんスプーンの「マスター」は当初開高先生の命名では「レイカー」だったけど商標とれずに変更したとか、たまにある話である。大人の世界はめんどくせえなと思うところ。


 お次の「ホッツィートッツィー」は伝説的なダブルスイッシャーだが、大事にとってあったのでほとんど使っていない。ふつうトップウォータールアーは背中側に目があって、濃い色で塗ってあるというのが当たり前だが、このルアーは「横向き」になっているのが超格好いい。浮いてる状態で横目で水中のバスを見ている感じだろうか。日本人らしい粋なセンス。
 とまあ、タックルボックスの肥やし的ルアーを3つ紹介したが、バルサ50のルアーで実釣で使いまくったルアーが実はある。 ブラウニーである。東北時代、渓流用のバルサミノーとしてはラパラF7を多用していたが、本流のイワナとかを狙うときに、調子がよくてルアーサイズを上げていく過程において、ラパラのF9、F11は軽くていまいち飛ばないので飛距離がほしい本流では今一しっくりこないのであった。特にF11はフックが3つなのも邪魔くさく感じた。
 ということで、当時ブラウニーは、則さんがサクラマスのミノーイングとかを流行らせつつある状況の中でよく売れていて手に入りやすく、値段はやや高いもののラパラF9、F11よりはずいぶんキャストもしやすく愛用していた。
 ラパラの質実剛健なルックスも非常に好きなのだが、ブラウニーの流麗なフォルムや美しい塗装の仕上げは高い値段の価値はあると納得する出来である。
 特に、その細さ。細いミノーとしてはムラセミノーというのもあるが、ブラウニーの方が細い中にも流れるようなシルエットがあって、今見ても惚れ惚れと見蕩れる美しさがあるように思う。その細い細いボディーの先のごく細くなったところに、バルサ50だと一目でわかる「寄り目」がポチポチと書いてあるのも愛らしい。
 あまりバカでかいのは釣っていないが、尺イワナは結構釣った想い出深いルアーである。
 11センチには写真一番上のやや太めの個体もあって、調べてもよくわからないのだがソルティーブラウニーかもしれない。アユカラーはシーバスの落ち鮎パターン用だろうか。
 
 というような、バルサ50ファミリーというルアー図鑑うすしお味には似つかわしくないメジャールアーをながなが紹介してきましたが、お待たせしました、ここからがむしろ「うすしお味」第19弾本編、バルサ50と同門の「アクアザウルス」「ザウルス」ブランドのちょいマイナー系ルアーを紹介しておこうと思います。

 まずはスピントプス。まああれですね、ブラウニー版のスピナーテールバングオーですね。アクアザウルスブランドは必ずしもバルサ50っぽい寄り目じゃないですが、こいつは寄り目です。ペラ付きのミノーって私はあんまりいい思いしたことないですが、根強い人気があるようで、元祖バグリー製以外にも結構でてますね。

 続きまして、もう忘れられているかもしれないけれど、バイブレーションの頭の部分は平面でなくても良いという、細長めの魚型のバイブレーションの原点になった、割とその後のバイブレーションに影響を与えまくった歴史的逸品。だと私は思っているバイブラザウルスです。バス釣りで結構愛用していて、バイブレーションの常で根掛かりでなくすことが多く、探してみたけどこれ1個しか残っていませんでした。中古屋ではよく見かけます。よくできたルアーなのでお一ついかがという感じ。



 塩味系ルアーもザウルスでいろいろ作ってました。中でもポップトプスは割とマイナーではないでしょうか。ザウルスのソルト用の大型プラグとしてはトビペン、トビポップが有名どころですが、それより前の時代、ナイロンラインでGT狙っていたころのポッパーです。サイズは20センチ弱ぐらいと大きいですが、今時のGTポッパーに比べると細いです。タイプが2つあって片方が普通のポッパーで、もう片方が斜めにヘッドを切ったスプラッシャータイプ。実は使ったことなくてJOSさんからのいただきものです。
 ザウルスは倒産したあとも、版権買ったらしいザウルストレイン名義とかで代表的なルアーは復刻して売ってたりしましたが、中空フロッグのバキーシリーズとかレックスディープの小さいのとかマイナー味の染みたナマジお気に入りのルアーは復刻してくれず、あるのを大事に使うのみとなってしまいました。

 バルサ50もザウルスも日本のルアーシーンを彩った名ブランドで、ルアーマンならいろいろと想い出があったりするのではないでしょうか。

2015年9月23日水曜日

スティール・シンカー・ラン


 「失敗というのは…………いいかよく聞けッ! 真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!」(byスティーブン・スティール、ジョジョ7部より引用)

 香港の村田さんが、夏休み帰郷中に良い釣りされて、「やはり生まれ故郷はいい・・・ついている」とジョジョネタかましていたので、オレも今年の釣りのメインイベントの一つとして考えている「サメ釣り」一発ガツンと良い釣りして、ちょっと気の利いたジョジョネタで締めたろ、と目論んでいた。


 候補としては、

 化け物サイズを仕留めて、「ようこそ………『男の世界』へ…………」(byリンゴォ)なんてのなら最高だし、

 失敗、苦戦の中からなんとか釣果をたたき出して、「最終的に…勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」(byカーズ)なんてのもいいし、

 単純に、「最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ」(byDIO)とか「決着ゥゥーーーーーーーッ!!」(by徐倫)でも良かったかもしれない。
 
 しかし現実は厳しく、300号1kg超の鉄のオモリを200m以深にぶち込んだりした奮闘も報われず、冒頭の台詞でくじけそうになる自らを鼓舞しなければならない結果となった。

 でも、目一杯釣りきって「砂漠の砂粒…ひとつほども後悔はしていない…」(byサンドマン)だし、いつの日かデカいサメを仕留めて、その時には次の台詞でクールに決めたいモノである。

 「遠回りこそが俺の最短の道だった」(byジャイロ) 

2015年9月20日日曜日

自炊生活始めました



 一冊いくらかで、本のデータ化いわゆる「自炊」を代行してくれる業者が、著作権者である作家などに訴訟を起こされている。これまでの訴訟の結果とかを見ると、業者がベタおりで事業から撤退するなど、「自炊代行」は、ほぼ黒に近いグレーという感じ。
 自炊代行業者がある程度著作権料を払って、合法に業務をできるかたちに持って行くのではないかという淡い期待は、手続きのめんどくささや出版業界の思惑やらあって、どうも進みそうな気配が見えない。
 適法に「自炊代行」してくれる業者がでてくれば、多少金がかかっても「小金ならあるんじゃ」ということで札びらで横面張り倒すようにして本のデータ化を進めたいと切実に思っていたが、まったくそういう動きがないので、適法にというのを考えると自分で裁断機とスキャナーを買ってきて、自らの手で文字通りの「自炊」をするしかないという状況である。

 仕方ないので、一番簡単にできる方法をいろいろググったりして、効率的にやるには一発で厚い本も裁断できるデカイ裁断機と、読み込み速度と精度のよい最新のスキャナーが必要という事で、それぞれ4万円以上もするハイスペックな裁断機DURODEXブラック200DXとスキャナーFUJITSU ScanSnap iX500をゲット、ネットのハウツー自炊記事を参考に試行錯誤してみた。

 してみた結果、それほど作業は難しくない。
 刃をどの位置に入れるかで糊付け部分が完全に切れなくて紙が重なってしまうトラブルが生じたりするので、最適位置を何回か試して固めるのと(文庫だと10.1の目盛り位置)、取り込む方式の細かい設定を、勝手に横書きと判断して横回転したりしないように「固定」にしたり、という調整が必要だが、ある程度そのあたりが固まってしまえば、①しおりが挟まっていれば外す(意外に重要)、②背表紙ごと糊付け部分を裁断、③表紙・背表紙の袋部分を切る、④厚紙に1枚張り付いていることがあるのではがれているか確認、④150枚ぐらいずつをスキャナーのトナーに入れてスキャン開始、⑥追加があれば続けてスキャン、⑦スキャンした1冊分のデータを名前付けてPDFファイルとして保存、⑧USB経由でキンドル端末にコピーしてPDFファイルとして読む。という感じで、それほど難しくもなく、時間はそれなりにかかるが1時間で10冊ぐらいはいけるので、アニメでも見る時間に片手間でスキャナーに突っ込んで読み取らせていけば、チマチマとだがそれなりに数ははけていくように思う。
 
 キンドル端末で読むのに、文字を読みやすいようにクッキリさせる処理や余白のトリミングの最適化をすると良いらしいが、まあそのままでもちょっと文字小さいかなと思うが十分読めるし、その辺の処理はデータ化さえしてあればいつでもできることだし、そういうことに手間かけるより、とにかくデータ化を進めて押し入れのスペースを確保していくのが重要だと思うので進めていきたい。

 この際もう読まないであろうものを捨てるなりなんなりというのと併せて、小説・エッセイ、マンガ、釣り雑誌と10箱以上はある我が家の押し入れの本を何とかしてしまわないと、データ化できない釣り具が増えるのを止めきれないので、本も置いている釣り具部屋が飽和してしまうのは避けられない。
 早速100冊ぐらい自炊できたが、重い段ボール箱を押し入れから出してきてどこにあったかと探し回るのに比べると、題名検索一発で素晴らしく探しやすいというのが、省スペース化に加えて書籍自炊してデータ化した時の利点。

 高い機器も買ってしまったし不退転の覚悟でのぞみたい。

2015年9月12日土曜日

日本人ももちろん何を考えているのか分からない

 アメリカ人のルアーに対する創意工夫というか時に奇抜なアイデアにはずいぶん驚かせられるし、楽しませてもらっているが、なかなかどうして日本人もヤル時はヤルというのはルアー図鑑うすしお味第18弾で書いておかねばなるまい。

 何を考えているのか分からない変態系ルアーの制作元として、まずはうすしお味ではこれまでも漁具系実力派ルアーメーカーとして紹介してきたヨーズリをあげずにはいられない。
 写真のミカンの房のようなバイブレーション「ジョグラー」を今のデュエル時代しか知らない若い人がみたら、なんでこんな変なかたちにしたんだろうといぶかしみデュエルと同じメーカーが作っていたとは信じられないかもしれないが、当時の「アタックル」ブランドでブイブイとキワ物ルアーを世に問うていたヨーズリとしてはむしろおとなしい代物である。回転するオケラとかなぜオケラなのか?ボディーが回転するルアー自体は日本でもシマノのミルスピンの前例があり、古くは19世紀ぐらいのイギリスのタイセイヨウサケ用ルアーであるデボンミノーなんてのもあるが、なぜ可愛いシャベルのようなアームを付けたオケラである必要性があったのか?何を考えていたのかさっぱり分からない。田んぼの水入れ時期に土の中のオケラが慌てて出てきて水面を器用に泳いで難を逃れているのは見たことあるが、およそバス釣りするようなところでオケラが泳いでいるシーンは無さそうに思うのだが、そのへんどうなのか責任者に見解を聞きたいところ。
 当時のヨーズリ製トップウォータープラグには奇抜なものが多く、一部海外の好事家にも人気があったと聞いている。もちろん日本のB級ルアーファンにも大人気。蜘蛛とかトンボとか今見ても良いできである。トンボの羽など、繊細でよくぶっ壊れたと聞くが、トンボをモチーフとした造形物としてはアールヌーヴォーを代表するルネ・ラリック作の「蜻蛉の精」に匹敵するぐらいの逸品だと思ったり思わなかったり。


 昆虫系では、ダイワの「生きている蝉」ことリブンシケーダも、一度生産が終わってから、トップウォーターの釣りの流行の中で再度生産されることにもなった人気作である。
 横に外輪船の水車ようにペラを組み込んだメカニックな感じと、妙にリアルなクマゼミっぽいボディとのミスマッチ感がいかにも日本人の作ったルアーという感じで良い塩梅である。確か2度目の生産時にはミンミンゼミサイズのjrも発売されたんじゃなかっただろうか。うまく水車が回らないという噂もあったけど試しに投げたら、ちゃんと水車回って飛沫あげてくれたように記憶している。釣ったこと無いけど2個持っているぐらいには気に入っている。

 お次は、ハトリーズシリーズやヘドンのスミススペシャルカラーとかも有名なスミスのバサロ。バサロと聞いてスポーツ庁長官だかになられる鈴木大地の背泳ぎ金メダルを思い浮かべることができるのは我々オッサン世代。バサロもオッサンが作っていたんだろうなと思うが、普通ミノーでもクランクベイトでもプラグはだいたい横揺れするものだが、これはグネグネと縦揺れ系の動きをするルアーである。背泳ぎのバサロ泳法は水中を天井向いたままドルフィンキックのみで進む泳法で、そのドルフィンキックのイメージから命名されたのだろうが、なぜ縦に揺れなければならなかったのか、何を考えていたのかさっぱり分からない。良くこんな変態的なルアーを考えたものだと感心していたら、どうもこれ元ネタがあって古いアメリカのルアーにこういう動きのルアーがあったようだ。アメリカ人さすがや。

 世間では東京オリンピックのエンブレムのパクリ騒動が騒がしいが、いっちゃあなんだが、日本のルアーというか、デザインとか工業の歴史はパクリの歴史でもあったと暴言を吐いておく。いかにもメイドインジャパンというような個性を日本のルアーが獲得したのは、せいぜい90年代くらいからで、それ以前はモロパクあたりまえで、今でもちょっと売れたルアーがあれば、似たようなコンセプトをパクったような後発ルアーが続々と発売されるのをみると、日本にとってパクりは御家芸で今回の五輪エンブレムのような話は誇るべき話ではないにしても、ある意味実に「日本らしい」騒動だったと思っている。若い人はパクリといえば中国と思っているかもしれないが元々それは日本の御家芸ジャンと。
 「パクり」「模倣」著作権等の問題もあり褒められたモノではないという認識と同時に、私は模倣の過程も無しにオリジナリティーの発現など無く、ただひたすらの前人の模倣、再生産の末に、たまたまポロッと偶然に何かが降りてきてオリジナルの花が咲くものだと思っている。真にオリジナルな「何を考えているのか分からない」ぐらいのアイデアというのはそれ故に稀少で、賞賛されてしかるべきものだと思っている。それが新たな地平を切り開くような革新的なものでなく、一発で消えていったあだ花だとしても、そういったあだ花無しに革新だの進歩だのはあり得なかったと思うのである。


 というような、パクリの歴史をルアーの世界で語るうえで、まあ我々オッサンどもならコーモランという愛すべきルアーメーカーを覚えていると思うが、意外と大手でも昔はモロパクやってたのである。

 写真をみて、腹帯口紅の時代のラパラだと思うだろう。私も中古屋でそう思った。
 でもリップを見ると「RAPARA」ではなく「DAIWA」なのである。DAIWAは版権買って作ってた「フィンチュルー」→「トップケビー」、「ダンスキング」→「ピーナッツ」なんてのもあるが、おそらくこれは無許可コピーで、DAIWAはラパラのライバルのインビンシブルもコピーしていたという平等主義が今考えるとすごい。

 似たような時代だと思うが、リョービのレーベルコピー品。上に置いたのは比較のための現行のレーベルミノーだが、リョービがつぶれてジャパニーズルアーがハイテク化しても今でも、鱗の切り方も変わらず売っているオリジナルの実力には恐れ入る。







 という感じで、今日3Dコピーしたようなモロパクのルアーってそうそう無いんだけど、ちょっとデザイン変えた程度の後発品なんていうのは普通にあって、そういう後発品も含めた豊富なバリエーションの中からルアーを選べる楽しみとか、安易に否定できるものではなくてパクリも結局程度問題でケースバイケースなのかなと思ったりする。あまり杓子定規なオリジナル至上主義はかえって新たな可能性の芽を摘んでしまうのではないかと、ルアーに限らずマンガとかの表現物でも同じように感じる事が多い。
 とはいえ、思いっきりパクったものでいけしゃあしゃあと大儲けとかされると、それは違うだろうと、そういうのは恥ずかしそうにコソッとやれよと感じる。

 オリジナルとパクリの関係なんて実に微妙なもので、善悪の判断は本当は難しいものだと感じている。さんざん海外メーカーのマネをしていた日本の釣り具メーカーの製品が、今や世界に真似される時代である。日本のいろんなメーカーも真似してきてアンバサダーのABU社から明らかにシマノのカルカッタを意識した「モラム」が出たときに、当時既に日本車の丸っこい近未来的デザインがドイツ車とかでも取り入れられ初めていて、工業製品全般にそういう潮流にはあったとはいえ、「あのABUがシマノのパクリかよ!」と自分的には激震を感じたものである。
 海外メーカーをパクリまくった模倣の時代無しに、今の日本のハイテク釣り具の時代など来なかっただろうと思うと、どこまでの「パクり」が許されるのか、法的な判断はそれはそれであるのだろうけど、そういう杓子定規な世界ではない中での線引きは、もっと大らかなときもあれば、逆にもっと厳密なときもあるように思う。などと答えになっていない答えについて、答えのない問いについて考えてみたりする。 

 オリジナリティーというのはものを作る上で最も大事なものの一つであると思う、でもオリジナリティーに達するまでに膨大な模倣の過程をくぐらなければならないという矛盾もまた真実だと思うのである。

2015年9月9日水曜日

黄色い空

 台風18号の影響でもの凄い雨が降っているが、雲の加減なのか夕焼けが見たこと無いような不気味な黄色でチョット怖い。

 河川のライブカメラで近所の川の様子をチェックすると、河川敷が水浸しで住人の人達ちゃんと避難できているのか心配な状況。
 今日からチョット遅めの夏休みに突入していて、周期的に強くなる雨脚を避けて午後一で運転免許の更新に行ってきたが、駅の隅の方に河原の住人っぽい人が避難しに来ていた。
 釣り場のそばに住んで満員電車の痛勤とも無縁な自由さには羨望を覚えたりもするが、こういう時は大変なんだろうなと自由さと引き替えの苦労を思う。

 河川氾濫で避難勧告でている地域もあるようで、被害が少ないことを祈るばかりである。

 台風既に日本海に抜けて風は明日にはおさまっているという予報で、朝の段階では明日出漁できそうだとサメ釣りのガイドをお願いした遊漁船の船長の見立てだったのだが、予想以上に雨が残るので、雨が激しいとレーダーが効きにくく海上交通錯綜する東京湾、レーダー効かなくなるような豪雨の中では出漁できんという判断で、先ほど中止の連絡あった。
 シルバーウィークに予約入れ直して仕切り直しである。天気には勝てん。

 まあ、ある程度濁流が収まってくれれば増水中はシーバス活性上がるので、様子見てシーバス釣りに行こう。

 夏休みのタイミングで台風2つも発生していて、どんだけ日頃の行いが悪いのかという感じだが、秋の台風は税金みたいなもんで、まああんまり気にしないでやれるようにやるさというところ。

2015年9月6日日曜日

タンスの角じゃないけど小指をぶつけて

 朝起きて、寝ぼけながらトイレに向かう途中、思いっ切り部屋のドアの角に小指をぶつけた。
 眠気と尿意が勝り、あまり痛みも感じずに用を足して二度寝しようと寝室に戻りかけると、なんか足元がネバネバしている。ナンジャロ?と思ったら足の小指から結構な出血。

 爪がチョット割れたかなと爪を触ってみたら、洋式トイレの蓋のように小指の爪がパカパカするぐらいに剥がれかけていて卒倒しそうになった。ヒィィィ

 実は週後半には夏休みで、10日には船もおさえてスタンドアップタックルでのサメ初挑戦という予定なので、足踏ん張れなかったらどうしようと青くなる。拷問で生爪を剥ぐというのがあるぐらいなのでメチャクチャ痛そうなイメージがあったのだが、痛みはなぜかたいしたことなく最悪ビーチサンダルとか履いて小指を圧迫しなければ何とかなりそうな気配ではある。

 とはいえこのまま剥がれそうな状態で放置して良いモノかいっそ取っ払ってしまった方が良いのかよく分からないので、ネットで検索して日曜診療してくれる病院を探して行ってくるつもり。


 ここ2週間ほどで対サメ用の準備はあれこれ詰めていて、初めてのスタンドアップタックルということもあり、ラインシステムも10キロドラグを想定してテストを繰り返して、魚かける前からチョット筋肉痛で腰が痛いぐらいなのだが、なんとかシンプルで強度的にも満足行く感じに仕上がってきた。まあ、実際使ってみるとまた改善が必要になるんだろうけど、まずはこんなもんだろう。

 サメ釣る道具立てとかラインシステムとかあんまりネットでも転がってなかったので、誰か後に続く奇特な人がいた時のために参考までまとめてみた。
 ワイヤーリーダーのリグり方とかまあ普通の釣り人には一生縁が無いかもしれませんが、「工夫」の「ラインシステム」の下に「気分はオルカ号の船長 対サメ用ラインシステム」としてUPしてます。

 オルカ号ってのはあれです、映画ジョーズに出てくるサメ釣り専門の偏屈な漁師の船の名前です。
 オルカ号の船長、太いグラスのフェンウィックのロッドに、クソデカイPENNセネター、ファイティングチェアーのハーネスは木製の拘束具みたいな超ハード仕様で、荒くれ者のマッチョな海の男という感じで痺れます。こういう小道具のしっかりした考証まで気をつけられているところが、流石はスピルバーグ監督という感じです。

 細かいところも手を抜かずにキッチリと詰めるというのは、釣りでも大事なところだと思うのですが、私はいい加減な性格なので、いつも適当な釣りをしていると反省するしだいです。

 まあ、細かいところはいい加減だけどノリで突き抜けているB級映画も嫌いじゃないので、自分の釣りはそういうB級な味わいを楽しめばいいのだと最近思ったりしています。

 サメ釣り、一発で決めてしまおうなんて思っていないが、いつかきっと成し遂げる。